JP3498708B2 - ベーン式油圧アクチュエータ - Google Patents

ベーン式油圧アクチュエータ

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JP3498708B2
JP3498708B2 JP2001023379A JP2001023379A JP3498708B2 JP 3498708 B2 JP3498708 B2 JP 3498708B2 JP 2001023379 A JP2001023379 A JP 2001023379A JP 2001023379 A JP2001023379 A JP 2001023379A JP 3498708 B2 JP3498708 B2 JP 3498708B2
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克之 福原
睦生 関谷
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    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L1/00Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
    • F01L1/34Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift
    • F01L1/344Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear
    • F01L1/3442Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear using hydraulic chambers with variable volume to transmit the rotating force
    • F01L2001/3445Details relating to the hydraulic means for changing the angular relationship
    • F01L2001/34479Sealing of phaser devices

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  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Actuator (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エンジンの運転
条件に応じて吸気弁と排気弁の一方もしくは両方の開閉
タイミングを変化させるバルブタイミング可変装置など
に用いられるベーン式油圧アクチュエータ(以下、アク
チュエータという)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図23は従来のベーン式油圧アクチュエ
ータを示す断面図であり、本願出願人による特願平9−
314069号に係るものである。図24は図23中の
要部となるプランジャ部分の拡大断面図、図25は図2
4中のプランジャに油圧がかけられた状態を示す断面図
である。図において、19は吸気側カム19aを有した
吸気側カムシャフト(カムシャフト)、21は吸気側カ
ムシャフト19の一端に設けられたタイミングプーリ、
40は吸気側カムシャフト19に連結して配設されたバ
ルブタイミング可変用のアクチュエータである。このア
クチュエータ40は、作動油として図示しないエンジン
の潤滑油で駆動されることにより、吸気側カムシャフト
19の変位角度を変化させて、図示しない吸気バルブの
開閉タイミングを連続的に変更させるものである。41
は吸気側カムシャフト19の軸受、42はアクチュエー
タ40のハウジングであり、吸気側カムシャフト19に
対して回転自在に取り付けられている。
【0003】43はハウジング42に固定されたケー
ス、44は吸気側カムシャフト19にボルト45で連結
固定されてケース43内に収納されたベーン式のロータ
であり、ケース43に対して相対的に回転可能となって
いる。
【0004】46はケース43とロータ44との間に介
在させたチップシール(シール部材)であり、ケース4
3とロータ44によって区切られる油圧室間での作動油
の漏れを防止するものである。47は板バネからなるバ
ックスプリングであり、チップシール46をロータ44
に当接させるものである。
【0005】48はケース43に固定されたカバー、4
9はハウジング42とケース43とカバー48とを共締
