JP3503815B2 - 固溶化処理時の表面肌荒れを抑制した金属ベルト用鋼帯 - Google Patents
固溶化処理時の表面肌荒れを抑制した金属ベルト用鋼帯Info
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の無段変速
機や種々の産業用機械等の動力伝達に用いられるのに適
した固溶化処理時の表面肌荒れを抑制した金属ベルト用
鋼帯に関するものである。
機や種々の産業用機械等の動力伝達に用いられるのに適
した固溶化処理時の表面肌荒れを抑制した金属ベルト用
鋼帯に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、自動車の無段変速機の分野では、
高引張強度、高靭性、高疲労強度等を有するマルエージ
ング鋼の金属ベルトが用いられてきた。このマルエージ
ング鋼を含むいわゆる高強度鋼においては、例えば、日
本機械論文集Ａ６４巻２５３６−２５４１項に開示され
るように、低サイクル域から１０の７乗回までの高サイ
クル域で疲労破壊する場合には、疲労破壊は表面を起点
としたき裂発生、伝播によって起こることが知られてい
る。この表面を起点とする疲労破壊の原因には、表面に
凹凸、き裂、キズ等の存在が挙げられ、これらの表面欠
陥が存在すると疲労破壊の起点となり、本来の疲労強度
より低応力で破壊することが危惧される。
高引張強度、高靭性、高疲労強度等を有するマルエージ
ング鋼の金属ベルトが用いられてきた。このマルエージ
ング鋼を含むいわゆる高強度鋼においては、例えば、日
本機械論文集Ａ６４巻２５３６−２５４１項に開示され
るように、低サイクル域から１０の７乗回までの高サイ
クル域で疲労破壊する場合には、疲労破壊は表面を起点
としたき裂発生、伝播によって起こることが知られてい
る。この表面を起点とする疲労破壊の原因には、表面に
凹凸、き裂、キズ等の存在が挙げられ、これらの表面欠
陥が存在すると疲労破壊の起点となり、本来の疲労強度
より低応力で破壊することが危惧される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のマル
エージング鋼を無段変速機用の金属ベルトに加工する時
には冷間圧延等を行い金属ベルト用鋼帯とするが、この
時に加工硬化をやわらげ加工性を良くするため固溶化処
理を行う。また上述の金属ベルト用鋼帯を、金属ベルト
に加工した後、高強度特性の付与を目的に、固溶化処理
後に時効処理および窒化処理を施して、表面に圧縮残留
応力を付与することで疲労強度を高める工夫がなされて
いる。
エージング鋼を無段変速機用の金属ベルトに加工する時
には冷間圧延等を行い金属ベルト用鋼帯とするが、この
時に加工硬化をやわらげ加工性を良くするため固溶化処
理を行う。また上述の金属ベルト用鋼帯を、金属ベルト
に加工した後、高強度特性の付与を目的に、固溶化処理
後に時効処理および窒化処理を施して、表面に圧縮残留
応力を付与することで疲労強度を高める工夫がなされて
いる。
【０００４】ところが、上述のマルエージング鋼の金属
ベルト用鋼帯に固溶化処理を行うと、その表面に、しわ
模様の凹凸が発生し、表面肌の平坦さが失われる場合が
ある。このしわ模様の凹凸が発生した金属ベルト用鋼帯
を用いて、金属ベルトとした場合、表面起点の早期疲労
破断をもたらすことが心配されるため、金属ベルト用鋼
