JP3507107B2 - 高密度人造石の製造方法 - Google Patents

高密度人造石の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、筒状高密度人造石の
製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この発
明は、大理石調の優れた肌合いを有する高密度人造石の
製造方法に関するものであって、壁材、床材、その他の
建材、土木用材、石柱等として有用な人造石を提供する
ものである。 【0002】 【従来の技術とその課題】従来より、天然石を適宜の大
きさに粉砕し、これに炭酸カルシウムと樹脂を混合した
後に硬化させて人造石とすることはすでに知られてい
る。すなわち、たとえば、特開昭61−101443号
公報には、得られた人造石が切削加工に耐えるような塊
状のものを得る方法が示されており、原料石粉や樹脂等
を減圧下で混合し、これを型枠の中に流し込み、取り出
して切削加工に供することについて述べられている。 【0003】さらに、特公昭53−24447号公報に
は、天然石の粉粒と合成樹脂を用いて人造石を製造する
場合に、所定の混合比で原料を使用することと、原料を
型枠の中に入れた後に十分な加圧を施すことの必要性に
ついて述べられている。また、これら公知例においても
指摘されているように、このような方法によって得られ
る人造石において問題となるのは、型枠を用いての成形
であることから、成形体の内部に気泡が残ってしまうこ
とと、型枠の中に樹脂と石粒を流し込むための流動性が
確保されなければならないことである。 【0004】そこで、たとえば特公昭53−24447
号公報では、樹脂分の量を多くすることで流動化がはか
られ、流動化が確保されることにより、気泡発生が防止
できるとしている。しかしながら、一方で、気泡の発生
を防止することや、型枠への送り込みのための流動性確
保のために、樹脂成分を多くすることは、流動性確保や
気泡発生防止には役立っても出来上がる人造石の性質の
ためには悪影響を及ぼしている。 【0005】すなわち、樹脂成分の多量使用は製品の樹
脂化につながり、得られる製品は樹脂の中に天然石の粉
粒体が存在するというに過ぎず、物性的には原料石より
も原料樹脂に近くなってしまっている。したがって、人
造石といいながら、得られているのは石の様に見える樹
脂製品に留まっている。また、型枠の使用にあたり、型
枠を密閉した状態で加圧することは、発生した泡が押し
つぶされるだけで、本質的に逃げられず、製品の表面や
内部に一部が残って表面の美観を失わせ、物理的性質を
劣化させている。 【0006】そこで、このような従来の人造石の欠点を
解消し、素材として天然石等の粉粒体を使用した場合、
得られた製品が高密度で物性的に天然石に近い性質を有
し、外見は勿論のこと名実ともに石の状態、性質を備え
た人造石を得ること、さらに物性的な性質の確保により
人造石が板状あるいは棒状等の任意の形状であることを
可能とする新しい人造石の組成とその製造方法が精力的
に検討されてきている。 【0007】だが、これまでのところ、必ずしも実用的
な人造石は実現されていないのが実情である。この理由
としては、素材組成とともに、これに密接に関連する点
として、製品の表面性状の加工方法にも大きな問題があ
った。それと言うのも、天然石の場合にも、優れた質感
を与えるために、表面に所要の凹凸を形成しているが、
樹脂を使用する人造石においては、この凹凸成形が質感
を損う原因となっていたからでもある。 【0008】より具体的に説明すると、従来、天然石の
表面に凹凸を持たせる方法としては、鉱物の熱膨張の違
いによる界面剥離を引き起させるジェットバーナー法
や、鉄球やノミ等の衝撃により物理的に表面を破壊させ
るタタキ仕上げ等が主として用いられており、セメント
系人造石(テラゾー)においてはタタキ仕上げ法が主に
用いられていた。 【0009】しかしながら、樹脂系(アクリル、不飽和
ポリエステル等)人造石においては、ジェットバーナー
法は使えず、タタキ仕上げ法を用いた場合、骨材に有色
のものを使用しても、樹脂に顔料等を混合して着色して
も、割面が白化してしまい、着色自体が無意味となって
しまうという大きな欠点があった。このため、凹凸面を
有する樹脂系人造石であって良好な肌合いと質感を有
し、大理石調の優れた品質を体現した人造石は、見当た
らないのが実情である。 【0010】また、凹凸模様を予めつけた型枠に樹脂・
骨材および充填材を混合したものをキャスティングまた
