JP3502338B2 - 液晶表示用材料、液晶表示方法及び液晶表示装置 - Google Patents
液晶表示用材料、液晶表示方法及び液晶表示装置Info
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Description
表示方法および液晶表示装置に関する。さらに詳細に
は、本発明はポリマーに液晶を相溶または相分離する状
態で分散させた液晶表示用材料と、熱相分離を利用した
液晶の表示方法において、冷却速度の制御により液晶を
半透明状態に維持することにより、表示状態を維持する
ことができる液晶表示方法及び装置に関する。
晶表示装置の開発が進んでいる。ポリマー分散型液晶
は、偏光を利用した液晶表示装置に比べて、明るさ、コ
ントラスト、視野角などの点で、優れた特性を持つ。ま
た、液晶がポリマー中に分散した構造のため、液晶を封
止する必要がなく、大面積化が容易などの特徴を備えて
いる。
来から電界応答あるいは熱応答により液晶の光学的性質
が変化することを利用した表示である。例えば、特開平
3−52843号公報には電界応答を利用したポリマー
分散型液晶を用いた液晶光学装置が開示されている。こ
れは、液晶の常光屈折率とポリマーの屈折率を一致させ
ることで、電界を印加して液晶分子の配向を電圧印加方
向に揃えて透明状態とし、電界無印加時には液晶分子が
ポリマー/液晶界面に沿って配向するため、その界面に
おいてポリマーと液晶の屈折率差に基づいて光を散乱
し、白濁状態となる。
加時の白濁性を上げるためにポリマー分散型液晶層の膜
厚を上げると、同時に駆動電圧も上昇する。また電界印
加時においても、微少な液晶小滴が電界応答できないた
め、あるいは液晶の常光屈折率とポリマーの屈折率を完
全に一致させることが困難であるため、完全な透明状態
は得られがたい。つまり、低電圧駆動でコントラストに
優れた表示を行うには電気光学的限界がある。
電子工業振興会編、平成3年3月発行、85項〜97
項)には、熱応答性のポリマー分散型液晶を利用した液
晶表示装置が記載されている。この液晶表示装置では、
ネマチック液晶をポリマー中に分散せさたポリマー分散
型液晶を使用している。図1(a)は、このポリマー分
散型液晶の非加熱状態(ネマチック相)を示し、図1
(b)は、このポリマー分散型液晶の加熱状態(アイソ
トロピック相)のモード変化を示す。また、このポリマ
ー分散型液晶の温度と屈折率との関係を図2に示す。
加熱状態の時には、ポリマー分散型液晶は白濁、不透明
な状態である。これは、前記電界応答のポリマー分散型
液晶を用いた液晶表示装置と同様に、ポリマー/液晶界
面で光が散乱されるためである。
に、このポリマー分散型液晶を加熱し、ある温度(ネマ
チック−アイソトロピック相転移点:TNI)を越えた
ところで、ポリマー分散型液晶は、白濁から透明へ変化
する。これは、ポリマー分散型液晶中の、液晶がネマチ
ック−アイソトロピック相転移点以上に加熱されて液晶
性を失い、アイソトロピック相の屈折率とポリマーの屈
折率npとの屈折率差が小さくなるためである。この場
合、液晶小滴の粒径に依存せず均等に熱伝導するため、
表示応答性はいいが、やはりアイソトロピック相の屈折
率とポリマーの屈折率を完全に一致させることは困難で
あるため、コントラストは十分でない問題点が挙げられ
る。
編、平成6年9月20発行、53項〜57項)などに、
電界と熱の両方を用いた熱書込デバイスとしての報告が
ある。例えば特開平6−18831号公報には、透明電
極と加熱配線を配置した基板にネマチック液晶をポリマ
ーに分散した層を狭持した表示装置が開示されている。
これは加熱と電界を併用することで、液晶の電界方向へ
の配向を固定化し、透明状態を保持させるものである。
この場合も、低電圧駆動でコントラストに優れた表示を
