JP3504356B2 - 固体撮像装置の駆動方法 - Google Patents

固体撮像装置の駆動方法

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JP3504356B2
JP3504356B2 JP31062194A JP31062194A JP3504356B2 JP 3504356 B2 JP3504356 B2 JP 3504356B2 JP 31062194 A JP31062194 A JP 31062194A JP 31062194 A JP31062194 A JP 31062194A JP 3504356 B2 JP3504356 B2 JP 3504356B2
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哲夫 笘
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は撮像装置に関し、特に半
導体ホトダイオード等の光電変換素子と電荷結合デバイ
ス(CCD)で形成された電荷転送路とを用いた固体撮
像装置の駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】固体撮像装置として、CCD転送方式の
ものが知られており、電子カメラ、複写機、その他の映
像機器に利用されている。
【0003】インターライン型固体撮像装置において
は、多数のホトダイオードを垂直、水平方向に配列して
画素行列を形成し、各ホトダイオード列に隣接して電荷
結合デバイス(CCD)の垂直電荷転送路(VCCD)
を形成する。各VCCDの終端に隣接してCCDの水平
電荷転送路(HCCD)を形成し、1行ずつ画像電荷信
号を読み出す。
【0004】近年、固体撮像装置に対する小型化の要求
が強い。チップサイズを1インチから2/3インチ、1
/2インチ、1/3インチと縮小する時も、固体撮像装
置の垂直方向画素数はNTSC、PAL等の規格で定ま
っているためホトダイオードの数はほぼ変わらない。
【0005】ホトダイオードの電荷を一度に全て独立に
読みだすためには電荷を蓄積するためと電荷を互いに分
離するためとに、ホトダイオード1個当たり最低2つ電
極が必要である。しかし、これでは電荷を転送できな
い。各電荷を混合せずに転送するためには、ホトダイオ
ード1個当たり3つ以上の転送電極が必要である。
【0006】ところが、チップサイズを減少していくと
微細加工には限界があり、ホトダイオード1個当たり3
つ以上の電極を形成することは困難になる。ところで、
NTSC、PAL等の規格ではインタレース方式の画像
信号が得られればよいので、1ラインおきのフィールド
を2回走査して1画面(フレーム)が得られればよい。
そこで、ホトダイオードの1行当たり2つの転送電極を
有するVCCDが用いられる。
【0007】図12に、このような固体撮像装置の構成
を概略的に示す。ホトダイオードPDが行列状に配置さ
れ、ホトダイオードPDの各列に近接して垂直電荷転送
路VCCDが配置されている。垂直電荷転送路VCCD
上には破線で示すように各PD当たり2つの転送電極が
配置されている。各ホトダイオードPDは、VCCDの
1つの電極下と結合され、電荷を移動させることができ
る。各VCCDの下端は水平電荷転送路HCCDに結合
されている。VCCDから1行分の電荷がパラレルにH
CCDに転送され、HCCDはこれらの電荷を図中左方
にシリアルに転送する。
【0008】ホトダイオードPDはAフィールド用、B
フィールド用の2種類に分類され、列方向に交互に配列
される。Aフィールド読み出し時にはA1、A2のホト
ダイオードPDの電荷のみがVCCDに読み出される。
すると電荷1つ当たり4つの転送電極が存在するので、
通常の4相駆動でVCCD中を電荷転送することができ
る。
【0009】VCCDに読み出された電荷は、水平ブラ
ンキング期間中に1行づつVCCDからHCCDにパラ
レルに転送され、水平走査期間中にHCCD中を横方向
に転送されてシリアルに読み出される。
【0010】ところが、高精細なスチル画像を撮像する
ような要求に対しては全ホトダイオードの電荷を一度に
取り出すことが望まれている。高精細な画像を得るには
画素数は多いほど望ましいからである。全画素の電荷を
一度にVCCDに読み出すと、VCCD中では1つ置き
の転送電極下に画像電荷が存在することになる。
【0011】この種の装置において全蓄積電荷を同時に
読み出す方式として、アコーディオン転送方式が提案さ
れている( PHILIPS TECHNICAL REVIEW VOL.43, No.1/
2, 1986, A. J. P. Theuwissen および C. H. L. Weijt
ens)。
【0012】まず、VCCD中の最下行の電荷のみをH
CCDに転送する。次に下から2行目の電荷をHCCD
に転送する。この時2行目の電荷が1電極分下に移動す
ると、3行目の電荷と2行目の電荷との間に2電極分の
スペースが生じる。すると3行目の電荷も転送できる状
態となる。このようにして、VCCD下側から徐々に、
2電極当たり1個の電荷分布を4電極当たり1個の電荷
分布に変換して電荷転送を行なう。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ストロボ露光のように
短時間に強い光が照射されると、VCCDの電荷転送路
に光電荷が漏れ込み、転送路にスミア電荷が蓄積され
る。通常、電荷転送路を駆動してスミア電荷の掃き出し
が行われる。ところが、スミア電荷が一定距離転送され
た時点で、信号電荷が転送路に取り込まれると、VCC
Dの転送方向に一定距離移動した位置に、スミア電荷に
よる像が現れてしまう。
【0014】本発明の目的は、スミア電荷によるゴース
ト像の発生を防止することが可能な固体撮像装置の駆動
