JPH05335662A - 固体レーザ装置 - Google Patents

固体レーザ装置

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JPH05335662A
JPH05335662A JP13486992A JP13486992A JPH05335662A JP H05335662 A JPH05335662 A JP H05335662A JP 13486992 A JP13486992 A JP 13486992A JP 13486992 A JP13486992 A JP 13486992A JP H05335662 A JPH05335662 A JP H05335662A
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JP
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solid
state laser
laser medium
light
medium
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JP13486992A
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Masashi Fujino
正志 藤野
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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    • H01S3/00Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
    • H01S3/09Processes or apparatus for excitation, e.g. pumping
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    • H01S3/094Processes or apparatus for excitation, e.g. pumping using optical pumping by coherent light
    • H01S3/0941Processes or apparatus for excitation, e.g. pumping using optical pumping by coherent light of a laser diode
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固体レーザ媒質を励起しレーザ光を出力する
固体レーザ装置に関し、高効率、高出力でかつビーム品
質の良い発振レーザ光を得るようにする。 【構成】 複数の半導体レーザ光源3A,3Bは、固体
レーザ媒質2の光軸方向の異なる区分毎にかつ固体レー
ザ媒質2の周方向の角度が互いに異なるように設けられ
る。半導体レーザ光源3Aからの励起光は励起領域2A
を形成し、半導体レーザ光源3Bからの励起光は励起領
域2Bを形成し、その励起領域2Aと2Bとを足し合わ
せた励起領域2Cにおいて最も励起強度が強くなるの
は、光軸付近の励起領域2Dである。このように、励起
強度が光軸付近の励起領域2Dに集中するので、高出力
の発振レーザ光が得られ、また、高次の空間モードが発
生しにくくなるため、発振レーザ光は低次で高品質の空
間モードとなる。さらに、固体レーザ媒質2の異なる区
分毎に複数の方向から励起するので、反射部14A,1
4Bの面積を適正に確保することができ吸収効率も高く
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は励起光によって固体レー
ザ媒質を励起しレーザ光を出力する固体レーザ装置に関
し、特に固体レーザ媒質の側面から半導体レーザ光源に
よって固体レーザ媒質を励起する固体レーザ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザ光を励起光に用いた半導体
レーザ励起固体レーザ装置は、従来のランプ励起の固体
レーザ装置に比べて、小型、高効率で長寿命のレーザ光
源として有望視されている。この半導体レーザ励起固体
レーザ装置(以下「固体レーザ装置」という。)として
は、固体レーザ媒質の側面から半導体レーザ光を入射し
て固体レーザ媒質を励起し、より高出力のレーザ光を得
るようにした側面励起法によるものが一般に知られてい
る(特開平2−54588)。
【0003】図10は上記従来の側面励起方式の固体レ
