JP3508736B2 - 撮像装置 - Google Patents

撮像装置

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JP3508736B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体撮像素子を用
いて被写体を撮像する撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の銀塩式のカメラに代わり、CCD
(電荷結合素子)等の固体撮像素子を用いたデジタルカ
メラが近年普及し始めている。このデジタルカメラに用
いられるCCDのダイナミックレンジは、銀塩式のカメ
ラのダイナミックレンジに比べて小さく、デジタルカメ
ラのダイナミックレンジの拡大が要望されている。
【0003】このため、従来では、CCDの感度を変化
させながら連続して撮像した複数枚の画像を合成するこ
とにより、ダイナミックレンジを拡大する方法が知られ
ているが、この方法では、各画像の撮像時刻が異なり、
画像間で時間遅れが発生する。このため、静止画しか撮
像することができず、また、デジタルカメラを三脚等の
固定台に固定して撮像する必要があった。
【0004】また、上記のデジタルカメラのダイナミッ
クレンジを拡大するため、例えば、特開平7−7937
2号公報、特開平11−220659号公報、特開平1
1−298801号公報に種々の技術が開示されてい
る。
【0005】まず、特開平7−79372号公報に開示
される電子カメラ装置では、奇数フィールドと偶数フィ
ールドとで露光時間を異ならせることにより、奇数フィ
ールドの画像信号を高感度にするとともに、偶数フィー
ルドの画像信号を低感度にし、奇数フィールドの画像信
号に白とびが発生した場合、当該奇数フィールドに隣接
する偶数フィールドの画像信号を用いて白とびが発生し
た画像信号を補間している。この結果、ダイナミックレ
ンジを見かけ上拡張して白とびを補正した画像を得るこ
とができる。
【0006】また、特開平11−220659号公報に
開示される撮像装置では、1フィールド期間においてC
CDから複数フィールド分の画像信号を読み出して記録
し、再生時に記録した複数フィールド分の画像信号を読
み出して加算することにより、CCDを飽和させること
なく、ダイナミックレンジを拡大している。
【0007】さらに、特開平11−298801号公報
に開示される撮像装置でも、1フィールド期間又は1フ
レーム期間においてCCDから複数フィールド分の画像
信号を読み出して記録し、再生時に記録した複数フィー
ルド分の画像信号を読み出して加算することにより、C
CDを飽和させることなく、ダイナミックレンジを拡大
している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
電子カメラ装置では、露光時間を単に短くすることによ
り低感度の画像信号を作成しているため、当該画像信号
のS/N比が低下する。このため、S/N比の低い画像
信号を用いて白とびが発生した画像信号を補間しても、
当該補間部の画質が劣化し、良好な画像を得ることがで
きない。
【0009】また、上記の各撮像装置は、動画像を対象
とするものであり、静止画像の場合でも、時間的にずれ
た露光期間で各フィールドの画像信号が作成されるた
め、このように時間的にずれた画像信号を加算したので
は、画像にブレが生じ、良好な静止画像を得ることがで
きない。特に、動体を撮影する場合やデジタルカメラを
手持ちして撮影する場合、画像のブレがより顕著とな
り、静止画像の画質をさらに悪化させる。
【0010】本発明の目的は、ダイナミックレンジを拡
張することができるとともに、良好な画質を有する静止
画像を得ることができる撮像装置を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る撮像装置
は、複数の第1のライン上に配列された複数の第1の受
光部と、第1のラインと交互に配置される複数の第2の
ライン上に配列された複数の第2の受光部と、第1及び
第2の受光部に入射される光を制御するメカニカルシャ
ッター手段と、第1の受光部を第1の露光時間、第2の
受光部を第1の露光時間を分割して作成した第2及び第
3の露光時間とで制御するものであって、第1の受光部
における第1の露光時間の露光と第2の受光部における
第2の露光時間の露光とを同時に開始し、電子シャッタ
ー動作による第2の露光時間での露光の終了後、引き続
