JP3506132B2 - 顆粒状ガラスフレークおよびそれを含有する樹脂組成物 - Google Patents

顆粒状ガラスフレークおよびそれを含有する樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱可塑性樹脂に
配合する顆粒状に造粒されたガラスフレークに関する。
さらには、この顆粒状ガラスフレークを含有する樹脂組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス繊維および/またはガラスフレー
クを熱可塑性樹脂に配合して、その強度や寸法安定性を
向上させる技術が特開昭62−109855号公報に記
載されている。また、特開平3−86753号公報に
は、繊維状強化材および結合剤を用いて造粒した顆粒状
ガラスフレークを熱可塑性樹脂に配合することが記載さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ガラスフレ
ークは、鱗片状の薄片であるため飛散性が高く、熱可塑
性樹脂に配合するまでの作業性が悪いという問題があっ
た。ガラスフレークを熱可塑性樹脂に配合する場合、一
般に押し出し成形機が利用されるが、この場合フィード
部にガラスフレークが詰まったり、食い込みが悪いとい
う問題もあった。これらの問題点を解決するため、ガラ
スフレークを結合剤で造粒してから熱可塑性樹脂に配合
する技術が開発された。しかし、結合剤を用いると、熱
可塑性樹脂中での分散性が悪くなる問題が新たに発生し
た。
【0004】熱可塑性樹脂中における顆粒状補強材の分
散性を改善することを目的とした発明が、特開平6−1
44999号公報に記載されている。しかし、この公報
に記載の発明は、補強材としてウィスカーを使用するも
のである。ウィスカーとガラスフレークは、その材質お
よび形状が全く異なるので、顆粒状に造粒する場合、飛
散性の低下と分散性の向上とを両立しうるバインダー付
着量および界面活性剤の含有率は当然に異なる。
【0005】この発明は、以上のような問題点に着目し
てなされたものである。その目的とするところは、飛散
性が低く作業性に優れ、かつ、熱可塑性樹脂中での分散
性にも優れた顆粒状ガラスフレーク、ならびにその顆粒
状ガラスフレークを含有する成形安定性に優れた樹脂組
成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明の顆粒状ガラスフレークは、
全固形分重量に対し界面活性剤を固形分で0.01〜1
重量%含有するバインダーが0.1〜2重量%付着する
ものである。
【0007】請求項2に記載の発明の顆粒状ガラスフレ
ークは、請求項1に記載の発明において、バインダーが
シランカップリング剤、エポキシ樹脂およびウレタン樹
脂を含有するものである。
【0008】請求項3に記載の発明の樹脂組成物は、請
求項1または2に記載の顆粒状ガラスフレークを含有す
るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて詳細に説明する。
【0010】顆粒状ガラスフレークは、個々のガラスフ
レークがバインダーにより結びつけられたガラスフレー
クの塊である。その形状は、製造条件により種々異なる
が、略球体や楕円体が一般的である。熱可塑性樹脂に配
合するまでの作業性を考慮すれば、略球形が最も好まし
い。角が存在しないため、何かに接触しても飛散し難い
からである。熱可塑性樹脂中での分散性を考慮すると、
その大きさは、球形の場合平均粒径20〜3,000μ
mが好ましい。20μmより小さい場合は、押し出し成
形機のフィード部に詰まりが生じ易く、一方3,000
μmより大きければ、分散性が却って低下する。
【0011】ガラスフレークは、その大きさをとくに限
定されるものではなく、平均粒径(最長径の単純平均)
が10〜2,000μm、平均厚さが0.5〜20μm
であることが好ましい。平均粒径が10μm未満の場合
は、補強材として機能し難く、一方2,000μmを越
えると、造粒し難くなると共に熱可塑性樹脂中での分散
性が低下する。また、厚さが0.5μm未満のガラスフ
レークを製造することは困難であり、実用的でない。一
方、20μmより厚いガラスフレークは、押し出し成形
の際、細かな部品を成形する様なゲートの細い金型にお
いてゲートで詰まりを生じトラブルの原因となる。ま
た、ガラスフレークのアスペクト比(平均粒径/平均厚