方法を提供することである。
【0015】
【0016】
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の固体撮像装置の
駆動方法は、行列状に配置された多数個の光電変換素子
と、前記光電変換素子の各列に隣接して配置され、光電
変換素子に蓄積された電荷を取り込むことができ、取り
込んだ電荷を転送することのできる複数列の垂直CCD
と、前記複数列の垂直CCDに接続され、垂直CCDか
ら転送される電荷を並列に受け、転送して直列に出力す
ることのできる水平CCDとを有する固体撮像装置の駆
動方法であって、前記垂直CCDを駆動し、垂直CCD
にスミア電荷が蓄積されている場合には該スミア電荷を
前記水平CCDに転送し、前記水平CCDに転送された
電荷を外部に転送するスミア掃き出し工程と、外部から
与えられる露光開始信号に同期して、前記スミア掃き出
し工程を停止し、かつ前記光電変換素子が電荷を蓄積で
きる状態にする露光開始工程と、前記垂直CCDによる
電荷の転送を停止した状態で、前記光電変換素子を露光
して光電変換を行い、電荷を蓄積する工程と、前記多数
個の光電変換素子に蓄積された電荷を垂直CCDに取り
込む工程と、前記垂直CCDに取り込まれた電荷を、前
記垂直CCD及び前記水平CCDを通して外部へ取り出
す電荷取り出し工程とを含み、撮像すべき被写体にスト
ロボ光を照射し、該ストロボ光の反射光を受けて前記光
電変換素子が光電変換を行う場合に、前記露光開始信号
は、ストロボの発光に同期して発生し、前記電荷取り出
し工程は、前記水平CCDから各垂直CCDへ電荷の存
在しない状態である空パケットを送り込む工程と、前記
垂直CCD内に空パケットが分布している状態で空パケ
ットが垂直CCD内の2行分以上を動く所定周期毎に水
平CCD内で1行分の電荷転送を行ない、垂直CCDに
1行分の空パケットを送り込む転送工程とを含み、前記
スミア掃き出し工程における、前記垂直CCDに蓄積さ
れたスミア電荷を水平CCDに転送するための前記垂直
CCDの駆動周期は、前記垂直CCDに取り込まれた電
荷を外部へ取り出す電荷取り出し工程における前記垂直
CCDの駆動周期より短い
【0018】
【0019】
【作用】露光前にスミア掃き出しを行い、露光時に垂直
CCDの駆動を停止すれば、露光期間中に発生したスミ
ア電荷は垂直CCD中を移動しない。これにより、露光
時に発生したスミア電荷によるゴースト像の発生を防止
することができる。
【0020】ミア掃き出しを行った後は、通常暗電流
を抑制するために垂直CCDをピニング状態にする。垂
直CCDがピニング状態にされると、チャネルにポテン
シャルバリアが形成されないため、スミア電荷が垂直C
CDの転送路に沿って拡散する。拡散した電荷が信号電
荷に重畳して取り出されることにより、像がぼける。
【0021】露光直前までスミア電荷の掃き出しを行う
ことにより、露光直前までに発生したスミア電荷を掃き
だすことができ、スミア電荷の拡散による像のぼけを防
止することができる。
【0022】また、電荷取り出し工程で、水平CCDか
ら各垂直CCDへ空パケットを送り込み、垂直CCD内
に空パケットが分布している状態で空パケットが垂直C
CD内の2行分以上を動く所定周期毎に水平CCD内で
1行分の電荷転送を行ない、垂直CCDに1行分の空パ
ケットを送り込めば、水平CCDにおいて、1行分の電
荷転送を行なう間に、空パケットが垂直CCD内を2行
分以上進行する。このため、空パケットは高速でVCC
D内を移動する。この時、垂直CCD内の電荷は空パケ
ットの移動によってその位置を変更する。
【0023】蓄積電荷に対する暗電流の影響は、蓄積電
荷の滞在時間が長くなると顕著になる。所定周期で蓄積
電荷を移動させることにより、蓄積電荷に対する暗電流
の影響を低減することができる。
【0024】また、蓄積電荷がその位置を変えることに
より、場所的分布を有する暗電流の影響は平均化され、
固定パターンノイズの発生を防止することができる。
【0025】
【実施例】まず、本出願人が先に提案した空パケット転
送型固体撮像装置について説明する。
【0026】図1(A)は垂直CCD(VCCD)2お
よび水平CCD(HCCD)5における電荷分布の時間
変化を示す。図中、縦方向にVCCD2およびHCCD
5内における電荷の分布を示し、横方向にその時間変化
を示す。
【0027】また、図1(B)においては、光電変換素
子であるホトダイオード(PD)1およびVCCD2の
位置的関係を概略的に示す。図1(A)の左端に示すサ
イクルc1において、全ホトダイオード1からVCCD
2に蓄積電荷が取り込まれる。なお、図中ハッチングを
付した四角が蓄積電荷の存在する電極を示す。実際に
は、これら電極の間に電位障壁を形成している電極が存
在するが、図示を省略する。すなわち、ホトダイオード
1行当たり1つの電極のみが図示されている。
【0028】図1(B)に示すように、VCCD2にお
いては、1行当たり2つの転送電極3、4が形成されて
おり、その1つの転送電極3がホトダイオード1にトラ
ンスファゲート7を介して接続されている。
【0029】したがって、全ホトダイオード1からVC
CD2に電荷が取り込まれたサイクルc1においては、
VCCD2の1つおきの電極3下に電荷が取り込まれて
いる。この状態においては、電荷の取り込まれた相互に
隣接する転送電極3の間のバリアを形成している電極4
の下のポテンシャルを低くすれば、電荷混合が生じてし
まう。
【0030】なお、サイクルc1において、HCCD5
は蓄積電荷を保有せず、空パケット6を有している。次
のサイクルc2においては、HCCD5に存在していた
空パケット6が、VCCDの下から2番目の電極下まで
転送されている。このため、VCCD2の下から2番目
までの電極下に蓄積されていた電荷は、それぞれ1つず
