JP3515440B2 - 出力トランジスタの測定方法 - Google Patents

出力トランジスタの測定方法

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JP3515440B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、低インピーダンス
の出力トランジスタのオン抵抗を精度良く測定できるよ
うにした出力回路と出力トランジスタの測定方法に関す
る。 【0002】 【従来の技術】有機EL(エレクトロルミネッセンス)
ような電流印加によって発光するデバイスがある。この
ような電流駆動の負荷デバイスを駆動する場合、駆動回
路の出力トランジスタのインピーダンスを10Ω程度以
下に低く設定する必要がある。そこで、出力インピーダ
ンスを低くするために、例えばDMOS(Diffused MO
S)のようなデバイス構造が採用されている。 【0003】また、この駆動回路は、半導体プロセスに
よって製造されるため、良品か不良品かの判定は、ウエ
ーハプロービングによって行われている。図4は、ウエ
ハープロービングの方法を示す図であり、同図におい
て、51は、低インピーダンスの出力トランジスタであ
り、52,53は、金属薄膜から成る出力パッド端子で
ある。この出力トランジスタ51のオン抵抗を測定する
場合、出力パッド端子52,53上に、プローブカード
の2本のプローブ針54、55を立て、プローブ針5
4,55をプローブカードを介してLSIテスターに接
続して測定を行っていた。 【0004】しかしながら、プローブ針54,55と出
力パッド端子52,53との接触抵抗r1,r2が存在す
る。接触抵抗r1,r2は、プローブ針の劣化状態や接触
状態等のばらつきを含めると、最大で10Ω程度になる
ことが知られている。このため、この接触抵抗r1,r2
に比して、低インピーダンスの出力トランジスタのオン
抵抗Rを測定しようとする場合、精度良く測定すること
が困難であった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、低
インピーダンスの出力トランジスタのオン抵抗を精度良
く測定することができる機能を備えた出力回路を提供す
ることを目的とする。 【0006】また、そのような出力回路を用いて出力ト
ランジスタのオン抵抗を高精度に測定する方法を提供す
ることを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の出力トランジス
タの測定方法は、互いに並列接続され、等しいトランジ
スタサイズを有する第1及び第2の出力トランジスタ
と、前記第1及び第2の出力トランジスタのオン・オフ
状態を切換える切換回路を準備し、前記切換回路によっ
て前記第1の出力トランジスタをオン状態にして第1の
電流/電圧特性を測定するステップと、前記切換回路に
よって前記第2の出力トランジスタをオン状態にして第
2の電流/電圧特性を測定するステップと、前記第1及
び第2の電流/電圧特性が等しくない場合には、不良品
と判定し、前記第1及び第2の電流/電圧特性が等しい
場合には、さらに、前記切換回路によって前記第1及び
第2の出力トランジスタをオン状態にして第3の電流/
電圧特性を測定するステップと、前記第1及び第3の電
流/電圧特性に基づいてオン抵抗を算出するステップと
を有することを特徴としている。かかる構成によれば、
前記第1及び第2の出力トランジスタに欠陥がある場合
には、不良品と判定し、良品である場合にのみ、出力ト
ランジスタのオン抵抗を求めることとしているので、ト
ランジスタに欠陥がある場合に誤ったオン抵抗を測定し
てしまうことがない。したがって、この発明によれば、
出力トランジスタの不良判定も含めて、出力トランジス
タのオン抵抗を精度良く求めることができる。 【0008】 【0009】 【0010】 【0011】 【0012】 【0013】 【発明の実施の形態】本発明の一実施形態に係る出力回
路と出力トランジスタの測定方法について、図1乃至図
3を参照しながら説明する。 【0014】図1は、出力回路を示す回路図である。こ
の出力回路は、有機EL駆動用の陰極ICの出力回路を
示している。図において、第1の出力MOSトランジス
タ1及び第2の出力MOSトランジスタ2は、いずれも
Nチャネル型トランジスタであって、互いに並列接続さ
れており、その接続点から、出力パッド端子3、接地端
子4が取り出されている。第1の出力MOSトランジス
タ1及び第2の出力MOSトランジスタ2は、等しいト
ランジスタサイズ(チャネル幅/チャネル長)を有して
おり、同一のバイアス設定においては設計上、同一のオ
ン抵抗である。ここで、第1の出力MOSトランジスタ
1及び第2の出力MOSトランジスタ2は同一のセルを
用いて設計することが望ましい。また、図においては,
1ビット分の出力回路を示したが、実際の有機EL駆動
用の陰極ICでは、多ビットの出力回路が内蔵されてい
る。 【0015】5は、第1の出力MOSトランジスタ1及
び第2の出力MOSトランジスタ2のオン・オフ状態を
切換える切換回路である。6は、出力信号として、例え
ば印字データ等が入力される端子である。A,Bは、切
換回路5に切換信号を与えるためのテスト端子である。
テスト端子A,Bは抵抗Rによってプルアップされてい
る。 【0016】図2は、上記の切換回路5によって設定さ
れるトランジスタの状態をしている。テスト端子AがH
レベルの場合は通常動作モードであり、アンドゲート
7、8、9はいずれも開くので、端子6からの印字デー
タがアンドゲート8,9を介して、第1及び第2の出力
MOSトランジスタ1,2のゲートに印加される。印字
