JP3506243B2 - プロービングシステム及び容量測定方法 - Google Patents

プロービングシステム及び容量測定方法

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JP3506243B2 JP2001233814A JP2001233814A JP3506243B2 JP 3506243 B2 JP3506243 B2 JP 3506243B2 JP 2001233814 A JP2001233814 A JP 2001233814A JP 2001233814 A JP2001233814 A JP 2001233814A JP 3506243 B2 JP3506243 B2 JP 3506243B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被測定試料の電気
特性を測定するプロービングシステムに関し、特に、数
fFオーダーの微小な容量値を高精度で測定するのに適
したプロービングシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】図13は、半導体基板上に形成される容
量等の電気特性を測定するための従来のプロービングシ
ステムの構成図である。このプロービングシステムは、
大きく分けて、プローバ1と容量計2とから構成され
る。プローバ1は、アース(接地)に接続されたシール
ドボックス11と、そのシールドボックス11内に置か
れたステージ13、そのステージ13の周囲を囲む置き
台15及びその置き台15に置かれたマニピュレータ1
4とから構成される。
【0003】ステージ13には、測定対象の容量を形成
している被測定試料12が載置され、マニピュレータ1
4には、信号ケーブル3とアースケーブル4とが固定さ
れている。信号ケーブル3及びアースケーブル4は、外
部導体でシールドされた同軸ケーブルであり、その内部
導体は先端部が露出し、それぞれ、検出探針及アース探
針として被測定試料12の測定箇所(容量を構成してい
る電極等)に接触している。信号ケーブル3の他端は、
容量計2に接続され、一方、アースケーブル4の他端
は、アースに接続される。なお、ステージ13の導電性
部分、置き台15の導電性部分、マニピュレータ14の
導電性部分及びケーブル3、4の外部導体は、シールド
ボックス11と接続又は接触することによってアースに
接続され、外乱ノイズを遮蔽している。
【0004】このような接続と構成によって、容量計2
に接続された信号ケーブル3の内部導体と外部導体間の
容量を測定することで、被測定試料12の容量を測定す
ることが可能になる。ところが、このままでは、信号ケ
ーブル3の内部導体と信号ケーブル3の外部導体、シー
ルドボックス11、ステージ13、マニピュレータ14
及び置き台15との間、信号ケーブル3の内部導体が接
触している被測定試料12の電極とステージ13との間
等で形成される浮遊容量が誤差となって加算されてしま
う。
【0005】そこで、従来のプロービングシステムは、
例えば、信号ケーブル3やアースケーブル4の内部導体
を被測定試料12に接触させない状態で容量を測定して
おき、その容量値を実測値から差し引くことで、真の容
量値を測定しようとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
浮遊容量は、信号ケーブル3の折れ曲がり具合、信号ケ
ーブル3内の絶縁体の誘電率の温度変化、信号ケーブル
3とマニピュレータ14等との位置関係、シールドボッ
クス11内の大気の誘電率の温度による変動、計測者の
動きなどの諸要因によって大きく(例えば、数百fF
(フェムトファラッド;10-15F)のオーダーで)変
化するために、従来のプロービングシステムにおいては
数十pF程度の容量を測定するのが限界であり、数十f
F以下の微小容量を測定することは困難である。そこ
で、本発明は、上記の課題を解決するためになされたも
のであり、浮遊容量の影響を除去して精度の高い測定を
行うことができるプロービングシステムを提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るプロービングシステムは、プローバと
第1測定回路とを備えるプロービングシステムであっ
て、前記プローバは、被測定試料を覆うボックスと、一
端が検出探針として被測定試料に接触する信号線と、前
記信号線を覆う第1シールド部材とを有し、前記第1測
定回路は、前記信号線の他端が入力端子に接続されると
ともに、前記第1シールド部材が出力端子に接続される
ボルテージフォロワと、前記信号線に一端が接続された
インピーダンス手段と、前記インピーダンス手段の他端
が出力端子に接続されるとともに、前記インピーダンス
手段及び前記ボルテージフォロワ手段が負帰還路に含ま
れるように接続された第1演算増幅器とを有することを
特徴とする。
【0008】これによって、信号線を覆う第1シールド
部材は、ボルテージフォロワの出力電位、つまり、信号
線と同電位で、かつ、低出力インピーダンスの出力電位
に駆動され、ガーディングされる。
【0009】ここで、前記ボックスは、前記第1シール
ド部材と電気的に接続されるか又は接地される状態にし
ておいてもよい。接地の場合には、対ボックス容量も検
出してしまう。それをなくす為に後段でキャンセル手段
を用いても良いが、エラー発生要因が増える為に、好ま
しくは、前記第1シールド部材と電気的に接続されるよ
うにする。同様に、前記プローブ内に、被測定試料を保
持する載置台、信号線や探針を固定するマニピュレータ
等を設け、それら載置台やマニピュレータの導電性部分
についても、前記第1シールド部材と電気的に接続され
るか又は接地される状態にしておくことができる。接地
の場合には、対おき台、対マニピュレータの容量も検出
してしまう。それをなくす為に後段でキャンセル手段を
