JP3500122B2 - 固体レーザー発振器・装置、及び、固体レーザー発振方法 - Google Patents

固体レーザー発振器・装置、及び、固体レーザー発振方法

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JP3500122B2 JP2000398466A JP2000398466A JP3500122B2 JP 3500122 B2 JP3500122 B2 JP 3500122B2 JP 2000398466 A JP2000398466 A JP 2000398466A JP 2000398466 A JP2000398466 A JP 2000398466A JP 3500122 B2 JP3500122 B2 JP 3500122B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体レーザー発振
器・装置、及び、固体レーザー発振方法に関し、特に、
励起用レーザーを受けて発振し大出力型である固体レー
ザー発振器・装置、及び、固体レーザー発振方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】固体レーザーの大出力化は、その固体結
晶を効率的に励起することが重要である。そのような励
起のために、特開平11−214776号に示されるよ
うに、半導体レーザー発振素子列が用いられている。こ
の公知技術は、図15に示されるように、半導体レーザ
ー発振素子列102からコーン状に誘導放出されるレー
ザー105を固体レーザー発振用結晶101に集光させ
るために、集光レンズ、特には、シリンドリカルレンズ
103が用いられている。
【0003】このようなシリンドリカルレンズ103
は、固体レーザー発振用結晶101の励起領域に励起用
エネルギーを高密度に集めるために用いられている。エ
ネルギーが高密度化された固体レーザー発振用結晶10
1は高い温度に加熱される。高温度の固体レーザー発振
用結晶101は、その発振効率が著しく低下し、更に、
素子破壊を招く。発振効率の低下と素子破壊の回避のた
めに、冷却媒体が循環的に通される冷却機器が用いられ
る。冷却される固体レーザー発振用結晶101は、発振
効率の低下と素子破壊を免れるが、出力されるレーザー
の光質を悪化させる。特に、図16に示されるように、
固体レーザー発振用結晶101の発振光軸又はその近傍
にエネルギーが一様に集中すれば、光軸からその光軸に
直交する面上で半径方向に温度差が生じて、図17に示
されるように、光軸により近いところで温度が高く、光
軸により遠いところで温度が低くなる。このような温度
分布は、比例的・線形的に固体レーザー発振用結晶の内
部の屈折率に対応する。高密度エネルギーの照射を受け
る固体レーザー発振用結晶部分は、高密度エネルギーの
照射を受けない固体レーザー発振用結晶部分に対して、
その屈折率が異常に変化する。このような屈折率の分布
異常は、出力されるレーザーの強度分布の非一様性と歪
みを招いて、レーザー光質を悪化させる。次に、均一密
度照射は重要であると同時に、冷却の均一性が均一密度
照射と同等に重要である。公知の固体素子の支持装置
は、図18に示されるように、固体結晶素子101を支
持する支持板107を備え、図20に示されるように、
素子端面と支持板107との間に液密部品109が装着
されている。液密部品109は、その熱伝導と振動吸収
の点で十分に考慮されることが重要である。更に、図1
9に示されるように、固体結晶素子101の冷却面に当
てられるシール部品108の配置の位置は、冷却効率の
点から十分に考慮されることが重要である。このような
冷却面の考慮がなされない場合、レーザー光質の悪化を
更に招く。更には、特開2000−164953号に記
載されているように、振動の発生を抑制することも重要
である。
【0004】レーザー光質の悪化を回避することが求め
られる。特に、エネルギー照射と冷却との両面からレー