行うには電気光学的限界があり、さらに透明状態が長期
に渡って高透過率を保持できないという問題がある。
は、優れたコントラスト比を有し、ポリマー分散型液晶
層を半透明状態に維持することにより熱書き込み/熱消
去可能な新規な熱駆動型液晶表示用材料と該材料による
液晶表示方法及び装置を提供することである。
液晶を相溶又は相分離する状態で分散させた熱駆動型液
晶表示用材料であって、高温では該液晶がポリマーに相
溶し、低温では該液晶がポリマーと相分離し、前記相溶
状態から10℃/秒の速度で冷却した表示用材料の反射
率:Aと、前記相溶状態から4℃/秒の速度で冷却した
表示用材料の反射率:Bのコントラスト比:B/Aが2
以上となり、前記相溶状態から5℃/秒以上の速度で冷
却したときのポリマー中に分散した液晶の平均粒径が1
μm未満であり、ポリマー分散液晶層を半透明状態に維
持することができることを特徴とする液晶表示用材料に
より解決される。本発明によれば、ポリマー分散液晶層
を半透明状態に維持することにより、室温でも表示状態
をそのまま保持することができる。
の意味で用いられる。「相転移温度TNI」は、ネマチ
ック相−アイソトロピック相の相転移温度を意味する。
液晶としては、ネマチック液晶に限らず、スメクチック
液晶およびコレステリック液晶などを用いることができ
る。その場合、相転移温度TNIは、液晶相−アイソト
ロピック相の相転移温度を指す。「ポリマー分散型液
晶」とは、ポリマーと低分子液晶の複合膜であり、ポリ
マーマトリックス中で、液晶小滴が連続体を成すポリマ
ーネットワーク型、および液晶をポリマーでマイクロカ
プセル化したマイクロカプセル型もポリマーと低分子液
晶の複合系の一つと見ることができる。
液晶表示の原理を示す。図3(a)は、非加熱状態にお
いてポリマー中にネマチック液晶小滴302が分散し、
ポリマー/液晶界面でその屈折率差に基づき散乱を起こ
すため、不透明な白濁状態となる。液晶小滴の粒径が小
さい状態で分散していれば、白濁度が高い状態、すなわ
ち、一層不透明な状態となる。図3(a)の状態から、
ポリマー分散型液晶層をTgあるいはTNI以上に加熱
することで、ポリマー中に液晶分子303が相溶し、図
3(b)に示されるような、完全な透明状態となる。図
3(b)の相溶状態から、温度制御しながら、急激に温
度を低下させると、図3(c)に示されるような、液晶
小滴の粒径が非常に微小な状態で分散するため、半透明
状態を保持する。これは、液晶小滴の粒径が光の波長を
大きく下回ると、光散乱が激減するためである。さら
に、一旦、半透明状態が形成されると、室温において半
透明状態を保持する。これにより、熱駆動表示における
消費電力を節約することができ、ランニングコストの低
い極めて経済的な液晶表示装置が得られる。
すると、図3(b)に示される相溶状態に戻され、この
状態で加熱を止め、自然放冷させると、図3(a)の不
透明状態(白濁状態)に戻る。従って、半透明状態から
不透明状態に戻すためには、図3(b)に示される相溶
状態を経由しなければならない。
透明状態にするには、ポリマー分散液晶層の温度を5℃
/秒以上、例えば、10℃/秒の速度で低下させ、液晶
小滴を1μm未満の直径にまで微小化させる必要があ
る。液晶小滴のサイズが1μm超の場合、光散乱が増大
し、透明性が低下するため、表示におけるコントラスト
も低下するので好ましくない。不透明(白濁)状態にお
ける液晶小滴の平均粒径は一般的に、約1μm〜10μ
mの範囲内であるから、本発明では、この液晶小滴のサ
イズを非加熱時の液晶小滴のサイズの約1/10程度ま
で微小化させることとなる。
を更に詳細に説明する。図4は、本発明による液晶表示
装置400の一例の模式的斜視断面図である。図示され
ているように、本発明の液晶表示装置400は基本的
