JP3503134B2 - 光ファイバ母材の製造方法 - Google Patents

光ファイバ母材の製造方法

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JP3503134B2
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    • C03B37/0142Reactant deposition burners
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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス合成用バー
ナを出発ロッドに対して移動させて、ガラス多孔質層を
合成する光ファイバ母材の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】OVD法などの外付け法によって光ファ
イバ母材となる多孔質ガラス母材を作製する場合、出発
ロッド上にガラス微粒子体(スス体)として堆積される
ガラス多孔質層の外径や厚さ等を、長手方向に対して充
分に均一にする必要がある。ガラス多孔質層の外径等を
均一化することにより、光ファイバ母材の線引工程を良
好な条件で行うことが可能となるとともに、線引後の光
ファイバの特性を安定させることができる。
【0003】外径を長手方向に均一化させる従来の製造
方法としては、例えば、特開平6−92667号公報に
示されたものがある。この製造方法は、ススを堆積させ
た後に、外径を均一化するための修正を行うものであ
る。すなわち、スス体の合成時において重量変化を測定
するなどの方法によって、スス体の外径や厚さの各位置
での偏差を求める。そして、合成用バーナとは別に設け
られた補助バーナを用いて、求められた偏差を修正して
長手方向に均一な外径を有する多孔質ガラス母材となる
ように、補助的なスス付けを行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】補助バーナを用いて修
正を行う上記した製造方法では、多孔質ガラス母材の製
造工程に修正のためのスス付け工程が付加されることと
なるので、製造工程が複雑化するとともに製造コスト高
になるという問題を生じる。また、この修正工程を施す
ことによって、得られる光ファイバ母材において新たに
固有の問題が発生してしまう。
【0005】例えば、最初の合成後に室温付近まで冷却
された多孔質ガラス母材に対して、修正のために再度バ
ーナによる火炎を吹き付ける場合、その温度変化によっ
て母材が急激な熱膨張を受けて、母材にクラックを生じ
ることがある。また、冷却された母材表面上にはダスト
が付着し易く、その上にさらにスス付けを行うと、母材
内部にダストが取り込まれて、線引時の断線やファイバ
径変動の原因となる。
【0006】さらに、外径を修正する効果自体について
も、修正用の補助バーナを用いた修正方法では、補助バ
ーナの火炎が、ある程度の位置的広がりを持つため、求
められている外径や厚さの偏差に対して、充分な精度で
修正を行うことができない。
【0007】本発明は、以上の問題点に鑑みてなされた
ものであり、製造工程が簡単化されるとともに、外径等
について長手方向に充分な均一性を得ることが可能な光
ファイバ母材の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明による光ファイバ母材の製造方法は、
ガラス合成用バーナを、出発ロッドに対して長手方向に
所定範囲内で移動させて、出発ロッドの外周上にガラス
多孔質層を合成する光ファイバ母材の製造方法であっ
て、ガラス合成用バーナの所定範囲内での移動中に、ガ
ラス合成用バーナからの火炎によって加熱されている加
熱部位でのガラス多孔質層の表面加熱温度を測定すると
ともに、あらかじめ設定された基準温度に対して、表面
加熱温度の変動幅が所定の温度幅以下となるようにガラ
ス多孔質層の加熱条件を制御し、加熱部位に対してそれ
ぞれ所定の位置に配置された複数の温度測定点をガラス
多孔質層上に設定し、それぞれの温度測定点において測
定された表面温度から、表面加熱温度を求めることを特
徴とする。
【0009】コアロッドなどの出発ロッドの外周上に形
成されるガラス多孔質層の外径を、長手方向に対して均