ザー光質の悪化を回避することが求められる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、レー
ザー光質の悪化を回避することができる固体レーザー発
振器・装置、及び、固体レーザー発振方法を提供するこ
とにある。本発明の他の課題は、屈折率が均一に形成さ
れてレーザー光質の悪化を回避することができる固体レ
ーザー発振器・装置、及び、固体レーザー発振方法を提
供することにある。本発明の更に他の課題は、冷却が均
一であり屈折率が更に均一に形成されてレーザー光質の
悪化を回避することができる固体レーザー発振器・装
置、及び、固体レーザー発振方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】その課題を解決するため
の手段が、下記のように表現される。その表現中に現れ
る技術的事項には、括弧()つきで、番号、記号等が添
記されている。その番号、記号等は、本発明の実施の複
数・形態又は複数の実施例のうちの少なくとも1つの実
施の形態又は複数の実施例を構成する技術的事項、特
に、その実施の形態又は実施例に対応する図面に表現さ
れている技術的事項に付せられている参照番号、参照記
号等に一致している。このような参照番号、参照記号
は、請求項記載の技術的事項と実施の形態又は実施例の
技術的事項との対応・橋渡しを明確にしている。このよ
うな対応・橋渡しは、請求項記載の技術的事項が実施の
形態又は実施例の技術的事項に限定されて解釈されるこ
とを意味しない。
【0007】本発明による固体レーザー発振器は、励起
用レーザー(13)を受けてレーザーを生成する固体素
子(1)と、励起用レーザー(13)が固体素子(1)
に向かう光路に介設される光学系(7,7’)とを含ん
でいる。光学系(7,7’)は、固体素子(1)のレー
ザー発振光軸(L)に直交する直交方向に励起用レーザ
ー(13)を均一に照射する光学素子(7,7’)を備
えている。このような均一照射は、固体素子(1)の発
振光軸(L)に直交する少なくとも1つの直交方向の温
度分布を一様・均一化し、その方向のレンズ作用の発生
を抑制し、レーザーの光質の劣化・悪化を抑制する。
【0008】固体素子(1)は、レーザー発振光軸
(L)に交叉する両端斜面(ブリュースタ角形成面)を
有し、既述の直交方向(y軸方向)は、固体素子(1)
の周面(6端面)のうちで両端斜面に鋭角と鈍角でそれ
ぞれに交わる両端面に平行であり、且つ、レーザー発振
光軸(L)に直交する方向である。これにより、出力レ
ーザーの劣化防止の方向が厳密に定義される。
【0009】光学素子(1)は、レーザー発振光軸
(L)にそれぞれに平行である2反射面(8)を有する
鏡面形成素子(9)を備える。鏡面形成素子は反射鏡
(9)である。反射鏡(9)は冷却されることが非常に
好ましい。
【0010】本発明による固体レーザー発振装置は、励
起用レーザー(13)を生成する励起用レーザー発振器
(2)と、励起用レーザー(13)を受けてレーザーを
生成する固体レーザー発振本体(1)と、固体レーザー
発振本体(1)を支持する支持体(18)と、固体レー
ザー発振本体(1)を冷却する冷却機器(25)と、励
起用レーザー発振器(2)から固体レーザー発振本体
(1)に励起用レーザー(13)が向かう光路に介設さ
れる光学系(7)とを含んでいる。光学系(7)は、固
体レーザー発振本体(1)の発振光軸(L)に直交する
第1直交方向(y軸方向)に励起用レーザー(13)を
均一に照射する光学素子(9)を備えている。支持体
(18)は、固体レーザー発振本体(1)の内の発振光
軸(L)に離隔する複数部位部分を把持する把持部分
(21)を有している。把持部分(21)の把持面積は
少なく熱の伝導量を少なく抑えている。冷却機器は、固
体レーザー発振本体(1)の端面のうちで、発振光軸
(L)に直交し、且つ、第1直交方向(y軸方向)に直
交する2端面を冷却する冷却媒体流路(25)を形成す
る流路形成器を備えている。温度分布の均一対象面が均
一に冷却され得る。
