JP3512734B2 - 分子線エピタキシャル成長装置およびそれを用いた半導体素子の製造方法 - Google Patents

分子線エピタキシャル成長装置およびそれを用いた半導体素子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子に用い
る高品質の薄層構造を高精度に制御形成する分子線エピ
タキシャル成長(以下、MBEという)装置およびそれ
を用いた半導体素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体エピタキシャル技術の進歩
はめざましく、さまざまな分野で高性能半導体薄膜を利
用した素子が実用化されている。特にMBE法や有機金
属気層成長(MOCVD)法の実用化により成長可能な
薄層構造の種類が増大したことは周知のことである。そ
の中でもMBE法は、半導体薄層の層厚制御性が優れて
おり、構成元素の単分子層程度までの精度で制御形成が
可能である。したがって、近年注目され、実用化されて
いる量子井戸構造や超格子構造を用いた素子形成に特に
有利である。このため、上記MBE法は、半導体レーザ
や高速電子デバイスの薄層形成技術として広く用いられ
ている。
【0003】上記半導体レーザや高速電子デバイスの分
野では、デバイスの実用化に伴い携帯電話システムや光
ディスクシステムの市場規模が急激に増大しており、製
造工程の効率化のため、成長装置の大型化が著しい。当
初、2インチまたは3インチ径のGaAs基板を1枚成
長可能なMBE装置を用いて技術開発が行なわれてき
た。そして、現在では、12枚の2インチウエハに同時
に結晶成長を行ったり、最大6インチウエハに結晶成長
を行うことが可能な大型のMBE装置が最も一般的に使
われている。更に、需要の増大に伴って、複数枚の6イ
ンチウエハに同時に結晶成長を行えるMBE装置も実用
化され、ますます装置の大型化が進展している。
【0004】従来、MBE装置としては、図8(a)に
示すように、成長室80に搭載されたIII族用分子線セ
ル81,V族の燐(P)用クラッカセル82から、マニ
ピレータ83の下端部のウエハホルダ84に向けて分子
線を照射するものがある。上記III族用分子線セル81
とウエハホルダ84との間、および、V族のP用クラッ
カセル82とウエハホルダ84との間には、分子線のオ
ン・オフを制御するためにセルシャッタ85,86を夫
々設置している。上記ウエハホルダ84はマニピレータ
83により自転することができて、図8(b)に示すよ
うに、12枚のGaAs基板87を保持している。
【0005】このように結晶成長面が大面積である場
合、成長層厚の均一性を確保するには、図9(b)に示
すように、円錐形のルツボ94を有するクヌードセンセ
ル91D,91Iを大口径化して、分子線の放射面積を
極力大きくすると共に、その分子線の中心軸がウエハホ
ルダ92の自転中心を通過するようにする。また、上記
クヌードセンセル91D,91Iが照射する分子線をセ
ルシャッタ95の開閉で制御している。より詳しくは、
図9(a)に示すように、分子線材料であるSi、B
e、As、Gaが夫々充填された複数のクヌードセンセ
ル91A,91B,…,91Jを成長室90内に配置して
いて、そのクヌードセンセル91A,91B,…,91J
の開口部の外径を100mmに設定している。このよう
な方法は、分子線材料が特にGa、Al、InなどのII
I族である場合に有効であるが、分子線材料がAs、P
などのV族の場合は、通常単純な円錐形のルツボは用い
られない。これらの蒸気圧の高いV族の分子線材料では
開口部の面積を絞り込んだ分子線セルを用いる。この場
合でも、材料の発散を大きくするために、分子線セルの
開口形状を調整する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図9(a),
(b)のMBE装置では、以下のような問題(1)
(3)が発生してしまう。
【0007】(1) 分子線の放射角を大きくしたた
め、ウエハ外部へ照射される分子線の割合が増大し、分
子線材料の利用効率が低下するという問題がある。
【0008】(2) そのような不要な分子線がウエハ
以外の部分に付着することにより、成長室90内の汚染
が激しくなり、清掃などの装置メンテナンスを困難にす
る。このため、上記メンテナンス間隔の短縮に伴って装
置稼動率が低下するだけでなく、成長室90内に付着し
た分子線材料の落下により、エピ表面欠陥の増大や結晶
性の低下という問題がある。特に反応性の強いPを使う
MBE成長の場合、大量に付着したPフレークの酸化物
が、分子線セル91A,91B,…,91Jなどの高温部
分に落下再蒸発し、エピ層内に混入することによる結晶
性の悪化が深刻である。
【0009】(3) 上記分子線セル91A,91B,
…,91Jの大口径化によって、セル開口部からの熱輻
射が増大するため、セル駆動電力の増大による真空度の
悪化を引き起こすばかりでなく、熱輻射によるウエハ表