帯には、固溶化処理時に発生するしわ模様の凹凸を発生
させないか、あるいは発生してもその凹凸を小さくする
ことが望まれていた。本発明の目的は、固溶化処理時に
発生する表面のしわ模様の凹凸の発生を抑制した金属ベ
ルト用鋼帯を提供することである。
ベルト用鋼帯に固溶化処理を行うと、その表面に、しわ
模様の凹凸が発生し、表面肌の平坦さが失われる場合が
ある。このしわ模様の凹凸が発生した金属ベルト用鋼帯
を用いて、金属ベルトとした場合、表面起点の早期疲労
破断をもたらすことが心配されるため、金属ベルト用鋼
帯には、固溶化処理時に発生するしわ模様の凹凸を発生
させないか、あるいは発生してもその凹凸を小さくする
ことが望まれていた。本発明の目的は、固溶化処理時に
発生する表面のしわ模様の凹凸の発生を抑制した金属ベ
ルト用鋼帯を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述のマル
エージング鋼の固溶化処理時に現れる表面のしわ模様の
凹凸を抑制すべく、合金組成を鋭意検討した結果、特定
量のＢ（硼素）を含有する場合に、鋼帯表面へのしわ模
様の凹凸が発生しないか、発生しても軽微であることを
新たに知見したもので、本発明の最大の特徴は金属ベル
ト用鋼帯として十分な高強度を得るのに必要な化学組成
範囲を有し、且つ特定量のＢ（硼素）の含有によって、
固溶化処理時に現れるしわ模様の凹凸の発生を抑制した
ものである。
エージング鋼の固溶化処理時に現れる表面のしわ模様の
凹凸を抑制すべく、合金組成を鋭意検討した結果、特定
量のＢ（硼素）を含有する場合に、鋼帯表面へのしわ模
様の凹凸が発生しないか、発生しても軽微であることを
新たに知見したもので、本発明の最大の特徴は金属ベル
ト用鋼帯として十分な高強度を得るのに必要な化学組成
範囲を有し、且つ特定量のＢ（硼素）の含有によって、
固溶化処理時に現れるしわ模様の凹凸の発生を抑制した
ものである。
【０００６】 すなわち本発明は質量%でNi：8〜21%、C
o：15％以下、Mo：3〜12%、Ti：2.0%以下(0%を含む)、A
l：0.2%以下、C：0.03%以下、Si：0.1%以下、Mn：0.1%
以下、P：0.01%以下、S：0.01%以下、N：0.005%以下、
B：0.0003〜0.01%を含有し残部が実質的にFeからなり、
冷間圧延により厚さを 1.0 ｍｍ未満とした固溶化処理時
の表面肌荒れを抑制した金属ベルト用鋼帯である。そし
て、本発明において好ましくは質量%でNi：12〜20%、C
o：5〜15%、Mo：3~8%、Ti：1.5%以下(0%を含む)、B：0.
0003〜0.0050%を含有する固溶化処理時の表面肌荒れを
抑制した金属ベルト用鋼帯である。
o：15％以下、Mo：3〜12%、Ti：2.0%以下(0%を含む)、A
l：0.2%以下、C：0.03%以下、Si：0.1%以下、Mn：0.1%
以下、P：0.01%以下、S：0.01%以下、N：0.005%以下、
B：0.0003〜0.01%を含有し残部が実質的にFeからなり、
冷間圧延により厚さを 1.0 ｍｍ未満とした固溶化処理時
の表面肌荒れを抑制した金属ベルト用鋼帯である。そし
て、本発明において好ましくは質量%でNi：12〜20%、C
o：5〜15%、Mo：3~8%、Ti：1.5%以下(0%を含む)、B：0.