【0011】固体素子(1)はレーザー発振光軸(L)
に交叉する両端斜面を有し、第1直交方向(y軸方向)
は、固体素子(1)の周面のうちでその両端斜面に鋭角
と鈍角でそれぞれに交わる両端面に平行であり、且つ、
発振光軸(L)に直交する方向であり、冷却機器は、両
端面に接合する液密要素(26−1,2)を更に備え、
液密要素(26−1,2)は、Oリングであり、その両
端面の限界端部に配置されている。液密要素(26−
1,2)は、限界位置に配置され、冷却面の面積が最大
化されていて、冷却効率をより一層に高くしている。
【0012】支持体は、支持体本体(18)と、断熱体
(23)とを備え、断熱体(23)は、支持体本体(1
8)と固体レーザー発振本体(1)の端面のうちで、発
振光軸(L)に直交し、且つ、第1直交方向(y軸方
向)に直交する直交方向のうちで第2直交方向(x軸方
向)でない方の第3直交方向(y軸方向)に直交する2
端面との間に介設されている。その方向の熱伝達による
冷却を防止し、固体レーザー発振本体(1)の既述の均
一方向(y軸方向)の熱の均一性を良好に保持する。
【0013】本発明による固体レーザー発振方法は、光
軸に直交する第1方向に均一なエネルギー密度で固体レ
ーザー発振素子に励起用レーザーを照射すること、固体
レーザー発振素子の端面のうち光軸に直交し、且つ、第
1方向に直交する方向に直交する両端面を冷却すること
とから構成され、更には、固体レーザー発振素子の端面
のうちその光軸に直交し、且つ、第1方向に直交する両
端面を断熱することから構成されている。
【0014】
【発明の実施の形態】図に対応して、本発明による固体
レーザー発振器の実施の形態は、レーザ発振固体要素が
励起用レーザとともに設けられている。そのレーザ発振
固体要素(スラブ型固体レーザー媒質)1は、図1に示
されるように、1対の励起用レーザ発振器2に挟まれて
配置されている。レーザ発振固体要素1は、スラブ型固
体レーザ媒質で形成され、図2に示されるように、発振
光軸Lに交叉する両端面は平行2斜面に形成され、その
平行2斜面はブリュースタ角を有している。座標系が図
1に示されるように設定され、発振光軸Lはz軸に平行
であり、発振光軸に垂直に直交するx軸とy軸が設定さ
れている。
【0015】レーザ発振固体要素1の両側(上下側)で
レーザ発振固体要素1に対してx軸方向に互いに離隔す
る励起用レーザ発振器2は、それぞれに発振体要素群か
ら形成されている。その発振体要素群は、y軸方向に離
隔する2列の一方側発振体要素群2Aと他方側発振体要
素群2Bとを備えている。一方側発振体要素群2Aと他
方側発振体要素群2Bは、それぞれに、z軸方向に密接
して並ぶ複数体の半導体レーザ発振要素3により構成さ
れている。一方側発振体要素群2Aと他方側発振体要素
群2Bは、光軸Lを含みzx平面に平行な第1対称面に
対して対称に配置されている。1対の励起用レーザ発振
器2は、光軸Lを含みzy平面に平行な第2対称面に対
して対称に配置されている。
【0016】励起用レーザ発振器2に近接してレーザ発
振固体要素1の側に、1対2体のシリンドリカルレンズ
4が配置されている。2体のシリンドリカルレンズ4
は、第2対称面に対して対称に配置されている。シリン
ドリカルレンズ4は、zx平面に平行な面で切断した断
面上で、円弧が現れる円筒面を持ったレンズであり、z
軸方向即ち光軸Lの方向に集光又は発散するレンズ作用
を有している。尚、そのレンズ作用は、z方向の半導体
レーザ発光領域≧S4である場合は集光し、半導体レー
ザ発光領域<S4である場合は発散する。
【0017】レーザ発振固体要素1の両側で、x軸方向
にレーザ発振固体要素1に対して離隔する1対2体の透
光窓5が配置されている。透光窓5は、窓支持板6によ
りy軸方向の両側で支持されている。透光窓5と窓支持
板6は、第2対称面に対して対称に配置されている。
【0018】シリンドリカルレンズ4と透光窓5との間
に、1対の金属製組ミラー7が配置されている。1つの