面温度の制御性低下を引き起こし、成長層の成長条件が
不安定になるという問題がある。
【0010】そこで、本発明の課題は、分子線材料の利
用率を向上でき、結晶性を高めることができて、しか
も、成長層の成長条件を安定させることができるMBE
装置およびそれを用いた半導体素子の製造方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】上記課題を解決するため、本発明のMBE
装置は、複数枚のウエハを同時に処理、または、ウエハ
一枚ずつ処理する分子線エピタキシャル成長装置にお
いて、上記ウエハを保持する自転可能なウエハホルダ
と、上記ウエハホルダに向けて分子線を照射し、同一の
分子線材料を有する複数の分子線セルとを備え、上記ウ
エハホルダにおいて上記分子線の中心軸が横切る点と、
上記ウエハホルダの自転中心との距離が夫々異なるよう
に、上記複数の分子線セルが上記分子線を同時に出射す
ることを特徴としている。
【0017】上記構成のMBE装置によれば、上記ウエ
ハホルダを自転させると共に、同一の分子線材料が充填
された複数の分子線セルから同時に分子線をウエハホル
ダに向って分子線を照射する。このとき、上記ウエハホ
ルダにおいて分子線の中心軸が横切る点と、ウエハホル
ダの自転中心との距離が夫々異なるように、複数の分子
線がウエハホルダに照射されている。これにより、上記
ウエハホルダの自転に伴って、ウエハホルダの各部に順
次分子線が照射され、ウエハホルダに均一に分子線が照
射される。したがって、上記分子線セルの開口径の小さ
くして、分子線の指向性を向上させることにより、ウエ
ハホルダ以外への分子線の発散量を減少させ、分子線材
料の利用効率を向上させることができる。
【0018】また、上記ウエハホルダ以外への分子線の
発散量が減少するから、装置内の汚染が少なくなる。し
たがって、清掃などの装置メンテナンスが容易になると
共に、エピ表面欠陥が低下し、結晶性を向上させること
ができる。
【0019】また、上記分子線セルを小口径化すること
によって、分子線セルの開口部からの熱輻射が低下し、
熱輻射によるウエハ表面温度への悪影響が小さくなる。
その結果、成長層の成長条件を安定させることができ
る。また、上記分子線セルの開口部からの熱輻射が低下
するから、セル駆動電力が減少し、真空度が悪化するの
を防止できる。
【0020】一実施形態のMBE装置は、上記ウエハホ
ルダの内部における分子線強度よりも、上記ウエハホル
ダの外部における分子線強度が弱くなるように、上記分
子線セルの分子線の指向性が高められていることを特徴
としている。
【0021】一実施形態のMBE装置は、上記分子線セ
ルが複数の同心円周上に配置されていることを特徴とし
ている。
【0022】一実施形態のMBE装置は、同一の分子線
材料を有する複数の上記分子線セルを単一のセルシャッ
タで開閉することを特徴としている。
【0023】一実施形態のMBE装置は、上記分子線セ
ルはV族元素の分子線材料を有することを特徴としてい
る。
【0024】一実施形態のMBE装置は、上記V族元素
が燐であることを特徴としている。
【0025】一実施形態のMBE装置は、上記分子線セ
ルとしてクラッカセルを用いていることを特徴としてい
る。
【0026】一実施形態のMBE装置は、上記分子線セ
ルを上記ウエハに対向するように配置したことを特徴と
している。
【0027】
【0028】本発明の半導体素子の製造方法は、複数枚
のウエハを同時に処理、または、ウエハを一枚ずつ処理
する半導体素子の製造方法において、上記ウエハを保持
するウエハホルダを自転させると共に、同一の分子線材
料を有する複数の分子線セルからの分子線を上記ウエハ
ホルダに向かって、上記ウエハホルダにおいて上記各分
子線の中心軸が横切る点と、上記ウエハホルダの自転中
心との距離が夫々異なるように、同時に照射することを
特徴としている。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明のMBE装置および
それを用いた半導体素子の製造方法を図示の実施の形態
により詳細に説明する。
【0030】(第1実施形態) 図1(a)に、本発明の第1実施形態のMBE装置の分
子線セルの配置を上方から見た模式図を示し、図1
(b)に、上記MBE装置の分子線セルの配置を側方か
ら見た模式図を示している。なお、図1(a)中のS
i、Beなどは、各分子線セルの分子線材料を示してい
る。
【0031】上記MBE装置は、図1(a)に示すよう
に、成長室10と、この成長室10に収容された自転可
能なウエハホルダ2と、このウエハホルダ2へ向けて分
子線を照射する分子線セル1A,1B,…,1Jとを有し
ている。上記ウエハホルダ2は、直径230mmのモリ
ブデン製であり、ウエハとしての2インチGaAs基板
を12枚保持する。上記分子線セル1A,1B,…,1J
は同一円周上に配置されていて、Ga用に4個、As用
