JP3502552B2 - 帯電制御剤含有フェライト粒子及びその製法 - Google Patents

帯電制御剤含有フェライト粒子及びその製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写法で
の画像濃度及び解像度の低下並びにカブリの発生を防止
し転写効率を高める帯電制御剤含有フェライト粒子の製
法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、小型化及び高速化が進む電子写真
複写機は、高温高湿の過激な環境の下でも長時間の連続
稼働に耐え、かつ常に安定した高画質の鮮明な画像を複
写することが要求される。そのため、優れた耐環境安定
性、耐久安定性及び適性濃度を持ち、黒い斑点のカブリ
がなく、解像力に富んだ画像を複写できる電子写真トナ
ーが必要とされる。
【0003】従来の予備乾式混合の技術は、結着樹脂、
マグネタイト又はカーボンブラック等の着色剤、含金属
染料等の帯電制御剤及びワックス等を一度にヘンシェル
ミキサーに混入し、冷却しながら回転羽根の形、回転数
及び回転回数等の条件を変えて工夫して混合する。しか
しながら、結着樹脂、マグネタイト又はカーボンブラッ
ク等の着色剤、含金属染料の帯電制御剤及びワックスは
各々粒子径、比重及び帯電特性が異なるため、これらの
成分を均一に分散にすることが難しい。特にマグネタイ
ト又はカーボンブラック等の着色剤と含金属染料等の帯
電制御剤との均一分散が難しいので、画像濃度及び解像
度の低下並びにカブリの発生が生じ転写効率が低くなる
傾向にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、画像
濃度及び解像度の低下並びにカブリの発生を防止し転写
効率を高める帯電制御剤含有フェライト粒子の製法を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による帯電制御剤
含有フェライト粒子の製法は、カルボキシル化合物と、
水と、アルカリ金属の水酸化物とを混合しカルボキシイ
オン含有水溶液を得る工程と、金属塩と、水と、アルカ
リ金属の水酸化物とを混合し金属塩含有水溶液を得る工
程と、得られたイオン含有水溶液と金属塩含有水溶液と
を混合し中和して帯電制御剤を得る工程と、帯電制御剤
と、鉄含有塩と、水と、アルカリ金属の水酸化物とを混
合し酸化してフェライトと帯電制御剤との混合液を得る
工程と、得られた混合液を濾過、洗浄、乾燥及び粉砕す
る工程とを含む。帯電制御剤は、 n[R−COO]-・[M]n+ (I) n[R−COO]-・[CM]n+ (II) (Mは金属、CMは金属錯体、Rはアリール基、nは1
〜8の整数である)式(I)で示す金属イオンとカルボ
キシイオンとの塩と、式(II)で示す金属錯体イオンと
カルボキシイオンとの塩とを含む。
【0006】本発明による製法では、結着樹脂、着色
剤、帯電制御剤及びワックス等を一度に混合機に入れて
反応させるのではなく、最初にフェライト粒子の原料と
帯電制御剤とをアルカリ水溶液中で酸化して、濾過、洗
浄、乾燥及び粉砕することにより、帯電制御剤を均一に
含有するフェライト粒子を得ることができる。得られた
帯電制御剤含有フェライト粒子に結着樹脂及びワックス
等を混練すると、画像濃度及び解像度の低下並びにカブ
リの発生を抑制する高性能のトナーを製造できる。
【0007】フェライトと帯電制御剤とが均一に混合さ
れるので、トナー中に帯電制御剤が均一に分散され、帯
電制御剤が互いに凝集せず、トナーに帯電のムラが発生
しない。これにより、常に安定した電荷量でトナーが帯
電される。磁性材料として機能するフェライト粒子もト
ナー中で均一に分散されるので、結着樹脂等の他のトナ
ー粒子がフェライト粒子に均一に付着され、フェライト
粒子と共にトナー粒子が磁気ロールに良好に搬送され、
現像の際、十分な量のトナーを感光体に供給して画像濃
度の低下を防止することができる。また、磁力の低下に
よるトナー粒子のスリーブからの飛散も防止することも
できる。従って、本発明により帯電制御剤を均一に含有
するフェライト粒子を用いたトナーは、画像濃度及び解
像度の低下並びにカブリの発生を防止し、転写効率を高
めることができる。