一化させる方法としては、上記したスス堆積後の修正に
よる方法の他に、ススの堆積条件が長手方向に均一とな
るようにスス体の合成を行う方法が可能である。上記し
た光ファイバ母材の製造方法においては、長手方向の母
材の各部位に対する加熱温度が、合成されるガラス多孔
質層の外径等に与える影響について着目し、この加熱温
度を利用した制御を行うことによって、スス体の合成時
にススの堆積条件を均一化している。
【0010】すなわち、スス付けを行う合成用バーナ
を、出発ロッドに対して長手方向にトラバース(移動)
させる際に、各時点において合成用バーナの火炎で加熱
されている加熱部位(合成用バーナとともに長手方向に
移動する)の表面加熱温度を測定し、その表面加熱温度
の変動幅が所定の温度幅以内となるように、合成用バー
ナによる加熱条件を制御する。ここで、ガラス多孔質体
は、加熱温度によって収縮される度合が異なるため、各
部位に対する加熱温度が違っていると、長手方向に外径
のうねりを生じる原因となる。
【0011】 これに対して、上記のように各部位での
表面加熱温度が所定の変動範囲内となるように制御する
ことによって、外径等について長手方向に充分な均一性
を得ることが可能となる。また、このとき、製造工程に
対して、ガラス多孔質層の合成後に修正を行う工程を別
に付加する必要がないので、製造工程を簡単化して製造
コストを低減することができる。また、合成工程とは別
に修正用のスス付けを行うことによる母材でのクラック
の発生などの問題が解消される。また、複数の温度測定
点によって、表面加熱温度の測定精度を向上させること
ができる。また、表面温度の分布が加熱部位の中心点に
対して非対称な場合にも、その分布の効果を取り込んで
表面加熱温度を評価することが可能となる。
【0012】上記した表面加熱温度に対する所定の温度
幅は、充分な均一性が実現可能な温度条件として、±5
0℃とすることが好ましい。ただし、ガラス多孔質層合
成の諸条件や要求される均一性の精度等によって、異な
る温度幅を変動幅に対して設定しても良い。
【0013】また、表面加熱温度の測定を所定の測定時
間間隔で行うとともに、それぞれの測定時点において測
定された表面加熱温度の基準温度からの差分に基づい
て、ガラス多孔質層の加熱条件の制御を行うことを特徴
とする。
【0014】このように表面加熱温度の測定及び合成用
バーナによる加熱条件の制御を行うことによって、合成
用バーナからの火炎によるススの堆積時の各時点に対し
て、充分に均一化の効果を実現することができる。この
測定時間間隔については、表面加熱温度の変動の時間ス
ケール等に基づいて、設定された温度幅(例えば±50
℃)以内の変動幅が得られるように適宜設定することが
好ましい。
【0015】具体的な加熱条件の制御方法としては、ガ
ラス合成用バーナに供給される燃料ガスの流量を変化さ
せることによって、ガラス多孔質層の加熱条件の制御を
行うことを特徴とすることが好ましい。また、これ以外
にも、合成用バーナのガラス多孔質層からの距離を変化
させる方法などを用いることも可能である。
【0016】
【0017】 なお、温度測定点の具体的な設定につい
ては、例えば、加熱部位の中心点に対して長手方向に等
間隔に測定点を並べる方法や、2次元マトリクス状に測
定点を配置する方法などがある。
【0018】複数の温度測定点での表面温度から表面加
熱温度を求める方法としては、複数の温度測定点のそれ
ぞれにおいて測定された表面温度の最高温度から、表面
加熱温度を求めることが好ましい。あるいは、複数の温
度測定点のそれぞれにおいて測定された表面温度の平均
温度から、表面加熱温度を求めることが好ましい。ま
た、これら以外の方法を用いることも可能である。な
お、合成用バーナのトラバース速度や、要求される外径
均一性の精度等によっては、単一の温度測定点としても
良い。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面とともに本発明による
光ファイバ母材の製造方法の好適な実施形態について詳
細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素に
は同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図
