JP3499665B2 - 塩化ビニル系樹脂発泡体の製法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂発泡体の製法

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JP3499665B2
JP3499665B2 JP30293895A JP30293895A JP3499665B2 JP 3499665 B2 JP3499665 B2 JP 3499665B2 JP 30293895 A JP30293895 A JP 30293895A JP 30293895 A JP30293895 A JP 30293895A JP 3499665 B2 JP3499665 B2 JP 3499665B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塩化ビニル系樹脂発
泡体の製法に関する。さらに詳しくは、FRP船の軽量
構造材、FRPタンクなどの芯材などとして好適に使用
しうる塩化ビニル系樹脂発泡体の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】架橋塩化ビニル系樹脂発泡体は、圧縮強
度、引張強度、曲げ強度、耐溶剤性などにすぐれ、軽量
であることから、たとえばスチレン単量体を多量に含有
する不飽和ポリエステル系樹脂を使用するFRP積層体
の芯材、各種積層板の芯材などとして用いられている。
【0003】前記架橋塩化ビニル系樹脂発泡体の製法と
しては、たとえば塩化ビニル系樹脂、造核剤、イソシア
ネート、無水フタル酸、無水マレイン酸などの二塩基性
酸無水物および発泡剤を含有した発泡性組成物を加熱加
圧下に発泡させて1次発泡体を作製したのち、2次発泡
させる方法が知られている(特開平5−194779号
公報)。
【0004】前記方法によってえられた塩化ビニル系樹
脂発泡体は、機械的強度や耐溶剤性にすぐれ、また接着
剤などを塗布したときに該接着剤などがほとんど含浸す
ることがないので、前記芯材などとして好適に使用しう
るものである。
【0005】しかしながら、前記方法によれば、塩化ビ
ニル系樹脂発泡体を製造する際に、とくに架橋反応させ
るのに長時間を要するため、より短時間で生産効率よく
塩化ビニル系樹脂発泡体を製造しうる方法の開発が待ち
望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、短時間で生産効率よく
製造しうる塩化ビニル系樹脂発泡体の製法を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩化ビニル系
樹脂、一塩基性カルボン酸無水物、要すれば二塩基性カ
ルボン酸無水物、イソシアネートおよび発泡剤を含有し
た発泡性組成物を成形金型内に充填し、該成形金型を密
閉して型締し、加熱したのち冷却し、該成形金型の型開
きをし、えられた1次発泡体を熱水または高温の水蒸気
と接触させて2次発泡させることを特徴とする架橋ない
しは物理的な絡み合いを生じた耐溶剤性、機械的強度な
どにすぐれた塩化ビニル系樹脂発泡体の製法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の製法によれば、塩化ビニ
ル系樹脂、一塩基性カルボン酸無水物、要すれば二塩基
性カルボン酸無水物、イソシアネートおよび発泡剤を含
有した発泡性組成物を成形金型内に充填し、該成形金型
を密閉して型締し、加熱したのち冷却し、該成形金型の
型開きをし、えられた1次発泡体を熱水または高温の水
蒸気と接触させて2次発泡させることにより、塩化ビニ
ル系樹脂発泡体がえられる。
【0009】前記塩化ビニル系樹脂は、たとえば塩化ビ
ニル単独重合体、塩化ビニル- 酢酸ビニル共重合体など
の共重合体類をはじめ、これら塩化ビニル単独重合体や
共重合体類に加えて塩化ビニルと相溶性を呈する樹脂を
劣位量混合したものをも含む概念のものである。塩素化
塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン、エチレン- 酢酸
