JP3503486B2 - 道床バラスト固着用組成物、及びそれを用いた道床バラストの固着方法 - Google Patents

道床バラスト固着用組成物、及びそれを用いた道床バラストの固着方法

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JP3503486B2
JP3503486B2 JP24706598A JP24706598A JP3503486B2 JP 3503486 B2 JP3503486 B2 JP 3503486B2 JP 24706598 A JP24706598 A JP 24706598A JP 24706598 A JP24706598 A JP 24706598A JP 3503486 B2 JP3503486 B2 JP 3503486B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は道床バラスト固着用
組成物、及びそれを用いた道床バラストの固着方法に関
し、詳しくは道床軌道の軌道状態を良好に維持するため
の、道床バラスト固着用組成物、及びそれを用いた道床
バラストの固着方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
鉄道線路としては、路盤上に採石や砂利等のバラストで
作られた道床を設け、この道床上に枕木を置きレールを
締結した構造になっている。このバラストで作られた道
床は、枕木から伝わる列車荷重を分散して下部の路盤に
伝えたり列車通過時の振動を吸収したりする役割を担
う。
【0003】しかし、バラストを用いた道床は、列車の
通過による振動で、バラストが動いたり、崩れたりし、
その結果、枕木の不等沈下、レベルの不整、レールの継
ぎ目落ち等の問題が生じた。
【0004】このような問題を解決するために、特開平
6−329924号公報、特開平4−296385号公
報、特開昭52−16810号公報のような技術が提案
された。すなわち、合成樹脂エマルジョンや合成ゴムラ
テックスとセメントの混合物等を道床表面に散布し、バ
ラストを固着する方法が知られている。
【0005】しかしながら、これらの水系樹脂は、バラ
ストが湿潤状態にある場合あるいはバラスト表面が乾燥
していて内部が湿潤状態である場合、また散布直後に降
雨があった場合には、期待されるほどの接着力が得られ
ず、道床上の歩行によりバラストが崩壊するといった問
題があった。また未硬化の水系樹脂が雨水に流され、田
畑や河川に流れ込み、二次公害の危険性もあった。
【0006】また、特公昭57−50201号公報、特
開平6−248601号公報、特開平7−11602号
公報に記載されるような、二液性ウレタン樹脂でバラス
トを固着する方法も提案されているが、この方法では二
液を混合してから使用するまでの可使時間に制約を受け
るという不都合が付き纏った。特に硬化時間を速くする
と、可使時間が短くなり、使用できなくなる場合もあっ
た。
【0007】一方、特開平6−10301号公報、特開
平6−322706号公報、特開平8−157552号
公報に記載されているような、一液性湿気硬化型ウレタ
ンエラストマーを散布する方法では、粘度を下げない
と、如露(如雨露)等を用いて散布する場合には作業性
が著しく阻害された。これはエアースプレー機、エアレ
ススプレー機を用いる場合も同様である。そのため、粘
度を下げるための溶媒としてトルエン、キシレン、シク
ロヘキサン、ヘプタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメ
タン、酢酸メトキシプロピル等を含有させるとしている
が、これらの溶媒は引火性が高く火災の危険性があり、
また臭気により作業環境が著しく悪化するという欠点が
あった。また可塑剤としてジオクチルフタレート、ジブ
チルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセ
バケート、塩素化パラフィン、石油樹脂等を含有させる
方法も記述されているが、これらの可塑剤では粘度低下
も少なく、バラストが湿潤していると接着力が著しく損
なわれるという問題があった。
【0008】このようなことから、湿潤面でもバラスト
間の接着が良好で、低粘度で、火災の危険性が少なく、
しかも硬化性が速く、臭気により作業環境が悪化しない
材料が求められているのが実状である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな実情から湿潤したバラストの接着性が良好で、硬化
性が速く、低粘度で火災の危険性が少なく、トンネル内
のように換気の悪い箇所、駅構内のように一般乗客が居
る箇所、踏切のように交通量の多い箇所においても無臭
性で環境負荷が少なく、作業環境が良好な道床バラスト
固着用組成物及びそれを用いた道床バラストの固着方法
を得ることを目的に鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。
【0010】
【0011】
【0012】請求項1記載の道床バラスト固着用組成物
は、湿潤したバラスト表面に対しても良好な接着性を有
する道床バラスト固着用組成物であって、下記(A)成
分及び(B)成分を含有してなることを特徴とする道床
バラスト固着用組成物である。(A)下記一般式で示さ
れる脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルからなる親