き第3の露光時間での露光を行い、メカニカルシャッタ
ー手段のメカニカルシャッター動作により第1及び第3
の露光時間の終端を制御する露光時間制御手段と、第1
の露光時間において第1の受光部により光電変換された
信号電荷を第1の画像信号として読み出し、さらに、第
2の露光時間において第2の受光部により光電変換され
た信号電荷を第2の画像信号として読み出すとともに、
第3の露光時間において第2の受光部により光電変換さ
れた信号電荷を第3の画像信号として読み出す読み出し
手段と、第2及び第3の画像信号を加算して第4の画像
信号を出力する加算手段と、第1の画像信号の白とび部
を検出する検出手段と、検出手段により第1の画像信号
の白とび部が検出された場合、当該白とび部を第4の画
像信号を用いて補間する補間手段とを備えるものであ
る。
【0012】本発明に係る撮像装置においては、複数の
第1のライン上に配列された複数の第1の受光部と、第
1のラインと交互に配置される複数の第2のライン上に
配列された複数の第2の受光部とが設けられ、第1の露
光時間において第1の受光部により光電変換された信号
電荷が第1の画像信号として読み出され、第2の露光時
間において第2の受光部により光電変換された信号電荷
が第2の画像信号として読み出され、第3の露光時間に
おいて第2の受光部により光電変換された信号電荷が第
3の画像信号として読み出される。
【0013】このとき、第2及び第3の露光時間は第1
の露光時間を分割して作成したものであるため、第2及
び第3の露光時間は第1の露光時間より短くなり、第2
及び第3の画像信号を第1の画像信号より飽和しにくく
することができる。
【0014】また、第2および第3の画像信号を加算し
て第4の画像信号が作成されるので、第4の画像信号を
第1の画像信号より飽和しにくくすることができるとと
もに、第4の画像信号のS/N比を向上することができ
る。
【0015】さらに、第2及び第3の露光時間は第1の
露光時間を分割して作成したものであるため、第2及び
第3の露光時間は第1の露光時間と時間的に重なってお
り、第1及び第4の画像信号がほぼ同時に撮影された画
像信号となり、第1の画像信号に対してブレのない第4
の画像信号を得ることができる。
【0016】従って、上記のような第4の画像信号を用
いて、第1の画像信号の白とび部が検出された場合に当
該白とび部を補間しているので、ダイナミックレンジを
拡張することができるとともに、良好な画質を有する静
止画像を得ることができる。
【0017】第2の露光時間は、第3の露光時間より短
いことが好ましい。この場合、第2の露光時間が最も短
くなり、第2の画像信号を第1の画像信号に対して十分
に飽和しにくくすることができ、ダイナミックレンジを
より拡張することができる。また、最も短い第2の露光
時間を正確に制御することができるとともに、第1及び
第3の露光時間を同時に終了させて第1及び第2の受光
部に入射される光を遮断することができるので、十分な
読み出し時間を確保して第1乃至第3の画像信号を順に
読み出すことができる。
【0018】読み出し手段は、第2の画像信号を読み出
した後に、第3の画像信号を読み出し、第3の画像信号
を読み出した後に、第1の画像信号を読み出すことが好
ましい。この場合、露光時間の短い順に第1乃至第3の
画像信号が読み出され、露光終了から読み出しまでの期
間に発生するノイズの影響を少なくすることができる。
【0019】
【0020】
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態によ
る撮像装置の一例としてデジタルカメラについて図面を
参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態
によるデジタルカメラの主要部の構成を示すブロック図
である。
【0022】図1に示すデジタルカメラは、レンズ1、
メカニカルシャッター2、CCD(電荷結合素子)3、
相関二重サンプリング(CDS)及びアナログ/デジタ
ル(A/D)変換部4、タイミングジェネレータ5、メ
モリ6、加算部7、ビット変換部8、白とび補正部9、
白とび検出部10、画像合成部11およびγ補正部12
を備える。
【0023】レンズ1は、カメラ本体(図示省略)内部
に配設され、被写体からの光をメカニカルシャッター2
に導く。メカニカルシャッター2は、ユーザのシャッタ
ー押下動作に応じて所定期間だけ開状態となり、機械的
に露光時間を制御する。したがって、メカニカルシャッ
ター2が開状態の場合に、レンズ1を介して入力される
