JP3415287B2 - 固体撮像装置とその駆動方法 - Google Patents

固体撮像装置とその駆動方法

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JP3415287B2
JP3415287B2 JP23779094A JP23779094A JP3415287B2 JP 3415287 B2 JP3415287 B2 JP 3415287B2 JP 23779094 A JP23779094 A JP 23779094A JP 23779094 A JP23779094 A JP 23779094A JP 3415287 B2 JP3415287 B2 JP 3415287B2
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哲夫 笘
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は撮像装置に関し、特に半
導体ホトダイオード等の光電変換素子と電荷結合デバイ
ス(CCD)で形成された電荷転送路とを用いた固体撮
像装置とその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】固体撮像装置として、CCD転送方式の
ものが知られており、電子カメラ、複写機、その他の映
像機器に利用されている。
【0003】インターライン型固体撮像装置において
は、多数のホトダイオードを垂直、水平方向に配列して
画素行列を形成し、各ホトダイオード列に隣接して電荷
結合デバイス(CCD)の垂直電荷転送路(VCCD)
を形成する。各VCCDの終端に隣接してCCDの水平
電荷転送路(HCCD)を形成し、1行ずつ画像電荷信
号を読み出す。
【0004】近年、固体撮像装置に対する小型化の要求
が強い。チップサイズを1インチから2/3インチ、1
/2インチ、1/3インチと縮小する時も、固体撮像装
置の垂直方向画素数はNTSC、PAL等の規格で定ま
っているためホトダイオードの数はほぼ変わらない。
【0005】ホトダイオードの電荷を一度に全て独立に
読みだすためには電荷を蓄積するためと電荷を互いに分
離するためとに、ホトダイオード1個当たり最低2つ電
極が必要である。しかし、これでは電荷を転送できな
い。各電荷を混合せずに転送するためには、ホトダイオ
ード1個当たり3つ以上の転送電極が必要である。
【0006】ところが、チップサイズを減少していくと
微細加工には限界があり、ホトダイオード1個当たり3
つ以上の電極を形成することは困難になる。ところで、
NTSC、PAL等の規格ではインタレース方式の画像
信号が得られればよいので、1ラインおきのフィールド
を2回走査して1画面(フレーム)が得られればよい。
そこで、ホトダイオードの1行当たり2つの転送電極を
有するVCCDが用いられる。
【0007】図9に、このような固体撮像装置の構成を
概略的に示す。ホトダイオードPDが行列状に配置さ
れ、ホトダイオードPDの各列に近接して垂直電荷転送
路VCCDが配置されている。垂直電荷転送路VCCD
上には破線で示すように各PD当たり2つの転送電極が
配置されている。各ホトダイオードPDは、VCCDの
1つの電極下と結合され、電荷を移動させることができ
る。各VCCDの下端は水平電荷転送路HCCDに結合
されている。VCCDから1行分の電荷がパラレルにH
CCDに転送され、HCCDはこれらの電荷を図中左方
にシリアルに転送する。
【0008】ホトダイオードPDはAフィールド用、B
フィールド用の2種類に分類され、列方向に交互に配列
される。Aフィールド読み出し時にはA1、A2のホト
ダイオードPDの電荷のみがVCCDに読み出される。
すると電荷1つ当たり4つの転送電極が存在するので、
通常の4相駆動でVCCD中を電荷転送することができ
る。
【0009】VCCDに読み出された電荷は、水平ブラ
ンキング期間中に1行づつVCCDからHCCDにパラ
レルに転送され、水平走査期間中にHCCD中を横方向
に転送されてシリアルに読み出される。
【0010】ところが、高精細なスチル画像を撮像する
ような要求に対しては全ホトダイオードの電荷を一度に
取り出すことが望まれている。高精細な画像を取るには
画素数は多いほど望ましいからである。全画素の電荷を
一度にVCCDに読み出すと、VCCD中では1つ置き
の転送電極下に画像電荷が存在することになる。
【0011】この種の装置において全蓄積電荷を同時に
読み出す方式として、アコーディオン転送方式が提案さ
れている( PHILIPS TECHNICAL REVIEW VOL.43, No.1/
2, 1986, A. J. P. Theuwissen および C. H. L. Weijt
ens)。
【0012】まず、VCCD中の最下行の電荷のみをH
CCDに転送する。次に下から2行目の電荷をHCCD
に転送する。この時2行目の電荷が1電極分下に移動す
ると、3行目の電荷と2行目の電荷との間に2電極分の
スペースが生じる。すると3行目の電荷も転送できる状
態となる。このようにして、VCCD下側から徐々に、
2電極当たり1個の電荷分布を4電極当たり1個の電荷
分布に変換して電荷転送を行なう。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電荷分布を
2倍の長さに変換して電荷を読み出すと、VCCDの上
側部分の電荷は長期間同じ位置に保持されることにな
る。たとえば、1000行の画素行列の場合、最上行の
電荷がVCCD中で移動を開始するのは、VCCD中に
500行分の電荷が分布した時である。すなわち、水平
期間を1Hとすると、500H経過後に始めて最上行の
電荷は転送を開始する。
【0014】半導体で形成された電荷転送路には暗電流
が伴う。さらに、暗電流は場所的依存性を有し、一定期
間に発生する暗電流の量は、場所によって異なる。VC
CD中の蓄積電荷が転送されず同一箇所に保持される
と、暗電流によって白キズと呼ばれる欠陥が発生してし
まう。
【0015】暗電流の場所的依存性による白キズを防止