に、基材401、ポリマー分散型液晶層402、背景層
403、発熱体404より構成される。ポリマー分散型
液晶層402の形成材料として本発明の液晶表示用材料
を使用する。
て、本発明では、ポリマーのガラス転移温度(Tg)が
液晶の(ネマティック相−アイソトロピック相)相転移
温度(TNI)に近接したポリマーをバインダー樹脂と
して使用する。好ましくは−20℃≦(Tg−TNI)
≦20℃の条件を満たすことが好ましい。より好ましく
は、0℃≦(Tg−TNI)≦10℃の範囲である。
に、ポリマーに液晶が相溶し、白濁−透明の光学的変化
を起こす温度関係を示したのが図5である。白濁−透明
の変化温度をTtrとする。Tg>TNIの場合、T
trは温度の低い方のTNI近傍で白濁−透明の変化を
し、またTg<TNIの場合、Ttrは温度の低い方T
gの近傍で白濁−透明の変化をすることを見い出した。
ここで(Tg−TNI)の温度差が大きい場合、加熱に
より液晶がポリマーに相溶するのに広い温度幅を必要と
し、その結果、熱応答が緩慢になる傾向がある。従っ
て、−20℃≦(Tg−TNI)≦20℃の条件を満た
すことが好ましい。更に、0℃≦(Tg−TN I)≦1
0℃の温度関係を満たすことがより好ましい。これは−
20℃<(Tg−TNI)の場合、繰り返しの熱履歴に
よって、ポリマー分散型液晶層の熱変形が起こり、実用
上好ましくない場合があるためである。
に図1および2に示すように、ポリマーと液晶の屈折率
の一致、不一致を制御して光学的変化を表示として利用
する。そのため、液晶の常光屈折率とポリマーの屈折率
を限りなく一致させることが、高透明状態を得る手段と
なり、ポリマーと液晶の屈折率の選定において、材料が
限られてしまう。一方、本発明である熱相分離を利用し
た表示の場合、高透明状態を得るためには材料の屈折率
の制限が無く、さらにTtrを決定するのはT gとT
NIの温度関係であるため、任意のTtrを設定するこ
とができる。また、熱相分離を利用するため、透明時の
透過率は膜厚に依存せず、厚膜化することにより、高白
濁、高透明のコントラストに優れた表示を可能とするこ
とを見い出した。
透明の熱可塑性の樹脂で、アクリル系樹脂が好適であ
る。例えばポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸
ターシャリーブチル、ポリエチレングリコールジメタク
リレートなどの高Tgのアクリル樹脂、及びアルキド変
性アクリル樹脂、及びスチレン、メチルメタクリレー
ト、アクリロニトリル、アクリルアミドなどの硬質モノ
マーを用いたアクリル共重合体などを使用することが出
来る。ただし、これらアクリル系樹脂のポリマーは、各
種モノマーの官能基の選択、ポリマーの分子量、及び共
重合比の選択によりポリマーのTgを好適に設定するこ
とができる。
NI)≦20℃の関係を満たすことができるポリマーで
あれば、前記アクリル系樹脂以外のポリマーも本発明で
利用できる。例えば、ポリビニルブチラール、ポリエス
テル、ポリウレタン、塩化ビニル、酢酸ビニル共重合
体、シリコーン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン、シアノエチル化プルランなどの各種シアノエ
チル化物などの各種ポリマー樹脂を使用することができ
る。なお、本発明のポリマー型分散液晶で使用されるポ
リマーは、−20℃≦(Tg−TNI)≦20℃の関係
を満たすことができるのであれば、これらを単独で、又
は2種類以上を混合して使用することもできる。
用される液晶は、複屈折度:Δnの大きい液晶材料で、
かつ熱耐久性および耐紫外線劣化性を考慮したシアノビ
ィフェニル系、シアノターフェニル系、およびこれら誘
導体を主成分とするネマチック液晶を使用することがで
きる。複屈折度:Δnは、好ましくは0.20以上0.
