JP3507897B2 - 大気圧グロー放電発生器及び除電器 - Google Patents

大気圧グロー放電発生器及び除電器

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敦 大澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気圧グロー放電
発生器及び除電器であり、特に大気圧中で安定したグロ
ー放電を発生させる装置及びその応用に関する。
【0002】
【従来の技術】グロー放電は、圧力のきわめて低い、例
えば1Torr程度の気体を通しておこる放電であっ
て、高電圧を印加すると、数mA〜数10mA程度の放
電電流が流れ、グローと呼ばれる発光を伴う放電であ
る。従来、このグロー放電を大気圧中で安定した状態で
発生することは困難であるとされていた。
【0003】また、産業分野で帯電が起こると、生産障
害や爆発・火災原因となる。例えば、半導体デバイス等
の製造においてデバイスが帯電することに因る静電気放
電によってデバイスが破壊したり、フィルムや粉体等の
帯電による静電気放電によって火災や爆発が発生してい
る。これを防止するために除電器が用いられている。除
電器は、何らかの方法によりイオンを発生させ、そし
て、帯電した物体の極性と反対の極性のイオンを帯電し
た物体に衝突させて電荷を中和させることによって除電
する。従来、イオンを発生するイオン源としてコロナ放
電や紫外線などが採用されており、コロナ放電を利用し
た除電器が主流である。最近の静電気に敏感なデバイス
の製造においては、更に精密な除電、例えば帯電程度が
±10V以下、が要求されているが、コロナ放電発生に
7kV程度の電源を必要とするため、除電する物体に与
えるダメージが大きいという問題が生じていた。また、
コロナ放電を利用すると、オゾンを発生し、そして、イ
オンバランスの調整が難しく、除電しすぎて反対の極性
に逆帯電することもあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の問題
を解決するものであり、大気圧中で安定したグロー放電
の発生を可能とする大気圧グロー放電器及びこれを応用
した、オゾンを発生せず、そして、イオンバランスがよ
い除電器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、大気圧中で安
定したグロー放電を発生する装置であって、突起部を有
する突起電極と、該突起部と対向して設けた小孔部を有
するホロー電極と、突起電極に印加する交流を供給する
電源とを備え、前記ホロー電極の小孔部の大きさは0.
1〜0.5mmであり、そして、突起電極とホロー電極
の最近接距離は0.2mm以下である大気圧グロー放電
発生器である。
【0006】
【0007】そして、本発明は、大気圧中で安定したグ
ロー放電を発生させて帯電物体の電荷を中和させる除電
器であって、突起部を有する突起電極と、該突起部と対
向して設けた小孔部を有するホロー電極と、突起電極に
印加する交流を供給する電源とを備え、前記ホロー電極
の小孔部の大きさは0.1〜0.5mmであり、そし
て、突起電極とホロー電極の最近接距離は0.2mm以
下である除電器である。
【0008】更に、本発明は、上記ホロー電極の突起電
極とは反対側に、制御電圧が印加されるグリッド電極を
備えることも可能な除電器である。
【0009】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を説明する。本
発明の大気圧グロー放電発生器及び除電器の実施例につ
いて、図1〜図7を用いて説明する。図1は、実施例1
の大気圧グロー放電発生器の電極構造の断面説明図であ
る。図2は、実施例1の大気圧グロー放電発生器の放電
回路の説明図である。図3は、実施例1の大気圧グロー
放電発生器の放電電流及び電圧波形の説明図である。図
4は、実施例2における除電性能測定の説明図である。
図5は、実施例2の除電器の除電性能の説明図である。
図6は、実施例2におけるフローティング物体の試験の
説明図である。図7は、実施例3の除電器の説明図であ
る。
【0010】実施例1を説明する。本実施例は、大気圧
グロー放電発生器の例であり、図1及び図2に示すよう
に、突起電極1、ホロー電極2、電源41、放電安定抵
抗51を備えている。突起電極1は、断面がほぼ三角形
の突起部11を有する。ホロー電極2は、突起部11と
対面した小孔部(ホロー)21を有する。小孔部21の
大きさdは、0.5mm以下、好ましくは0.1〜0.
5mm、より好ましくは0.3mmである。ホロー電極
2の板厚は、約0.1mmである。突起電極1とホロー
電極2の最近接距離は、0.2mm以下が好ましく、よ
り好ましくは0.1mm以下である。電源41は、突起
電極1に印加する電圧を供給する。印加する電圧は50
0V程度の交流であり、コロナ放電利用と比較して低電
圧電源となっている。交流であるため、放電休止による
電極加熱が防止され、アーク放電に遷移することを防ぐ
ことができる。電源41及び放電安定抵抗51により、
突起電極1とホロー電極2との電圧を調整することがで
きる。なお、抵抗52は、電流Iの測定用である。
【0011】実施例1の大気圧グロー放電発生器の電圧
及び電流特性について、図3を用いて説明する。図3に
示すように、大気圧グロー放電発生器の電源41の電圧
特性が曲線73であるとき、突起電極1とホロー電極2
間の放電電圧は曲線71に、放電電流は曲線72にそれ
ぞれ示すようになり、大気圧中で安定したグロー放電が
発生していることが判る。得られるグローは、フィラメ
ント状である。
【0012】なお、突起電極1とホロー電極2の代りに
平行平板を使用して電圧を印加すると、放電が生じる
が、大気圧(高気圧)中であるため、形状がフィラメン
ト状となり、このフィラメントが横方向に移動し不安定
性が生じた。また、両電極ともホロー電極2として、絶
