JP3513171B2 - 誘導アクチュエータおよびその制御方法 - Google Patents

誘導アクチュエータおよびその制御方法

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JP3513171B2 JP04553393A JP4553393A JP3513171B2 JP 3513171 B2 JP3513171 B2 JP 3513171B2 JP 04553393 A JP04553393 A JP 04553393A JP 4553393 A JP4553393 A JP 4553393A JP 3513171 B2 JP3513171 B2 JP 3513171B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リニアアクチュエータ
やこれに類する誘導アクチュエータおよびその制御方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】リニアアクチュエータとして、ブラシ付
きの直流リニアモータ、ブラシレスリニアモータ、誘導
リニアモータ等をはじめ、電磁弁等の誘導アクチュエー
タ等があり、それぞれ長所と短所がある。ブラシ付きの
直流リニアモータは、制御性等優れた特徴を持つがブラ
シ等の寿命等の問題がある。ブラシレスリニアモータ
は、高推力が得られるものの、コギングトルクが大き
く、また永久磁石に要する費用が大きい。一方、電磁弁
等の誘導アクチュエータは、構造もシンプルであり、比
較的大きい推力を得られるが、一方向の推力しか得られ
ない場合が多い。
【0003】誘導リニアモータは、磁石を使用せず、ブ
ラシ等もなく、構造も比較的シンプルであるが、しかし
まだ、可動側には磁心と導体を含み、固定側には、多く
の巻線、ティースを有する磁心等を有している。
【0004】最近、制御性の良い誘導アクチュエータと
して、ボイスコイルモータがHDDの磁気ヘッド駆動用
誘導アクチュエータとして使用されている。この誘導ア
クチュエータは、推力むらがなく、高精度制御用に適し
ている。しかし、永久磁石を有し、費用が高いこと、可
動部ヘリード線がつながっていることや、可動部の剛性
が得られにくい等、問題も多い。リード線を有せず、高
剛性の可動子を有するボイスコイルモータとして、誘導
ボイスコイルモータ(電気学会回転機研究会資料RM−
90−115)も考案されているが、このモータはやは
り磁石を必要とし、連続した推力が得られにくい。
【0005】従来の誘導アクチュエータでは、磁石を有
せずに低コストで、単純な構造でメンテナンスが容易で
あり、かつ、可動子が高剛性である誘導アクチュエータ
としては、半閉磁路形単相交流リニアアクチュエータ
(電学論D,108巻 8号昭63)が報告されている
が、一方向駆動であることにより、制御が難しい場合が
多い。また、特願平02−93125では、誘導ボイス
コイルモータの界磁に電磁石を用いたものがあるが、電
磁石用の巻線即ち界磁巻線を入力巻線以外に付ける場合
は、巻線の数が増えること、さらに効率よく界磁磁束を
発生させるためには、界磁巻線を電機子導体の近くに配
置しないといけない等、構造面で問題がある。
【0006】このような背景のもとに、従来の誘導アク
チュエータでは、磁石を有せずに低コストで、単純な構
造でメンテナンスが容易であり、かつ、可動子が高剛性
で、制御性が比較的優れた誘導アクチュエータが発明さ
れた(特願平4−221153「誘導アクチュエータお
よびその駆動法」)。しかし、発生する推力やカットオ
フ周波数がこの誘導アクチュエータの構造により、大き
く変化するため、最適設計をすることが難しく、磁心の
磁気飽和も生じやすい。
【0007】誘導アクチュエータを位置制御して使用す
る場合は、ステッピングモータ等を除き、センサを用い
て制御するが、センサを用いると、大きさが大きくな
り、コスト高になるだけでなく、駆動性能にも影響す
る。従って、誘導アクチュエータに何も付加することな
く、センサ機能があれば最適であるが、良い方法が見あ
