JP3514523B2 - ガンマ補正回路 - Google Patents

ガンマ補正回路

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JP3514523B2
JP3514523B2 JP22746294A JP22746294A JP3514523B2 JP 3514523 B2 JP3514523 B2 JP 3514523B2 JP 22746294 A JP22746294 A JP 22746294A JP 22746294 A JP22746294 A JP 22746294A JP 3514523 B2 JP3514523 B2 JP 3514523B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は,ガンマ補正回路に関し,とく
にポジ画像を撮像して得られるポジ画像信号およびネガ
画像を撮像して得られるネガ画像信号のいずれの信号を
もガンマ補正できる回路に関する。
【0002】
【発明の背景】ポジ画像を撮像して得られるポジ画像信
号およびネガ画像を撮像して得られるネガ画像信号のい
ずれもガンマ補正を行なうことが必要である。ガンマ補
正はたとえばガンマ補正を行なうための補正データをメ
モリに記憶しておき,撮像して得られる信号をディジタ
ル・データに変換し,記憶している補正データを用いて
補正することにより行なわれる。
【0003】しかしながら,ポジ画像とネガ画像とでは
異なる特性であるため同一の補正データを用いてガンマ
補正することはできない。したがって,ポジ画像を撮像
して得られる信号のガンマ補正データを記憶するメモリ
と,ネガ画像を撮像して得られる信号のガンマ補正デー
タを記憶するメモリとが必要となる。このためガンマ補
正を内蔵する撮像装置などの構成を簡素化できず,装置
が大型化してしまう。
【0004】
【発明の開示】この発明は比較的簡単な回路構成で,ポ
ジ画像を撮像して得られるポジ画像信号とネガ画像を撮
像して得られるネガ画像信号の両方の信号をガンマ補正
できるようにすることを目的とする。
【0005】第1の発明は,ネガ画像を撮像して得られ
るネガ画像信号またはポジ画像を撮像して得られるポジ
画像信号を入力し,ガンマ補正して出力するガンマ補正
回路において,入力する上記ポジ画像信号を振幅の最大
値と最小値との間で反転して出力する振幅反転回路,ネ
ガ画像信号をガンマ補正するための補正曲線によって表
わされる補正特性を有し,入力したネガ画像信号または
上記振幅反転回路から出力されるポジ画像信号を入力
し,入力する信号振幅に応じたガンマ補正値を出力する
補正値出力手段,および上記補正値出力手段から出力さ
れる補正値を用いて,入力するネガ画像信号または入力
するポジ画像信号をガンマ補正して出力する補正手段を
備えていることを特徴とする。
【0006】ネガ画像を撮像して得られるネガ画像信号
とポジ画像を撮像して得られるポジ画像信号とでは,ガ
ンマ補正するための補正曲線の補正特性が異なってい
る。しかし,この補正曲線の補正特性はネガ画像信号用
とポジ画像信号用とでは対称性を有している。したがっ
てネガ画像信号用のガンマ補正のための補正曲線であっ
ても,ポジ画像信号の信号を,振幅の最大値と最小値と
の間で反転すればポジ画像信号用のガンマ補正のための
補正曲線として用いることができる。逆にポジ画像用の
ガンマ補正のための補正曲線であっても,ネガ画像信号
の信号を,振幅の最大値と最小値との間で反転すればネ
ガ画像信号用のガンマ補正のための補正曲線として用い
ることができる。
【0007】第1の発明によると,上記補正値出力手段
はネガ画像信号をガンマ補正するための補正曲線を有し
ている。したがってネガ画像信号が入力するときは,補
正曲線の補正特性にもとづいた補正値を用いてそのまま
ガンマ補正が行なわれる。これに対し,ポジ画像信号が
入力するときは,ポジ画像信号が最大値と最小値との間
で振幅反転される。振幅反転されたポジ画像信号の信号
振幅に応じて,ネガ画像信号をガンマ補正するための補
正曲線にもとづいて補正値が得られる。得られた補正値
を用いて,ポジ画像信号がガンマ補正される。
【0008】第1の発明によると,ネガ画像信号をガン
