JP3501929B2 - 導波管−マイクロストリップライン変換器 - Google Patents
導波管−マイクロストリップライン変換器Info
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Description
用アンテナ等のコンバータの入力部に用いられる導波管
−マイクロストリップライン変換器に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、導波管−マイクロストリップライ
ン変換器が用いられた衛星放送受信用アンテナにおい
て、図5に示すように、人工衛星より到来した電波は、
反射鏡21で反射されて収束され、その収束された電波
は、一次放射器22を介してローノイズ・ブロックダウ
ン・コンバータ(以下、LNBという)23の入力部の導
波管−マイクロストリップライン変換器30に到達す
る。上記LNB23の導波管−マイクロストリップライ
ン変換器30に入力された信号は、その次に低雑音増幅
器(以下、LNAという)で増幅されるが、LNAの信号
ラインはマイクロストリップラインで構成されている。 【0003】また、図6は上記導波管−マイクロストリ
ップライン変換器30の構造を示す要部断面図である。
図6において、31は断面矩形状かつ有底の筒形状の入
力導波管、32は上記入力導波管31の外側に接地導体
40を介して配置されたLNAの回路基板、33は上記
入力導波管31の管壁と回路基板32とを貫通するプロ
ーブ、34は上記回路基板32上に設けられ、上記プロ
ーブ33の一端に一端が接続されたストリップ導体34
である。上記ストリップ導体34と、回路基板32と、
その回路基板32裏面の接地導体40とでマイクロスト
リップライン35を構成している。上記入力導波管31
内の特性インピーダンスは、入力導波管31の寸法と周
波数で決定された値(数百Ω)となる。また、上記LNA
のマイクロストリップライン35は、特性インピーダン
スが50Ωになるように設計されている。この入力導波
管31とマイクロストリップライン35の異なるインピ
ーダンスをプローブ33により整合させている。この導
波管−マイクロストリップライン変換器30では、変換
のときの反射損失を小さくするため、入力導波管31の
内側に突出するプローブ33の中心軸の位置が入力導波
管31の空洞31a底部の反射部31bからλg/4(λ
gは入力導波管31内の波長)離れるように、プローブ
33を配置している。 【0004】上記入力導波管31のプローブ33が貫通
する部分では、プローブ33が誘電体部材37で囲まれ
て、入力導波管31に支持されている。このプローブ3
3が誘電体部材37で囲まれている部分は、特性インピ
ーダンスが50Ωの同軸線路を構成している。一般的
に、同軸線路は、図7に示すように、中心部の導体71
と外部導体72および中心導体71と外部導体72との
間を絶縁する誘電体部材73で構成されている。この誘
電体部材73は、通常テフロン等の誘電体損の小さい材
料が用いられるが、空間すなわち空気を誘電体として利
用する場合もある。上記同軸線路の特性インピーダンス
は次式で表され、上記入力導波管31のプローブ33が
貫通する部分は、特性インピーダンスZoが50Ωとな
るように次式を用いて設計する。 【0005】 【数1】 εs:誘電体の比誘電率 d1:プローブの直径 d2:誘電体の外径(=外部導体の内径) また、上記マイクロストリップライン35は、図8に示
すように、ストリップ導体34の幅をW,厚さをtと
し、上記ストリップ導体34と接地導体40との間の回
路基板32の厚さをh,比誘電率をεsとすると、この
マイクロストリップライン35の特性インピーダンス
は、ストリップ導体の幅W,厚さt、回路基板32の厚
さh,比誘電率εsによって決まる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】図6において、上記マ
イクロストリップライン35および入力導波管31のプ
ローブ33が貫通する部分の特性インピーダンスは、夫
々50Ωになるように設計するが、基板32のプローブ
33が貫通する部分は、L(インダクタンス)成分を有
し、同軸構造の外部導体に相当する部分がないため、特
性インピーダンスを50Ωにすることが困難である。こ
のため、入力導波管31のプローブ33が貫通する部分
とマイクロストリップライン35とのインピーダンスの
整合が取れず、そのため反射損失が大きくなって、変換
損失が大きくなるという問題がある。このような従来構
造の導波管−マイクロストリップライン変換器でも、K
uバンドの周波数帯(約10.95〜14.5GHz)で
は、実用上、大きな変換損失ではなかったため、Kuバ
ンドのLNB等には、この方法が採用されているが、K
aバンドの周波数帯(約17.7〜21.2GHz)以上で
は、変換損失が無視できない値となる。 【0007】そこで、この発明の目的は、Kaバンドの