たらない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低コスト、
単純な構造、メンテナンス容易であり、かつ、可動子が
高剛性で、制御性が比較的優れた誘導アクチュエータで
あって、高推力を発生し得る誘導アクチュエータとその
制御法を提供することを目的としてなされた。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、相対する
一対のコアを有し閉磁路を形成する磁心、磁心に巻かれ
た励磁巻線、および前記コアの一つが貫通し閉電路を形
成する電機子導体を備え、前記励磁巻線との電磁誘導に
より電機子導体に流れる誘導電流と、励磁巻線の電流に
より生じる界磁によって駆動力が生じる誘導アクチュエ
ータにおいて、移動可能な励磁巻線または電機子導体の
最大移動距離L、相対するコア間のギャップg、相対す
るコアの断面積の和S1 +S2 、および相対するコア間
の、駆動方向に垂直方向のギャップ幅Wが下式を満たす
ことを特徴としている。 L2 ≦g(S1 +S2 )μC /(μA W) ただし、μC :コアの透磁率 μA :ギャップの透磁率
【0010】第2の発明は、相対する一対のコアを有し
閉磁路を形成する磁心、磁心に巻かれた励磁巻線、およ
び前記コアの一つが貫通し閉電路を形成する電機子導体
を備え、前記励磁巻線との電磁誘導により電機子導体に
流れる誘導電流と、励磁巻線の電流により生じる界磁に
よって駆動力が生じる誘導アクチュエータにおいて、励
磁巻線電流の周期T、電機子導体の電気抵抗R2 、ヨー
クの磁気抵抗RY 、相対するコアの断面積の和S1 +S
2 、移動可能な励磁巻線または電機子導体の最大移動距
離Lが下式を満たすことを特徴としている。 2π/T>R2 {RY +(S1 -1+S2 -1)L/μC } ただし、μC :コアの透磁率
【0011】第3の発明は、相対する一対のコアを有し
閉磁路を形成する磁心、磁心に巻かれた励磁巻線、およ
び前記コアの一つが貫通し閉電路を形成する電機子導体
を備え、前記励磁巻線との電磁誘導により電機子導体に
流れる誘導電流と、励磁巻線の電流により生じる界磁に
よって駆動力が生じる誘導アクチュエータにおいて、相
対するコアの断面積S1 およびS2 がそれぞれ S1 、S2 =AμA NJLW/gBS ただし、A :係数=1〜2 μA :ギャップの透磁率 N :励磁巻線の巻数 J :励磁巻線の最大電流 L :移動可能な励磁巻線または電機子導体の最大移動
距離 W :相対するコア間の、駆動方向に垂直方向のギャッ
プ幅 g :相対するコア間のギャップ BS :磁心の飽和磁束密度 であることを特徴としている。
【0012】第4の発明は、相対する一対のコアを有し
閉磁路を形成する磁心、磁心に巻かれた励磁巻線、およ
び前記コアの一つが貫通し閉電路を形成する電機子導体
を備え、前記励磁巻線との電磁誘導により電機子導体に
流れる誘導電流と、励磁巻線の電流により生じる界磁に
よって駆動力が生じる誘導アクチュエータにおいて、次
の式(1)、(2)、および(3)のうち少なくとも2
式を満たすことを特徴としている。 L2 ≦g(S1 +S2 )μC /μA W …(1) 2π/T>R2 {RY +(S1 -1+S2 -1)L/μC } …(2) S1 、S2 =AμA NJLW/gBS …(3) ただし、L :励磁巻線または電機子導体の最大移動距
離 g :相対するコア間のギャップ S1 、S2 :相対するコアの断面積 μC :コアの透磁率 μA :ギャップの透磁率 W :相対するコア間の、駆動方向に垂直方向のギャッ
プ幅 T :励磁巻線電流の周期 R2 :電機子導体の電気抵抗 RY :ヨークの磁気抵抗R A :係数=1〜2 N :励磁巻線の巻数 J :励磁巻線の最大電流 BS :磁心の飽和磁束密度
【0013】第の発明は、相対する一対のコアを有し
閉磁路を形成する磁心、磁心に巻かれた励磁巻線、およ
び前記コアの一つが貫通し閉電路を形成する電機子導体
を備え、前記励磁巻線との電磁誘導により電機子導体に
流れる誘導電流と、励磁巻線の電流により生じる界磁に
よって駆動力が生じる誘導アクチュエータの制御方法に