に4個、Si用に1個、Be用に1個使用される。
【0032】上記Ga用の分子線セル1D,1E,1I,
1Jは、図1(b)に示すように、分子線材料としての
Gaが充填される円錐形状のPBN製ルツボ4を有して
いる。この分子線セル1D,1E,1I,1Jの開口部の
外径が70mmに設定さていて、分子線セル1D,1E,
1I,1Jは小口径で指向性が高くなっている。また、
上記分子線セル1A,1B,…,1Jは、分子線の中心軸
がウエハホルダ2の自転中心以外を通過するように配置
されている。このウエハホルダ2の自転中心とはウエハ
ホルダ2の内部における自転中心軸のことである。この
自転中心軸に対して分子線の中心軸が交差しないよう
に、分子線セル1A,1B,…,1Jを配置している。つ
まり、上記分子線セル1A,1B,…,1Jとウエハホル
ダ2との交点は、ウエハホルダ2の自転中心より外側に
位置している。また、上記分子線セル1A,1B,…,1
Jとウエハホルダ2との間にはセルシャッタ3を夫々設
けて、各分子線セル1A,1B,…,1Jに対して1つの
セルシャッタ3を設けている。
【0033】上記構成のMBE装置では、ウエハホルダ
2を自転させながら、分子線セル1D,1E,1I,1J
からウエハホルダ2に向けて分子線を照射して、p型お
よびn型のGaAs層を成長させる。このとき、上記ウ
エハホルダ2の自転中心以外を分子線の中心軸が通過す
るように分子線が照射されているから、ウエハホルダ2
の自転に伴って、ウエハホルダ2の各部に順次分子線が
照射される。したがって、上記ウエハホルダ2上での分
子線の均一性を確保することができる。その結果、図9
(a),(b)の従来例においてGaAs成長層の膜厚
均一性が全基板内で±0.5%であったが、本第1実施
形態のGaAs層の膜厚均一性は、小口径の分子線セル
1A,1B,…,1Jを用いたのにも関わらず、全基板内
で±2%と使用可能な程度の均一性が得られた。更に以
下の利点が得られた。
【0034】即ち、上記小口径の分子線セル1D,1E,
1I,1Jを用いて、分子線の放射角を小さくしている
から、ウエハホルダ2の外部へ照射される分子線の割合
が低下し、分子線材料の利用効率を向上させることがで
きる。
【0035】また、不要な分子線、つまりウエハホルダ
2の外部に照射される分子線が減少したため、成長室1
0内においてウエハホルダ以外の部分の汚染が減り、清
掃などの装置メンテナンスが容易となった。
【0036】また、上記成長室10内の汚染物の低減に
より、エピ表面欠陥が低下した。すなわち、上記GaA
s層の結晶性を向上させることができる。
【0037】また、図9(a),(b)の従来例では、
Ga用の分子線セルに対するセルシャッタの開閉によ
り、分子線セルの開口部からの熱輻射の影響で基板表面
温度が約10℃変動していたが、本第1実施形態では、
基板表面温度の変動を1℃以下に低減でき、成長条件の
制御性が向上した。すなわち、GaAs層の成長条件を
安定させることができる。
【0038】また、上記分子線セル1D,1E,1I,1
Jのセル駆動電力が図9(a),(b)の従来例より低
下したため、結晶成長中の炭酸ガス、水分、酸素など結
晶性に有害なガス成分の分圧を低減でき、GaAs層の
結晶性をより向上させることができた。
【0039】上記第1実施形態では、ウエハホルダ2に
12枚の2インチGaAs基板を装着していたが、ウエ
ハホルダ2に1枚の6インチGaAs基板を装着しても
よい。また、GaAs基板以外の基板を用いた結晶成長
を行えるのは言うまでもない。
【0040】(第2実施形態) 図2(a)に、本発明の第2実施形態のMBE装置の分
子線セルの配置を上方から見た模式図を示し、図2
(b)に、上記MBE装置の分子線セルの配置を側方か
ら見た模式断面図を示している。図1(a),(b)の
構成部と同じ構成部には同一番号を付して説明を省略す
るか、または説明を簡単にする。
【0041】上記MBE装置は、図2(a)に示すよう
に、第1実施形態と同様の直径230mmのモリブデン
製のウエハホルダ2を有している。このウエハホルダ2
には6インチGaAs基板を1枚装着している。上記ウ
エハホルダ2に向けて分子線を照射する分子線セル21
A,21B,…,21Jは、Ga用に6個、As用に2
個、Si用に1個、Be用に1個使用される。
【0042】上記Ga用の分子線セル21C,21D,2
1E,21H,21I,21Jは、図2(b)に示すよう
に、Gaが充填されるPBN製の円錐型ルツボ4を備え
ていて、開口部の外径が70mmに設定されている。上
記分子線セル21C,21E,21Iと分子線セル21
D,21H,21Jとでは、分子線の中心軸がウエハホル
ダ2を横切る点と、ウエハホルダ2の自転中心との距離
が異なっている。つまり、上記分子線セル21D,21
H,21Jの分子線の中心軸はウエハホルダ2の自転中
心近傍を横切る一方、分子線セル21C,21E,21I
の分子線の中心軸はウエハホルダ2の自転中心近傍より