つ下に転送される。この時、VCCD2の1番下にあっ
た電荷を、まずHCCD5に転送し、次に2番目の電極
下に存在していた電荷を1番下の電極下に転送すること
により、電荷混合を生じさせずに空パケット6をVCC
D内に下から2行目まで送り込むことができる。
【0031】その後、サイクルc3、c4、c5と進む
間に空パケット6を順次2行分ずつ上に送る。このよう
にして、サイクルcnにおいては、空パケット6が下か
ら(n−1)×2番目の電極下まで送り込まれる。
【0032】サイクルc1からcnまでを1周期とし、
ここでHCCD5の電荷転送を行なう。HCCD5に転
送されていた電荷は、出力されることによってHCCD
5内には1行分の空パケットが形成される。この状態を
サイクルc(n+1)で示す。
【0033】サイクルc(n+2)から、再びHCCD
5内の空パケット6をVCCD2内に送り込み、順次上
方に転送する。サイクルc2でVCCD2内に送り込ま
れた空パケット6も順次上方に転送される。この工程
は、サイクルc2からcnまでの工程と同様である。
【0034】このようにして、サイクルc(2n)には
サイクルc(n+2)でVCCD2内に送り込まれた空
パケット6が、再び所定の位置まで転送される。ここ
で、サイクルc(2n+1)において、再びHCCD内
に蓄積された電荷を転送し、HCCD5内に空パケット
を形成する。
【0035】このような動作を繰り返すことにより、H
CCD5が水平電荷転送を1回行なう度に、VCCD内
で空パケット6は2(n−1)行分移動する。空パケッ
ト6が通過する際、その位置における電荷は一行分位置
を変更する。
【0036】空パケットの移動速度は1周期当たり1行
の蓄積電荷の移動速度よりも十分速いものとすることが
できる。このため、従来の電荷転送方式において、HC
CDから離れた位置の電荷が長時間一定箇所に保持され
ることが防止され、電荷は所定時間毎にその位置を変化
させる。したがって、暗電流の影響が低減し、さらに固
定パターン(白キズ)の発生が防止される。
【0037】図2は、このようなVCCD内の電荷転送
の様子を示すポテンシャルダイヤグラムである。縦軸は
ポテンシャルを示す。電荷が電子の場合は下方向が電圧
の正方向である。図中、上側のポテンシャルがローレベ
ル電圧であり、下側のポテンシャルがミドルレベル電圧
である。ハイレベル電圧はホトダイオードからVCCD
に電荷を読み出す時に用いられ、図2では表れない。
【0038】VCCD2を2行分ずつの単位に分け、
A、B、C、…の符号を付して図中横方向に示す。ま
た、図中縦方向には時間経過を示す。8段の時間経過、
たとえばt11〜t18が、図1に示す1サイクルcに
相当する。
【0039】また、図1においては、空パケットは2
(n−1)行毎に1つ分布したが、図2においては、1
0行おきに1つの空パケットを分布する場合を示す。ま
た、図1においては、VCCD中ホトダイオード1に接
続された位置の電極のみを示したが、図2においては、
ホトダイオードに接続された電極3およびそれらの間の
電極4を共に示す。
【0040】時刻t08においては、電極A4とF4下
に空パケットが分布している。次の時刻t11において
は、B1電極およびG1電極の電位をミドルレベルVM
とし、その電極下にポテンシャル井戸を形成する。この
ため、B2電極とG2電極下に収容されていた電荷は3
つの電極A4〜B2およびF4〜G2下に亘って分布す
るようになる。
【0041】次に時刻t12において、電極B2とG2
下のポテンシャルが上げられる。このため、3電極分に
分布していた電荷は、電極A4、B1下およびF4、G
1下の2電極分に押し込められる。
【0042】次に時刻t13においては、2電極分に亘
って形成されていた電位障壁の右側部分、すなわち電極
B3およびF3下のポテンシャルが下げられ、電極B4
およびG4下に蓄積されていた電荷を2電極分にわたっ
て分布させる。
【0043】時刻t14においては、電極B1およびG
1下のポテンシャルが上げられ、電極A4、B1の2電
極分および電極F4、G1の2電極分に亘って分布して
いた電荷を1つの電極A4およびF4下に閉じ込める。
この段階で電極B2、F2下に蓄積されていた電荷は、
電極A4、F4下に1行分移動している。
【0044】次のタイミングt15においては、電極B
2およびG2下のポテンシャルを下げることによって2
電極分にわたって形成されたバリア部を1電極分とし、
2電極分B3、B4およびG3およびG4にわたって分
布していた電荷を、3電極分B2〜B4およびG2〜G
4にわたって分布させる。
【0045】次に時刻t16において、電極B4および
G4下のポテンシャルを上げ、3電極分にわたって分布
していた電荷を2電極分に縮める。続いて時刻t17に
おいては、さらに電極B3およびG3下のポテンシャル
を上げ、2電極分にわたって分布していた電荷を1電極
分に閉じ込める。この段階で電極B4、F4下に蓄積さ
れていた電荷は、電極B2、F2に1行分移動してい
る。
【0046】次に時刻t18において、電極B4および
G4下のポテンシャルを下げると、そこに空パケットが
形成される。このような動作により、時刻t08におい
てA4およびF4に存在していた空パケットは、時刻t
18においては2行分移動した位置B4およびG4に移
動されている。すなわち、B段の各電荷が1行移動する
間に空パケットは2行移動している。
【0047】なお、時刻t11からt18までの期間に
おける電荷移動は、B段およびG段の各電極下のポテン
シャルを制御することのみによって行なわれる。すなわ
ち、この間A段、C〜F段は停止状態に保持される。A
段からE段までの蓄積電荷が各々1行移動するには、同
様のサイクルが5回繰り返される。
【0048】時刻t21からt28においては、C段お