用いても良いが、エラー発生要因が増える為に、好まし
くは、前記第1シールド部材と電気的に接続されるよう
にする。なお、ボックスが接地されている状態のとき
は、前記第1シールド部材はボックスに対してフローテ
ィングとなっている方が、第1シールド部材が接地され
るのを防ぐ為により好ましい。
【0010】また、基準電位探針として被測定試料に接
触する基準電位線の他端は、接地しておくだけでなく、
安定化された一定の直流電圧を発生する電源等に接続し
ておいてもよい。そして、その基準電位線を覆う第2シ
ールド部材については、前記第1シールド部材と電気的
に接続しておくか、接地しておくか、又は、フロート状
態に置く。この場合、外乱の影響を最も小さくできる接
地が、より好ましい態様である。これによって、測定環
境や被測定試料の特性等に応じた接続態様とすること
で、例えば、より安定したグランド電位に基づく高い精
度の測定が可能となる。ここで「基準電位」とは、時間
的に一定の電位が保持される状態の事を指し、接地され
る状態も含む。
【0011】なお、信号線及び基準電位線を2重シール
ドで覆う構造を有する3重の同軸ケーブルを用いて被測
定試料を測定してもよい。そして、最外側のシールドを
ガードやアース(接地)に接続したり、フロート状態に
しておけばよい。これによって、シールド効果を高めた
りすることができる。なお好ましくは、外部からの外乱
をいちばん小さくできるので、最外側シールドを接地と
し、内側シールドをガードに接続する。また、ガード電
位として、ボルテージフォロワの出力信号をそのまま利
用するのではなく、その信号を位相・振幅補償して得ら
れる補償後の信号を利用してもよい。これによって、事
前に位相及び振幅の調整をしておくことで、信号線に印
加される交流電圧と位相及び振幅が完全に一致したガー
ド信号が外部導体に印加されることとなり、浮遊容量が
完全にキャンセルされる。
【0012】なお、ガード電位を印加する対象として、
ケーブルの外部導体やボックス等の装置部材に限られ
ず、被測定試料中の不要な導電性部分についても対象と
することができる。例えば、MOSトランジスタのゲー
ト・ソース間容量を測定する場合には、ドレイン及び半
導体基板(バルク部)をガード電位に保持すればよい。
これによって、不要な電極間容量(ゲート・ドレイン間
容量、ゲート・バルク間容量、ソース・バルク間容量)
が排除され、純粋なゲート・ソース間容量が計測され
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の1つの実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発
明に係るプロービングシステムの構成を示す図である。
なお、図13に示された従来の構成要素と同一の構成要
素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。本
発明に係るプロービングシステムは、大きく分けて、プ
ローバ1と容量計5とから構成される。プローバ1は、
図13に示されたものと同一の構成要素、つまり、シー
ルドボックス11、ステージ13、マニピュレータ14
及び置き台15を備える。ステージ13には、測定対象
の容量を形成している被測定試料12が載置され、マニ
ピュレータ14には、信号ケーブル7と基準電位ケーブ
ル8とが固定されている。
【0014】そして、シールドボックス11、ステージ
13の導電性部分、置き台15の導電性部分、マニピュ
レータ14の導電性部分、信号ケーブル7の外部導体7
1及び基準電位ケーブル8の外部導体81(以下、これ
らを総称して「プローバの導電性部分」と呼ぶ。)は、
シールドボックス11等を介して電気的に接続され、同
電位となっている。このように、本プロービングシステ
ムのプローバ1は、図13に示された従来のものと、個
々の構成要素において共通するが、接続状態において異
なる。つまり、従来のプローバ1の導電性部分は、図1
3に示されるように、シールドボックス11や信号ケー
ブル3の外部導体を介してアース(接地)に接続されて
いるが、本プロービングシステムのプローバ1の導電性
部分は、図1に示されるように、接地から開放されてお
り、信号ケーブル7の外部導体に電圧を印加している容
量測定回路6によって定まる電位(後述するように、信
号ケーブル7の内部導体の電位と同一のガード電位)に
保持されている。
【0015】図2は、図1に示された被測定試料12の
拡大図である。被測定試料12は、Si基板上に形成さ
れた絶縁層を含む積層構造の回路等であり、上層から下
層に向けて、測定電極125、容量絶縁膜124、下部
電極123、フィールド酸化膜122及びシリコン基板
121から構成されている。ここでは、容量絶縁膜12
4を挟んで対抗する2つの電極125、123によって
形成される容量が測定対象となっている。そのために、
基準電位ケーブル8の内部導体82は、測定電極125
に接触し、信号ケーブル7の内部導体72は、下部電極
123に接触している。
【0016】なお、信号ケーブル7(及び基準電位ケー
ブル8)は、その外部導体71(外部導体81)がシー
ルドボックス11と電気的に接続されるとともに、内部
導体72(内部導体82)の先端だけ露出するように下
部電極123(測定電極125)の近くまで延びて内部
導体72(内部導体82)をシールドしている。信号ケ
ーブル7(及び基準電位ケーブル8)の内部導体72
(内部導体82)の露出した先端部は検出探針として作
用し、マニピュレータ14によって位置調整されて下部
電極123(測定電極125)の適宜の位置に接触す
る。
【0017】図3は、図1に示された容量計5が備える
容量測定回路6の回路図である。この容量測定回路6
は、信号ケーブル7の内部導体72に接続された容量に
交流電圧を印加することで、その容量値に対応する電圧
を出力端子62に出力する測定回路として機能するとと