おいて、励磁巻線電流の周期Tが 2π/T>R2 {RY +(S1 -1+S2 -1)L/μC } ただし、R2 :電機子導体の電気抵抗 RY :ヨークの磁気抵抗R S1 、S2 :相対するコアの断面積 L :励磁巻線または電機子導体の最大移動距離 μC :コアの透磁率 であることを特徴としている。
【0014】第の発明は、相対する一対のコアを有し
閉磁路を形成する磁心、磁心に巻かれた励磁巻線、およ
び前記コアの一つが貫通し閉電路を形成する電機子導体
を備え、前記励磁巻線との電磁誘導により電機子導体に
流れる誘導電流と、励磁巻線の電流により生じる界磁に
よって駆動力が生じる誘導アクチュエータの制御方法に
おいて、電機子導体の位置を励磁巻線からみたインピー
ダンスで検出し、検出した位置に基づいて電機子導体の
位置を制御することを特徴としている。
【0015】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
の誘導アクチュエータは、励磁巻線、電機子導体および
磁心で構成され、励磁巻線は、界磁を発生させ、かつ電
機子導体に電磁誘導で誘導電流を流すためのものであ
り、電機子導体は、励磁巻線電流との電磁誘導により誘
導電流を流すものであり、本発明の誘導アクチュエータ
は、励磁巻線により生じる前記界磁との間で、推力を生
じさせるもので、或いは、電機子導体に流れる誘導電流
で生じる界磁と励磁巻線に流れる電流との間で、推力を
生じるもので、また、誘導電流による起磁力と磁心との
間の磁気吸引力で推力を生じるものである。電機子導体
は1個でも2個以上でもよく、励磁巻線も1個でも2個
以上でもよい。
【0016】二方向に駆動する場合は、駆動する二方向
の両端に2個の励磁巻線を配置し、電流を流す励磁巻線
を切り替えれば、駆動方向が容易に制御できる。一方向
駆動であれば、駆動方向とは逆方向の端の部分に1個の
励磁巻線を配置するとよい。励磁巻線に流される電流
は、電磁誘導を効率よく生じせしめるためには一般に交
流がよく、交流の周波数を、励磁巻線と電機子導体との
間の電磁誘導を効率よく行える低周波数側限界周波数以
上にするとよい。
【0017】励磁巻線の電流は、正弦波、矩形波、三角
波、パルス波等どのような波形のものでもよく、また1
パルスのようなものから数パルスのものでもよい。この
場合の周期は、連続的な交流であれば、その周期、2パ
ルス以上のパルスの場合は、そのパルスの周期、1パル
スの場合は、パルス幅の2倍とする。
【0018】誘導アクチュエータの可動側は、主に電機
子導体であるが、電機子導体を固定して、励磁巻線或い
は励磁巻線を固定した磁心を可動側としてもよい。
【0019】電機子導体は、誘導電流を効率よく流すた
めに、電気抵抗が低いほどよく、銅、アルミニウムやこ
れらの合金であることが好ましく、形状としては、金属
環等の一体のものや、2片以上の金属片をボルト止め等
で組み合わせたもので閉電路を形成したものでもよく、
さらには、導線を巻いたものやボビンに導線を巻いたも
のでもよい。この電機子導体は、動かそうとする負荷と
一体化したもので、同時に加工したもの等でもよいこと
は言うまでもない。2片のアルミニウム片を組み合わせ
る場合に、その接触抵抗が、酸化膜等で大きくなり、問
題となる場合には、その接触面に、ニッケルメッキや銅
メッキを施す等の表面処理を行い、接触抵抗を低くする
とよい。電機子導体の抵抗は、1ターンであれば、その
1ターンの電気抵抗、巻線からできているものは、1タ
ーンあたりに換算した抵抗で、N2 ターン巻かれたもの
は、N2 ターンの抵抗値を1/N2 2 倍したものであ
る。磁心は、電機子導体に、界磁の磁束を集中させるも
のであり、かつ、励磁巻線と電機子導体の間の電磁誘導
を効率よく行うため、励磁巻線により発生した磁束を電
機子導体に導き交差させるためのもので、前記の励磁巻
線や電機子導体を貫通している。また、誘導電流による
起磁力と磁心との磁気吸引力で推力を生じるものであ
る。この磁心は、一般に、電磁誘導を効率よく行うため
には、閉磁路を形成するものであるが、ラップ部を有す