被写体光がCCD3に入力される。
【0024】CCD3は、インタレース読み出し方式の
インタライン転送型CCDであり、タイミングジェネレ
ータ5から出力される制御信号SC1に応じて所定の動
作を行い、入射される光を光電変換して奇数ライン又は
偶数ラインの画像信号を相関二重サンプリングおよびア
ナログ/デジタル変換部4へ出力する。
【0025】相関二重サンプリング及びアナログ/デジ
タル変換部4は、タイミングジェネレータ5から出力さ
れる制御信号SC2に応じて、入力される奇数ライン又
は偶数ラインの画像信号に対して相関二重サンプリング
処理を行い、雑音を低減したアナログの画像信号をデジ
タルの画像データに変換してメモリ6へ出力する。
【0026】タイミングジェネレータ5は、制御信号S
C1,SC2を所定のタイミングで出力してCCD3並
びに相関二重サンプリング及びアナログ/デジタル変換
部4の動作を制御する。
【0027】メモリ6は、三つの画像データ格納部M1
〜M3を含み、相関二重サンプリングおよびアナログ/
デジタル変換部4から出力される画像データのうち、後
述する偶数ラインの第1の画像データEVEN1を画像
データ格納部M1に記憶させ、後述する偶数ラインの第
2の画像データEVEN2を画像データ格納部M2に記
憶させ、後述する奇数ラインの画像データODD0を画
像データ格納部M3に記憶させる。
【0028】加算部7は、画像データ格納部M1に記憶
されている偶数ラインの第1の画像データEVEN1と
画像データ格納部M2に記憶されている偶数ラインの第
2の画像データEVEN2とを加算し、加算した画像デ
ータを偶数ラインの画像データEVENとして画像合成
部11及び白とび補正部9へ出力する。
【0029】ビット変換部8は、画像データ格納部M3
に記憶されている奇数ラインの画像データODD0を上
位に1ビットだけシフトさせ、ビット数を偶数ラインの
画像データEVENと一致させた奇数ラインの画像デー
タODDを白とび補正部9へ出力する。
【0030】白とび検出部10は、画像データ格納部M
3に記憶されている奇数ラインの画像データODD0の
値が飽和しているか否かを判定することにより、飽和し
ている部分を白とび部として検出し、検出結果を白とび
補正部9へ出力する。
【0031】白とび補正部9は、白とび検出部10が白
とび部を検出した場合、当該白とび部を偶数ラインの画
像データEVENを用いて補間した画像データを奇数ラ
インの画像データODDとして画像合成部11へ出力す
るとともに、白とび検出部10が白とび部を検出してい
ない場合、ビット変換部8から出力される奇数ラインの
画像データODDをそのまま画像合成部11へ出力す
る。
【0032】画像合成部11は、入力される偶数ライン
の画像データEVEN及び奇数ラインの画像データOD
Dから全画面画像データを作成し、γ補正部12へ出力
する。
【0033】γ補正部12は、入力される全画面画像デ
ータをガンマ補正するとともに、補正後の全画面画像デ
ータを所定にビット数に変換して出力する。
【0034】次に、図1に示すCCD3について詳細に
説明する。図2は、図1に示すCCD3の構成を示すブ
ロック図である。
【0035】図2に示すように、CCD3は、複数の受
光部311a〜3mnb、複数の垂直転送部311〜3
1n、水平転送部31及び出力部32を含む。
【0036】受光部311a〜31naは、奇数ライン
の第1ライン上に配置され、受光部部311b〜31n
bは、偶数ラインの第1ライン上に配置され、以降同様
に、奇数ラインと偶数ラインとが交互に配置され、各ラ
イン上に受光部321a〜32na,321b〜32n
b,…,3m1b〜3mnbが順に配置される。
【0037】各受光部311a〜3mnbは、ホトダイ
オードから構成され、露光時間に入射される光を光電変
換し、入射光量に応じて蓄積した信号電荷を垂直転送部
311〜31nへ転送する。
【0038】各垂直転送部311〜31nは、転送され
た信号電荷を水平転送部31へ転送する。水平転送部3
1は、転送された信号電荷を出力部31へ転送する。出
力部31は、転送される信号電荷に応じた画像信号を出
力する。
【0039】上記の構成により、奇数ライン上に配置さ
れた各受光部311a〜31na,321a〜32n
a,…,3m1a〜3mnaに蓄積された信号電荷は、
垂直転送部311〜31nへ並列に転送され、垂直転送
部311〜31nにより1ライン分の信号電荷が水平転
送部31へ順次転送される。次に、転送された1ライン
