JP3514214B2 - ハイブリッド車両 - Google Patents
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Description
とを駆動源として走行するハイブリッド車両に関するも
のである。
に、エンジンとモータとを併用した駆動装置を有するハ
イブリッド車両が提案されており、例えば、米国特許第
3566717号は、差動歯車装置を用いて発電機とエ
ンジンが連結され、エンジンからの出力の一部を発電に
用い、残りを直接駆動出力軸に出力する。このようなハ
イブリッド車両では、発電機の回転を制御することによ
って、走行モードをエンジン・モータ駆動モードや、モ
ータ駆動モードなどに切り替えることができ、さらに
は、回生電力のバッテリーへの充電や、エンジンの始動
を行うことができる。
ッド車両においては、差動歯車装置を介して、エンジ
ン、発電機が接続されており、それぞれの回転数やトル
クが相互に関連するため、例えばエンジンブレーキを効
かせることなどを目的として、発電機に設けられたブレ
ーキを作用させ、発電機の回転を固定する場合がある。
を突然止めてしまうと、衝撃が大きくなり、走行感覚が
損なわれる恐れがあり、また、ブレーキの摩擦材が発熱
によって著しく消耗する。
アキュムレータのようなショック吸収装置を設けると、
オリフィスやアキュムレータ・スプリングなどの調整
を、車毎に行う必要があり、製造やメンテナンスに手間
がかかるといった問題が生ずる。また、摩擦材の摩擦係
数の経時変化や、運転状態、温度などに影響されて、ア
キュムレータのショック吸収効果を安定して維持するこ
とが難しく、期待した効果が得られない場合が多い。
ると機構が複雑となり、搭載スペースの少ない電気自動
車には好ましくない構成となる。
することによって、係合手段の係合時の衝撃を抑制した
ハイブリッド車両を提供することにある。
の本発明によって達成される。
機と、駆動輪へ駆動力を伝動する駆動出力軸と、第1の
歯車要素が前記エンジンの出力軸に連結され、第2の歯
車要素が前記発電機のロータに連結され、第3の歯車要
素が前記駆動出力軸に連結された差動歯車装置と、前記
発電機のロータと係止部材との間に配設された係合手段
と、前記発電機の回転数の変化率を予め定められた範囲
内になるように前記発電機の回転数を制御する発電機制
御手段と、発電機制御手段によって制御されたロータと
前記係止部材との相対回転数が、予め定められた範囲内
になった時に、または前記発電機制御手段によって制御
されたロータの回転数が許容値以下となった時に、前記
係合手段を係合状態とする係合制御手段とを備えること
を特徴とするハイブリッド車両。
センサを備え、該アクセルセンサによって検出されたア
クセル開度が小さくなった時に、前記係合制御手段を制
御し、前記係合制御手段を係合状態とすることを特徴と
する上記(1)に記載のハイブリッド車両。(3) 前記アクセル開度の値が大きいほど、前記発電
機の回転数の変化率は大きく設定されていることを特徴
とする上記(2)に記載のハイブリッド車両。
を、係合手段の係合時の回転数へ変化させる時には、回
転数の変化率が大き過ぎると、エンジンの吹き上がり
や、係合時のショックと同様の衝撃が生ずる可能性があ
るため、回転数の変化率が予め定められた範囲内を越え
ないように制御される。
ーキを係合状態として、発電機の回転を固定する構成と
した場合には、発電機に電流を流す必要がなくなり、発
電機での電力消費を軽減でき、電力を節約することがで
きる。さらに、前記アクセル開度の値が大きいほど、前
記発電機の回転数の変化率は大きく設定される。
ハイブリッド車両の第1実施形態について、添付図面に
基づいて詳細に説明する。
ッド車両の駆動装置を示す概念図である。図において、
第1軸線上には、エンジン11と、エンジン11を駆動
させることによって発生する回転を出力するエンジン出
力軸12と、該エンジン出力軸12を介して入力された
回転に対して変速を行う差動歯車装置であるプラネタリ
ギヤユニット13と、該プラネタリギヤユニット13に
おける変速後の回転が出力されるユニット出力軸14
と、該ユニット出力軸14に固定された第1カウンタド
ライブギヤ15と、通常走行状態では主として発電機と
して作用する発電機16と、該発電機16とプラネタリ
ギヤユニット13とを連結する伝達軸17とが配置され
