JP3498307B2 - 塩化鉄水溶液の精製方法及び塩化鉄水溶液 - Google Patents
塩化鉄水溶液の精製方法及び塩化鉄水溶液Info
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(塩化第一鉄)、有機合成における酸化剤や縮合剤さら
には、媒染剤や止血剤(塩化第二鉄)などに広く使用さ
れている塩化鉄水溶液、特に、電子部品として使用され
るリードフレームやテレビジョンのシャドウマスクをエ
ッチングするために用いられたエッチング用塩化第二鉄
水溶液、もしくは塩化第二鉄が還元されて得られる塩化
第一鉄水溶液などの塩化鉄水溶液の精製と、この精製に
よって得られる塩化鉄水溶液に関するものである。
レビジョンのシャドウマスクなどは、36ニッケルー6
4鉄などのいわゆるインバー材や、42アロイ(鉄58
%、ニッケル42%)、52アロイ(鉄48〜50%、
ニッケル50〜52%)などのアロイ材を、塩化第二鉄
水溶液を用いたエッチングにより製造している。
は、エッチングにより、インバー材やアロイ材中のニッ
ケルなどの重金属を溶解し、エッチングの回数が増加す
るに従い、ニッケルイオンなどの重金属が液中に蓄積し
ていき、エッチング能力が低下してしまうものである。
加工が要求される際には、塩化第二鉄水溶液のニッケル
イオンなどの重金属の蓄積、さらには塩化第二鉄の還元
による塩化第一鉄の増加などによるエッチング能力の低
下は、避けなければならない大きな問題である。
エッチング能力の低下した塩化第二鉄水溶液を、引き続
きエッチング加工に利用するために、液中のニッケルイ
オンを除去し精製する方法が種々提案されている。
においては、加熱濃縮強酸性下に塩化ニッケルとして晶
析除去する方法が、また、特開昭59−190367号
公報では、ジメチルグリオキシムなどのグリオキシム類
の添加によって、ニッケルグリオキシムとして沈殿除去
する方法が、また、特開昭59−121123号公報で
は、塊状の金属鉄を添加し除去する方法が、さらに特開
昭62−191428号公報、特開平3−253584
号公報、特開平5−85740号公報などでは、鉄粉を
添加して除去する方法が提案されている。
インバーやスーパーインバーが、リードフレームやテレ
ビジョンのシャドウマスクの原料として検討され始め、
これらのウルトラインバーやスーパーインバーは、コバ
ルトを含有するもので、これらを原料とするエッチング
加工を行った塩化第二鉄水溶液中には、コバルトイオン
が溶解し蓄積されている。
ンは、塩化第二鉄水溶液のエッチング能力の低下という
面では、含有濃度が低いため、ニッケルイオン程の問題
をもたらさないが、塩化第一鉄及び塩化第二鉄は前記し
たように、各種用途に幅広く使用されので、使用される
用途においては、コバルトイオンの存在は大きな問題と
なる。
は、コバルトイオンの存在は嫌われ、エッチング加工向
けの塩化第二鉄水溶液のコバルトイオンだけでなく、各
種用途における塩化鉄水溶液のコバルトイオンの除去も
強く求められ、それらイオンの許容量は、用途によって
は、ニッケルイオンは50ppm以下、さらには10p
pm以下、コバルトイオンは20ppm以下、さらには
10ppm以下という厳しいものである。
溶液中のコバルトイオン、特にエッチング加工に用いら
れたエッチング加工廃液である塩化第二鉄水溶液、又は
その還元物である塩化第一鉄水溶液中のコバルトイオン
の除去を、ニッケルの場合と同様に鉄粉を使用して行っ
てみたが、塩化第二鉄水溶液中のコバルトイオンは、鉄
粉単独の添加によっては殆ど除去することができなかっ
た。
でコバルトイオンを除去できないか検討を行い、ニッケ
ルイオンの存在下に塩化鉄水溶液に金属鉄を加えること
により、コバルトイオンを析出させることができること
を見出し、先に、一つの提案を行った。
法は、コバルトイオンを効率的に析出させることができ
るが、上記したような厳しいコバルトイオンの許容量が
課せられる場合には、使用するニッケルイオンの量や鉄
粉の量も多くなり、必ずしも最適なものとは云えないも
のとは言い得なかった。
溶液中のコバルトイオンを含む各種金属イオンを除去す
る方法について検討を行った結果、塩化鉄水溶液中のコ
バルトイオやニッケルイオンなどの金属イオンは、金属
鉄が共存する酸性領域下で、硫化物、特に硫化水素や硫