面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していな
い。
【0020】図1は、本発明による光ファイバ母材の製
造方法の一実施形態に用いられる光ファイバ母材の製造
装置について概略的に示す構成図である。本製造装置
は、多層付けのOVD法によって、多孔質ガラス母材1
を作製するものであり、多孔質ガラス母材1を支持及び
回転させる母材支持装置20と、ガラス合成用バーナ2
5と、合成用バーナ25をトラバースさせるトラバース
装置26と、を備えて構成されている。なお、ここで
は、多孔質ガラス母材1等が収容される反応炉や、ガス
や堆積されなかったスス等を反応炉内から排気する排気
管等については、図示を省略している。
【0021】図1の製造装置を用いた光ファイバ母材の
製造方法においては、まず、ガラス多孔質層を堆積する
ための出発ロッドとなるコアロッド10を、母材支持装
置20の支持機構21によって支持させる。支持機構2
1は、コアロッド10を長手方向が所定の支持軸、図1
においては横方向の軸、に沿うように支持するととも
に、モータ等の駆動装置によって、この支持軸を中心と
してコアロッド10を回転させる。
【0022】この母材支持装置20に支持されて回転さ
れているコアロッド10に対して、合成用バーナ25を
長手方向(支持軸方向)にトラバース(移動)させ、合
成用バーナ25からの火炎によって、コアロッド10の
外周上にスス体であるガラス多孔質層11を合成する。
合成用バーナ25はトラバース装置26によって、多孔
質ガラス母材1に対して所定の位置で支持されるととも
に、コアロッド10(あるいはコアロッド10に対して
両端部にダミーロッドが接続された出発ロッド)に対し
て、長手方向の所定範囲内を複数回往復トラバースされ
て、各トラバース毎にガラス多孔質層11のススを堆積
させる。
【0023】本実施形態においては、合成用バーナ25
のトラバースによるガラス多孔質層11の合成中に、合
成用バーナ25に対向して合成用バーナ25からの火炎
によって加熱されているガラス多孔質層11上の加熱部
位A(図1参照)の、加熱された表面温度(以下、表面
加熱温度という)を測定する。この加熱部位Aは、合成
用バーナ25のトラバースに伴って、ガラス多孔質層1
1の堆積面上を移動する。そして、その表面加熱温度の
変動幅が、あらかじめ設定された基準温度に対して±5
0℃以下となるように合成用バーナ25による加熱条件
を制御することによって、多孔質ガラス母材1の長手方
向でのガラス多孔質層11の外径等について、均一性の
向上を実現している。
【0024】すなわち、ガラス多孔質体は、高温に加熱
することによって収縮するが、ガラス多孔質層11の各
部位において加熱時の表面加熱温度が異なると、それら
の部位でのガラス多孔質体の収縮度合に差異を生じる。
このとき、この各部位での収縮度合の違いによって、堆
積されたガラス多孔質層11の堆積面に長手方向のうね
り(凹凸形状)を生じてしまい、外径等の均一性が低下
される原因となる。
【0025】これに対して、上記した製造方法において
は、合成用バーナ25の移動に伴ってガラス多孔質層1
1の堆積面を移動する加熱部位Aの表面加熱温度を測定
するともに、その測定結果に基づいて、各部位での表面
加熱温度が基準温度±50℃の範囲内となるように、合
成用バーナ25を制御している。これによって、ガラス
多孔質層11の各部位に対する加熱条件が一定の範囲内
となるので、ガラス多孔質層11の収縮による上記した
長手方向のうねりなど、長手方向での外径の不均一性の
発生が抑制される。
【0026】このとき、ガラス多孔質層11の合成後
に、合成用バーナ25とは別に設けられた補助バーナを
用いて、外径の不均一性に修正を加えるためのスス付け
をさらに行う必要がなくなるので、製造工程を簡単化し
て製造コストを低減することができる。また、製造装置
についても、同様にその構成が簡単化される。また、合
成工程とは別に修正用のスス付けを行った場合には、母
材にクラックが発生したり、母材内にダストが取り込ま
れるなどの固有の問題を生じるが、これらの問題につい
ても同時に解消される。
【0027】表面加熱温度の測定が行われる測定時点に
ついては、合成用バーナ25のトラバース中において、
所定の測定時間間隔で行うことが好ましい。このとき、
