JP3498269B2 - 二重反転プロペラ用軸受装置 - Google Patents

二重反転プロペラ用軸受装置

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JP3498269B2
JP3498269B2 JP25160394A JP25160394A JP3498269B2 JP 3498269 B2 JP3498269 B2 JP 3498269B2 JP 25160394 A JP25160394 A JP 25160394A JP 25160394 A JP25160394 A JP 25160394A JP 3498269 B2 JP3498269 B2 JP 3498269B2
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oil supply
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propeller
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啓一 新田
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    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63HMARINE PROPULSION OR STEERING
    • B63H23/00Transmitting power from propulsion power plant to propulsive elements
    • B63H23/32Other parts
    • B63H23/321Bearings or seals specially adapted for propeller shafts
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63HMARINE PROPULSION OR STEERING
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    • B63H23/32Other parts
    • B63H23/321Bearings or seals specially adapted for propeller shafts
    • B63H2023/323Bearings for coaxial propeller shafts, e.g. for driving propellers of the counter-rotative type

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  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は船舶などの二重反転プロ
ペラを支持する二重反転プロペラ用軸受装置にかかるも
ので、とくに内軸と外軸との間の軸受部分を改良した二
重反転プロペラ用軸受装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、プロペラの推進エネルギーを
有効に活用するために、前方プロペラを有する外軸と、
この外軸に内嵌するとともに後方プロペラを有する内軸
とを互いに反対方向に回転駆動する二重反転プロペラが
知られている。
【0003】たとえば図12は、従来の二重反転プロペ
ラ1の一部切欠き側面図、図13は、図12のXIII
−XIII線断面図であって、二重反転プロペラ1は、
前方プロペラ2を有する外軸3と、後方プロペラ4を有
する内軸5と、外軸3および内軸5をそれぞれ反対方向
に回転駆動する主機関6と、を有する。
【0004】外軸3は、これを円筒状に形成してあるも
ので、船舶本体の船尾部分7に外側軸受8および外側シ
ール9を介してこれを回転可能に設ける。内軸5は、こ
の外軸3の内方に内側軸受10および内側シール11を
介して反対方向に回転可能に設ける。
【0005】外軸3、内軸5、外側軸受8および内側軸
受10部分に潤滑油を供給する潤滑油供給機構12を設
けてある。なお、前方プロペラ2および後方プロペラ4
に対向してラダーホーン13および舵板14を設けてあ
る。
【0006】こうした構成の二重反転プロペラ1におい
て、外軸3と船尾部分7との間の外側軸受8は通常の軸
受機構を採用可能であるが、とくに内軸5と外軸3との
間に介装する内側軸受10は、内方で回転する内軸5
と、外方で反転する外軸3との回転方向が互いに反対で
あるため、潤滑油供給機構12からの潤滑油による油膜