もに、信号ケーブル7の内部導体72に現れる電圧と同
電位の電圧を外部導体71に印加するガーディング手段
(電圧源)としても機能する。具体的には、この容量測
定回路6は、交流信号発生器64と、2つの演算増幅器
60、61と、3つの抵抗(R1)65、抵抗(R2)
66、抵抗(R3)67と、信号ケーブル7とを含んで
構成される。抵抗(R1)65、抵抗(R2)66及び
演算増幅器60は、交流信号発生器64からの信号を反
転増幅し、その電圧を交流出力端子63に出力する負帰
還回路を構成している。抵抗(R3)67、信号ケーブ
ル7の内部導体72及び演算増幅器61は、この順序で
直列に接続され、上記負帰還回路の帰還路(演算増幅器
60の出力端子と抵抗(R2)66との間)に挿入され
ている。
【0018】なお、演算増幅器61は、出力端子と反転
入力端子とが短絡され、電圧利得が1のボルテージフォ
ロワ(インピーダンス変換器)として機能している。そ
して、その演算増幅器61の出力端子は、信号ケーブル
7の外部導体71に接続されている。これによって、信
号ケーブル7の外部導体71及びこの外部導体71と接
続されているプローバ1の導電性部分は、常に、信号ケ
ーブル7の内部導体72と同電位の電圧(ガード電位)
に駆動され、ガーディングされる。つまり、信号ケーブ
ル7の内部導体72と信号ケーブル7の外部導体71及
びプローバ1の導電性部分との間で浮遊容量が発生する
ことや、その間に存在する媒体の誘電率の変動に伴う測
定誤差の発生や不安定になること等が回避される。
【0019】次に、この容量測定回路6における出力端
子62での電圧V01と被測定試料12の容量値Csとの
関係を説明する。まず、交流信号発生器64が発生する
信号の電圧Viと交流出力端子63での電圧V02との関
係は、演算増幅器60よる反転増幅回路に着目すると、 V02=−(R2/R1)・Vi (式1) となる。そして、演算増幅器61がボルテージフォロワ
として機能していることから、この電圧V02は、演算増
幅器61の非反転入力端子での電圧、即ち、信号ケーブ
ル7の内部導体72と抵抗(R3)67との接続点での
電位に等しくなる。一方、抵抗(R3)67の他端に
は、演算増幅器60の出力端子が接続されている。信号
線の電圧V02が被測定容量に印加され、それに基づく電
流が抵抗(R3)67に流れる。それは、演算増幅器6
1の入力インピーダンスが極めて高いためである。この
とき、抵抗(R3)67に流れる電流IR3は、 IR3=jωCs・V02 となる。今、出力端子62の電圧をV01とすると、 V01=V02+R3・IR3 の関係が成り立つ。これらの式からIR3を消去すると、 V01=(1+jωCs・R3)・V02 (式2) となる。この式2に、上記式1を代入すると、 V01=−((1+jωCs・R3)・R2/R1)・Vi (式3) が得られる。
【0020】この式3から分かるように、演算増幅器6
0の出力電圧V01は、被測定試料12の静電容量Csに
比例する交流成分を含んでいる。ここで着目すべきこと
は、演算増幅器61はイマージナリ・ショートの状態に
あるので、内部導体72と外部導体71とは同電位とな
る。従って、その間に形成されるとみなされる浮遊容量
は、検出されない。同様に、外部導体71とシールドボ
ックス11とを接続した場合も、対シールドボックスと
の間に形成されるとみなされる浮遊容量は検出されな
い。さらに、ステージ13、置き台15、マニピュレー
タ14等とも同様に外部導体71と接続すると、同じよ
うに浮遊容量は検出されない。これにより、演算増幅器
60の出力電圧V01は、内部導体72と外部導体71と
の間に生じる浮遊容量に関係する項を全く含まないの
で、被測定試料12の静電容量CsがfFオーダーの微
小なものであっても、演算増幅器60からは、そのよう
な微小な静電容量Csのみに対応した電圧V01が出力さ
れる。
【0021】そして、この出力電圧V01から、被測定試
料12の静電容量Csに比例した電圧を求めることがで
き、この電圧の値、抵抗67の抵抗値R3及び交流信号
電圧Viの大きさから、静電容量Csを求めることが可
能になる。前述のとおり、演算増幅器60の出力電圧V
01は内部導体72と外部導体71との間に生じる浮遊容
量に関係する項を含まず、被測定試料12の静電容量C
sに対応する項を含むのみであるから、静電容量Csがい
かに微小であっても、その静電容量Csを高精度に検出
することができる。
【0022】ここで、図1〜図3の被測定試料12を形
成する一方の電極である下部電極123は、半導体ウェ
ハであり得る。この場合、図1のプロービングシステム
は被測定試料12の良否を判定するために使用すること
ができる。つまり、下部電極123と測定電極125と
の間に形成される静電容量の大きさを監視し、その静電
容量の値が正常値であるかどうかによって被測定試料の
良否を判定することができる。この場合にも、演算増幅
器60の出力電圧V01は内部導体72と外部導体71と
の間に生じる浮遊容量に関係する項を含まず、被測定試
料と測定電極との間の静電容量に対応する項を含むのみ
となるので、この静電容量がいかに微小であっても、そ
の容量値を高精度に測定することができ、被測定試料の
良否を高精度に判定することが可能となる。具体的に
は、DRAMのメモリセル容量素子、配線容量、MOS
トランジスタのゲート容量やオーバーラップ容量、pn
ジャンクション容量等、半導体デバイス内の各部の微小
容量の測定が可能となり、高性能で低価格の半導体デバ
イスの提供に寄与することができる。
【0023】また、図1〜図3の被測定試料12は、例
えば容量型センサの容量であり得る。容量型センサの一
方の電極は信号ケーブル7の内部導体72を介して演算
増幅器61の非反転入力端子に接続され、他方の電極
(又はそれに相当するもの)は基準電位ケーブル8の内
部導体82を介してグランドに接続される。このような