ている。ユニット出力軸14は、スリーブ形状を有し、
エンジン出力軸12を包囲して配設されている。また、
第1カウンタドライブギヤ15は、プラネタリギヤユニ
ット13よりエンジン11側に配設されている。
車要素であるサンギヤSと、サンギヤSと噛合するピニ
オンPと、該ピニオンPと噛合する第3の歯車要素であ
るリングギヤRと、ピニオンPを回転自在に支持する第
1の歯車要素であるキャリヤCRとを備えている。
16と連結され、リングギヤRは、ユニット出力軸14
を介して第1カウンタドライブギヤ15と連結され、キ
ャリヤCRは、エンジン出力軸12を介してエンジン1
1と連結されている。
れ、回転自在に配設されたロータ21と、該ロータ21
の周囲に配設されたステータ22と、該ステータ22に
巻装されたコイル23とを備えている。発電機16は、
伝達軸17を介して伝達される回転によって電力を発生
させる。前記コイル23は図示しないバッテリに接続さ
れ、該バッテリに電力を供給して充電する。
係合手段であるブレーキBが接続されており、このブレ
ーキBを係合状態とすることで、ロータ21が固定さ
れ、発電機16の回転およびサンギヤSの回転が停止さ
れるようになっている。第1軸線と平行な第2軸線上に
は、電気モータ25と、電気モータ25の回転が出力さ
れるモータ出力軸26と、モータ出力軸26に固定され
た第2カウンタドライブギヤ27とが配置されている。
定され、回転自在に配設されたロータ37と、該ロータ
37の周囲に配設されたステータ38と、該ステータ3
8に巻装されたコイル39とを備えている。電気モータ
25は、コイル39に供給される電流によってトルクを
発生させる。そのために、コイル39は図示しないバッ
テリに接続され、該バッテリから電流が供給されるよう
に構成されている。
いて、電気モータ25は、図示しない駆動輪から回転を
受けて回生電力を発生させ、該回生電力をバッテリに供
給して充電する。そして、前記エンジン11の回転と同
じ方向に図示しない駆動輪を回転させるために、第1軸
線及び第2軸線と平行な第3軸線上には、駆動出力軸と
してカウンタシャフト31が配設されている。該カウン
タシャフト31にはカウンタドリブンギヤ32が固定さ
れている。
カウンタドライブギヤ15とが、及びカウンタドリブン
ギヤ32と第2カウンタドライブギヤ27とが噛合させ
られ、第1カウンタドライブギヤ15の回転及び第2カ
ウンタドライブギヤ27の回転が反転されてカウンタド
リブンギヤ32に伝達されるようになっている。
ンタドリブンギヤ32より歯数が小さなデフピニオンギ
ヤ33が固定される。そして、第1軸線、第2軸線及び
第3軸線に平行な第4軸線上にデフリングギヤ35が配
設され、該デフリングギヤ35と前記デフピニオンギヤ
33とが噛合させられる。また、前記デフリングギヤ3
5にディファレンシャル装置36が固定され、デフリン
グギヤ35に伝達された回転が前記ディファレンシャル
装置36によって差動させられ、駆動輪に伝達される。
上記構成において、駆動出力系は、プラネタリギヤユニ
ット13と、発電機16と、第1カウンタドライブギヤ
15と、カウンタドリブンギヤ32と、第2カウンタド
ライブギヤ27と、カウンタシャフト31と、デフピニ
オンギヤ33と、デフリングギヤ35と、ディファレン
シャル装置36とによって構成されている。
せられた回転をカウンタドリブンギヤ32に伝達するこ
とができるだけでなく、電気モータ25によって発生さ
せられた回転をカウンタドリブンギヤ32に伝達するこ
とができるので、エンジン11だけを駆動するエンジン
駆動モード、電気モータ25だけを駆動するモータ駆動
モード、並びにエンジン11及び電気モータ25を駆動
するエンジン・モータ駆動モードでハイブリッド車両を
走行させることができる。また、発電機16において発
生させられる電力を制御することによって、前記伝達軸
17の回転数を制御することができる。また、発電機の
回転を停止させる場合には、ブレーキBを係合せさて発
電機16のロータ21を固定することができる。この場
合、ブレーキBを係合解除することによって、ブレーキ
解除状態では発電機16で発電しながら走行するモード
とし、ブレーキ係合状態では発電機16で発電せずに走
行するモードとすることができる。
ギヤユニット13の動作について説明する。図2(A)
は、本発明の第1実施形態のプラネタリギヤユニット1