分の信号電荷が水平転送部31により出力部32へ順次
転送され、奇数フィールドの画像信号が出力部32から
1画素ずつ出力される。
【0040】上記の奇数ラインとは別個に、偶数ライン
上に配置された各受光部311b〜31nb,321b
〜32nb,…,3m1b〜3mnbに蓄積された信号
電荷も、上記と同様にして垂直転送部311〜31n及
び水平転送部31により転送され、偶数フィールドの画
像信号が出力部32から1画素ずつ出力される。
【0041】なお、CCD3としては、上記のような動
作が可能であれば、他のCCD等を用いることができ、
例えば、フレームインタライン転送型CCD等を用いて
もよい。
【0042】本実施の形態では、受光部311a〜31
na,321a〜32na,…,3m1a〜3mnaが
第1の受光部に相当し、各受光部311b〜31nb,
321b〜32nb,…,3m1b〜3mnbが第2の
受光部に相当し、タイミングジェネレータ5が露光時間
制御手段に相当し,垂直転送部311〜31n、水平転
送部31及び出力部32が読み出し手段に相当し、加算
部7が加算手段に相当し、白とび検出部10が検出手段
に相当し、白とび補正部10が補間手段に相当し、メカ
ニカルシャッター2がメカニカルシャッター手段に相当
する。
【0043】次に、上記のように構成されたデジタルカ
メラの動作について説明する。図3は、図1に示すデジ
タルカメラのCCD3及びタイミングジェネレータ5の
動作を説明するためのタイミングチャートである。な
お、図3に示す制御パルスSUB、シフトパルスSG
1,SG2は、タイミングジェネレータ5からCCD3
へ制御信号SC1として出力される信号である。
【0044】まず、ユーザがシャッターボタン(図示省
略)を押下してレリーズ操作を行うと、メカニカルシャ
ッター2が開状態となる。図3では、メカニカルシャッ
ター3の開閉状態をメカニカルシャッター信号MSとし
て図示しており、メカニカルシャッター信号MSのロー
レベルが閉状態を示し、ハイレベルが開状態を示してい
る。
【0045】上記の状態において、タイミングジェネレ
ータ5は、正確に露光時間を制御するため、時刻aにお
いて制御パルスSUBを発生させる。CCD3は、発生
された制御パルスSUBに応答して受光部311a〜3
mnbに蓄積されている電荷を吐き出す。従って、時刻
aが露光時間T1,T2の始端となり、奇数ラインの各
受光部311a〜31na,321a〜32na,…,
3m1a〜3mna及び偶数ラインの各受光部311b
〜31nb,321b〜32nb,…,3m1b〜3m
nbの露光が開始され、奇数ラインの各受光部に蓄積さ
れる信号電荷EC及び偶数ラインの各受光部に蓄積され
る信号電荷OCが時間とともに増加する。
【0046】次に、タイミングジェネレータ5は、露光
時間T2が経過した時刻bにおいてシフトパルスSG1
を発生させる。CCD3は、発生されたシフトパルスS
G1に応答して偶数ラインの各受光部の信号電荷ECを
垂直転送部311〜31nへ転送させるとともに、1ラ
インずつ垂直転送部311〜31nから垂直転送部31
へ転送させ、偶数ラインの第1の画像信号EVEN1を
読み出す。この結果、出力部32から出力される画像信
号RDとして、偶数ラインの第1の画像信号EVEN1
が出力される。
【0047】次に、露光時間T3が経過した時刻cにお
いて、メカニカルシャッター2が閉状態となり、メカニ
カルシャッター信号MSがハイレベル(開状態)からロ
ーレベル(閉状態)に変化すると、奇数及び偶数ライン
の各受光部の露光が終了し、偶数ラインの各受光部の信
号電荷は、露光時間T3において蓄積された信号電荷と
なり、奇数ラインの各受光部の信号電荷は、露光時間T
1において蓄積された信号電荷となる。
【0048】次に、タイミングジェネレータ5は、偶数
ラインの第1の画像信号EVEN1の読み出しが終了し
た後、時刻dにおいてシフトパルスSG1を発生させ
る。CCD3は、発生されたシフトパルスSG1に応答
して偶数ラインの各受光部の信号電荷ECを垂直転送部
311〜31nへ転送させるとともに、1ラインずつ垂
直転送部311〜31nから垂直転送部31へ転送さ
せ、偶数ラインの第2の画像信号EVEN2を読み出
す。この結果、出力部32から出力される画像信号RD
として、偶数ラインの第2の画像信号EVEN2が出力
される。
【0049】次に、タイミングジェネレータ5は、偶数
ラインの第2の画像信号EVEN2の読み出しが終了し
た後、時刻eにおいてシフトパルスSG2を発生させ