め固定するボルト、50はOリング、51はプレート、
52はボルトである。53,54はOリング、55はロ
ータ44に設けられた円柱状のホルダであり、後述する
プランジャ56を係合させるための係合穴55aを軸方
向に有している。
【0006】56はハウジング42内に摺動可能に設け
られたプランジャであり、ホルダ55の係合穴55aに
嵌め込み係合させるための係合軸部56aを有してい
る。57はプランジャ56をホルダ55側に付勢するス
プリング、58はホルダ55の係合穴55aに作動油を
導入するプランジャ油路であり、このプランジャ油路5
8からホルダ55の係合穴55aに導入された作動油で
プランジャ56をスプリング57に抗して移動させるこ
とにより、ホルダ55に対するプランジャ56のロック
が解除されるようになっている。59は空気穴、60は
カバー48に対して回転可能な軸ボルト、61は空気穴
である。
【0007】62は吸気側カムシャフト19およびロー
タ44に設けられた第1油路であり、ロータ44を遅角
方向に移動させるための後述する遅角油圧室73に連通
している。63は同じく吸気側カムシャフト19および
ロータ44に設けられた第2油路であり、ロータ44を
進角方向に移動させるための後述する進角油圧室74に
連通している。
【0008】80はアクチュエータ40に作動油を供給
してその油量を調整するオイルコントロールバルブ(以
下、OCVという)である。81はバルブハウジング、
82はバルブハウジング81内を摺動するスプール、8
4はスプール82をスプリング83の付勢力に抗して作
動させるためのリニアソレノイドである。85aは供給
管路、88はドレン管路、89は第1管路、90は第2
管路、91はオイルパン、92はオイルポンプ、93は
オイルフィルタである。これらオイルパン91、オイル
ポンプ92、オイルフィルタ93は、図示しないエンジ
ンの各部を潤滑するための潤滑装置を構成し、かつ、O
CV80とともにアクチュエータ40への作動油供給装
置を構成している。
【0009】100は電子制御ユニット(以下、ECU
という)であり、主に図示しない吸入空気量センサ、ス
ロットルセンサ、水温センサ、クランク角センサ、カム
角センサからの信号に基づき、図示しないインジェク
タ、イグナイタ、OCV80を駆動して、燃料噴射量、
点火時期、バルブタイミングを制御するとともに、イグ
ニションスイッチのOFF後におけるOCV80の閉弁
時期を制御するものである。
【0010】また、図26は図23のX−X線に沿った
断面矢視図、図27は図26中のスライドプレートの移
動状態を示す部分断面図、図28は図23のY−Y線に
沿った断面矢視図、図29は図23のZ−Z線に沿った
断面矢視図である。これらの図において、64〜67は
ロータ44から外径方向に凸設された第1〜第4のべー
ン(ロータ)であり、これらのべーン64〜67の先端
はケース43の内周面と摺接するようになっており、そ
れらの先端摺接部には図示しないバックスプリングを介
してチップシール(シール部材)68が設けられてい
る。71はケース43の内周面に凸設されたシュー(ケ
ース)、72はシュー71に設けられたボルト穴であ
り、図23中のボルト49が挿入される。
【0011】69はシュー71の突端が摺接するベーン
支持体、73は第1〜第4のベーン64〜67を遅角方
向に回転させるための遅角油圧室(油圧室)、74は第
1〜第4のベーン64〜67を進角方向に回転させるた
めの進角油圧室(油圧室)である。これらの遅角油圧室
73および進角油圧室74は、ケース43とロータ44
との間でケース43のシュー71とロータ44の各ベー
ン64〜67との間に扇柱状に形成されている。
【0012】75は第1のベーン64に設けられて当該
ベーン64の両側の遅角油圧室73と進角油圧室74と
を連通する連通油路、76は連通油路75の途中に凹設
された移動溝であり、この移動溝76の途中にプランジ
ャ油路58が連通している。
【0013】77は移動溝76内を移動するスライドプ
レートであり、このスライドプレート77によって連通
油路75が分断され、遅角油圧室73と進角油圧室74
との間で油漏れが生じないようにしている。また、スラ
イドプレート77は、遅角油圧室73の油圧が高いとき
に図26に示すように進角油圧室74側に移動し、進角
油圧室74の油圧が高いときに図27に示すように遅角
油圧室73側に移動するものである。なお、図26,図
28,図29中の矢印はアクチュエータ40全体の回転
方向を示す。
【0014】以上において、遅角油圧室73および進角
油圧室74は、ハウジング42とケース43とロータ4
4とカバー48とで囲まれており、遅角油圧室73は第
1油路62に連通し、この第1油路62から作動油が供