さ)は、2〜1,000であることが好ましい。アスペ
クト比が2未満の場合は、造粒しても十分な大きさにな
らず、飛散性およびフィード部での詰まりの問題が改善
されない。一方1,000を越えると、分散性が低下す
るため、界面活性剤を多量に添加する必要が生じて、熱
可塑性樹脂の物性を劣化させるおそれがある。
【0012】ガラスフレークは、その表面に金属および
/または金属酸化物の薄膜を備えるものであってもよ
い。ガラスフレークは、組成成分としてアルカリ金属お
よびアルカリ土類金属(以下、これらをまとめて「アル
カリ成分」と称す)を相当量含有する場合があり、その
場合ガラスフレークの表面から経時的にアルカリ成分が
溶出して、熱可塑性樹脂とガラスフレークの接着力を低
下させたり、変色を生じさせたりするなどの問題が生じ
る。そこで、ガラスフレークの表面にたとえばシリカ(S
iO2)からなる薄膜を予め設けておくことにより、アルカ
リ成分の溶出を抑制して、前記問題の発生を防止でき
る。また、前記薄膜の厚さを目的とする可視光波長の1
/4の整数倍に調節すれば、反射干渉色を呈するように
なることから、樹脂組成物の外観に所望の色調の光輝感
を付与することができる。さらに、金属の薄膜を設けれ
ば、その金属特有の光沢をガラスフレークに付与できる
ので、樹脂組成物の外観を変化に富んだものにすること
ができる。
【0013】バインダーは、界面活性剤と結合成分とを
含み、その全固形分重量に対し界面活性剤の固形分の含
有率((界面活性剤の固形分重量/バインダーの全固形
分重量)×100)が0.01〜1重量%のものであ
る。この含有率が0.01重量%未満の場合は、顆粒状
ガラスフレークの結合力が強くなりすぎ、熱可塑性樹脂
中での分散性が低下する。一方、1重量%を越えると、
飛散性の低下が期待できない。
【0014】また、溶媒を含むバインダーの全重量に対
する界面活性剤の含有率は、固形分で0.0001〜
0.1重量%であることが好ましい。0.0001重量
%未満の場合は、バインダー中での濃度が低すぎて、界
面活性剤がガラスフレーク表面に十分に付着することが
できず、顆粒状ガラスフレークの分散性があまり向上し
ない。一方、0.1重量%を越えると、顆粒状ガラスフ
レークの飛散性が高くなり、作業性が悪くなる。さらに
好ましい界面活性剤の含有率は、0.005〜0.00
8重量%である。なお、特開平6−144999号公報
には、界面活性剤の好ましい含有率について「顆粒の用
途などに応じて適宜選択すればよいが、通常全組成物中
0.01〜50重量%程度、好ましくは0.1〜5重量
%程度」と記載されている。ここで前記「全組成物中」
とは、溶媒の重量も含むと考えられることから、特開平
6−144999号に記載された発明は、この発明の数
倍〜数千倍の界面活性剤を含有するものであると推測さ
れる。
【0015】界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、
両性または非イオン性の何れでも使用することができ
る。とくに非イオン性の界面活性剤は、結合成分として
エポキシ樹脂やウレタン樹脂を使用した場合に、バイン
ダーの凝集を抑制し安定化させることができる点で好ま
しい。アニオン性界面活性剤としては、ジオクチルスル
フォコハク酸ナトリウム、脂肪酸塩、アルキル硫酸エス
テル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスル
ホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル
スルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスル
ホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアル
キル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリ
ル硫酸エステル塩またはスルホコハク酸エステル塩など
が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、高級ア
ミンハロゲン酸塩、ハロゲン化アルキルピリジニウムま
たは第4級アンモニウム塩などが挙げられる。両性界面
活性剤としては、ラウリルアミノプロピオン酸塩または
ラウリルジメチルベタインなどが挙げられる。非イオン