【0008】金属イオン及び金属錯体イオンの混合物を
含有するので、結着樹脂に対する相溶性がよく、トナー
表面の電位を安定化する作用がある。また、二成分現像
剤用キャリアに対する帯電安定性に優れ、トナー粒子間
及び一成分トナーとスリーブ等のトナー担持体との摩擦
帯電性及び安定性に優れているので、転写後の画像濃度
は高く、地汚れ及び定着不良が発生しない。
【0009】帯電制御剤含有フェライト粒子は平均粒径
が1.0μm以下である。フェライト粒子の平均粒径が
1.0μmを超えると、トナーに対する分散性が悪くト
ナーの電荷量が不均一となり、転写時に画像濃度の低下
等が生じる。
【0010】金属イオンとなる金属及び金属錯体イオン
となる金属は、鉄(Fe)、クロム(Cr)、ニッケル
(Ni)、コバルト(Co)、スズ(Sn)、マンガン
(Mn)、セリウム(Ce)、銀(Ag)、亜鉛(Z
n)、マグネシウム(Mg)、ジルコニウム(Zr)、
ベリリウム(Be)、銅(Cu)、アルミニウム(A
l)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、チタン
(Ti)、インジウム(In)、リチウム(Li)及び
カドミウム(Cd)からなる群から選択される。金属錯
体イオンは、塩基性金属錯体イオンである。塩基性金属
錯体イオンは、塩基性水酸化クロムイオン、塩基性塩化
クロムイオン、塩基性塩化亜鉛イオン及び塩基性硫酸ク
ロムイオンからなる群から選択される。カルボキシル化
合物は、サリチル酸(C64(OH)(COOH))、サリ
チル酸誘導体、ナフトエ酸(C107COOH)及びナ
フトエ酸誘導体からなる群から選択される。
【0011】また、本発明による帯電制御剤含有フェラ
イト粒子の他の製法は、カルボキシル化合物と、水と、
アルカリ金属の水酸化物とを混合しカルボキシイオン含
有水溶液を得る工程と、鉄を含む金属塩と、水と、アル
カリ金属の水酸化物とを混合し鉄を含む金属塩含有水溶
液を得る工程と、得られたイオン含有水溶液と金属塩含
有水溶液とを混合し中和して帯電制御剤を含む水溶液を
得る工程と、得られた水溶液を曝気により酸化して、フ
ェライトと帯電制御剤との混合液を得る工程と、得られ
た混合液を濾過、洗浄、乾燥及び粉砕する工程とを含
む。帯電制御剤は、 n[R−COO]-・[M]n+ (I) n[R−COO]-・[CM]n+ (II) (Mは金属、CMは金属錯体、Rはアリール基、nは1
〜8の整数である)式(I)で示す金属イオンとカルボ
キシイオンとの塩と、式(II)で示す複数の金属錯体イ
オンとカルボキシイオンとの塩とを含む
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明による帯電制御剤含
有フェライト粒子の製法の実施の形態を説明する。
【0013】本発明の製法により得られる帯電制御剤含
有フェライト粒子は、図1に示すように、フェライト2
と帯電制御剤3とが均一に混合されかつフェライト2と
帯電制御剤3とが一体に付着した粒子1を含む平均粒径
1.0μm以下の粒子からなる。フェライト2と帯電制
御剤3とが均一に混合されるので、トナー中に帯電制御
剤3が均一に分散され、帯電制御剤3が互いに凝集せ
ず、トナーに帯電のムラが発生しない。これにより、常
に安定した電荷量でトナーが帯電される。磁性材料とし
て機能するフェライト粒子もトナー中で均一に分散され
るので、結着樹脂等の他のトナー粒子がフェライト粒子
に均一に付着され、フェライト粒子と共にトナー粒子が
磁気ロールに良好に搬送され、現像の際、十分な量のト
ナーを感光体に供給して画像濃度の低下を防止すること
ができる。また、磁力の低下によるトナー粒子のスリー
ブからの飛散も防止することもできる。従って、本発明
の製法により得られた帯電制御剤含有フェライト粒子を
用いたトナーは、画像濃度及び解像度の低下並びにカブ
リの発生を防止し、転写効率を高めることができる。フ
ェライト粒子の平均粒径が1.0μmを超えると、トナ
ーに対する分散性が悪くトナーの電荷量が不均一とな
り、転写時に画像濃度の低下等が生じる。
【0014】本発明の実施の形態では、帯電制御剤3
は、 n[R−COO]-・[M]n+ (I) n[R−COO]-・[CM]n+ (II) (Mは金属、CMは金属錯体、Rはアリール基、nは1