組ミラー7は、1組の対向する反射面8をそれぞれに持
つ2枚のミラー9から構成されている。2枚のミラー9
の2反射面8,8とzy平面に平行である面で切断した
断面上の2本の線は、互いに平行である。2反射面は平
面である。2枚のミラー9の間の距離は、励起用レーザ
発振器2により近い側でより長く、レーザ発振固体要素
1により近い側でより短い。2枚のミラー9のそれぞれ
の裏面側に、同一部材の冷却板11が一体となってい
る。冷却板11の中には、曲折する冷却水通路12が形
成されている。冷却板11は、発熱するミラー9を冷却
する。
【0019】図3は、組ミラー7を用いて、励起用レー
ザ発振器2の長方形端面領域から出射する半導体レーザ
をレーザ発振固体要素1の片面側の規定領域面に集光す
る集光方法を示している。1体の半導体レーザ発振要素
3は、その発振軸端面の点状領域からy軸方向に広角に
発散的に(コーン状に)半導体レーザ13を放出する。
半導体レーザ13は、y軸方向に離隔する両側のミラー
9の対向反射面8で反射し、レーザ発振固体要素1の片
面(上側面)の光軸Lに平行な端線で挟まれる領域S1
を含む領域S2に入射する。領域S1と領域S2は、光
軸方向(z軸方向)に長い矩形領域である。両側のミー
ラ9,9は、領域S1に入射する半導体レーザ13のエ
ネルギー密度をy軸方向に(光軸に直交する方向に)一
様化する。
【0020】光軸(L)に直交する軸直角平面上で、領
域S1又は領域S2上のエネルギー密度E(y)は、y
が決まれば点(x,y)(xは一定)に入射する半導体
レーザ13の出射方向(2方向)とその半導体レーザ1
3の反射面8上の反射点は決定されて、点(x’,
y’)とその反射点のミラー角度dx’/dy’により
決定されるから、 E(y)=E(x’,dx’/dy’) で表される。E(y)が一定になる条件は、yはy’に
より決定される変数であるから、 d{E(x’,dx’/dy’)/dy’=0 である。この微分方程式を解くことにより、 y’=y’(x’) が決定される。このような式で表される曲面を持った対
向反射面8を設計することにより、領域S1又は領域S
2のエネルギー密度は、y軸方向に、即ち、光軸Lに直
交する方向に、一様・均一に分布する。
【0021】図4は、シリンドリカルレンズ4を用い
て、励起用レーザ発振器2の既述の長方形端面領域から
出射する半導体レーザをレーザ発振固体要素1の片面側
の規定領域面に集光又は発散する集光方法を示してい
る。尚、ここで、z方向の半導体レーザ発光領域≧S4
である場合は集光し、半導体レーザ発光領域<S4であ
る場合は発散する。1体の半導体レーザ発振要素3は、
その発振軸端面の点状領域からz軸方向に広角に発散的
に半導体レーザ13を放出する。半導体レーザ13は、
シリンドリカルレンズ4で集光され、レーザ発振固体要
素1の片面(上側面)の光軸Lに直交する平行な端線で
挟まれる領域S3に含まれる領域S4に入射する。半導
体レーザ13が集光する集光面である領域S4は、励起
用レーザ発振器2の半導体レーザ13を放出する放出面
の実像である。領域S4で、半導体レーザ13は概ね一
様なエネルギー密度で集光している。領域S3と領域S
4は、光軸方向(z軸方向)に長い既述の矩形領域に一
致している。光軸方向のエネルギー分布は、励起用レー
ザ発振器2の出射エネルギーのz軸方向(光軸方向)の
エネルギー分布の一様性をそのままに反映していて、概
ね一定である。
【0022】図5は、レーザ発振固体要素1の片面の照
射強度分布を示している。既述の通り、領域S1をy軸
方向に一様に照射する半導体レーザ13は、図5に示さ
れるように、レーザ発振固体要素1の片面(上側面)の
照射強度分布14をy軸方向に一様化してその照射強度
を一定化している。図6は、レーザ発振固体要素1の片
面の温度分布を示している。既述の照射強度の一様化
は、図6に示されるように、レーザ発振固体要素1の片
面の温度分布15をy軸方向に一様化してその温度を一
定化している。レーザ発振固体要素1の表面とその内部