性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどのポ
リオキシエチレングリコールアルキルエーテル類、ポリ
エチレングリコールモノステアレートなどのポリエチレ
ングリコール脂肪酸エステル類、ソルビタンモノラウレ
ート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートな
どのソルビタン脂肪酸エステル類、グリコールモノステ
アレートなどのグリコール脂肪酸エステル類または脂肪
酸モノグリセリド類などが挙げられる。なお、これらを
2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0016】バインダー中の結合成分としては、とくに
限定されるものではなく、たとえば有機系の結合成分と
して、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、澱粉、カルボキシメチルスターチ、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビ
ニルアルコール、シランカップリング剤、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニルまたは
ウレタン樹脂などが挙げられる。また無機系の結合成分
としては、水ガラス、コロイダルシリカ、コロイダルア
ルミナまたはアミノシランなどが例示される。これらの
中で、シランカップリング剤、エポキシ樹脂およびウレ
タン樹脂を含有するものが好ましい。シランカップリン
グ剤は、有機ケイ素化合物であり、分子中に2種以上の
反応基をもち、その1つがガラスフレークの表面と反応
し、他の反応基が有機系の結合成分および熱可塑性樹脂
と反応するため、ガラスフレークと熱可塑性樹脂との馴
染みを改善させることができる。また、エポキシ樹脂と
ウレタン樹脂は、シランカップリング剤および熱可塑性
樹脂との馴染みがよい。これらを併用すれば、ガラスフ
レークは熱可塑性樹脂樹脂と強固に結合し、補強材とし
ての十分な機能を発揮することができる。バインダーが
シランカップリング剤、エポキシ樹脂およびウレタン樹
脂を含有する場合、各成分の含有比率はとくに限定され
ないが、顆粒状ガラスフレークが配合される熱可塑性樹
脂の種類に応じて適宜決定することが好ましい。
【0017】結合成分の含有率は、溶媒を含むバインダ
ーの全重量に対して固形分で1〜10重量%であること
が好ましい。この含有率が1重量%未満の場合は、濃度
が低すぎて、ガラスフレークの表面に十分に付着するこ
とができず、顆粒状ガラスフレークの結合力が低下す
る。一方、10重量%を越えると、濃度が高すぎて、所
望のバインダーの付着率に調整することおよびガラスフ
レークの表面に均一に塗布することが困難になる。バイ
ンダーには結合成分と界面活性剤の他に、この発明の目
的を損なわない範囲で公知の添加剤を加えてもよい。
【0018】バインダーは、通常は水またはアルコール
を溶媒として、ガラスフレークの表面に各成分が均一に
存在しうるようにその濃度を調整される。具体的には、
全固形分濃度で表して1〜10重量%が好ましい。
【0019】バインダーの製造方法は、とくに限定され
るものではなく、常温大気圧下で結合成分と界面活性剤
などを溶媒中に適宜添加し、均一になるまで撹拌するこ
とにより製造される。
【0020】顆粒状ガラスフレークにおけるバインダー
の付着率は、固形分で0.1〜2重量%である。この付
着率が0.1重量%未満の場合は、ガラスフレーク同士
の結合力が弱いため、飛散性が高くなる。一方、2重量
%を越えると、ガラスフレーク同士の結合力は頭打ちと
なり非経済的であるばかりか、押し出し成形時にガスが
発生し金型の汚染を引き起こす、あるいは樹脂組成物が
変色するおそれが生じる。なお、この付着率の範囲と、
上記バインダーの全固形分重量に対する界面活性剤の含
有率の範囲とから、顆粒状ガラスフレークに対する界面
活性剤の付着率は、1×10-5〜2×10-2重量%とな
る。
【0021】顆粒状ガラスフレークの製造方法は、とく
に限定されるものではなく、公知の手段で製造すること
ができる。たとえば、撹拌造粒法、流動層造粒法、噴射
造粒法および回転造粒法などである。具体的には、スプ
レーなどを用いてバインダーを適量付着させたガラスフ
レークを回転ドラム中または振動するトレイ上に拡げ、