ビニル共重合体などの通常ブレンド樹脂と称される樹脂
は、前記塩化ビニル単独重合体や共重合体類と混合する
ことができる樹脂として好ましい。なお、前記塩化ビニ
ル系樹脂の重合度は、通常、1000〜4000、なか
んづく1500〜3000であることが好ましい。ま
た、本発明においては、前記塩化ビニル系樹脂のなかで
は、ペースト塩化ビニル系樹脂は、いわゆるゾル状の流
動性を有する発泡性組成物とすることができ、工業的に
取扱いが便利なばあいがあるので好適に使用しうるもの
である。ここで、ペースト塩化ビニル系樹脂とは、数μ
m以下の粒子径をもつほぼ真球状の微細粉末で、いわゆ
る乳化重合法やミクロ懸濁重合法により製造されるもの
であり、前記微細粉末はさらに径の小さい多数の微粒子
から構成される。
【0010】前記塩化ビニル系樹脂の配合量は、発泡時
に発泡体のセル膜が破れないようにするためには、発泡
性組成物に対して20重量%以上、なかんづく30重量
%以上とすることが好ましく、また発泡体の密度が大き
くなりすぎないようにし、軽量構造材としての価値が失
われないようにするためには、発泡性組成物に対して9
0重量%以下、なかんづく60重量%以下とすることが
好ましい。
【0011】本発明においては、発泡性組成物に一塩基
性カルボン酸無水物を含有せしめた点に大きな特徴があ
り、このように一塩基性カルボン酸無水物を含有せしめ
たばあいには、2次発泡に要する時間を、該一塩基性カ
ルボン酸無水物を含有させなかったばあいと対比して、
大幅に短縮させることができる。
【0012】前記一塩基性カルボン酸無水物の代表例と
しては、たとえば無水プロピオン酸、無水イソ酪酸、無
水安息香酸などがあげられ、これらは単独でまたは2種
以上を混合して用いられる。
【0013】なお、本発明においては、発泡性組成物に
は、一塩基性カルボン酸無水物のほかにも、たとえば無
水フタル酸、無水マレイン酸などの二塩基性カルボン酸
無水物を配合することが好ましい。このように、二塩基
性カルボン酸無水物、とくに無水フタル酸を配合したば
あいには、一塩基性カルボン酸無水物を単独で使用した
ばあいに生じることがある急速な発泡に伴なう、いわゆ
る巣の発生などを防止することができるので好ましい。
【0014】前記一塩基性カルボン酸無水物の配合量
は、該一塩基性カルボン酸無水物と前記二塩基性カルボ
ン酸無水物とを併用するかどうかによって異なり、一概
には決定することができない。
【0015】前記一塩基性カルボン酸無水物と前記二塩
基性カルボン酸無水物とを併用せずに、前記一塩基性カ
ルボン酸無水物を単独で用いるばあい、前記一塩基性カ
ルボン酸無水物の配合量は、たとえば、2次発泡に要す
る時間を充分に短縮せしめるために、塩化ビニル系樹脂
100重量部に対して1重量部以上、好ましくは5重量
部以上とすることが望ましく、また発泡速度が大きくな
りすぎてセル膜が破れるおそれをなくすために、塩化ビ
ニル系樹脂100重量部に対して100重量部以下、好
ましくは80重量部以下、さらに好ましくは70重量部
以下とすることが望ましい。
【0016】前記一塩基性カルボン酸無水物と前記二塩
基性カルボン酸無水物とを併用するばあい、前記一塩基
性カルボン酸無水物の配合量は、たとえば、2次発泡に
要する時間を充分に短縮せしめるために、塩化ビニル系
樹脂100重量部に対して0.5重量部以上、好ましく
は1重量部以上、さらに好ましくは5重量部以上とする
ことが望ましく、また発泡速度が大きくなりすぎてセル
膜が破れるおそれをなくすために、塩化ビニル系樹脂1
00重量部に対して70重量以下、好ましくは60重量
部以下、さらに好ましくは50重量部以下とすることが
望ましい。
【0017】一塩基性カルボン酸無水物と二塩基性カル
ボン酸無水物とを併用するばあい、二塩基性カルボン酸
無水物の配合量は、一塩基性カルボン酸無水物100重
量部に対して50重量部以上、なかんづく100重量部
以上とすることが好ましい。なお、前記二塩基性カルボ
ン酸無水物の配合量は、あまりにも多量のばあい、コス
ト高となるので、前記一塩基性カルボン酸無水物100
重量部に対して1000重量部以下とすることが好まし