はプレスし、硬化させた製品があるが、これは、表面が
すべて樹脂皮膜で覆われており、磨耗性や意匠性等、樹
脂製品と同等になってしまっている。この発明は、以上
の通りの事情に鑑みてなされたものであって、天然石の
質感を与え、しかもより安価な粋石や回収細粒粉、その
他の無機質原料を用い、表面凹凸を有し、かつ、各種の
用途に容易に利用することのできる、高品質な新しい人
造石の製造方法を提供することを目的としている。 【0011】 【課題を解決するための手段】この発明は、以上の課題
を解決するためになされたものであって、10〜70メ
ッシュの大きさの無機質細粒成分と100メッシュアン
ダーの無機質微粒成分との重量比が0.5:1〜5:1
で、その和が製品の85重量%以上であって、かつ、樹
脂成分が15重量%以下の混合組成を有する高密度人造
石の製造において、前記の混合組成物を、成形型に投入
して成形し、表面部に高圧水を噴射させて地肌面加工し
て細粒成分を表面に露出させることを特徴とする高密度
人造石の製造方法を提供する。 【0012】そこで、この発明について以下にさらに詳
しく説明する。まずこの発明の人造石を構成する原料は
3成分に大別される。一つは主成分としての10〜70
メッシュの大きさの細粒成分であって、これは、天然
石、陶磁器、ガラス、金属等から選択される適宜な細粒
成分が用いられる。これらの中に一部これらの小片が混
在しても差し支えない。 【0013】また、この細粒成分とともに100メッシ
ュ以上の微粒成分も用いられるが、この微粒成分として
は、天然又は人造の各種の微粒成分が挙げられる。炭酸
カルシウム、酸化アルミニウム等は得やすい微粒成分で
ある。第3番目の成分として樹脂成分がある。樹脂成分
は熱硬化性のものの中から広い範囲で選ぶことができ
る。 【0014】たとえば、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂等が例示される。天然石等
の細粒成分は、得られる人造石の外観ならびに物理的性
質に主要な要因として機能する。特に一部を露出するこ
とで他の成分と相まって外観上の色や模様の主要因とな
る。 【0015】微粒成分は細粒成分に比べて100メッシ
ュレベルよりも相当細かいものであり、細粒成分の一つ
一つの粒の間に侵入し粒の間の空間を埋めるように位置
し、得られる人造石の固さやしなやかさといった性質を
得ることに寄与する。細粒成分とこの微粒成分とは、そ
の重量比において0.5:1〜5:1とするのが好まし
い。 【0016】また、樹脂成分は、前述の骨格を形成する
成分である天然石等の細粒成分や、微粒成分に対して、
これらを包み込み、全体を結合することに寄与し、人造
石が完成したとき製品に弾性あるいは引張強度を与える
機能がある。この発明においてはこれら成分の構成比率
が重要である。特に重要なことは樹脂成分と他の成分と
の構成比率である。高密度とは、製品の中に含まれてい
る細粒成分と微粒成分とが高密度に存在するという意味
であり、その程度はたとえば密度2g/cm3 以上とい
う、従来の人造石に含有している範囲を越えている。 【0017】すなわち、骨格成分である天然石等の細粒
成分の製品中の構成比率は多いほど天然石に近いものと
なるが、あまり多いと固まったものとならず、製品とし
て使用することはできない。また得られる製品の物理的
性質が貧弱なものとなり、通常の用法による使用に耐え
ない。また、微粒成分を多く用いても固まらない等の不
都合を生ずるほかに、得られるものが艶のないものとな
り、石とは言いにくいものになる。 【0018】従って、細粒成分や、微粒成分の使用量割
合は限定される。すなわち、重量比で85%以上なけれ
ばならず、好ましくは90%以上である。なお98%を
超すと製品が脆くなり、使用しにくいものしか得られな
い。また、85%未満では製品が柔らかすぎて石的な性
質が得られず、使用範囲が樹脂板と同様な範囲となって
しまう。 【0019】このことは、天然石等の細粒成分ならびに
微粒成分以外のもの、すなわち、樹脂成分は製品におい
て多くても重量比15%を越えて存在してはならないこ
とになる。樹脂成分が15%程度を越えると製品がプラ
スチック的になり、もはや人造石とは名のみの見かけだ
けのものとなる。また、樹脂成分を少なくすることは製
品の石的傾向を増加させる面もあるが製品が脆いものと
なり、使用に適しなくなる。現実的には従来樹脂等の成
分を10%以下にすることは困難であったのである。 【0020】細粒成分は、前記の通り10〜70メッシ