加熱して溶媒を蒸発させつつ、造粒する方法などであ
る。この造粒時の回転ドラムの回転速度または振動トレ
イの振動周波数、ならびに溶媒の蒸発速度(加熱温度に
大凡比例する)などの条件を適宜調整することにより、
所望の大きさの顆粒状ガラスフレークを製造することが
できる。
【0022】熱可塑性樹脂としては、とくに限定される
ものではないが、たとえばポリ塩化ビニル、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポ
リアミド、ポリカーボネート、ポリブチレン、ポリブチ
レンテレフタレートまたはこれらの共重合体などが挙げ
られる。これらの中でもポリブチレンテレフタレート
は、ガラスフレークを配合した場合に、成形品の反りお
よび寸法安定性において改善効果が大きいので好まし
い。
【0023】顆粒状ガラスフレークは、押し出し成形機
を用いて熱可塑性樹脂中に均一に分散される。このよう
にして製造された樹脂組成物は、射出成形などにより所
望の形状に成型されてもよい。
【0024】樹脂組成物中のガラスフレークの含有率
は、5〜70重量%が好ましい。5重量%未満の場合
は、補強材としての機能が十分に発揮されない。一方、
70重量%を越えると、樹脂組成物中での均一分散が困
難になる。
【0025】なお、樹脂組成物は、その用途に応じて、
ガラス繊維などのガラスフレーク以外の補強材を含有し
てもよい。たとえば、電器・電子機器部品の用途では、
非常に高い強度が要求されることから、ガラスフレーク
と同量程度のガラス繊維を配合することが好ましい。
【0026】この発明の顆粒状ガラスフレークを用いれ
ば、飛散性が極めて低いので、押し出し成形機に投入す
る前段階での取り扱いが容易となり、作業性が改善され
る。また、顆粒状ガラスフレークは、押し出し成形機な
どのフィード部において詰まりおよび食い込み不良を生
じさせ難く、この点においても作業性の改善に寄与しう
るものである。さらに、顆粒状ガラスフレークは、樹脂
組成物中での分散性が極めてよいので、その細部にまで
均一に行き渡り、反りや歪みのない形状安定性の極めて
高い樹脂組成物の成形に寄与する。
【0027】
【実施例】以下、この発明の実施の形態について、具体
的に説明する。 (実施例1)水を溶媒として、アミノシランカップリン
グ剤(日本ユニカー社製 A100)、エポキシ樹脂
(BPAタイプ・エポキシ当量1800)、ウレタン樹
脂(トリレインジイソシアネート エーテル系溶媒)お
よび界面活性剤(アニオン性:ジオクチルスルフォコハ
ク酸ナトリウム)の各成分を固形分重量含有率で順に2
8.4重量%、28.4重量%、42.6重量%および
0.6重量%となるように配合し、常温常圧下で均一に
なるまで撹拌してバインダーを製造した。このバインダ
ーの全固形分濃度は、5.0重量%であった。
【0028】このバインダーを平均粒径140μm、平
均厚さ5μmのガラスフレーク(金属薄膜などを有しな
い)にスプレーを用いて塗布し、その後ガラスフレーク
を回転ドラムに投入し、回転造粒法により顆粒状ガラス
フレークを製造した。顆粒状ガラスフレークは、平均粒
径700μmでほぼ球形であり、強熱減量法で測定した
ところ、バインダーの固形分付着率は0.6重量%であ
った。
【0029】この顆粒状ガラスフレークについて、図1
の装置を用いて、つぎの方法により飛散性を測定した。
円筒の側面にフィルタを備えた吸引口を設け、この吸引
口から4kPaで吸気しつつ、円筒の上部から100g
の顆粒状ガラスフレークを投入し、円筒の下のトレイに
落下した顆粒状ガラスフレークの重量を測定する。測定
の結果、剥離したガラスフレークの重量は3gであっ
た。
【0030】また、顆粒状ガラスフレークを所定形状の
ホッパーに投入し、ホッパー下部の排出口より5秒間に
排出される顆粒状ガラスフレークの重量を測定すること
により、その流動性を測定した。その結果107gであ
った。この排出量が多いほど、流動性が良好で、押し出
し成形機のフィード部における詰まりおよび食い込み不
良が生じ難いことを示す。
【0031】顆粒状ガラスフレークを熱可塑性樹脂に配
合して、その分散性を測定した。押し出し成形機(田辺
プラスチックス機械(株)製 VS50)を用いて、顆
粒状ガラスフレーク40重量部、ポリブチレンテレフタ
レート樹脂100重量部の割合で配合し、ペレットを成
型した。このペレットについて軟X線写真で観察したと