る磁心や、カットコアをつなぎ合わせたものでも、この
発明の適用が可能であれば開磁路でもよい。好ましく
は、額縁型の磁心で、駆動方向に長いものがよい。ギャ
ップとは、励磁巻線電流により生じる磁束の磁路が磁心
以外を通る部分の一部で、この励磁巻線により生じる磁
束と電機子導体に流れる誘導電流との間で推力を発生す
る主な場所を言う。
【0020】従って、ギャップ長gは、この磁束が通る
磁心以外の主な距離で、磁心以外を通り、磁心間の対抗
する面間の距離を言うが、ギャップ長の方向は、電機子
導体の駆動方向とは、一般に垂直方向である。また、ギ
ャップの対抗幅Wは、磁心の面と面が向き合う対抗面の
幅で、駆動方向と垂直方向である。ギャップ長が対抗面
で一定でない場合は、最も短いところの値とし、ギャッ
プの対抗幅は、磁心の対抗面間の磁気抵抗Rが同じとな
るような平均的な値とする。磁心のコア部とは、磁心の
うち、電機子導体を交差し貫通している部分とギャップ
を通して対応する部分であり、磁心のヨーク部とは、コ
ア部以外である。コア部は、ギャップを構成し、各々対
抗する1組の磁心からなる。片方のコア部の磁心は2片
以上であってもよい。1組のコア部磁心の断面積S1
2 は、駆動方向に対して垂直である断面の面積であ
り、駆動方向に対して均一でない場合には、コア部を駆
動方向に流れる磁束に対する磁気抵抗が同じになるよう
な平均的な値とする。最大駆動距離Lは、電機子導体が
駆動する距離で、コア部の長さである。
【0021】本発明の磁心のコア部の透磁率は均一な材
料が使用されていればその材料の透磁率であるが、コア
部で、積層ラップやカットコアのカット部がある場合等
には、コア部の全磁気抵抗が一定であるようにコア部の
断面積S、長さLから計算される実効的な透磁率をい
う。磁心のヨーク部とは、磁心の内、コア部以外を言
い、ヨーク部の全磁気抵抗とは、ヨーク部が複数個ある
場合には、磁束流れに対し直列の場合はすべてを加えた
もので、並列の場合がある場合には、電気抵抗の並列接
続の計算のように、演算すればよい。ギャップ部の透磁
率は、この誘導アクチュエータは一般に空気中で使用さ
れる場合が多く、空気の透磁率であるが、真空中、他の
気体や液体中で使用される場合は真空、その気体、液体
の透磁率を示す。
【0022】磁心は、透磁率が高い磁性材料を使用する
ことが必要であり、ケイ素鋼、鉄ニッケルや鉄コバルト
等の合金、ソフトフェライトそれにアモルファス磁性材
料等のように高透磁率の磁性材料でつくられたものであ
ることが好ましく、できれば、厚さが1mm以下の板状磁
性材料、直径が1mm以下の線状磁性材料、或いは電気抵
抗率が50μΩcm以上である磁性材料や磁区細分化処理
された磁性材料等のような低鉄損磁性材料であると、電
磁駆動方式および電磁発電方式の効率や高周波性能がよ
くなるので好ましい。50μΩcm以上の電気抵抗率の磁
性材料は、ソフトフェライトや4%以上のSiを含む珪
素鋼板等である。厚さ1mm以上の板状磁性材料、直径が
1mm以上の線状磁性材料、或いは電気抵抗率が50μΩ
cm以下である磁性材料や磁区細分化処理されていない磁
性材料では、高周波で駆動すると材料内に渦電流が生
じ、電力損失である鉄損が増すだけでなく、制御性にも
悪い影響を与える。
【0023】磁心は、これら等の磁性材料で、積み重ね
てつくられたもの、巻いてつくられたもの、寸法の異な
る磁心材を交互に重ねる等したラップ磁心等でつくると
よい。
【0024】この誘導アクチュエータを効率よく駆動
し、大きい推力を得るためには、最大駆動距離Lが下記
の式で与えられる誘導アクチュエータや L2 ≦g(S1 +S2 )μC /(μA W) 励磁巻線電流の周期Tに対しては、電機子導体の電気抵
抗R2 、誘導アクチュエータ最大駆動距離L、磁心のコ
ア部の断面積S1 ,S2 、透磁率μC 、ヨーク部の全磁
気抵抗RY の関係が下記の式で与えられる誘導アクチュ
エータであるとよい。 2π/T>R2 {RY +(S1 -1+S2 -1)L/μC } また、励磁巻線の巻数N、最大電流J、磁心の飽和磁束
密度BS 、係数A=1〜2に対し、磁心のコア部の断面