も外側を通過する。
【0043】上記構成のMBE装置は、ウエハホルダ2
を自転させると共に、分子線セル21D,21H,21J
のうち少なくとも1つと、分子線セル21C,21E,2
1Iのうち少なくとも1つとを同時に開放して、p型お
よびn型のGaAs層を成長させる。その結果、上記ウ
エハホルダ2の外部への分子線の発散量を増加させるこ
となく、第1実施形態の場合よりも、ウエハホルダ2内
での分子線の均一性をより向上させることができた。そ
の結果、小口径の分子線セル21C,21D,21E,2
1H,21I,21Jを用いたのにも関わらず、GaAs
成長層の膜厚均一性が±0.5%になった。
【0044】また、上記小口径の分子線セル21C,2
1D,21E,21H,21I,21Jを用いて、分子線の
放射角を小さくしているから、ウエハホルダ2の外部へ
照射される分子線の割合が低下し、分子線材料の利用効
率を向上させることができる。
【0045】また、不要な分子線、つまりウエハホルダ
2の外部に照射される分子線が減少したため、成長室1
0内においてウエハホルダ以外の部分の汚染が減り、清
掃などの装置メンテナンスが容易となった。
【0046】また、上記成長室10内の汚染物の低減に
より、エピ表面欠陥が低下した。すなわち、上記GaA
s層の結晶性が向上している。
【0047】また、図9(a),(b)の従来例では、
Ga用の分子線セルに対するセルシャッタの開閉によ
り、分子線セルの開口部からの熱輻射の影響で基板表面
温度が約10℃変動していたが、本第2実施形態では、
基板表面温度の変動を1℃以下に低減でき、GaAs層
の成長条件に対する制御性が向上した。
【0048】また、上記分子線セル21C,21D,21
E,21H,21I,21Jのセル駆動電力が図9(a),
(b)の従来例より低下したため、結晶成長中の炭酸ガ
ス、水分、酸素など結晶性に有害なガス成分の分圧を低
減でき、GaAs層の結晶性を向上させることができ
た。
【0049】(第3実施形態) 上記第2実施形態の場合、小口径化によってGa用の円
錐型ルツボ4の容量は、図9(b)のルツボ94と比べ
て約1/3に低下してしまうが、分子線材料であるGa
の利用効率が向上したため、分子線セル全体における成
長可能枚数は1/2程度までしか低下しなかった。しか
し、分子線材料の充填量が低下したため、分子線材料を
充填する頻度が多くなり、成長室10を開放する周期が
短くなってしまった。以下、この対策となるMBE装置
について説明する。
【0050】図3(a)に、本発明の第2実施形態のM
BE装置の分子線セルの配置を上方から見た模式図を示
し、図3(b)に、上記MBE装置の分子線セルの配置
を側方から見た模式断面図を示している。図1(a),
(b)の構成部と同じ構成部には同一番号を付して説明
を省略する。
【0051】上記MBE装置では、図3(b)に示すよ
うに、円錐型ルツボ4の代わりに、円筒型の外ルツボ3
5と円錐型の分子線制御用内ルツボ34とを組み合わせ
たルツボを使用する。上記円筒型の外ルツボ35には分
子材料が充填され、この分子線材料から生じる分子線を
円錐型の内ルツボ34で制御する。また、上記内ルツボ
34の底部は、開口していて、外ルツボ35に収容され
ている。上記内ルツボ34と外ルツボ35からなルツボ
は、Ga用の分子線セル31C,31D,31E,31H,
31I,31Jに搭載されている。そして、上記Ga用
の分子線セル31C,31D,31E,31H,31I,3
1Jにおいて、分子線セル31D,31H,31Jの分子
線の中心軸はウエハホルダ2の自転中心近傍を横切り、
分子線セル31C,31E,31Iの分子線の中心軸はウ
エハホルダ2の自転中心近傍よりも外側を通過するよう
に設定されている。このように、上記ルツボ34と外ル
ツボ35からなるルツボを用いたことのみ、第2実施形
態と異なっている。なお、図1(a)において、31A
はSi用の分子線セルであり、31BはBe用の分子線
セルであり、31F,31GはAs用の分子線セルであ
る。
【0052】上記構成のMBE装置は、上記第2実施形
態と同様の効果を奏すると共に、分子線材料の充填量を
大口径の分子線セルと同様に増大できるため、分子線材
料を交換するためのメンテナンス周期を延長することが
できる。
【0053】(第4実施形態) 図4(a)に、本発明の第4実施形態のMBE装置の分
子線セルの配置を上方から見た模式図を示し、図4
(b)に、上記MBE装置の分子線セルの配置を側方か
ら見た模式断面図を示している。図3(a),(b)の
構成部と同じ構成部には同一番号を付して説明を省略す
るか、または説明を簡単にする。
【0054】上記MBE装置はより複雑な多元混晶を成
長する時に適していて、図4(a)に示すように、直径
230mmのモリブデン製のウエハホルダ2と、このウ
エハホルダ2に向かって分子線を照射する分子線セル4
1A,41B,…,41Tとを備えている。上記ウエハホ
ルダ2は、2インチGaAs基板を12枚装着してい