ーザ装置を示す図である。図では、固体レーザ装置の励
起部の断面を示す。固体レーザ装置は、円柱状の固体レ
ーザ媒質2M、固体レーザ媒質2Mを保持する固定部1
0M及び半導体レーザ装置3Mから構成される。半導体
レーザ装置3Mは固体レーザ媒質2Mの光軸方向に沿っ
て複数個一列に並べられている。固定部10Mの側面下
端側には開口部11Mが設けられ、半導体レーザ装置3
Mの励起光は、その開口部11Mから固体レーザ媒質2
Mに入射する。したがって、励起光は固体レーザ媒質2
Mの中心軸からずれて入射する。固定部10Mの固体レ
ーザ媒質2Mと接する面13Mは、その全周が反射鏡と
して形成されているため、入射した励起光は、その反射
鏡13Mで多重反射され、固体レーザ媒質2Mに吸収さ
れる。その結果、固体レーザ媒質2Mの内部が均一に励
起される。その際に固体レーザ媒質2Mにおいて発生す
る熱は、固定部10Mを伝わって放熱器10Nから外部
に放出される。この励起部を2枚のミラーで構成した共
振器内に配置することにより、レーザ光が発振する。
【0004】この従来例の特徴は、励起光を固体レーザ
媒質2Mの中心軸からずらして一方向から入射し、反射
鏡13Mで多重反射させて固体レーザ媒質2Mを均一励
起していることである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の側
面励起法による固体レーザ装置には2つの問題点があ
る。いずれも固体レーザ媒質2Mを均一励起するために
生じる問題点である。
【0006】問題点の第1は、入力に対する発振レーザ
光の出力が低いことである。発振レーザ光の出力は励起
密度が高いほど強くなる。すなわち、励起光の入力が同
じであれば小さな領域を集中して励起したほうがより高
出力の発振光が得られる訳である。したがって、従来の
側面励起法のように、固体レーザ媒質全体を励起した場
合には、集中して励起する場合に比べて低い出力しか得
られなかった。発振レーザ光の出力を上げるためには半
導体レーザ光源の数を増やせばよい。従来の側面励起法
では複数の方向から励起光を入力する場合に、固体レー
ザ媒質2Mの同一部分にすべての励起光を入力してい
た。このため、励起光の導入口(開口部)が増えてしま
うので、その励起光毎に対応して設ける必要がある反射
鏡の面積が十分に取れない。反射鏡の面積が少ないと励
起光は十分に固体レーザ媒質2Mに吸収されず、吸収効
率が低下してしまう。したがって、出力を上げるために
複数の励起光を入力するのも困難であった。
【0007】問題点の第2は、発振光が高次の空間モー
ドになりやすいことである。従来の側面励起法では、固
体レーザ媒質の周縁部の励起強度は光軸(中心軸)付近
の励起強度と同じであるため、光軸付近と同様に周縁部
でもレーザ発振が起きる。このため、発振光の強度分布
は中央付近から周囲にかけて強度が一定なフラットトッ
プと呼ばれる強度分布になる。こうした高次の空間モー
ドのレーザ光は、レンズを使って小さく絞ることが難し
く、レーザ加工などの用途に不適であった。
【0008】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、高効率、高出力でかつビーム品質の良い発振
レーザ光を得ることができる固体レーザ装置を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理説明
図である。図では励起を受けている固体レーザ媒質の横
断面を示し、(A)は手前側の断面を、(B)は奥側の
断面を、(C)は(A)と(B)を合成した場合をそれ
ぞれ示す。図において、本発明の固体レーザ装置は、固
体レーザ媒質2と、固体レーザ媒質2の光軸に向けて励
起光を出射する複数の半導体レーザ光源3A,3Bと、
半導体レーザ光源3A,3Bに対向して設けられ固体レ
ーザ媒質2を通過した励起光を反射する反射部14A,
14Bとから構成される。複数の半導体レーザ光源3
A,3Bは、固体レーザ媒質2の光軸方向の異なる区分
毎にかつ固体レーザ媒質2の周方向における励起光の入
射角度が互いに異なるように設けられる。
【0010】
【作用】複数の半導体レーザ光源3A,3Bは、固体レ
ーザ媒質2の光軸方向の異なる区分毎にかつ固体レーザ
媒質2の周方向における励起光の入射角度が互いに異な
るように設けられ、固体レーザ媒質2の光軸に向けて励
起光を出射する。その励起光は、半導体レーザ光源3
A,3Bに対向して設けられた反射部14A,14Bで
反射される。このため、すべての励起光は、固体レーザ
媒質2の異なる部分に入射し、固体レーザ媒質2の光軸
に向かって進行し、さらに隣接する励起光の進行方向は
互いに異なる方向となる。例えば、半導体レーザ光源3