周波数よりも高い周波数において、低損失な変換ができ
る導波管−マイクロストリップライン変換器を提供する
ことにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の導波管−マイクロストリップライン変換
器は、導波管と、上記導波管の外側に配置された誘電体
基板と、上記導波管の管壁と上記誘電体基板とを貫通す
るプローブと、上記導波管と上記プローブとの間に設け
られた誘電体と、上記誘電体基板上に設けられ、上記プ
ローブに一端が接続されたマイクロストリップラインと
を有する導波管−マイクロストリップライン変換器にお
いて、上記誘電体基板の上記プローブが貫通する部分を
囲むように、上記プローブを中心導体とする同軸線路の
外部導体として上記導波管に突起部を設けたことを特徴
としている。 【0009】上記請求項1の導波管−マイクロストリッ
プライン変換器によれば、上記導波管に入力された電波
は、上記導波管と誘電体基板とを貫通するプローブを介
してマイクロストリップラインに伝わる。このとき、上
記導波管とマイクロストリップラインの2つの異なる特
性インピーダンスをプローブにより整合させている。上
記プローブを中心導体とし、導波管を外部導体として、
上記プローブと導波管および上記プローブと導波管との
間に設けられた誘電体(テフロン等の材料かまたは空気
でもよい)で同軸線路を構成する。また、上記プローブ
を中心導体とし、上記導波管の突起部を外部導体とし
て、そのプローブと導波管の突起部および上記プローブ
と導波管の突起部との間の誘電体基板で同軸線路を構成
する。したがって、同軸線路の中心導体としてのプロー
ブの直径を調整したり、外部導体としての導波管のプロ
ーブが貫通する穴の直径を調整したり、外部導体として
の導波管の突起部の形状,配置等を調整したりして、プ
ローブを中心導体とする同軸線路の特性インピーダンス
をマイクロストリップラインと略等しくなるようにで
き、プローブを中心導体とする同軸線路とマイクロスト
リップラインとの間のインピーダンス整合が容易とな
る。このため、上記導波管とマイクロストリップライン
の異なるインピーダンスを整合させつつ、損失の少ない
変換ができ、特にKaバンドの周波数よりも高い例えば
Kuバンドの周波数において実用的な導波管−マイクロ
ストリップライン変換器を実現できる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、この発明の導波管−マイク
ロストリップライン変換器を図示の実施の形態により詳
細に説明する。 【0011】(第1実施形態) 図1はこの発明の第1実施形態の導波管−マイクロスト
リップライン変換器の上面図であり、図2は図1のII−
II線から見た拡大断面図である。なお、この導波管−マ
イクロストリップライン変換器は、図5に示す衛星放送
受信用アンテナと同一のアンテナのLNB(ローノイズ
・ブロックダウン・コンバータ)に用いられる。 【0012】図1,図2において、1は断面矩形状かつ
有底の筒形状の入力導波管、2は上記入力導波管1の上
側に接地導体10(図2に示す)をを介して配置された誘
電体基板としての回路基板、3は上記入力導波管1の管
壁と回路基板2を貫通するプローブ、4は上記回路基板
2上に設けられ、上記プローブ3の一端に一端が接続さ
れたストリップ導体、5は上記ストリップ導体4のプロ
ーブ3側の周囲を囲むように回路基板2上に設けられた
グランドパターンである。上記ストリップ導体4と回路
基板2および接地導体10でマイクロストリップライン
9を構成している。そして、上記回路基板2のプローブ
3が貫通する部分の外周部のほぼ半周状に、上記グラン
ドパターン5と回路基板2裏面の接地導体10とを電気
的に接続する複数のスルーホール6を設けている。な
お、上記入力導波管1の空洞1aに突出するプローブ3
の中心軸の位置が入力導波管1の空洞1a底部からλg
/4(λgは入力導波管1の波長)離れるように、プロー
ブ3を配置して、反射損失を小さくしている。 【0013】上記プローブ3を中心導体とし、プローブ
3の外周部の複数のスルーホール6を外部導体として、
そのプローブ3と複数のスルーホール6および上記プロ
ーブ3と複数のスルーホール6との間の誘電体からなる
回路基板2で同軸線路に相当する構造が得られる。な
お、図2に示すように、上記入力導波管1のプローブ3
が貫通する穴8には、入力導波管1とプローブ3との間
に筒状の誘電体部材7を配置して、プローブ3を中心導
体とし、入力導波管1を外部導体として、そのプローブ
3と入力導波管1および誘電体部材7で同軸線路を構成
している。 【0014】このように、上記回路基板2のプローブ3
が貫通する部分を同軸線路に相当する構造にして、上記
プローブ3の導波管貫通部分と回路基板貫通部分で構成
された特性インピーダンスがマイクロストリップライン