35以下を満たす液晶材料が好適である。Δnが0.2
0未満では、ポリマー分散型液晶膜としたときの白濁度
が不十分であり、Δnが0.35超の実用的液晶材料は
作製困難であるためである。これら液晶組成物の混合物
は、組成を変えてやることにより、好適にTNIを調整
することができる。したがって、ポリマー分散型液晶表
示素子の変化温度に合わせて、液晶のTNIを調整する
こともできる。
逆的に変色したり、不透明な状態から透明な状態に可逆
的に変化することが可能な、熱応答性を有する液晶であ
れば、特に限定されない。例えば、シアノビフェニル
系、シアノターフェニル系以外のネマチック液晶とし
て、シアノピリジン系、シッフ塩基系、アゾキシ系、ア
ゾ系、安息香酸フェニルエステル系、シアノ基以外の極
性基を有するビフェニル系、シアノ基以外の極性基を有
するターフェニル系、フェニルシクロヘキサン系、フェ
ニルピリジン系、フェニルジオキサン系、多環エタン
系、フェニルシクロヘキセン系、シクロヘキシルピリジ
ン系、フェニル系、トラン系などが挙げられ、この他、
スメクチック液晶、コレステリック液晶なども好適に使
用することができる。
ある本発明の液晶表示用材料は基本的に、ポリマーに液
晶を相溶または相分離する状態で分散させたものであ
る。高温状態では液晶がポリマーに相溶し、低温状態で
は液晶がポリマーと相分離し、前記相溶状態から10℃
/秒の速度で冷却したときの液晶表示用材料の反射率を
Aとし、前記相溶状態から4℃/秒の速度で冷却したの
液晶表示用材料の反射率をBとすると、本発明の液晶表
示用材料のコントラスト比(B/A)は2以上16.6
未満である。但し、この値は、表示装置400の反射率
測定において、反射率が6%の背景材403を用いた場
合である。コントラスト比が2未満では表示状態のコン
トラストが悪くなり、表示情報の識別が困難となる。コ
ントラスト比が16.6以上になることは現実的にあり
得ない。好ましいコントラスト比(B/A)の範囲は、
2〜16.0である。一層好ましいコントラスト比(B
/A)の範囲は、2〜13である。最も好ましいコント
ラスト比(B/A)の範囲は、2〜10である。
を有する液晶でも、粘度の高い液晶の方が、コントラス
ト比は高くなることが発見された。従って、所望のコン
トラスト比を有する液晶表示用材料を形成する場合、液
晶の複屈折率と共に、使用する液晶の粘度も考慮に入れ
ることが好ましい。
用されるポリマーと液晶の割合について、ポリマーの配
合量よりも液晶の配合量を高めると、液晶の浸みだしが
問題となり、ポリマー分散型液晶層402を厳密に封止
する必要性が発生し塗布行程などの簡便な製造工程に不
適応となる。一方、ポリマーの配合量よりも液晶の配合
量を少なくすると、成膜性はいいが、非加熱時における
ポリマー分散型液晶層の白濁性が低下する。従って、本
発明のポリマー分散型液晶層402におけるポリマー:
液晶の重量比は、30:70〜70:30の範囲であること
が好ましい。
れないが、一般的に5μm〜200μmの範囲内である
ことが好ましい。膜厚が5μm未満では十分な表示効果
が得られない。一方、膜厚が200μm超では、熱応答
速度が緩慢になり、迅速な表示が困難になったり、また
均一な膜厚を得ることが困難になるなどの不都合が生じ
るので好ましくない。
成方法は、溶媒蒸発法を用いた塗布で行う。塗布でポリ
マー分散型液晶層402を形成することで、大面積の塗
布を低コストで行うことができる。ポリマー分散型液晶
層402の形成方法は、これに限定されず、当業者に慣
用又は常用されているポリマー分散型液晶層成形方法は
すべて本発明で使用できる。例えば、カプセル化法、重
合相分離法、熱相分離法などの方法を適宜選択して使用
することができる。
するにあたり、ポリマーと液晶の双方に溶解可能な溶媒