水性高沸点溶媒の少なくとも一種、及び(B)末端イソ
シアネート基含有ウレタンプレポリマー。
【0013】
【化6】 請求項2記載の道床バラスト固着用組成物は、湿潤した
バラスト表面に対しても良好な接着性を有する道床バラ
スト固着用組成物であって、下記(A)成分及び(B)
成分を含有してなることを特徴とする道床バラスト固着
用組成物である。(A)下記一般式で示されるアルキレ
ングリコールジカルボキシレートからなる親水性高沸点
溶媒の少なくとも一種、及び(B)末端イソシアネート
基含有ウレタンプレポリマー。
【0014】
【化7】 請求項3記載の道床バラスト固着用組成物は、湿潤した
バラスト表面に対しても良好な接着性を有する道床バラ
スト固着用組成物であって、下記(A)成分及び(B)
成分を含有してなることを特徴とする道床バラスト固着
用組成物である。(A)下記一般式で示されるポリエチ
レングリコールジアルキルエーテルからなる親水性高沸
点溶媒の少なくとも一種、及び(B)末端イソシアネー
ト基含有ウレタンプレポリマー。
【0015】
【化8】 請求項4記載の道床バラスト固着用組成物は、湿潤した
バラスト表面に対しても良好な接着性を有する道床バラ
スト固着用組成物であって、下記(A)成分及び(B)
成分を含有してなることを特徴とする道床バラスト固着
用組成物である。(A)下記一般式で示されるポリエチ
レングリコールジカルボキシレートからなる親水性高沸
点溶媒の少なくとも一種、及び(B)末端イソシアネー
ト基含有ウレタンプレポリマー。
【0016】
【化9】 請求項5記載の道床バラスト固着用組成物は、湿潤した
バラスト表面に対しても良好な接着性を有する道床バラ
スト固着用組成物であって、下記(A)成分及び(B)
成分を含有してなることを特徴とする道床バラスト固着
用組成物である。(A)下記一般式で示されるモノアル
コキシポリエチレングリコールモノカルボキシレートか
らなる親水性高沸点溶媒の少なくとも一種、及び(B)
末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー。
【0017】
【化10】 請求項記載の道床バラストの固着方法は、請求項1〜
のいずれか1項記載の道床バラスト固着用組成物を、
バラストを用いた道床に対して吹き付け、散布、流し込
みまたは注入等の方法を用いて付与することを特徴とす
る方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】(A)成分[親水性高沸点溶媒] 本発明における親水性高沸点溶媒(A)としては、脂肪
族ジカルボン酸ジアルキルエステル(A−a)、アルキ
レングリコールジカルボキシレート(A−b)ポリエチ
レングリコールジアルキルエーテル(A−c)、ポリエ
チレングリコールジカルボキシレート(A−d)、モノ
アルコキシポリエチレングリコールモノカルボキシレー
ト(A−e)等が挙げられる。
【0019】脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステル
(A−a)としては、炭素数3〜10の脂肪族二塩基酸
のジメチルエステル、ジエチルエステル、メチルエチル
エステルがあり、例えばコハク酸ジメチル、コハク酸ジ
エチル、マロン酸ジエチル、アジピン酸ジメチル、アジ
ピン酸ジエチル、セバシン酸ジメチル、グルタル酸ジメ
チル、グルタル酸ジエチル、ピメリン酸ジメチル、スベ
リン酸ジメチル、アゼライン酸ジメチル等であり、また
これらの2種以上の混合物も挙げられる。この中では炭
素数4〜9の脂肪族二塩基酸のジメチルエステル、ジエ
チルエステルが好ましい。炭素数11以上では粘性が高
くなり、ジブチルエステル、芳香族、脂環式二塩基酸等
では湿潤したバラストとの接着性が悪くなる可能性があ
る。
【0020】アルキレングリコールジカルボキシレート
(A−b)としては、エチレングリコールジアセテー
ト、ブチレングリコールジアセテート、ヘキシレングリ
コールジアセテート等であり、またこれらの2種以上の
混合物も挙げられる。炭素数9以上のアルキレングリコ
ールのジアセテートでは、粘性が高く、湿潤したバラス
トとの接着性も悪くなる可能性がある。
【0021】ポリエチレングリコールジアルキルエーテ
ル(A−c)としては、ジエチレングリコールジエチル
エーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、テトラエ
チレングリコールジメチルエーテル等があり、またこれ
らの2種以上の混合物も挙げられる。
【0022】ポリエチレングリコールジカルボキシレー
ト(A−d)としては、ジエチレングリコールジアセテ
ート、トリエチレングリコールジアセテート等があり、
またこれらの2種以上の混合物も挙げられる。
【0023】モノアルコキシポリエチレングリコールモ
ノカルボキシレート(A−e)としては、ジエチレング
リコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシトリ
エチレングリコールアセテート等があり、またこれらの
2種以上の混合物も挙げられる。
【0024】(B)成分[末端イソシアネート基含有ウ
レタンプレポリマー] 本発明における末端イソシアネート基含有ウレタンプレ
ポリマー(B)としては、有機ポリイソシアネート化合
物と活性水素含有化合物とから誘導されるウレタンプレ