給され、また、進角油圧室74は第2油路63に連通
し、この第2油路63から作動油が供給され、そして、
遅角油圧室73と進角油圧室74に供給される作動油の
油量に応じて、ロータ44がハウジング42に対して相
対移動し、遅角油圧室73と進角油圧室74のそれぞれ
の体積が変化するものである。
【0015】次に、アクチュエータ40およびOCV8
0の動作について説明する。まず、図示しないエンジン
が停止した状態でのロータ44は、図26に示すような
最大遅角位置、すなわち、ハウジング42に対して進角
方向に最大に相対回動した位置にあり、オイルポンプ9
2も停止状態となって、第1油路62および第2油路6
3には作動油が供給されず、プランジャ油路58にも作
動油が供給されないので、アクチュエータ40の内部に
溜った油圧は低くなっている。このため、プランジャ5
6はスプリング57の付勢力でホルダ55側に押し付け
られ、プランジャ56の係合軸部56aがホルダ55の
係合穴55aに係合してハウジング42とロータ44と
をロックした状態にある。
【0016】その状態から図示しないエンジンを始動す
ると、オイルポンプ92が稼動し、OCV80に供給さ
れる作動油の圧力が上昇することにより、OCV80か
ら第1管路89および第1油路62を介してアクチュエ
ータ40内の遅角油圧室73に作動油が供給される。こ
のとき、遅角油圧室73の油圧によって、スライドプレ
ート77が進角油圧室74側に移動し、遅角油圧室73
とプランジャ油路58とが連通し、このプランジャ油路
58からホルダ55の係合穴55aに作動油が供給さ
れ、プランジャ56がスプリング57の付勢力に抗して
押圧されることにより、プランジャ56の係合軸部56
aがホルダ55の係合穴55aから抜け出して、プラン
ジャ56とロータ44とのロックが解除される。
【0017】しかしながら、遅角油圧室73には作動油
が供給されているので、ロータ44の各べーン64〜6
7は遅角方向のシュー71に押圧当接した状態にあり、
このため、プランジャ56によるロータ44の係合が解
除されても、ハウジング42とロータ44とは遅角油圧
室73の油圧で押し付け合い、振動や衝撃を低減、解消
する。
【0018】次に、ロータ44を進角させるために、作
動油がOCV80によって第2管路90から第2油路6
3を介して進角油圧室74に供給され、その油圧が進角
油圧室74から連通油路75に伝わってスライドプレー
ト77を押圧することにより、スライドプレート77は
遅角油圧室73側に移動する。このスライドプレート7
7の移動によって、プランジャ油路58は連通油路75
の進角油圧室74側に連通し、進角油圧室74からプラ
ンジャ油路58に油圧が伝えられ、この油圧により、プ
ランジャ56がスプリング57の付勢力に抗してハウジ
ング42側に移動し、プランジャ56とホルダ55との
係合が解除される。
【0019】その係合解除状態で、OCV80の開閉で
供給油量を調節することにより、遅角油圧室73と進角
油圧室74の油量を調整し、ハウジング42の回転に対
してロータ44の回転を進角・遅角させる。例えば、ロ
ータ44を最大に進角させた場合、図27に示すよう
に、ロータ44の各ベーン64〜67は遅角油圧室73
側のシュー71に当接した状態で回転する。また、遅角
油圧室73の油圧を進角油圧室74の油圧よりも大きく
した場合、ロータ44はハウジング42に対して遅角方
向に回転する。このように、遅角油圧室73および進角
油圧室74への供給油圧を調節してハウジング42に対
するロータ44の遅角・進角を調節する。その際、チッ
プシール46,68によって油圧室73,74間での作動
油の漏れを防止している。なお、OCV80の供給油圧
は、ハウジング42に対するロータ44の相対回転角度
を検出するポジションセンサと、オイルポンプ92によ
る加圧量を決定するクランク角センサからの信号によ
り、ECU100で演算されてフィードバック制御され
る。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】従来のベーン式油圧ア
クチュエータは以上のように構成されているので、スラ
イドプレート77などの油圧分配手段を用いて、プラン
ジャ56などのロック手段による回動規制を解除しなけ
ればならず、装置の構造が複雑化して生産性が低下する
などの課題があった。
【0021】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、従来のようなスライドプレートな
どの油圧分配手段を用いなくてもロック手段の回動規制
を容易に解除でき、生産性を向上できるベーン式油圧ア