〜8の整数である)式(I)で示す金属イオンとカルボ
キシイオンとの塩と、式(II)で示す金属錯体イオンと
カルボキシイオンとの塩とを含む。金属イオン及び金属
錯体イオンの混合物を含有するので、結着樹脂に対する
相溶性がよく、トナー表面の電位を安定化する作用があ
る。また、二成分現像剤用キャリアに対する帯電安定性
に優れ、トナー粒子間及び一成分トナーとスリーブ等の
トナー担持体との摩擦帯電性及び安定性に優れているの
で、転写後の画像濃度は高く、地汚れ及び定着不良が発
生しない。
【0015】金属イオンとなる金属及び金属錯体イオン
となる金属は、鉄(Fe)、クロム(Cr)、ニッケル
(Ni)、コバルト(Co)、スズ(Sn)、マンガン
(Mn)、セリウム(Ce)、銀(Ag)、亜鉛(Z
n)、マグネシウム(Mg)、ジルコニウム(Zr)、
ベリリウム(Be)、銅(Cu)、アルミニウム(A
l)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、チタン
(Ti)、インジウム(In)、リチウム(Li)及び
カドミウム(Cd)からなる群から選択される。金属錯
体イオンは、塩基性金属錯体イオンである。塩基性金属
錯体イオンは、塩基性水酸化クロムイオン、塩基性塩化
クロムイオン、塩基性塩化亜鉛イオン及び塩基性硫酸ク
ロムイオンからなる群から選択される。カルボキシル化
合物は、サリチル酸(C64(OH)(COOH))、サリ
チル酸誘導体、ナフトエ酸(C107COOH)及びナ
フトエ酸誘導体からなる群から選択される。
【0016】帯電制御剤含有フェライト粒子の平均粒径
は1μm以下であるが、0.01μm以上が好ましい。
平均粒径が0.01μmに満たない粒子を均一に粉砕し
て生成することは難しく、粒径のばらつきが大きくなり
製造上の欠点がある。
【0017】フェライト粒子に対する帯電制御剤の含有
率は、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜3%であ
る。帯電制御剤の含有率が0.1%未満であると帯電量
が低く帯電性が安定しない。10%を超えると帯電量が
高くなり過ぎると共に、着色剤として作用するフェライ
ト粒子の割合が減少しトナー濃度が低下する。
【0018】カルボキシル化合物に結合するアリール基
及びアルキル基は、置換基を有してもよい。カルボキシ
ル化合物は、サリチル酸(C64(OH)(COOH))、
サリチル酸の誘導体、ナフトエ酸(C107COOH)
及びナフトエ酸誘導体であるが、サリチル酸の誘導体
は、3,5−ジターシャリブチルサリチル酸(C62(C
49)2(OH)(COOH))及び5−(5−t−オクチ
ル)サリチル酸(C63(C818)(OH)(COOH))
等から選択され、ナフトエ酸誘導体は、2−ヒドロキシ
−3−ナフトエ酸(C106(OH)(COOH))、アル
キル(Cn2n+1(nは4〜9の整数(以下同じ)))
−2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸(C105(Cn
2n+1)(OH)(COOH))、5,6,7,8−テトラヒドロ
−2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸(C1010(OH)
(COOH))、アルキル−5,6,7,8−テトラヒドロ
−2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸(C105(Cn
2n+1)(OH)(COOH))、1−ヒドロキシ−2−ナフ
トエ酸(C106(OH)(COOH))、アルキル−1−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(C105(Cn2n+1)(O
H)(COOH))及び5,6,7,8−テトラヒドロ−1−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(C1010(OH)(COO
H))等から選択される。
【0019】金属錯体イオンは、塩基性水酸化クロムイ
オン、塩基性塩化クロムイオン、塩基性塩化亜鉛イオン
及び塩基性硫酸クロムイオンから選択され、具体例を以