この測定時間間隔は、合成用バーナ25のトラバース速
度や、多孔質ガラス母材1の長手方向の長さまたは合成
用バーナ25のトラバース距離などの諸条件を考慮し
て、表面加熱温度の変動幅を±50℃以下に制御可能な
時間間隔に設定する必要がある。また、トラバース中に
連続的に温度測定を行ったり、温度の測定時点を操作者
などが外部から指示することも可能である。また、合成
用バーナ25の制御による加熱条件、合成条件の変更に
ついては、表面加熱温度の測定が行われるごとに実行す
ることが好ましい。
【0028】また、加熱部位Aの表面加熱温度の測定方
法については、加熱部位Aの加熱中心点P0(図1参
照)での表面温度を、放射温度計などの温度測定装置に
よって測定する方法がある。あるいは、加熱中心点P0
のみについて表面温度を測定するのではなく、加熱部位
A内またはその近傍に、それぞれ所定の位置に配置され
た複数の温度測定点を設定し、それぞれの温度測定点に
おいて測定された表面温度から加熱部位Aでの表面加熱
温度を求めても良い。
【0029】図2は、複数の温度測定点を用いた表面加
熱温度の測定について、その一実施形態を示す模式図で
ある。図2に示した例においては、多孔質ガラス母材1
の長手方向(合成用バーナ25のトラバース方向)に沿
って、加熱中心点P0を中心として5つの温度測定点P0
〜P4が設定されている。これらの温度測定点は、温度
測定点(加熱中心点)P0の図中右側に温度測定点P1
びP2が、また、左側に温度測定点P3及びP4がそれぞ
れ等間隔で配置されている。
【0030】各温度測定点P0〜P4での表面温度は、放
射温度計270〜274によってそれぞれ測定される。こ
の放射温度計270〜274は、いずれも合成用バーナ2
5のトラバースによる加熱部位Aの移動とともに移動さ
れるように、トラバース装置26またはそれに連動する
移動装置によって可動に設置される。
【0031】放射温度計270〜274による各温度測定
点P0〜P4の表面温度の測定結果は、バーナ制御部28
に入力される。バーナ制御部28は、入力された各測定
点での表面温度の測定結果に基づいて、その加熱部位A
に対する表面加熱温度を求める。そして、求められた各
測定時点での表面加熱温度に基づいて、合成用バーナ2
5を随時制御する。
【0032】このように、表面加熱温度を求めるための
温度測定点を複数とし、それらの表面温度から加熱部位
Aでの表面加熱温度を求めることによって、求められる
表面加熱温度の精度を向上させて、得られる多孔質ガラ
ス母材1の長手方向での均一性を高めることが可能であ
る。この温度測定点数や配置間隔の設定については、必
要とされる均一性の程度や、合成用バーナ25のトラバ
ース速度などの諸条件によって適宜設定することが好ま
しい。
【0033】また、図2のように複数の温度測定点を設
定した場合には、それらの温度測定点で得られたそれぞ
れの表面温度の最高温度を、加熱部位Aでの表面加熱温
度とすることが好ましい。例えば、図2中において合成
用バーナ25を左側から右方向にトラバースさせる場
合、加熱中心点P0に対して右側及び左側の部位に対す
る加熱状態が異なる。このため、表面温度が最高温度と
なる部位は、加熱中心点P0よりも左側に位置する。ま
た、逆に右側から左方向にトラバースさせる場合には、
加熱中心点P0よりも右側で最高温度となる。
【0034】これに対して、図2のように、加熱中心点
0を中心として、トラバース方向に所定間隔で複数の
温度測定点P0〜P4を配置しておくことによって、表面
温度の分布が加熱部位Aの中心に対して非対称な場合に
も、その分布の効果を取り込んで表面加熱温度を評価す
ることが可能となる。具体的には、それぞれの温度測定
点に対して測定された表面温度の最高温度を加熱部位A
の表面加熱温度とすることによって、各測定時点で最も
加熱されている部位の表面温度によって加熱温度制御を
行うことができる。
【0035】また、各時点での表面加熱温度の測定結果
に基づいて行われる合成用バーナ25の制御について
は、各測定時点において、表面加熱温度の基準温度から
の差分を求め、その温度差分に基づいて制御を行うこと
が好ましい。合成用バーナ25の具体的な制御方法とし
ては、例えば、合成用バーナ25に供給される燃料ガス
の流量を変化させる方法がある。また、多孔質ガラス母