0003〜0.0050%を含有する固溶化処理時の表面肌荒れを
抑制した金属ベルト用鋼帯である。
【０００７】
【発明の実施の形態】上述したように、本発明の重要な
特徴は、金属ベルト用鋼帯として十分な高強度特性を実
現しながら、しわ模様の凹凸を軽減し鋼帯表面肌を平坦
に保つべく、最適な合金組成としたことにある。以下に
本発明の組成の限定理由について述べる。先ず、本発明
にとって最も重要なＢ（硼素）の限定理由から説明す
る。Ｂは、固溶化処理時に発生するしわ模様の凹凸の抑
制に効果を発揮する最も重要な元素であるが、その含有
量が０．０００３％未満の場合十分な効果が得られず、
また０．０１％を越えて含有させると靭性が劣化するこ
とから、Ｂは０．０００３〜０．０１％とした。望まし
くは０．０００３〜０．００５０％である。このＢ添加
が、どういったメカニズムで固溶化処理時のしわ模様の
凹凸を抑制するかは不明であり、現在解明中である。
特徴は、金属ベルト用鋼帯として十分な高強度特性を実
現しながら、しわ模様の凹凸を軽減し鋼帯表面肌を平坦
に保つべく、最適な合金組成としたことにある。以下に
本発明の組成の限定理由について述べる。先ず、本発明
にとって最も重要なＢ（硼素）の限定理由から説明す
る。Ｂは、固溶化処理時に発生するしわ模様の凹凸の抑
制に効果を発揮する最も重要な元素であるが、その含有
量が０．０００３％未満の場合十分な効果が得られず、
また０．０１％を越えて含有させると靭性が劣化するこ
とから、Ｂは０．０００３〜０．０１％とした。望まし
くは０．０００３〜０．００５０％である。このＢ添加
が、どういったメカニズムで固溶化処理時のしわ模様の
凹凸を抑制するかは不明であり、現在解明中である。
【０００８】ここで、具体的なＢ添加による表面肌の改
善効果を示す。Ｂを含有した金属ベルト用鋼帯及び、Ｂ
を含有しない金属ベルト用鋼帯の固溶化処理後の表面肌
の代表例を、それぞれ図１及び図２に示す。図１から、
Ｂを含有した金属ベルト用鋼帯は、Ｂを含有する金属ベ
ルト用鋼帯に比較して、表面のしわ模様の凹凸が著しく
軽減され、平坦な表面であることが判る。このしわ模様
の凹凸の程度については、例えば（１）表面粗さ測定、
（２）鋼帯表面の反射率測定（光沢度測定）、（３）表
面をペイントし、凸部分のみが削れるように極表面
（０．３μｍ程度）を研磨で削り落とすことにより凹部
分のみペイントを残し、しわ模様の密度を調べる等の種
々の手法により判断する事が出来るが、最も容易なのは
目視や、表面形状を観察するに適した実体顕微鏡とも称
される光学顕微鏡によるものである。
善効果を示す。Ｂを含有した金属ベルト用鋼帯及び、Ｂ
を含有しない金属ベルト用鋼帯の固溶化処理後の表面肌
の代表例を、それぞれ図１及び図２に示す。図１から、
Ｂを含有した金属ベルト用鋼帯は、Ｂを含有する金属ベ
ルト用鋼帯に比較して、表面のしわ模様の凹凸が著しく
軽減され、平坦な表面であることが判る。このしわ模様
の凹凸の程度については、例えば（１）表面粗さ測定、
（２）鋼帯表面の反射率測定（光沢度測定）、（３）表
面をペイントし、凸部分のみが削れるように極表面
（０．３μｍ程度）を研磨で削り落とすことにより凹部
分のみペイントを残し、しわ模様の密度を調べる等の種
々の手法により判断する事が出来るが、最も容易なのは
目視や、表面形状を観察するに適した実体顕微鏡とも称
される光学顕微鏡によるものである。
【０００９】次に金属ベルト用鋼帯として十分な高強度
特性を付与するに必要な元素の限定理由を述べる。Ｎｉ
はマトリックス（基地）である低Ｃのマルテンサイトを
形成させるため必要な元素であるが、過度の添加はオー
ステナイトを安定化し、マルテンサイト組織を形成しに
くくすることから、Ｎｉは８〜２１％とした。望ましく
は１２〜２０％である。Ｃｏは、マトリックスであるマ
ルテンサイト組織に大きく影響することなく、時効析出