9と同じ50Ωに近くなるようにしている。したがっ
て、Kaバンドの周波数よりも高い周波数において、入
力導波管1とマイクロストリップライン9とをインピー
ダンス整合させつつ、低損失で変換することができる。
また、この導波管−マイクロストリップライン変換器を
用いて、Kaバンドの周波数よりも高い周波数の電波を
低損失で受信可能なアンテナを実現することができる。 【0015】(第2実施形態) 図3はこの発明の第2実施形態の導波管−マイクロスト
リップライン変換器の上面図であり、図4は図3のIV−
IV線から見た拡大断面図である。なお、この導波管−マ
イクロストリップライン変換器は、図5に示す衛星放送
受信用アンテナと同一のアンテナのLNBに用いられ
る。 【0016】図3,図4において、11は断面矩形状か
つ有底の筒形状の入力導波管、12は上記入力導波管1
1の上側に接地導体20(図4に示す)を介して配置さ
れ、先端が半円形の突部12aを有する誘電体基板とし
ての回路基板、13は上記入力導波管1の管壁と回路基
板2の突部12aとを貫通するプローブ、14は上記回
路基板12上に設けられ、上記プローブ13の一端に一
端が接続されたストリップ導体である。上記ストリップ
導体14と回路基板12および接地導体20でマイクロ
ストリップライン19を構成している。上記回路基板1
2のプローブ13が貫通する部分の外周部のほぼ半周に
ついて、導波管11に外向に突出する突起部11bを設
けている。なお、上記入力導波管11の空洞11aに突
出するプローブ13の中心軸の位置が入力導波管11の
空洞11a底部からλg/4(λgは入力導波管11の波
長)離れるように、プローブ13を配置して、反射損失
を小さくしている。 【0017】上記プローブ13を中心導体とし、プロー
ブ13の外周部の入力導波管11の突起部11bを外部
導体とし、また、プローブ13と導波管部の突起部11
bの間の回路基板12の凸部12aを誘電体として、その
プローブ13と突起部11bおよび回路基板12の凸部
12aで同軸線路に相当する構造が得られる。なお、図
4に示すように、上記入力導波管11のプローブ13が
貫通する穴18には、入力導波管11とプローブ13と
の間に筒状の誘電体部材17を配置して、プローブ13
を中心導体とし、入力導波管11を外部導体として、そ
のプローブ13と入力導波管11および上記プローブ1
3と入力導波管11との間の誘電体部材17で同軸線路
を構成している。 【0018】このように、上記回路基板12のプローブ
13が貫通する部分を同軸線路に相当する構造にして、
上記プローブ13の導波管貫通部分と回路基板貫通部分
で構成された同軸線路の特性インピーダンスがマイクロ
ストリップライン19と同じ50Ωに近くなるようにし
ている。したがって、Kaバンドの周波数よりも高い周
波数において、入力導波管11とマイクロストリップラ
イン19とをインピーダンス整合させつつ、低損失で変
換することができる。また、この導波管−マイクロスト
リップライン変換器を用いて、Kaバンドの周波数より
も高い周波数の電波を低損失で受信可能なアンテナを実
現することができる。 【0019】上記第1,第2実施形態では、この発明の
導波管−マイクロストリップライン変換器を用いた衛星
放送受信用アンテナについて説明したが、この発明を送
信用アンテナ等のマイクロ波伝送線路を用いた他の装置
に適用してもよいのは勿論である。 【0020】また、上記第1,第2実施形態では、断面
矩形状の導波管を用いたが、導波管の断面形状は矩形に
限らず、円形またはその他の形状でもよい。 【0021】また、上記第2実施形態では、誘電体基板
としての回路基板12のプローブ13が貫通する部分を
囲むように、入力導波管11に突起部を設けたが、誘電
体基板のプローブが貫通する部分を囲むように、上記誘
電体基板上に構成される回路のうちの接地導体に接続す
べき導電性部材に突起部を設けたものでもよい。 【0022】 【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明の導波管−マイクロストリップライン変換器は、導波
管と、上記導波管の外側に配置された誘電体基板と、上
記導波管の管壁と誘電体基板とを貫通するプローブと、
上記導波管とプローブとの間に設けられた誘電体と、上
記誘電体基板上に設けられ、上記プローブに一端が接続
されたマイクロストリップラインとを有する導波管−マ
イクロストリップライン変換器において、上記誘電体基
板のプローブが貫通する部分を囲むように、上記プロー
ブを中心導体とする同軸線路の外部導体として上記導波
管に突起部を設けたものである。 【0023】したがって、請求項1の発明の導波管−マ
イクロストリップライン変換器によれば、同軸線路を構
成する中心導体としての上記プローブの直径を調整した
り、外部導体としての上記導波管のプローブが貫通する
穴の内径を調整したり、外部導体としての導波管の上記