材1に対する合成用バーナ25の位置及び距離を変化さ
せる方法がある。あるいは、表面加熱温度を調整可能な
ものであれば、これ以外の加熱条件の制御方法を用いて
も良い。
【0036】図1及び図2に示した実施形態による製造
方法を用いて得られる光ファイバ母材における、長手方
向での外径等の均一性について、具体的な実施例ととも
にさらに説明する。
【0037】本実施例においては、直径φ10mm×長
さ500mmのコアロッド10をスス付けの出発ロッド
とし、支持機構21によって回転数40rpmで回転さ
せつつ、多層付けのOVD法(図1)によって、コアロ
ッド10の外周上にガラス多孔質層11を堆積させた。
また、合成用バーナ25のトラバース速度を200mm
/分、トラバース距離を400mmとするとともに、合
成用バーナ25からの火炎に用いるガスの組成及び流量
を、その合成開始時における初期設定で、H2を40l
/m(slm、standard l/m)、O2を70l/m、
SiCl4を1.5l/mに設定した。
【0038】この合成用バーナ25のトラバース時にお
ける、火炎による多孔質ガラス母材1への加熱に対し
て、図2に模式的に示したように、5つの温度測定点P
0〜P4を設定して、ガラス多孔質層11の堆積面での加
熱部位Aの表面加熱温度を測定した。ここでは、加熱部
位Aの中心となる温度測定点(加熱中心点)P0の周辺
に、トラバース方向に間隔5mmで温度測定点P1〜P4
を配置した。
【0039】表面加熱温度の測定時間間隔については、
合成用バーナ25のトラバース10mm毎(時間間隔3
秒毎)とした。また、温度測定点P0〜P4で測定された
表面温度のうちの最高温度を、その測定時点での加熱部
位Aの表面加熱温度とし、その表面加熱温度と、あらか
じめ設定された基準温度との差分を算出した。そして、
求められた温度差分の符号及び大きさに基づいて、合成
用バーナ25の燃料ガスであるH2の流量を初期設定の
40l/mから逐次変化させて、火炎による加熱条件
(ガラス多孔質層11の合成条件)の制御を行った。
【0040】具体的には、測定された表面加熱温度が基
準温度よりも低ければ、その温度差分量にしたがってH
2流量を増加させ、逆に、表面加熱温度が基準温度より
も高ければ、その温度差分量にしたがってH2流量を減
少させる制御を行った。なお、O2及びSiCl4の流量
については、上記した初期設定のまま固定とした。
【0041】以上の方法によって作製された多孔質ガラ
ス複合母材1を、焼結炉中において加熱焼結し、透明化
して透明ガラス母材とした。このとき、母材の外径の長
手方向に対する変動が低減されて、良好な長手方向の均
一性を有する光ファイバ母材が得られた。また、焼結後
の母材の外径及び長さは、平均でそれぞれ52mm、3
00mmであった。
【0042】なお、堆積面の表面加熱温度に生じる変動
幅は、表面加熱温度の測定時間間隔(合成用バーナ25
の制御時間間隔)と、合成用バーナ25の制御における
温度差分量に対するH2流量の変化量と、に依存する。
例えば、上記した各条件の下で測定時間間隔のみを変化
させていくと、測定時間間隔がトラバース50mm毎を
超えたところで、表面加熱温度の変動幅が±50℃を超
える結果となった。
【0043】測定時間間隔、及び温度差分に対するH2
流量の変化量、の2つの条件を変えて、いくつかの表面
加熱温度の変動幅に対して、母材の外径変動の大きさを
求めた結果を図3に示す。ここで、横軸は、上記した方
法によって測定されたガラス多孔質層11の堆積面にお
ける表面加熱温度の変動幅、縦軸は、焼結後の透明ガラ
ス母材での長手方向に対する外径変動を示している。
【0044】このグラフより、表面加熱温度の変動幅を
±50℃以下に抑えることによって、長手方向の外径変
動を1.5mm以内とすることができることがわかる。
このとき、線引工程へ供給するために、充分に安定した
外径を有する光ファイバ母材が得られる。
【0045】また、母材の外径変動に加えて、コアロッ
ド10に付加された層、すなわちガラス多孔質層11を
焼結して得られる層の、コアロッド10に対する厚さの
倍率である外付け倍率についても、光ファイバの特性を
安定させるために、長手方向について均一にすることが
好ましい。この外付け倍率について、同様に表面加熱温
度の変動幅への依存性を求めた結果を図4に示す。ここ
で、横軸は、堆積面における表面加熱温度の変動幅、縦
