JP3514907B2 - 吸収式冷凍機 - Google Patents

吸収式冷凍機

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JP3514907B2 JP11038896A JP11038896A JP3514907B2 JP 3514907 B2 JP3514907 B2 JP 3514907B2 JP 11038896 A JP11038896 A JP 11038896A JP 11038896 A JP11038896 A JP 11038896A JP 3514907 B2 JP3514907 B2 JP 3514907B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸収式冷凍機に関
し、特に吸収器あるいは蒸発器における、ポンプ部分で
の圧力漏れやキャビテーションの防止を図りつつ装置全
体のコンパクト化を図った吸収式冷凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】吸収式冷凍機では、低圧に保持した蒸発
器と吸収器とを接続し、蒸発器で発生させた冷媒蒸気を
吸収器の吸収液で吸収させることにより吸収冷凍動作を
行わせている。前記蒸発器では未気化冷媒液を該蒸発器
内で循環させて冷水管を冷却し、この冷水管を通る冷水
は、例えば室内機に導かれて冷房に使用される。
【0003】前記吸収器では吸収作用によって吸収液の
温度が上昇するとともに吸収剤濃度も低下し、その結
果、吸収器の吸収能力が低下する。したがって、吸収器
では吸収液を該吸収器内で循環させて冷却水管で冷却す
るようにしている。冷却水管の冷却水は熱交換器に導か
れて熱が放出される。さらに、濃度の低下した吸収液は
再生器に送られて濃度の回復が図られる。
【0004】前記蒸発器内における未気化冷媒の循環
や、吸収器内における吸収液の循環および再生器への給
送にはポンプが使用される。ポンプを含む従来の配管は
例えば図5に示すようになっている。同図において、吸
収器100は、熱交換器部分101と吸収液が貯留され
ているタンク部分102からなる。タンク部分102か
ら図示しない再生器に吸収液を給送するためにポンプ1
03が設けられる。レイアウトの都合から一般的には該
ポンプ103とタンク部分102とは曲管104で接続
されることになり、タンク部分102およびポンプ10
3に対して曲管104を接続するため、継手105およ
び106が使用される。さらに、ポンプ103の出口側
には継手107を使用して管108が接続される。ポン
プ103はベースプレート109に固定され、曲管10
4はクランプ110で固定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の例のような一般
的なポンプの接続態様では次のような問題点があった。
上述のように、吸収冷凍機の蒸発器や吸収器は、例えば
30mmHg程度の低圧に保持されて使用される。したが
って、ポンプで輸送される未気化冷媒や吸収液は飽和状
態に近いために、前記タンク部分102とポンプ103
との間の管路圧損の影響でキャビテーションが発生しや
すくなり、ポンプの空転が起きる。そこで、一般には配
管を比較的太径にして圧力損失を減らすことによりキャ
ビテーションの発生を抑制しようとするが、一方で、配
管内部は上述のように真空に近い低圧環境であるため配
管を太くすると継手部分で圧力漏れが生じやすくなると
いう問題点が生ずる。加えて、吸込みヘッドを得る為、
高さが高くなりがちである。
【0006】また、ポンプを配置するために配管類を含
めて、広いスペースが必要となるほか、各種関連機器と
のレイアウトの関係上、ポンプの取付け姿勢や配管経路
に自由度がなくなる。そうすると、図5のように曲管を
使用せざるを得なくなってここでも圧力損失によるキャ
ビテーションが発生しやすくなる。
【0007】本発明は、上記吸収冷凍機の問題点に鑑
み、吸収器あるいは蒸発器におけるポンプ部分での圧力