クチュエータを得ることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】この発明に係るベーン式
油圧アクチュエータは、シャフトに回転自在に設けられ
たハウジングに固定され内部空間を有したケースと、シ
ャフトに固定され複数のベーンを有してケースの内部空
間に収納され内部空間に油圧室を形成するとともに、油
圧室に供給される作動油の圧力に応じてシャフトのハウ
ジングに対する相対回転を制御するロータと、ロータと
ケースの摺接部分に凹設されシール部材を保持するシー
ル溝と、ロータとハウジングとの相対的回動を規制する
ロック手段と、シール溝に設けられロック手段にシール
溝内の作動油を導いてロック手段による回動規制を解除
する油圧供給通路とを設けたものである。
【0023】また、ロック手段はストッパピンとストッ
パピン保持穴とを有すると共に、油圧供給通路はシール
溝からの作動油をストッパ保持穴に導くものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1. 図1はこの発明の実施の形態1によるベーン式油圧アク
チュエータのチップシールとシール溝を示す拡大断面
図、図2はアクチュエータの要部を示す断面図、図3は
カバーを外したアクチュエータの正面図およびシール部
の斜視図、図4はハウジングを外したアクチュエータの
正面図、図5はチップシールを示す斜視図、図6および
図7は油圧作用によって動作するチップシールを示す拡
大断面図、図8および図9はチップシールによる油圧分
配過程を示す断面図である。なお、以下の説明におい
て、既に説明した部材と同一もしくは相当する部材には
同一の符号を付して重複説明を適宜省略する。
【0025】各図において、1はほぼ四角柱状に形成さ
れたチップシール(シール部材)であり、図5(a)に
示すように底部に形成された凹部1aを有し、その凹部
1aの底部両端に形成された面取り部1bを有するも
の、あるいは図5(b)に示すように、凹部1aを有し
ない棒状であってもよい。2はチップシール1を収納保
持するために各ベーン(ロータ)64〜67の突端部に
形成されたシール溝であり、図3(b)に示すように、
ロータ軸方向に平行である他、図3(c)に示すように
ロータ軸方向にテーパさせて、チップシール1をテーパ
させてシール溝2から突出させるようにしてもよい。2
aはシール溝2の開口縁部を曲面状に面取りして形成さ
れた面取り部、2bはシール溝2の底部に形成された湾
曲部、3は係合凸部3aとスプリング保持穴3bを有し
たストッパピン(ロック手段)、4はロータ44に形成
されストッパピン3を収納保持するストッパピン保持穴
(ロック手段)、4aは係合凸部3aが係合凹部42a
に完全に係合した状態において形成される隙間であり、
後述する油路6を経た作動油を進入させてストッパピン
3を加圧できるようにしたものである。5はストッパピ
ン3をハウジング42側に付勢することにより係合凸部
3aを係合凹部42aに係合させるスプリング(ロック
手段)である。
【0026】6はシール溝2とストッパピン保持穴4と
を連通し、シール溝2からの作動油をストッパピン保持
穴4に導くことにより係合凸部3aと係合凹部42aと
の係合状態を解除するための油路(油圧供給通路)、7
は大気側と連通するドレン通路である。
【0027】次にチップシール1、シール溝2などの寸
法条件について図1に基づいて説明する。図1におい
て、Aはチップシール1の高さ、Bはチップシール1の
幅、Cはチップシール1の先端部が摺接するケース43
のシール面とシール溝2の底部との距離、Dはチップシ
ール1の先端部とケース43のシール面との間隙、Eは
第1のベーン64の先端部とケース43のシール面との
間隙である。また、図6において、Fはチップシール1
がシール溝2の一方側の内壁面に当接した状態での当該
チップシール1と当該シール溝2の他方側の内壁面との
間隙である。
【0028】これらの各寸法は、作動油が間隙Dを流れ
る際の流路抵抗が、間隙Fを流れる際の流路抵抗よりも
大きくなるように設定されている。すなわち、間隙E>
間隙Dおよび間隙F>間隙Dの関係を満たすように設定
されている。
【0029】なお、上記説明においては、第1のベーン
64を例にして説明したが、他のベーン65〜67につ
いても第1のベーン64に形成されたシール溝2と同様
のシール溝2が形成され、チップシール1が配設されて
いる。また、各シュー(ケース)71についても各ベー
ン64〜67と同様のシール溝8が形成されており、チ
ップシール1と同様に形成されたチップシール(シール
部材)9が当該シール溝8に配設されている。その他の
構成は、従来技術の構成とほぼ同様に形成されているの
で、重複説明を省略する。