Aから出射した励起光は、図1(A)に示すように、固
体レーザ媒質2の光軸を通り反射部14Aで反射して斜
線で示した励起領域2Aを形成する。また、半導体レー
ザ光源3Bから出射した励起光は、図1(B)に示すよ
うに、固体レーザ媒質2の光軸を通り反射部14Bで反
射し、図1(A)に示した励起領域2Aとは異なる方向
に励起領域2Bを形成する。発振レーザ光の特性は、固
体レーザ媒質2の励起領域を光軸方向に積算した励起分
布に依存する。したがって、図1(A)の励起領域2A
と図1(B)の励起領域2Bとを足し合わせた図1
(C)の励起領域2Cが発振レーザ光の出力と空間モー
ドに反映する。図1(C)の励起領域2Cで最も励起強
度が強いのは、励起領域2Aと励起領域2Bの重なる光
軸付近の励起領域2Dである。このように、励起強度が
光軸付近の励起領域2Dに集中するので、高出力の発振
レーザ光が得られる。また、固体レーザ媒質2の側面側
(周縁部)の励起強度は弱くなり、高次の空間モードが
発生しにくくなるため、発振レーザ光は低次で高品質の
空間モードとなる。さらに、固体レーザ媒質2の異なる
区分毎に複数の方向から励起するので、同一部分を複数
の方向から励起する場合に比べて反射部の面積を適正に
確保することができる。このため、励起光の吸収効率が
高くなる。すなわち、高効率、高出力でかつビーム品質
の良い発振レーザ光が得られる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図2は本発明の固体レーザ装置の構成を概略的
に示す図である。図において、本発明の固体レーザ装置
は、固体レーザ媒質20、固定部100、半導体レーザ
装置31,32、及び2枚のミラー50,60から構成
される。
【0012】固体レーザ媒質20はNd:YAG結晶ロ
ッドであり、直径2mm、長さ20mmの円柱状に形成
されている。その側面は励起光が入射する際に散乱が少
ないように研磨され、また、両端面は平面研磨されて発
振波長に対する反射防止膜が施されている。
【0013】固定部100は銅製で略柱状に形成されて
いる。この固定部100は空洞部130及び開口部11
0,111を有する。また、固定部100には、ここで
は図示されていない冷却器が取り付けられる。この冷却
器は電子冷却器あるいは循環水冷却器であり、固体レー
ザ媒質20の熱を放出すると共にその温度制御をも行
う。電子冷却器は、例えばペルチェ効果を持つ熱電素子
を使用したものである。空洞部130は、固定部100
の中央に孔加工で円筒状に設けられ、上記固体レーザ媒
質20を保持している。空洞部130の内周面と固体レ
ーザ媒質20の側面との間には、透明で熱抵抗の小さな
材質の接着剤が挿入され充填されている。
【0014】空洞部130の内周面には反射鏡140及
び141(図3)が形成されている。この反射鏡140
及び141は、空洞部130の内周面に施された金メッ
キまたは誘電体多層膜であり、半導体レーザ装置31,
32に対向する位置に設けられる。この金メッキまたは
誘電体多層膜によって励起光が反射されると共に、固体
レーザ媒質20の熱は固定部100側に効率良く伝わり
固体レーザ媒質20が冷却される。なお、反射鏡140
及び141は、反射率が高く熱伝導性と伸長性の優れた
金属薄膜、例えば金箔や銀箔を固体レーザ媒質20と固
定部100との間に挟むような構成にすることもでき
る。このような構成にすると、固体レーザ媒質20と固
定部100との間に挟まれた金属薄膜が微小な凹凸のあ
る隙間を埋めるため、固体レーザ媒質20と固定部10
0との間の熱抵抗がさがる。したがって、固体レーザ媒
質20の冷却をより効率良く行うことができるようにな
る。
【0015】開口部110及び111は、固体レーザ媒
質20の光軸方向の異なる部分でかつ固体レーザ媒質2
0の円周方向の異なる位置で開口するように設けられて
いる。その開口部110,111毎に、開口部110,
111と一体に半導体レーザ装置31及び32が設けら
れる。このように、半導体レーザ装置31及び32を開
口部110及び111と一体に設けることにより、半導
体レーザ装置31及び32及び固体レーザ媒質20の温
度制御や冷却を固定部100に設けた一つの冷却器で同
時に行うことができるようになる。したがって、半導体
レーザ装置31,32及び固体レーザ媒質20の温度制
御機構を簡略化でき、冷却器も小型化することができ
る。ここで、半導体レーザ装置31及び32の発振特性
が互いに異なるために、それぞれの制御温度を変える必
要がある場合は、半導体レーザ装置31及び32と固定
部100との間に熱抵抗が互いに異なる板材を挟むよう
に構成すればよい。