漏れやキャビテーションの防止を図りつつ装置全体の小
形化をも可能とした吸収式冷凍機を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決し、目
的を達成するための本発明は、冷媒を貯留する冷媒タン
クを有する蒸発器と、吸収剤を含む吸収液を貯留する吸
収液タンクを有し、前記蒸発器で発生した冷媒蒸気を前
記吸収液で吸収して吸収熱を発生する吸収器と、前記吸
収器から供給された吸収液を加熱して冷媒蒸気を抽出す
る再生器と、前記再生器で抽出された冷媒蒸気を凝縮さ
せて前記蒸発器に回収するための凝縮器と、前記吸収液
タンクに貯留された吸収液を該吸収液タンクから送出さ
せるためのポンプとを具備し、前記ポンプのハウジング
を前記吸収液の壁面に固定することにより該ポンプを前
記吸収液タンクと一体に形成した点に第1の特徴があ
る。
【0009】また、本発明は、吸収液を吸収器内で循環
させる循環ポンプおよび吸収液を再生器に送出する送出
ポンプが前記吸収液タンクの壁部に隣接して配置された
点に第2の特徴があり、前記冷媒タンクに貯留された冷
媒を該冷媒タンクから送出させるためのポンプを具備
し、該ポンプのハウジングを前記冷媒タンクの壁面に固
定することにより該ポンプを前記冷媒タンクと一体に形
成した点に第3の特徴がある。
【0010】また、本発明は、前記ポンプを渦流ポンプ
で構成し、前記吸収液タンクまたは冷媒タンクの壁部を
窪ませて少なくとも流路からなるポンプ室を一体に形成
し、該渦流ポンプの羽車を前記ポンプ室内に埋設収容し
た点に第4の特徴がある。
【0011】また、本発明は、前記吸収液タンクに貯留
された吸収液を該吸収液タンクから送出させるための渦
流ポンプおよび前記冷媒タンクに貯留された冷媒を該冷
媒タンクから送出させるための渦流ポンプの双方を具備
し、前記吸収液タンクの壁部を窪ませて少なくとも前記
吸収液の流路からなるポンプ室を一体に形成し、前記吸
収液を送出させるための渦流ポンプの羽車を前記ポンプ
室内に埋設収容するとともに、前記冷媒タンクの壁部を
窪ませて少なくとも前記冷媒の流路からなるポンプ室を
一体に形成し、前記冷媒を送出させるための渦流ポンプ
の羽車を前記ポンプ室内に埋設収容した点に第5の特徴
がある。
【0012】上記第1ないし第5の特徴によれば、冷媒
および吸収液のそれぞれを貯留しているタンクから冷媒
または吸収液を送出するためのポンプを前記タンクと一
体に形成したので、該タンクおよびポンプ間の配管が不
要となる。その結果、配管継ぎ目部分等で圧力漏れを起
こしにくくなるし、配管を必要としていたときの熱損失
がなくなる。
【0013】特に、第4および第5の特徴によれば、ポ
ンプをタンクの壁部に一部埋設させることができるの
で、吸収器や蒸発器からの突出部分が減少する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明を
詳細に説明する。図4は本発明の一実施形態に係る吸収
式冷凍機の要部構成を示す系統ブロック図である。図4
において、蒸発器1には冷媒としてフッ化アルコール
が、吸収器2には吸収剤を含む吸収液としてDMI誘導
体が収容されている。蒸発器1と吸収器2とは互いに連
結されていて、これを、例えば30mmHg程度の低圧環
境下に保持することにより冷媒の蒸発を促進させ、吸収
器2の吸収剤吸収液がフッ化アルコールの蒸気つまり冷
媒蒸気を吸収して吸収冷凍動作が行われる。
【0015】吸収器2の吸収液が冷媒蒸気を吸収して、
吸収熱を発するが、顕熱交換器からの冷却水により、冷
却され、さらなる冷媒の吸収を促進させる。その為、蒸
発器内の冷媒の蒸発は加速され、蒸発器本体は、冷媒の
蒸発潜熱により冷却される。蒸発器1内に設けられた管
路1aには、エチレングレコールまたはプロピレングレ
コール水溶液等の冷水が通過する。冷媒はポンプP1に
よって蒸発器1内に設けられた図示しない散布手段に導
かれ、前記冷水が通過している管路1a上に散布され
る。前記冷媒は管路1a内の冷水から蒸発熱を奪って低