容量測定の対象となる「容量型センサ」には、加速度セ
ンサ、地震計、圧力センサ、変位センサ、変位計、近接
センサ、タッチセンサ、イオンセンサ、湿度センサ、雨
滴センサ、雪センサ、雷センサ、位置合わせセンサ、接
触不良センサ、形状センサ、終点検出センサ、振動セン
サ、超音波センサ、角速度センサ、液量センサ、ガスセ
ンサ、赤外線センサ、放射線センサ、水位計、凍結セン
サ、水分計、振動計、帯電センサ、プリント基板検査機
等の公知の容量型センサなど、静電容量の変化を利用し
て各種物理量を検出す全てのトランスデューサ(デバイ
ス)が含まれる。
【0024】次に、以上のプロービングシステムを用い
て、MOSトランジスタのゲート容量を測定したときの
実験例を示す。図4は、MOSトランジスタ90のゲー
ト・ドレイン間容量(CGDO)を実測したときの接続
状態及び測定結果を示す図である。このMOSトランジ
スタ90は、ゲート91の幅Wが50μmで、長さLが
2.0μmで、絶縁酸化膜94の厚みToxが15nmで
ある。ここでは、ゲート91を信号ケーブル7の内部導
体72に接触させ、ドレイン93を基準電位ケーブル8
の内部導体82に接触させ、ソース92及び半導体バル
ク95を信号ケーブル7の外部導体71等に電気的に接
続している。この時、内部導体82はアース(接地)に
接続されている。このような接続形態での測定によっ
て、ソース92及び半導体バルク95は、ガード電位、
即ち、ゲート91と同電位に駆動され、この間の容量が
誤差となって加算されてしまうことが回避され、ゲート
91及びドレイン93間の正確な容量値(ここでは、1
7.8fF)が得られている。
【0025】図5は、MOSトランジスタ90のゲート
・ソース間容量(CGSO)を実測したときの接続状態
及び測定結果を示す図である。ここでは、ゲート91を
信号ケーブル7の内部導体72に接触させ、ソース92
を基準電位ケーブル8の内部導体82に接触させ、ドレ
イン93及び半導体バルク95を信号ケーブル7の外部
導体71等に電気的に接続している。この時、内部導体
82はアース(接地)に接続されている。このような接
続形態での測定によって、ドレイン93及び半導体バル
ク95は、ガード電位、即ち、ゲート91と同電位に駆
動され、この間の容量が誤差となって加算されてしまう
ことが回避され、ゲート91及びソース92間の正確な
容量値(ここでは、16.3fF)が得られている。
【0026】図6は、MOSトランジスタ90のゲート
・ドレイン及びソース間容量(CGDO&CGSO)を
実測したときの接続状態及び測定結果を示す図である。
ここでは、ゲート91を信号ケーブル7の内部導体72
に接触させ、ソース92及びドレイン93を基準電位ケ
ーブル8の内部導体82に電気的に接続し、半導体バル
ク95を信号ケーブル7の外部導体71等に接続してい
る。この時、内部導体82はアースに接続されている。
このような接続形態での測定によって、半導体バルク9
5は、ガード電位、即ち、ゲート91と同電位に駆動さ
れ、この間の容量が誤差となって加算されてしまうこと
が回避され、ゲート91とソース92及びドレイン93
間の正確な容量値(ここでは、34.4fF)が得られ
ている。
【0027】以上の3つの測定結果を表にまとめると、
以下の通りである。
【表1】 なお、この表における「1μm当たり容量値」は、左欄
の「測定結果」の値をゲート91の幅W(50μm)で
割り算して得られた値である。また、下段に示された容
量パラメータ値は、その理論値である。
【0028】この表から分かるように、本プロービング
システムにより、fFオーダーであるにも拘わらず、実
測によって得られた「1μm当たり容量」は、理論値と
極めて近い値を示している。また、ゲート・ドレイン及
びソース間容量(CGDO、CGSO)の測定値は、個
別の測定によるゲート・ドレイン間容量(CGDO)の
測定値とゲート・ソース間容量(CGSO)の測定値の
和にほぼ等しい。このことから、各測定において、ガー
ド電位による浮遊容量のキャンセルが効果的に行われて
いることが確認される。
【0029】次に、図1に示された本実施の形態のプロ
ービングシステムにおける接続形態についての3つの変
形例1〜3を図7〜図9に示す。これら変形例の特徴
は、以下の表に示される通りである。
【表2】 なお、この表において、「Source」は、信号を意味し、
「Guard」は、ガード電位(容量測定回路6の交流出力
端子63への接続)を意味し、「基準電位」は、接地を
含む予め定められた一定の電位への接続を意味し、「フ
ロート」は、これらのいずれの電位からも絶縁された開
放状態を意味する。
【0030】図7に示された変形例1に係るプロービン
グシステムは、基準電位ケーブル8の外部導体81がシ
ールドボックス11に接続されず、接地(例えば、内部
導体82と短絡)されるか又はフロート状態に置かれる
点(図示せず)で、ガード電位に保持された図1の実施
の形態と異なる。この図7では、基準電位ケーブル8の
外部導体81がシールドボックス11と接触することな
く開放されている様子(基準電位ケーブル8がシールド
ボックス11を貫通する箇所17)が示されている。こ
のような接続形態にすることで、基準電位ケーブル8の
内部導体82と外部導体81間に交流信号が印加された
状態となることが回避され、基準とされる電位が不安定
となること等が防止され得る。
【0031】図8に示された変形例2に係るプロービン
グシステムは、信号ケーブル7の外部導体71を除くプ
ローバ1の導電性部分、即ち、基準電位ケーブル8の外
部導体81、シールドボックス11、ステージ13の導
電性部分、置き台15の導電性部分及びマニピュレータ
14の導電性部分が接地される点で、ガード電位に保持
された図1の実施の形態と異なる。この図8では、信号
ケーブル7がシールドボックス11を貫通する箇所18
a、18bに示されるように、信号ケーブル7の外部導