る。CCD3は、発生されたシフトパルスSG2に応答
して奇数ラインの各受光部の信号電荷OCを垂直転送部
311〜31nへ転送させるとともに、1ラインずつ垂
直転送部311〜31nから垂直転送部31へ転送さ
せ、奇数ラインの画像信号ODD0を読み出す。この結
果、出力部32から出力される画像信号RDとして、奇
数ラインの画像信号ODD0が出力される。
【0050】ここで、露光時間T2は、露光時間T1の
4分の1の期間に設定されているので、露光時間T2に
より作成された偶数ラインの第1の画像信号EVEN1
を、露光時間T1により作成された奇数ラインの画像信
号ODD0より4倍飽和しにくくすることができる。ま
た、露光時間T3は、露光時間T1のほぼ4分の3の期
間に設定されているので、偶数ラインの第2の画像信号
EVEN2を、偶数ラインの第1の画像信号EVEN1
より高感度(高S/N比)にすることができる。
【0051】また、露光時間T2,T3は、露光時間T
1を分割して作成したものであり、シフトパルスSG1
のパルス幅が十分に短く、このパルス幅を無視すると、
T1=T2+T3となり、奇数ラインの露光時間T1と
偶数ラインの露光時間T2,T3とが時間的に重なって
いることになる。従って、偶数ラインの第1及び第2の
画像信号EVEN1,EVEN2と奇数ラインの画像信
号ODD0とがほぼ同時に撮影された画像信号となり、
偶数ラインの第1及び第2の画像信号EVEN1,EV
EN2を、奇数ラインの画像信号ODD0に対してブレ
のない画像信号にすることができる。
【0052】また、偶数ラインの第1の画像信号EVE
N1が読み出された後に、偶数ラインの第2の画像信号
EVEN2が読み出され、偶数ラインの第2の画像信号
EVEN2が読み出され後に、奇数ラインの画像信号O
DD0が読み出されているので、露光時間の短い順に各
画像信号が読み出され、露光終了から読み出しまでの期
間に発生するノイズの影響を少なくすることができる。
【0053】また、露光時間T2をCCD3に電子シャ
ッター動作により制御しているので、最も短い露光時間
T2を正確に制御することができるとともに、露光時間
T1,T3の終端をメカニカルシャッター2のメカニカ
ルシャッター動作により制御しているので、露光時間T
1,T3を同時に終了させて奇数ライン及び偶数ライン
の受光部に入射される光を遮断することができ、十分な
読み出し時間を確保して偶数ラインの第1及び第2の画
像信号EVEN1,EVEN2並びに奇数ラインの画像
信号ODD0を順に読み出すことができる。
【0054】なお、露光時間T2,T3の分割比は、上
記の例に特に限定されず、種々の分割比を用いることが
でき、露光時間の短い偶数ラインの第1の画像信号EV
EN1のS/N比等を考慮すると、1:1〜1:8である
ことが好ましい。また、露光時間T2より露光時間T3
が短くなるように、露光時間T2,T3の分割比を設定
してもよい。
【0055】上記のようにして読み出された偶数ライン
の第1及び第2の画像信号EVEN1,EVEN2並び
に奇数ラインの画像信号ODD0は、相関二重サンプリ
ング及びアナログ/デジタル変換部4により相関二重サ
ンプリング処理された後に、例えば、10ビットのデジ
タルデータに変換され、偶数ラインの第1及び第2の画
像データEVEN1,EVEN2及び奇数ラインの画像
データODD0として出力される。
【0056】次に、10ビットの偶数ラインの第1の画
像データEVEN1は、メモリ6の画像データ格納部M
1に格納され、10ビットの偶数ラインの第2の画像デ
ータEVEN2は、画像データ格納部M2に格納され、
10ビットの奇数ラインの画像データODD0は、画像
データ格納部M3に格納される。
【0057】次に、図4に示すように、10ビットの偶
数ラインの第1の画像データEVEN1と10ビットの
偶数ラインの第2の画像データEVEN2とは、加算部
7により加算され、11ビットの偶数ラインの画像デー
タEVENが作成される。
【0058】このように、低感度(低S/N比)ではあ
るが飽和しにくい偶数ラインの第1の画像データEVE
N1と低感度を補う偶数ラインの第2の画像データEV
EN2とを加算しているので、偶数ラインの画像データ
EVENを通常の感度の奇数ラインの画像信号ODD0
より飽和しにくくすることができるとともに、偶数ライ
ンの画像データEVENのS/N比を向上することがで
きる。
【0059】一方、10ビットの奇数ラインの画像デー
タODD0は、ビット変換部8により11ビットの奇数