【0030】次に動作について説明する。先ず、チップ
シール1のシール動作原理について説明する。チップシ
ール1は、油圧が作用していない状態では、図1に示す
ように位置している。そして、図6に示すように、第1
のベーン64の先端部とケース43のシール面との間隙
Eに、図示しない進角油圧室74または遅角油圧室73
から作動油が進入してくると、上述した寸法条件によっ
て、間隙Dを流れる際の流路抵抗が間隙Fを流れる際の
流路抵抗よりも大きくなるので、作動油は主として間隙
F側に流れ込み、チップシール1をシール溝2の一方側
の内壁面(図中の白矢印方向)に押圧するとともにチッ
プシール1の凹部1aに進入し、この凹部1a内の作動
油がチップシール1をケース43側に付勢する。する
と、図7に示すように、凹部1aに作用する油圧によっ
てチップシール1の先端部とケース43のシール面とが
密着し、当該油圧に応じたシール力が確保される。ま
た、シール溝2には面取り部2aが形成されているの
で、作動油が間隙Fおよび凹部1aに流れ込み易くな
り、より早く上記シール力を確保することができる。
【0031】次にチップシール1によるストッパピン3
への油圧分配について説明する。図8に示すように、図
示しない進角・遅角いずれか一方の油圧室から供給され
る作動油はチップシール1をケース43側に付勢してシ
ール性を確保するとともに、油路6を経てストッパピン
保持穴4に進入し、ストッパピン3をスプリング5の付
勢力に抗して図中の白矢印方向に移動させ、係合凸部3
aと係合凹部42aとの係合状態を解除する。一方、図
9に示すように、図8の場合と異なる他方の油圧室から
供給される作動油も上記と同様にシール性を確保すると
ともに、係合凸部3aと係合凹部42aとの係合状態を
解除する。なお、その他の基本動作は従来技術の場合と
同様であるので、重複説明を省略する。
【0032】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、作動油の油圧によってチップシール1をケース43
に容易に付勢できるので、従来のようなバックスプリン
グ47などの付勢手段を別途設ける必要がなく、部品数
の削減、組立工数の減少により生産性の向上とコスト低
減を実現できる効果が得られる。
【0033】また、チップシール1の移動によってスト
ッパピン3へ容易に油圧分配し、係合凸部3aと係合凹
部42aとの係合状態を解除できるので、従来のような
スライドプレート77などの油圧分配手段が不要とな
り、部品数を削減できる効果が得られる。
【0034】なお、上記実施の形態1においては、面取
り部2aを曲面状に形成するものとして説明したが、こ
れに限定されず、平面状に形成してもよい。
【0035】実施の形態2.図10はこの発明の実施の
形態2によるベーン式油圧アクチュエータのチップシー
ルとシール溝を示す拡大断面図、図11はカバーを外し
たアクチュエータの正面図、図12はハウジングを外し
たアクチュエータの正面図、図13〜図15は油圧作用
によって動作するチップシールを示す拡大断面図、図1
6および図17はチップシールによる油圧分配過程を示
す断面図である。図において、2cはシール溝2の内壁
面を開口部側にテーパ角度θにて拡開して形成したテー
パ部、Gはチップシール1の断面における先端角部から
対角線方向に位置する面取り部1bまでの距離である。
【0036】図示した各寸法は、作動油が間隙Dを流れ
る際の流路抵抗が、チップシール1とテーパ部2cとの
間隙を流れる際の流路抵抗よりも大きくなるように設定
されている。すなわち、間隙E>間隙Dおよび間隙D<
間隙Aとテーパ角度θの正接との積、または、高さA<
距離C<距離Gの関係を満たすように設定されている。
その他の構成は、上記実施の形態1の場合と同様である
ので、重複説明を省略する。
【0037】次に動作について説明する。先ず、チップ
シール1のシール動作原理について説明する。チップシ
ール1は、油圧が作用していない状態では、図10に示
すように位置している。そして、図13および図14に
示すように、第1のベーン64の先端部とケース43の
シール面との間隙Eに、図示しない進角油圧室74また
は遅角油圧室73から作動油が進入してくると、上述し
た寸法条件によって、間隙Dを流れる際の流路抵抗が、
チップシール1とテーパ部2cとの間隙を流れる際の流
路抵抗よりも大きくなるので、作動油は主として当該チ
ップシール1とテーパ部2cとの間隙側に流れ込み、チ
ップシール1をシール溝2の一方側の内壁面(図中の白
矢印方向)に押圧して傾斜させる。チップシール1が傾
斜すると、その先端部の角部がケース43のシール面に
接触し、初期の間隙Dが消滅するので、その後作動油は
チップシール1とテーパ部2cとの間隙に流れ込んで凹