3(図1)の概念図、図2(B)は、本発明の第1実施
形態におけるプラネタリギヤユニット13の通常走行時
の速度線図、図3は、本発明の第1実施形態におけるプ
ラネタリギヤユニット13の通常走行時のトルク線図で
ある。
れているように、プラネタリギヤユニット13のリング
ギヤRの歯数がサンギヤSの歯数の2倍となっている。
従って、リングギヤRに接続されるユニット出力軸14
の回転数(以下「リングギヤ回転数」という。)をNR
とし、キャリヤCRに接続されるエンジン出力軸12の
回転数(以下「エンジン回転数」という。)をNEと
し、サンギヤSに接続される伝達軸17の回転数(以下
「発電機回転数」という。)をNGとした時、NR、N
E、NGの関係は、図2(B)に示されているように、 NG=3・NE−2・NR となる。また、リングギヤRからユニット出力軸14に
出力されるトルク(以下「リングギヤトルク」とい
う。)をTRとし、エンジン11のトルク(以下「エン
ジントルク」という。)をTEとし、発電機トルクをT
Gとしたとき、TR、TE、TGの関係は、図3に示さ
れているように、TE:TR:TG=3:2:1とな
る。
おいては、リングギヤR、キャリヤCRおよびサンギヤ
Sは、いずれも正方向に回転させられ、図2(B)に示
されるように、リングギヤ回転数NR(=出力回転数N
OUT)、エンジンの回転数NE、発電機回転数NG
は、いずれも正の値を採る。
CRに入力され、このエンジントルクTEが、図1に示
されている第1カウンタドライブギヤ15および発電機
16の反力によって受けられる。その結果、図3に示さ
れているように、リングギヤRからユニット出力軸14
にリングギヤトルクTRが、サンギヤSから伝達軸17
に発電機トルクTGが出力される。
ルクTGは、プラネタリギヤユニット13の歯数によっ
て決定されるトルク比でエンジントルクTEを按分する
ことによって得られ、トルク線図上において、リングギ
ヤトルクTRと発電機トルクTGとを加えたものがエン
ジントルクTEとなる。
について、図4のブロック図に基づいて詳細に説明す
る。本実施形態の制御系を構成する制御手段は、車両制
御装置41と、エンジン制御装置42と、モータ制御装
置43と、発電機制御装置44とを有している。これら
の制御装置41、42、43、44は、例えばCPU
(中央処理装置)、各種プログラムやデータが格納され
たROM(リード・オン・メモリ)、ワーキングエリア
として使用されるRAM(ランダム・アクセス・メモ
リ)等を備えたマイクロコンピュータによって構成する
ことができる。
力への要求度を示すアクセル開度αを検出するアクセル
センサ45と、車速Vを検出する車速センサ46とを備
えている。それぞれのセンサ45、46で検出された検
出値は車両制御装置41へ供給される。
全体を制御するもので、アクセルセンサ45からのアク
セル開度αと、車速センサ46からの車速Vに応じたト
ルクTM*を決定し、これをモータトルク指令値TM*
としてモータ制御装置43へ供給する。また、発電機1
6の回転数制御によるトルク変動を電気モータ25で吸
収するために必要な補正トルクΔTMをモータ制御装置
43に供給する。
る。発電機イナーシャをInGとし、発電機16の回転
変化率(角加速度)をβGとすると、サンギヤSに作用
するサンギヤトルクTSは、TS=TG+InG・βG
となる。なお、回転変化率βGが非常に小さい場合に
は、TS=TGとなる。そして、後述するように、リン
グギヤRの歯数がサンギヤSの2倍である場合には、リ
ングギヤトルクTRは、発電機トルクTGの2倍とな
り、電気モータ25で吸収すべき変動トルク(補正トル
ク)ΔTMは、カウンタギヤ比をiとすると、ΔTM=
2・i・TS=2・i・(TG+InG・βG)とな
る。
装置42に対してエンジンON/OFF信号を供給す
る。具体的には、例えば、イグニッションキーのON/
OFFに応じて、エンジンON/OFF信号を供給す
る。
に対して、発電機16の制御目標回転数NG*を供給す
る。目標回転数NG*は、アクセルセンサ45から供給
されるアクセル開度αの関数NG*=f(α)として、
図5に示されているように決められている。即ち、目標
回転数NG*は、アクセル開度α>20%の場合には、
アクセル開度αに比例して大きく決められ、α≦20%
の場合には、NG*=0に決められる。
を動作させる電磁バルブ54へON/OFF信号を供給