よびH段(図示せず)のポテンシャルを制御し、時刻t
11からt18までと同様の動作をさせることにより、
B4およびG4に存在していた空パケットをC4および
H4(図示せず)に移動させる。このような電荷転送を
繰り返すことにより、VCCD内での電荷転送速度より
も10倍の速度で空パケットをVCCD内に移動させる
ことができる。
【0049】また、たとえば電極B2およびB4下に存
在していた電荷は、時刻t11からt18までの1サイ
クルによって電極A4およびB2下に移動される。この
ように電荷位置が移動することにより、暗電流の発生は
低減する。また、同一電荷が同一位置に保持される時間
が制限される。このため、固定パターンノイズの発生も
防止される。
【0050】図3は、上述のような電荷転送を制御する
固体撮像装置の回路を示す。図中、左側にはホトダイオ
ードPD1の行列、ホトダイオード行列の各列に結合し
た垂直電荷転送路VCCD2、複数のVCCD2の下端
に接続された水平電荷転送路HCCD5が示されてい
る。
【0051】読み出しパルス制御回路17は、ホトダイ
オードPDからVCCDへ電荷を読み出すための転送ゲ
ート信号φTGを供給する。転送パルス制御回路18
は、図2に示す2行単位内の4種類の転送電極に印加す
る4種類の駆動信号φV1、φV2、φV3、φV4を
供給する。また、制御回路18は駆動信号が与えられな
い組の転送電極へバリア形成用電圧BAW、蓄積ウェル
形成用電圧STPを、これらの電圧印加を制御するタイ
ミング信号φINVに従って供給する。
【0052】シフトレジスタ19は、制御信号φA、φ
B、φIN、φSRLを受け、転送パルス制御回路18
が電荷転送を行なう部分に対してのみ転送信号を供給す
るように制御する信号Sを発生する。
【0053】図4は、図3に示す固体撮像装置の読出パ
ルス制御回路17、転送パルス制御回路18をより具体
的に示す。ホトダイオードPDとVCCDの構成は図1
に示すものと基本的に同様である。シフトレジスタ19
は、VCCDの駆動領域を順次シフトさせるためのシフ
ト信号Sを出力する。シフト信号S1が出力されている
間は、第1行目および第2行目に対応するVCCDの転
送電極のみが駆動される。同様に、シフト信号S2が出
力されている間は、第3行目、第4行目に対応するVC
CDの転送電極のみが駆動される。
【0054】シフト信号Sが供給されない領域において
は、VCCD中の電荷転送は行なわれない。垂直方向に
電荷転送が行なわれない間、蓄積された電荷を保持する
ために、信号φINVが供給される。シフト信号Sが供
給されているときは、転送パルス制御回路18右側のト
ランジスタ列がオンになり、駆動信号φV1、φV2、
φV3、φV4がVCCDに供給される。シフト信号S
が供給されないときは、転送パルス制御回路18左側に
2列で示されたトランジスタがオンになり、VCCDの
電荷が蓄積される電極にはストレージ電圧STP(ミド
ルレベル)、障壁となっている電極にはバリア電圧BA
W(ローレベル)が各VCCD電極に供給される。ま
た、ホトダイオードPDからVCCDに電荷を読み出す
際には、読出パルス制御回路17を介して読出信号φT
Gが与えられる。
【0055】なお、図3に示すHCCDには2相駆動信
号φH1、φH2が供給される。HCCDの出力は、出
力アンプを介して読み出される。リセット信号φRS
は、電荷信号読み出し毎に出力アンプ部のリセットを行
なう。
【0056】図5は、図2に示すような電荷転送を行な
うための制御信号のタイミングチャートを示す。図5
(A)は制御回路への入力信号φIN、φA、φB、お
よび図2に示す4種類の電極に印加する駆動信号φV
1、φV2、φV3、φV4およびHCCD5に印加す
る駆動信号φHを示す。
【0057】図5(B)は、4種類の電極に印加される
駆動信号φV1、φV2、φV3、φV4を拡大して示
すタイミングチャートである。制御信号φAがハイレベ
ルになっている期間に、4相の駆動信号φV1〜φV4
がそれぞれ所定の位相で1つのパルスを発生する。
【0058】図5(B)において、時刻t8においては
駆動信号φV1およびφV3がローレベルLにあり、φ
V2およびφV4がミドルレベルMにある。この状態
が、図2におけるt08、t18、t28に相当する。
【0059】時刻t1においては、駆動信号φV1がロ
ーレベルLからミドルレベルMに変化する。ローレベル
は、たとえば−8〜−9Vの電位であり、ミドルレベル
Mは、たとえば0Vの電位である。駆動信号φV1がミ
ドルレベルに変化すると、対応する電極の下はバリア状
態からウェル状態に変化する。
【0060】図2において、時刻t11の電極B1、G
1および時刻t21の電極C1がこの状態に相当する。
図5(B)において、時刻t2においては、駆動信号φ
V2がミドルレベルMからローレベルLに変化する。こ
の駆動信号φV2の変化により、対応する2番目の電極
下はウェル状態からバリア状態に変化する。図5(B)
の時刻t2は、図2におけるt12、t22、…に対応
する。
【0061】図5(B)における時刻t3においては、
駆動信号φV3がローレベルLからミドルレベルMに変
化する。この駆動信号φV3の変化により、対応する3
番目の電極下はバリア状態からウェル状態に変化する。
図5(B)の時刻t3は、図2における時刻t13、t
23、…に対応する。
【0062】図5(B)における時刻t4においては、
駆動信号φV1がミドルレベルMからローレベルLに変
化する。この駆動信号φV1の変化により、対応する1
番目の電極下はウェル状態からバリア状態に変化する。
この状態は図2における時刻t14、t24、…に対応
する。
【0063】図5(B)における時刻t5においては、
駆動信号φV2がローレベルLからミドルレベルMに変
化する。すなわち、対応する2番目の電極下は、バリア