するためには、VCCD中の最上行の電荷もなるべく早
期に転送開始させることが必要である。また、転送電荷
に伴う暗電流の量は、その電荷が半導体中にどの位長い
時間保持されたかにも依存する。VCCD中最下行の電
荷は、1H目に読み出されるのに対し、最上行の電荷
は、たとえは1000H目に読み出される。このように
電荷読み出しまでにVCCD中に保持される時間が異な
ると、平均的暗電流の量も次第に変化し、シェーディン
グと呼ばれる暗電流差が生じる。こ暗電流差を低減する
ためには、全画素を読み出す時間(フレーム時間)をで
きるだけ短くすることが望まれる。
【0016】本発明の目的は、白キズおよび暗電流差を
低減することのできる固体撮像装置を提供することであ
る。本発明の他の目的は、白キズおよび暗電流差を低減
することのできる固体撮像装置の駆動方法を提供するこ
とである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の固体撮像装置の
駆動方法は、行列状に配置された多数個の光電変換素子
と、前記光電変換素子の各列に隣接して配置され、光電
変換素子に蓄積された電荷を取り込むことのできる画素
部と所定行数の空パケット部とを有する複数列の垂直C
CDと、前記複数列の垂直CCDに接続され、垂直CC
Dから転送される電荷を並列に受け、直列に出力するこ
とのできる水平CCDとを有する固体撮像装置の駆動を
一定の水平期間を用いて駆動する方法であって、前記多
数個の光電変換素子に蓄積された信号電荷を全て同時に
垂直CCDの画素部に取り込む工程と、前記各垂直CC
Dの信号電荷群中へ電荷の存在しない状態である空パケ
ットを送り込み転送してN行当たり1行の空パケット分
布を形成しつつ、画素部最下行に存在した信号電荷が空
パケット部最下行に転送されるまで、この動作を繰り返
す空パケット分散工程と、各水平期間において、水平ブ
ランキング期間に垂直CCDから水平CCDに1行分の
信号電荷を転送するとともに水平CCDから垂直CCD
に1行分の空パケットを送り込み、該空パケットをN>
MであるM行分垂直CCDを上方に転送させ、水平走査
期間に垂直CCDの転送動作は止め、水平CCD内で1
行分の信号電荷の転送を行なう転送工程とを含む。
【0018】
【作用】VCCDがホトダイオード1行当たり2電極し
か有さない場合、VCCD中の電荷分布をHCCDに近
い側から徐々に引き延ばして電荷転送しようとすると、
VCCD中を転送できる蓄積信号電荷は、1水平期間に
1行分しか増加することができない。従って、電荷を転
送しようとしても、VCCD中HCCDから離れた上側
の蓄積電荷はなかなか転送を開始できない。
【0019】HCCDからVCCD中へ電荷が存在しな
い空パケットを転送すると、空パケットを1行転送する
ことにより転送領域内の信号電荷は、各1行下方に転送
される。1水平期間に2行以上の空パケットを転送する
ことは、2行以上の信号電荷がHCCDに読み出される
ことになるのでできないが、1行の空パケットであれ
ば、1水平期間内であっても空パケットの転送行数は制
限されない。従って、VCCD上側の蓄積電荷も早い時
期に転送を開始させることができる。
【0020】水平期間(1H)は水平ブランキング期間
と水平走査期間を含む。水平走査期間においては、HC
CD中を電荷が転送する。HCCD中を電荷が転送して
いる間、VCCD中で電荷転送を行なうと、読み出した
画像信号に雑音が重畳してしまう。従って、VCCD中
の空パケットの転送は水平ブランキング期間中に行なう
ことが必要となる。
【0021】空パケットの転送速度を速くしようとする
と、1H内の転送段数を多くすることが必要であり、水
平ブランキング期間を長くする必要が生じる。すると、
1水平期間が長くなり、全蓄積電荷の読み出しにかかる
時間が長くなり、暗電流差が増大してしまう。
【0022】全蓄積電荷の読み出し時間を短くして暗電
流差を減少させようとすると、1Hの長さを短くするこ
とが必要であり、空パケットの転送速度が遅くなり、V
CCD最上部の信号電荷の転送を開始させるまでの時間
が長くなる。
【0023】VCCDが、光電変換素子に隣接した画素
部と、所定行数の空パケット部とを有する場合、HCC
D中の電荷転送の前に、まず画素部からVCCD全体に
信号電荷を分散させる工程がある。この期間において
は、HCCD中の電荷転送は生じない。従って、全水平
期間を利用して空パケット転送を行なうことができる。
【0024】従って、水平ブランキング期間に1行の空
パケットをM行転送する場合にも、分散工程中はM行よ
りも大きなN行当たり1行の空パケットをVCCD中で
転送することができる。なお、空パケット分散工程中は
HCCDへの電荷転送は生じないので、1水平期間に2
行以上の空パケット行を画素部に転送してもよい。
【0025】このように、空パケット分散工程におい
て、N行当たり1行の分布で空パケットを転送させた
後、転送工程において1水平期間中にN>MであるM行
分の空パケット転送を行なうことにより、VCCD中最
上行の電荷をなるべく早い時期に移動させ、かつ全蓄積
電荷の読み出しを比較的短い期間内に終了させることが
可能となる。
【0026】蓄積電荷が1ヵ所に停止する時間が短縮さ
れるため、白キズが低減でき、全蓄積電荷を読み出す時
間が比較的短時間になるため、暗電流差が低減する。な
お、N>Mとすることにより、分散工程中に画素部から
移動する信号電荷の行数を少なくすることができ、空パ
ケット部を小型化することもできる。
【0027】
【実施例】まず、本出願人が先に提案した空パケット転
送型固体撮像装置について説明する。
【0028】図10(A)は垂直CCD(VCCD)2
および水平CCD(HCCD)5における電荷分布の時
間変化を示す。図中、縦方向にVCCD2およびHCC
D5内における電荷の分布を示し、横方向にその時間変
化を示す。
【0029】また、図10(B)においては、光電変換
素子であるホトダイオード(PD)1およびVCCD2
の位置的関係を概略的に示す。図10(A)の左端に示
すサイクルc1において、全ホトダイオード1からVC