縁物を挟んで固定して電圧を印加すると、絶縁物による
放電の不安定性が生じた。これは、絶縁物の帯電が影響
していると思われる。
【0013】実施例1では、放電駆動方式として交流の
電源41を使用したが、直流を使用すると、電極加熱に
よりグロー放電からアーク放電に遷移した。
【0014】実施例2を説明する。本実施例は、実施例
1(図1及び図2参照)の大気圧グロー放電発生器を除
電器として使用する例であって、実施例1と同様の構成
であり、突起電極1、ホロー電極2、電源41、放電安
定抵抗51を備えている。直流では逆帯電が生じるが、
交流であると逆帯電は生じない。
【0015】実施例2の除電器の除電特性を説明する。
図4に示すように、電圧計91とスイッチ92を有する
イオンモニタ9とオシロスコープ93及びパソコン94
を使用し、突起電極1及びホロー電極2を有する除電器
のターゲット8に対する除電性能を測定した。測定結果
をオシロスコープ93とパソコン94により得ることが
できる。得られた結果を図5に示す。図5(a)はター
ゲット8の正帯電時、図5(b)はターゲット8の負帯
電時の特性である。ターゲット8が正負いずれに帯電し
ていても、確実に除電することができる。また、絶縁さ
れたターゲット8であるフローティング物体に対する除
電器による帯電試験を行った。その結果を図7に示す。
フローティング物体であっても、除電器によって大きく
帯電することなく、電位がほぼ一定の状態とすることが
でき、本実施例の除電器の優秀さが認められた。
【0016】実施例2の除電器の特徴を列挙すると、以
下の通りである。 1)低電圧電源化が可能であり、500V程度以上の電
源で使用可能となる。なお、コロナ放電利用は7kV程
度が必要である。 2)放電電圧が低いため、除電をする物体へのダメージ
を少なくすることができる。 3)除電に要する時間は2秒以内である。なお、これは
帯電物体の容量が10pFのときであり、コロナ放電利
用と同程度の除電時間である。 4)コロナ放電利用と比べ、イオンバランスが格段に優
れている。帯電程度が±10V以下の要求に対しても使
用可能である。イオンバランスが悪い除電器を用いる
と、帯電していない物体も大きく帯電したり、除電しす
ぎて反対の極性に逆帯電することがある。 5)オゾンフリーであり、グロー放電は、ガス温度が比
較的に高く、生成したオゾンが破壊されるため、コロナ
放電のようにオゾンを発生することはない。
【0017】実施例3を説明する。本実施例の除電器
は、図7に示すように、突起電極1、ホロー電極2、グ
リッド電極3、電源41、グリッド電位印加部42、放
電安定抵抗51を備えている。実施例1及び2と比較す
ると、グリッド電極3及びグリッド電位印加部42を備
える点で相違する。グリッド電極3は、ホロー電極2の
突起電極1に対する面に設けられており、グリッド電位
印加部42から制御電圧が印加される。ホロー電極2と
グリッド電極3との距離は、約2mmである。印加され
る電圧は、数V程度の直流である。グリッド電極3を設
け、そして、制御電圧を調整することにより、数V程度
でイオンバランスを高分解能に制御可能となる。
【0018】実施例3の除電器は、実施例2における
1)〜6)の特徴に加え、以下の特徴を有する。 6)グリッド電極3を付加することにより、さらなる精
密な除電を可能とすることができ、精密なイオンバラン
ス制御が低電圧で実現できる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、大気圧中で安定したグ
ロー放電の発生を可能とする大気圧グロー放電発生器及
びこれを応用した、オゾンを発生せず、そして、イオン
バランスがよい除電器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の大気圧グロー放電発生器の電極構造
の断面説明図。
【図2】実施例1の大気圧グロー放電発生器の放電回路
の説明図。
【図3】実施例1の大気圧グロー放電発生器の放電電流
及び電圧波形の説明図。
【図4】実施例2における除電性能測定の説明図。
【図5】実施例2の除電器の除電性能の説明図。
【図6】実施例2におけるフローティング物体の試験の
説明図。
【図7】実施例3の除電器の説明図。
【符号の説明】
1 突起電極 11 突起部 2 ホロー電極 21 小孔部 3 グリッド電極 41 電源 42 グリッド電圧制御部 51 放電安定抵抗 52 電流測定用抵抗 6 発生イオン 71〜73 電圧電流特性 8 ターゲット 9 イオンモニタ 91 電圧計 92 スイッチ 93 オシロスコープ 94 パソコン

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気圧中で安定したグロー放電を発生す
    る装置であって、 突起部を有する突起電極と、該突起部と対向して設けた
    小孔部を有するホロー電極と、突起電極に印加する交流
    を供給する電源とを備え、前記ホロー電極の小孔部の大
    きさは0.1〜0.5mmであり、そして、突起電極と
    ホロー電極の最近接距離は0.2mm以下であることを
    特徴とする大気圧グロー放電発生器。
  2. 【請求項2】 大気圧中で安定したグロー放電を発生さ
    せて帯電物体の電荷を中和させる除電器であって、 突起部を有する突起電極と、該突起部と対向して設けた
    小孔部を有するホロー電極と、突起電極に印加する交流
    を供給する電源とを備え、前記ホロー電極の小孔部の大
    きさは0.1〜0.5mmであり、そして、突起電極と
    ホロー電極の最近接距離は0.2mm以下であることを
    特徴とする除電器
  3. 【請求項3】 請求項2記載の除電器において、上記ホロー電極の突起電極とは反対側に、制御電圧が印
    加されるグリッド電極 を備えることを特徴とする除電
    器。
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