ポリマーからなるもの等が挙げられる。
【0025】有機イソシアネート化合物としては、例え
ば脂肪族ポリイソシアネート(B−a)、脂環式ポリイ
ソシアネート(B−b)、芳香脂肪族ポリイソシアネー
ト(B−c)、芳香族ポリイソシアネート(B−d)、
これらのポリイソシアネートの変性物(B−e)あるい
は珪素含有ポリイソシアネート(B−f)などが挙げら
れる。
【0026】脂肪族ポリイソシアネート(B−a)の具
体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイ
ソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシ
アネート等が挙げられる。
【0027】脂環式ポリイソシアネート(B−b)の具
体例としては、イソホロンジイソシアネート、ジシクロ
ヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,4
−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキ
サン−2,4−ジイソシアネート、1,4−ビス(2−
イソシアネートエチル)シクロヘキサン等が挙げられ
る。
【0028】芳香脂肪族ポリイソシアネート(B−c)
の具体例としては、p−キシレンジイソシアネート、テ
トラメチルキシレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0029】芳香族ポリイソシアネート(B−d)の具
体例としては、1,4−フェニレンジイソシアネート、
2,4−または2,6−トルエンジイソシアネート、ジ
フェニルメタン−2,4′−または−4,4′−ジイソ
シアネート(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシ
アネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,
4′−ジイソシアネート、0−トリジンジイソシアネー
ト、粗製TDI、ポリメチレンポリフェニルポリイソシ
アネート(粗製MDI)等が挙げられる。
【0030】ポリイソシアネートの変性物(B−e)の
具体例としては、上記(B−a)〜(B−d)にカルボ
ジイミド基、ウレチジオン基、ウレトイミン基、ウレア
基、ビューレット基、イソシアヌレート基、ウレタン基
等を導入した変性物等が挙げられる。
【0031】珪素含有ポリイソシアネート(B−f)の
具体例としては、γ−イソシアネートプロピルトリエト
キシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシ
シラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシ
シラン等が挙げられる。
【0032】以上において有機ポリイソシアネート化合
物として例示したものは、1種を単独で使用してもよい
し、2種以上の混合物として使用してもよい。
【0033】有機イソシアネート化合物における(B−
a)〜(B−f)のうち、好ましいものは(B−b)、
(B−c)、(B−d)、(B−e)及び(B−f)で
あり、中でも(B−d)が、接着強度が良好で、取扱い
が容易である点から特に好ましい。
【0034】活性水素含有化合物としては、多価アルコ
ール類(B−1)、ポリオキシアルキレンポリオール
(B−2)、ポリエステルポリオール(B−3)、ポリ
オレフィンポリオール(B−4)、アクリルポリオール
(B−5)、ヒマシ油系ポリオール(B−6)、重合体
ポリオール(B−7)等が挙げられる。
【0035】多価アルコール類(B−1)の具体例とし
ては、脂肪族二価アルコール類(エチレングリコール、
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペン
チルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−
オクタメチレンジオール等)、環状基を有する低分子ジ
オール類[1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘ
キサン、m−及びp−キシリレングリコール、1,4−
ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビ
ス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等、
三価アルコール類(グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ヘキサントリオール等)、四官能以上の多価アルコ
ール類(ソルビトール、シュークローズ等)、アルカノ
ールアミン類(トリエタノールアミン、メチルジエタノ
ールアミン等)などが挙げられる。
【0036】ポリオキシアルキレンポリオール(B−
2)としては、活性水素含有化合物[多価アルコール類
(前記に例示したもの)、フェノール類(ハイドロキノ
ン、ビスフェノールA等)等]に、アルキレンオキサイ
ド(炭素数2〜4のアルキレンオキサイド、例えばエチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキ
サイド及びこれらの併用)を付加(併用の場合、ブロッ
クでもランダム付加でもよい)したもの等が挙げられ
る。このポリオキシアルキレンポリオール(B−2)の