温度域でのＭｏ、Ｔｉ、Ａｌの固溶度を低下させること
によってＭｏ、Ｔｉ、Ａｌを含む微細な金属間化合物の
析出を促進することによって析出硬化に寄与するが、１
５％を越えて添加してもより一層の向上効果がみられな
いことから、Ｃｏは１５％以下とした。Ｃｏの含有量が
５％未満では必ずしも十分な効果が得られないので、望
ましくは５％〜１５％である。
特性を付与するに必要な元素の限定理由を述べる。Ｎｉ
はマトリックス（基地）である低Ｃのマルテンサイトを
形成させるため必要な元素であるが、過度の添加はオー
ステナイトを安定化し、マルテンサイト組織を形成しに
くくすることから、Ｎｉは８〜２１％とした。望ましく
は１２〜２０％である。Ｃｏは、マトリックスであるマ
ルテンサイト組織に大きく影響することなく、時効析出
温度域でのＭｏ、Ｔｉ、Ａｌの固溶度を低下させること
によってＭｏ、Ｔｉ、Ａｌを含む微細な金属間化合物の
析出を促進することによって析出硬化に寄与するが、１
５％を越えて添加してもより一層の向上効果がみられな
いことから、Ｃｏは１５％以下とした。Ｃｏの含有量が
５％未満では必ずしも十分な効果が得られないので、望
ましくは５％〜１５％である。
【００１０】Ｍｏは時効処理により、Ｎｉ３Ｍｏ、Ｆｅ
２Ｍｏ等の微細な金属間化合物を形成し、マトリックス
中に析出することによって強化に寄与する元素である
が、その含有量が３％未満の場合その効果が少なく、ま
た過度の添加は延性、靭性を劣化させるＦｅ、Ｍｏを主
要元素とする粗大析出物を形成しやすくなるため、Ｍｏ
は３〜１２％とした。望ましくは、３〜８％である。Ｔ
ｉは時効処理によりＮｉ３Ｔｉ等の微細な金属間化合物
をマトリックス中に析出させることによって強化に寄与
する元素であるが、２．０％を越えて含有させると靭性
が劣化することから、Ｔｉは２．０％以下とした。望ま
しくは、１．５％以下である。Ａｌは、脱酸のため少量
添加されるが、０．２％を越えて含有させるとＡｌ２Ｏ
３系介在物を多く形成して疲労強度を低下させることか
ら、Ａｌは０．２％以下とした。
２Ｍｏ等の微細な金属間化合物を形成し、マトリックス
中に析出することによって強化に寄与する元素である
が、その含有量が３％未満の場合その効果が少なく、ま
た過度の添加は延性、靭性を劣化させるＦｅ、Ｍｏを主
要元素とする粗大析出物を形成しやすくなるため、Ｍｏ
は３〜１２％とした。望ましくは、３〜８％である。Ｔ
ｉは時効処理によりＮｉ３Ｔｉ等の微細な金属間化合物
をマトリックス中に析出させることによって強化に寄与
する元素であるが、２．０％を越えて含有させると靭性
が劣化することから、Ｔｉは２．０％以下とした。望ま
しくは、１．５％以下である。Ａｌは、脱酸のため少量
添加されるが、０．２％を越えて含有させるとＡｌ２Ｏ
３系介在物を多く形成して疲労強度を低下させることか
ら、Ａｌは０．２％以下とした。
【００１１】Ｃは、Ｔｉ、Ｍｏと炭化物、炭窒化物を形
成して、析出強化に寄与するＴｉ、Ｍｏ量を減少させる
不純物元素であることから、その含有量の上限を０．０
３％とした。Ｓｉ、Ｍｎは、介在物を多くし、靭性を低
下させる不純物元素であることから、その含有量の上限
を０．１％とした。Ｐ、Ｓは、偏析を助長し、介在物を
増加させる不純物元素であることから、その含有量の上
限を０．０１％とした。Ｎは、Ｔｉ、Ｃとともに炭窒化
物を形成しマトリックス中に介在物として残ることによ
って疲労強度を低下させるだけでなく、析出強化に寄与
するＴｉ量を減少させる不純物元素であることから、Ｎ
の含有量の上限を０．００５％とした。
成して、析出強化に寄与するＴｉ、Ｍｏ量を減少させる
不純物元素であることから、その含有量の上限を０．０
３％とした。Ｓｉ、Ｍｎは、介在物を多くし、靭性を低
下させる不純物元素であることから、その含有量の上限
を０．１％とした。Ｐ、Ｓは、偏析を助長し、介在物を