化アンモニウムと反応し、溶液中で沈殿物を形成するた
め、効率的に除去することが可能であることを見出し、
この発明を完成したのである。
水溶液中に増加したコバルトイオンやニッケルイオンを
含む各種金属イオンを、前記知見に基づき、簡単かつ容
易な手段で除去して再生することのできる塩化鉄水溶液
の精製方法と、この精製方法によって得られるエッチン
グ能力の高い塩化鉄水溶液を提供せんとすることを目的
とするものである。
め、この発明の請求項1に記載の発明は、酸性領域下に
硫化物を用いて、溶液中の金属イオンを金属鉄の共存下
に除去することを特徴とする塩化鉄水溶液の精製方法で
ある。
は、溶液中に金属鉄を添加してpHを調整し、金属イオ
ンを部分的に析出させた後、金属鉄の共存下に硫化物を
添加し、残存する金属イオンを除去することを特徴とす
る塩化鉄水溶液の精製方法である。
は、前記塩化鉄水溶液の精製方法で精製されたことを特
徴とする塩化鉄水溶液である。
精製方法及び塩化鉄水溶液について、より具体的に説明
する。
イオンやニッケルイオンなどの各種金属イオンを不純物
として含み、当該コバルトイオンやニッケルイオンなど
の各種金属イオンの析出除去が望まれるものであれば、
どのような塩化鉄水溶液、すなわち、塩化第一鉄水溶液
や塩化第二鉄水溶液でもよいが、主として電子部品とし
てのリードフレームや、テレビジョンのシャドウマスク
などのエッチング加工に用いられた、エッチング廃液で
ある塩化第二鉄水溶液、及びその還元物である塩化第一
鉄水溶液の精製に、この発明を良好に適用することがで
きる。
は、容易に還元されて、塩化第一鉄になるので、この発
明において、鉄粉により金属イオンを析出する方法を採
用する時には、塩化第二鉄は、塩化第一鉄に変化してい
るので、実質的には、エッチング廃液である塩化第二鉄
水溶液中の金属イオンの析出、すなわち、塩化第二鉄水
溶液の精製は、塩化第一鉄溶液中の金属イオンの析出と
実質的に同一の反応を経由して行われるものである。
化第二鉄水溶液を精製する場合においても、溶液中の塩
化第二鉄を塩化第一鉄に変化させてイオンを除去するも
のであり、最終的に精製された塩化第二鉄水溶液を得る
ためには、塩化第一鉄を塩素により酸化(塩素化)して
塩化第二鉄にする必要がある。
の金属イオンの量については格別の制限はなく、例え
ば、ウルトラインバーやスーパーインバーを、エッチン
グ加工したエッチング廃液である塩化第二鉄水溶液中に
は、通常1000〜2000ppmのコバルトイオンと
10000ppm程度のニッケルイオンが存在している
が、これらの量のコバルトイオンやニッケルイオン、さ
らには数100ppm、数1000ppmという量のコ
バルトイオンの析出除去も、この発明により容易に行う
ことができる。
化鉄水溶液、特にpHが1以上の塩化鉄水溶液中で、硫
化物イオンを形成するものであれば、格別な制限もな
く、この発明に適用することができるが、具体的な化合
物としては、硫化水素、硫化アンモニウムや、硫化ナト
リウム、硫化カリウム、硫化水素ナトリウム等のアルカ
リ金属の硫化物、硫化バリウム等のアルカリ土類金属の
硫化物などが挙げられる。
中のコバルトイオンやニッケルイオンの析出能力により
優れている硫化水素や硫化アンモニウムが好ましく、特
に好ましいものは硫化水素で、この発明に用いられる硫
化水素としては、不純物の少ないものであれば使用に制
限はなく、工業用硫化水素が問題なく使用できる。ま
た、硫化バリウムも、ニッケルイオンとコバルトイオン
の析出に用いた後のバリウムイオンが、硫酸により、容
易に硫酸バリウムとして析出が可能であるため使用が好
ましいものである。
の量としては、塩化鉄水溶液中のコバルトイオンを含
む、不純物として存在するニッケルイオンなどの金属イ
オンの種類や存在量により変化するので、実験により確
認する必要があるが、硫化水素に関しては、発明者等が
行った5L規模の試験において、圧力0.2MPaの硫
化水素を50〜200ml/min、塩化鉄水溶液に加
えることにより、金属イオンを問題のない量まで除去す
ることができた。
せる時、特にニッケルイオンが存在する時は、金属イオ
ンの析出を、従来と同様に、まず、金属鉄で行うことが
良く、特にニッケルイオンとコバルトイオンが共存して
いるときは、コバルトイオンの一部が、ニッケルイオン
とともに析出するので好ましい方法である。
イオンの析出のためばかりでなく、塩化鉄水溶液中の金