く、また2次発泡に要する時間を短縮させる効果を充分
に発現させるためには、500重量部以下とすることが
好ましい。
【0018】また、本発明においては、発泡性組成物に
は、イソシアネートが配合される。イソシアネートは、
発泡性組成物を成形金型内で加熱した際に、塩化ビニル
系樹脂を溶解させ、分子サイズオーダーに解きほぐすの
で、イソシアネートと塩化ビニル系樹脂とが絡み合うよ
うになる。その結果、2次発泡時にイソシアネートと一
塩基性カルボン酸無水物、必要により二塩基性カルボン
酸無水物および水とが反応する際に、塩化ビニル系樹脂
は、架橋鎖中に物理的に取り込まれるようになり、えら
れる発泡体は、塩化ビニル系樹脂の高分子鎖と、イソシ
アネート、カルボン酸無水物および水との反応による架
橋高分子鎖とが相互に絡み合い、また該架橋高分子鎖の
一部が塩化ビニル系樹脂の高分子鎖にグラフト結合し
て、耐溶剤性、耐熱性、力学的強度などにすぐれたもの
となる。
【0019】前記イソシアネートとしては、たとえばト
ルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン
ジイソシアネート(MDI)などがあげられ、これらの
イソシアネートは通常単独でまたは2種以上を混合して
用いられる。
【0020】前記イソシアネートの配合量は、架橋効果
を充分に発現させるためには、前記塩化ビニル系樹脂1
00重量部に対して10重量部以上、なかんづく20重
量部以上とすることが好ましく、また架橋反応に長時間
を要しないようにするために、前記塩化ビニル系樹脂1
00重量部に対して100重量部以下、なかんづく80
重量部以下とすることが好ましい。
【0021】なお、前記イソシアネートは、2次発泡の
際に、架橋反応が進行すると同時に、炭酸ガスを発生す
るが、かかる炭酸ガスを発泡剤として利用することがで
きる。
【0022】前記発泡性組成物には、発泡剤が配合され
ている。かかる発泡剤は、分解型発泡剤および蒸発型発
泡剤に大別され、本発明においてはいずれの発泡剤も使
用しうるが、発泡の効率を考慮すれば、本発明において
は分解型発泡剤が好ましい。
【0023】前記分解型発泡剤としては、たとえばアゾ
ビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、ジア
ゾアミノベンゼン、N,N′−ジニトロソペンタメチレ
ンテトラミン、p−トルエンスルホニルヒドラジドなど
があげられ、これらの発泡剤は単独でまたは2種以上を
混合して用いられる。
【0024】前記蒸発型発泡剤としては、たとえばプロ
パン、ブタンをはじめ、フロン−123などのソフトフ
ロンなどがあげられ、これらの発泡剤は単独でまたは2
種以上を混合して用いられる。なお、これらのなかで
は、オゾン層に与える影響が小さいプロパン、ブタンな
どを用いることが好ましい。
【0025】前記発泡剤の配合量は、イソシアネートと
カルボン酸無水物の配合量、所望する発泡倍率や発泡剤
の種類などによって異なるので一概には決定することが
できない。前記発泡剤の配合量は、通常、所望の発泡倍
率を発泡体に付与させるためには、前記塩化ビニル系樹
脂100重量部に対して0.1重量部以上、好ましくは
0.3重量部以上、さらに好ましくは0.5重量部以上
であることが望ましく、多段プレス時に発泡性組成物が
成形金型からリークしたり、発泡時にセル膜の破断が生
じるのを防止するためには、前記塩化ビニル系樹脂10
0重量部に対して10重量部以下、好ましくは7重量部
以下、さらに好ましくは6重量部以下であることが望ま
しい。
【0026】なお、前記発泡剤は、必要に応じてたとえ
ば尿素などの発泡助剤などと組合せて用いられうる。
【0027】また、前記発泡性組成物には、必要によ
り、たとえば安定剤、無機充填剤(増量剤)、顔料など
を適量配合することができる。
【0028】前記安定剤としては、塩化ビニル系樹脂の
分解劣化を阻止する能力を有するものであればとくに限
定がない。かかる安定剤の具体例としては、たとえば二
塩基性ステアリン酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、三塩基性