マ補正するための補正曲線によって表わされる補正特性
を有する補正値出力手段を備えているだけで,ネガ画像
信号およびポジ画像信号のガンマ補正ができる。ネガ画
像信号およびポジ画像信号の両者の信号用の補正値出力
手段を備えることが不要となるので,ネガ画像信号およ
びポジ画像信号のガンマ補正ができるにもかかわらず回
路構成を簡素化できる。したがってガンマ補正回路を備
えた装置の小型化を図ることもできる。
【0009】上記振幅反転回路は,たとえば上記ポジ画
像信号の最大値から入力する上記ポジ画像信号を減算す
る減算回路によって構成される。
【0010】また上記振幅反転回路を,入力するポジ画
像信号と,ネガ画像信号とポジ画像信号との切替えを表
わすネガ・ポジ切替信号との排他的論理和をとるEx−
OR回路から構成してもよい。
【0011】第2の発明は,ネガ画像を撮像して得られ
るネガ画像信号またはポジ画像を撮像して得られるポジ
画像信号を入力し,ガンマ補正して出力するガンマ補正
回路において,入力する上記ネガ画像信号を振幅の最大
値と最小値との間で反転して出力する振幅反転回路,ポ
ジ画像信号をガンマ補正するための補正曲線によって表
わされる補正特性を有し,入力したポジ画像信号または
上記振幅反転回路から出力されるネガ画像信号を入力
し,入力する信号振幅に応じたガンマ補正値を出力する
補正値出力手段,および上記補正値出力手段から出力さ
れる補正値を用いて,入力するネガ画像信号または入力
するポジ画像信号をガンマ補正して出力する補正手段を
備えていることを特徴とする。
【0012】第2の発明によると,上記補正値出力手段
はポジ画像信号をガンマ補正するための補正曲線を有し
ている。したがってポジ画像信号が入力するときは,補
正曲線の補正特性にもとづいた補正値を用いてそのまま
ガンマ補正が行なわれる。これに対し,ネガ画像信号が
入力するときは,ネガ画像信号が最大値と最小値との間
で振幅反転される。振幅反転されたネガ画像信号の信号
振幅に応じて,ポジ画像信号をガンマ補正するための補
正曲線にもとづいて補正値が得られる。得られた補正値
を用いて,ネガ画像信号がガンマ補正される。
【0013】第2の発明によると,ポジ画像信号をガン
マ補正するための補正曲線によって表わされる補正特性
を有する補正値出力手段を備えているだけで,ポジ画像
信号およびネガ画像信号のガンマ補正ができる。ポジ画
像信号およびネガ画像信号の両者の信号用の補正値出力
手段を備えることが不要となるので,ネガ画像信号およ
びポジ画像信号のガンマ補正ができるにもかかわらず回
路構成を簡素化できる。したがってガンマ補正回路を備
えた装置の小型化を図ることもできる。
【0014】上記振幅反転回路は,たとえば上記ネガ画
像信号の最大値から入力する上記ネガ画像信号を減算す
る減算回路によって構成される。
【0015】また上記振幅反転回路を,入力するネガ画
像信号と,ネガ画像信号とポジ画像信号との切替えを表
わすネガ・ポジ切替信号との排他的論理和をとるEx−
OR回路から構成してもよい。
【0016】
【実施例の説明】図1はこの発明の実施例を示すもの
で,画像入力装置の電気的構成を示すブロック図であ
る。
【0017】図1に示す画像入力装置は,リバーサル・
フィルムおよびネガ・フィルムのいずれのフィルムも撮
像でき,フィルム画像を表わす映像信号を出力すること
ができるものである。
【0018】撮像対象としてのフィルムFI(リバーサ
ル・フィルムまたはネガ・フィルム)が置かれ,CCD
11によって撮像される。画像入力装置には,リバーサル
・フィルムまたはネガ・フィルムに応じてネガ・ポジ切
替信号が与えられる。
【0019】CCD11からフィルムFIの像を表わすR
GB信号が出力され前置増幅回路12に与えられ増幅され
る。前置増幅回路12から出力されるRGB信号はアナロ
グ/ディジタル変換回路13に与えられ,ディジタルRG
Bデータに変換される。ディジタルRGBデータは回路
のダイナミック・レンジの最大値と最小値(0)との間
で反転を行なう振幅反転回路14に与えられ振幅反転され
て切替スイッチ15に与えられるとともに,そのまま切替
スイッチ15に与えられる。
【0020】切替スイッチ15にはネガ・ポジ切替制御信
号が与えられている。切替スイッチ15に,ネガ画像を表