積S1 ,S2 が次式で与えられる誘導アクチュエータで
あるとよい。 S1 ,S2 =AμA NJLW/(gBS ) この誘導アクチュエータの制御は、電流により、発生推
力を制御すると、効果的である。さらに、次式の条件を
満足する励磁巻線の電流の周期で、駆動する誘導アクチ
ュエータで駆動すると、効率よく電磁誘導で電機子導体
に誘導電流を流すことができ、駆動性能を高くできる。 2π/T>R2 {RY +(S1 -1+S2 -1)L/μC } さらに、この誘導アクチュエータを位置制御するには、
励磁巻線電流が一定であれば、電機子導体と励磁してい
る励磁巻線の距離xに対し、印加すべき電圧は、ほぼa
x+bで表せるので、電機子導体の位置を、励磁巻線か
ら見たインピーダンスで検知し、電機子導体の位置の制
御を行うことが可能である。
【0025】
【実施例】〔実施例I〕 図1に本発明の誘導アクチュエータを示す。鉄心4,
5,6,7は、コ型とI型に放電加工された方向性電磁
鋼板(透磁率μC 約0.025H/m、比透磁率約20
000)を駆動方向に圧延方向(磁化容易方向)を揃え
積層したもので、ヨーク部6a,7aでラップさせてい
る。電機子導体3は26gの銅製の無切断矩形リング
で、コイルの電気抵抗は50μΩ(480ターン換算
で、11.5Ω)である。励磁コイルは、図のように両
端に2個巻かれて、コイル1は480ターン,5.7
Ω、コイル2は490ターン,5.6Ωである。L=1
64mm、g=5mm、S=220mm2 (W=10mm、H=
22mm)、RY =38000H-1であり、この誘導アク
チュエータの電機子導体3への電流誘導の低周波側カッ
トオフ周波数2π/T(T:周期)は0.8Hzと計算さ
れるものである。従って、50Hzの交流電流をコイル1
に流すと、矢印1の方向に推力が発生し、コイル2に流
すと、矢印9の方向に推力が発生する。
【0026】図2は、この誘導アクチュエータを、励磁
コイル1を用い、50Hzの一定の交流電流0.5Aを流
した場合に、電機子導体3のコイル1からの距離と推力
の関係を実線で示した。50Hzの一定の交流16Vを印
加した場合を点線で示す。これより一定の電流で駆動す
ると、電機子導体3の位置によらずほぼ一定の推力が得
られている。一定の電圧で駆動すると、電機子導体3の
位置により大きく推力が変化している。電機子導体の位
置によらず、ほぼ一定の推力が得られており、電流で推
力が制御できる。最大移動距離Lの上限は、この誘導ア
クチュエータでは1.4mであり、最大移動距離Lの上
限より、この誘導アクチュエータの駆動距離L=164
mmがかなり小さいため、励磁電流により一定の推力が得
られている。
【0027】また、励磁巻線に0.1Aを流した場合の
印加電圧は、図3に示すように、電機子導体3の位置に
比例して増加しており、印加電圧が分かると電機子導体
3の位置の検出ができ、フィードバックすると、制御可
能である。図4は、電機子導体3がコイル1のところに
位置している場合、励磁電流0.1Aのときの推力の励
磁周波数依存性であり、ほぼ1Hz以上ではほぼ一定の推
力が得られている。従って、この周波数以上の正弦波電
流で駆動すればよい。
【0028】本発明の誘導アクチュエータと従来の誘導
アクチュエータを発生推力で比較した。励磁コイルはコ
イル1、電機子導体位置は励磁コイル1のところであ
り、表以外の条件は、従来法も本発明の条件と同じであ
る。本発明の誘導アクチュエータでは、ほぼ0.9Nの
推力が得られているのに対し、本発明の条件以外の従来
の誘導アクチュエータでは推力は約1/3であり、磁心
の断面積が1/2としても推力が低い。
【0029】
【表1】
【0030】〔実施例II〕 図5は、本発明における、荷物19を搬送する誘導アク
チュエータの実施例である。可動子(電機子導体)13
は、荷物19を吊り具18でぶら下げ矢印20の方向に
駆動し、ベアリングが連続的に配置されたスライダ21
により移動する。磁心は、図5や図7のように電機子導
体13の外側に位置する磁心14と、電機子導体13と
交差する磁心15および両端のヨーク部17,18から