体71はシールドボックス11と接触することなく開放
され、シールドボックス11とアースとの接続箇所18
cに示されるように、シールドボックス11が接地され
ている様子が示されている。この接続形態により被測定
試料12のバルク側を接地電位とすることができる他、
被測定試料12全体がアース電位でシールドされること
となり、外乱ノイズの進入に対する遮蔽効果が増加し得
る。また、操作者が触れ安い箇所(シールドボックス1
1やマニピュレータ14等)が接地されるので、感電に
対する安全性が確保される。ちなみに、本発明の他の接
続形態の例では、すべて被測定試料12のバルク側がガ
ード電位(信号ケーブル7の内部導体72と同電位)と
なっている。
【0032】図9に示された変形例3に係るプロービン
グシステムは、基準電位ケーブル8の内部導体82が接
地からバイアスされた一定の直流電位19に保持(例え
ば、安定化された直流電圧電源の出力端子に接続)され
る点で、アースに接続された図1の実施の形態と異な
る。このような接続形態にすることで、この基準電位ケ
ーブル8の内部導体82と接続される被測定試料12の
測定電極125は、接地ではなく、一定の直流電位に保
持され、ノイズ等を含まない安定化された電位に維持さ
れるので、より安定した容量測定が実現され得る。な
お、上記式3から分かるように、容量測定回路6で得ら
れる出力電圧V01は、交流信号発生器64からの信号V
iの交流成分に依存し、直流成分には依存しないので、
被測定試料12の基準となる電位の大きさ(直流電位)
は、測定誤差の要因とはならない。なお、このような被
測定試料12へのバイアス電位を変化させながら容量値
の変化を測定することで、MOS等におけるC−V測定
が可能となる。
【0033】以上の変形例によって、基準電位ケーブル
8を流れる信号状態、被測定試料12を覆うシールドの
効果、被測定試料12の基準となる電位等が変更される
こととなるが、上記表に示されるように、信号ケーブル
7の外部導体71と内部導体72とが同電位に維持さ
れ、この間での浮遊容量がキャンセルされる点では共通
している。したがって、これらの実施の形態及び変形例
を測定環境(外乱ノイズの発生量や印加する交流信号の
周波数等)や被測定試料12の特性(容量値の大きさ
等)に応じて適宜、選択して使用することで、それぞれ
のメリットを生かした高精度で安定した微小容量の測定
が可能となる。
【0034】なお、いずれのプロービングシステムにお
いても、2つのケーブル7、8は、1つの外部導体をシ
ールドとする同軸ケーブル(coaxial cable)であった
が、これに代えて、2重シールド構造の同軸ケーブル
(triaxial cable)を用いてもよい。具体的には、信号
ケーブル7については、芯線をsource、内側シールドを
Guard、外側シールドをアース、基準電位又はフロート
状態にしたり、基準電位ケーブル8については、芯線を
基準電位、内側シールドをGuard、外側シールドをアー
ス又はフロート状態にしたりする接続が考えられる。こ
れによって、芯線を流れる信号に対するシールド効果を
高めたり、感電に対する安全を確保すること等が可能と
なる。
【0035】次に、図3に示された本実施の形態の容量
測定回路6に代わる変形例及び応用回路を示す。図10
は、第1の変形例に係る容量測定回路6に置き換え得る
容量測定回路20の回路図である。この容量測定回路2
0は、図3に示された容量測定回路6に対して、演算増
幅器61の交流出力端子63と信号ケーブル7の外部導
体71との間に、位相振幅補償回路21aを挿入したも
のに等しい。つまり、図3に示された容量測定回路6で
は、演算増幅器61の出力信号をそのまま信号ケーブル
7の外部導体71に印加していたのに対し、この容量測
定回路20では、演算増幅器61の出力信号に対して位
相(及び、振幅)補償を施し、得られた補償後の信号を
信号ケーブル7の外部導体71に印加している。これ
は、演算増幅器61自体の特性(理想的な演算増幅器で
ないこと)や周辺回路の影響等によって、信号ケーブル
7の内部導体72の電位(信号電位)と外部導体71の
電位(ガード電位)間にわずかにずれ(位相及び振幅が
同一でないこと)が生じるので、そのずれを完全にキャ
ンセルするためである。
【0036】図11は、第2の変形例に係る容量測定回
路6、20に置き換え得る容量測定コア部41を含む回
路図である。この容量測定回路40は、大きく分けて、
図3及び図10に示された容量測定回路6、20に対応
するコア部41、そのコア部41の出力端子62での信
号電圧V01を入力として反転増幅する反転部42、及
び、その反転部42の出力端子44での信号電圧V03と
コア部41の交流出力端子63での信号電圧V02とを加
算し、出力端子45に電圧V04の信号を出力する加算部
43から構成される。コア部41は、図3に示された容
量測定回路6に対して、交流信号発生器64の出力端子
と信号ケーブル7の外部導体71との間に位相振幅補償
回路21bを挿入したものに等しい。つまり、このコア
部41は、図3の容量測定回路6に位相振幅補償回路を
追加している点で、図10に示された第1の変形例と共
通するが、位相振幅補償回路21bへの入力として、交
流信号発生器64からの信号を直接的に用いている点
で、第1の変形例と異なる。
【0037】反転部42は、可変抵抗(R4)50、抵
抗(R5)51、可変抵抗(R6)52、コンデンサ53
及び演算増幅器54を備えた反転増幅回路であり、電圧
利得が1で、かつ、その出力端子44での信号V03の位
相がコア部41の交流出力端子63での信号V02と同一
になるように、可変抵抗(R4)50及び可変抵抗(R
6)52の抵抗値が調整されている。この反転部42の
入力電圧V01と出力電圧V03とは、以下の関係が成り立
っている。 V03=−V01 (式4)
【0038】加算部43は、抵抗値の等しい3つの抵抗