る。上記分子線セル41A,41B,…,41Tは、2つ
の異なる同心円周上に配置されていて、Ga用として6
個、In用として4個、Al用として4個、P用として
2個、Si用として2個、Be用として2個使用され
る。装置の全体の大きさに対して開口径の小さな分子線
セル41A,41B,…,41Tを用いているから、従来
では考えられなかったような20個もの分子線セル41
A,41B,…,41Tを成長室10内に設置することが
できた。この分子線セル41A,41B,…,41Tを用
いて、p型およびn型の赤色レーザ用のAlGaInP
の多層膜を成長する。Ga用の分子線セル41H,41
I,41J,41M,41N,41O、および、In用の分
子線セル41E,41F,41K,41Tは、分子線材料
の充填量を多くするために、円筒型の外ルツボ35と円
錐型の分子線制御用内ルツボ34とからなるルツボを搭
載している。
【0055】上記分子線セル41A,41B,…,41T
において同一の分子線材料を有するものは、図4(b)
に示すように、分子線の中心軸とウエハホルダ2との交
差点から、ウエハホルダ2の自転中心までの距離が異な
るように配置されている。例えば、Ga用の分子線セル
41Iの分子線の中心軸はウエハホルダ2の外周縁部を
通過する一方、Ga用の分子線セル41Jの分子線の中
心軸はウエハホルダ2の自転中心を通過する。なお、上
記分子線セル41A,41B,…,41Tは、2つの異な
る同心円周上に位置している。
【0056】上記構成のMBE装置は、結晶成長時、ウ
エハホルダ2において分子線の中心軸が通過する箇所が
異なるように配置され、同一の分子線材料を有する分子
線セル41A,41B,…,41Tの少なくとも2個を同
時に開放する。このとき、上記ウエハホルダ2が自転し
ているから、ウエハホルダ2の自転に伴って、ウエハホ
ルダ2の各部に順次分子線が照射される。したがって、
上記ウエハホルダ2上での分子線の均一性を確保するこ
とができて、小口径の分子線セル41A,41B,…,4
1Tを用いたのにも関わらず、膜厚均一性±0.5%を
達成することができた。
【0057】また、上記小口径の分子線セル41A,4
1B,…,41Tを用いて、分子線の放射角を小さくして
いるから、ウエハホルダ2の外部へ照射される分子線の
割合が低下し、分子線材料の利用効率を向上させること
ができる。
【0058】また、不要な分子線、つまりウエハホルダ
2の外部に照射される分子線が減少したため、成長室1
0内においてウエハホルダ以外の部分の汚染が減り、清
掃などの装置メンテナンスが容易となった。また、上記
成長室10内の汚染物の低減により、エピ表面欠陥が低
下した。すなわち、上記AlGaInPの多層膜の結晶
性が向上している。
【0059】また、図9(a),(b)の従来例では、
Ga分子線セルに対するセルシャッタの開閉により、分
子線セルの開口部からの熱輻射の影響で基板表面温度が
約10℃変動していたが、本第2実施形態では、基板表
面温度の変動を1℃以下に低減でき、AlGaInPの
多層膜の成長条件の制御性が向上した。
【0060】また、上記分子線セル41A,41B,…,
41Tのセル駆動電力が図9(a),(b)の従来例よ
り低下している。その結果、結晶成長中の炭酸ガス、水
分、酸素など結晶性に有害なガス成分の分圧を低減で
き、成長層の結晶性をより向上させることができた。
【0061】(第5実施形態) 上記第4実施形態では、分子線セル41A,41B,…,
41Tの夫々に対して各1つのセルシャッタ3で分子線
の制御を行っていたが、この場合、上記セルシャッタ3
の数が多くなるために、セルシャッター3の駆動系が複
雑になる。そこで、上記セルシャッタ3の数を減らすこ
とができる第5実施形態のMBE装置について説明す
る。
【0062】上記MBE装置では、図5(a)に示すよ
うに、20個の分子線セル51A,51B,…,51Tを
2つの異なる同心円周上に配置している。この分子線セ
ル51A,51B,…,51Tは、Ga用に6個、In用
に4個、Al用に4個、P用に2個、Si用に2個、B
e用に2個使用して、p型およびn型(もしくはノンド
ープ)の赤色レーザ用のAlGaInPの多層膜を成長
する。そして、上記分子線セル51A,51B,…,51
Tにおいて、半径方向で隣り合う分子線セル51A,5
1B,…,51Tには同一の分子線材料を充填している。
【0063】このように、半径方向で隣合って同一の分
子線材料を有する分子線セル51A,51B,…,51T
の開閉を、図5(b)に示すように、単一で大型のセル
シャッタ53で制御する。つまり、1つのセルシャッタ
53が2つの分子線セル51A,51B,…,51Tの開
閉制御を同時に行っている。また、半径方向で隣り合っ
て同一の分子線材料を有する分子線セル51A,51B,
…,51Tは、分子線の中心軸がウエハホルダ2を横切
る点が異なっている。例えば、上記分子線セル51Nに