部1aに進入し、チップシール1をケース43側に付勢
する。すると、図15に示すように、凹部1aに作用す
る油圧によってチップシール1の先端部とケース43の
シール面とが密着し、当該油圧に応じたシール力が確保
される。また、シール溝2にはテーパ部2cが形成され
ているので、シール溝2内でチップシール1が倒れ易く
なる。すなわち、チップシール1が傾斜することによっ
てチップシール1とテーパ部2cとの間隙が大きくなっ
て凹部1aに作動油が進入し易くなり、より早く上記シ
ール力を確保することができる。
【0038】次にチップシール1によるストッパピン3
への油圧分配について説明する。図16に示すように、
図示しない進角・遅角いずれか一方の油圧室から供給さ
れる作動油はチップシール1をケース43側に付勢して
シール性を確保するとともに、油路6を経てストッパピ
ン保持穴4に進入し、ストッパピン3をスプリング5の
付勢力に抗して図中の白矢印方向に移動させ、係合凸部
3aと係合凹部42aとの係合状態を解除する。一方、
図17に示すように、図16の場合と異なる他方の油圧
室から供給される作動油も上記と同様にシール性を確保
するとともに、係合凸部3aと係合凹部42aとの係合
状態を解除する。
【0039】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、上記実施の形態1の場合と同様の効果が得られるほ
か、シール溝2にテーパ部2cを設け、シール溝2内で
チップシール1を傾斜させることによって凹部1aへの
作動油の進入を促し、より早くチップシール1のシール
力を確保することができる効果が得られる。
【0040】なお、上記実施の形態2においては、チッ
プシール1に凹部1aを設けるものとして説明したが、
必ずしも凹部1aを設けなくてもよい。
【0041】実施の形態3.図18はこの発明の実施の
形態3によるベーン式油圧アクチュエータのチップシー
ルを示す斜視図、図19〜図21は油圧作用によって動
作するチップシールを示す拡大断面図である。図におい
て、1cはチップシール1の底部側を開口させて設けた
中空部である。チップシール1に中空部1cを設けたの
は、チップシール1の重心をシール面に近づけるととも
に、油圧荷重の作用面をシール面に近づけるためであ
る。その他の構成は、上記実施の形態2の場合と同様で
あるので、重複説明を省略する。
【0042】次に動作について説明する。基本動作は、
上記実施の形態2の場合と同様である。異なる点は、チ
ップシール1に底面側を開口させた中空部1cを設けた
ことによって、当該中空部1cに作動油を進入させ、チ
ップシール1の先端部とケース43のシール面との間隙
を排除するためのシール力作用点をシール面に近づける
ことができる点である。これによって、より安定したシ
ール力を確保できる。
【0043】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、チップシール1に底面側を開口させた中空部1cを
設けたことによって、シール力作用点をシール面に近づ
けることができ、より安定したシール力を確保できる効
果が得られる。
【0044】なお、上記実施の形態3においては、図1
8に示すチップシール1を用いるものとして説明した
が、これに限定されず、図22に示すように、中空部1
cおよび切り欠き部1dを備えたチップシール1を用い
てもよく、この場合も上記と同様の効果を期待できる。
このチップシール1に切り欠き部1dを設けたのも、シ
ール力作用点をシール面に近づけ、より安定したシール
力を確保するためである。ここで、図22は他のチップ
シールを示す斜視図である。このことにより、材料費を
低減し且つ強度を保つことができる。また、図5(b)
のように凹部がなくてもよい。
【0045】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、ロー
タにはハウジングとの相対的回動を規制するロック手段
を設け、シール溝底部には前記ロック手段に当該シール
溝内の作動油を導いて当該ロック手段による回動規制を
解除する油圧供給通路を設けて構成したので、シール部
材の移動によってロック手段へ容易に油圧分配し、その
回動規制を解除でき、従来のようなスライドプレートな
どの油圧分配手段が不要となり、部品数を削減できる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるベーン式油圧
アクチュエータのチップシールとシール溝を示す拡大断
面図である。
【図2】 アクチュエータの要部を示す断面図である。
【図3】 カバーを外したアクチュエータの正面図およ
びシール部の斜視図である。