下の化学式で例示する。
【0020】塩基性水酸化クロムイオン: [Cr(H2
O)4(OH)2]+; [Cr(OH)]2+; [Cr(H2O)
5(OH)]2+; [(H2O)4CrO2Cr(H2O)4]2+
[(H2O)6Cr]3+; [(H2O)4Cr(OH)2Cr(H
2O)4]4+; [(H2O)4Cr(OH)2(H2O)Cr(H2O)
4]4+; [Cr4(OH)8]4+; [Cr3(OH)4(H
2O)10]5+
【化1】;
【化2】;
【化3】;
【0021】塩基性塩化クロムイオン: [(H2O)5
rCl2]+; [(H2O)CrCl5]+; [(H2O)4Cr
Cl2]+; [(H2O)5CrCl]2+; [(H2O)3CrC
l]2+; [(H2O)2CrCl3]が水に溶けた場合派生す
る金属錯体イオン; [Cr5(OH)6Cl9・12H2O]
が水に溶けた場合派生する金属錯体イオン;
【0022】塩基性塩化亜鉛イオン: [ZnCl2Zn
(OH)2]が水に溶けた場合派生する金属錯体イオン;
[ZnCl24Zn(OH)22O]が水に溶けた場合派生
する金属錯体イオン;[ZnCl26Zn(OH)22H
2O]が水に溶けた場合派生する金属錯体イオン;
【0023】塩基性硫酸クロムイオン: [Cr(SO4)
(H2O)]+; [Cr5(SO4)(H2O)5]+; [(H2O)3
Cr(OH)(SO4)2Cr(H2O)3]+; [(H2O)3Cr
(OH)2(SO4)Cr(H2O)3]2+
【化4】; [(H2O)3Cr(OH)(SO4)2Cr(H2O)4]3+; [(H
2O)4Cr(OH)(SO4)Cr(H2O)4]3+; [(H2O)6
Cr2(H2O)6]3+; [(H2O)4Cr(OH)2Cr(H
2O)4]4+
【0024】製造された帯電制御剤含有フェライト粒子
は、結着樹脂及びワックス等と共にボールミル、ヘンシ
ェルミキサー等の混合機で十分に混合した後、熱ロール
ニーダー、エクストルーダー等の混練機で混練し、冷却
固化後、粉砕、分級及び後処理(外添)をして製造され
る。その他、噴霧方法、重合方法等でも得られる。
【0025】着色剤及び帯電制御剤として作用する帯電
制御剤含有フェライト粒子のトナーに対する含有率は、
5〜70重量%であり、好ましくは25〜55重量%で
ある。5重量%未満であると磁気力が弱くトナーが磁気
ロールに担持できず、十分な量のトナーを感光体に供給
できずに画像濃度が低下する。一方、70重量%を超え
るとトナー中の結着樹脂成分の割合が少なくトナーの紙
への定着性が悪くなる。
【0026】結着樹脂は、ポリスチレン([−CH2CH
(C65)−]n)、スチレン−アクリル酸共重合体([−
CH2CH(C65)−CH2CH(COOH)−]n)、スチ
レン−メタクリル酸共重合体([−CH2CH(C65)−
CH2C(CH3)(COOH)−]n)、スチレン−アクリル
酸エステル共重合体([−CH2CH(C65)−CH2
H(COOR)−]n)、スチレン−メタクリル酸エステル
共重合体([−CH2CH(C65)−CH2C(CH3)(C
OOR)−]n)、スチレン−ブタジエン共重合体([−C
2CH(C65)−CH2CHCHCH2−]n)、飽和ポ
リエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、クマロン樹脂、
塩素化パラフィン、キシレン樹脂、塩化ビニル系樹脂、
ポリプロピレン([−CH2CH(CH3)−]n)及びポリ
エチレン([−CH2CH2−]n)等から選択される。
【0027】ワックスは、低分子量ポリプロピレン、低
分子量ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、
カルナバワックス、サゾールワックス、パラフィンワッ
クス及び脂肪族固形アルコール等から選択される。トナ
ーには必要に応じて流動化剤、帯電助剤及び研磨剤等を
添加することができる。シリカ、酸化チタン、アルミナ
等の微粒子、また、これらをシリコンオイル、シリコン
ワニス及びシランカップリング剤等で疎水化処理した微
粒子、チタン酸カルシウム等の金属酸化物、金属炭化物
及び金属窒化物等の無機微粒子、メチルメタクリレート