わす制御信号が与えられているときには,振幅反転回路
14の出力データが切替スイッチ15を通りオフセット付加
回路16に与えられる。切替スイッチ15に,ポジ画像を表
わす制御信号が与えられているときには,アナログ/デ
ィジタル変換回路13の出力データが,切替スイッチ15を
通りオフセット付加回路16に与えられる。
【0021】オフセット付加回路16は,3種類のRデー
タ,GデータおよびBデータのそれぞれのデータの最小
値を一致させる回路である。オフセット付加回路16から
出力されるRGBデータはホワイト・バランス調整回路
17に与えられホワイト・バランス調整が行なわれる。
【0022】ホワイト・バランス調整回路17においてホ
ワイト・バランス調整されたRGBデータはガンマ補正
回路20に与えられる。
【0023】ガンマ補正回路20は,入力するデータがリ
バーサル・フィルムを撮像して得られたデータか,ネガ
・フィルムを撮像して得られたデータかに応じて,それ
ぞれのデータに適したガンマ補正を行なう回路である。
ガンマ補正回路20の詳細については後述する。
【0024】ガンマ補正回路20においてガンマ補正され
たRGBデータはマトリクス回路31に与えられる。マト
リクス回路31において,入力するRGBデータからR−
YおよびB−Yの色差データならびに輝度データが出力
される。これらの色差データおよび輝度データがモニタ
表示装置に与えられることにより撮像したフィルムFI
の表わす像が表示される。
【0025】図2は,図1に示す装置に含まれるガンマ
補正回路20の電気的構成を示すブロック図である。
【0026】ホワイト・バランス調整回路17から出力さ
れるRGBデータはガンマ補正回路20に入力し,加算回
路27,切替スイッチ22および全ビット反転回路(振幅反
転回路)21Pにそれぞれ与えられる。全ビット反転回路
21Pは入力するデータをすべて反転させることにより,
最大値と0との間でデータの反転を行なう回路である。
全ビット反転回路21Pはたとえば図3に示すようにNO
T回路28から構成される。全ビット反転回路21Pから出
力されるデータは切替スイッチ22に与えられる。
【0027】切替スイッチ22にはネガ・ポジ切替制御信
号が与えられており,このネガ・ポジ切替制御信号がネ
ガ画像信号を表わしているときには,ネガ画像を撮像し
て得られるRGBデータは,全ビット反転回路21Pを介
さずに,次段のLUT(ルック・アップ・テーブル)23
Nに与えられる。ネガ・ポジ切替制御信号がポジ画像信
号を表わしているときには,全ビット反転回路21Pから
出力されるRGBデータが次段LUT23Nに与えられ
る。
【0028】LUT23Nはたとえばメモリから構成さ
れ,ガンマ補正のための補正曲線によって表わされる補
正特性を有するものであり,入力データの振幅に応じて
ガンマ補正値を出力するものである。図2に示すガンマ
補正回路20においてはLUT23Nには,ネガ画像信号に
対するガンマ補正用の補正データが記憶されている。L
UT23Nから出力される補正データは乗算回路24に与え
られ,乗算回路24に与えられるゲイン制御信号に応じて
補正データのレベルが変えられる。
【0029】乗算回路24から出力される補正データは切
替スイッチ26および符号反転回路25にそれぞれ与えられ
る。符号反転回路25から出力される補正データは切替ス
イッチ26に与えられる。切替スイッチ26にはネガ・ポジ
切替制御信号が与えられており,このネガ・ポジ切替制
御信号がネガ画像を表わしているときには符号反転回路
25から出力される補正データが加算回路27に与えられ,
ポジ画像を表わしているときは乗算回路24から出力され
る補正データが加算回路27に与えられる。
【0030】加算回路27において,入力するRGBデー
タと補正データとが加算されガンマ補正されたRGBデ
ータとして出力される。ガンマ補正回路に入力するデー
タがネガ・フィルムを撮像して得られるデータの場合,
補正データは,符号反転回路25において符号反転されて
いるため,RGBデータから補正データが減算されるこ
ととなる。
【0031】次に,ネガ・フィルムが撮像される場合に
ついて説明する。
【0032】図1に示す画像入力装置を用いてネガ・フ
ィルムを撮像したときに,画像入力装置の各回路から出