【図4】 ハウジングを外したアクチュエータの正面図
である。
【図5】 チップシールを示す斜視図である。
【図6】 油圧作用によって動作するチップシールを示
す拡大断面図である。
【図7】 油圧作用によって動作するチップシールを示
す拡大断面図である。
【図8】 チップシールによる油圧分配過程を示す断面
図である。
【図9】 チップシールによる油圧分配過程を示す断面
図である。
【図10】 この発明の実施の形態2によるベーン式油
圧アクチュエータのチップシールとシール溝を示す拡大
断面図である。
【図11】 カバーを外したアクチュエータの正面図で
ある。
【図12】 ハウジングを外したアクチュエータの正面
図である。
【図13】 油圧作用によって動作するチップシールを
示す拡大断面図である。
【図14】 油圧作用によって動作するチップシールを
示す拡大断面図である。
【図15】 油圧作用によって動作するチップシールを
示す拡大断面図である。
【図16】 チップシールによる油圧分配過程を示す断
面図である。
【図17】 チップシールによる油圧分配過程を示す断
面図である。
【図18】 この発明の実施の形態3によるベーン式油
圧アクチュエータのチップシールを示す斜視図である。
【図19】 油圧作用によって動作するチップシールを
示す拡大断面図である。
【図20】 油圧作用によって動作するチップシールを
示す拡大断面図である。
【図21】 油圧作用によって動作するチップシールを
示す拡大断面図である。
【図22】 他のチップシールを示す斜視図である。
【図23】 従来のベーン式油圧アクチュエータを示す
断面図である。
【図24】 図23中の要部となるプランジャ部分の拡
大断面図である。
【図25】 図24中のプランジャに油圧がかけられた
状態を示す断面図である。
【図26】 図23のX−X線に沿った断面矢視図であ
る。
【図27】 図26中のスライドプレートの移動状態を
示す部分断面図である。
【図28】 図23のY−Y線に沿つた断面矢視図であ
る。
【図29】 図23のZ−Z線に沿った断面矢視図であ
る。
【符号の説明】
1 チップシール(シール部材)、2 シール溝、2a
面取り部、2c テーパ部、3 ストッパピン(ロッ
ク手段)、4 ストッパピン保持穴(ロック手段)、5
スプリング(ロック手段)、6 油路(油圧供給通
路)、8 シール溝、9 チップシール(シール部
材)、40 アクチュエータ(ベーン式油圧アクチュエ
ータ)、42 ハウジング、43 ケース、64 第1
のベーン(ロータ)、65 第2のベーン(ロータ)、
66第3のベーン(ロータ)、67 第4のベーン(ロ
ータ)、71 シュー(ケース)、73 遅角油圧室
(油圧室)、74 進角油圧室(油圧室)、D,E,F
間隙。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−89021(JP,A) 特開 平10−252711(JP,A) 特開2000−230511(JP,A) 特開2000−170710(JP,A) 実開 平6−28309(JP,U) 実開 平6−71965(JP,U) 特公 昭50−4834(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F15B 15/12 F01L 1/34

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトに回転自在に設けられたハウジ
    ングに固定され内部空間を有したケースと、前記シャフ
    トに固定され複数のベーンを有して前記ケースの内部空
    間に収納され当該内部空間に油圧室を形成するととも
    に、当該油圧室に供給される作動油の圧力に応じて当該
    シャフトのハウジングに対する相対回転を制御するロー
    タと、前記ロータと前記ケースの摺接部分に凹設されシ
    ール部材を保持するシール溝と、前記ロータと前記ハウ
    ジングとの相対的回動を規制するロック手段と、前記シ
    ール溝に設けられ前記ロック手段に当該シール溝内の作
    動油を導いて当該ロック手段による回動規制を解除する
    油圧供給通路とを備えたことを特徴とするベーン式油圧
    アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 ロック手段はストッパピンとストッパピ
    ン保持穴とを有すると共に、油圧供給通路はシール溝か
    らの作動油をストッパ保持穴に導くことを特徴とする請
    求項1記載のベーン式油圧アクチュエータ。
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