ラインの画像データODDに変換される。たとえば、上
限として1023が入力された場合、2047に変換さ
れて出力される。
【0060】また、10ビットの奇数ラインの画像デー
タODD0は、白とび検出部10により飽和しているか
否かすなわち当該画像データの値が1023に十分近い
か否かが判定される。具体的に、当該画像データの値が
1000以上であれば、その部分が白とび部として検出
される。
【0061】次に、白とび検出部10により白とび部が
検出された場合、白とび部が発生した11ビットの奇数
ラインの画像データODDの代わりに、11ビットの偶
数ラインの画像データEVENを用いて補間した画像デ
ータが、11ビットの奇数ラインの画像データODDと
して白とび補正部9から出力される。一方、白とび部が
検出されていない場合は、11ビットの奇数ラインの画
像データODDがそのまま白とび補正部9から出力され
る。
【0062】例えば、図5に示すように、白とび検出部
10により奇数ラインODDnの画素Aの画像データ
(10ビットの奇数ラインの画像データODD0)に白
とび部が検出された場合、画素Aの上に位置する偶数ラ
インEVENn−1の画素Bの画像データ(11ビット
の偶数ラインの画像データEVEN)と、画素Aの下に
位置する偶数ラインEVENnの画素Cの画像データ
(11ビットの偶数ラインの画像データEVEN)とを
加算して2で割ることにより画素Aの画像データを補間
する。
【0063】次に、白とび補正部9から出力される11
ビットの奇数ラインの画像データODDと加算部7から
出力される11ビットの偶数ラインの画像データEVE
Nとが画像合成部11により合成され、11ビットの全
画面画像データが作成される。
【0064】最後に、11ビットの全画面画像データが
γ補正部12によりガンマ補正されるとともに、8ビッ
トの全画面画像データに変換され、所望のガンマ特性を
有する8ビットの全画面画像データが出力される。
【0065】このように、時間的に重なってほぼ同時に
撮影された、低感度(低S/N比)ではあるが飽和しに
くい偶数ラインの第1の画像データEVEN1及び低感
度を補う偶数ラインの第2の画像データEVEN2と、
通常の感度の奇数ラインの画像信号ODD0とを用い
て、ダイナミックレンジを拡張しかつ良好な画質を有す
る1枚の静止画像を得ることができる。
【0066】すなわち、本実施の形態では、露光時間T
2を露光時間T1の4分の1にし、偶数ラインの第1の
画像データEVEN1を奇数ラインの画像信号ODD0
より4倍飽和しにくくし、また、露光時間T3を露光時
間T1のほぼ4分の3にし、偶数ラインの第2の画像信
号EVEN2を偶数ラインの第1の画像信号EVEN1
より高感度(高S/N比)にしているので、偶数ライン
の第1及び第2の画像データEVEN1,EVEN2を
加算して作成した偶数ラインの画像データEVENを奇
数ラインの画像データODDより飽和しにくくすること
ができるとともに、そのS/N比を向上することができ
る。
【0067】また、露光時間T1と露光時間T2,T3
とが時間的に重なっており、偶数ラインの第1及び第2
の画像信号EVEN1,EVEN2と奇数ラインの画像
信号ODD0とがほぼ同時に撮影された画像信号となる
ので、奇数ラインの画像データODDに対してブレのな
い偶数ラインの画像データEVENを得ることができ
る。
【0068】従って、上記のように飽和しにくく、S/
N比が高くかつブレのない偶数ラインの画像データEV
ENを用いて白とび部を補間しているので、ダイナミッ
クレンジを拡張することができるとともに、良好な画質
を有する静止画像を得ることができる。
【0069】なお、本実施の形態では、奇数ラインの受
光部の露光時間を2つに分割して偶数ラインの2つの露
光時間を作成したが、偶数ラインの受光部の露光時間を
2つに分割して奇数ラインの2つの露光時間を作成し、
奇数ラインの画像信号を用いて偶数ラインの画像信号の
白とび部を補間するようにしてもよい。また、露光時間
を2つに分割したが、この例に特に限定されず、露光時
間を3つ以上に分割するようにしてもよい。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、第1の露光時間を分割
して作成した第2及び第3の露光時間に得られる第2及
び第3の画像信号を加算した第4の画像信号を用いて、
第1の露光時間に得られる第1の画像信号の白とび部が
検出された場合に当該白とび部を補間しているので、ダ
イナミックレンジを拡張することができるとともに、良