の形成によって流体滑り軸受作用を行うことに問題があ
る。
【0007】つまり、図13に示すように、内軸5が時
計方向に回転し、外軸3およびこの外軸3の内周面に固
定してある滑り軸受などの内側軸受10が反時計方向に
回転する場合に、外軸3と内軸5とがほぼ等速度で回転
すると、内軸5の外周面と内側軸受10の内周面との間
の潤滑油がこの間に油膜を形成することができなくなる
という問題がある。
【0008】そこで、内側軸受10の内面にテーパーラ
ンド部(図示せず)を設けて、動圧による負荷容量によ
り内軸5を持ち上げようとする軸受が提案されている
が、主機関6の始動時ないし低速回転時には動圧による
負荷容量が小さいため、油膜が薄くなり、軸受面におい
て内軸5および内側軸受10が金属接触して内側軸受1
0が焼け付くという問題がある。
【0009】こうした問題を解消するための従来の技術
として、たとえば図14に示すような、静圧軸受を基本
とした「二重反転プロペラ用船尾管軸受」(特公平5−
45479号)がある。この軸受においては、内軸5内
に油圧同芯穴15およびこの油圧同芯穴15から放射状
に延びる放射状給油孔16を形成し、また放射状給油孔
16にはオリフィス形成用のあるいは毛細管絞り用の小
穴付きネジ17をはめ込んで、内軸5と、外軸3ないし
内側軸受10との間に放射状給油孔16から内側軸受1
0に向かって高圧の油を噴出することにより均等に圧力
を付与して、内軸5を持ち上げようとする静圧による負
荷容量を発生させ、内軸5の片当たりなどを防止しよう
としている。
【0010】しかしながら、この船尾管軸受の場合に
は、外軸3の内側軸受10が真円軸受であるため、内軸
5および外軸3が等速度で互いに反転した場合、理論上
この真円軸受では潤滑油の動圧による負荷容量が発生し
ない。
【0011】したがって、内軸5と外軸3(内側軸受1
0)とがほぼ等速度で反転する高回転数比の場合に、ブ
ラックアウトや潤滑油供給機構12の給油ポンプの故障
などにより放射状給油孔16からの静圧給油が失われた
ときには、油膜が形成されず、焼付けを起こしやすいと
いう問題がある。
【0012】また、高回転数比において動圧による負荷
容量が不足するため、比較的高い静圧をかけて潤滑油を
供給する必要があるという問題がある。
【0013】さらに、内軸5の放射状給油孔16から内
側軸受10側に高い静圧をかけて潤滑油を供給している
ので、この内側軸受10の表面の柔らかいホワイトメタ
ルなどの軸受メタルに高圧な潤滑油の噴流によるエロー
ジョンを起こす可能性があるという問題がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
諸問題にかんがみなされたもので、内軸と外軸とが反対
方向にほぼ等速度で回転する等速二重反転時、あるいは
これに近い状態のときにも、内側軸受に負荷容量を与え
ることができる二重反転プロペラ用軸受装置を提供する
ことを課題とする。
【0015】また本発明は、エンジンの高回転域におい
ては、潤滑油の動圧による負荷容量のみで内軸を支え、
動圧のみでは十分な負荷容量を発生することが困難な低
回転域においては給油圧力を高くして静圧を付加するこ
とによって負荷容量を確保することができる二重反転プ
ロペラ用軸受装置を提供することを課題とする。
【0016】また本発明は、内側軸受の非真円形状を利
用し、低い給油圧力で十分な負荷容量を発生させること
ができる二重反転プロペラ用軸受装置を提供することを
課題とする。
【0017】また本発明は、潤滑油供給機構を大型化す
ることなく、船内電力を節約することができる二重反転
プロペラ用軸受装置を提供することを課題とする。
【0018】また本発明は、高圧の潤滑油の供給によっ
ても軸受の内周面(軸受表面)にエロージョンを発生さ
せることがない二重反転プロペラ用軸受装置を提供する
ことを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、内側
軸受の内周面を非真円形状にすることにより内軸との間
において動圧を発生させること、および内側軸受側から
内方の内軸の外表面側に潤滑油を供給することにより静
圧を発生させることに着目したもので、前方プロペラを
有する外軸と、この外軸に内嵌して該外軸とは反対方向
に回転駆動するとともに後方プロペラを有する内軸と、
この内軸と上記外軸との間に設けた軸受と、を有する二
重反転プロペラ用軸受装置であって、上記軸受に複数本
の放射状給油孔を形成し、上記外軸側からこれら放射状
給油孔を通して上記内軸の外周面に潤滑油を供給すると
ともに、この軸受の内周面に複数の凹凸形状部を形成し
たことを特徴とする二重反転プロペラ用軸受装置であ
る。
【0020】上記放射状給油孔は、これを上記凹凸形状
