JP3499467B2 - 苦土含有液状複合肥料 - Google Patents
苦土含有液状複合肥料Info
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- C05—FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
- C05G—MIXTURES OF FERTILISERS COVERED INDIVIDUALLY BY DIFFERENT SUBCLASSES OF CLASS C05; MIXTURES OF ONE OR MORE FERTILISERS WITH MATERIALS NOT HAVING A SPECIFIC FERTILISING ACTIVITY, e.g. PESTICIDES, SOIL-CONDITIONERS, WETTING AGENTS; FERTILISERS CHARACTERISED BY THEIR FORM
- C05G5/00—Fertilisers characterised by their form
- C05G5/20—Liquid fertilisers
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Description
苦土を含有した液状複合肥料に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、省力化のため機械施肥が普及し、
これに伴い液状複合肥料の需要も急増している。しかし
ながら、現在市販されている液状複合肥料は、肥料成分
として窒素、りん酸、加里と若干の微量成分を含有して
いるが、苦土を含有する肥料はほとんどない。苦土、即
ちマグネシウムは、葉緑素及び酵素の構成元素であり、
炭水化物の代謝、りん酸代謝に関与する多くの酵素を活
性化し、りん酸の吸収、体内移動を促進する大切な機能
を有するにも拘わらず、上記のように現在市販の液状複
合肥料はほとんどこれを含んでいない。 【0003】液状複合肥料に苦土を含有させることが甚
だ困難な理由は、液状複合肥料中で苦土、即ちマグネシ
ウムが、液中に存在する窒素、りん酸あるいは加里と反
応し、りん酸マグネシウムアンモニウム、りん酸マグネ
シウムカリウムの沈殿物を生成し、固−液分離を招来す
ることにある。液状複合肥料に苦土を含有させる方法と
して、澱粉、カルボキシメチルセルロース、廃糖蜜、そ
の他の発酵副産物、ベントナイト、ポリエチレングリコ
ール、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、水溶性
高分子、珪酸ゾル、ヒドロキシカルボン酸などの増粘剤
を使用する方法が提案されているが、高価であり、また
粘度調整に熟練を要し煩雑である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは
植物生理、また生育上極めて重要な苦土、即ちマグネシ
ウムを液状複合肥料に含有させる方法について種々検討
を重ねた結果本発明を完成させたものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、下記
(1)〜(4)の要件を満足する粘度100〜3500
cpの苦土含有液状複合肥料に関する。 (1)(AN+K2O)/MgO(モル比)=2.5〜
10(但し、ANはアンモニア態窒素を示す) (2)P2O5/MgO(モル比)=1〜4 (3)窒素、りん酸、加里をTN、P2O5、K2Oとし
て各々8重量%以上含有し且つ合計量が32〜40重量
%(但し、TNは全窒素を示す) (4)苦土としてMgO=1〜4重量% 【0006】本発明の優れた効果は、苦土、即ち、マグ
ネシウムを含有しているにも拘わらず、長期間、固−液
分離をするほどの沈殿物生成を見ず、保存安定性に優れ
ていることである。本発明の効果発現については定かで
はないが、通常、溶解度以上の塩類を含む液状複合肥料
においては、アンモニウムイオンとりん酸イオンが併存
する場合、これらが結合して、りん酸アンモニウムの結
晶を生成し易く、これが固−液分離の一因となってい
る。また、カリウムイオンと塩素イオンが併存する場
合、大きな塩化加里の結晶が生成し、これも固−液分離
の大きな一因となっている。然るに、本発明液状複合肥
料が長期間安定な理由は、これらイオンに苦土が併存す
ると、結晶発生を阻害しているか、結晶が生成した場合
に於いても結晶が非常に小さくなつているものと推定さ
れる。ところで、苦土、即ちマグネシウムが併存する場
合、上記の通りりん酸マグネシウムアンモニウム、りん
酸マグネシウムカリウムなどの結晶を生成するが、窒
素、りん酸、加里成分の合計量が32重量%以上と高い
ためか、りん酸マグネシウムアンモニウム、りん酸マグ
ネシウムカリウムなどの結晶が生成しても非常に小さ
く、長期安定性を維持しているものと推定される。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明について詳記する。
本発明に使用する窒素、りん酸、加里の原料としては、
特に制限されるものではなく、通常肥料原料として利用
されるものを使用することができる。例えば、塩安、硫
安、硝安、りん安、液安、尿素、りん酸、硫加、塩加、
苛性加里、骨粉、各種発酵廃液、肉粕、蚕よう粕、魚粕
などである。またこれらと共に必要に応じ硼素、マンガ
ン、鉄などの微量要素を使用することもできる。 【0008】次に、本発明に使用する苦土原料について
言えば、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸
マグネシウム、りん酸マグネシウム、塩化マグネシウ
ム、硫酸マグネシウム、珪酸マグネシウムなどを使用す
ることができる。 【0009】次に、液状複合肥料の製造方法について言
えば、反応槽に水と所望成分濃度になるように窒素、り
ん酸、加里原料及び苦土原料を投入する。また必要に応
じ微量要素を投入する。次いで、良く攪拌し、望ましく
は湿式粉砕する。湿式粉砕に際しては、通常のボ−ルミ
ル等を使用すれば良い。粉砕の程度は平均粒子径200
μm以下が望ましい。これ以上の場合、貯蔵中、輸送中
に固−液分離を生じることがある。 【0010】さて、次に、本発明の骨子である原料使用
割合ついて言えば、(AN+K2O)/MgO(モル
比)=2.5〜10(但し、ANはアンモニア態窒素を
示す)、P2O5/MgO(モル比)=1〜4であって、
窒素、りん酸、加里をTN、P2O5、K2Oとして各々
8重量%以上含有し且つ合計量が32〜40重量%(但
し、TNは全窒素を示す)であることである。即ち、こ
の範囲を逸脱すると安定性のある、沈殿、固−液分離を
見ない液状複合肥料を製造することができない。また、
苦土について言えば、MgOとして1〜4重量%含まれ
ていることである。即ち、下限を下廻ると苦土の効果を
期待することができず、上限を上廻ると固−液分離を招
来する。 【0011】本発明の対象とする液状複合肥料の粘度は
100cp以上のものである。100cp以下の場合、
肥料成分を上記のように調製しても沈殿、固−液分離を
見ない液状複合肥料を製造することは困難である。また
一方、上限について言えば、3500cp以下である。
3500cpを上廻ると、液状肥料の安定性、即ち固−
液分離を論じるまでもなく、粘度が高いため安定であ
る。以上詳記したような方法により、本発明によれば極
めて容易に、また極めて経済的に植物生理、生育に有用
な苦土を液状複合肥料に導入することができる。 【0012】 【実施例】以下に本発明の実施例を掲げて更に説明する
が、特に断らない限り、%は全て重量%を示す。 (実施例1)反応槽に所定量の水、尿素、りん安、塩
加、りん酸、苛性加里、アミノ酸発酵廃液及び酸化マグ
ネシウムを加え、良く攪拌した後、ボ−ルミルを用いて
20分間湿式粉砕した。この液状複合肥料について30
℃の条件下で保存安定性を調査した。その結果を表1示
す。 【0013】 【表1】【0014】 表1の結果から明らかなように、比較例
1に於いては粘度が問題であり、比較例2及び3に於い
ては、(AN+K2O)/MgO(モル比)が本発明の
範囲を逸脱しており、比較例4及び5に於いてはP2O5
/MgO(モル比)が本発明の範囲を逸脱しており、ま
た比較例6及び7に於いてはTN、P2O5、K2O合計
量が本発明の範囲を逸脱しており、更に比較例8では苦
土の含有量が多く、いずれも安定な液状複合肥料を製造
することができない。これに対し、本発明の範囲にあれ
ば長期間安定な液状複合肥料を得ることができる。 【0015】 【発明の効果】本発明の製造方法によって得ることがで
きる苦土含有液状複合肥料は、苦土、即ち、マグネシウ
ムを含有しているにも拘わらず、長期間、固−液分離を
するほどの沈殿物生成を見ず、保存安定性に優れている
という特徴を有する。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記(1)〜(4)の要件を満足する粘
度100〜3500cpの苦土含有液状複合肥料。 (1)(AN+K2O)/MgO(モル比)=2.5〜
10(但し、ANはアンモニア態窒素を示す) (2)P2O5/MgO(モル比)=1〜4 (3)窒素、りん酸、加里をTN、P2O5、K2Oとし
て各々8重量%以上含有し且つ合計量が32〜40重量
%(但し、TNは全窒素を示す) (4)苦土としてMgO=1〜4重量%
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19683799A JP3499467B2 (ja) | 1999-07-12 | 1999-07-12 | 苦土含有液状複合肥料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19683799A JP3499467B2 (ja) | 1999-07-12 | 1999-07-12 | 苦土含有液状複合肥料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001019582A JP2001019582A (ja) | 2001-01-23 |
JP3499467B2 true JP3499467B2 (ja) | 2004-02-23 |
Family
ID=16364499
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP19683799A Expired - Lifetime JP3499467B2 (ja) | 1999-07-12 | 1999-07-12 | 苦土含有液状複合肥料 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3499467B2 (ja) |
-
1999
- 1999-07-12 JP JP19683799A patent/JP3499467B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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