CD2に蓄積電荷が取り込まれる。なお、図中ハッチン
グを付した4角が蓄積電荷の存在する電極を示す。実際
には、これら電極の間に電位障壁を形成している電極が
存在するが、図示を省略する。すなわち、ホトダイオー
ド1行当たり1つの電極のみが図示されている。
【0030】図10(B)に示すように、VCCD2に
おいては、1行当たり2つの転送電極3、4が形成され
ており、その1つ3がホトダイオード1にトランスファ
ゲート7を介して接続されている。
【0031】したがって、全ホトダイオード1からVC
CD2に電荷が取り込まれたサイクルc1においては、
VCCD2の1つおきの電極3下に電荷が取り込まれて
いる。この状態においては、電荷の取り込まれた電極3
と3の間のバリアを形成している電極4の下のポテンシ
ャルを低くすれば、電荷混合が生じてしまう。
【0032】なお、サイクルc1において、HCCD5
は蓄積電荷を保有せず、空パケット6を有している。次
のサイクルc2においては、HCCD5に存在していた
空パケット6が、VCCDの下から2番目の電極下まで
転送されている。このため、VCCD2の下から2番目
までの電極下に蓄積されていた電荷は、それぞれ1つず
つ下に転送される。この時、VCCD2の1番下にあっ
た電荷を、まずHCCD5に転送し、次に2番目の電極
下に存在していた電荷を1番下の電極下に転送すること
により、電荷混合を生じさせずに空パケット6をVCC
D内に下から2行目まで送り込むことができる。
【0033】その後、サイクルc3、c4、c5と進む
間に空パケット6を順次2行分ずつ上に送る。このよう
にして、サイクルcnにおいては、空パケット6が下か
ら(n−1)×2番目の電極下まで送り込まれる。
【0034】サイクルc1からcnまでを1周期とし、
ここでHCCD5の電荷転送を行なう。HCCD5に転
送されていた電荷は、出力されることによってHCCD
5内には1行分の空パケットが形成される。この状態を
サイクルc(n+1)で示す。
【0035】サイクルc(n+2)から、再びHCCD
5内の空パケット6をVCCD2内に送り込み、順次上
方に転送する。この工程は、サイクルc2からcnまで
の工程と同様である。
【0036】このようにして、サイクルc(2n)には
サイクルc(n+2)でVCCD2内に送り込まれた空
パケット6が、再び所定の位置まで転送される。ここ
で、サイクルc(2n+1)において、再びHCCD内
に蓄積された電荷を転送し、HCCD5内に空パケット
を形成する。
【0037】このような動作を繰り返すことにより、H
CCD5が水平電荷転送を1回行なう度に、VCCD内
で空パケット6は2(n−1)行分移動する。空パケッ
ト6が通過する際、その位置における電荷は一行分位置
を変更する。
【0038】空パケットの移動速度は1周期当たり1行
の蓄積電荷の移動速度よりも十分速いものとすることが
できる。このため、従来の電荷転送方式において、HC
CDから離れた位置の電荷が長時間一定箇所に保持され
ることが防止され、電荷は所定時間毎にその位置を変化
させる。したがって、暗電流の影響が低減し、さらに固
定パターン(白キズ)の発生が防止される。
【0039】図11は、このようなVCCD内の電荷転
送の様子を示すポテンシャルダイヤグラムである。縦軸
はポテンシャルを示す。電荷が電子の場合は下方向が電
圧の正方向である。図中、上側のポテンシャルがローレ
ベル電圧であり、下側のポテンシャルがミドルレベル電
圧である。ハイレベル電圧はホトダイオードからVCC
Dに電荷を読み出す時に用いられ、図11では表れな
い。
【0040】VCCD2を2行分ずつの単位に分け、
A、B、C、…の符号を付して図中横方向に示す。ま
た、図中縦方向には時間経過を示す。8段の時間経過、
たとえばt11〜t18が、図10に示す1サイクルc
に相当する。
【0041】また、図10においては、空パケットは2
(n−1)行毎に1つ分布したが、図11においては、
10行おきに1つの空パケットを分布する場合を示す。
また、図10においては、VCCD中ホトダイオード1
に接続された位置の電極のみを示したが、図11におい
ては、ホトダイオードに接続された電極3およびそれら
の間の電極4を共に示す。
【0042】時間t08においては、電極A4とF4下
に空パケットが分布している。次の時間t11において
は、B1電極およびG1電極の電位をミドルレベルVM
とし、その電極下にポテンシャル井戸を形成する。この
ため、B2電極とG2電極下に収容されていた電荷は3
つの電極A4〜B2およびF4〜G2下に亘って分布す
るようになる。
【0043】次に時間t12において、電極B2とG2
下のポテンシャルが上げられる。このため、3電極分に
分布していた電荷は、電極A4、B1下およびF4、G
1下の2電極分に押し込められる。
【0044】次に時間t13においては、2電極分に亘
って形成されていた電位障壁の右側部分、すなわち電極
B3およびF3下のポテンシャルが下げられ、電極B4
およびG4下に蓄積されていた電荷を2電極分にわたっ
て分布させる。
【0045】時間t14においては、電極B1およびG
1下のポテンシャルが上げられ、電極A4、B1の2電
極分および電極F4、G1の2電極分に亘って分布して
いた電荷を1つの電極A4およびF4下に閉じ込める。
この段階で電極B2、F2下に蓄積されていた電荷は、
電極A4、F4下に1行分移動している。
【0046】次のタイミングt15においては、電極B
2およびG2下のポテンシャルを下げることによって2
電極分にわたって形成されたバリア部を1電極分とし、
2電極分B3、B4およびG3およびG4にわたって分
布していた電荷を、3電極分B2〜B4およびG2〜G
4にわたって分布させる。
【0047】次にt16において、電極B4およびG4
下のポテンシャルを上げ、3電極分にわたって分布して
いた電荷を2電極分に縮める。続いて時間t17におい
ては、さらに電極B3およびG3下のポテンシャルを上
げ、2電極分にわたって分布していた電荷を1電極分に
閉じ込める。この段階で電極B4、F4下に蓄積されて