力される信号波形が図4から図12に示されている。これ
らの図においてBは青,Gは緑,Rは赤をそれぞれ示し
ている。
【0033】図4にネガ・フィルムの特性曲線が示され
ている。ネガ・フィルムは,露光量が多いほど濃度は濃
くなっており,露光量が少ないほど濃度は薄くなってい
る。
【0034】図4に示す特性のうち,範囲A1 で撮影し
たときの被写体輝度とデータの振幅との関係が図5に示
されている。図5に示す関係はアナログ/ディジタル変
換回路13の出力データにもとづいて得られるものであ
る。ネガ・フィルムにおいては被写体輝度が高いほど振
幅が低く,被写体輝度が低いほど振幅は高くなってい
る。
【0035】ネガ・フィルムを撮像した場合,振幅反転
回路14において振幅反転が行なわれる。振幅反転回路14
において振幅反転されて得られた,被写体輝度と振幅と
の関係が図6に示されている。被写体輝度の最低レベル
はRデータ,GデータおよびBデータとでは一致しない
のが一般的である。このため振幅反転回路14において振
幅反転された場合,図6に示すように振幅の最低値がR
データ,GデータおよびBデータのデータごとに異なっ
ている。これではこのデータのままガンマ補正をしても
適正なガンマ補正を行なうことができない。このために
オフセット付加回路16においてRデータ,Gデータおよ
びBデータの最小レベルが一致される。最小レベルが一
致されたデータによって表わされる被写体輝度と振幅と
の関係が図7に示されている。
【0036】またホワイト・バランス調整回路17におい
て,Rデータ,GデータおよびBデータの振幅の最大値
が一致するように調整される。ホワイト・バランス調整
回路17においてホワイト・バランス調整された,Rデー
タ,GデータおよびBデータの被写体輝度と振幅との関
係が図8に示されている。
【0037】図2を参照してガンマ補正回路20にはネガ
画像信号をガンマ補正するための補正特性を有するLU
T23Nが含まれている。LUT23Nの特性が図9に示さ
れている。図9を参照して,LUT23Nは,入力する信
号の振幅がアドレス信号となりアドレス信号によって指
定されるアドレスに記憶されるデータが出力される。図
9に示すようにLUT23Nに記憶されている補正データ
はアドレス信号,すなわち入力する信号の振幅が大きく
なるにつれて補正データの値も徐々に大きくなってお
り,信号振幅の最大値近傍において補正データが最大と
なり,再び徐々に補正データは低下している。ネガ・フ
ィルムを撮像して得られるデータによって表わされるR
GBデータの振幅特性は図8に示すように低い被写体輝
度において急激に高くなり,被写体輝度が高くなるにつ
れて徐々に少しずつ振幅が高くなっている。このためネ
ガ・フィルムを撮像して得られるデータによって表わさ
れる,被写体輝度と振幅との特性においてたとえばガン
マ補正を0.45とするには,被写体輝度が最大値近傍とな
るまで徐々に振幅の低下の割合を大きくし,被写体輝度
の最大値近傍から最大値までの間は徐々に振幅の低下の
割合を小さくする必要がある。したがってネガ・フィル
ムを撮像して得られるRGBデータを補正する場合LU
Tに図9に示すような特性をもたせ,図8に示すような
RGBデータから図9に示す特性をもつ補正データを減
算することにより図12に示すようにガンマ補正されたR
GBデータが得られる。
【0038】RGBデータは,図8に示すようにRデー
タ,GデータおよびBデータごとに特性が異なってい
る。したがって1つの特性を用いてRデータ,Gデータ
およびBデータのすべてのデータをガンマ補正すること
はできない。このため図2に示すガンマ補正回路ではR
データ,GデータおよびBデータごとに乗算回路24に与
えるゲインを変えている。このようにして乗算回路24か
ら出力される補正データの特性が図10に示されている。
図10に示すようにRデータ,GデータおよびBデータの
補正データの特性が変わる。
【0039】図9に示す補正データが,符号反転回路25
において符号反転された補正データが図11に示されてい
る。これにより補正データは負の補正データとなる。図
11に示す負の補正データを,図8に示すRGBデータに
加えることにより,図12に示す適正なガンマ曲線をもつ
ガンマ補正されたRGBデータが得られる。