状態からウェル状態に変化する。この状態は図2におけ
る時刻t15、t25、…に対応する。
【0064】図5(B)における時刻t6においては、
駆動信号φV4がミドルレベルMからローレベルLに変
化する。対応する4番目の電極下は、ウェル状態からバ
リア状態に変化する。この状態は図2における時刻t1
6、t26、…に対応する。
【0065】図5(B)における時刻t7においては、
駆動信号φV3がミドルレベルMからローレベルLに変
化する。対応する3番目の電極下は、ウェル状態からバ
リア状態に変化する。この状態は図2における時刻t1
7、t27、…に対応する。
【0066】図5(B)における時刻t8においては、
初めの時刻t8と同様な状態が実現され、VCCD内に
おいては1つおきにウェルとバリアが分布する。t1か
らt8までの1サイクルによって、VCCD内に配置さ
れていた空パケットは2行分移動する。
【0067】なお、このような制御信号は、空パケット
を移動しようとする段にのみ印加される。その他の段
は、蓄積電荷を保持する停止状態に保たれる。たとえ
ば、電荷を蓄積している電極3下にはミドルレベルの電
位を印加し、電荷を蓄積せず、バリア部を形成している
電極4下には、ローレベルの電位が印加される。
【0068】上述の例においては、VCCDからHCC
Dに電荷を転送する速度よりも十分速い速度、たとえば
数倍ないし数十倍速い速度で空パケットをVCCD内に
分布することができる。このため、VCCD内上部に取
り込まれた電荷も、速やかにその位置を変更することに
なる。電荷が一定位置に止まらず、その位置を移動させ
ることにより、暗電流の発生は低減し、固定パターンの
発生は防止される。
【0069】上述の例においては、最初にHCCDから
VCCDに送り込まれた空パケットが一定距離移動する
毎にHCCD内における電荷転送が行なわれる。最初の
空パケットがVCCD上端に到達するまでは、VCCD
上段に取り込まれた電荷は同じ位置に保持され、その間
に何回かの水平電荷転送が行なわれる。
【0070】図6は、図3に示すシフトレジスタ19の
構成をより具体的に示す。シフト段SF1、SF2、…
が直列に接続され、終了段EXで終端している。各シフ
ト段は同等の構成を有しているので代表的に最初のシフ
ト段SF1の回路を説明する。
【0071】図6に示すように3個のnMOSトランジ
スタT11、T12、T13の直列回路が、制御信号φ
Bの信号線と制御信号φSRLの信号線との間に接続さ
れている。トランジスタT11のゲート接点とソース接
点間にはブートストラップ用コンデンサC11が接続さ
れている。トランジスタT12のゲート接点とドレイン
接点が相互に接続され、ドレイン接点はnMOSトラン
ジスタT14のドレイン接点に接続されている。トラン
ジスタT14のソース接点は制御信号φSRLの信号線
に、ゲート接点は制御信号φAの信号線にそれぞれ接続
されている。
【0072】さらに、nMOSトランジスタT11、T
12、T13、T14及びコンデンサC11で構成され
る回路と同一の回路がnMOSトランジスタT21、T
22、T23、T24及びコンデンサC21で形成さ
れ、トランジスタT13のドレイン接点とトランジスタ
T21のゲート接点が、抵抗R21を介して接続されて
いる。ただし、信号φAと信号φBの接続は逆になる。
【0073】トランジスタT11のゲート接点には抵抗
R11の一端が接続されており、抵抗R11の他端がシ
フト段SF1の入力点になる。トランジスタT23のド
レイン接点がシフト段SF1の出力点になる。このよう
に構成されたシフト段が複数形成され、各シフト段の入
力点に前段の出力点が接続されている。
【0074】シフト段SF1の入力点には、nMOSト
ランジスタT00を介して入力信号φINが供給され
る。トランジスタT00のゲ−ト接点は制御信号φAの
信号線に接続され、制御信号φAがハイレベルの時のみ
入力信号φINがシフト段SF1に供給される。
【0075】各シフト段のトランジスタT13、T23
のゲート接点は、それぞれ次段のトランジスタT11、
T21のソース接点に接続されている。各シフト段SF
nのトランジスタT21のソース接点が抵抗R21とコ
ンデンサC21の直列回路を介して接地電位に接続さ
れ、抵抗R21とコンデンサC21との相互接続点がシ
フト信号Snを形成出力する。
【0076】終了段EXは次段に信号を出力する必要が
ないため、トランジスタT22、T23は接続されてい
ない。また、終了段EXには次段がないため、トランジ
スタT13のゲート接点に与える信号を形成するための
回路が、nMOSトランジスタT31、T33、T34
により形成されている。トランジスタT31、T33、
T34がそれぞれ次段のトランジスタT11、T13、
T14に相当している。次段のトランジスタT12に対
応するトランジスタは接続されておらず、トランジスタ
T31とT33が直接接続されている。
【0077】トランジスタT31のゲート接点は制御信
号φBの信号線に接続され、トランジスタT33のゲー
ト接点は終了段のトランジスタT11のソース接点に接
続されている。
【0078】次に、図7を参照してシフトレジスタの動
作を説明する。図7は、図1、図2で説明した空パケッ
ト転送時のシフトレジスタのタイミングチャートを示
す。上段の4行は、上から順番に制御信号φIN、φ
A、φB及びφSRLを示している。五段目以下は上か
ら順番にシフトレジスタ内の各点の電位φP00、φP
11〜φP14、φP21〜φP24を示す。ここで、
φP00はトランジスタT11のゲート接点の電位を表
す。
【0079】φPi1〜φPi4は、第i段目のシフト
段SFiの各点の電位を表す。φPi1はトランジスタ
T11のソース接点、φPi2はトランジスタT13の
ドレイン接点、φPi3はトランジスタT21のソース
接点、及びφPi4はトランジスタT23のドレイン接