圧の冷媒蒸気となり、蒸発通路を通って吸収器2に流入
する。蒸発器1内の冷媒は前記散布手段に導かれるほ
か、その一部は再生器にも給送される。
【0016】同様に、吸収器にも該吸収液の温度上昇を
抑制するため、吸収器2には管路2aが設けられ、該管
路2aには冷却水が通される。吸収液はポンプP2によ
って吸収器2内に設けられた図示しない散布手段に導か
れ、管路2a上に散布される。その結果、吸収液は管路
2aを通っている冷却水で冷却される。
【0017】吸収器2内の吸収液は、冷媒蒸気を吸収す
ると、その吸収剤濃度が低下して吸収能力が低下する。
そこで、冷媒蒸気を分離発生させ、かつ吸収液の吸収能
力を回復させるために再生器が設けられる。本実施形態
では、第1(高温)再生器3および第2(低温)再生器
4が設けられており、第1再生器3には第1(高温)分
縮器5、第2再生器4には第2(低温)分縮器6がそれ
ぞれ組み合わせで設けられ、二重効用方式の再生器を構
成している。
【0018】第1再生器3はバーナ7を有しており、吸
収器2からポンプP3で給送された希液はこのバーナ7
で加熱されて沸騰する。この沸騰によって希液から生じ
た冷媒蒸気は第1分縮器5に給送される。この冷媒蒸気
は第1分縮器5で冷却水が通っている管路5aによって
冷却され、該蒸気中に残存している吸収剤成分が分離さ
れる。こうして、濃度が高められた中間液が第1再生器
3の底部に溜まる。
【0019】第1分縮器5を通過した冷媒蒸気は、依然
として高温を保っており、中間液の加熱のため第2再生
器4に導かれる。前記中間液は第2再生器4に給送さ
れ、前記第1分縮器を通過した冷媒蒸気の熱で加熱され
て冷媒蒸気を発生し、この冷媒蒸気は第2分縮器6に給
送される。冷媒蒸気は冷却水が通っている管路6aによ
って冷却され、第1分縮器5におけると同様、吸収剤成
分が分離される。こうして、さらに濃度が高められた濃
液が第2再生器4の底部に溜まる。濃液は前記吸収器2
に戻されて再び吸収液として使用される。
【0020】第2分縮器6を通過した冷媒蒸気は凝縮器
9に給送される。また、第2再生器4を通過した冷媒蒸
気は減圧弁8で減圧されて凝縮器9に給送される。な
お、凝縮器9に給送されるこれらの冷媒蒸気の純度は、
おおよそ99.8%にまで高められており、凝縮器9で
ファン10による冷却風で冷却されて凝縮液化された
後、減圧弁11を経由して蒸発器1に回収される。
【0021】なお、蒸発器1に回収される蒸気の純度は
極めて高くなっているが、ごくわずかに混在する吸収剤
成分が長時間の運転サイクルによって蓄積し、蒸発器1
内の冷媒の純度が徐々に低下することは避けられない。
そこで、上述のように、蒸発器1から冷媒のごく一部を
第2分縮器6に給送して中間液から生じる蒸気とともに
純度を上げるためのサイクルを再び経るようにしてい
る。
【0022】吸収器2と第1再生器3との間には第1の
熱交換器12が設けられ、第2再生器4から出た高温の
濃液は吸収器2から出た希液と熱交換して冷却された
後、吸収器2に回収される。また、第1の熱交換器12
で予備的に加熱された希液は第1再生器3から出た高温
の中間液と第2の熱交換器13で熱交換され、希液は予
備的に加熱されて第1再生器3へ給送され、中間液は冷
却されて第2再生器4へ給送される。
【0023】また、冷却水を外気と熱交換するための顕
熱交換器14には管路14aが通され、室内機15には
蒸発器1の未気化冷媒で冷却された冷水を通す管路15
aが設けられている。室内機15にファンを設け、この
ファンによる風の通路に管路15aを配して冷気が室内
に吹き出すようにすれば、当該冷凍機は冷房機として機
能する。なお、室内機15の管路15aに吸収器2の管
路2a、第1分縮器5の管路5aおよび第2分縮器6の
管路6aを通った冷却水を循環させ、顕熱交換機14の
管路14aに蒸発器1を通った冷水を循環させるよう
に、配管の切り替えを行えば、室内機15を暖房機とし
て使用することができる。前記冷房運転時および暖房運
転時の配管の切り替えは、周知の四方弁によって行えば