【0040】次に,リバーサル・フィルムが撮像される
場合について説明する。もちろん,リバーサル・フィル
ムだけでなくプリントされた写真などのポジ画像であれ
ば同様の処理が行なわれる。
【0041】図1に示す画像入力装置を用いてリバーサ
ル・フィルムを撮像したときに,画像入力装置の各回路
から出力される信号波形が図13から図20に示されてい
る。これらの図においてBは青,Gは緑,Rは赤をそれ
ぞれ示している。
【0042】図13にリバーサル・フィルムの特性曲線が
示されている。リバーサル・フィルムは,露光量が多い
ほど濃度は薄くなっており,露光量が少ないほど濃度は
濃くなっている。
【0043】図13に示す特性のうち,範囲A2 で撮影し
たときのアナログ/ディジタル変換回路13の入出力特性
が図14に示されている。リバーサル・フィルムにおいて
は入力信号が大きいほど出力データが大きく,入力信号
が小さいほど出力データも小さくなっている。
【0044】リバーサル・フィルムを撮像した場合,振
幅反転回路14において振幅反転は行なわれない。リバー
サル・フィルムを撮像して得られたデータの最低レベル
もRデータ,GデータおよびBデータとでは一致しない
のが一般的である。このためアナログ/ディジタル変換
回路13から出力されるデータの最低レベルはRデータ,
GデータおよびBデータのデータごとに異なっている。
これではこのデータのままガンマ補正をしても適正なガ
ンマ補正を行なうことができない。このためにオフセッ
ト付加回路16においてRデータ,GデータおよびBデー
タの最小レベルが一致される。オフセット付加回路16に
おける入出力特性が図15に示されている。
【0045】またホワイト・バランス調整回路17におい
て,Rデータ,GデータおよびBデータの振幅の最大値
が一致するように調整される。ホワイト・バランス調整
回路17における入出力特性が図16に示されている。
【0046】図2を参照してガンマ補正回路20にはネガ
画像信号をガンマ補正するための補正特性を有するLU
T23Nが含まれている。LUT23Nの特性が図9に示さ
れている。図9を参照して,LUT23Nは,入力する信
号の振幅がアドレス信号となりアドレス信号によって指
定されるアドレスに記憶されるデータが出力される。図
18に示すようにLUT23Nに記憶されている補正データ
はネガ・フィルム用のものでありアドレス信号,すなわ
ち入力する信号の振幅が大きくなるにつれて補正データ
の値も徐々に大きくなっており,信号振幅の最大値近傍
において補正データが最大となり,再び徐々に補正デー
タは低下している。
【0047】リバーサル・フィルムを撮像して得られる
データは,図16に示すように被写体輝度が高くなるにつ
れてデータの値も大きくなっている。このために図16に
示す,ホワイト・バランス調整回路17の出力データの値
をアドレスとしてLUT23Nに与え,アドレスに応じた
補正データをLUT23Nから得,得られた補正データを
図16に示すデータに加算しても図20に示すような0.45の
ガンマ特性を得られず,低輝度部分のデータは低くなり
すぎ高輝度部分のデータは高くなりすぎてしまう。
【0048】図16に示す,リバーサル・フィルムを撮像
して得られるデータを,ガンマ補正して図20に示すよう
にガンマ特性0.45をもつデータにするには,被写体輝度
の低い部分に対応するデータに大きな補正データを加
え,被写体輝度が高くなるにつれて,小さくなる補正デ
ータを加えればよい。このような補正データの特性は図
18に示す特性と対称的なものである。図2に示すLUT
23Nはホワイト・バランス調整回路17の出力データをア
ドレスとして補正データを出力するものであるから,図
18に示す特性をもつLUT23Nを用いて図20に示すガン
マ特性をもつデータにするには図16に示すデータを図17
に示すようにデータのレベルを反転し,反転して得られ
たデータをLUT23Nのアドレス・データとして入力す
ればよい。これにより低輝度部分に対しては大きい補正
データが得られ,高輝度部分には対しては小さい補正デ
ータが得られる。このような補正データを図16に示すデ
ータに加算することにより,図20に示すようなガンマ特
性0.45をもつデータが得られる。