属イオンを硫化水素により析出させる際の、塩化鉄水溶
液のpH調整剤としての機能も有するうえ、硫化物に併
用されることにより、ニッケルイオンやコバルトイオン
の析出を促進する機能を、効果的に発揮するものであ
る。また、金属鉄の使用には、硫化物を添加した塩化鉄
水溶液中に残存し余剰・不要となった硫化物イオンの低
減という効果も期待されるものである。
に金属鉄で析出させる際は、ニッケルイオンの析出速度
がコバルトイオンの析出速度より大きいため、ニッケル
イオンの量がコバルトイオンの存在量より多いことが望
ましく、例えば、コバルトイオンが200〜2000p
pm程度である場合、10000ppm程度共存するの
が良く、具体的には、目標とするコバルトイオンの濃
度、析出時間などから、求められる。
イオンを塩化鉄水溶液に添加する際は、単にニッケル塩
を加えることでよいが、塩化鉄水溶液中に塩化第二鉄が
存在する場合は、金属ニッケルを加えることでもよく、
金属ニッケルは塩化第二鉄と反応してニッケルイオンを
生じるので、コバルトイオンの析出に利用できる。
析出させる際、ニッケルイオンをコバルトイオンより多
く共存させていても、ニッケルイオンの析出速度が大き
いため、一定時間後には、液中のニッケルイオンの量が
少なくなり、コバルトイオンの析出が殆ど停止してしま
う状態に至ることがあるので、さらにコバルトイオンの
析出を望むときは、ニッケルイオンを追加して添加し、
必要に応じて金属鉄をさらに添加することにより、コバ
ルトイオンを所望の量(濃度)に低下するまで析出させ
ることができる。
は、従来、ニッケルイオンの析出に用いられているもの
が同様に用いられ、塊状の鉄、鉄片より還元鉄粉などの
鉄粉が好ましい。また、本発明において、金属鉄として
は純粋な鉄のみでなく、酸化鉄なども、脱ニッケルイオ
ン能には劣るが、金属鉄として部分的に代替可能であ
る。
/gの多孔質のものが好ましく、粒度で云えば100メ
ッシュ以上のものが好ましく、より好ましくは150〜
350メッシュの範囲にあるもので、かかる鉄粉を使用
することにより、適正な速度でニッケルイオンや共存す
るコバルトイオンを析出させることができる。
ルトイオンの濃度、析出速度などを考慮して定めればよ
いが、一般的な添加量としては、金属イオンに対して1
当量以上であり、好ましくは3〜7当量であって、1当
量未満では、金属イオンの析出が不十分になり、7当量
以上では析出に寄与しないものがあり、最終的には、鉄
粉は濾過により排除されるため、コスト面でも資源的に
も好ましいものではない。
H1.5〜4.5の酸性領域の水溶液であることが好ま
しく、この範囲の酸性領域にある塩化鉄水溶液から最も
効果的にコバルトイオンや、その他の重金属イオン、例
えばニッケルイオンも析出させることができる。
囲に調整するには、苛性ソーダなどの一般的な水酸化ア
ルカリを使用してもよいが、アルカリ金属が不純物とし
て問題になるときは、金属鉄を用いるのが好ましい。
気雰囲気下でもよく、温度としては常温から温度100
℃の範囲で行えるが、好ましい温度範囲は温度40〜9
0℃である。
であれば1時間以上、通常2〜10時間とするのが、管
理する上で好ましい。
として析出するので、それらを濾過することにより溶液
から分離される。金属鉄を用いて、溶液中の金属イオン
を分離除去する際、溶液中の塩化鉄が塩化第二鉄であっ
たとしても、塩化第二鉄は還元されて塩化第一鉄に変化
しているため、液中に塩素を吹き込み、塩素化(酸化)
して塩化第二鉄に戻す処置がとられ、精製された塩化第
二鉄溶液とし、再度エッチング加工などに用いられる。
イオンは、従来、同様の不純物としてのニッケルイオン
の除去に採用されていた方法、例えば、鉄粉の単独添加
などでは殆ど除去することができないが、硫化物、特に
硫化水素を、金属鉄の共存下に加えることにより、酸性
状態では沈殿物を形成しないとされていた硫化物を、塩
化鉄の水溶液が酸性であるにも係わらず形成し、塩化鉄
溶液からの分離・除去を効果的に行えるという特異的な
作用が奏される。
などの他の金属イオンも同時に除去され、コバルトイオ
ンを含め各種金属イオンが不純物として存在する塩化鉄
溶液の精製が極めて容易に行えるのである。
細に説明する。
約800ppmになるように試薬のCoCl2・6H2
Oを加え、さらに鉄粉と少量の水を加えて、pHが4.