よい。また、冷却水の循環はポンプP4,5によって行
われる。
【0024】次に、蒸発器1と前記ポンプP1との結合
部ならびに吸収器2とポンプP2,P3との結合部の詳
細を説明する。まず、吸収器2とポンプP2,P3との
結合部について説明する。図1は吸収器のロアタンク部
の拡大断面図、図2は吸収器の正面断面図であり、図1
は図2の背面から見た図である。図1において、ロアタ
ンク21は吸収器2の下部に設けられ、内部には吸収液
22が貯溜されている。ロアタンク21の支持板つまり
ベース23には、ポンプP2とP3とが隣接して取付け
られている。ポンプP2は吸収液22を吸収器2の上部
に給送してさらなる冷媒の吸収をさせるために設けら
れ、ポンプP3は吸収液22を再生器に給送して濃度回
復をするために設けられる。
【0025】ポンプP2およびP3は比較的キャビテー
ションに対して耐力の大きなウエスコポンプからなる渦
流ポンプで構成しており、それぞれモータ部Mおよびポ
ンプ部Pを有する。ポンプP2に関して構造を説明す
る。ポンプP2のモータ部Mは図示しない駆動部で回転
する軸24を有し、軸24は軸受25で回動自在に支持
されている。軸24にはボルト26によってロータ27
が固定され、かつ、ロータ27の回転中心寄りには磁石
28が固定されている。
【0026】前記軸受25の外輪は筒型のハウジング2
9に固定されている。該ハウジング29はモータ部Mの
軸24と同心に配置された内部円筒30を有していて、
ボルト31,32等で前記ベース23に固定されてい
る。内部円筒30には、一端が該内部円筒30に支持さ
れ、他端がベース23に支持されたポンプ軸33が設け
られている。該ポンプ軸33には該ポンプ軸33を中心
にして回転するポンプロータ34が設けられる。このポ
ンプロータ34の周囲には円周上で等間隔に配置された
複数の磁石35が配設されていて、前記モータ部Mのロ
ータ27が回転すると、ロータ27の磁石28とポンプ
ロータ34の磁石35との吸引力により、ポンプロータ
34はモータ部Mのロータ27に追従して回転する。
【0027】ポンプロータ34の一端(図中では上端)
には羽車36が形成され、該羽車36はベース23内に
形成された流路37内に配置されている。換言すれば、
羽車36はベース23に埋没していて、該ベース23の
一部を窪ませてここにポンプ室を、一体的に形成してい
る。このように羽車36を埋没させることによってポン
プP2,P3の突出部分を小さくすることができる。符
号38はハウジング29とベース23との間の気密を保
持するためのシール材である。
【0028】前記流路37には吸収液22をロアタンク
21から取り込むための入口39と取り込んだ吸収液2
2を排出する出口40を有する。入口39から出口40
まではできるだけ長い距離の経路をとれるように、該入
口39と出口40を配置するのが好ましい。なお、前記
出口40には垂直上方に伸びる導管41の端部がつなげ
られる。
【0029】ポンプP3もポンプP2と同様の構造であ
り、ポンプP2と同一または同等部分は同符号で示す。
ポンプP3では、流路37に形成された入口42から取
り込んだ吸収液22を再生器に給送するための出口43
および該出口43につながる導管44を有する。符号4
5は出口43の封止栓である。
【0030】図2を参照して吸収器2の構造を説明す
る。同図において、吸収器2の上部つまり前記ロアタン
ク21の上方には冷却水管(前記管路2aに相当)46
が設けられ、ジャケット47の入口48から導入された
冷却水が該冷却水管46を循環して出口49から排出さ
れる。
【0031】この構成により、導管41を通って汲み上
げられた吸収液22は散布管50に案内され、該散布管
50に配設された散布ノズル51から前記冷却水管46
上に噴出される。冷却水管46に接触して冷却水に熱を
奪われて温度が低下した吸収液22はロアタンク21に
落下して溜まる。一方、温度が上昇した冷却水は冷房運
転時には再生器3,4等を経由して顕熱交換機14に循
環する。また、暖房運転時には再生器3,4等を経由し