ュの大きさとするが、特殊な場合を除き、同一大きさの
もののみを用いることが好ましい。たとえば、色のある
ものとないものとを使用して、色を上あるいは下に濃く
付けたい場合等において、色の有無により細粒の大きさ
を変えて使用することが考えられるが、極端に差のある
ものの大量使用は、製品の強度を劣化させるので使用す
べきではない。 【0021】微粒成分の粒子の大きさは、前記の通り細
粒成分の粒子の間に十分に入り込めるものでなければな
らない。従って細粒成分の粒子の大きさに近いものは好
ましくなく150〜至250メッシュ程度のものが好ま
しい。さらに、この発明の高密度人造石において重要な
ことは、特例を除いて、これらの材料組成物が製品のど
の部分においても均一に分散していることが望ましいこ
とである。 【0022】そして、製品の外部を構成する面は研磨し
ていてもよい。この場合も、表面の少くとも一部は細粒
成分が露出しているようにするのが好ましい。研磨は高
密度人造石の持っている緻密な組織状態を表面露出させ
るために行なう実用的に便利な方法である。なお、製品
の面の一部を研磨して細粒成分を露出し、同じ面の他の
部分との間の相違を模様として使用することもできる。 【0023】また、人造石を得る場合において、目標と
する天然石を如何なるものとするかは、重要な問題であ
る。大理石は天然のものが得にくいことと、色艶が美麗
なためによく目標とされる。この場合、その色艶は、大
理石の価値を決める重要なテーマである。天然の大理石
においては、まったく黒いものから白いもの、あるいは
赤いものまで色そのものの種類も多く、かつ同じ色であ
ってもその程度が異なる。 【0024】そこでこれらに対応して色を与える場合、
例えば黒いものを得るには天然石等の粉粒体の黒いもの
のみを使用すればよいが、中間の色調の物を得るには、
再現性に困難を伴うものである。さらに色を与えても大
理石の持つ独特の艶を与えることは、相当の努力が必要
であり、ときには、困難であった。特に染料や顔料を使
用して色を与えた場合は艶を与えることは困難であっ
た。 【0025】一方、この発明においては、大理石調等の
艶のあるものを得ようとする際、細粒成分として石英系
天然石を粉砕して得た細粒を使用する。石英系天然石を
粉砕して得た細粒は、原料が石英系であるから表面が独
特の平滑部を持っている。また多くの場合無色で透明で
ある。色を持っている場合もあまり強くないし、透明で
ない場合もいくぶんの透明性を残しているものが多い。 【0026】このように選択された原料を使用すれば得
られた製品の色は樹脂の持っている色が主体となる。し
かも色が石英系細粒成分の存在により、艶を持つように
見ることができる。たとえば樹脂にポリエステル系不飽
和樹脂を用いた場合は、樹脂の持つ色は一般に多少黄色
味を含む白であるから、得られる製品は艶のある乳白色
のものとなり、天然の乳白色の大理石によく似た色調の
製品を得ることができる。 【0027】樹脂成分に顔料等を加えて製品に色を加え
る場合も細粒成分を石英系のものとしておけば均一な色
を持ち、かつ、独特の色調を持つ製品が得られる。製品
に色を与える場合、石英系の天然石を粉砕して得た細粒
成分を色については何ら加工することなくそのまま使用
し、これに加えて色成分として細粒成分とほぼ同じ大き
さの粒状の有色のものとを混合して使用し、製品に色を
与えることができる。 【0028】このとき色について加工していない石英系
の細粒成分と有色のものとの混合割合を一定にすれば一
定の色調の物が得られる。この場合得られるものは、従
来樹脂側に着色したり、顔料等を使用したりするのに比
べて色の再現性が遙かに容易であり、変色がなく、艶も
正確に再現されるので従来の着色方法に比べて優れたも
のが得られる。 【0029】有色の細粒成分を複数色種類使用すること
で特別な色を与える場合も、色について加工していない
石英系の細い粒成分を加えることによる色の調整は極め
て優れた効果を挙げるものである。有色の細粒成分を天
然に求めることは良い方法であるが、量が限られたり、
色が限られたりする。 【0030】そこで、陶磁器等に着色する釉薬を天然の
粉粒体に塗布し、これを焼き付けて希望する色の粉粒体
とし、細粒成分として使用することが有効である。この
方法を用いれば有色体の色を確かなものとすることがで
きるのみならず、幅広く選ぶことができる。粒粉体とし
て石英系の天然石を粉砕したもので細粒成分として使用
するものと同じものを使用し、これに釉薬を塗布し焼き
付けたものを使用すれば、黒あるいは赤といった色の場