する。電磁バルブ54は、供給されるON/OFF信号
に基づいて電磁バルブ54に内蔵されているソレノイド
が作動し、例えばON信号の場合には、ソレノイドが作
動してバルブが開放され、オイルポンプからの圧油をブ
レーキアクチュエータへ供給して、ブレーキBを係合状
態とし、OFF信号の場合には、バルブが閉鎖されてブ
レーキBの係合を解除する。係合制御手段は、電磁バル
ブ54とブレーキアクチュエータとを備えた油圧回路
と、車両制御装置41とから構成される。
よる衝撃を抑制するために、次のような動作を行う。ブ
レーキBの係合によって生ずるショックを抑制するため
には、ブレーキBの係合によるトルクの変動を少なくす
る必要があり、ブレーキ係合時の発電機16の変動トル
クは、既述のようにΔTG=InG・βGで得られる。
つまり、回転変化率をβGを少なくすることにより、ブ
レーキ係合によるショックを小さくし、また摩擦材の消
耗も軽減することができる。車両制御装置41は、電磁
バルブ54へON信号を供給する前に、発電機回転数N
GをブレーキB係合時の回転数(ゼロ)となるように制
御し、その後ブレーキBを係合する。この時、ブレーキ
Bの摩擦材の消耗を大きくせず、運転者にショックを伝
えない範囲で、ブレーキBを係合させることがてきる回
転数許容値ΔNG*が予め定められた範囲として設定さ
れており、実回転数の絶対値|NG|が、回転数許容値
ΔNG*より小さくなった時、ブレーキBが係合され
る。これにより、ブレーキB係合前から係合後へ回転数
が変化した時の回転変化率βGが小さくなるので、ブレ
ーキ係合時のショックが軽減される。
1から入力される選択指令信号に基づいて、エンジン1
1を、エンジントルクを出力している駆動状態(ON状
態)と、エンジントルクを発生させていない非駆動状態
(OFF状態)とに切換える。また、エンジン11に設
けられた回転数センサから入力される実際のエンジン回
転数NEに応じてスロットル開度θを制御することで、
エンジン11の出力を制御する。このエンジン回転数N
Eとスロットル開度θは、車両制御装置41へも入力さ
れる。
から補正トルクΔTMが供給される場合にはTM=TM
*−ΔTMとなるように、また、補正トルクΔTMが供
給されない場合には、TM=TM*となるように、電気
モータ25の電流(トルク)IMを制御する。これによ
って、出力トルクは発電機16の回転数制御の影響を受
けることなく、常時定められたトルクTM*が維持され
る。車両制御装置41とモータ制御装置43とによっ
て、トルク補正手段が構成される。
数NGを制御し、車両制御装置41から入力される制御
目標回転数NG*または、制御目標トルクTG*となる
ように、電流(トルク)IGを制御する。また、発電機
制御装置44は、発電機16の出力トルクTGと、発電
機16の実回転数NGをモニターし、その値をそれぞれ
車両制御装置41へ入力する。車両制御装置41と発電
機制御装置44とによって、発電機制御手段が構成され
る。
のハイブリッド車両の動作について説明する。本実施形
態のハイブリッド車両では、アクセル開度αが小さい場
合には、ブレーキBを係合状態として、発電機の回転を
固定する。これによって、発電機16に電流を流す必要
がなくなり、発電機16での電力消費を軽減でき、電力
を節約することができる。
電気モータ25の消費電力も大きくなるため、ブレーキ
Bを開放状態として、アクセル開度αに比例して発電機
16の回転数を上げ、発電量を増加させる。本実施形態
では、アクセル開度αが20%以下である時に、ブレー
キBを係合させて発電機16を固定し、20%以上であ
る時に、ブレーキBを開放して発電を行う。
て詳細に説明する。図6は、ハイブリッド車両の制御動
作を示す、フローチャートである。アクセルセンサ45
からアクセル開度αを読み取り(ステップS11)、ア
クセル開度αが20%以下か否かを判断する(ステップ
S12)。アクセル開度αが20%以下である場合に
は、車両制御装置41は、ブレーキBが係合状態(ON
状態)か否かを判断する(ステップS13)。係合状態
である場合には(ステップS13:Y)、そのままの状
態を維持し、メインルーチンへリターンする。
る場合には、つまり、アクセル開度αが20%以下であ
り、かつブレーキBが解除状態である場合(ステップS
13:N)には、発電機16の回転を固定しても良いか
否かを判断する。即ち、発電機回転数NGの絶対値|N