(R7)55、抵抗(R8)56及び抵抗(R9)57が
演算増幅器58に接続された加算器である。つまり、2
つの入力信号の電圧V02、V03と、出力電圧V04とは、
以下の関係が成り立つ。 V04=−(V02+V03) (式5) この式5に、上記式4を代入すると、 V04=V01−V02 (式6) が得られる。この式6から分かるように、出力端子45
の信号電圧V04は、コア部41の2つの出力端子62、
63での信号電圧V01、V02の差、言い換えると、被測
定容量の変化に対応した出力電圧の変化となっている。
この式6に、式2を代入して整理した後に、式1を代入
すると、 V04=(1+jωCs・R3)・V02−V02 =jωCs・R3・V02 =−(jωCs・R2・R3/R1)・Vi (式7) が成り立つ。つまり、この第2の変形例の容量測定回路
40の出力端子45からは、容量値Csに比例した電圧
V04が出力されていることが分かる。よって、この電圧
V04に基づいて、種々の信号処理を施すことで、未知の
容量値Csを特定することができる。また、上記式7
が、図3に示された出力電圧V01を示す式3よりも簡素
化されている(出力V04と入力Viとが比例している)
ことから分かるように、この容量測定回路40では、誤
差要因の発生が極力抑制されている。
【0039】図12(b)は、図11に示された位相振
幅補償回路21bの詳細な回路図である。この位相振幅
補償回路21bは、大きく分けて、入力端子22から入
力された信号の位相をシフトする位相調整部24と、そ
の出力信号に対して電圧増幅し、出力端子23に出力す
る振幅調整部25とから構成される。位相調整部24
は、抵抗33、可変抵抗34、抵抗35及びコンデンサ
36が演算増幅器31に接続された全域通過フィルタで
ある。可変抵抗34の抵抗値を調整することで、この位
相調整部24による位相のシフト量を調整することがで
きる。
【0040】振幅調整部25は、抵抗37及び可変抵抗
38が演算増幅器32に接続された反転増幅回路であ
る。可変抵抗38の抵抗値を調整することで、この振幅
調整部25による振幅(電圧)増幅率を調整することが
できる。一方で、この位相振幅補償回路21bを図10
に示された容量測定回路20に適用する場合、位相調整
部24の抵抗35を可変抵抗38とし、振幅調整部25
を削除する。こうすることで、図12(a)に示される
ように、位相反転しないで、かつ、振幅と位相の両方が
調整可能な、図10に示された容量測定回路20用の位
相振幅補償回路21aを得ることができる。このよう
に、これら位相振幅補償回路21a、21bにおける2
つの可変抵抗34、38を適切に調整しておくことで、
容量測定回路6の演算増幅器61における非反転入力端
子と交流出力端子63間の信号のずれ、即ち、信号ケー
ブル7の内部導体72と外部導体71での信号電位のず
れをキャンセルし、振幅及び位相が完全に一致した理想
的なイマージナリ・ショートの状態に近づけることがで
きる。したがって、交流信号発生器64からの発生信号
Viが数kHz〜数百KHz程度の周波数であれば、信
号ケーブル7の内部導体72と外部導体71との間の浮
遊容量を確実にキャンセルし、被測定試料12が有する
容量Csだけを正確に検出することができる。
【0041】以上、本発明に係るプロービングシステム
について、実施の形態及び変形例に基づいて説明した
が、本発明は、これらに限定されないのは言うまでもな
い。例えば、本実施の形態におけるプロービングシステ
ムは、容量の測定に用いられたが、インダクタンスの測
定に用いることができる。また、本実施の形態では、信
号ケーブル7及び基準電位ケーブル8として同軸ケーブ
ルが用いられたが、これに代えて、単芯のケーブルとそ
れを覆うシールド材とを組み合わせたり、ツイストペア
等の撚り線を用いてもよい。
【0042】また、図2に示された被測定試料12や図
4等に示されたMOSトランジスタ90の容量測定にお
いて、信号ケーブル7と基準電位ケーブル8それぞれを
接触させる電極や端子を入れ替えてもよい。例えば、被
測定試料12の測定電極125に信号ケーブル7の内部
導体72を接触させ、下部電極123に基準電位ケーブ
ル8の内部導体82を接触させてもよい。また、本実施
の形態では、信号ケーブル7及び基準電位ケーブル8
は、マニピュレータ14によって固定され、それらの内
部導体が直接、被測定試料12に接触したが、マニピュ
レータ14に固定されたプローブ針を介して被測定試料
12に接触してもよい。この場合には、信号ケーブル7
及び基準電位ケーブル8は、コネクタ等を介して、その
内部導体が露出することなくプローブ針と接続される。
そして、プローブ針自体も、同軸ケーブルのように、絶
縁材を介してシールド部材で覆われ、被測定試料12と
接触する先端部を除いてガードされる構造を有すること
が望ましい。
【0043】また、本実施の形態では、被測定試料12
に直列に接続されるインピーダンス手段として抵抗(R
3)67が用いられたが、固定されたインピーダンスを
有するならば、このような抵抗に限られない。例えば、
容量やインダクタンス、それらの組合せによるインピー
ダンス等であってもよい。また、本実施の形態及び変形
例に係るプロービングシステムの接続形態及び容量測定
回路を任意に組み合わせることで、様々なバリエーショ
ンのプロービングシステムを構築することができる。例
えば、接続形態として、図7のプロービングシステムを
採用し、その容量測定回路として、図11に示された回
路を採用することで、グランド電位が安定し、かつ、出
力電圧から簡易に容量値Csを特定することができる実
用的なプロービングシステムが完成される。
【0044】また、各種接続形態を切替回路によって選
択する構成とすることもできる。例えば、プローバ1の
導電性部分を信号ケーブル7の外部導体71又はアース
に接続する切替回路を設けたりしてもよい。同様に、被