なり、励磁コイル11,12に対して閉磁路を形成して
いる。励磁コイル11,12は、図6のように、磁心1
5に巻かれるように、位置している。
【0031】〔実施例III 〕 図8は、実施例I,IIの駆動制御の実施例の模式図であ
る。符号30は励磁コイル32,33に一定の電流を制
御して流すことができる交流電源であり、切り替えスイ
ッチ31で、励磁コイル32に交流電流を流すと、矢印
37の方向に電機子導体34を動かし、励磁コイル33
に交流電流を流すと、矢印36の方向に電機子導体34
を動かすことができる。電機子導体の位置は、電圧計3
5を測定すれば、図3のような関係から簡易的に位置を
検出できる。
【0032】
【発明の効果】本発明の誘導アクチュエータは、励磁巻
線、電機子導体と磁心のみで駆動できるものであり、構
造がシンプルであり、直流リニアモータ等のような、ブ
ラシの寿命等の問題もなく、メンテナンス等が簡単であ
り、高価な永久磁石等を用いないので、比較的安価であ
り、しかも、本発明の誘導アクチュエータでは、電機子
導体の位置に関係なくほぼ一定の推力が得られると共
に、推力も誘導アクチュエータの構造を規定することに
より、高い推力が得られるものであり、磁心も磁気的に
飽和することなく、効率よく小型で高推力が得られるも
のである。推力も、励磁電流が一定であれば殆ど電機子
導体位置によらず一定であるため励磁電流で推力が容易
に制御できると共に、電機子導体位置を一定励磁電流を
流した場合の印加電圧で検出できるので、位置制御も別
途センサを用いることなく可能であり便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の誘導アクチュエータの一例を示す図
である。
【図2】図1の誘導アクチュエータで、電機子導体のコ
イルからの距離と推力の関係を示すグラフである。
【図3】コイルの、印加電圧の電機子導体の位置依存性
を示すグラフである。
【図4】推力の励磁周波数依存性を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例であって、荷物を搬送する誘導
アクチュエータの図である。
【図6】図5のa−a線断面図である。
【図7】図5のb−b線断面図である。
【図8】実施例I,IIの駆動制御の実施例の模式図であ
る。
【符号の説明】
1,2 励磁コイル 3 電機子導体 4,5,6,7 コ型とI型の磁心を積層した磁心 6a,7a コ型とI型の磁心が積層しラップして
いる部分 8,9 推力発生方向 13 電機子導体 14,15 コア部の磁心 16,17 ヨーク部の磁心 18 吊り具 19 搬送する荷物 20 駆動方向 21 スライダ 30 交流電源 31 切替えスイッチ 32,33 励磁コイル 34 電機子導体 36,37 駆動方向 35 電圧計

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対する一対のコアを有し閉磁路を形成
    する磁心、磁心に巻かれた励磁巻線、および前記コアの
    一つが貫通し閉電路を形成する電機子導体を備え、前記
    励磁巻線との電磁誘導により電機子導体に流れる誘導電
    流と、励磁巻線の電流により生じる界磁によって駆動力
    が生じる誘導アクチュエータにおいて、移動可能な励磁
    巻線または電機子導体の最大移動距離L、相対するコア
    間のギャップg、相対するコアの断面積の和S1
    2 、および相対するコア間の、駆動方向に垂直方向の
    ギャップ幅Wが下式を満たすことを特徴とする誘導アク
    チュエータ。 L2 ≦g(S1 +S2 )μC /(μA W) ただし、μC :コアの透磁率 μA :ギャップの透磁率
  2. 【請求項2】 相対する一対のコアを有し閉磁路を形成
    する磁心、磁心に巻かれた励磁巻線、および前記コアの
    一つが貫通し閉電路を形成する電機子導体を備え、前記
    励磁巻線との電磁誘導により電機子導体に流れる誘導電
    流と、励磁巻線の電流により生じる界磁によって駆動力
    が生じる誘導アクチュエータにおいて、励磁巻線電流の