G|が、許容値ΔNG*以下であるか否かを判断する
(ステップS14)。
ップS14:Y)、車両制御装置41は、電磁バルブ5
4にON信号を供給してブレーキBを係合し(ステップ
S18)、メインルーチンにリターンする。ブレーキB
の係合によって、発電機16が固定され、発電機16に
おける電力ロスが抑制される。
ップS14:N)、図5に従ってNG*=0とし(ステ
ップS15)、これを発電機制御装置44へ供給する
(ステップS16)。ここで、車両制御装置41は、発
電機制御装置44を介して、発電機実回転数NGをモニ
ターし、ステップ14と同様に、発電機回転数NGの絶
対値|NG|が、許容値ΔNG*以下となったか否かを
判断する(ステップS17)。|NG|<ΔNG*とな
るまでステップS17を繰り返し(ステップS17:
N)、発電機制御装置44による制御によって、|NG
|<ΔNG*となった時(ステップS17:Y)、車両
制御装置41は、電磁バルブ54にON信号を供給して
ブレーキBを係合し(ステップS18)、メインルーチ
ンにリターンする。
転数NG*が供給された後、発電機制御装置44が、実
回転数NGを目標回転数NG*へ向けて制御する制御動
作では、実回転数NGの変化率が、予め定められた範囲
である上限変化率ΔNGMAX(rpm/sec)を越
えない範囲で実回転数NGが制御される。発電機16と
エンジン11は、プラネタリギヤユニット13を介して
連結されているため、発電機16の回転数NGを急激に
制御すると、エンジン11か吹き上がるなど、排気ガス
の量や燃費に悪影響を及ぼす恐れがある。そこで、上記
上限変化率ΔNGMAXは、上記悪影響を及ぼさない限
界の変化率として設定されている。
のである。図示されているように、上限変化率ΔNGM
AXはアクセル開度αの値が大きい程大きくなるように
設定されている。なお、この上限変化率ΔNGMAX
は、アクセル開度αの関数として設定せずに、一定値と
してもよい。
で入力したアクセル開度αが20%より大きい場合に
は、ブレーキBが係合状態(ON状態)か否かを判断す
る(ステップS19)。ブレーキBが解除状態(OFF
状態)である場合には(ステップS19:N)、車両制
御装置41は、図5に基づいて、アクセル開度αから発
電機16の目標回転数NG*を決定し(ステップS2
0)、これを発電機制御装置44へ供給した後(ステッ
プS21)、メインルーチンにリターンする。一方、ブ
レーキBが係合状態である場合には(ステップS19:
Y)、車両制御装置41は、発電機16の回転数を保持
するため、発電機16のトルクTGをエンジントルクT
Eによって定まる設定値TG*に保持する(ステップS
22)。その後、車両制御装置41は、電磁バルブ54
にOFF信号を供給し、ブレーキBの係合を開放し解除
状態(OFF状態)とする(ステップS23)。
置の動作について、図8に示されているタイムチャート
に基づいて説明する。図8に示されているように、時刻
t1で、アクセルが踏み込まれて、アクセル開度がα1
からα2へ変化し、時刻t2で、アクセル開度がα2か
らα1へ変化した場合の動作について説明する。ここ
で、α1<20%、α2>20%とする。
Bは係合(ON状態)され、発電機16は固定されて、
回転数がゼロの状態となっており、発電機トルクTGも
ゼロとなっている。また、モータトルクTMは、アクセ
ル開度α1に応じたモータトルクTM1となっている。
らα2へ変化すると、アクセル開度α2に応じた出力ト
ルクを出力すべくモータトルクTMは、TM1からTM
2へ上昇する。この時、ブレーキBはON状態となって
いる(図8において点線Aで示す。以下同じ)。
き上がりを防止するために、その時のエンジントルクT
Eによって定まる発電機トルクTG*に、発電機トルク
を予め上昇させる。TG=TG*となった後、時刻t
12において、ブレーキBを解除(OFF)し、同時に
発電機は、予め定められた回転数変化率以下で発電機回
転数NGを上昇させる(点線B)。本実施形態において
は、発電機16の目標回転数NG*を指令している時
に、常に発電機トルクTGを算出して補正トルクΔTM
をくわえることにしている(点線C)。このため、図8
に示されているように、モータトルクTMには、発電機
トルクTGの変動に応じた補正トルクΔTMが加えられ
る(点線D)。
なく(点線E)、目標回転数NG*に到達する。この