増加させる不純物元素であることから、その含有量の上
限を０．０１％とした。Ｎは、Ｔｉ、Ｃとともに炭窒化
物を形成しマトリックス中に介在物として残ることによ
って疲労強度を低下させるだけでなく、析出強化に寄与
するＴｉ量を減少させる不純物元素であることから、Ｎ
の含有量の上限を０．００５％とした。
【００１２】
【実施例】以下、本発明を実施例にて詳しく説明する。
表１に示す試料番号１〜１３の組成からなる合金を真空
誘導溶解にて溶解して１０ｋｇインゴットに鋳造し、鍛
伸、熱間圧延を行って１．０ｍｍ厚さの鋼帯とした。続
いて、更に金属ベルト用鋼帯の所定の厚みとするために
冷間圧延によって０．３ｍｍ厚さまで冷間加工し、続い
て８００〜８５０℃付近の適正な温度で固溶化処理を行
った金属ベルト用鋼帯を作製し、表面の凹凸を目視およ
び実体顕微鏡を用いて評価した。
表１に示す試料番号１〜１３の組成からなる合金を真空
誘導溶解にて溶解して１０ｋｇインゴットに鋳造し、鍛
伸、熱間圧延を行って１．０ｍｍ厚さの鋼帯とした。続
いて、更に金属ベルト用鋼帯の所定の厚みとするために
冷間圧延によって０．３ｍｍ厚さまで冷間加工し、続い
て８００〜８５０℃付近の適正な温度で固溶化処理を行
った金属ベルト用鋼帯を作製し、表面の凹凸を目視およ
び実体顕微鏡を用いて評価した。
【００１３】本発明のしわ模様の凹凸の抑制効果の一例
として、Ｂを含有する本発明鋼帯である試料番号１の表
面の顕微鏡写真を図１、比較鋼帯である試料番号９の表
面の顕微鏡写真を図２に示す。図１に示したようにＢ添
加した本発明鋼帯である試料番号１の表面には、しわ模
様の凹凸は軽微でほぼ平坦な表面肌であるのに対し、図
２に示したようにＢ無添加の比較鋼帯である試料番号９
はしわ模様の凹凸が発生して表面肌が平坦でなくなって
いる。試料番号１〜１２のしわ模様の凹凸の発生の有無
について表１に併記した。なお、しわが認められなかっ
たものは勿論であるが、例えば図１で示した試料番号１
のように、しわ模様の凹凸が軽微なものについても「な
し」と標記した。
として、Ｂを含有する本発明鋼帯である試料番号１の表
面の顕微鏡写真を図１、比較鋼帯である試料番号９の表
面の顕微鏡写真を図２に示す。図１に示したようにＢ添
加した本発明鋼帯である試料番号１の表面には、しわ模
様の凹凸は軽微でほぼ平坦な表面肌であるのに対し、図
２に示したようにＢ無添加の比較鋼帯である試料番号９
はしわ模様の凹凸が発生して表面肌が平坦でなくなって
いる。試料番号１〜１２のしわ模様の凹凸の発生の有無
について表１に併記した。なお、しわが認められなかっ
たものは勿論であるが、例えば図１で示した試料番号１
のように、しわ模様の凹凸が軽微なものについても「な
し」と標記した。
【００１４】
【表１】
【００１５】表１に示した通り、Ｂを本発明で規定する
範囲内で添加した本発明鋼帯はしわ模様の凹凸発生が抑
制され、固溶化処理時において、しわ模様の凹凸の発生
を抑制した表面肌が平坦な金属ベルト用鋼帯が得られ
た。この本発明の表面肌が平坦な金属ベルト用鋼帯を用
いて、時効処理や窒化処理を行った金属ベルトは、表面
肌起点の早期疲労破断を抑制できることが期待される。
範囲内で添加した本発明鋼帯はしわ模様の凹凸発生が抑
制され、固溶化処理時において、しわ模様の凹凸の発生
を抑制した表面肌が平坦な金属ベルト用鋼帯が得られ
た。この本発明の表面肌が平坦な金属ベルト用鋼帯を用
いて、時効処理や窒化処理を行った金属ベルトは、表面
肌起点の早期疲労破断を抑制できることが期待される。
【００１６】
【発明の効果】本発明によれば、Ｂを添加することで、
金属ベルト用鋼帯の表面のしわ模様の凹凸の発生を大幅
に抑制し、平坦な表面肌にすることができ、金属ベルト
用鋼帯の寿命向上に大きく寄与するものである。
金属ベルト用鋼帯の表面のしわ模様の凹凸の発生を大幅