具体例としては、ポリオキシプロピレングリコール、ポ
リオキシプロピレントリオール、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレントリオール、ポリオキシプロピレン
テトラオール、ポリオキシテトラメチレングリコール等
が挙げられる。
【0037】ポリエステルポリオール(B−3)として
は、前記に例示した多価アルコール類(B−1)とジカ
ルボン酸類とを反応させて得られる縮合ポリエステルポ
リオール、ラクトンの開環重合により得られるポリラク
トンポリオール、エチレンカーボネートと1,6−ヘキ
サンジオールの反応により得られるポリカーボネートポ
リオール等が含まれる。
【0038】縮合ポリエステルポリオールを構成するジ
カルボン酸類としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸
(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、ア
ゼライン酸、マレイン酸、フマル酸等)、芳香族ジカル
ボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸等)、これらジカ
ルボン酸の無水物、低級アルキル(C〜C)エステ
ルもしくはハライド(クロライド等)、及びこれらの2
種以上の混合物が挙げられる。ラクトンとしては、例え
ば、ε−カプロラクトンが挙げられる。
【0039】これらのポリエステルポリオール(B−
3)の具体例としては、ポリエチレンアジペート、ポリ
ブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、
ポリブチレンヘキサメチレンアジペート、ポリジエチレ
ンアジペート、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)ア
ジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリエチレンセバ
ケート、ポリブチレンアゼレート、ポリブチレンセバケ
ート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカプロラクト
ンジオール、ポリカーボネートジオール等が挙げられ
る。
【0040】ポリオレフィンポリオール(B−4)の具
体例としては、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブ
タジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等が挙
げられる。
【0041】アクリルポリオール(B−5)としては、
ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体[ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート等]とそれ以外の特開平4−29
2683号公報に記載のエチレン性不飽和単量体の共重
合物等が挙げられる。このアクリルポリオール(B−
5)の具体例としては、ヒドロキシエチルアクリレート
とエチルアクリレートの共重合物、ヒドロキシエチルア
クリレートとエチルアクリレートとスチレンの共重合物
等が挙げられる。
【0042】ヒマシ油系ポリオール(B−6)として
は、例えば、ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸と多価アルコー
ル(B−1)やポリオキシアルキレンポリオールとのポ
リエステルポリオール(ヒマシ油脂肪酸のモノまたはジ
グリセライド、ヒマシ油脂肪酸とトリメチロールプロパ
ンとのモノ、ジまたはトリエステル、ヒマシ油脂肪酸と
ポリオキシプロピレングリコールとのモノまたはジエス
テル等)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0043】重合体ポリオール(B−7)としては、
(B−2)〜(B−6)の項で例示した各ポリオール
[I]中で特開平4−292683号公報に記載のエチ
レン性不飽和単量体[II]を重合して得られる重合体
ポリオール等が挙げられる。重合体ポリオール(B−
7)を構成するエチレン性不飽和単量体[II]の含量
は、通常0.1〜90重量%で、好ましくは、5.0〜
80重量%である。重合体ポリオール(ト)の製造法と
しては、例えば、ポリオール[I]中でエチレン性不飽
和単量体[II]を重合開始剤(ラジカル発生剤等)の
存在化に重合させる方法(米国特許第3383351号
明細書、特公昭39−24737号、特公昭47−47
999号、特開昭50−15894号公報等)が挙げら
れる。
【0044】活性水素化合物の活性水素当量は、通常3
1〜10,000である。好ましくは、31〜5,00
0である。官能基数は、通常2〜8である。好ましく
は、2〜5である。
【0045】活性水素化合物としては、(B−1)、
(B−2)、(B−3)、(B−5)、(B−6)が好
ましく、中でも(B−1)あるいは(B−2)のポリオ
ールを用いることが粘度が低い、安価であるという点か
らことが特に好ましい。
【0046】前記ポリオール成分と有機イソシアネート
成分とを反応させる際の割合は、有機ポリイソシアネー
ト成分中のNCO基と、全ポリオール成分中のOH基の
当量比(NCO/OH)において、NCO/OH=1.