を用いて混合液を作製し、その混合液を基板401上に
ブレードコータ、ダイコーター、ロールコーター、バー
コーター、スクリーン印刷、刷毛塗り、どぶ付け、噴霧
などの常用の塗布方法で塗布することができる。溶媒と
して、セロソルブ、トルエン、キシレン、シクロヘキサ
ノン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、四
塩化炭素、アセトニトリル、ピリジン、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、 N,N−ジメチルアセトアミド、N
−メチル−2−ピロリドンなどが使用できる。溶媒は単
独でも使用できるし、二種類以上の混合溶媒として使用
することもできる。
402を強度的に支持するものであり、透明性・耐熱性
・使用強度を満たすものであれば、特に材質・膜厚に制
限はない。例えば透明なプラスチックを用いることがで
き、ガラスに比較し低コストで、その可撓性により曲面
状にもでき、塗布行程において製造適性が好適であるた
め、本発明では特にプラスチックが望ましい。本発明で
使用できるプラスチックとしてたとえば、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエー
テルスルフォンなどがある。
によりポリマー分散型液晶層402を白濁−透明変化さ
せる表示であるため、非加熱時と加熱時のコントラスト
を向上させるには、ポリマー分散型液晶層402の後方
に、背景層403を配設することが好ましい。このよう
な目的に好適な背景層は、例えば、銀、アルミニウム、
すず、ニッケル、クロム、金、白金などの反射層であ
り、これらは熱伝導率が高いため、発熱体404からの
熱伝導を妨げない好適な膜厚の反射層とする。より好ま
しくは、白濁時の反射率と透明時の反射率のコントラス
トを向上させるためには、ポリマー分散型液晶層402
の後方に、低反射率の黒背景層403を配設する。前記
背景層403は、黒色に限るものではなく、カラーの背
景層を用いることで、背景色の色表示を可能とする。
十分な発熱量を供給するものであればよい。例えば、カ
ーボン、ニッケルなどを電極で挟み、電流を流すことに
よりジュール熱を発生するもの、あるいはニクロム線、
ステンレスなどを所定の抵抗値になるよう配線し、ジュ
ール熱を発生するもの、ベルチェ素子のような半導体ヒ
ートポンプ、またはレーザー照射による発熱などであ
る。
405が接続されている。この温度制御装置405は、
発熱体404を駆動させるための電流供給装置406の
他、発熱体404の温度を測定するための温度センサ4
07を有する。本発明によれば、先ず電流供給装置40
6を動作させて発熱体404に電流を供給することによ
り、発熱体404を加熱して設定温度にまで上昇させ、
図3(b)に示されるような透明状態を形成させる。発
熱体404の温度が設定温度に達したことを温度センサ
407が検出すると、この検出信号はコントローラ40
8に送られ、コントローラ408内部のMPU及びCP
U(図示されていない)に格納されている温度制御プロ
グラムに従って演算処理される。演算結果は制御信号と
して電流供給装置406に送信され、電流供給装置40
6から発熱体404に送られる電流値を制御する。この
処理操作を繰り返すことにより、発熱体404の温度を
予め設定された速度で低下させる。コントローラ408
が外部から設定の指令信号を受けたとき、電流供給装置
406を動作させて発熱体404に電流を供給し、ポリ
マー/液晶複合膜を透明状態にする一定温度に制御し、
所定時間の後に、コントローラ408の制御下で所定の
関数に従って温度が低下していき、透明状態が維持され
る。この指令信号はまた、電流供給装置406を動作さ
せた後に停止させる信号も含む。これにより、液晶表示