点の電位を表す。
【0080】時刻u1において、制御信号φINとφA
がハイレベルになっている。トランジスタT00が導通
し電位φP00がハイレベルになる。時刻u2におい
て、制御信号φINがローレベルになっているが、その
前に制御信号φAがローレベルになりトランジスタT0
0が非導通状態になっているため、電位φP00はハイ
レベル状態に保たれる。
【0081】時刻u3において、制御信号φAがローレ
ベル、φBがハイレベルになる。このとき、電位φP0
0がハイレベルであるためトランジスタT11は導通し
ている。従って、制御信号φBに同期して電位φP11
がハイレベルになる。電位φP11がハイレベルになる
とトランジスタT12が導通し、電位φP12もハイレ
ベルになる。
【0082】時刻u4において、制御信号φBがローレ
ベルになる。トランジスタT11は導通しているため、
制御信号φBに同期して電位φP11がローレベルにな
る。時刻u5において、制御信号φAがハイレベルにな
る。制御信号φAがハイレベルになるとトランジスタT
00が導通する。このとき制御信号φINはローレベル
になっているため、制御信号φAの立ち上がりに同期し
て電位φP00がローレベルになる。
【0083】また、このとき電位φP12がハイレベル
であるためトランジスタT12は導通している。従っ
て、制御信号φAの立ち上がりに同期して電位φP13
がハイレベルになる。トランジスタT23が導通し、電
位φP14もハイレベルになる。
【0084】時刻u6において、トランジスタT21が
導通状態であるため、制御信号φAがローレベルになる
と、電位φP13もローレベルになる。電位φP13が
ハイレベルになっている期間、電位φP13が抵抗R2
1とコンデンサC21により分圧されシフト信号S1が
出力される。このように、今周期においてシフト信号S
1は制御信号φAに同期して出力される。
【0085】また、時刻u6における2段目のシフト段
SF2の入力点の電位φP14はハイレベルであり、内
部の電位φP21〜φP24は全てローレベルである。
これは、時刻u2における1段目のシフト段SF1の状
態と等価である。また、時刻u2とu6における制御信
号φIN、φA、φB及びφSRLの位相も等しい。従
って、次の周期におけるシフト段SF2内の各点の電位
は、今周期におけるシフト段SF1の対応する点の電位
と同様の変化を示す。このように、制御信号φAに同期
してシフト信号S1、S2、…が順番に出力される。
【0086】次に、図8〜図9を参照して、図3に示す
固体撮像装置を用いた撮像方法について説明する。図8
は、図3に示す固体撮像装置が装填されたカメラの概略
ブロック図を示す。固体撮像装置20に駆動タイミング
信号発生器21からVCCDの駆動信号φV1〜φV
4、及びホトダイオードに蓄積された電荷を基板に流す
ための基板抜き信号φOFDが供給されている。
【0087】例えば、固体撮像装置のホトダイオード
が、n型シリコン基板表面のp型ウェル内に形成されて
いる場合、基板抜き信号φOFDが供給されると、n型
基板にp型ウェルに対して逆方向の高電圧パルスが印加
される。この高電圧パルスにより、p型ウェル領域のポ
テンシャル障壁がなくなり、ホトダイオードに蓄積され
た電荷はn型基板に流れる。このように、固体撮像装置
に基板抜き信号φOFDを供給することにより、ホトダ
イオードに蓄積された電荷を空にすることができる。
【0088】駆動タイミング信号発生器21に、カメラ
に内蔵されたマイコン22から露光待機信号が供給され
る。露光待機信号は、例えばシャッタの押下に同期して
発生する。カメラに内蔵された他の装置から駆動タイミ
ング信号発生器21に露光開始信号が与えられる。露光
開始信号は、例えばストロボ発光に同期して発生する。
【0089】このように構成されたカメラの電源が投入
されると、VCCDに蓄積されたスミア電荷の掃き出し
動作が行われる。次にVCCDの駆動を停止してピニン
グ状態にし、露光を行う。
【0090】図9は、スミア電荷掃き出し期間とピニン
グ露光期間の主要信号のタイミングチャートを示す。上
段から水平同期信号HD、垂直同期信号VD、VCCD
駆動信号φV1〜φV4、ホトダイオードからの画像信
号読出信号φTG、シフトレジスタに与えられる制御信
号φIN、φA、φB及びφSRL、HCCD駆動信号
φH1、φH2、ホトダイオードに蓄積された電荷を基
板に流すための制御信号φOFD、露光開始信号φEX
P、及び露光待機信号φEXWが示されている。
【0091】スミア電荷掃き出し期間には、シフトレジ
スタに与えられる制御信号φIN、φA、φB及びφS
RLを全てハイレベルにし、駆動信号φV1〜φV4
を、後に図10(A)で説明するタイミングで変化させ
る。制御信号φIN、φA、φB及びφSRLが全てハ
イレベルであるため、図6からわかるように、シフト信
号Sは全てハイレベルになる。シフト信号Sが全てハイ
レベルになると、図4で説明したようにVCCDの全て
の転送電極に駆動信号が供給される。
【0092】VCCDの転送電極下に蓄積されていた電
荷は、駆動信号に同期してHCCDに向かって転送され
る。HCCDに取り込まれた電荷は駆動信号φH1、φ
H2に同期して外部に排出される。
【0093】スミア電荷掃き出し期間中は、基板抜き信
号φOFDが周期的に供給されている。従って、この期
間にホトダイオードに発生した光電荷は周期的に基板に
流される。なお、露光待機信号φEXWが供給されても
スミア電荷掃き出し動作を停止しない。カメラのシャッ
タが押されストロボが発光すると、露光開始信号φEX
Pが入力される。
【0094】露光開始信号φEXPが入力されると、駆
動信号φV1〜φV4をローレベルにしてスミア電荷掃
き出し動作を停止し、VCCDの全電極下をピニング状