間、発電機回転数NGの激変がないため、エンジン11
には、吹き上がりなどによる燃費の悪化や排出ガスの増
加といった悪影響は生じない。
機16は目標回転数NG*を保持するように制御され
る。発電機回転数NGの上昇が止まるので、発電機トル
クTGの絶対値は回転数が上昇している時よりも大きく
なる(点線F)。この間にもモータトルクTMには、補
正トルクΔTMが加えられており(点線G)、発電機回
転数NGが目標回転数NG*に到達すると、発電機トル
クTGの絶対値が大きくなるので、それを補正するため
にモータトルクTMは小さくなる(点線H)。
と、アクセル開度α1に応じた出力トルクを出力すべく
モータトルクTMは、TM2からTM1へ下降する。こ
の時、ブレーキBはOFF状態となっている(点線
I)。次に、発電機回転数NGをブレーキ係合状態(O
N)での回転数であるゼロにするべく、発電機トルクT
Gを増加させ、同時にモータトルクTMに対しては、発
電機トルクTGの変動に応じた補正トルクΔTMが補正
される(点線J)。発電機回転数NGは、急激に変化す
ることなく下降し(点線K)、ΔNG*よりも小さくな
った時に、時刻t22で、ブレーキBが係合(ON)さ
れる(点線L)。この間、発電機回転数NGの激変がな
いため、エンジン11には、吹き上がりなどによる燃費
の悪化や排出ガスの増加といった悪影響は生じない。
タトルクTMはトルク補正が行われており(点線M)、
走行感覚の維持が図られており、ブレーキBの係合とと
もに、発電機トルクTGが小さくなるのでモータトルク
TMはその分大きくなるなる(点線N)。そして、ブレ
ーキBによって発電機16が完全に固定された時に、発
電機トルクTGがゼロとなる(点線O)。
ある状態を境として、ブレーキBを係合解除する制御動
作について説明したが、本発明においては、上記動作に
限定されるものではなく、マニュアル操作によって、走
行モードを発電機16で発電しながら走行するモード
と、発電機16で発電せずに走行するモードとに切り換
える場合にも適用でき、その他、エンジンブレーキを作
用させるために発電機16のロータ21を固定する場合
など、走行中に発電機16のロータ21を固定する場合
に用いることができる。
られるブレーキBはいかなる種類のブレーキでもよい。
この場合、湿式ブレーキ、乾式ブレーキのいずれでもよ
いが、回転数を制御しやすい点で湿式ブレーキを用いる
ことが好ましい。
形態について説明する。図9は、第2実施形態の駆動装
置の構成を示す概念図である。本実施形態のハイブリッ
ド車両では、プラネタリギヤユニット13において、キ
ャリヤCRとサンギヤSとの間に係合手段であるクラッ
チCが設けられており、第1実施形態において発電機1
6に配設されていたブレーキBは設けられていない。ま
た、クラッチCは、車両制御装置41からON/OFF
信号が供給されるアクチュエータによって係合と解除が
制御される。その他の構造については、第1実施形態と
同様であるので、図1と同一構成に同一符号を付し、説
明を省略する。
明する。クラッチCは、通常走行時においては、解除状
態(OFF状態)となっており、加速時において、係合
状態(ON状態)とされる。
は、プラネタリギヤユニット13はオープンとなってお
り、図2(B)に示されているように、サンギヤS、キ
ャリヤCR、リングギヤRがそれぞれ独立して異なる回
転数で回転している。本第2実施形態では、リングギヤ
Rの歯数がサンギヤSの2倍となっているから、ユニッ
ト出力軸14に対するエンジン11のギヤ比は、2/3
となっている。
走行時では、プラネタリギヤユニット13の各歯車要素
は、一体回転となり各歯車要素の回転数は同一となる。
この時のユニット出力軸14に対するエンジン11のギ
ヤ比は1となり、クラッチCが解除状態である時に比較
して、エンジン11からユニット出力軸14に伝達され
る出力が1.5倍に増大する。これにより、駆動出力軸
であるカウンタシャフト31に伝達される出力が増大
し、加速が行われる。
明する。図10は、制御動作を示すタイムチャートであ
る。以下、アクセル開度をα1の状態から、α2へ増加
させて加速し、加速終了後アクセル開度をα3へ変化さ
せた場合の制御動作を例にして説明する。
で、クラッチCは解除状態(OFF状態)となってお
り、発電機16の回転数NG、トルクTGおよびモータ
トルクTMは、それぞれアクセル開度α1および車速V
に応じた値に設定されている。