【0049】このためにガンマ補正回路20には全ビット
反転回路21Pが含まれており,図16に示すデータの特性
を図17に示すデータの特性にデータをレベル反転してい
る。全ビット反転回路21Pの出力データが,アドレス・
データとしてLUT23Nに与えられ,低輝度部分に対し
ては大きい補正データが得られ,高輝度部分に対しては
小さい補正データが得られる。このような補正データが
加算回路27に与えられることにより,補正データとホワ
イト・バランス調整回路17の出力データとが加算され,
図20に示すガンマ特性0.45をもつデータが得られる。
【0050】ガンマ補正されたデータはマトリクス回路
31に与えられ,色差信号および輝度信号が生成されるの
はネガ・フィルムを撮像した場合と同様である。
【0051】図21はガンマ補正回路の他の例を示すもの
で,ガンマ補正回路の電気的構成を示すブロック図であ
る。図21に示すガンマ補正回路は,図1に示す装置に含
まれるガンマ補正回路20の代わりに用いられる。図21に
おいて,図2に示すものと同一物には同一符号を付して
説明を省略する。
【0052】図2に示すガンマ補正回路においてはLU
T23Nはネガ・フィルムを撮像して得られるデータを補
正してガンマ特性0.45のデータを得るための補正データ
の特性を有し,ポジ・フィルムを撮像して得られるデー
タに対しては反転してLUT23Nから得られる補正デー
タを用いている。これに対し,図21に示すガンマ補正回
路においてはLUT23Pはリバーサル・フィルムを撮像
して得られるデータを補正してガンマ特性0.45のデータ
を得るための補正データの特性を有し,ネガ・フィルム
を撮像して得られるデータに対しては反転してLUT23
Pから得られる補正データを用いている。
【0053】まず,ネガ・フィルムを撮像して得られる
データに対して,図21に示すガンマ補正回路を用いてガ
ンマ補正する場合について説明する。
【0054】図21に示すガンマ補正回路には,図8に示
す特性をもつホワイト・バランス調整回路17の出力デー
タが与えられる。一方,ガンマ補正回路に含まれるLU
T23Pは図23に示すように低輝度部分に対しては大きい
補正データをもち高輝度部分に対しては小さい補正デー
タをもつポジ・フィルムに対するガンマ補正を行なう補
正特性を有している。
【0055】したがって,ホワイト・バランス調整回路
17から出力されるデータをアドレス・データとしてLU
T23Pに与えると低輝度部分に対しては大きな補正量と
なってしまい,高輝度部分に対しては小さな補正量とな
ってしまうためLUT23Pから得られる補正データを用
いても図26に示すようにガンマ特性0.45をもつデータは
得られない。これに対し,ホワイト・バランス調整回路
17から出力されるデータを反転し,反転して得られたデ
ータをアドレス・データとしてLUT23Pに与えると,
LUT23Pからは低輝度部分に対しては小さな補正量を
もつ補正データが得られ,高輝度部分に対しては大きな
補正量をもつ補正データが得られる。このようにして得
られた補正データを,ホワイト・バランス調整回路17か
ら出力されるデータから減算すると図26に示すように,
ガンマ特性0.45をもつデータが得られる。
【0056】図21に示すガンマ補正回路においては,ネ
ガ・フィルムを撮像することによって得られ,ホワイト
・バランス調整回路17から出力されるデータは全ビット
反転回路21Nにおいてレベル反転される。全ビット反転
回路21Nにおける入出力特性が図22に示されている。
【0057】全ビット反転回路21Nから出力されるデー
タが,切替スイッチ22を介してアドレス・データとして
LUT23Pに与えられる。LUT23Pの特性が図23に示
されている。
【0058】図8に示すようにRデータ,Gデータおよ
びBデータによってそれぞれデータの特性が異なってい
るため,Rデータ,GデータおよびBデータのすべての
データに一律に図23に示す補正データを用いて補正して
も,図26に示すようにガンマ特性0.45をもつガンマ補正
後のデータは得られない。したがって図21に示す回路に
おいてもRデータ,GデータおよびBデータごとに補正
データが異なるように乗算回路24において補正データの
レベルが調整される。乗算回路24の出力データは符号反