態にする。同時に、基板抜き信号φOFDの供給を停止
する。基板抜き信号φOFDの供給が停止すると、ホト
ダイオードに発生した光電荷がホトダイオードに蓄積さ
れる。このように、露光開始信号φEXPにより露光に
よる電荷蓄積が開始する。
【0095】露光終了直前に駆動信号φV1、φV3を
ミドルレベルにし、その後φTGを一時的にハイレベル
にしてホトダイードに蓄積された電荷をVCCDの転送
電極下に取り込む。電荷を取り込むことにより露光が終
了する。シフトレジスタをリセットしてシフト信号Sの
出力を停止する。次に、VCCDに取り込まれた電荷を
図1、図2に示す方法で転送する。
【0096】露光期間中に、駆動信号φV1〜φV4を
ローレベルに固定すると、転送電極下のチャネル領域表
面が反転状態になり、界面準位が正孔で埋められる。こ
のため、界面準位が原因となって発生する暗電流を抑制
することができる。
【0097】ストロボ露光のように短時間に強い光が照
射されると、VCCDの電荷転送路に光電荷が漏れ込
み、転送路にスミア電荷が蓄積される。露光期間中にも
スミア掃き出し動作を行っていると、このスミア電荷を
掃き出すことができる。しかし、スミア電荷が掃き出さ
れる前にホトダイオードからVCCDに電荷の取り込み
を行うと、スミア電荷と信号電荷が混合される。このと
き、スミア電荷はVCCD内を一定距離転送されている
ため、VCCDの転送方向に一定距離移動した位置にス
ミア電荷による像が現れる。
【0098】露光期間中VCCDの駆動を停止しておく
ことにより、このようなスミア電荷によるゴースト像の
発生を防止することができる。また、露光開始の直前ま
でスミア掃き出し動作を行っているため、スミア電荷を
効率的に掃きだすことができる。例えば、露光待機信号
φEXWの受信によりスミア掃き出し動作を停止してV
CCDをピニング状態にすると、露光待機信号φEXW
受信から露光開始信号φEXP受信までの期間に発生し
たスミア電荷を掃きだすことができない。
【0099】次に、図10を参照して露光待機信号φE
XW受信から露光開始信号φEXP受信までの期間に発
生したスミア電荷を掃きだすことができない場合の問題
について説明する。
【0100】図10(A)は、VCCDの転送電極下の
ポテンシャルを示す。図の横軸は基板の深さ方向を表
す。横軸の左端が転送電極に相当し、左端から右方に順
番にSiO2 膜、n- 型チャネル領域、及びp型ウェル
を示している。図の縦軸はポテンシャルを表す。曲線a
はピニング状態時、曲線bは蓄積状態時のポテンシャル
を示す。
【0101】図10(A)の曲線aで示すように、VC
CDをピニング状態にしても、基板表面近傍に浅いポテ
ンシャルの井戸が存在する。スミア電荷が発生するとこ
のポテンシャル井戸に電荷が蓄積される。
【0102】図10(B)、(C)はVCCDの転送路
下のポテンシャルを示す。図10(B)は転送電極を交
互に蓄積状態及びバリア状態にした場合、図10(C)
はピニング状態にした場合を示す。図10(B)に示す
ように、転送電極を交互に蓄積状態及びバリア状態にし
た場合には、スミア電荷30は蓄積状態の転送電極下に
蓄積される。
【0103】これに対し、ピニング状態の場合にはポテ
ンシャルバリアがないため、図10(C)に示すように
スミア電荷30が転送路方向に拡散する。露光待機信号
φEXW受信によりスミア掃き出し動作を停止すると、
停止してから露光開始までの期間に発生したスミア電荷
がこのようにVCCD中を拡散する。拡散したスミア電
荷により像がぼけることになる。図9に示すように、露
光開始直前までスミア掃き出しを行うことにより、拡散
したスミア電荷を掃き出すことができる。
【0104】次に、図11を参照してスミア掃き出し期
間のVCCD駆動方法について説明する。図11(A)
は駆動信号φV1〜φV4のタイミングチャート、図1
1(B)は図2と同様のポテンシャルダイヤグラムであ
る。
【0105】時刻v1においては、転送電極A2、A
3、B2、B3の下にスミア電荷が蓄積されている。時
刻v2において、駆動信号φV1がハイレベルになると
転送電極A1、B1下のポテンシャルが下がり、スミア
電荷は転送電極A1〜A3、B1〜B3の下に分布す
る。
【0106】時刻v3において、駆動信号φV3がロー
レベルになると、転送電極A3、B3の下のポテンシャ
ルが上がり、スミア電荷は転送電極A1、A2、B1、
B2の下に押し込められる。このようにして転送電極1
個分だけスミア電荷が移動する。
【0107】時刻v4において、駆動信号φV4がハイ
レベルになり、時刻v5において、駆動信号φV2がロ
ーレベルになると、スミア電荷はさらに1転送電極分移
動する。同様に時刻v6からv8まで経過し、時刻v1
の状態に戻ると、最初に転送電極B2、B3の下にあっ
たスミア電荷は転送電極A2、A3の下に移動する。こ
のようなタイミングで駆動信号φV1〜φV4変化させ
ると、スミア電荷は1周期の間に転送電極4個分、すな
わちホトダイオードの2行分だけ移動する。
【0108】スミア電荷は、信号電荷と異なり1個おき
の転送電極下に蓄積された電荷を混合することなく転送
する必要がないため、図11に示すような駆動方法が可
能になる。
【0109】スミア電荷は信号電荷に比べて電荷量が少
ない(通常スミア電荷は信号電荷の0.1〜0.01
%)ため、駆動信号の周期を信号電荷を転送する場合よ
り短くしても十分転送することができる。
【0110】例えば、信号電荷を転送する場合の周期が
約6.2msである場合に、スミア電荷を転送する場合
の周期を約2.2msとしても転送可能である。このよ
うに、例えば駆動信号の周期を約1/(2.8)倍にす
ると、転送の速さは2.8倍になる。
【0111】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。たとえば、