いた電荷は、電極B2、F2に1行分移動している。
【0048】次に時間t18において、電極B4および
G4下のポテンシャルを下げると、そこに空パケットが
形成される。このような動作により、時間t08におい
てA4およびF4に存在していた空パケットは、時間t
18においては2行分移動した位置B4およびG4に移
動されている。すなわち、B段の各電荷が1行移動する
間に空パケットは2行移動している。
【0049】なお、時間t11からt18までの期間に
おける電荷移動は、B段およびG段の各電極下のポテン
シャルを制御することのみによって行なわれる。すなわ
ち、この間A段、C〜F段は停止状態に保持される。A
段からE段までの蓄積電荷が各々1行移動するには、同
様のサイクルが5回繰り返される。
【0050】時間t21からt28においては、C段お
よびH段(図示せず)のポテンシャルを制御し、時間t
11からt18までと同様の動作をさせることにより、
B4およびG4に存在していた空パケットをC4および
H4(図示せず)に移動させる。このような電荷転送を
繰り返すことにより、VCCD内での電荷転送速度より
も10倍の速度で空パケットをVCCD内に移動させる
ことができる。
【0051】また、たとえば電極B2およびB4下に存
在していた電荷は、時間t11からt18までの1サイ
クルによって電極A4およびB2下に移動される。この
ように電荷位置が移動することにより、暗電流の発生は
低減する。また、同一電荷が同一位置に保持される時間
が制限される。このため、固定パターンノイズの発生も
防止される。
【0052】図12は、上述のような電荷転送を制御す
る固体撮像装置の回路を示す。図中、左側にはホトダイ
オードPD1の行列、ホトダイオード行列の各列に結合
した垂直電荷転送路VCCD2、複数のVCCD2の下
端に接続された水平電荷転送路HCCD5が示されてい
る。
【0053】読み出しパルス制御回路17は、ホトダイ
オードPDからVCCDへ電荷を読み出すための転送ゲ
ート信号φTG1、φTG2を供給する。たとえば、φ
TG1が奇数行の読出信号、φTG2が偶数行の読出信
号となる。
【0054】転送パルス制御回路18は、図11に示す
2行単位内の4種類の転送電極に印加する4種類の駆動
信号φV1、φV2、φV3、φV4を供給する。ま
た、制御回路18は駆動信号が与えられない組の電極へ
バリア形成用電圧BAW、蓄積ウェル形成用電圧STP
をこれらの電圧印加を制御するタイミング信号φINV
に従って供給する。
【0055】シフトレジスタ19は、制御信号φA、φ
B、φIN、φSRLを受け、転送パルス制御回路18
が電荷転送を行なう部分に対してのみ転送信号を供給す
るように制御する信号Sを発生する。
【0056】図13は、図10、図11に示すような電
荷転送を行なうための制御信号のタイミングチャートを
示す。図13(A)は制御回路への入力信号φIN、φ
A、φB、および図11に示す4種類の電極に印加する
駆動信号φV1、φV2、φV3、φV4およびHCC
D5に印加する駆動信号φHを示す。
【0057】図13(B)は、4種類の電極に印加され
る駆動信号φV1、φV2、φV3、φV4を拡大して
示すタイミングチャートである。図13(B)におい
て、時間t8においては駆動信号φV1およびφV3が
ローレベルLにあり、φV2およびφV4がミドルレベ
ルMにある。この状態が、図11におけるt08、t1
8、t28に相当する。
【0058】時間t1においては、駆動信号φV1がロ
ーレベルLからミドルレベルMに変化する。ローレベル
は、たとえば−8〜−9Vの電位であり、ミドルレベル
Mは、たとえば0Vの電位である。駆動信号φV1がミ
ドルレベルに変化すると、対応する電極の下はバリア状
態からウェル状態に変化する。
【0059】図11において、時間t11の電極B1、
G1および時間t21の電極C1がこの状態に相当す
る。図13(B)において、時間t2においては、駆動
信号φV2がミドルレベルMからローレベルLに変化す
る。この駆動信号φV2の変化により、対応する2番目
の電極下はウェル状態からバリア状態に変化する。図1
3(B)の時間t2は、図11におけるt12、t2
2、…に対応する。
【0060】図13(B)における時間t3において
は、駆動信号φV3がローレベルLからミドルレベルM
に変化する。この駆動信号φV3の変化により、対応す
る3番目の電極下はバリア状態からウェル状態に変化す
る。図13(B)の時間t3は、図11における時間t
13、t23、…に対応する。
【0061】図13(B)における時間t4において
は、駆動信号φV1がミドルレベルMからローレベルL
に変化する。この駆動信号φV1の変化により、対応す
る1番目の電極下はウェル状態からバリア状態に変化す
る。この状態は図11における時間t14、t24、…
に対応する。
【0062】図13(B)における時間t5において
は、駆動信号φV2がローレベルLからミドルレベルM
に変化する。すなわち、対応する2番目の電極下は、バ
リア状態からウェル状態に変化する。この状態は図11
における時間t15、t25、…に対応する。
【0063】図13(B)における時間t6において
は、駆動信号φV4がミドルレベルMからローレベルL
に変化する。対応する4番目の電極下は、ウェル状態か
らバリア状態に変化する。この状態は図11における時
間t16、t26、…に対応する。
【0064】図13(B)における時間t7において
は、駆動信号φV3がミドルレベルMからローレベルL
に変化する。対応する3番目の電極下は、ウェル状態か
らバリア状態に変化する。この状態は図11における時
間t17、t27、…に対応する。
【0065】図13(B)における時間t8において
は、初めの時間t8と同様な状態が実現され、VCCD
内においては1つおきにウェルとバリアが分布する。t
1からt8までの1サイクルによって、VCCD内に配
置されていた空パケットは2行分移動する。
【0066】なお、このような制御信号は、空パケット
を移動しようとする段にのみ印加される。その他の段