好な画質を有する静止画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態によるデジタルカメラ
の主要部の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示すCCDの構成を示すブロック図で
ある。
【図3】 図1に示すCCD及びタイミングジェネレー
タの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】 図1に示す加算部による加算動作を説明する
ための模式図である。
【図5】 図1に示す白とび補正部による補間動作を説
明するための模式図である。
【符号の説明】
1 レンズ 2 メカニカルシャッター 3 CCD 4 相関二重サンプリング及びアナログ/デジタル変換
部 5 タイミングジェネレータ 6 メモリ 7 加算部 8 ビット変換部 9 白とび補正部 10 白とび検出部 11 画像合成部 12 γ補正部 31 水平転送部 32 出力部 311a〜3mnb 受光部 311〜31n 垂直転送部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷井 純一 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大 阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 芹田 保明 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大 阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−280585(JP,A) 特開 平8−223488(JP,A) 特開2002−77737(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/14 - 5/257 H04N 5/335

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の第1のライン上に配列された複数
    の第1の受光部と、 前記第1のラインと交互に配置される複数の第2のライ
    ン上に配列された複数の第2の受光部と、前記第1及び第2の受光部に入射される光を制御するメ
    カニカルシャッター手段と、 前記第1の受光部を 第1の露光時間、前記第2の受光部
    前記第1の露光時間を分割して作成した第2及び第3
    の露光時間とで制御するものであって、前記第1の受光
    部における第1の露光時間の露光と前記第2の受光部に
    おける第2の露光時間の露光とを同時に開始し、電子シ
    ャッター動作による第2の露光時間での露光の終了後、
    引き続き第3の露光時間での露光を行い、前記メカニカ
    ルシャッター手段のメカニカルシャッター動作により前
    記第1及び第3の露光時間の終端を制御する露光時間制
    御手段と、 前記第1の露光時間において前記第1の受光部により光
    電変換された信号電荷を第1の画像信号として読み出
    し、さらに、前記第2の露光時間において前記第2の受
    光部により光電変換された信号電荷を第2の画像信号と
    して読み出すとともに、前記第3の露光時間において前
    記第2の受光部により光電変換された信号電荷を第3の
    画像信号として読み出す読み出し手段と、 前記第2及び第3の画像信号を加算して第4の画像信号
    を出力する加算手段と、 前記第1の画像信号の白とび部を検出する検出手段と、 前記検出手段により前記第1の画像信号の白とび部が検
    出された場合、当該白とび部を前記第4の画像信号を用
    いて補間する補間手段とを備えることを特徴とする撮像
    装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の露光時間は、前記第3の露光
    時間より短いことを特徴とする請求項1記載の撮像装
    置。
  3. 【請求項3】 前記読み出し手段は、前記第2の画像信
    号を読み出した後に、前記第3の画像信号を読み出し、
    前記第3の画像信号を読み出した後に、前記第1の画像
    信号を読み出すことを特徴とする請求項2記載の撮像装
    置。
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