装置を半透明状態から透明状態を経て白濁状態(不透明
状態)に戻すことができる。相溶(透明)状態にあるポ
リマー/液晶複合膜の温度を5℃/秒以上の速度で低下
させるために、必要に応じて、ヒートシンク、冷却ファ
ン、ペルチェ素子などのような公知常用の外部冷却装置
(図示されていない)を併用することもできる。
する。
(株)製、デルパウダ60N、Tg=90℃)を2.5
gと、シアノビフェニル系ネマティック液晶(メルク社
製、E−8、TNI=72℃、Δn=0.253、粘度
35.0cps(25℃))を2gとを、アセトン中に
溶解して30重量%の溶液を調整し、この溶液をアプリ
ケーターを用いてPET基板401上に塗布・乾燥し
た。塗布した二枚の基板のポリマー分散型液晶層を対向
させて、熱圧着により張り合わせ、膜厚50μmのポリ
マー分散型液晶層402を得た。これと黒背景材(反射
率6%)403およびステンレス発熱体を用いた発熱体
404を組み合わせて、本発明の液晶表示セルAを作製
した。
(株)製、デルパウダ60N、Tg=90℃)を2.5
gと、シアノビフェニル系ネマティック液晶(大日本イ
ンキ化学工業(株)製、TNI=80℃、Δn=0.2
31、粘度38.1cps(25℃))を2gとを、ア
セトン中に溶解して30重量%の溶液を調整した。この
溶液を用い、実施例1と同様の方法で液晶表示セルBを
作製した。
部導入したアクリル樹脂(大日本インキ化学工業(株)
製、BZ1161、Tg=85℃)を2.5gと、シア
ノビフェニル系ネマティック液晶(大日本インキ化学
(株)製、TNI=80℃、Δn=0.231、粘度3
8.1cps(25℃))を2gとを、トルエン中に溶
解して30重量%の溶液を調整した。この溶液を用い、
実施例1と同様の方法で液晶表示セルCを作製した。
(株)製、BL−S、Tg=60℃)を2.5gと、シ
アノビフェニル系ネマティック液晶(メルク社製、E−
8、TNI=72℃、Δn=0.253、粘度35.0
cps(25℃))を2gとを、メチルエチルケトン中
に溶解して30重量%の溶液を調整した。この溶液を用
い、実施例1と同様の方法で液晶表示セルDを作製し
た。
て、加熱時の透明状態から、各冷却速度における反射率
変化を測定した。冷却は、ポリマー分散型液晶膜として
の白濁−透明変化温度(Ttr)から40℃まで、所定
の速度で降温させることにより行った。なお、反射率の
測定は、各セル後方に黒背景材(反射率6%)と発熱体
を配置し、ポリマー分散型液晶セル前方より積分球とハ
ロゲン光源を用いて拡散照射させ、そのときのポリマー
分散型液晶セル表面の輝度を輝度計(トプコン製、BM
−7)により測定した。このとき値を標準白色板(Mg
O)より規格化し、反射率を求めた。従って、各セルの
反射率を測定した場合、測定値が背景材の反射率よりも
下まわることはない。また、各冷却速度におけるポリマ
ー分散型液晶膜断面をSEM観察し、液晶小滴の平均粒
径も測定した。これらの測定結果を要約して表1に示
す。
に、−20℃≦(Tg−TNI)≦20℃の条件を満た
す本発明の実施例2のセルBは、加熱され透明状態にあ
る液晶を、5℃/秒以上の温度降下速度で急激に冷却す
ると、半透明状態が保持された。なお、10℃/秒の速
度で冷却したセルの反射率Aと、4℃/秒の速度で冷却
したセルの反射率Bのコントラスト比B/Aは2以上で
あった。この半透明状態は200時間経過後も保持され
た。急冷後反射率が上昇することはなかった。また、再
度加熱−自然放冷−再度加熱−制御急冷により可逆的に
白濁状態および半透明状態を自在に表示できた。また、
徐冷の温度制御を行うことで、液晶小滴の粒径を制御
し、表示素子としての光学的性質を保持し得ることが確
認できた。また、セルA、CおよびDについて、セルB