は、蓄積電荷を保持する停止状態に保たれる。たとえ
ば、電荷を蓄積している電極3下にはミドルレベルの電
位を印加し、電荷を蓄積せず、バリア部を形成している
電極4下には、ローレベルの電位が印加される。
【0067】上述の例においては、VCCDからHCC
Dに電荷を転送する速度よりも十分速い速度、たとえば
数倍ないし数十倍速い速度で空パケットをVCCD内に
分布することができる。このため、VCCD内上部に取
り込まれた電荷も、速やかにその位置を変更することに
なる。電荷が一定位置に止まらず、その位置を移動させ
ることにより、暗電流の発生は低減し、固定パターンの
発生は防止される。
【0068】上述の例においては、最初にHCCDから
VCCDに送り込まれた空パケットが一定距離移動する
毎にHCCD内における電荷転送が行なわれる。最初の
空パケットがVCCD上端に到達するまでは、VCCD
上段に取り込まれた電荷は同じ位置に保持され、その間
に何回かの水平電荷転送が行なわれる。
【0069】図14は、VCCD内に画素部の他に空パ
ケット部を設け、本駆動前に空パケットをVCCD全体
に分布させることのできる例を示す。なお、空パケット
部12の転送電極は直接転送パルス用電極に接続されて
いる。このため、転送パルスが印加されている期間は、
すべての転送電極が動作している。このため、画素部に
比べて転送速度を速くすることができる。図14におい
て、図中縦方向にVCCDとHCCDの1列分を示し、
横方向に時間変化を示す。
【0070】VCCDはホトダイオードの行数に対応し
た行数を有する画素部11と、ホトダイオードに対応し
ない空パケット部12を含む。本例においては、4行毎
に1つの空パケットを分布することを考える。
【0071】たとえば、画素部が1036行である場
合、4行に1つの空パケットを分布すると、259行分
の電荷が画素部11から下方にあふれる。このあふれた
電荷を、やはり4行に1行分の空パケットを配置しつつ
収容するためには、344行ないし345行の空パケッ
ト部12が必要となる。なお、1行分の不確定性は、V
CCD端部において空パケットを分配する単位の長さを
調整することによって生じる。
【0072】サイクルc0において、全ホトダイオード
から蓄積電荷をVCCDに取り込む。この状態におい
て、VCCDの画素部11の全ての行は蓄積電荷を取り
込む。なお、各行には2つの電極が形成されているが、
ホトダイオードに対応する電極のみを図示する。
【0073】サイクルc1においては、VCCDの画素
部11に空パケット部12から空パケットを送り込む。
本例においては、1サイクルで空パケットが4行移動す
ることとする。引き続くサイクルc2、c3において
は、それぞれ空パケットを画素部11に送り込み、下か
ら4行目、下から8行目、下から12行目を空パケット
とする。
【0074】このようにして、順次空パケットを送り込
むと、空パケット部12が344行の場合、サイクルc
258においては、空パケットを送り込むことによって
画素部11から空パケット部12に転送された電荷が、
空パケット部12の最下行に到達する。
【0075】次のサイクルc259においては、さらに
もう1つの空パケットがVCCDに送り込まれると同時
に、VCCDからあふれた蓄積電荷がHCCD5に転送
される。ここで、HCCD5に転送された電荷を水平方
向に転送し、1行分の画像を読み出す。
【0076】引き続くサイクルc260、c261、…
においては、それぞれHCCDの画像電荷転送によって
HCCD内に形成される空パケットをVCCD2の空パ
ケット部12に送り込むことにより、1行ずつの蓄積電
荷をHCCDに転送し、水平方向に転送することによっ
て画像信号を読み出す。
【0077】本例においては、空パケットをVCCDに
分布する工程を垂直ブランキング期間VBLKにおいて
行ない、各行の画像信号の読み出しを引き続くH走査期
間内において行なう。本例におけるVCCD内の電荷転
送は、4行を単位として行なわれるので、8相駆動信号
によって行なうことができる。
【0078】但し、図14の例では空パケット部が34
5行も必要となり、チップサイズが大きくなるデメリッ
トがある。図15は、他の電荷転送形態を示す。図15
において、縦方向には1列分のVCCD2およびHCC
D5を示し、横方向には時間変化を示す。
【0079】本例においては、図10に示す例同様、V
CCD内に空パケットを送り込み、かつ図14に示す例
同様、VCCD2内に画素部11の他、空パケット部1
2を設け、画素部11から移動した電荷を空パケット部
12に収容する。
【0080】このため、空パケット部12全行が画素部
からの電荷で満たされるまでは、HCCDにおける電荷
転送を行なう必要が省略され、図10に示す例と比較し
てより短時間に空パケットをVCCD上端まで転送する
ことができる。
【0081】図8は、VCCDおよびHCCDにおける
電荷転送を説明するための図である。図8(A)は、V
CCDとHCCDの関係を示す。VCCDから1行分の
電荷がHCCDに転送された後、HCCD中をシリアル
に電荷が転送される。HCCD中を電荷転送している
間、VCCDにおいて電荷転送を行なうと、読み出され
た電荷に雑音が混入してしまう。従って、HCCDを電
荷転送する間は、VCCDの電荷転送を行なうことがで
きない。
【0082】図8(B)に示すように、1水平期間1H
は、水平走査期間HSと水平ブランキング期間HBとに
分割される。水平走査期間HSの間、HCCDの電荷転
送が行なわれ、水平ブランキング期間HBの間VCCD
の電荷転送が行なわれる。
【0083】空パケットを転送する場合は、図8(A)
の破線矢印に示すように、電荷転送とは逆方法に空パケ
ットが転送される。1水平期間内に空パケットが転送さ
れる長さを長くしようとすると、水平ブランキング期間
HBは、その転送を行なうのに十分なだけの時間長を有
さなくてはならない。水平走査期間HSは、HCCDに
おける一定の電荷を転送するのに十分な時間を確保する
必要がある。
【0084】空パケットが速くVCCD上端に到達する
ようにしようとすれば、1水平期間内に空パケットが転