【0016】半導体レーザ装置31及び32は、例えば
出力が10W程度のものであり、出射光の波長は固体レ
ーザ媒質20の吸収波長に一致するように選ばれる。こ
の実施例では809nmである。
【0017】上述した固体レーザ媒質20、固定部10
0、半導体レーザ装置31及び32によって励起部10
0Aが構成される。その励起部100Aの両端には、固
体レーザ媒質20と同軸上に全反射ミラー50及び出力
ミラー60が設けられ、全体としてレーザ共振器が構成
される。全反射ミラー50は、曲率半径が1mの凹面鏡
であり合成石英で形成される。全反射ミラー50のレー
ザ共振器構成面には、発振レーザ光の波長でほぼ100
%反射するように誘電体多層膜が施されている。出力ミ
ラー60も、全反射ミラー50と同様に、曲率半径が1
mの凹面鏡であり合成石英で形成される。出力ミラー6
0のレーザ共振器構成面には、発振レーザ光の波長で約
90%反射するように誘電体多層膜が施されている。全
反射ミラー50と出力ミラー60との間の距離、すなわ
ちレーザ共振器としての長さは約10cmである。
【0018】半導体レーザ装置31及び32は、上述し
たように、固体レーザ媒質20の光軸方向に互いにずれ
た位置での開口部110及び111に設けられる。この
ため、半導体レーザ装置31及び32から出射された励
起光は、互いに固体レーザ媒質20の光軸方向にずれた
部分を励起することになる。
【0019】従来方法によると、固体レーザ媒質20を
複数の方向から励起する場合は、固体レーザ媒質20の
同一部分を励起していたので、同一部分での励起光の導
入口が増え、反射鏡の面積を十分に取ることができなか
った。このため、励起光は固体レーザ媒質20に十分に
吸収されなかった。これに対し、上述したように、固体
レーザ媒質20の互いにずれた部分を励起するように構
成したので、固体レーザ媒質20の各部分には、一つの
導入口110Aまたは111A(図3)を設けるだけで
よい。このため、反射鏡140及び141(図3)に十
分な面積を確保することができる。したがって、励起光
の吸収効率が改善され、励起光は固体レーザ媒質20に
十分吸収されるようになる。
【0020】また、従来方法では複数方向から励起する
場合、固体レーザ媒質の同一部分が集中して励起され
る。さらに、その同一部分で励起光の導入口が増える結
果、固体レーザ媒質は固定部で覆われる面積が少なくな
り、固体レーザ媒質から固定部を経由して放出される熱
も低減してしまう。このため、固体レーザ媒質は冷却が
不十分となり、温度も非常に高くなっていた。したがっ
て、固体レーザ媒質が熱によって劣化したり、熱歪みに
より発振レーザ光のビーム品質が悪化したりしていた。
これに対し、本実施例では、固体レーザ媒質20の各部
分に分散して励起光が出射される。また、その各部分に
は一つの導入口110Aまたは111Aを設けるだけで
よいので、固体レーザ媒質20は固定部100によって
その大部分が覆われる。このため、固体レーザ媒質20
から固定部100への放熱を円滑に行うことができる。
したがって、固体レーザ媒質20は冷却が十分に行わ
れ、その温度も適正に制御することができ、固体レーザ
媒質20の熱による劣化や熱歪みによる発振レーザ光の
ビーム品質悪化を防止できる。
【0021】図3は図2のA矢視図である。図に示すよ
うに、半導体レーザ装置31及び32は開口部110及
び111に一体に設けられ、半導体レーザ装置31,3
2から出射された励起光の進行方向は互いに直交する。
半導体レーザ装置31から出射した励起光は、固体レー
ザ媒質20の光軸を通り反射部140で反射して斜線で
示した励起領域20Aを形成する。また、半導体レーザ
装置32から出射した励起光は、固体レーザ媒質20の
光軸を通り反射鏡141で反射して励起領域20Bを形
成する。ところで、発振レーザ光の特性は、固体レーザ
媒質20の励起領域を光軸方向に積算した励起分布に依
存する。したがって、励起領域20Aと励起領域20B
とを足し合わせた励起領域が発振レーザ光の出力と空間
モードに反映する。この足し合わせた励起領域で最も励
起強度が強いのは、励起領域20Aと励起領域20Bの
重なる光軸付近の励起領域20Dである。このように、
励起強度が光軸付近の励起領域20Dに集中するので、
高出力の発振レーザ光を得ることができる。また、固体
レーザ媒質20の側面側の励起強度は弱くなり、高次の
空間モードが発生しにくくなるため、発振レーザ光は低
次で高品質の空間モードとなる。すなわち、高出力でか
つビーム品質の良い発振レーザ光を得ることができる。
【0022】図4及び図5は本発明の第2の実施例を示
す図であり、図4は本発明の固体レーザ装置の斜視図、