おける分子線の中心軸はウエハホルダ2の自転中心を通
過し、分子線セル51Dにおける分子線の中心軸はウエ
ハホルダ2の外周縁部を通過する。
【0064】上記構成のMBE装置は、上記第4実施形
態と同様の効果を奏すると共に、同一の分子線材料を有
する少なくとも2つの分子線セル51A,51B,…,5
1Tの分子線を、単一で大型のセルシャッタ53で制御
するから、セルシャッタ53の駆動系を簡略することが
できる。
【0065】上記第5実施形態では、単一のセルシャッ
タ53で2つの分子線セル51D,51Nの分子線を同
時に制御していたが、単一のシャッタで例えば4つの分
子線セル51C,51D,51M,51Nの分子線を制御
してもよい。
【0066】(第6実施形態) これまで、分子線材料であるIII族のGa,In等を供給
する分子線セルに注目して本発明について説明してきた
が、第6実施形態では、分子線材料であるV族のPを供
給する分子線セルに注目し、図6(a),(b)を用い
て説明する。
【0067】図6(a)は、本発明の第6実施形態のM
BE装置の分子線セルの配置を上方から見た模式図であ
り、図6(b)は上記分子線セルの配置を側面から見た
模式断面図である。なお、図1(a),(b)と同一の
構成部材について同一番号を付して説明を省略する。
【0068】上記MBE装置は、図6(a)に示すよう
に、ウエハホルダ2に向って分子線を照射する分子線セ
ル61A,61B,61C,61E,61F,61G,61
H,61Jおよびクラッカセル61D,61Iを備えてい
る。この分子線セル61A,61B,…,61Jおよびク
ラッカセル61D,61Iは、Si、Be、Ga、P、
InおよびAlの分子線材料を有している。Pを分子線
材料として使用する場合、材料の赤燐をそのまま蒸発し
てウエハに供給すると、4原子分子P4の分子線が発生
し、Pは白リンとして成長室に蓄積される。その結果、
メンテナンスのために大気開放すると、常温でも自然発
火する。この対策として、図6(b)に示すようなクラ
ッカセル61D,61Iを用いてPをウエハに供給して
いる。Pは蒸発後、クラッカゾーン65で約900℃に
加熱分解しP2の分子線としてウエハに供給される。上
記クラッカセル61D,61Iは、Pを充填する部分の
口径や容量に関係なく、クラッカゾーン65の形状で分
子線の指向性を制御することができる。
【0069】また、III/V族半導体の成長では、成長
層厚はIII族の分子線の分布で決まり、V族の分子線材
料はV/III比が1以上となる比較的広い条件で供給す
ればよい。しかし、Pなどの反応性の強いV族の分子線
材料は、酸化されやすいため、一度成長室10に付着し
たものが酸化物となり、分子線セル61A,61B,…,
61Jやクラッカセル61D,61Iなどの高温部分に
落下し、再蒸発し、成長層へ酸素成分を供給する可能性
が高い。このため、上記ウエハホルダ2以外の部分への
分子線の供給を極力減らすために、分子線の指向性をG
a等のIII族の場合以上に高める必要がある。上記クラ
ッカセル61D,61Iは、指向性を極力高められてい
て、分子線の中心軸のウエハホルダ2と交差する点から
ウエハホルダ2の自転中心までの距離が異なるように配
置されている。すなわち、上記クラッカセル61D,6
1Iにおいて、分子線の中心軸がウエハホルダ2を横切
る点が夫々異なっている。
【0070】また、図示しないが、Si用の分子線セル
61A、Be用の分子線セル61B、Ga用の分子線セ
ル61C,61H,61J、In用の分子線セル61Eお
よびAl用の分子線セル61H,61Gの配置も、分子
線の中心軸のウエハホルダ2と交差する点からウエハホ
ルダ2の自転中心までの距離が異なるように設定されて
いる。上記分子線セル61A,61B,61C,61E,6
1H,61J,61H,61Gは、Si、Be、Ga、I
nおよびAlを充填する第1,2実施形態と同様のルツ
ボ4を有している。
【0071】上記構成のMBE装置によれば、分子線セ
ル61A,61B,61C,61E,61H,61J,61
H,61Gおよびクラッカセル61D,61Iを用いて、
p型またはn型(もしくはノンドープ)の赤色レーザ用
のAlGaInPの多層膜を成長する。その結果、第2
実施形態と同様の効果を奏すると共に、P酸化物の落下
物の再蒸発による酸素の混入がなくなり、成長層の発光
効率の向上と安定化が達成できた。
【0072】(第7実施形態) 次に、上記第6実施形態をさらに改良した第7実施形態
を、図7を用いて説明する。
【0073】図7(a)に、本発明の第7実施形態のM
BE装置における分子線セルの配置を上方から見た模式
図を示し、図7(b)に、上記分子線セルの配置を側面
から見た模式断面図を示している。なお、図5(a),
(b)と同一構成部材については同一番号を付して説明
を省略する。
【0074】上記MBE装置では、図7(a)に示すよ
うに、分子線セル71A,71B,…,71Tおよびバル
ブクラッカセル71U,71Vを3つの異なる同心円周