5〜100となるように限定することが好ましい。この
ような当量比で反応させることにより得られるウレタン
プレポリマーは、実質的に、未反応のイソシアネート基
(−NCO)を分子末端に2個以上有する湿気硬化型一
液性ポリウレタン樹脂となる。
【0047】湿気硬化型一液性ポリウレタン樹脂に含有
させる溶媒(A)の割合は、通常10〜80重量%であ
り、好ましくは20〜60重量%である。10%未満で
は湿潤したバラストとの接着性が悪くなり、80%を超
える場合はバラスト間の接着力が落ちる。
【0048】本発明の道床バラスト固着用組成物には、
その他の成分として、無機質充填剤、チクソトロピック
性付与剤、可塑剤、溶剤、接着性付与剤、着色剤、安定
剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、老化防止剤、
紫外線吸収剤、難燃剤等の他の添加剤を必要に応じて適
宜に配合することができる。
【0049】この道床バラスト固着用組成物または湿気
硬化型一液ウレタンプレポリマーに溶媒(A)を混入さ
せたものを、バラストを用いた道床に、吹付け、散布、
流し込みまたは注入する方法は、特に限定されず、従来
公知の方法を適用することができる。例えば、如露を用
い散布したり、あるいは、エアスプレー方式やエアレス
スプレー方式のスプレーガンを用いて散布したり、ポン
プとノズルを備える給液機を用いて該ノズルから道床に
流し込むかまたは圧入する等種々の方法が適用可能であ
る。またその使用量も目的、道床の種類に応じて適宜決
めることができ、特に限定されない。通常は1〜5kg
/mが実用的である。
【0050】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明するが、その要旨を越えない限り、以下に限定
されるものではない。以下、「%」は重量%を、「部」
は重量部を示す。
【0051】また、実施例、比較例中での略記号の意味
を表1に、及び評価試験方法を下記に示す。
【0052】
【表1】
【0053】(評価試験方法) (1)歩行可能時間;25℃雰囲気のバラストに道床バ
ラスト固着用組成物を散布後、歩行して粘着がなくなる
時間を求めた。(単位=分) (2)硬化時間(固結時間);25℃雰囲気のバラスト
に道床バラスト固着用組成物を散布後、歩行してバラス
トが崩れない時間を求めた。(単位=分) (3)道床バラスト固着用組成物の道床への浸透性;透
明なアクリル板より形成された100×100×100
(cm)の天空き容器に直径5〜8cmのバラストを充
填し、道床バラスト固着用組成物を3kg/mスプレ
ー散布し硬化後の該組成物の浸透距離を測定した。(単
位=秒) (4)排水性;バラストに道床バラスト固着用組成物を
散布し硬化後、100kg/mの水を一気に散布し、
水の浸透速度を測定した。(単位=秒) (5)崩壊性;バラストに道床バラスト固着用組成物を
散布し硬化後、バラスト上を歩行して崩壊性を測定し
た。◎:崩壊せず、×:崩壊 (6)湿潤接着力;供試体は70mm×70mm×23
mm(縦×横×厚さ)に切り出したバラストを用い、水
に浸漬したのち取り出し、固着材を0.2kg/m
布した。接着力はJIS A 5536に準じて測定し
た (7)NCO含有量;n−ブチルアミン−塩酸滴定法に
より測定した (8)粘度;B型粘度計により測定した (9)臭気;10名のモニターによる官能テストにより
評価した。◎:臭わないか、あるいは臭ってもごく僅
か、×:きつい臭い。
【0054】製造例1(湿気硬化型ウレタンプレポリマ
ーの製造例) 平均分子量600のポリオキシエチレングリコール50
0gと平均分子量400のポリオキシプロピレングリコ
ール500gとポリメチレンポリフェニルポリイソシア
ネート(粗製MDI)2040gを窒素気流中で80
℃、3時間反応させた後、DMDEE50gを仕込みイ
ソシアネート含有量15.0%の湿気硬化型一液ウレタ
ンプレポリマーを製造した。
【0055】製造例2(湿気硬化型ウレタンプレポリマ
ーの製造例) 平均分子量1000のポリオキシエチレントリオール1
000gとポリメチレンポリフェニルポリイソシアネー
ト(粗製MDI)1887gを窒素気流中にて80℃、
3時間反応させた後、DMDEE50gを仕込み、イソ
シアネート含有量15.0%の湿気硬化型一液ウレタン
プレポリマーを製造した。
【0056】実施例1〜7 上記製造例によって得られた湿気硬化型一液ウレタンプ
レポリマーに、表2に記載した各溶媒を混合し、本発明
の道床バラスト固着用組成物〜を得た。
【0057】但し、実施例1〜5にあっては製造例1で
得たポリマーを用い、実施例6,7にあっては製造例2
で得たポリマーを用いた。
【0058】
【表2】
【0059】比較例1〜6 比較例1〜6は実施例に用いたものと同様の湿気硬化型
ウレタンプレポリマー(製造例1で製造したもの)に、
表3に記載の希釈剤を同表に記載の割合を以て加え、比
較用組成物〜を得た。
【0060】
【表3】
【0061】比較例7 市販のアクリルエマルション100部と水100部を混
合し均一にした比較用組成物を得た。