転回路25に与えられ符号反転され(図25参照)切替スイ
ッチ26を介して加算回路27に与えられる。加算回路27に
おいてホワイト・バランス調整回路17の出力データから
補正データが減算されることとなり,図26に示すガンマ
特性0.45をもつガンマ補正後のデータが得られる。
【0059】次にリバーサル・フィルムを撮像して得ら
れるデータに対して,図21に示すガンマ補正回路を用い
てガンマ補正する場合について説明する。
【0060】LUT23Pは図27に示すようにリバーサル
・フィルムを撮像して得られるRGBデータを補正する
ための補正特性を有している。したがってリバーサル・
フィルムを撮像することによって得られ,ホワイト・バ
ランス調整回路17から出力されるRGBデータは全ビッ
ト反転回路21Pにおいてレベル反転されずに切替スイッ
チ22を介してLUT23Nに与えられる。
【0061】図27に示すようにLUT23Pからガンマ補
正データが得られる。図16に示すように,リバーサル・
フィルムを撮像して得られたRデータ,Gデータおよび
Bデータはすべて同じ特性を有している。このため乗算
回路24に与えられるゲイン制御信号もRデータ,Gデー
タおよびBデータにかかわらず一定であり,乗算回路24
から出力される補正データは図28に示すようにRデー
タ,GデータおよびBデータにかかわらず同じデータと
なる。このようにして得られた補正データが加算回路27
に与えられ,図16に示すホワイト・バランス調整回路17
から出力されるRGBデータと加算される。これにより
図29に示すように,ガンマ特性0.45をもつガンマ補正後
のデータが得られる。
【0062】図30および図31は,全ビット反転回路の他
の例を示している。
【0063】図30に示す回路は減算回路31を用いてお
り,最大値から,ホワイト・バランス調整回路17の出力
データを減算することによりレベル反転を行なってい
る。
【0064】これに対し,図31に示す回路ではEx−O
R回路32が用いられている。Ex−OR回路32にはホワ
イト・バランス調整回路17から出力されるRGBデータ
と,ネガ・フィルムを撮像するときにはLレベルとなる
ネガ・ポジ切替制御信号が与えられている。Ex−OR
回路32において入力データの排他的論理和が演算するこ
とにより,ホワイト・バランス調整回路17から出力され
るRGBデータがレベル反転して出力される。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像入力装置の電気的構成の一部を示すブロッ
ク図である。
【図2】ガンマ補正回路の電気的構成を示すブロック図
である。
【図3】全ビット反転回路の構成を示している。
【図4】ネガ・フィルムの特性を表わしている。
【図5】ネガ・フィルムを撮像して得られる信号振幅と
被写体輝度との特性を示している。
【図6】振幅反転回路の入出力特性を示している。
【図7】オフセット付加回路の入出力特性を示してい
る。
【図8】ホワイト・バランス調整回路の入出力特性を示
している。
【図9】LUTの入出力特性を示している。
【図10】乗算回路の入出力特性を示している。
【図11】符号反転回路の入出力特性を示している。
【図12】ガンマ補正後の特性を表わしている。
【図13】リバーサル・フィルムの特性を表わしてい
る。
【図14】リバーサル・フィルムを撮像して得られる信
号振幅と被写体輝度との特性を示している。
【図15】オフセット付加回路の入出力特性を示してい
る。
【図16】ホワイト・バランス調整回路の入出力特性を
示している。
【図17】全ビット反転回路の入出力特性を示してい
る。
【図18】LUTの入出力特性を示している。
【図19】乗算回路の入出力特性を示している。
【図20】ガンマ補正後の特性を表わしている。
【図21】ガンマ補正回路の他の例を示すもので,電気
的構成を示すブロック図である。
【図22】全ビット反転回路の入出力特性を示してい
る。
【図23】LUTの入出力特性を示している。
【図24】乗算回路の入出力特性を示している。
【図25】符号反転回路の入出力特性を示している。
【図26】ガンマ補正後の特性を表わしている。
【図27】LUTの入出力特性を示している。
【図28】乗算回路の入出力特性を示している。