に抑制し、平坦な表面肌にすることができ、金属ベルト
用鋼帯の寿命向上に大きく寄与するものである。
【図１】本発明の金属ベルト用鋼帯表面の金属組織写真
である。
である。
【図２】比較例の金属ベルト用鋼帯表面の金属組織写真
である。
である。
Claims (2)
- 【請求項１】 質量%でNi：8〜21%、Co：15%以下、Mo：
3〜12%、Ti：2.0%以下(0%を含む)、Al：0.2%以下、C：
0.03%以下、Si：0.1%以下、Mn：0.1%以下、P：0.01%以
下、S：0.01%以下、N：0.005%以下、B：0.0003〜0.01%
を含有し残部が実質的にFeからなり、冷間圧延により厚
さを 1.0 ｍｍ未満としたことを特徴とする固溶化処理時
の表面肌荒れを抑制した金属ベルト用鋼帯。 - 【請求項２】 質量%でNi：12〜20%、Co：5〜15%、Mo：
3〜8%、Ti：1.5%以下(0%を含む)、B：0.0003〜0.0050%
を含有することを特徴とする請求項１に記載の固溶化処
理時の表面肌荒れを抑制した金属ベルト用鋼帯。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30757199A JP3503815B2 (ja) | 1999-10-28 | 1999-10-28 | 固溶化処理時の表面肌荒れを抑制した金属ベルト用鋼帯 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30757199A JP3503815B2 (ja) | 1999-10-28 | 1999-10-28 | 固溶化処理時の表面肌荒れを抑制した金属ベルト用鋼帯 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001131710A JP2001131710A (ja) | 2001-05-15 |
| JP3503815B2 true JP3503815B2 (ja) | 2004-03-08 |
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ID=17970691
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30757199A Expired - Fee Related JP3503815B2 (ja) | 1999-10-28 | 1999-10-28 | 固溶化処理時の表面肌荒れを抑制した金属ベルト用鋼帯 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3503815B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE60033772T2 (de) * | 1999-12-24 | 2007-10-31 | Hitachi Metals, Ltd. | Martensitaushärtender Stahl mit hoher Dauerfestigkeit und Band aus dem martensitaushärtenden Stahl |
| KR20120078757A (ko) * | 2007-07-11 | 2012-07-10 | 히타치 긴조쿠 가부시키가이샤 | 마레이징강 및 금속 벨트용 마레이징강 |
-
1999
- 1999-10-28 JP JP30757199A patent/JP3503815B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JP2001131710A (ja) | 2001-05-15 |
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