硫酸鉛やステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、
亜リン酸鉛などがあげられ、これらの安定剤は単独でま
たは2種以上を混合して用いられる。
【0029】前記無機充填剤としては、たとえばタル
ク、炭酸カルシウム、シラスバルーンなどがあげられ
る。
【0030】前記顔料は、えられる発泡体を所望の色に
着色するためのものであり、炭酸カルシウムなどのよう
に無機充填剤としての役割を兼備させることができる白
色顔料のほか、たとえばチタンホワイト、ベンジジンオ
レンジ、ベンジジンエロー、ウォッチングレッドなどが
あげられる。
【0031】本発明の製法においては、発泡性組成物
は、成形金型内に充填する前に、たとえば双腕ニーダー
などの混練機を用いて充分に混練し、均一な組成のゾル
状物としておくことが好ましい。なお、混練時の温度に
ついてはとくに限定がなく、通常室温であればよい。
【0032】つぎに調製された発泡性組成物をたとえば
アルミニウム合金などからなる成形金型内に充填し、成
形金型をたとえば油圧駆動型の多段式ホットプレス機な
どにセットして、該成形金型を密閉して型締し、加熱す
る。
【0033】加熱温度は、該発泡性組成物の構成成分に
より異なるが、発泡性組成物中の発泡剤の種類や配合量
などに応じた適当な温度、たとえば100〜200℃、
好ましくは140〜190℃、さらに好ましくは150
〜180℃であることが望ましい。
【0034】前記加熱温度に発泡性組成物を加熱したば
あい、該発泡性組成物は、通常、50〜350kg/c
2 ・G程度、好ましくは100〜300kg/cm2
・G程度、さらに好ましくは150〜250kg/cm
2 ・G程度の圧力を有するようになる。
【0035】なお、加熱温度が前記温度範囲に達した
ら、成形金型の形状などにより異なるが、通常、10〜
50分間程度その状態を維持することが好ましい。
【0036】つぎに、成形金型を加圧したままの状態で
プレス機の加圧加熱板温度を水などの冷却媒体を用いて
室温またはその近傍の温度まで冷却し、成形金型を型開
きすることにより、1次発泡体がえられる。
【0037】発泡性組成物中の一塩基性カルボン酸無水
物および必要により配合される無水フタル酸などの二塩
基性カルボン酸無水物は、イソシアネートとのあいだで
直接反応しないが、水分の存在下でこれら酸無水物がカ
ルボン酸となり、生じたカルボン酸がイソシアネートと
反応する。
【0038】したがって、えられた1次発泡体を熱水や
高温の水蒸気と接触させて前記反応を進行させると同時
に生成した炭酸ガスにより2次発泡を行なう。このばあ
い、熱水または高温の水蒸気の温度は、前記反応および
2次発泡を充分に進行せしめるために、80〜130℃
程度、好ましくは85〜110℃、さらに好ましくは9
0〜100℃であることが望ましい。かかる温度が80
℃よりも低いばあいには、所定寸法にまで発泡しない
か、発泡したとしても2次発泡に長時間を要するように
なり、130℃をこえるばあいには、セル膜が破れる傾
向がある。なお、該温度は、特別な加熱設備を必要とす
ることによる設備コスト増を防ぐためには、100℃以
下であることが望ましい。
【0039】かくしてえられる発泡体は、硬度が高く、
各種機械的性質にすぐれることは勿論のこと、微細なセ
ル構造を有するものであるため、軽量化が要求されるF
RP船などの芯材などとして好適に使用しうるものであ
る。
【0040】
【実施例】つぎに、本発明の塩化ビニル系樹脂発泡体の
製法を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はか
かる実施例のみに限定されるものではない。
【0041】実施例1〜5および比較例1〜2 表1に示す組成となるように原料を調整し、総量が1k
gとなるように計量したのち、有効容量が1リットルの
双腕ニーダーで室温下で45分間混練して発泡性組成物
をえた。
【0042】えられた発泡性組成物を内寸が155mm
×155mm×20mmのアルミニウム合金製成形金型
内に充填し、プレス機にセットし、該成形金型を密閉