上に配置している。上記分子線セル71A,71B,…,
71Tにおいて、半径方向で隣り合う分子線セル71
A,71B,…,71Tは同一の分子線材料を有してい
る。また、上記分子線セル71A,71B,…,71T
は、図7(b)に示すように、円筒型の外ルツボ35と
円錐型の分子線制御用内ルツボ34とからなるルツボを
有していて、このルツボに分子線材料が充填される。ま
た、半径方向で隣り合って同一の分子線材料を有する分
子線セル71A,71B,…,71Tは、分子線の中心軸
がウエハホルダ2を横切る点が夫々異なっている。例え
ば、上記分子線セル71Nにおける分子線の中心軸はウ
エハホルダ2の自転中心近傍を通過し、分子線セル71
Dにおける分子線の中心軸はウエハホルダ2の外周縁部
を通過する。
【0075】上記バルブクラッカセル71U,71V
は、P分子線の指向性をより高くするために、ウエハホ
ルダ2に対向して設置されている。これにより、P分子
線の指向性がより高くなり、ウエハホルダ2以外へのP
分子線の発散を抑止できる。また、上記バルブクラッカ
セル71U,71Vは、分子線の中心軸とウエハホルダ
2と交差する点から、ウエハホルダ2の自転中心までの
距離が異なるように配置されている。具体的には、一方
のバルブクラッカセル71Uにおける分子線の中心軸は
ウエハホルダ2の自転中心近傍を通過し、他方のバルブ
クラッカセル71V分子線セル71Dにおける分子線の
中心軸はウエハホルダ2の外周縁部を通過する。
【0076】上記構成のMBE装置によれば、分子線セ
ル71A,71B,…,71Tおよびバルブクラッカセル
71U,71Vを用いて、p型またはn型(もしくはノ
ンドープ)の赤色レーザ用のAlGaInPの多層膜を
成長する。この結果、上記第5実施形態と同様の効果を
奏すると共に、P酸化物である落下物の再蒸発による酸
素の混入がなくなり、成長層の発光効率の向上と安定化
が図ることができる。
【0077】また、上記バルブクラッカセル71U,7
1Vはウエハホルダ2に対向しているために、バルブク
ラッカセル71U,71Vに対するセルシャッタの設置
は困難である。しかし、上記バルブクラッカセル71
U,71Vがバルブ76を備えているから、セルシャッ
タを必要とせず、P分子線の供給制御を行うことができ
る。
【0078】上記第1〜第7実施形態では、2インチウ
エハ12枚または6インチウエハ1枚を成長可能なMB
E装置に関して述べてきたが、近年、さらに大口径のウ
エハホルダを用いる超大型のMBE装置が実用化され、
従来例で述べたような問題点は、ますます深刻となって
いる。したがって、本発明は、そのような超大型のMB
E装置においてますます有用な効果を示すものである。
【0079】
【発明の効果】以上より明らかなように、本発明のMB
E装置は、ウエハホルダを自転させると共に、ウエハホ
ルダにおいて分子線の中心軸が横切る点からウエハホル
ダの自転中心までの距離が夫々異なるように、複数の
子線がウエハホルダへ向って照射されるから、ウエハホ
ルダ上での分子線の均一性を確保することができる。し
たがって、上記分子線セルの開口径を小さくして、分子
線の指向性を向上させることにより、ウエハホルダ以外
への分子線の発散量を減少させ、分子線材料の利用効率
を向上させることができる。
【0080】また、上記ウエハホルダ以外への分子線の
発散量が減少するから、装置内の汚染が少なくなるか
ら、清掃などの装置メンテナンスが容易になると共に、
エピ表面欠陥が低下し、成長層の結晶性を向上させるこ
とができる。
【0081】また、上記分子線セルを小口径化すること
によって、分子線セルの開口部からの熱輻射が低下し、
熱輻射によるウエハ表面温度への悪影響が小さくなるの
で、成長層の成長条件を安定させることができる。
【0082】また、上記分子線セルの開口部からの熱輻
射が低下するから、セル駆動電力が減少して、セル駆動
電力の増大による真空度の悪化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)は本発明の第1実施形態のMBE
装置の分子線セルの配置を上方から見た模式図であり、
図1(b)は上記分子線セルの配置を側方から見た模式
断面図である。
【図2】 図2(a)は本発明の第2実施形態のMBE
装置の分子線セルの配置を上方から見た模式図であり、
図2(b)は上記分子線セルの配置の側方から見た模式
断面図である。
【図3】 図3(a)は本発明の3実施形態のMBE装
置の分子線セルの配置を上方から見た模式図であり、図
3(b)は上記分子線セルの配置を側方から見た模式断
面図である。
【図4】 図4(a)は本発明の4実施形態のMBE装
置の分子線セルの配置を上方から見た模式図であり、図
4(b)は上記分子線セルの配置を側方から見た模式断
面図である。
【図5】 図5(a)は本発明の5実施形態のMBE装
置の分子線セルの配置を上方から見た模式図であり、図
5(b)は上記分子線セルの配置を側方から見た模式断