測定試料12の容量と直列に接続される抵抗(R3)6
7として、抵抗値の異なる複数の抵抗の中から1つを選
択する切替回路を設けたり、容量測定回路6と信号ケー
ブル7とを接続したり切り離したりする切替回路を設け
てもよい。これによって、広い範囲にわたる容量の測定
が可能となったり、反転部42における位相・振幅調整
が容易になったりする。
【0045】さらに、図12に示された位相振幅補償回
路21a、21bは、いずれも、位相及び振幅を調整す
る機能を有したが、本発明は、必ずしも、位相と振幅の
両方の調整機能を必要とするものではない。つまり、信
号ケーブル7の外部導体71と内部導体72それぞれに
流れる信号を同電位にすることができるならば、位相だ
けを調整、または、振幅だけを調整する機能を有する補
償回路で足りる場合もある。
【0046】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るプロービングシステムによれば、信号ケーブルの
内部導体と外部導体とは同電位に保持されるので、それ
ら内部導体と外部導体間の浮遊容量が測定誤差として加
算されたり、温度等の変動により浮遊容量が変化するこ
との影響を受けたりすることが回避される。これによっ
て、fFオーダーの微小な容量値等を高精度で、かつ、
安定して測定することが可能となる。
【0047】また、本発明のプロービングシステムを用
いた実測によって、半導体試料を数fFの精度で測定で
きることが確認されている。被測定試料が半導体ウェハ
である場合には、本発明により、該半導体ウェハの各種
の微小容量を高精度に測定することができるので、簡易
な方法であるにも拘わらず、高い精度で半導体デバイス
の電気特性を計測したり、その良否を判定することがで
き、高性能で低価格な半導体デバイスを提供することが
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプロービングシステムの構成を示
す図である。
【図2】図1に示された被測定試料の拡大図である。
【図3】同システムの容量計が備える容量測定回路の回
路図の一例である。
【図4】同システムを用いてMOSトランジスタのゲー
ト・ドレイン間容量(CGDO)を実測した例の接続状
態及び測定結果を示す図である。
【図5】同システムを用いてMOSトランジスタ90の
ゲート・ソース間容量(CGSO)を実測した例の接続
状態及び測定結果を示す図である。
【図6】同システムを用いてMOSトランジスタ90の
ゲート・ドレイン及びソース間容量(CGDO&CGS
O)を実測した例の接続状態及び測定結果を示す図であ
る。
【図7】プロービングシステムの接続形態についての変
形例1を示す図である。
【図8】プロービングシステムの接続形態についての変
形例2を示す図である。
【図9】プロービングシステムの接続形態についての変
形例3を示す図である。
【図10】容量測定回路についての第1の変形例を示す
回路図である。
【図11】容量測定回路についての第2の変形例を示す
回路図である。
【図12】(a)は上記第2の変形例における位相振幅
補償回路の詳細な回路図の一例であり、(b)は上記第
1の変形例における位相振幅補償回路の詳細な回路図の
一例である。
【図13】従来のプロービングシステムの構成を示す図
である。
【符号の説明】
1 プローバ 5 容量計 6 容量測定回路 7 信号ケーブル 8 基準電位ケーブル 11 シールドボックス 12 被測定試料 13 ステージ 14 マニピュレータ 15 置き台 17、18a〜c 接触・接続箇所 19 直流電位 20 容量測定回路 21a、21b 位相振幅補償回路 22 入力端子 23、44、45、62、63 出力端子 24 位相調整部 25 振幅調整部 31、32、54、58、60、61 演算増幅器 33、35、37、65〜67 固定抵抗 34、38 可変抵抗 36、53 コンデンサ 40 容量測定回路 41 コア部 42 反転部 43 加算部 64 交流信号発生器 71 外部導体 72 内部導体 81 外部導体 82 内部導体 90 MOSトランジスタ 91 ゲート 92 ソース 93 ドレイン 94 絶縁酸化膜 95 半導体バルク 121 シリコン基板 122 フィールド酸化膜 123 下部電極 124 容量絶縁膜 125 測定電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−303775(JP,A) 特開 昭61−82103(JP,A) 特開2000−55956(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 27/00 - 27/32 G01R 1/06 - 1/073

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プローバと第1測定回路とを備えるプロ
    ービングシステムであって、 前記プローバは、 被測定試料を覆うボックスと、 一端が検出探針として被測定試料に接触する信号線と、 前記信号線を覆う第1シールド部材とを有し、 前記第1測定回路は、 前記信号線の他端が入力端子に接続されるとともに、前
    記第1シールド部材が出力端子に接続されるボルテージ
    フォロワと、 前記信号線に一端が接続されたインピーダンス手段と、 前記インピーダンス手段の他端が出力端子に接続される
    とともに、前記インピーダンス手段及び前記ボルテージ
    フォロワ手段が負帰還路に含まれるように接続された第
    1演算増幅器とを有することを特徴とするプロービング
    システム。
  2. 【請求項2】 プローバと第2測定回路とを備えるプロ
    ービングシステムであって、 前記プローバは、 被測定試料を覆うボックスと、 一端が検出探針として被測定試料に接触する信号線と、 前記信号線を覆う第1シールド部材とを有し、 前記第2測定回路は、 イマージナリ・ショートの状態となる第1及び第2入力