(CH2C(CH3)(COOCH3))、ポリフッ化ビニリ
デン([−CH2CF2−]n)及びポリスチレン([−CH
2CH(C65)−]n)等の有機微粒子、ステアリン酸亜
鉛(Zn(CH3(CH2)16COOH)2)及びステアリン
酸カルシウム(Ca(CH3(CH2)16COOH)2)等の
有機金属化合物微粒子等が挙げられる。
【0028】本発明により帯電制御剤含有フェライト粒
子を製造する際に、金属塩水溶液にアルカリ金属水酸化
物水溶液を加え約20分撹拌し、これにカルボキシル化
合物である3,5−ジターシャリブチルサリチル酸(C6
2(C49)2(OH)(COOH))を加える。混合液を1
〜2時間中和して、金属イオンとカルボキシイオンとの
塩と、複数の金属錯体イオンの混合物とカルボキシイオ
ンとの塩とを含む帯電制御剤を精製する。この場合、例
えば、下記の反応式で示す反応が行われる。 2Cr3++4C62(C49)2(OH)COO-+2OH-
+4H2O→C62(C49)2(OH)COO-+(Cr(H2
O)4(OH)2)++Cr(C62(C49)2(OH)COO)3
【0029】帯電制御剤3に鉄含有塩及びアルカリ金属
水酸化物又は過剰の鉄含有塩及び過剰のアルカリ金属水
酸化物を加え、70〜90℃の温度で2〜5時間酸化し
て帯電制御剤3を均一にフェライト(FeO・Fe
23)に含有させた混合液を得る。反応終了後、混合液
を濾過、洗浄、乾燥及び粉砕をして図1に示す帯電制御
剤含有フェライト粒子が製造される。
【0030】
【実施例】以下、本発明による帯電制御剤含有フェライ
ト粒子の製法の実施例を比較例と共に説明する。配合は
全て重量部である。
【0031】[実施例1] <帯電制御剤含有フェライト粒子の合成> 硫酸クロム110部を水1690部に加えた水溶液と、
水酸化ナトリウム10部を水1690部に加えた水溶液
とを混合撹拌しながら温度を90℃にし、これに水酸化
ナトリウム10部と水1330部と3,5−ジターシャ
リブチルサリチル酸70部とを混合撹拌した水溶液を加
え、90℃で1時間中和した。更にこれに硫酸第一鉄3
000部を水4400部に加えた水溶液と水酸化ナトリ
ウム1000部を水1500部に加えた水溶液とを混合
した水溶液を加え撹拌し、空気を吹き込みながら90℃
で5時間酸化してフェライトと帯電制御剤の混合液を得
た。反応終了後、この混合液を水で濾過洗浄し、120
℃で6時間乾燥させ、粉砕をして平均粒径0.5μmの
3,5−ジターシャリブチルサリチル酸クロム及び3,5
−ジターシャリブチルサリチル酸と塩基性硫酸クロム錯
体との塩の混合物である帯電制御剤が0.8%均一に含
有するフェライト(FeO・Fe23)粒子840部を
得た。
【0032】 <トナーの製造・性能確認> スチレン−アクリル酸エステル共重合体 49部 低分子量ポリプロピレン NP−505(三井石油化学社製) 3部 帯電制御剤含有フェライト粒子 48部 上記材料を混合機(ヘンシェルミキサー)で乾式混合し
た後、温度を130℃にセットした2軸混練機で混練し
た。得られた混練物を冷却してハンマーミルで約2mm
以下に粗粉砕した後、粗粉分級機能を有するジェット粉
砕機で微粉砕し、気流式分級機で分級して平均粒径9μ
mの生トナーを得た。得られた生トナー100部に疎水
性コロイダルシリカ0.3部とチタン酸カルシウム1.0
部を加え混合機(ヘンシェルミキサー)で混合した後、
振動ふるいで凝集物を除去しトナーを得た。このトナー
を市販の複写機(商品名 NP−400RE キャノン
社製)による1万枚の連続複写テストを行った結果、表
1に示すように、画像濃度及び解像度が低下せず、カブ
リの発生もなく転写効率が高かった。
【0033】[比較例1] <トナーの製造・性能確認> スチレン−アクリル酸エステル共重合体 49部 低分子量ポリプロピレン NP−505(三井石油化学社製) 3部 フェライト(FeO・Fe23)粒子 44部 帯電制御剤(3,5−ジターシャリブチルサリチル酸クロム) 4部 上記材料を混合機(ヘンシェルミキサー)で乾式混合し
た後、温度を130℃にセットした2軸混練機で混練し
た。得られた混練物を冷却してハンマーミルで約2mm
以下に粗粉砕した後、粗粉分級機能を有するジェット粉
砕機で微粉砕し、気流式分級機で分級して平均粒径9.