と同様な試験を行ったところ、同様な結果が得られた。
その結果を下記の表2に要約して示す。
(株)製、デルパウダ60N)を2.5gと、シアノビ
フェニル系ネマティック液晶(大日本インキ化学工業
(株)製、Δn=0.220、粘度30.6cps(25
℃))を2gとを、メチルエチルケトン中に溶解して3
0重量%の溶液を調整した。この溶液を用い、実施例1
と同様の方法で液晶表示セルEを作製した。
本インキ化学工業(株)製、Δn=0.220、粘度3
0.6cps(25℃))を1gと、この液晶を増粘させ
る目的で4-Pentyloxy-4-biphenylcarbonitrile(ALDRIC
H社製)を1g添加し、2gのネマチック液晶を得た。
このときΔn=0.2134、粘度44.6cps(25
℃)であった。この2gのネマチック液晶とポリメタク
リル酸メチル(旭化成(株)製、デルパウダ60N)の
2.5gを、メチルエチルケトン中に溶解して30重量
%の溶液を調整した。この溶液を用い、実施例1と同様
の方法で液晶表示セルFを作製した。
(株)製、デルパウダ60N)を2.5gと、シアノピ
リジン系ネマティック液晶(大日本インキ化学工業
(株)製、Δn=0.253、粘度51.0cps(25
℃))を2gとを、メチルエチルケトン中に溶解して3
0重量%の溶液を調整した。この溶液を用い、実施例1
と同様の方法で液晶表示セルGを作製した。
ルについて、相溶状態から45℃/秒の速度で冷却した
ときの反射率A’と、相溶状態から2℃/秒の速度で冷
却したときの反射率B’を測定し、コントラスト比B’
/A’を求めた。反射率の測定は前記と同じ方法を用い
て行った。結果を下記の表2に要約して示す。
うに、液晶のの粘度を増大させることで、コントラスト
比が向上することが分かる。さらにセルG(実施例7)
では高粘度、高複屈折率の液晶を用いた場合コントラス
ト比5.4が得られた。
高いコントラストを有する液晶表示用材料が得られる。
また、ポリマーのガラス転移点(Tg)と液晶の相転移
点(TNI)が−20℃≦(Tg−TNI)≦20℃の
要件を満たすポリマーと液晶を用いた液晶表示装置にお
いて、相溶状態からの冷却速度を制御して液晶小滴のサ
イズを微小化させることにより半透明状態を形成し、相
溶時の表示状態をそのまま保持することができる。
熱時の状態変化を示す模式図であり、(a)は非加熱状
態を示し、(b)は加熱状態を示す。
屈折率の変化を示す特性図である。
方式を示す模式図であり、(a)は非加熱状態(白濁不
透明状態)を示し、(b)は加熱状態(透明状態)を示
し、(c)は加熱状態から温度制御しながら急激に冷却
して非加熱状態に至ったときの半透明状態を示す。
面図である。
ーのガラス転移点(Tg)と液晶の相転移点(TNI)
およびポリマー分散型液晶層としての白濁−透明変化温
度(Ttr)の各温度関係を示したものである。
Claims (8)
- 【請求項1】 ポリマーに液晶を相溶又は相分離する状
態で分散させた熱駆動型液晶表示用材料であって、 高温では該液晶がポリマーに相溶し、低温では該液晶が
ポリマーと相分離し、前記相溶状態から10℃/秒の速
度で冷却した表示用材料の反射率:Aと、前記相溶状態
から4℃/秒の速度で冷却した表示用材料の反射率:B
のコントラスト比:B/Aが2以上となり、 前記相溶状態から5℃/秒以上の速度で冷却したときの
ポリマー中に分散した液晶の平均粒径が1μm未満であ
り、ポリマー分散液晶層を半透明状態に維持することが
できる、 ことを特徴とする液晶表示用材料。 - 【請求項2】 前記液晶の異方相−等方相の相転移温度
(TNI)とポリマーのガラス転移点(Tg)が−20
℃≦(Tg−TNI)≦20℃の範囲を満たすことを特
徴とする請求項1に記載の液晶表示用材料。 - 【請求項3】 前記液晶は複屈折度が0.20以上0.