    端子を有し、その第1入力端子に前記信号線の他端が接
    続された第2演算増幅器と、 前記信号線の信号電圧と同電位の電圧を前記第1シール
    ド部材に印加するガード手段と、 前記信号線に一端が接続されたインピーダンス手段と、 前記インピーダンス手段の他端が出力端子に接続される
    とともに、前記インピーダンス手段及び前記第2演算増
    幅器が負帰還路に含まれるように接続された第3演算増
    幅器とを有することを特徴とするプロービングシステ
    ム。
  3. 【請求項3】 前記ボックスは、前記第1シールド部材
    と電気的に接続されるか又は基準電位に接続されること
    を特徴とする請求項1又は2記載のプロービングシステ
    ム。
  4. 【請求項4】 前記プローバは、さらに、被測定試料を
    保持する載置台を有し、 前記載置台は、前記第1シールド部材と電気的に接続さ
    れるか又は基準電位に接続されることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項に記載のプロービングシステ
    ム。
  5. 【請求項5】 前記プローバは、さらに、一端が基準電
    位探針として被測定試料に接触する基準電位線を有し、 前記基準電位線の他端は、接地されるか又は一定の電位
    に保持されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    1項に記載のプロービングシステム。
  6. 【請求項6】 前記プローバは、さらに、前記基準電位
    線を覆う第2シールド部材を有し、 前記第2シールド部材は、前記第1シールド部材と電気
    的に接続されるか、基準電位に接続されるか、又は、フ
    ロート状態に置かれることを特徴とする請求項5記載の
    プロービングシステム。
  7. 【請求項7】 前記第1シールド部材は、複数層の同軸
    構造となっていることを特徴とする請求項1〜6のいず
    れか1項に記載のプロービングシステム。
  8. 【請求項8】 前記第1演算増幅器又は前記第3演算増
    幅器には、交流信号が入力され、 前記ガード手段は、前記交流信号、前記ボルテージフォ
    ロワ又は前記第2演算増幅器の出力端子に現れる交流信
    号に対して位相補償及び振幅補償の少なくとも一方を施
    し、得られた信号を前記第1シールド部材に印加するこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のプ
    ロービングシステム。
  9. 【請求項9】 プローバと測定回路とを備えるプロービ
    ングシステムによる被測定試料の容量測定方法であっ
    て、 前記プローバに置かれた被測定試料をボックスで覆うと
    ともに、第1シールド部材で覆われた信号線の一端を検
    出探針として被測定試料に接触させ、 前記測定回路において、 ボルテージフォロワの入力端子に前記信号線の他端を接
    続するとともに、その出力端子に前記第1シールド部材
    を接続し、 インピーダンス手段の一端を前記信号線に接続するとと
    もに、その他端を第1演算増幅器の出力端子に接続し、 前記インピーダンス手段及び前記ボルテージフォロワ手
    段が前記第1演算増幅器の負帰還路に含まれるように接
    続し、 前記第1演算増幅器の出力端子を当該測定回路の出力端
    子とし、当該測定回路の出力端子の電圧に基づいて前記
    被測定試料の容量を測定することを特徴とする容量測定
    方法。
  10. 【請求項10】 プローバと測定回路とを備えるプロー
    ビングシステムによる被測定試料の容量測定方法であっ
    て、 前記プローバに置かれた被測定試料をボックスで覆うと
    ともに、第1シールド部材で覆われた信号線の一端を検
    出探針として被測定試料に接触させ、 前記測定回路において、 第2演算増幅器の第1及び第2入力端子をイマージナリ
    ・ショートの状態にさせるともに、その第1入力端子に
    前記信号線の他端を接続し、 ガード手段によって、前記信号線の信号電圧と同電位の
    電圧を前記第1シールド部材に印加し、 インピーダンス手段の一端を前記信号線に接続するとと
    もに、その他端を第3演算増幅器の出力端子に接続し、 前記インピーダンス手段及び前記第2演算増幅器が前記
    第3演算増幅器の負帰還路に含まれるように接続し、 前記第3演算増幅器の出力端子を当該測定回路の出力端
    子とし、当該測定回路の出力端子の電圧に基づいて前記
    被測定試料の容量を測定することを特徴とする容量測定
    方法。
  11. 【請求項11】 前記被測定試料は、ソース端子及びド
    レイン端子が形成された半導体バルクと酸化膜を挟んで
    対抗するゲート端子とからなるMOSトランジスタであ
    り、 前記3つの端子及び半導体バルクのうちの少なくとも1
    つを信号線に接続し、前記信号線に電気的に接続しない
    残りの前記端子及び半導体バルクのうちの少なくとも1
    つを基準電位に接続し、更にこれまで接続されなかった
    残りの部分が前記端子及び半導体バルクのうちに少なく
    とも1つ存在する場合には当該(存在)部分を第1シー
    ルド部材と電気的に接続し、前記基準電圧が接地、所定
    の電圧、あるいは、スイープさせながら印加される電圧
    のいずれかに接続され、 前記測定回路の出力端子の電圧に基づいて、MOSトラ
    ンジスタ内の所定部分の容量を測定することを特徴とす
    る請求項9又は10記載の容量測定方法。
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