面図である。
【図6】 図6(a)は本発明の6実施形態のMBE装
置の分子線セルの配置を上方から見た模式図であり、図
6(b)は上記分子線セルの配置を側方から見た模式断
面図である。
【図7】 図7(a)は本発明の7実施形態のMBE装
置の分子線セルの配置を上方から見た模式図であり、図
7(b)は上記分子線セルの配置を側方から見た模式断
面図である。
【図8】 図8(a)は従来のMBE装置の模式断面図
であり、図8(b)は上記従来のMBE装置のウエハホ
ルダを上方から見た図である。
【図9】 図9(a)は他の従来のMBE装置の分子線
セルの配置を上方から見た模式図であり、図9(b)は
上記MBE装置の分子線セルの配置を側方から見た模式
断面図である。
【符号の説明】
2 ウエハホルダ 1A,1B,…,1J 分子線セル 21A,21B,…,21J 分子線セル 31A,31B,…,31J 分子線セル 41A,41B,…,41T 分子線セル 51A,51B,…,51T 分子線セル 61A,61B,61C,61E 分子線セル 61F,61G,61H,61J 分子線セル 61D,61I クラッカセル 71A,71B,…,71T 分子線セル 71U,71V バルブクラッカセル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/203,21/363 C30B 23/08

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚のウエハを同時に処理、または
    エハを一枚ずつ処理する分子線エピタキシャル成長装
    置において、 上記ウエハを保持する自転可能なウエハホルダと、 上記ウエハホルダに向けて分子線を照射し、同一の分子
    線材料を有する複数の分子線セルとを備え、 上記ウエハホルダにおいて上記分子線の中心軸が横切る
    点と、上記ウエハホルダの自転中心との距離が夫々異な
    るように、上記複数の分子線セルが上記分子線を同時に
    出射することを特徴とする分子線エピタキシャル成長装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の分子線エピタキシャル
    成長装置において、 上記ウエハホルダの内部における分子線強度よりも、上
    記ウエハホルダの外部における分子線強度が弱くなるよ
    うに、上記分子線セルの分子線の指向性が高められてい
    ることを特徴とする分子線エピタキシャル成長装置。
  3. 【請求項3】 請求項1乃至のいずれか1つに記載の
    分子線エピタキシャル成長装置において、上記分子線セ
    ルが複数の同心円周上に配置されていることを特徴とす
    る分子線エピタキシャル成長装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至のいずれか1つに記載の
    分子線エピタキシャル成長装置において、同一の分子線
    材料を有する複数の上記分子線セルを単一のセルシャッ
    タで開閉することを特徴とする分子線エピタキシャル成
    長装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至のいずれか1つに記載の
    分子線エピタキシャル成長装置において、上記分子線セ
    ルはV族元素の分子線材料を有することを特徴とする分
    子線エピタキシャル成長装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の分子線エピタキシャル
    成長装置において、 上記V族元素が燐であることを特徴とする分子線エピタ
    キシャル成長装置。
  7. 【請求項7】 請求項またはに記載の分子線エピタ
    キシャル成長装置にいて、 上記分子線セルとしてクラッカセルを用いていることを
    特徴とする分子線エピタキシャル成長装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至のいずれか1つに記載の
    分子線エピタキシャル成長装置において、 上記分子線セルを上記ウエハに対向するように配置した
    ことを特徴とする分子線エピタキシャル成長装置。
  9. 【請求項9】 複数枚のウエハを同時に処理、または
    エハを一枚ずつ処理する半導体素子の製造方法におい
    て、 上記ウエハを保持するウエハホルダを自転させると共
    に、同一の分子線材料を有する複数の分子線セルからの
    分子線を上記ウエハホルダに向かって、上記ウエハホル
    ダにおいて上記各分子線の中心軸が横切る点と、上記ウ
    エハホルダの自転中心との距離が夫々異なるように、同
    時に照射することを特徴とする半導体素子の製造方法。
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