図5はそのB矢視図である。第1の実施例との相違点
は、固定部101の開口部112及び113の各々に、
複数個(例えば4個)の半導体レーザ装置33〜36及
び37〜40を設けるように構成した点である。これら
の半導体レーザ装置33〜36及び37〜40は、第1
の実施例と同様に、励起光の進行方向が光軸を向くよう
に配置されており、その対向する位置に反射鏡142及
び143(図5)が設けられている。
【0023】本実施例の特徴は、多くの方向から励起光
を入射しているにもかかわらず、半導体レーザ装置33
〜36及び37〜40の対向する位置に反射鏡142及
び143を設けることができることにある。このため、
励起光が外部に漏れて無駄になるのを防ぐことができ、
その分吸収効率を高めることができる。また、第1の実
施例に比べて励起光の入力が多くなるので、高出力の発
振レーザ光を得ることができる。なお、この構成の場
合、固体レーザ媒質21の発熱が増加するので、半導体
レーザ装置33〜36及び37〜40側の冷却用に別の
冷却手段を設ける必要がある。
【0024】図6は本発明の第3の実施例を示す図であ
る。第1の実施例との相違点は、固体レーザ装置に複数
(例えば2個)の励起部102A及び103Aを設け、
その励起部102A及び103Aを光学的に直列に配置
するように構成した点である。ここでは、励起部102
A及び103Aを直線上に配置したが、その他の配置と
して例えば折り返し型も可能である。励起部102A側
の固定部102には開口部114が、また励起部103
A側の固定部103には開口部115がそれぞれ設けら
れる。励起部102A及び103Aはこの開口部114
及び115が互いに異方向となるように配置される。例
えば励起部が2個の場合は、図に示すように開口部11
4及び115が互いに反対方向となるように、また3個
以上の場合は、各開口部の向きが光軸回りの円周上で等
分割となるように配置される。開口部114及び115
には、各2個の半導体レーザ装置41,42及び43,
44が設けられる。
【0025】図7は図6のC矢視図である。図に示すよ
うに、半導体レーザ装置41,42から出射された励起
光の進行方向は互いに直交し、励起強度が光軸付近の励
起領域22Dに集中しており、高出力で高ビーム品質の
発振レーザ光が得られる。
【0026】このような構成の固体レーザ装置において
は、固体レーザ媒質22及び23は、その開口部114
及び115側で固定部102及び103に接しない。こ
のため、固体レーザ媒質22及び23の内部で、固定部
102及び103と接している側と接していない側とで
温度勾配が生じる。したがって、固体レーザ媒質22及
び23に熱歪みが生じやすくなり、発振レーザ光のビー
ムが屈折したり、ビーム形状が歪んだりする。この熱歪
みを除去するために、本実施例では、励起部102A及
び103Aの上下を反対にして配置し、各励起部102
A,103Aでの熱歪みの効果を相殺するようにした。
このように各励起部102A等を配置することにより、
各励起部102A等で発生する熱歪みによる影響は全体
のレベルで解消される。したがって、励起部102A等
の個数を増やすことにより、容易に高出力化を図ること
ができ、しかも熱歪みの影響が除去された高ビーム品質
の発振レーザ光を得ることができる。
【0027】図8は本発明の第4の実施例を示す図であ
る。第1の実施例との相違点は、固体レーザ媒質24を
光軸方向に沿って4箇所から励起するように構成した点
である。すなわち、図に示すように、固体レーザ媒質2
4の光軸方向に沿って互いに異なる位置で、その光軸回
りを等分割するように開口部116,117,118及
びここでは図示しないさらにもう一箇所の開口部が設け
られる。その開口部116等毎に配置された半導体レー
ザ装置45〜48から励起光が出射される。
【0028】図9は図8のD矢視図である。図に示すよ
うに、4個の半導体レーザ装置45〜48から出射され
た励起光は互いに直交するため、励起強度が光軸付近の
励起領域24Dに集中する。したがって、高ビーム品質
の発振レーザ光を得ることができると共に、第1の実施
例の場合よりもさらに高出力の発振レーザ光を得ること
ができる。
【0029】上記の各実施例では、半導体レーザ装置か
らの励起光を直接固体レーザ媒質に入射するようにした
が、その励起光を光ファイバで固体レーザ媒質に導光す
るように構成することもできる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、複数の
半導体レーザ光源が、固体レーザ媒質の光軸方向の異な
る区分毎にかつ固体レーザ媒質の周方向における励起光
の入射角度が互いに異なるように設けられると共に、そ