データを設定することにより、第1及び第2の出力MO
Sトランジスタ1,2の両方をオン状態に設定すること
ができる。 【0017】テスト端子AがLレベル、テスト端子Bが
Hレベルの場合は、アンドゲート8の出力がHレベル、
アンドゲート9の出力がLレベルになり、第1のトラン
ジスタ1のみがオンする。逆に、テスト端子AがLレベ
ル、テスト端子BがLレベルの場合は、アンドゲート8
の出力がLレベル、アンドゲート9の出力がHレベルに
なり、第1のトランジスタ2のみがオンする。 【0018】図3は、出力トランジスタの測定方法を示
す図である。図3(a)に示すように、プローブ針1
0,11は、出力パッド端子3、接地端子4に立てられ
る。r1,r2は接触抵抗である。ここで、図3(a)の
測定回路において、r1,r2を1つの抵抗rにまとめる
と、図3(b)に示すような等価回路と見ることができ
る。すなわち、r=r1+r2である。 【0019】いま、図2に示したテスト端子A、Bの設
定によって、第1の出力トランジスタ1のみをオン状態
に設定し、LSIテスターによって、電流I1を流し、
出力パッド端子3と接地端子4との間の電圧V1を測定
する。そうすると、次の式が成り立つ。 【0020】 V1=I1・(r+R1) … (1) ここで、R1は、第1の出力トランジスタ1のオン抵抗
である。 【0021】また、テスト端子A、Bの設定によって、
第2の出力トランジスタ2のみをオン状態に設定し、L
SIテスターによって、電流I1を流し、出力パッド端
子3と接地端子4との間の電圧V2を測定する。そうす
ると、次の式が成り立つ。 【0022】 V2=I1・(r+R2) … (2) さらに、テスト端子A、Bの設定によって、第1の出力
MOSトランジスタ1と第2の出力トランジスタ2を両
方オン状態に設定し、LSIテスターによって、電流I
3を流し、出力パッド端子3と接地端子4との間の電圧
3を測定する。そうすると、次の式が成り立つ。 【0023】 V3=I3・(r+R1・R2/(R1+R2))… (3) R1=R2と仮定すれば、式(1)及び式(3)から、R
1が次のように、求められる。 【0024】 R1=2・(I3・V1−I1・V3)/I1・I3 … (4) 実際の出力トランジスタの抵抗値は、第1の出力MOS
トランジスタ1と第2の出力トランジスタ2の抵抗が合
成される結果、R1/2となる。 【0025】ここで、R1=R2であることを仮定した
が、実際の半導体プロセスを施した出力MOSトランジ
スタでは、ウエーハの欠陥やプロセスの不具合などの要
因のために、この関係が成り立たないこともある。この
ような場合にも、式(4)を適用すると誤ったオン抵抗
値を算出してしまう。そこで、式(1)(2)におい
て、V1≒V2であることが確認された場合には、(4)
式を用いてオン抵抗を算出し、V1≠V2の場合は、第1
のトランジスタ1、第2のトランジスタ2のいずれかに
何らかの欠陥があると判断し、その出力MOSトランジ
スタは不良と判定するようにした。 【0026】なお、本実施形態は、有機EL駆動用の陰
極ICとして、出力トランジスタがNチャネル型のMO
Sトランジスタである場合について説明したが、本発明
の思想はこれに限定されることなく、低インピーダンス
の出力トランジスタに広く適用することができる。 【0027】 【発明の効果】本発明によれば、第1及び第2の出力ト
ランジスタに欠陥がある場合には、不良品と判定し、良
品である場合にのみ、出力トランジスタのオン抵抗を求
めることとしているので、トランジスタに欠陥がある場
合に誤ったオン抵抗を測定してしまうことがない。した
がって、この発明によれば、出力トランジスタの不良判
定も含めて、出力トランジスタのオン抵抗を精度良く求
めることができる。 【0028】 【0029】
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施形態に係る出力回路を示す図であ
る。 【図2】テスト端子によるトランジスタの状態設定を示
す図である。 【図3】本発明の実施形態に係る出力トランジスタの測
定方法を示す図である。 【図4】従来例に係る出力トランジスタの測定方法を示
す図である。 【符号の説明】 1 … 第1の出力トランジスタ 2 … 第2の出力トランジスタ 3 … 出力パッド端子 4 … 接地端子 5 … 切換回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/04

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 互いに並列接続され、等しいトランジス
    タサイズを有する第1及び第2の出力トランジスタと、
    前記第1及び第2の出力トランジスタのオン・オフ状態
    を切換える切換回路を準備し、 前記切換回路によって前記第1の出力トランジスタをオ
    ン状態にして第1の電流/電圧特性を測定するステップ
    と、 前記切換回路によって前記第2の出力トランジスタをオ
    ン状態にして第2の電流/電圧特性を測定するステップ
    と、 前記第1及び第2の電流/電圧特性が等しくない場合に
    は、不良品と判定し、前記第1及び第2の電流/電圧特
    性が等しい場合には、さらに、前記切換回路によって前
    記第1及び第2の出力トランジスタをオン状態にして第
    3の電流/電圧特性を測定するステップと、 前記第1及び第3の電流/電圧特性に基づいてオン抵抗
    を算出するステップと、を有することを特徴とする出力
    トランジスタの測定方法。
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