て室内機15に循環される。なお、前記再生器3,4で
濃度が回復した濃液も散布管50に導入される。
【0032】続いて、ポンプP1が組み付けられた蒸発
器1を図3を参照して説明する。同図において、ポンプ
P1は蒸発器1のロアタンク52の上板53に、モータ
部Mを上に、ポンプ部Pを下にして取付けられている。
ロアタンク52には冷媒61が貯留されている。蒸発器
1においても、吸収器2の場合と同様、ポンプP1の羽
車54は上板53に埋没して配置されている。このよう
にポンプP1の一部を埋没させることによって突出部分
を小さくすることができる。
【0033】前記上板53には冷媒を取り込むための入
口55がロアタンク52内に突出して形成されている。
さらに、上板53にはポンプP1から冷媒を排出するた
めの出口56が形成され、該出口56には上方に伸びる
導管57がつなげられている。該導管57は途中から折
れ曲がり、散布管58につながる。散布管58は蒸発器
1内で水平に配置され、その下部には複数の散布ノズル
59が設けられている。散布ノズル59の下方には冷水
管60が配置される。なお、冷水管60は前記管路1a
に相当し、該冷水管には冷水管60には図示しない冷水
の入口と出口とが結合される。
【0034】この構成により、導管57を通って汲み上
げられた冷媒61は散布管58に案内され、散布ノズル
59から前記冷水管60上に噴出される。冷媒61が冷
水管60に接触することにより、冷水の温度が低下す
る。温度が低下した冷水は冷房運転時には前記室内機1
5に循環させて冷房に使用される。一方、暖房運転時に
は冷水は顕熱交換機14に循環される。
【0035】なお、導管57部分には、前述のように、
蒸発器1からの冷媒のごく一部を第2分縮器6へ給送す
る分岐部が設けられているか、図示説明は省略してい
る。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1ないし請求項6の発明では、冷媒および吸収液のそれ
ぞれを貯留しているタンクから冷媒または吸収液を送出
するためのポンプを前記タンクと一体に形成した。した
がって、前記タンクおよびポンプ間ではキャビテーショ
ンを防止するために従来必要であった大径の配管が不要
となる。その結果、配管継ぎ目部分等で圧力漏れを起こ
しにくくなるし、配管を必要としていたときの熱損失が
なくなる。
【0037】特に、請求項3,5,6の発明によれば、
ポンプをタンクの壁部に埋設形成することにより、吸入
口の設計や姿勢等を最適状態に固定可能なため、キャビ
テーション対策が容易であり、また、吸収器や蒸発器か
らの突出部分が減少するのでポンプの占有スペースが減
少して他の隣接機器のレイアウトの自由度が増し、冷凍
機の小形化が図れる。
【0038】さらに、ポンプをタンクに固定する場合
に、壁部を厚肉にして剛性をもたせる必要が生じるが、
特に、請求項3,5,6の発明では、ポンプの流路をタ
ンクの壁部に形成したので、単に、壁部を厚肉にする場
合よりもタンクの小形化が図れると同時に、壁部の厚肉
化によって剛性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る冷凍機の吸収器のロ
アタンク部の拡大断面図である。
【図2】 本発明の実施形態に係る冷凍機の吸収器の正
面断面図である。
【図3】 本発明の実施形態に係る冷凍機の蒸発器の正
面断面図である。
【図4】 本発明の実施形態に係る冷凍機の構成および
冷房運転時の配管系統を示す図である。
【図5】 従来の吸収器とポンプとの配管例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1…蒸発器、 2…吸収器、21…吸収器のロアタン
ク、 22…吸収液、 23…ベース、 28,35…
磁石、 29…ケーシング、 36…羽車、 37…流
路、 39,42…入口、 41,44,57…導管、
40,43,56…出口、 46…冷却水管、 60