0の試験用塩化第一鉄溶液を調整した。試験液を温度6
0℃に維持し、攪拌しながら、硫化水素ガスを流量11
0ml/minで吹き込み120分間反応させた。反応
終了後のpHは1.5であった。反応開始後60分およ
び反応終了後に、試験液を少量分取し、ろ紙を用いて固
液分離した。液側のコバルトイオン濃度を分析したとこ
ろ、60分後で1.7ppm、終了後で1.6ppmま
で低下していた。
約100ppmになる様に試薬のCoCl2・6H2O
を加え、さらに鉄粉を表1に示される濃度まで加え試験
用塩化第一鉄溶液を調整した。試験液を温度70℃に維
持し、攪拌しながら、硫化水素ガスを0.2MPa、流
量30ml/minで吹き込み60分間反応させた。反
応終了後のコバルトイオン濃度と硫黄濃度を分析して結
果を表1に示した。
H2Oと、CoCl2・6H2Oを加えて、ニッケルイ
オン濃度約10000ppm、コバルトイオン濃度約1
600ppmになるように試験用塩化第一鉄溶液を調整
した。試験液温を温度70℃に設定し、攪拌しながら、
ニッケルとコバルトの総モル数に対し、3当量の鉄粉
(平均粒度150メッシュオン、比表面積0.16m2
/g)を3回(開始時、2時間後、4時間後)に分割し
て添加し、480分反応させた。この反応液に、硫化水
素ガスを0.2MPa、流量100ml/minで1時
間吹き込み、液中のニッケル、コバルト、鉄及び硫化物
イオンの濃度の変化を測定した。測定した結果を表2に
示した。
H2Oと、CoCl2・6H2Oを加えて、ニッケルイ
オン濃度とコバルトイオン濃度がそれぞれ約50ppm
になるように試験用塩化第一鉄溶液を調整した。試験液
に鉄粉を加えて、pHを2.5とした後、試験液を二分
し、一方の試験液はろ過により鉄粉を除去した(比較例
1)。両方の試験液の温度を70℃とし、硫化アンモニ
ウム水溶液(硫黄含量6%)を50ppmとしたニッケ
ルイオンとコバルトイオンの3倍モル添加し4時間反応
させた。試験液中のニッケル、コバルト及び硫化物イオ
ンの濃度並びにpHの変化を測定した。測定した結果
を、表3(実施例4:鉄粉をろ過しなかった場合)、表
4(比較例1:鉄粉をろ過した場合)に示した。
H2Oと、CoCl2・6H2Oを加えて、ニッケルイ
オン濃度とコバルトイオン濃度がそれぞれ約50ppm
になるように試験用塩化第一鉄溶液を調整した。試験液
を温度60℃にして鉄粉を投入し、pHが2.5以上に
なるまで攪拌した。つぎに、硫化バリウム(白色粉末)
をニッケルとコバルトに対して3当量投入し、4時間攪
拌反応させた。試験液中のニッケル、コバルト、硫化物
イオン及びバリウムイオンの濃度の変化を測定した結果
を表5に示す。なお、バリウムイオンは、硫酸の添加に
より除去可能である。
H2Oを加えて、コバルトイオン濃度約1600ppm
になるように、試験用塩化第一鉄溶液を調整した。調整
した溶液を温度70℃に設定し、攪拌しながら、コバル
トに対し、55当量の鉄粉(平均粒度150メッシュオ
ン、比表面積0.16m2/g)を3回(開始時、2時
間後、4時間後)に分割して添加し、コバルトイオン濃
度の変化を測定した。測定した結果を表6に示した。
H2Oと、CoCl2・6H2Oを加えて、ニッケルイ
オン濃度約10000ppm、コバルトイオン濃度約1
600ppmになるように試験用塩化第一鉄溶液を調整
した。液温を温度70℃に設定し、攪拌しながら、ニッ