合、色の再現性についてはまったく心配がなく、再現さ
れる色は、単に色そのもののみでなく艶や色調といった
ものまで完全に再現されるので、従来の着色方式では到
底得られないものとなる。 【0031】また、色調とのかね合いにおいて、成形品
の組織補強のために短繊維成分を配合してもよい。たと
えば、ガラス繊維、セラミックス繊維、金属繊維、樹脂
繊維等を用いることができる。なかでも、ガラス繊維が
好ましいものとして例示される。これらの短繊維は、一
般的には、10〜100μm径、1〜10mm長程度の
ものが、細粒成分の1〜10重量%程度の割合で用いら
れる。 【0032】優れた色調特性をも有するこの発明の高密
度人造石は、その形状において板状、棒状、筒状等の任
意とすることができる。このための成形方法も多様に選
択されるのであって、たとえば注型成形、圧縮成形等が
適宜に考慮される。いずれの場合にも、この発明の製造
方法として重要なことは、まず使用する成形型が密閉型
でないことである。すなわち、開放されている部分は全
体の表面積に対して明らかに一部である必要がある。 【0033】たとえば、角筒状物を得る場合、型の内部
の板の縁を形成する部分が開放されている型を、開放側
を他の側より上にして使用するのが好ましい。開放はと
きに上方のほかに、狭い側面の部分を半開放、すなわ
ち、例えば細粒成分が流れ出しにくいように網目状にし
ておくことも差し支えない。開放する部分の大きさは、
型の内部容積の外部全体面積の数%以下でよい。 【0034】また、このような型枠に対し、樹脂成分と
細粒成分と微粒成分とを均一に混合した流動状態のもの
を注入したとき、注入後、型の内部容積を縮小すること
が必要である。たとえば、型の内部が平板状であると
き、その厚みが減るように型の平らな板部分接近させ
る。この内部容積の縮小により、内部から樹脂成分が外
に出て来て型の開放部分に集まり、さらに型の開放部分
から溢れる。あるいは、注入が終わった後、底の部分を
押し上げて内部の容積を減少させることで、上側にある
樹脂成分が外へ流れ出す。 【0035】すなわち、細粒成分や微粒成分は樹脂成分
に対し明らかに比重が大きいので、型枠の中に注入され
ると下に沈み始める。この沈下は比重の差が大きいので
速やかに行なわれる。そこで内部容積の縮小が行なわれ
ると、殆ど軽い樹脂成分だけが外側に押されて移動し、
開放部分へ集まる。そこで内部容積を予め所定のものと
し、次いで所定の容積縮小を行なえば制御された量の樹
脂成分を取り出すことができる。したがって固化に参画
する樹脂成分は、注入されたときの樹脂成分量よりも少
ないものとなり、製品の中に含まれる樹脂量比を注入時
の量比よりも減少させることができる。 【0036】そして、この発明においては、成形後の成
形体表面に加工を施し、細粒成分が表面部に露出するよ
うにする。このための方法としては、樹脂成分の選択的
除去法が採用される。すなわち、この発明の製造方法に
おいては、成形型から脱型した後に、成形品の表面に高
圧水を噴出させて地肌面加工を施す。 【0037】この加工は、厚みや、ノズルとの距離、加
工形態等の種々の条件によって異なるので限定的ではな
いが、通常は、2〜20cmの厚みの場合、2〜10c
m程度のノズルの高さからは、50〜800kg/cm
2 程度の水圧とすることができる。この圧力は、自然石
を対象とする場合に比べて、より低い水圧条件となる。 【0038】このことは、この発明においては、樹脂分
の存在によって、より容易に、高品位での加工が可能と
なるためである。高圧水の噴出のためのノズルやそのシ
ステムについては特に制限はない。各種のものが採用さ
れる。この地肌面加工によって、ウォータージェットに
よる平坦化、あるいは粗面化が実現され、深みのある質
感を持った人造石が製造される。 【0039】樹脂成分の存在によって、表面が白濁する
こともなく、また、薬品を用いるエッチング方法に比べ
て、廃液の処理も容易となる。もちろん、必要に応じ
て、表面部を有機溶剤によって処理し、樹脂成分を軟化
もしくは溶融させて部分除去することもできる。この場
合の有機溶媒としては、使用する樹脂成分に対応して選
択すればよく、たとえば、塩化エチレン、塩化メチレ
ン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、無水酢酸、
酢酸エチル、酢酸ブチル等のカルボン酸やそのエステル
化合物、あるいはアセトン、テトラヒドロフラン、DM
F、DMSO等が例示される。 【0040】成形体はこれらの有機溶媒に浸漬するか、