1μmの生トナーを得た。得られた生トナー100部に
疎水性コロイダルシリカ0.3部とチタン酸カルシウム
1.0部を加え混合機(ヘンシェルミキサー)で混合し
た後、振動ふるいで凝集物を除去しトナーを得た。この
トナーを市販の複写機(商品名、NP−400RE キ
ャノン社製)による1万枚の連続複写テストを行った結
果。表1に示すように、画像濃度及び解像度が低く、カ
ブリの発生も多く転写効率が低かった。
【0034】[実施例2] <帯電制御剤含有フェライト粒子の合成> 塩化亜鉛80部及び硫酸第一鉄2200部を水8380
部に加えた水溶液と、水酸化ナトリウム620部を水4
880部に加えた水溶液とを混合撹拌しながら温度を7
5℃にした。これに水酸化ナトリウム20部と水266
0部と2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸80部とを混合
し撹拌した水溶液を加え、75℃で2時間中和した後、
空気を吹き込みながら75℃で3時間酸化してフェライ
トと帯電制御剤の混合液を得た。反応終了後、この混合
液を水で濾過洗浄し、120℃で6時間乾燥させ、粉砕
をして平均粒径0.3μmの2−ヒドロキシ−3−ナフ
トエ酸亜鉛、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸鉄及び2
−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸と塩基性塩化亜鉛錯体及
び塩基性硫酸鉄錯体の塩の混合物である帯電制御剤が
2.2%均一に含有するフェライト(ZnO・Fe
23)粒子740部を得た。
【0035】 <トナーの製造・性能確認> 飽和ポリエステル樹脂 68部 低分子量ポリプロピレン NP−505(三井石油化学社製) 2部 帯電制御剤含有フェライト粒子 30部 上記材料を混合機(ヘンシェルミキサー)で乾式混合し
た後、温度を130℃にセットした2軸混練機で混練し
た。得られた混練物を冷却してハンマーミルで約2mm
以下に粗粉砕した後、粗粉分級機能を有するジェット粉
砕機で微粉砕し、気流式分級機で分級して平均粒径8.
9μmの生トナーを得た。得られた生トナー100部に
疎水性コロイダルシリカ0.3部とメチルメタクリレー
ト微粒子0.5部を加え混合機(ヘンシェルミキサー)
で混合した後、振動ふるいで凝集物を除去しトナーを得
た。このトナーを市販の複写機(商品名 NP−606
2 キャノン社製)による1万枚の連続複写テストを行
った結果、表1に示すように、画像濃度及び解像度が低
下せず、カブリの発生もなく転写効率も高かった。
【0036】[比較例2] <トナーの製造・性能確認> 飽和ポリエステル樹脂 68部 低分子量ポリプロピレン NP−505(三井石油化学社製) 2部 フェライト(ZnO・Fe23)粒子 29.3部 帯電制御剤(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸亜鉛) 0.7部 上記材料を混合機(ヘンシェルミキサー)で乾式混合し
た後、温度を130℃にセットした2軸混練機で混練し
た。得られた混練物を冷却してハンマーミルで約2mm
以下に粗粉砕した後、粗粉分級機能を有するジェット粉
砕機で微粉砕し、気流式分級機で分級して平均粒径9μ
mの生トナーを得た。得られた生トナー100部に疎水
性コロイダルシリカ0.3部とメチルメタクリレート微
粒子0.5部を加え混合機(ヘンシェルミキサー)で混
合した後、振動ふるいで凝集物を除去しトナーを得た。
このトナーを市販の複写機(商品名 NP−6062
キャノン社製)による1万枚の連続複写テストを行った
結果、表1に示すように、画像濃度及び解像度が低く、
カブリの発生も多く転写効率も低かった。
【0037】各実施例及び比較例ごとに、連続複写テス
ト開始時の複写画像及び終了時の複写画像を各項目につ
いて評価した結果を表1に示す。複写サンプルには電子
写真学会テストチャートNo1−Rを用いた。画像濃度
は複写画像の黒ベタ部の濃度をマクベス濃度計で測定し
た。解像度はルーペを用いて複写画像を目視観察し独立
した各細線の数を数えて評価した。カブリは複写画像の
非画像部の濃度をマクベス濃度計で測定した。転写効率
は使用トナー量(現像部の減量)で廃トナー量(廃トナ
ー部の増量)を割り100をかけた数値を100から引
いた値である。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明による帯電制御剤含有フェライト