突起部の形状,配置等を調整したりして、プローブを中
心導体とする同軸線路の特性インピーダンスをマイクロ
ストリップラインと略等しくなるようにでき、プローブ
を中心導体とする同軸線路とマイクロストリップライン
との間のインピーダンス整合が容易になる。したがっ
て、上記導波管とマイクロストリップラインの異なるイ
ンピーダンスを整合させつつ、損失の少ない変換が行え
る導波管−マイクロストリップライン変換器を実現する
ことができる。また、この導波管−マイクロストリップ
ライン変換器をマイクロ波通信用アンテナに用いること
によって、Kaバンドの周波数よりも高い例えばKuバン
ドの周波数において低損失で実用的なアンテナを提供で
きる。
イクロストリップライン変換器の構造を示す上面図であ
る。 【図2】 図2は上記導波管−マイクロストリップライ
ン変換器のII−II線から見た拡大断面図である。 【図3】 図3はこの発明の第2実施形態の導波管−マ
イクロストリップライン変換器の構造を示す上面図であ
る。 【図4】 図4は上記導波管−マイクロストリップライ
ン変換器のIV−IV線から見た拡大断面図である。 【図5】 図5は衛星放送受信用アンテナの概略図であ
る。 【図6】 図6は従来の導波管−マイクロストリップラ
イン変換器の構造を示す断面図である。 【図7】 図7は一般的な同軸線路の構造を示す断面図
である。 【図8】 図8は一般的なマイクロストリップラインの
構造を示す要部断面図である。 【符号の説明】 1,11…入力導波管、2,12…回路基板、3,13…
プローブ、4,14…ストリップ導体、6…スルーホー
ル、9,19…マイクロストリップライン、10,20…
接地導体、11b…導波管部材による凸部、21…アン
テナの反射鏡、22…一次放射器、23…LNB、30
…導波管−マイクロストリップライン変換器。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 導波管と、上記導波管の外側に配置され
た誘電体基板と、上記導波管の管壁と上記誘電体基板と
を貫通するプローブと、上記導波管と上記プローブとの
間に設けられた誘電体と、上記誘電体基板上に設けら
れ、上記プローブに一端が接続されたマイクロストリッ
プラインとを有する導波管−マイクロストリップライン
変換器において、 上記誘電体基板の上記プローブが貫通する部分を囲むよ
うに、上記プローブを中心導体とする同軸線路の外部導
体として上記導波管に突起部を設けたことを特徴とする
導波管−マイクロストリップライン変換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31343497A JP3501929B2 (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | 導波管−マイクロストリップライン変換器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31343497A JP3501929B2 (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | 導波管−マイクロストリップライン変換器 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11150403A JPH11150403A (ja) | 1999-06-02 |
JP3501929B2 true JP3501929B2 (ja) | 2004-03-02 |
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Family Applications (1)
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JP31343497A Expired - Fee Related JP3501929B2 (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | 導波管−マイクロストリップライン変換器 |
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---|---|---|---|---|
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JP5183527B2 (ja) * | 2009-03-02 | 2013-04-17 | 三菱電機株式会社 | 差動線路−導波管変換器 |
-
1997
- 1997-11-14 JP JP31343497A patent/JP3501929B2/ja not_active Expired - Fee Related
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