軸は、焼結後の透明ガラス母材での長手方向に対する外
付け倍率の変動を示している。
【0046】このグラフより、表面加熱温度の変動幅を
±50℃以下に抑えることによって、外付け倍率の変動
についても1%以内に抑えることが可能となることがわ
かる。外付け倍率の変動が光ファイバに対して与える影
響は、コアロッド10内の屈折率分布によって異なって
くるが、一般に、1%以内の変動であれば、ほぼあらゆ
る種類の光ファイバに対して、充分な長手方向の特性安
定性を得ることができる。
【0047】なお、バーナを軸方向にトラバースさせて
ガラス微粒子層を堆積させる合成方法において、ガラス
微粒子層の温度を測定して加熱条件を調整することにつ
いては、特開平2−243530号公報及び特開平2−
307838号公報に記載がある。しかしながら、これ
らの製造方法は、複数回のトラバース間でそれぞれ形成
される微粒子層の嵩密度を調整することを目的としてお
り、そのため、ガラス微粒子層の温度を、その端部など
の固定された温度測定点のみで測定している。したがっ
て、各トラバースごとの合成条件の調整は可能であるも
のの、トラバース中での合成条件については調整を行う
ことができず、得られる多孔質ガラス母材の長手方向に
ついての均一性については、何ら改善されない。
【0048】これに対して、上記した光ファイバ母材の
製造方法は、合成用バーナのトラバースとともに移動さ
れるガラス多孔質層上の加熱部位について表面加熱温度
を測定し、その測定結果に基づいて合成用バーナによる
合成条件を調整するものである。これによって、トラバ
ース中での合成条件を調整することが可能となり、得ら
れる多孔質ガラス母材の長手方向についての均一性の向
上が実現される。
【0049】本発明による光ファイバ母材の製造方法
は、上記した実施形態及び実施例に限られず、様々な変
形が可能である。例えば、表面加熱温度の変動幅に対す
る制限温度幅は、上記した±50℃に限らず、それぞれ
の製造工程において異なる温度幅を適宜設定しても良
い。
【0050】また、複数の温度測定点の設定について
は、加熱部位Aの加熱中心点P0に対して長手方向に沿
った方向のみに配置するのではなく、加熱中心点P0
中心として2次元アレイ状(マトリクス状)に配置して
も良い。あるいは、トラバース速度や必要な均一性の精
度などの条件によっては、加熱中心点P0の1点のみを
温度測定点としても良い。また、温度測定点が複数ある
場合の表面加熱温度については、各表面温度の最高温度
とする方法以外にも、各温度測定点での表面温度の平均
温度を取る方法など、様々な温度決定方法を用いること
ができる。
【0051】出発ロッドについては、上記した実施形態
ではコアロッドとしたが、コア及びクラッドの一部が形
成されたロッドを出発ロッドとしても良い。また、ガラ
ス合成用バーナ25の出発ロッドに対する移動(トラバ
ース)については、合成用バーナ25を固定しておき、
出発ロッド(多孔質ガラス母材)を合成用バーナ25に
対して移動及び往復させる方法を用いても良い。また、
母材の支持軸については、上記した横方向に限られず、
縦方向としても良い。
【0052】
【発明の効果】本発明による光ファイバ母材の製造方法
は、以上詳細に説明したように、次のような効果を得
る。すなわち、多孔質ガラス母材(出発ロッド)に対し
て、長手方向にガラス合成用バーナを移動させて、出発
ロッドの外周上にガラス多孔質層を堆積していく合成方
法において、合成用バーナからの火炎によるガラス多孔
質層の堆積面での、加熱部位に対する表面加熱温度を、
合成中の各時点において測定する。そして、その結果に
基づいて、表面加熱温度の変動幅が所定の温度幅(例え
ば±50℃)以下となるように合成用バーナによる加熱
条件を制御して、ガラス多孔質層の合成条件を調整す
る。
【0053】これによって、長手方向の各部位に対する
加熱温度の差異によるガラス多孔質層の外径などの不均
一性の発生が抑制されて、長手方向に対する光ファイバ
母材の均一性が向上される。このとき、光ファイバ母材
の線引工程を良好な条件で行うことが可能となるととも
に、線引後の光ファイバの特性を安定させることができ
る。特に、上記した製造方法においては、ガラス多孔質
層の合成後に別に修正のための工程を必要としないの
で、製造工程が簡単化されるとともに製造コストが低減