送される長さを長くする方が好ましい。しかしながら、
空パケットの転送長を長くすると、同一タイミング信号
を用いる限り、水平期間1Hが長くなってしまう。する
と、VCCD上端における電荷を速く動かすことがで
き、白キズを低減することはできるが、全電荷を読み出
すための時間は1Hが長くなった分長くなってしまう。
全電荷を読み出すのに必要な時間が長くなると、暗電流
差が大きくなってしまう。
【0085】暗電流差を小さくするためには、1Hの長
さを短くすることが望ましい。1Hの長さを短くしよう
とすると、水平ブランキング期間HBの長さが短くな
り、1水平期間1H中にVCCD中を転送できる空パケ
ット転送長が短くなってしまう。すると、VCCD上端
における電荷を駆動するまでの時間が長くなり、白キズ
が増加してしまう。
【0086】以上の問題点を解決するために、空パケッ
ト部を設け、空パケットを画素部11に分散させる分散
工程と、信号電荷を水平CCDより読み出す転送工程と
で空パケットの転送させる間隔を分けて最適化する方法
を見い出した。以下、本発明の実施例を説明する。
【0087】図1は、本発明の実施例による固体撮像装
置の構成を概略的に示す。本出願人の先の提案による固
体撮像装置と同様の部分には、同様の参照記号を付して
ある。ホトダイオードPDが行列状に配列され、光電変
換部を構成する。ホトダイオードの各列に結合して、V
CCDが配置されている。VCCDは、ホトダイオード
PDに対応する画素部11と、光電変換部外に延在する
空パケット部12を有する。
【0088】VCCDの下端(空パケット部12の下
端)は、HCCDに接続されている。ホトダイオードP
Dの画素数は、たとえば水平方向に1280、垂直方向
に1024とする。また、空パケット部は水平方向に1
280、垂直方向に26とする。
【0089】ホトダイオードPDおよびVCCDを制御
するため、図中右側に示すように読出パルス制御回路1
7、転送パルス制御回路18、シフトレジスタ19、制
御回路20が設けられている。読出パルス制御回路17
には、ホトダイオードPDから垂直転送路VCCDに電
荷を読み出すために必要な電圧TGが供給されている。
転送パルス制御回路18には、VCCD駆動パルス形成
用の信号V1、V2、V3、V4が供給され、さらに駆
動パルスが供給されない領域に電位井戸および電位障壁
を形成するために必要な信号INV、BAW、STPが
供給されている。シフトレジスタ19には、VCCDの
駆動領域を順次シフトするために用いられる信号φA、
φB、φIN、φSRLが供給される。制御回路20
は、固体撮像装置全体の制御を行なう。
【0090】図2は、図1に示す固体撮像装置の回路を
より具体的に示す。ホトダイオードPDとVCCDの構
成は図1に示すものと基本的に同様であるが、空パケッ
ト部にもホトダイオードを設け、表面を遮光してOB段
差の検出に用いる。シフトレジスタ19は、VCCDの
駆動領域を順次シフトさせるためのシフト信号Sを出力
する。シフト信号S1が出力されている間は、第1行目
および第2行目に対応するVCCDの転送電極のみが駆
動される。同様、信号S2が出力されている間は、第3
行目、第4行目に対応するVCCDの転送電極のみが駆
動される。
【0091】シフト信号Sが供給されない領域において
は、VCCD中の電荷転送は行なわれない。垂直方向に
電荷転送が行なわれない間、蓄積された電荷を保持する
ために、信号φINVが供給される。シフト信号Sが供
給されているときは、転送パルス制御回路18右側のト
ランジスタ列がオンになり、駆動信号φV1、φV2、
φV3、φV4がVCCDに供給され、シフト信号Sが
供給されないときは、転送パルス制御回路18左側に2
列で示されたトランジスタがオンになり、VCCDの電
荷が蓄積される電極にはストレージ電圧STP(ミドル
レベル)、障壁となっている電極にはバリア電圧BAW
(ローレベル)が各VCCD電極に供給される。また、
ホトダイオードPDからVCCDに電荷を読み出す際に
は、読出パルス制御回路17を介して読出信号φTGが
与えられる。
【0092】なお、HCCDには2相駆動信号φH1、
φH2が供給される。HCCDの出力は、出力アンプを
介して読み出される。リセット信号φRSは、電荷信号
読み出し毎に出力アンプ部のリセットを行なう。
【0093】図3は、図1、図2に示すシフトレジスタ
19の構成をより具体的に示す。シフト段SF1、SF
2、…が直列に接続され、終了段EXで終端している。
φA、φBが供給されている時にφ1Nが入力するとシ
フトレジスタの動作が始まる。入力パルスはφA、φB
の回数分シフトされる。
【0094】シフト段SF1は信号S1を出力し、次段
SF2を活性化する。シフト段SF2が活性化される
と、信号S2を出力し、シフト段SF1を終了させる。
このように、シフト段SFは順次活性化される段を移動
させる。
【0095】図4は、図1〜図3に示す回路の制御信号
のタイミングチャートである。図中上から水平同期信号
HD、垂直同期信号VD、VCCD駆動信号φV1〜φ
V4、ホトダイオードからの画像読出信号φTG、VC
CD内の転送領域制御信号φIN、φA、φB、HCC
D駆動信号φH1、φH2、リセット信号φRSが示さ
れている。
【0096】VDに指示され垂直期間が開始すると、シ
フトレジスタリセット期間が開始し、シフトレジスタに
φA、φBが供給され、シフトレジスタの全段がリセッ
トされる。
【0097】続いて、空パケット転送期間が開始する。
空パケット転送期間においては、シフトレジスタにφ
A、φBが供給され、φINが一度供給されるたびに空
パケット部から空パケットが画素部の垂直CCDへ注入
され、転送が開始される。この時、画素部の信号電荷は
空パケットと入れ代わり、1行HCCD側へ移動する。
空パケットが転送される長さは、φA、φBのパルス数
で決定される。
【0098】従って、φA、φBのパルス数(N/2)
毎にφ1Nパルスを入れることにより、N行おきに空パ
ケットを転送させることができる。空パケット転送期間
においては、φA、φBおよびVCCD駆動信号φV1