の複数の半導体レーザ光源から出射された励起光が固体
レーザ媒質の光軸に向けて進行するように構成した。
【0031】このため、すべての励起光は、固体レーザ
媒質の異なる部分に入射し、固体レーザ媒質の光軸に向
かって進行し、さらに隣接する励起光の進行方向は互い
に異なる方向となる。したがって、光軸付近が集中的に
励起されることになり、均一に励起されていた従来方法
に比べて高出力の発振レーザ光を得ることができる。
【0032】また、固体レーザ媒質の周縁部の励起強度
は弱くなり、高次の空間モードが発生しにくくなるた
め、発振レーザ光は低次で高品質の空間モードとなる。
さらに、固体レーザ媒質の異なる区分毎に複数の方向か
ら励起するので、同一部分を複数の方向から励起する場
合に比べて反射部の面積を適正に確保することができ
る。このため、励起光の吸収効率が高くなる。すなわ
ち、高効率、高出力でかつビーム品質の良い発振レーザ
光を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】本発明の固体レーザ装置の構成を概略的に示す
図である。
【図3】図2のA矢視図である。
【図4】本発明の第2の実施例を示す図である。
【図5】図4のB矢視図である。
【図6】本発明の第3の実施例を示す図である。
【図7】図6のC矢視図である。
【図8】本発明の第4の実施例を示す図である。
【図9】図8のD矢視図である。
【図10】従来の側面励起方式の固体レーザ装置を示す
図である。
【符号の説明】
2,20,21,22,23,24 固体レーザ媒質 3A,3B 半導体レーザ光源 10,100,101,102,103,104 固定
部 11A,11B,110〜118 開口部 31〜48 半導体レーザ装置 14A,14B 反射部 130〜134 空洞部 140〜149 反射鏡

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励起光によって固体レーザ媒質を励起し
    レーザ光を出力する固体レーザ装置において、 固体レーザ媒質と、 前記固体レーザ媒質の光軸方向の異なる区分毎にかつ前
    記固体レーザ媒質の周方向における励起光の入射角度が
    互いに異なるように設けられ、前記固体レーザ媒質の光
    軸に向けて励起光を出射する複数の半導体レーザ光源
    と、 前記半導体レーザ光源に対向して設けられ、前記固体レ
    ーザ媒質を通過した前記励起光を反射する反射部と、 を有することを特徴とする固体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 励起光によって固体レーザ媒質を励起し
    レーザ光を出力する固体レーザ装置において、 固体レーザ媒質と、 前記固体レーザ媒質を保持する固定部と、 前記固定部に設けられ、前記固体レーザ媒質の光軸方向
    の異なる部分でかつ前記固体レーザ媒質の周方向で異な
    る位置に開口する複数の開口部と、 前記開口部毎に設けられ、前記開口部から前記固体レー
    ザ媒質の光軸中心に向けて励起光を出射する半導体レー
    ザ装置と、 前記半導体レーザ装置に対向して設けられ、前記固体レ
    ーザ媒質を通過した前記励起光を反射する反射部と、 を有することを特徴とする固体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記半導体レーザ装置は、放熱作用を有
    する前記固定部に設けられた前記開口部に挿入されると
    共に、前記固定部に接触していることを特徴とする請求
    項2記載の固体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 前記半導体レーザ装置は、前記開口部毎
    に複数個設けられることを特徴とする請求項2記載の固
    体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 励起光によって固体レーザ媒質を励起し
    レーザ光を出力する固体レーザ装置において、 固体レーザ媒質と、前記固体レーザ媒質の光軸方向に設
    けられ前記固体レーザ媒質の光軸に向けて励起光を出射
    する半導体レーザ光源と、前記半導体レーザ光源に対向
    して設けられ前記固体レーザ媒質を通過した前記励起光
    を反射する反射鏡とから構成される励起部が、前記励起
    光の進行方向が互いに異方向となるように光学的に直列
    に複数設けられることを特徴とする固体レーザ装置。
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