    周期T、電機子導体の電気抵抗R2 、ヨークの磁気抵抗
    Y 、相対するコアの断面積の和S1 +S2 、移動可能
    な励磁巻線または電機子導体の最大移動距離Lが下式を
    満たすことを特徴とする誘導アクチュエータ。 2π/T>R2 {RY +(S1 -1+S2 -1)L/μC } ただし、μC :コアの透磁率
  3. 【請求項3】 相対する一対のコアを有し閉磁路を形成
    する磁心、磁心に巻かれた励磁巻線、および前記コアの
    一つが貫通し閉電路を形成する電機子導体を備え、前記
    励磁巻線との電磁誘導により電機子導体に流れる誘導電
    流と、励磁巻線の電流により生じる界磁によって駆動力
    が生じる誘導アクチュエータにおいて、相対するコアの
    断面積S1 およびS2 がそれぞれ S1 、S2 =AμA NJLW/gBS ただし、A :係数=1〜2 μA :ギャップの透磁率 N :励磁巻線の巻数 J :励磁巻線の最大電流 L :移動可能な励磁巻線または電機子導体の最大移動
    距離 W :相対するコア間の、駆動方向に垂直方向のギャッ
    プ幅 g :相対するコア間のギャップ BS :磁心の飽和磁束密度 であることを特徴とする誘導アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 相対する一対のコアを有し閉磁路を形成
    する磁心、磁心に巻かれた励磁巻線、および前記コアの
    一つが貫通し閉電路を形成する電機子導体を備え、前記
    励磁巻線との電磁誘導により電機子導体に流れる誘導電
    流と、励磁巻線の電流により生じる界磁によって駆動力
    が生じる誘導アクチュエータにおいて、次の式(1)、
    (2)、および(3)のうち少なくとも2式を満たすこ
    とを特徴とする誘導アクチュエータ。 L2 ≦g(S1 +S2 )μC /μA W …(1) 2π/T>R2 {RY +(S1 -1+S2 -1)L/μC } …(2) S1 、S2 =AμA NJLW/gBS …(3) ただし、L :励磁巻線または電機子導体の最大移動距
    離 g :相対するコア間のギャップ S1 、S2 :相対するコアの断面積 μC :コアの透磁率 μA :ギャップの透磁率 W :相対するコア間の、駆動方向に垂直方向のギャッ
    プ幅 T :励磁巻線電流の周期 R2 :電機子導体の電気抵抗 RY :ヨークの磁気抵抗R A :係数=1〜2 N :励磁巻線の巻数 J :励磁巻線の最大電流 BS :磁心の飽和磁束密度
  5. 【請求項5】 相対する一対のコアを有し閉磁路を形成
    する磁心、磁心に巻かれた励磁巻線、および前記コアの
    一つが貫通し閉電路を形成する電機子導体を備え、前記
    励磁巻線との電磁誘導により電機子導体に流れる誘導電
    流と、励磁巻線の電流により生じる界磁によって駆動力
    が生じる誘導アクチュエータの制御方法において、励磁
    巻線電流の周期Tが 2π/T>R 2 {R Y +(S 1 -1 +S 2 -1 )L/μ C ただし、R 2 :電機子導体の電気抵抗 Y :ヨークの磁気抵抗R 1 、S 2 :相対するコアの断面積 L :励磁巻線または電機子導体の最大移動距離 μ C :コアの透磁率 であることを特徴とする誘導アクチュエータの制御方
    法。
  6. 【請求項6】 相対する一対のコアを有し閉磁路を形成
    する磁心、磁心に巻かれた励磁巻線、および前記コアの
    一つが貫通し閉電路を形成する電機子導体を備え、前記
    励磁巻線との電磁誘導により電機子導体に流れる誘導電
    流と、励磁巻線の電流により生じる界磁によって駆動力
    が生じる誘導アクチュエータの制御方法において、電機
    子導体の位置を励磁巻線からみたインピーダンスで検出
    し、検出した位置に基づいて電機子導体の位置を制御す
    ることを特徴とする誘導アクチュエータの制御方法。
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