〜φV4が全水平期間を通して供給される。
【0099】従って、VCCDにおいては、全水平期間
を通して空パケット転送が行なわれる。たとえば、空パ
ケット転送期間には1水平期間毎に空パケットが1行V
CCDに供給され、VCCD中をN=40行転送され
る。空パケット部を26行とすると、最初の1Hで空パ
ケットは画素部の下から14行まで進行する。
【0100】空パケットがVCCD上端に到達するまで
この動作を繰り返すと、空パケット部12も画素部11
から次々と移動した画素電荷によって満たされる。1水
平期間に空パケットが40行駆動される場合には、画素
部11から26行の電荷信号が空パケット部12に供給
され、空パケットは画素部11に40行おきに分散され
る。空パケット部12を26行とすると、空パケット部
最下行に信号電荷が転送される水平期間に、最も上側の
空パケットは上端から11行目まで達する。
【0101】空パケット転送期間が終了すると、本駆動
期間が開始する。本駆動期間においては、各水平期間の
水平ブランキング期間においてのみ、VCCDの駆動が
行なわれる。残りの水平走査期間においては、HCCD
駆動信号φH1、φH2が供給され、HCCD中の電荷
転送が行なわれる。水平ブランキング期間においては、
φ1Nを1回入力することにより、HCCDから1行の
空パケットがVCCDに供給され、VCCD中をM=8
行分駆動される。最も上の空パケットは最初の水平期間
で3行目まで上がり、2回目の水平期間で最上行に達す
る。
【0102】なお、空パケット部を27行とすると、空
パケット転送期間が1水平期間長くなるが、空パケット
転送期間が終了した時には、VCCD最上行まで空パケ
ットが到達する。従って、VCCD上端の信号電荷を転
送し始めるまでの時間は、1水平期間短くなる。
【0103】本駆動期間においては、1Hに1行の画像
電荷が読み出されるため、1024行の画像電荷を読み
出すためには、1024Hが用いられる。なお、図5、
図6に空パケット転送期間および本駆動期間においける
信号波形をより詳細に示す。
【0104】図7は、本駆動期間における画像電荷がど
のように転送されるのかを示す概略図である。図中横方
向にHCCDとVCCDの1列分を示し、縦方向に時間
変化を示す。2行分4つの転送電極が1組となり、シフ
ト信号Sにより活性化され、電荷駆動を行なう。水平ブ
ランキング期間(垂直転送期間)においては、VCCD
の活性領域が順次シフトし、空パケットが図中左から右
に転送される。水平転送期間においては、VCCD中の
電荷転送は停止され、HCCDの電荷転送が行なわれ
る。再び垂直転送期間が開始すると、VCCDにおける
電荷転送が行なわれる。
【0105】本実施例例においては、ホトダイオードP
DからVCCDに電荷が読み出された後、空パケット転
送期間においては全水平期間を利用して画素部11内に
空パケットを分配する。この期間に画素部11から移動
した電荷信号は、空パケット部12に収容される。従っ
て、空パケット部12が満たされるまでは、HCCDに
電荷は供給されず、たとえ水平駆動信号φHが供給され
ても、HCCDから電荷出力は発生しない。従って、全
水平期間を利用してVCCDの電荷転送を行なっても障
害は生じない。
【0106】空パケット転送期間においては、1水平期
間に空パケットを20段(40行)転送し、本転送期間
においては、1水平期間に空パケットを4段(8行)転
送する場合を説明する。VCCDの1段(2行)を駆動
するためには、たとえば単位周期fH を約70nsec
とした場合、88fH が必要である。
【0107】HCCDの転送においては、1画素の転送
に1fH が必要である。1水平期間1Hを1820fH
とする。空パケット転送期間においては、1760fH
を用いて空パケットを20段(40行)転送する。する
と、空パケット転送期間T1は、 T1=1820fH ×26 となる。
【0108】本転送期間においては、水平ブランキング
期間にVCCD中で4段(8行)の転送を行なうものと
する。水平画素数は1280であり、HCCDの駆動に
は1280fH が必要である。従って、駆動に必要な時
間は合計(1280+88×4)fH であり、1水平期
間1820fH 中に十分収まる。
【0109】画像電荷は1024行あり、これらの全電
荷を読み出すのに必要な時間T2は、 T2=1820fH ×1024 である。従って、1フレームの全画素を読み出すために
必要な時間は、 1フレーム=T1+T2=1,911,000fH である。
【0110】比較のため、水平ブランキング期間中のみ
に空パケットの転送を行ない、空パケット分配と本転送
を行なった場合を説明する。水平ブランキンブ期間に2
0段(40行)の空パケット転送を行なうとすると、1
Hの長さが3040fH となり、1フレームの時間は
3,192,000fH となる。
【0111】従って、本実施例のフレーム時間は、比較
例の約0.6倍となる。全フレーム読み出しに必要な時
間が約0.6倍となるため、暗電流差も約0.6倍に減
少する。
【0112】なお、比較例においては1水平期間に20
段(40行)空パケットを転送するとしたため、空パケ
ットがVCCD上端に達するまでの水平期間数は同一で
あるが、1水平期間1Hの長さが3040fH と長くな
ったため、VCCD上端の電荷が移動を開始するまでに
必要な時間も長くなっている。
【0113】また、図12のように空パケット部のない
場合には、水平ブランキング期間のみにおいて空パケッ
トの転送を行ない、1水平ブランキング期間に4段の空
パケット転送を行なうとした場合には、VCCD上端に
おける電荷の最大停止時間は約17msとなり、白キズ
レベルとしては25mV(50℃)のものもあらわれ
る。この場合、全画素読み出しに必要な時間は約134
msである。この全画素読み出しに必要な時間は、暗電
流差を表す。
【0114】本実施例による場合、VCCD上端の電荷
の最大停止時間は約3msであるため、上記25mVの
白キズのレベルは約5mVとなる。白キズレベルは大幅
に減少していることが分かる。また、全画素読み出しに