種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者
に自明であろう。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
固体撮像装置の暗電流差を比較的低く抑制し、かつ白キ
ズレベルを減少させることができる。また、露光直前に
発生したスミア電荷を掃きだすことができるため、より
明瞭な像を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】先の提案による固体撮像装置を説明するための
VCCD、HCCD及びホトダイオードの概略図であ
る。
【図2】図1の固体撮像装置におけるVCCD内の電荷
転送を説明するためのチャネル領域のポテンシャルを示
す概略図である。
【図3】図1に示す固体撮像装置の構成をより具体的に
示す概略図である。
【図4】図1に示す構成をより具体的に示す回路図であ
る。
【図5】図4の構成における制御信号のタイミングチャ
ートである。
【図6】図3の構成におけるシフトレジスタの回路図で
ある。
【図7】図6の構成における制御信号及びシフトレジス
タ内の各点の電位を示すタイミングチャートである。
【図8】図1の固体撮像装置を組み込んだカメラの構成
例を示すブロック図である。
【図9】図3に示す固体撮像素子の動作におけるスミア
掃き出し期間及び露光期間のタイミングチャートであ
る。
【図10】転送電極下の深さ方向のポテンシャルを示す
グラフ、及び転送電極下にスミア電荷が蓄積された状態
を示すためのポテンシャルの概略図である。
【図11】スミア掃き出し期間のVCCD駆動信号のタ
イミングチャート、及びチャネル領域のポテンシャルを
示す概略図である。
【図12】4相駆動VCCDを有する固体撮像装置の概
略図である。
【符号の説明】
1 ホトダイオード(光電変換素子) 2 VCCD 3、4 転送電極 5 HCCD 6 空パケット 7 トランスファゲート 17 読出パルス制御回路 18 転送パルス制御回路 19 シフトレジスタ 20 固体撮像装置 21 駆動タイミング信号発生器 22 マイコン 30 スミア電荷
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 迫田 亜紀夫 宮城県黒川郡大和町松坂平1丁目6番地 富士フイルムマイクロデバイス株式会 社内 (56)参考文献 特開 平3−284073(JP,A) 特開 平4−360478(JP,A) 特開 平4−40762(JP,A) 特開 平3−248687(JP,A) 特開 平6−113209(JP,A) 特開 昭61−238181(JP,A) 特開 平5−130525(JP,A) 特開 平4−46477(JP,A) 特開 平8−88803(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/335

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 行列状に配置された多数個の光電変換素
    子と、前記光電変換素子の各列に隣接して配置され、光
    電変換素子に蓄積された電荷を取り込むことができ、取
    り込んだ電荷を転送することのできる複数列の垂直CC
    Dと、前記複数列の垂直CCDに接続され、垂直CCD
    から転送される電荷を並列に受け、転送して直列に出力
    することのできる水平CCDとを有する固体撮像装置の
    駆動方法であって、 前記垂直CCDを駆動し、垂直CCDにスミア電荷が蓄
    積されている場合には該スミア電荷を前記水平CCDに
    転送し、前記水平CCDに転送された電荷を外部に転送
    するスミア掃き出し工程と、 外部から与えられる露光開始信号に同期して、前記スミ
    ア掃き出し工程を停止し、かつ前記光電変換素子が電荷
    を蓄積できる状態にする露光開始工程と、 前記垂直CCDによる電荷の転送を停止した状態で、前
    記光電変換素子を露光して光電変換を行い、電荷を蓄積
    する工程と、 前記多数個の光電変換素子に蓄積された電荷を垂直CC
    Dに取り込む工程と、 前記垂直CCDに取り込まれた電荷を、前記垂直CCD
    及び前記水平CCDを通して外部へ取り出す電荷取り出
    し工程とを含み、 撮像すべき被写体にストロボ光を照射し、該ストロボ光
    の反射光を受けて前記光電変換素子が光電変換を行う場
    合に、前記露光開始信号は、ストロボの発光に同期して
    発生し、 前記電荷取り出し工程は、前記水平CCDから各垂直C
    CDへ電荷の存在しない状態である空パケットを送り込
    む工程と、前記垂直CCD内に空パケットが分布してい
    る状態で空パケットが垂直CCD内の2行分以上を動く
    所定周期毎に水平CCD内で1行分の電荷転送を行な
    い、垂直CCDに1行分の空パケットを送り込む転送工
    程とを含み、 前記スミア掃き出し工程における、前記垂直CCDに蓄
    積されたスミア電荷を水平CCDに転送するための前記
    垂直CCDの駆動周期は、前記垂直CCDに取り込まれ
    た電荷を外部へ取り出す電荷取り出し工程における前記
    垂直CCDの駆動周期より短い 固体撮像装置の駆動方
    法。
  2. 【請求項2】 前記光電変換素子の各々に対応して、前
    記垂直CCDが2つの転送電極を有し、前記スミア掃き
    出し工程は、前記垂直CCDの転送方向に相互に隣接す
    る2つの光電変換素子に対応する転送電極下に蓄積され
    た電荷を1単位として転送する請求項1に記載の固体撮
    像装置の駆動方法。
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