35以下であるシアノビフェニル系、およびシアノター
フェニル系のネマチック液晶を主組成分とすることを特
徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示用材料。 - 【請求項4】 表示変化温度以上では液晶がポリマーに
相溶し、表示変化温度より低い温度ではポリマーと液晶
が可逆的に熱相分離することからなる熱駆動型液晶表示
用材料を用いた液晶表示媒体の液晶表示方法において、 前記相溶状態から10℃/秒の速度で冷却した表示用材
料の反射率:Aと、前記相溶状態から4℃/秒の速度で
冷却した表示用材料の反射率:Bのコントラスト比:B
/Aが2以上となる液晶表示用材料を使用し、 前記相溶状態から5℃/秒以上の速度で温度を低下させ
て、ポリマーのマトリックス中に分散した液晶の平均粒
径を1μm未満とし、ポリマー分散液晶層を 半透明状態
に維持することにより表示情報を保持する、ことを特徴
とする液晶表示方法。 - 【請求項5】 前記液晶表示媒体において、液晶の異方
相−等方相の相転移温度(TNI)とポリマーのガラス
転移点(Tg)が−20℃≦(Tg−TNI)≦20℃
の範囲を満たすポリマーと液晶を用いることを特徴とす
る請求項4に記載の液晶表示方法。 - 【請求項6】 前記液晶表示媒体における液晶の複屈折
度が0.20以上0.35以下であるシアノビフェニル
系、およびシアノターフェニル系のネマチック液晶を主
組成分とすることを特徴とする請求項4又は5に記載の
液晶表示方法。 - 【請求項7】 発熱体上に、表示変化温度以上では液晶
がポリマーに相溶し、表示変化温度より低い温度ではポ
リマーと液晶が可逆的に熱相分離することからなる熱駆
動型液晶表示用材料のポリマー分散型液晶層が配設され
ており、前記発熱体に、該発熱体の温度を徐々に低下さ
せるための温度制御装置が接続されており、前記相溶状態から10℃/秒の速度で冷却した表示用材
料の反射率:Aと、前記相溶状態から4℃/秒の速度で
冷却した表示用材料の反射率:Bのコントラスト比:B
/Aが2以上となる液晶表示用材料を使用し、 前記相溶状態から5℃/秒以上の速度で冷却したときの
ポリマー中に分散した液晶の平均粒径が1μm未満であ
り、ポリマー分散液晶層を半透明状態に維持することが
できる、 ことを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項8】 前記温度制御装置は、前記発熱体の温度
を検出する温度センサと、温度センサの検出結果に基づ
いて制御信号を発生するコントローラと、該コントロー
ラから送信される制御信号に基づき前記発熱体に電流を
供給する電流供給装置とからなることを特徴とする請求
項7に記載の液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000303033A JP3502338B2 (ja) | 1999-10-25 | 2000-10-03 | 液晶表示用材料、液晶表示方法及び液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30189299 | 1999-10-25 | ||
JP36484099 | 1999-12-22 | ||
JP11-364840 | 1999-12-22 | ||
JP11-301892 | 1999-12-22 | ||
JP2000303033A JP3502338B2 (ja) | 1999-10-25 | 2000-10-03 | 液晶表示用材料、液晶表示方法及び液晶表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001242444A JP2001242444A (ja) | 2001-09-07 |
JP3502338B2 true JP3502338B2 (ja) | 2004-03-02 |
Family
ID=27338498
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000303033A Expired - Fee Related JP3502338B2 (ja) | 1999-10-25 | 2000-10-03 | 液晶表示用材料、液晶表示方法及び液晶表示装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3502338B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5403553B2 (ja) * | 2010-01-05 | 2014-01-29 | 株式会社ジャパンディスプレイ | 液晶表示装置及びその駆動方法 |
WO2014185413A1 (ja) * | 2013-05-13 | 2014-11-20 | 日産化学工業株式会社 | 横電界駆動型液晶表示素子用液晶配向膜を有する基板の製造方法 |
-
2000
- 2000-10-03 JP JP2000303033A patent/JP3502338B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JP2001242444A (ja) | 2001-09-07 |
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