粒子の製法により、トナーの画像濃度及び解像度の低下
並びにカブリの発生を防止し、転写効率が高い高品質の
電子写真用トナーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明により得られる帯電制御剤含有フェラ
イト粒子の拡大図
【符号の説明】
1・・帯電制御剤含有フェライト粒子、 2・・フェラ
イト、 3・・帯電制御剤、
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 49/00 - 49/08 G03G 9/00 - 9/10

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル化合物と、水と、アルカリ
    金属の水酸化物とを混合しカルボキシイオン含有水溶液
    を得る工程と、 金属塩と、水と、アルカリ金属の水酸化物とを混合し金
    属塩含有水溶液を得る工程と、 得られたイオン含有水溶液と金属塩含有水溶液とを混合
    し中和して帯電制御剤を得る工程と、 帯電制御剤と、鉄含有塩と、水と、アルカリ金属の水酸
    化物とを混合し酸化してフェライトと帯電制御剤との混
    合液を得る工程と、 得られた混合液を濾過、洗浄、乾燥及び粉砕する工程と
    を含み、 帯電制御剤は、 n[R−COO]-・[M]n+ (I) n[R−COO]-・[CM]n+ (II) (Mは金属、CMは金属錯体、Rはアリール基、nは1
    〜8の整数である)式(I)で示す金属イオンとカルボ
    キシイオンとの塩と、式(II)で示す金属錯体イオンと
    カルボキシイオンとの塩とを含むことを特徴とする帯電
    制御剤含有フェライト粒子の製法。
  2. 【請求項2】 カルボキシル化合物と、水と、アルカリ
    金属の水酸化物とを混合しカルボキシイオン含有水溶液
    を得る工程と、 鉄を含む金属塩と、水と、アルカリ金属の水酸化物とを
    混合し鉄を含む金属塩含有水溶液を得る工程と、 得られたイオン含有水溶液と金属塩含有水溶液とを混合
    し中和して帯電制御剤を含む水溶液を得る工程と、 得られた水溶液を曝気により酸化して、フェライトと帯
    電制御剤との混合液を得る工程と、 得られた混合液を濾過、洗浄、乾燥及び粉砕する工程と
    を含み、 帯電制御剤は、 n[R−COO]-・[M]n+ (I) n[R−COO]-・[CM]n+ (II) (Mは金属、CMは金属錯体、Rはアリール基、nは1
    〜8の整数である)式(I)で示す金属イオンとカルボ
    キシイオンとの塩と、式(II)で示す複数の金属錯体イ
    オンとカルボキシイオンとの塩とを含むことを特徴とす
    る帯電制御剤含有フェライト粒子の製法。
  3. 【請求項3】 平均粒径1.0μm以下の粒子からなる
    請求項1又は2に記載の帯電制御剤含有フェライト粒子
    の製法。
  4. 【請求項4】 金属イオンとなる金属及び金属錯体イオ
    ンとなる金属は、鉄、クロム、ニッケル、コバルト、ス
    ズ、マンガン、セリウム、銀、亜鉛、マグネシウム、ジ
    ルコニウム、ベリリウム、銅、アルミニウム、バリウ
    ム、カルシウム、チタン、インジウム、リチウム及びカ
    ドミウムからなる群から選択された1種又は2種以上で
    ある請求項1〜3のいずれかに記載の帯電制御剤含有フ
    ェライト粒子の製法。
  5. 【請求項5】 金属錯体イオンは、塩基性金属錯体イオ
    ンである請求項1〜4のいずれかに記載の帯電制御剤含
    有フェライト粒子の製法。
  6. 【請求項6】 塩基性金属錯体イオンは、塩基性水酸化
    クロムイオン、塩基性塩化クロムイオン、塩基性塩化亜
    鉛イオン及び塩基性硫酸クロムイオンからなる群から選
    択された1種又は2種以上である請求項1〜5のいずれ
    かに記載の帯電制御剤含有フェライト粒子の製法。
  7. 【請求項7】 カルボキシル化合物は、サリチル酸、サ
    リチル酸の誘導体、ナフトエ酸及びナフトエ酸誘導体か
    らなる群から選択された1種又は2種以上である請求項
    1〜6のいずれかに記載の帯電制御剤含有フェライト粒
    子の製法。
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