あるいはこれら有機溶媒をスプレーもしくは流下させ、
軟化もしくは溶融した樹脂成分を表面部から取除くこと
で表面凹凸を形成することができる。あるいはまた、ワ
イヤーブラシ、切削手段等によって硬度の低い樹脂成分
を表面部よりかき取るようにして凹凸を形成してもよ
い。 【0041】こうすることによっても、優れた肌合い、
質感を有する人造石が製造される。以下、実施例を説明
する。もちろん、この発明は以下の実施例によって限定
されるものではない。 【0042】 【実施例】実施例1 粒径10〜25メッシュの石英系天然石と、230メッ
シュの炭酸カルシウムとを、その重量比2:1におい
て、組成物全重量の90重量%となるように、9重量%
のポリメチルメタクリル樹脂および1重量%の硬化剤と
ともに均一混合してモルタル状とした。 【0043】この組成物を、型枠内に投入し、厚み約1
5mmの板状体に成形した。次いで、得られた成形品の
表面に、高さ4cmの位置のノズルより200kg/c
2 、および80kg/cm2 の圧力の水圧で水を噴出
させ、ノズルをX−Y方向に移動させて平面地肌加工を
施した。290kg/cm2 の水圧ではよりきめの細か
い地肌の深みのある大理石調の人造石が得られた。ま
た、80kg/cm2 の水圧では、柔らかい感じの表面
凹凸のある表面が得られた。樹脂成分を部分除去し、細
粒成分を露出させた。 【0044】いずれの場合も、得られた人造石は、完全
な大理石調の乳白色と艶をもち、内部や表面に気泡が存
在せず、組成は均一であった。また、いずれの人造石も
比重2.30、引張強度122kg/cm2 、圧縮強度
605kg/cm2 、曲げ強度640kg/cm2 であ
り、天然大理石に近い状態を示した。表面には石英系の
細粒が露出していた。 【0045】得られた製品を建物の壁板として使用した
ところ、深みのある美麗な大理石の壁を得ることができ
た。実施例2 実施例1において、細粒成分と微粒成分の和を93%と
し、また樹脂分は、水圧120kg/cm2 の圧力によ
るウォータージェットにより表面部において部分除去し
た。 【0046】実施例1と同様にして、高品質な人造石が
得られた。引張強度130kg/cm2 、圧縮強度60
5kg/cm2 、曲げ強度660kg/cm2 の特性を
有し、大理石調の深みのある優れた表面を有していた。 【0047】 【発明の効果】この発明は、従来得られなかった高密度
の天然石等の粉粒体を含む高密度人造石を提供する。得
られた製品は、外観性質ともに天然石に近く、しかも、
天然品には得にくい均一な製品となる。しかもこのよう
に優れた製品の製造が特別に高価な設備を使用すること
なく可能となる。 【0048】特にこの発明の高密度人造石は、大理石調
のものを得るのに好適であり、天然石と同様に使用する
ことができるものである。製品は天然の石から磨き出し
たと同様の色調特に艶を持ち、深みのある高級品として
天然品よりも幅広く壁材、床材、柱等として使用するこ
とができるものである。 【0049】従来単に見かけだけのものであった人工大
理石が、天然のものに実質的に劣らず、さらに使いやす
く、人造の長所を備えたものを提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−285911(JP,A) 特開 平5−294696(JP,A) 特開 平6−157102(JP,A) 特開 平6−157120(JP,A) 特開 平7−137019(JP,A) 特開 平5−24895(JP,A) 特開 昭61−230900(JP,A) 実開 平5−7363(JP,U) 特公 昭47−35050(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 26/02 B29C 41/04 C04B 26/06 B29D 31/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 10〜70メッシュの大きさの無機質細
    粒成分と100メッシュアンダーの無機質微粒成分との
    重量比が0.5:1〜5:1で、その和が製品の85重
    量%以上であって、かつ、樹脂成分が15重量%以下の
    混合組成を有する高密度人造石の製造において、前記混
    合組成物を成形型に投入して成形し、表面部に高圧水を
    噴出させて地肌面加工することを特徴とする高密度人造
    石の製造方法。
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