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバ母材の製造方法の一実施形態に用い
られる光ファイバ母材の製造装置を示す構成図である。
【図2】複数の温度測定点を用いた表面加熱温度の測定
の一実施形態を示す模式図である。
【図3】表面加熱温度の変動幅と母材の外径変動との相
関を示すグラフである。
【図4】表面加熱温度の変動幅と外付け倍率の変動との
相関を示すグラフである。
【符号の説明】
1…多孔質ガラス母材、10…コアロッド、11…ガラ
ス多孔質層、A…加熱部位、P0〜P4…温度測定点、 20…母材支持装置、21…支持機構、25…ガラス合
成用バーナ、26…トラバース装置、27…放射温度
計、28…バーナ制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03B 37/00 - 37/16 C03B 8/04 C03B 20/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス合成用バーナを、出発ロッドに対
    して長手方向に所定範囲内で移動させて、前記出発ロッ
    ドの外周上にガラス多孔質層を合成する光ファイバ母材
    の製造方法であって、 前記ガラス合成用バーナの前記所定範囲内での移動中
    に、前記ガラス合成用バーナからの火炎によって加熱さ
    れている加熱部位での前記ガラス多孔質層の表面加熱温
    度を測定するとともに、あらかじめ設定された基準温度
    に対して、前記表面加熱温度の変動幅が所定の温度幅以
    下となるように前記ガラス多孔質層の加熱条件を制御
    し、 前記加熱部位に対してそれぞれ所定の位置に配置された
    複数の温度測定点を前記ガラス多孔質層上に設定し、そ
    れぞれの前記温度測定点において測定された表面温度か
    ら、前記表面加熱温度を求める ことを特徴とする光ファ
    イバ母材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記所定の温度幅は、±50℃であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光ファイバ母材の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記表面加熱温度の測定を所定の測定時
    間間隔で行うとともに、それぞれの測定時点において測
    定された前記表面加熱温度の前記基準温度からの差分に
    基づいて、前記ガラス多孔質層の加熱条件の制御を行う
    ことを特徴とする請求項1記載の光ファイバ母材の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記ガラス合成用バーナに供給される燃
    料ガスの流量を変化させることによって、前記ガラス多
    孔質層の加熱条件の制御を行うことを特徴とする請求項
    1記載の光ファイバ母材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記複数の温度測定点のそれぞれにおい
    て測定された前記表面温度の最高温度から、前記表面加
    熱温度を求めることを特徴とする請求項記載の光ファ
    イバ母材の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記複数の温度測定点のそれぞれにおい
    て測定された前記表面温度の平均温度から、前記表面加
    熱温度を求めることを特徴とする請求項記載の光ファ
    イバ母材の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記複数の温度測定点を前記出発ロッド
    の長手方向に設定することを特徴とする請求項1記載の
    光ファイバ母材の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記複数の温度測定点を2次元マトリク
    ス状に設定することを特徴とする請求項1記載の光ファ
    イバ母材の製造方法。
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