で、温度と屈折率は比例的に対応し、レーザ発振固体要
素1の内部は、一様な屈折率分布を示す。
【0023】レーザ発振固体要素1は、これに入射する
半導体レーザ13により励起されて、レーザ発振固体要
素1は内部で固有波長光を誘導放出し、その固有波長光
は、光軸L上でレーザ発振固体要素1を両側で挟む外部
型共振ミラー(図示されず)の間で共振して増幅され、
レーザ発振固体要素1は、図7に示されるように、レー
ザー16を発振放出する。レーザー16は、レーザ発振
固体要素1の端面である斜面を通ってレーザ発振固体要
素1に入射する際に屈折し、レーザ発振固体要素1のx
方向に対向する両面で複反射し、光軸Lに対して折れ線
的に屈曲しながら伝播して、レーザ発振固体要素1の他
の斜面を通って出射する際に屈折する。
【0024】レーザ発振固体要素1の中の屈折率がy軸
方向に一様であるので、レーザ発振固体要素1の中には
y軸方向にレンズ作用部分がなく、レーザー16はレー
ザ発振固体要素1の中でy軸方向のレンズ作用を受ける
ことがなく、その屈折路は設計通りに保持され、光軸L
は一定に保持される。レンズ作用があれば、何回も屈折
的に反射するレーザー16の進路が変化するが、レーザ
発振固体要素1の中の温度分布は一様であり内部の熱の
移動度が小さく、熱の擾乱が効果的に抑えられ、温度も
一定に保持され、光軸角度の変化は小さく抑えられる。
【0025】図8は、レーザ発振固体要素1を支持しレ
ーザ発振固体要素1を冷却する支持冷却構造を示してい
る。レーザ発振固体要素1は、y軸方向に両側で形成さ
れている両端面で媒質支持板18に挟まれて支持されて
いる。媒質支持板18は、光軸Lを含むzx平面に対し
て対称に配置されている。媒質支持板18は、z軸方向
(光軸方向)に両側で媒質支持板支持枠19で挟まれて
支持されている。媒質支持板支持枠19は、図示されな
い発振器筐体に支持されている。媒質支持板支持枠19
は、光軸Lを含むzx平面に対して対称に配置されてい
る。媒質支持板支持枠19は、図9に示されるように、
レーザ発振固体要素1の上下面(x軸方向に対向する両
面)の端部領域(半導体レーザ非励起部)を両面側から
挟み込む爪部分21を有している。
【0026】レーザ発振固体要素1の両側面(y軸方向
に対向する両面)に接合する媒質支持板18の側面の側
に、図10に示されるように、凹面22が形成されてい
る。凹面22が形成する凹部に、断熱シート23が嵌め
込まれている。媒質支持板18の側面と断熱シート23
の側面は、レーザ発振固体要素1の両側面に密着的に接
合している。図11に示されるように、媒質支持板18
の側面と断熱シート23の側面は、レーザ発振固体要素
1の両側面から離隔されることができる。この場合は、
その離隔が、レーザ発振固体要素1と断熱シート23と
の間の伝熱を抑えて断熱効果を示す。このような断熱
は、レーザ発振固体要素1の伝熱方向のうち既述の均一
・一様方向(y軸方向)の伝熱を抑制して、レーザ発振
固体要素1の既述の均一・一様方向の温度分布の均一性
を有効に保持する。図10,11に示されるように、断
熱シート23は、既述の領域S1のエネルギー分布、温
度・屈折率分布を均一化する効果が極めて高い。
【0027】図1と図9に示されるように、レーザ発振
固体要素1は、透光窓5と冷却板11とから構成される
1対の板状構成体24の間に配置されている。レーザ発
振固体要素1の上下面と1対2体の板状構成体24との
間の隙間は、レーザ発振固体要素1と透光窓5と窓支持
板6を冷却するための冷却媒体流路25として形成され
ている。冷却媒体流路25には、自然状態で断面が円形
又は正方形である2つのシリコンシーリング要素26−
1,2が挿入されている。2つのシリコンシーリング要
素26−1,2は、レーザ発振固体要素1の冷却面の光
軸方向の限界端部位に配置され、冷却面積の最大化が行
われている。
【0028】その1つ26−1は、レーザ発振固体要素
1の上面側の鋭角形成端部面と上側の板状構成体24の
下面との間に嵌め込まれて装着されている。他の1つ2