…冷水管、 P1,P2,P3…ポンプ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 37/00 F25B 15/00 F25B 39/02 F25B 15/00 301 F25B 15/00 303

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒を貯留する冷媒タンクを有する蒸発
    器と、 吸収剤を含む吸収液を貯留する吸収液タンクを有し、前
    記蒸発器で発生した冷媒蒸気を前記吸収液で吸収して吸
    収熱を発生する吸収器と、 前記吸収器から供給された吸収液を加熱して冷媒蒸気を
    抽出する再生器と、 前記再生器で抽出された冷媒蒸気を凝縮させて前記蒸発
    器に回収するための凝縮器と、 前記吸収液タンクに貯留された吸収液を該吸収液タンク
    から送出させるためのポンプとを具備し、 前記ポンプのハウジングを前記吸収液タンクの壁面に固
    定することにより該ポンプを前記吸収液タンクと一体に
    形成したことを特徴とする吸収式冷凍機。
  2. 【請求項2】 前記ポンプが、吸収液を吸収器内で循環
    させる循環ポンプおよび吸収液を再生器に送出する送出
    ポンプからなり、 前記循環ポンプおよび送出ポンプを前記吸収液タンクの
    壁部に隣接して配置したことを特徴とする請求項1記載
    の吸収式冷凍機。
  3. 【請求項3】 前記ポンプを渦流ポンプで構成し、 前記吸収液タンクの壁部を窪ませて少なくとも前記吸収
    液の流路からなるポンプ室を一体に形成し、該渦流ポン
    プの羽車を前記ポンプ室内に埋設収容したことを特徴と
    する請求項1または2記載の吸収式冷凍機。
  4. 【請求項4】 冷媒を貯留する冷媒タンクを有する蒸発
    器と、 吸収剤を含む吸収液を貯留する吸収液タンクを有し、前
    記蒸発器で発生した冷媒蒸気を前記吸収液で吸収して吸
    収熱を発生する吸収器と、 前記吸収器から供給された吸収液を加熱して冷媒蒸気を
    抽出する再生器と、 前記再生器で抽出された冷媒蒸気を凝縮させて前記蒸発
    器に回収するための凝縮器と、 前記冷媒タンクに貯留された冷媒を該冷媒タンクから送
    出させるためのポンプとを具備し、 前記ポンプのハウジングを前記冷媒タンクの壁面に固定
    することにより該ポンプを前記冷媒タンクと一体に形成
    したことを特徴とする吸収式冷凍機。
  5. 【請求項5】 前記ポンプを渦流ポンプで構成し、 前記冷媒タンクの壁部を窪ませて少なくとも前記冷媒の
    流路からなるポンプ室を一体に形成し、該渦流ポンプの
    羽車を前記ポンプ室内に埋設収容したことを特徴とする
    請求項4記載の吸収式冷凍機。
  6. 【請求項6】 冷媒を貯留する冷媒タンクを有する蒸発
    器と、 吸収剤を含む吸収液を貯留する吸収液タンクを有し、前
    記蒸発器で発生した冷媒蒸気を前記吸収液で吸収して吸
    収熱を発生する吸収器と、 前記吸収器から供給された吸収液を加熱して冷媒蒸気を
    抽出する再生器と、 前記再生器で抽出された冷媒蒸気を凝縮させて前記蒸発
    器に回収するための凝縮器と、 前記吸収液タンクに貯留された吸収液を該吸収液タンク
    から送出させるための渦流ポンプと、 前記冷媒タンクに貯留された冷媒を該冷媒タンクから送
    出させるための渦流ポンプとを具備し、 前記吸収液タンクの壁部を窪ませて少なくとも前記吸収
    液の流路からなるポンプ室を一体に形成し、前記吸収液
    を送出させるための渦流ポンプの羽車を前記ポンプ室内
    に埋設収容するとともに、 前記冷媒タンクの壁部を窪ませて少なくとも前記冷媒の
    流路からなるポンプ室を一体に形成し、前記冷媒を送出
    させるための渦流ポンプの羽車を前記ポンプ室内に埋設
    収容したことを特徴とする吸収式冷凍機。
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