ころ、ガラスフレークの塊は認められず、ガラスフレー
クがほぼ全体に均一分散していることが確認された。こ
の観察において、ペレット500個中に存在するガラス
フレークの塊の数により、分散性を評価する。ガラスフ
レークの塊が存在しなかった場合を「5」、1つの場合
を「4」、2つの場合を「3」、3つの場合を「2」、
4つ以上の場合を「1」として、下記「表1」に記載す
る。
【0032】さらに、このペレットを射出成型機(日本
製鋼所社製 N70−BII)を用いて所定の形状に成型
して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物に関し、JIS
K7113に従い、引っ張り強度を測定した。その結
果、72.7MPaであった。これらの条件および測定
結果を、下記「表1」に併せて示す。
【0033】(比較例1〜6)実施例1において、バイ
ンダー中の各成分の含有率を変更した以外は同様にし
て、顆粒状ガラスフレークおよび樹脂組成物を製造し、
その特性を評価した。各比較例におけるバインダー中の
各成分の含有率、ならびに顆粒状ガラスフレークおよび
樹脂組成物の特性について、下記「表1」に併せて記載
する。
【0034】
【表1】
【0035】実施例1および比較例1〜6を比較するこ
とにより、つぎのことが判る。実施例1と比較例6とを
対比することにより、界面活性剤を適量含有するバイン
ダーで造粒した顆粒状ガラスフレークは、樹脂組成物中
での分散性がバインダーを使用していないガラスフレー
クと同じ程度であることが判る。
【0036】実施例1と比較例5とを対比することによ
り、界面活性剤を使用しなければ、顆粒状ガラスフレー
クの分散性が低下することが判る。
【0037】実施例1と比較例1とを対比することによ
り、界面活性剤を使用しない場合、バインダーの付着率
を低下させれば、顆粒状ガラスフレークの分散性を高め
ることはできるが、これに伴い飛散性および流動性は低
下することが判る。
【0038】実施例1と比較例4とを対比することによ
り、バインダーの付着率が高すぎれば、樹脂組成物が変
色することが判る。
【0039】実施例1と比較例2とを対比することによ
り、界面活性剤の含有率が高すぎれば、顆粒状ガラスフ
レークの飛散性および流動性が低下することが判る。
【0040】比較例3と比較例6とを対比することによ
り、バインダーに結合成分が存在しなければ、ガラスフ
レークは殆ど顆粒状にならないことが判る。
【0041】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
ることから、つぎの効果を奏する。
【0042】請求項1に記載の発明の顆粒状ガラスフレ
ークは、界面活性剤を適量含有するバインダーが適量付
着するものであるので、飛散性が極めて低く、押し出し
成形機のフィード部での詰まりや食い込み不良の発生を
防止することができる。
【0043】請求項2に記載の発明の顆粒状ガラスフレ
ークは、請求項1に記載の発明の効果に加えて、バイン
ダーがシランカップリング剤、エポキシ樹脂およびウレ
タン樹脂を含有するものであるので、ガラスフレークと
熱可塑性樹脂との接着力を高めることができる。
【0044】請求項3に記載の発明の樹脂組成物は、請
求項1または2に記載の顆粒状ガラスフレークを含有す
るので、ガラスフレークが端部にまで均一に分散して、
反りや歪みのない形状安定性に優れた樹脂成型品が容易
に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】顆粒状ガラスフレークの飛散性を測定する装置
を示す模式図である。
【符号の説明】
1 顆粒状ガラスフレーク 2 フィルタ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全固形分重量に対し界面活性剤を固形分
    で0.01〜1重量%含有するバインダーが0.1〜2
    重量%付着する顆粒状ガラスフレーク。
  2. 【請求項2】 上記バインダーは、シランカップリング
    剤、エポキシ樹脂およびウレタン樹脂を含有するもので
    ある請求項1に記載の顆粒状ガラスフレーク。
  3. 【請求項3】 上記請求項1または2に記載の顆粒状ガ
    ラスフレークを含有する樹脂組成物。
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