6−2は、レーザ発振固体要素1の上面側の鈍角形成端
部面と上側の板状構成体24の下面との間に嵌め込まれ
て装着されている。更に他の1つ26−3は、レーザ発
振固体要素1の下面側の端鋭角形成端部面と下側の板状
構成体24の上面との間に嵌め込まれて装着されてい
る。更に他の1つ26−4は、レーザ発振固体要素1の
下面側の鈍角形成端部面と下側の板状構成体24の上面
との間に嵌め込まれて装着されている。
【0029】図12は、本発明による固体レーザー発振
器の実施の他の形態を示している。本実施の形態では、
既述の実施の形態のシリンドリカルレンズ4は、省略さ
れている。シリンドリカルレンズ4の省略は、z軸方向
のエネルギー密度の一様性をそれほど損なうことがな
く、その一様性のある程度までの喪失によるz軸方向の
レンズ作用は光質にそれほどには悪影響を与えない。既
述の実施の形態の図1のレーザ発振固体要素1、励起用
レーザ発振器2、透光窓5、窓支持板6、図8の媒質支
持板18、媒質支持板支持枠19、爪部分21、図9の
冷却媒体流路25、シリコンシーリング要素26−1,
2の部材の存在とそれらの部材の互いの配置関係は、本
実施の形態で全く同じである。透光窓5と励起用レーザ
発振器2との間に、既述の実施の形態のミラー9に代え
られて、レンズダクト7’が配置されている。レンズダ
クト7’は、既述の実施の形態のミラー9の両反射面8
に相当する内部反射面8’を有していて、レンズダクト
7’はミラー9に技術的に等価であり、且つ、ミラー9
に比べ光の吸収による損失が少ないため光の高伝送効率
化が見込める。本実施の形態による強度分布と屈折率分
布は、図13,14に示されるように、既述の実施の形
態の図5,6に示される強度分布と屈折率分布に全く同
じである。レンズダクトは、ミラーよりも高精度に製作
され、冷却が省略され得る程度にその歪みが小さいが、
更に冷却機器を追加することは否定されない。
【0030】半導体レーザ13の一部の照射を受ける媒
質支持板18には、半導体レーザ13を吸収する吸収率
が低く膨張率が小さい材料が選択され、セラミック、ポ
リカーボネート、シリコンゴムが好適に用いられる。断
熱シート23には、断熱性がよく且つ吸振性がよい材料
が用いられ、ポリカーボネート・シート、シリコン・シ
ートが好適に用いられる。図1の反射面8には、反射率
の角度依存性が低いコート(好適例:金膜)で表面処理
し、図12のレンズダクト7’の入射面と出射面にはA
R(無反射)コート、例えば、フッ化マグネシウム(M
gF)やAR多層反射防止膜(商品名:HEBBA
R)を施し、レンズダクト7’の材質には大気(屈折率
n1=1)に比べ屈折率の大きい材質(屈折率n2)を
選択し、レンズダクトの反射面における臨界角(θ=a
rcsin(n1/n2))を小さくすることにより反
射面でが全反射させ、半導体レーザ13の伝送効率を向
上させることが好ましい。
【0031】
【発明の効果】本発明による固体レーザー発振器・装
置、及び、固体レーザー発振方法は、レンズ効果の発現
を抑制して、レーザー光質の劣化を回避する。このよう
なレーザーは、レーザー加工機、半導体製造プロセスの
回路パタン形成ステップで用いられるレーザー露光器に
用いられて特に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による固体レーザー発振器の実
施の形態を示す斜軸投影断面図である。
【図2】図2は、固体素子を示す斜軸投影図である。
【図3】図3は、ミラーの反射作用を示す断面図であ
る。
【図4】図4は、レンズ作用を示す側面断面図である。
【図5】図5は、エネルギー分布を示す正面断面図であ
る。
【図6】図6は、熱分布又は屈折率分布を示す正面断面
図である。
【図7】図7は、屈折光軸を示す斜軸投影図である。
【図8】図8は、支持装置を示す平面図である。
【図9】図9は、図8のIX−IX線断面図である。
【図10】図10は、エネルギー分布を示す側面断面図
である。
【図11】図11は、熱分布を示す側面断面図である。