し、型締した。プレス熱板にスチームを通し、成形金型
温度を175℃まで昇温し、圧力210kg/cm2
Gで35分間保持したのち、プレス熱板に工業用水を通
して30℃以下となるまで冷却し、プレス機の締付圧を
解放し、成形金型を型開きして1次発泡体をえた。えら
れた1次発泡体の寸法は180×180×23mmであ
った。こののち、該1次発泡体を95℃の熱水中で2次
発泡させ、途中で大きさ360×360×46mmにな
るまでの時間を調べた。その結果を表1に示す。
【0043】つぎにえられた2次発泡体を約30℃の工
業用水中に入れ、30分間放置して冷却したのち取り出
して付着水分を風乾し、2次発泡体の発泡倍率を調べた
ところ、15〜20倍であった。
【0044】つぎに、仕上げ加工用プレナーおよび丸ノ
コを用いて2次発泡体を寸法100mm×100mm×
10mmに仕上げ、2次発泡体の密度および表面硬度を
以下の方法にしたがって調べた。その結果を表1に併記
する。
【0045】(イ)密度 2次発泡体の重量(g)および体積(cm3 )を測定し
て求める。
【0046】(ロ)表面硬度 寸法100mm×100mm×10mmの試験片の片面
にスチレンモノマーを45重量%含有した不飽和ポリエ
ステル液を塗布し、室温下で3時間放置したのち、他の
片面(非塗布面)の表面硬度を、高分子計器(株)製、
アスカーラバーテスタータイプCSを用いて測定する。
【0047】表面硬度は、スチレンモノマーによる発泡
体の軟化の程度を評価するものであり、発泡体の架橋の
度合いを知る目安となる。
【0048】なお、表中の各略号は、以下のことを意味
する。
【0049】PSH−650A:ペースト塩化ビニル樹
脂(鐘淵化学工業(株)製、平均重合度:2400) TDI:トルエンジイソシアネート PP:無水プロピオン酸 IR:無水イソ酪酸 AK:無水安息香酸 PA:無水フタル酸 ACA:アゾジカルボンアミド SL:二塩基性ステアリン酸鉛
【0050】
【表1】
【0051】表1に示した結果から、実施例1〜5の方
法によれば、比較例2の方法と対比して、2次発泡に要
する時間を大幅に短縮させることができることがわか
る。
【0052】また、実施例5と比較例1とを対比して明
らかなように、2次発泡に要する時間が同一であるばあ
い、発泡性組成物中に一塩基性カルボン酸無水物を用い
たばあいには(実施例5)、該一塩基性カルボン酸無水
物を用いないばあい(比較例1)よりも、表面硬度が2
5以上も向上することがわかる。
【0053】実施例6〜7および比較例3〜4 表2に示す組成となるように原料を調整し、総量が60
kgとなるように計量したのち、有効容量が50リット
ルの双腕ニーダーで室温下で45分間混練して発泡性組
成物をえた。
【0054】えられた発泡性組成物を内寸が700mm
×300mm×20mmのアルミニウム合金製成形金型
内に充填し、プレス機にセットし、該成形金型を密閉
し、型締した。プレス熱板にスチームを通し、成形金型
温度を175℃まで昇温し、圧力210kg/cm2
Gで15分間保持したのち、プレス熱板に工業用水を通
して30℃以下となるまで冷却し、プレス機の締付圧を
解放し、成形金型を型開きして1次発泡体をえた。えら
れた1次発泡体の寸法は720×320×22mmであ
った。こののち、該1次発泡体を98℃の熱水中で2次
発泡させ、えられた2次発泡体を仕上げ加工用プレナー
および丸ノコを用いて寸法1820mm×910mm×
50mmに仕上げ、2次発泡体の物性として、密度、6
0℃での圧縮弾性係数および表面硬度を調べた。その結
果を表2に示す。
【0055】なお、密度および表面硬度は、実施例1と
同様にして調べ、60℃での圧縮弾性係数は、以下の方
法にしたがって調べた。
【0056】(ハ)60℃での圧縮弾性係数 仕上げ加工を施した2次発泡体から寸法50mm×50
mm×50mmの試験片を切り出し、60℃の雰囲気中
で5mm/分の速度で圧縮し、弾性係数を測定する。
【0057】60℃での圧縮弾性係数は、2次発泡体の
架橋の度合いを知る目安となる。
【0058】
【表2】
【0059】表2に示した結果から、実施例6〜7の方