ケル及びコバルトに対し、比較例1と同量の5当量の鉄
粉(平均粒度150メッシュオン、比表面積0.16m
2/g)を3回(開始時、2時間後、4時間後)に分割
して添加し、ニッケル及びコルトイオン濃度の変化を測
定した。測定した結果を表6に示した。
に、実質的に塩化鉄溶液からコバルトイオンの除去は、
金属鉄のみでは殆ど行えず、硫化物、特に硫化水素を加
え併用することによって、初めて、コバルトイオンの除
去が効果的に行え、また、同時にニッケルイオンも除去
できるのである。
ニッケルイオンが共存していると、鉄粉の添加によっ
て、コバルトイオンを除去することが可能であるが、コ
バルトイオンの量を少なくするためには、析出速度の速
く、濃度が速やかに低下してしまう、ニッケルイオンの
追添加や鉄粉の添加が必要であり、望ましい方法とは、
必ずしも云えないものである。
ニッケルイオンも塩化鉄溶液中に存在するのであれば、
前記のように金属鉄の添加により、ニッケルイオンと一
緒にコバルトイオンも析出するが、金属鉄と硫化水素を
併用すれば、コバルトイオンやニッケルイオンの析出除
去がより効果的に行われるのである。
めばかりでなく、塩化鉄水溶液中の金属イオンを硫化水
素により析出させる際の、塩化鉄水溶液のpH調整剤と
しての機能も有するうえ、硫化物に併用されることによ
り、ニッケルイオンやコバルトイオンの析出を促進する
機能を有するとともに、硫化物を添加した塩化鉄水溶液
中に残存し余剰・不要となった硫化物イオンを低減する
ものでもある。
れば、ウルトラインバーやスーパーインバーのエッチン
グ加工によって、エッチング能力が低下した塩化第二鉄
水溶液又はその廃液中に含まれるコバルトイオンや重金
属イオンを効果的に除去でき、再度、当該塩化第二鉄水
溶液をエッチング液として使用することを可能にするこ
とができ、省資源的にも優れた効果を発揮するものであ
る。
力が低下した塩化第二鉄水溶液又はその廃液から容易に
得ることができ、しかも再利用が可能な点で省資源的に
も優れた効果を発揮するものである。
Claims (7)
- 【請求項1】酸性領域下に硫化物を用い、溶液中の金属
イオンを金属鉄の共存下に除去することを特徴とする塩
化鉄水溶液の精製方法。 - 【請求項2】前記除去される金属イオンが、 ニッケル又はコバルトイオンであることを特徴とする請
求項1に記載の塩化鉄水溶液の精製方法。 - 【請求項3】前記酸性領域は、 pH1.5〜4.5の領域であることを特徴とする請求
項1又は2に記載の塩化鉄水溶液の精製方法。 - 【請求項4】溶液中に金属鉄を添加してpHを調整し、 金属イオンを部分的に析出させた後、 金属鉄の共存下に硫化物を添加し、残存する金属イオン
を除去することを特徴とする塩化鉄水溶液の精製方法。 - 【請求項5】前記前記硫化物は、 硫化水素、硫化アンモニウム又は硫化バリウムであるこ
とを特徴とする請求項4に記載の塩化鉄水溶液の精製方
法。 - 【請求項6】前記塩化鉄水溶液が、 エッチング廃液であることを特徴とする請求項1〜5の
いずれかに記載の塩化鉄水溶液の精製方法。 - 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の塩化鉄水
溶液の精製方法で精製されたことを特徴とする塩化鉄水
溶液。
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