【図12】図12は、本発明による固体レーザー発振器
の実施の他の形態を示す斜軸投影断面図である。
【図13】図13は、他のエネルギー分布を示す正面断
面図である。
【図14】図14は、他の熱分布又は屈折率分布を示す
正面断面図である。
【図15】図15は、公知装置を示す斜軸投影断面図で
ある。
【図16】図16は、公知のエネルギー分布を示す正面
断面図である。
【図17】図17は、公知の熱分布を示す正面断面図で
ある。
【図18】図18は、公知の支持装置を示す平面図であ
る。
【図19】図19は、図18のXIX−XIX線断面図
である。
【図20】図20は、エネルギー分布を示す側面断面図
である。
【符号の説明】
1…固体素子 2励起用レーザー発振器 7,7’…光学系 8…2反射面 9…鏡面形成素子(反射鏡) 13…励起用レーザー 18…支持体 21…把持部分 23…断熱体 25…冷却機器 26−1〜4…液密要素 L…レーザー発振光軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 緒方 潤司 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 池田 直昭 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番 1号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (56)参考文献 特開 平6−310782(JP,A) 特開 平7−94813(JP,A) 特開 平9−199774(JP,A) 特開 平9−270552(JP,A) 特開 平10−135539(JP,A) 特開 平11−87816(JP,A) 特開 平11−214776(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 3/00 - 3/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】励起用レーザー光を生成する励起用レーザ
    ー発振器と、 前記励起用レーザー光を受けてレーザー光を生成する固
    体レーザー発振本体と、 前記固体レーザー発振本体を支持する支持体と、 前記固体レーザー発振本体を冷却する冷却機器と、 前記励起用レーザー発振器から前記固体レーザー発振本
    体に前記励起用レーザー光が向かう光路に介設される光
    学系とを含み、前記 光学系は、 前記固体レーザー発振本体の照射面の上で前記固体レー
    ザー発振本体のレーザー発振光軸に直交する直交方向に
    前記励起用レーザー光の強度分布を均一化し、 前記固体レーザー発振本体は前記レーザー発振光軸に交
    叉する両端斜面を有し、前記照射面は前記両端斜面に鋭
    角と鈍角で交叉し、前記直交方向は前記照射面に平行で
    あり、 前記励起用レーザー光は、前記直交方向に前記照射面を
    越える領域まで照射され、 前記支持体は、 前記固体レーザー発振本体の内の前記発振光軸の方向に
    離隔する複数部位部分を把持する把持部分を有し、 前記冷却機器は、 前記照射面を冷却する冷却媒体流路を形成する流路形成
    器を備え、 前記支持体は、 支持体本体と、 断熱体とを更に備え、 前記断熱体は、前記固体レーザー発振本体の端面のうち
    で、前記照射面に直交する両端面と前記支持体本体との
    間に介設され、 前記支持体本体は、前記励起用レーザー光を吸収する吸
    収率が低く膨張率が小さい材料が用いられ、且つ、前記
    断熱体には断熱性がよく且つ吸振性がよい材料が用いら
    れる 固体レーザー発振装置。
  2. 【請求項2】前記冷却機器は、 前記照射面に液密に接合する弾性材料で形成される液密
    要素を更に備える請求項1の固体レーザー発振装置。
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