【図29】ガンマ補正後の特性を表わしている。
【図30】全ビット反転回路の構成を示している。
【図31】全ビット反転回路の構成を示している。
【符号の説明】
20 ガンマ補正回路 21P,21N 全ビット反転回路 23P,23N LUT 25 符号反転回路 27 加算回路

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネガ画像を撮像して得られる信号を反転
    して得られるネガ画像信号およびポジ画像を撮像して得
    られるポジ画像信号のいずれかをネガ・ポジ切替制御信
    号に応じて入力し,ガンマ補正して出力するガンマ補正
    回路において, 入力する上記ポジ画像信号を振幅の最大値と最小値との
    間で反転して出力する振幅反転回路,ネガ・ポジ切替制御信号がネガ画像信号を表わしている
    ときには入力するネガ画像信号を,ポジ画像信号を表わ
    しているときには上記振幅反転回路の出力をそれぞれ出
    力する切替スイッチ手段, ネガ画像信号をガンマ補正するための補正曲線によって
    表わされる補正特性を有し,上記切替スイッチ手段から
    出力されるネガ画像信号まはポジ画像信号を入力し,
    入力する信号振幅に応じたガンマ補正値を出力する補正
    値出力手段,およびネガ・ポジ切替制御信号がネガ画像
    信号を表わしているときには,入力するネガ画像信号
    ら,上記補正値出力手段から出力される補正値を減算
    し,ネガ・ポジ切替制御信号がポジ画像信号を表わして
    いるときには,入力するポジ画像信号に,上記補正値出
    力手段から出力される補正値を加算することにより,
    ンマ補正された画像信号を出力する補正手段, を備えたガンマ補正回路。
  2. 【請求項2】 上記振幅反転回路が,上記ポジ画像信号
    の最大値から入力する上記ポジ画像信号を減算する減算
    回路である,請求項1に記載のガンマ補正回路。
  3. 【請求項3】 上記振幅反転回路が,入力するポジ画像
    信号と,ネガ画像信号とポジ画像信号との切替えを表わ
    すネガ・ポジ切替制御信号との排他的論理和をとるEx
    −OR回路である,請求項1に記載のガンマ補正回路。
  4. 【請求項4】 ネガ画像を撮像して得られる信号を反転
    して得られるネガ画像信号およびポジ画像を撮像して得
    られるポジ画像信号のいずれかをネガ・ポジ切替制御信
    号に応じて入力し,ガンマ補正して出力するガンマ補正
    回路において, 入力する上記ネガ画像信号を振幅の最大値と最小値との
    間で反転して出力する振幅反転回路,ネガ・ポジ切替制御信号がポジ画像信号を表わしている
    ときには入力するポジ画像信号を,ネガ画像信号を表わ
    しているときには上記振幅反転回路の出力をそれぞれ出
    力する切替スイッチ手段, ポジ画像信号をガンマ補正するための補正曲線によって
    表わされる補正特性を有し,上記切替スイッチ手段から
    出力されるポジ画像信号まはネガ画像信号を入力し,
    入力する信号振幅に応じたガンマ補正値を出力する補正
    値出力手段,およびネガ・ポジ切替制御信号がネガ画像
    信号を表わしているときには,入力するネガ画像信号
    ら,上記補正値出力手段から出力される補正値を減算
    し,ネガ・ポジ切替制御信号がポジ画像信号を表わして
    いるときには,入力するポジ画像信号に,上記補正値出
    力手段から出力される補正値を加算することにより,
    ンマ補正された画像信号を出力する補正手段, を備えたガンマ補正回路。
  5. 【請求項5】 上記振幅反転回が,上記ネガ画像信号の
    最大値から入力する上記ネガ画像信号を減算する減算回
    路である,請求項4に記載のガンマ補正回路。
  6. 【請求項6】 上記振幅反転回路が,入力するネガ画像
    信号と,ネガ画像信号とポジ画像信号との切替えを表わ
    すネガ・ポジ切替制御信号との排他的論理和をとるEx
    −OR回路である,請求項4に記載のガンマ補正回路。
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