法によれば、比較例4の方法と対比して、2次発泡に要
する時間を大幅に短縮させることができることがわか
る。
【0060】また、実施例7と比較例3とを対比して、
2次発泡に要する時間が同一であるとき、発泡性組成物
中に一塩基性カルボン酸無水物を用いたばあいには(実
施例7)、該一塩基性カルボン酸無水物を用いないばあ
い(比較例3)よりも、表面硬度が向上し、また60℃
での圧縮弾性係数が向上していることから架橋度が大き
くなっていることがわかる。
【0061】実施例8および比較例5〜6 表3に示す組成となるように原料を調整し、総量が60
kgとなるように計量したのち、有効容量が50リット
ルの双腕ニーダーで室温下で45分間混練して発泡性組
成物をえた。
【0062】えられた発泡性組成物を内寸が800mm
×350mm×30mmのアルミニウム合金製成形金型
内に充填し、プレス機にセットし、該成形金型を密閉
し、型締した。プレス熱板にスチームを通し、成形金型
温度を175℃まで昇温し、圧力210kg/cm2
Gで50分間保持したのち、プレス熱板に工業用水を通
して30℃以下となるまで冷却し、プレス機の締付圧を
解放し、成形金型を型開きして1次発泡体をえた。えら
れた1次発泡体の寸法は830×370×31mmであ
った。こののち、該1次発泡体を98℃の熱水中に表2
に示す2次発泡時間浸漬させて2次発泡させ、えられた
2次発泡体を仕上げ加工用プレナーおよび丸ノコを用い
て寸法1820mm×810mm×75mmに仕上げ、
2次発泡体の物性を実施例6と同様にして調べた。その
結果を表3に示す。
【0063】
【表3】
【0064】表3に示した結果から、実施例8の方法に
よれば、比較例6の方法と対比して、2次発泡に要する
時間を大幅に短縮させることができることがわかる。
【0065】また、実施例8と比較例5とを対比して、
2次発泡に要する時間が同一であるとき、発泡性組成物
中に一塩基性カルボン酸無水物を用いたばあいには(実
施例8)、該一塩基性カルボン酸無水物を用いないばあ
い(比較例5)よりも、表面硬度が向上し、また60℃
での圧縮弾性係数が向上していることから架橋度が大き
くなっていることがわかる。
【0066】
【発明の効果】本発明の製法によれば、短時間で生産効
率よく、架橋ないしは分子の物理的絡み合いが生じた耐
溶剤性、機械的強度などにすぐれた塩化ビニル系樹脂発
泡体をうることができ、えられた発泡体は、軽量化が必
要とされるFRP船、FRPタンクなどの芯材などとし
て好適に使用しうるものである。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂、一塩基性カルボン酸
    無水物、イソシアネートおよび発泡剤を含有した発泡性
    組成物を成形金型内に充填し、該成形金型を密閉して型
    締し、加熱したのち冷却し、該成形金型の型開きをし、
    えられた1次発泡体を熱水または高温の水蒸気と接触さ
    せて2次発泡させることを特徴とする塩化ビニル系樹脂
    発泡体の製法。
  2. 【請求項2】 一塩基性カルボン酸無水物が無水プロピ
    オン酸、無水イソ酪酸または無水安息香酸である請求項
    1記載の塩化ビニル系樹脂発泡体の製法。
  3. 【請求項3】 一塩基性カルボン酸無水物の配合量が塩
    化ビニル系樹脂100重量部に対して0.5〜100重
    量部である請求項1または2記載の塩化ビニル系樹脂発
    泡体の製法。
  4. 【請求項4】 発泡性組成物が二塩基性カルボン酸無水
    物を含有したものである請求項1、2または3記載の塩
    化ビニル系樹脂発泡体の製法。
  5. 【請求項5】 二塩基性カルボン酸無水物が無水フタル
    酸である請求項4記載の塩化ビニル系樹脂発泡体の製
    法。
  6. 【請求項6】 二塩基性カルボン酸無水物の配合量が一
    塩基性カルボン酸無水物100重量部に対して50〜1
    000重量部である請求項4または5記載の塩化ビニル
    系樹脂発泡体の製法。
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