必要な時間は、約138msであり、この比較例の全画
素読み出し時間とほとんど変化しない。
【0115】このように、本実施例のように、白キズを
無視できる程度に減少させ、かつ暗電流差を比較的低い
レベルに抑制することが出来る。以上実施例に沿って本
発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるもので
はない。たとえば、種々の変更、改良、組み合わせ等が
可能なことは当業者に自明であろう。
【0116】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
固体撮像装置の暗電流差を比較的低く抑制し、かつ白キ
ズレベルを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による固体撮像装置の構成を示
す概略図である。
【図2】図1に示す構成をより具体的に示す回路図であ
る。
【図3】図1の構成におけるシフトレジスタの回路図で
ある。
【図4】図1の構成における制御信号のタイミングチャ
ートである。
【図5】図1の構成における制御信号のタイミングチャ
ートである。
【図6】図1の構成における制御信号のタイミングチャ
ートである。
【図7】図1の実施例における電荷転送を説明するため
の概略図である。
【図8】空パケット転送方式による固体撮像装置の課題
を説明するための概略図である。
【図9】インターライン型固体撮像装置の構成を示す概
略図である。
【図10】先の提案による固体撮像装置を説明するため
の概略図である。
【図11】図10の固体撮像装置におけるVCCD内の
電荷転送を説明するための概略図である。
【図12】図10に示す固体撮像装置の構成をより具体
的に示す概略図である。
【図13】図12の構成における制御信号のタイミング
チャートである。
【図14】先の提案による固体撮像装置の他の形態を示
す概略図である。
【図15】先の提案による固体撮像装置の他の形態を示
す概略図である。
【符号の説明】
1 ホトダイオード(光電変換素子) 2 VCCD 3、4 転送電極 5 HCCD 6 空パケット 7 トランスファゲート 11 画素部 12 空パケット部 17 読出パルス制御回路 18 転送パルス制御回路 19 シフトレジスタ 20 制御回路
フロントページの続き (72)発明者 迫田 亜紀夫 宮城県黒川郡大和町松坂平1丁目6番地 富士フイルムマイクロデバイス株式会 社内 (56)参考文献 特開 平5−130525(JP,A) 特開 平6−141244(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/335

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 行列状に配置された多数個の光電変換素
    子と、前記光電変換素子の各列に隣接して配置され、光
    電変換素子に蓄積された電荷を取り込むことのできる画
    素部と所定行数の空パケット部とを有する複数列の垂直
    CCDと、前記複数列の垂直CCDに接続され、垂直C
    CDから転送される電荷を並列に受け、直列に出力する
    ことのできる水平CCDとを有する固体撮像装置の駆動
    を一定の水平期間を用いて駆動する方法であって、 前記多数個の光電変換素子に蓄積された信号電荷を全て
    同時に垂直CCDの画素部に取り込む工程と、 前記各垂直CCDの信号電荷群中へ電荷の存在しない状
    態である空パケットを送り込み転送してN行当たり1行
    の空パケット分布を形成しつつ、画素部最下行に存在し
    た信号電荷が空パケット部最下行に転送されるまで、こ
    の動作を繰り返す空パケット分散工程と、 各水平期間において、水平ブランキング期間に垂直CC
    Dから水平CCDに1行分の信号電荷を転送するととも
    水平CCDから垂直CCDに1行分の空パケットを送
    り込み、該空パケットをN>MであるM行分垂直CCD
    を上方に転送させ、水平走査期間に垂直CCDの転送
    は止め、水平CCD内で1行分の信号電荷の転送を行
    なう転送工程とを含む固体撮像装置の駆動方法。
  2. 【請求項2】 前記空パケット分散工程は、前記画素部
    の最上行まで空パケットを送り込む請求項1記載の固体
    撮像素子の駆動方法。
  3. 【請求項3】 前記空パケット部の行数と前記Nとの積
    は、前記画素部の行数以上である請求項1ないし2記載
    の固体撮像装置の駆動方法。
  4. 【請求項4】 前記Mは8であり、前記Nは40である
    請求項1〜3のいずれかに記載の固体撮像装置の駆動方
    法。
  5. 【請求項5】 行列状に配置された多数個の光電変換素
    子と、前記光電変換素子の各列に隣接して配置され、光
    電変換素子に蓄積された電荷を取り込むことのできる画
    素部と所定行数の空パケット部を有する複数列の垂直C
    CDと、 前記複数列の垂直CCDに接続され、垂直CCDから転
    送される電荷を並列に受け、直列に出力することのでき
    る水平CCDと、 全光電変換素子から蓄積信号電荷を同時に垂直CCDに
    取り込み、垂直CCD中の信号電荷群中へ空パケットを
    送り込み転送してN行当たり1行の空パケット分布を形
    成しつつ、画素部最下行に存在した信号電荷が空パケッ
    ト部最下行に転送されるに至った後、各水平期間におい
    て水平ブランキング期間内に水平CCDから垂直CCD
    に1行の空パケットを送り込み、N>MであるM行空パ
    ケットを垂直CCD上方に転送する制御回路とを含む固
    体撮像装置。
  6. 【請求項6】 前記制御回路は、垂直CCDを各段k行
    の段構成とし、垂直CCDの選択された段のみに順次駆
    動信号を与える駆動回路を含む請求項5記載の固体撮像
    装置。
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