【0062】比較例8 市販のエチレン酢酸ビニル系エマルション100部、ア
ルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部、塩化カルシ
ウム2部、ポルトランドセメント400部、水110部
を混合し均一にした比較用組成物を得た。
【0063】評 価 このようにして得た各道床バラスト固着用組成物(実施
例1〜7:〜)、及び比較用組成物(比較例1〜
8:〜)について、浸透性、歩行可能時間、硬化時
間(固結時間)、排水性、崩壊性、湿潤接着性及び粘度
を測定した結果を表4と表5に示す。(塗布量の単位:
kg/m
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、通常のウレタンプレポ
リマーに特定の親水性高沸点溶媒を混合するのみで、降
雨、霧雨等で湿潤したバラストに散布しても、バラスト
を強固に接着でき、枕木、レールの沈下、レベルの不
整、レールの継ぎ目落ちを長期に防止できるものであ
る。
【0066】また、施工性も無臭性であるため作業環境
が良好で、トンネル内や駅構内での施工もでき、硬化性
が速く、低粘度であるため如露で散布でき等、本発明の
道床バラスト固着用組成物およびこれを用いた道床バラ
ストの固着方法として特に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−322706(JP,A) 特開 平8−157552(JP,A) 特開 平9−132731(JP,A) 特開 平7−166146(JP,A) 特開 平2−3488(JP,A) 特開 平7−11602(JP,A) 特開 平5−171774(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 4/00 - 201/10 E01B 27/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】湿潤したバラスト表面に対しても良好な接
    着性を有する道床バラスト固着用組成物であって、下記
    (A)成分及び(B)成分を含有してなることを特徴と
    する道床バラスト固着用組成物。 (A)下記一般式で示される脂肪族ジカルボン酸ジアル
    キルエステルからなる親水性高沸点溶媒の少なくとも一
    種、 【化1】 (B)末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマ
    ー。
  2. 【請求項2】湿潤したバラスト表面に対しても良好な接
    着性を有する道床バラスト固着用組成物であって、下記
    (A)成分及び(B)成分を含有してなることを特徴と
    する道床バラスト固着用組成物。 (A)下記一般式で示されるアルキレングリコールジカ
    ルボキシレートからなる親水性高沸点溶媒の少なくとも
    一種、 【化2】 (B)末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマ
    ー。
  3. 【請求項3】湿潤したバラスト表面に対しても良好な接
    着性を有する道床バラスト固着用組成物であって、下記
    (A)成分及び(B)成分を含有してなることを特徴と
    する道床バラスト固着用組成物。 (A)下記一般式で示されるポリエチレングリコールジ
    アルキルエーテルからなる親水性高沸点溶媒の少なくと
    も一種、 【化3】 (B)末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマ
    ー。
  4. 【請求項4】湿潤したバラスト表面に対しても良好な接
    着性を有する道床バラスト固着用組成物であって、下記
    (A)成分及び(B)成分を含有してなることを特徴と
    する道床バラスト固着用組成物。 (A)下記一般式で示されるポリエチレングリコールジ
    カルボキシレートからなる親水性高沸点溶媒の少なくと
    も一種、 【化4】 (B)末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマ
    ー。
  5. 【請求項5】湿潤したバラスト表面に対しても良好な接
    着性を有する道床バラスト固着用組成物であって、下記
    (A)成分及び(B)成分を含有してなることを特徴と
    する道床バラスト固着用組成物。 (A)下記一般式で示されるモノアルコキシポリエチレ
    ングリコールモノカルボキシレートからなる親水性高沸
    点溶媒の少なくとも一種、 【化5】 (B)末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマ
    ー。
  6. 【請求項6】請求項1〜のいずれか1項記載の道床バ
    ラスト固着用組成物を、バラストを用いた道床に対して
    吹き付け、散布、流し込みまたは注入等の方法を用いて
    付与することを特徴とする道床バラストの固着方法。
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