ル開度をα1からα2へ増加させると、アクセル開度α
2に応じた出力トルクを出力すべくモータトルクTM
は、TM1からTM2へ上昇する。この時、クラッチC
はOFF状態となっている(図8において点線aで示
す。以下同じ)。
グギヤRに入力されている出力回転数NOUTとするた
めに、目標回転数NG*2をNOUTに設定し、発電機
トルクTGを減少させる。これにより、発電機回転数N
Gが目標回転数NG*2へ向けて増加し始める(点線
b)。同時にモータトルクTMに対しては、発電機トル
クTGの変動に応じた補正トルクΔTMが補正される
(点線c)。発電機回転数NGは、急激に変化すること
なく上昇し(点線d)、実回転数NGと目標回転数NG
*2との差がΔNG*よりも小さくなった時に、時刻t
12で、クラッチCが係合(ON)される(点線g)。
ここで、ΔNG*は、クラッチCの摩擦材の消耗を大き
くせず、運転者にショックを伝えない範囲で設定される
値で、クラッチCを係合させる時の、実回転数NGと目
標回転数NG*2との差の許容値である。
クセル開度をα2からα3へ減少させ、通常走行とする
と、アクセル開度αに応じてモータトルクTMを減少さ
せる(点線j)。また、発電機16にトルクを加えない
状態でクラッチCを解除することによるエンジン11の
吹き上がりを抑制するために、その時のエンジントルク
TEによって定まる発電機トルクTG*を求め、TG*
まで発電機トルクを予め上昇させる(点線i)。
いて、クラッチCが解除(OFF)され、同時に発電機
回転数NGは、回転数変化率の上限を越えないように目
標回転数NG*3へ向けて下降し始める(点線k)。ま
た、モータトルクTMには、発電機トルクTGの変動に
応じた補正トルクΔTMが加えられる(点線m)。発電
機回転数NGは、急激に下降することなく(点線n)、
目標回転数NG*3に到達する。
られるクラッチCは、湿式クラッチ、乾式クラッチのい
ずれでもよいが、係合時のショックを軽減できる点で湿
式クラッチを用いることが好ましい。湿式クラッチを用
いることで、クラッチC係合時のショックをより一層抑
制することができる。
第2の歯車要素であるサンギヤSと第3の歯車要素であ
るリングギヤRとの間に設けられていてもよく、また、
キャリヤCRとリングギヤRとの間に設けられていても
よい。この場合の、発電機回転数NGの制御方法は、上
記第2実施形態の場合と同様である。
うな構成において、各々の作用効果が発揮される。
機と、駆動輪の駆動力を出力する駆動出力軸と、第1の
歯車要素が前記エンジンの出力軸に連結され、第2の歯
車要素が前記発電機のロータに連結され、第3の歯車要
素が前記駆動出力軸に連結された差動歯車装置と、前記
駆動出力軸に連結された電気モータと、前記発電機のロ
ータと係止部材との間に配設された係合手段と、前記発
電機の回転数を制御する発電機制御手段と、前記発電機
制御手段によって制御されたロータと前記係止部材との
相対回転数が、予め定められた範囲内になった時に、前
記係合手段を係合状態とする係合制御手段とを備えるこ
とを特徴とするハイブリッド車両。
の回転数を発電機制御手段によって制御し、係合手段に
よって係合状態となった時の回転数まで回転数を落とし
た後、係合制御手段によって係合手段を係合状態とす
る。これにより、係合手段を係合させる前と、係合させ
た後との間で、発電機の回転数の差が少ないので、係合
手段による係合時のショックが抑制される。
させた後との間で、発電機の回転数の差が少なくなるの
て、係合手段による係合時のショックが抑制される。こ
れにより、係合手段の耐久性が向上し、特に、摩擦材が
受ける熱負荷が軽減されるため、摩擦材の耐久性が著し
く向上する。また、係合時の衝撃を緩衝するアキュムレ
ータ等の装置が不要となるので、駆動機構の簡略化と軽
量化が実現できるとともに、緩衝装置のチューニング等
が不要となる。さらに、摩擦材の経時変化や運転状態、
温度の変化などから悪影響を受けることが少ないので、
安定した衝撃抑制効果が継続して得られる。
ータを固定するケースである上記[1]に記載のハイブ
リッド車両。このように、係止部材がケースである場合
には、発電機制御手段は、発電機の回転数がゼロとなる
ように発電機の回転数を制御し、係合手段が係合され
る。発電走行から非発電走行へ切り換える際の、発電機
ロータ固定による衝撃を抑制することができる。
要素と前記第3の歯車要素の内いずれか一方である上記
[1]に記載のハイブリッド車両。このように、係止部
材が第1の歯車要素または第3の歯車要素である場合に
は、発電機のロータに接続された第2の歯車要素の回転
数が、他の第1の歯車要素または第3の歯車要素の回転
数と同じになった時に、係合手段を係合させる。これに
より、第1の歯車要素、第2の歯車要素および第3の歯
車要素は一体として回転する。例えば、通常走行から加
速走行へ移る時のクラッチ係合による衝撃を抑制するこ
とができる。
る回転数制御によって生ずるトルク変動に応じて、前記
電気モータのモータ出力トルクを補正するトルク補正手
段を有する上記[1]ないし[3]のいずれかに記載の
ハイブリッド車両。このように、発電機制御手段によっ
て発電機の回転数を制御すると、差動歯車装置から駆動
出力軸に出力される出力トルクが変動する。ここで、駆
動出力軸に連結されている電気モータのモータ出力トル
クを、トルク補正手段により、出力トルクの変動に応じ
て補正することにより、走行感覚を損なうことなく、係
合手段の係合ができる。つまり、発電機回転数制御時に
生ずるトルク変動を、モータトルクを補正して吸収する
ため、走行感覚を良好な状態に維持することができる。
機の回転数の変化率を予め定められた範囲内に制御する
上記[1]ないし[4]のいずれかに記載のハイブリッ
ド車両。このように、発電機制御手段によって発電機の
回転数を、係合手段の係合時の回転数へ変化させる時に
は、回転数の変化率が大き過ぎると、エンジンの吹き上
がりや、係合時のショックと同様の衝撃が生ずる可能性
があるため、回転数の変化率が予め定められた範囲内を
越えないように制御される。つまり、発電機回転数の変
化率を予め定められた範囲内に制御することで、発電機
回転数の急激な変化が抑制され、エンジンの燃費や排ガ
ス量等に対する悪影響を少なくすることができる。
の変化率を予め定められた範囲内に、又は、ロータの回
転数を許容値以下に制御することで、発電機回転数の急
激な変化が抑制され、エンジンの燃費や排ガス量等に対
する悪影響を少なくすることができる。
小さい場合には、ブレーキを係合状態として、発電機の
回転を固定する構成とすることによって、発電機に電流
を流す必要がなくなり、発電機での電力消費を軽減で
き、電力を節約することができる。請求項3に記載の発
明は、アクセル開度の値が大きいほど、前記発電機の回
転数の変化率は大きく設定できる。
両の駆動装置を示す概念図である。
ユニットの概念図および速度線図である。
ユニットのトルク線図である。
示すブロック図である。
両の目標回転数とスロットル開度との関係を示す説明図
である。
制御動作を示すフローチャートである。
上限変化率とアクセル開度との関係を示す説明図であ
る。
制御動作を示すタイムチャートである。
両の駆動装置を示す概念図である。
の制御動作を示すタイムチャートである。
Claims (3)
- 【請求項1】 エンジンと、 回転数制御可能な発電機と、 駆動輪へ駆動力を伝動する駆動出力軸と、 第1の歯車要素が前記エンジンの出力軸に連結され、第
2の歯車要素が前記発電機のロータに連結され、第3の
歯車要素が前記駆動出力軸に連結された差動歯車装置
と、 前記発電機のロータと係止部材との間に配設された係合
手段と、 前記発電機の回転数の変化率を予め定められた範囲内に
なるように前記発電機の回転数を制御する発電機制御手
段と、発電機制御手段によって制御されたロータと前記係止部
材との相対回転数が、予め定められた範囲内になった時
に、または前記発電機制御手段によって制御されたロー
タの回転数が許容値以下となった時に、前 記係合手段を
係合状態とする係合制御手段とを備えることを特徴とす
るハイブリッド車両。 - 【請求項2】 アクセル開度を検出するアクセルセンサ
を備え、 該アクセルセンサによって検出されたアクセル開度が小
さくなった時に、前記係合制御手段を制御し、前記係合
制御手段を係合状態とすることを特徴とする請求項1に
記載のハイブリッド車両。 - 【請求項3】 前記アクセル開度の値が大きいほど、前
記発電機の回転数の変化率は大きく設定されていること
を特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車両。
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