部の凹部に臨ませることができる。
【0021】上記凹凸形状部は、これをテーパーランド
あるいは多円弧軸受面とすることができる。
【0022】上記放射状給油孔は、これを上記軸受の軸
方向に沿って複数列に形成することができる。
【0023】
【作用】本発明による二重反転プロペラ用軸受装置にお
いては、内側軸受の背面つまり外軸側から潤滑油を内軸
の外表面に供給するとともに、内側軸受の内周面に複数
のテーパーランドあるいは多円弧軸受面などの凹凸形状
部を形成することにより非真円形状としたので、内側軸
受の内方から内軸方向に向かって供給される潤滑油によ
る静圧は常に真円の内軸に向かっているので、負荷容量
の変化を小さくすることができる。
【0024】さらに、テーパーランド部あるいは多円弧
軸受面などの凹凸形状部を形成してあるため、回転数比
によらず内軸および内側軸受の間に動圧による負荷容量
がほぼ一定に発生し、したがって、放射状給油孔からの
静圧を大きくする必要がない。
【0025】とくにテーパーランドあるいは多円弧軸受
面などの凹凸形状部の凹部に臨む放射状給油孔からの潤
滑油がリセス効果により均等な圧力を内軸の外周面に付
加するので、静圧による負荷容量を増加させることがで
きる。
【0026】結果的に、ブラックアウト時などにおいて
給油が行われずに静圧による負荷容量を発生させること
ができない場合でも、あるいはプロペラが低速度の遊転
状態となった場合にも、回転数比によらず動圧による負
荷容量を発生することができるので、軸の焼き付きなど
を回避して安全性を高めることが可能となる。
【0027】さらに、柔らかい内周面を有する内側軸受
側から放射状給油孔を通して、硬い外表面を有する内軸
側に高圧の潤滑油を供給するので、この高圧の噴流によ
るエロージョンの心配はない。
【0028】
【実施例】つぎに、本発明の実施例による二重反転プロ
ペラ用軸受装置を図1ないし図11にもとづき説明す
る。ただし、図12ないし図14と同様の部分には同一
符号を付し、その詳述はこれを省略する。
【0029】図1は、二重反転プロペラ20用の軸受装
置21の断面図、図2は、図1のII−II線断面図、
図3は図1のIII−III線断面図であって、図1に
示すように、二重反転プロペラ20は前方プロペラ2を
有する外軸22と、後方プロペラ4を有する内軸23と
を有する。
【0030】外軸22は、これを円筒状に形成してある
もので、前方プロペラ2の前方プロペラボス24および
連結部材25と一体的に、外側軸受8を介してこれを回
転可能に設けてある。
【0031】内軸23は、この外軸22の内方に内側軸
受26を介して、後方プロペラ4の後方プロペラボス2
7と一体的に、外軸22とは反対方向に回転可能に設け
てある。
【0032】上記内軸23および内側軸受26部分に本
発明の二重反転プロペラ用軸受装置21を設けてある。
すなわち、外軸22の外周面に取り付けた導入出用リン
グ28に導入ポート29を設け、ここに潤滑油供給機構
12から所定圧力で潤滑油を供給する。
【0033】図2にも示すように、導入ポート29に連
通して外軸22の部分に複数本の外軸給油通路30を形
成し、この外軸給油通路30に連通して、隔離用円筒部
材31と外軸22との間に外側円筒通路32を形成す
る。
【0034】図3にも示すように、外側円筒通路32に
連通して前方プロペラボス24と内側軸受26との間に
複数本の軸方向給油溝33を形成し、さらに内側軸受2
6の部分に放射状給油孔34(図3に示すように軸方向
に直角な断面部分に8本、図1に示すように軸方向に3
列、計一箇所の内側軸受26に24本)を形成し、内軸
23の外周面と内側軸受26の内周面との間の軸受表面
に潤滑油を供給可能としてある。なお、この放射状給油
孔34は、潤滑油の圧力を緩衝するオリフィスとして機
能させるために、その直径を軸方向給油溝33に対して
十分に小さく設計することが望ましい。
【0035】この軸受表面に供給された潤滑油のうちの
一部は、内側軸受26の複数本の軸方向油溝35を通
り、隔離用円筒部材31と、内軸23との間の内側円筒
通路36を通り、隔離用円筒部材31の直径方向連通孔
37、および外軸22の排油孔38を通って、導入出用
リング28の導出ポート39から潤滑油供給機構12の
タンク(図示せず)へ還流する。
【0036】軸受表面に供給された潤滑油のうち内側円
筒通路36の方向に流れたものは、上述の一部の潤滑油
と合流して、隔離用円筒部材31の直径方向連通孔3
7、外軸22の排油孔38、および導入出用リング28
の導出ポート39から上記タンクへ還流する。
【0037】つぎに図3ないし図7を参照して本発明の
二重反転プロペラ用軸受装置21部分について説明す
る。図3に示すように二重反転プロペラ用軸受装置21
は、内側軸受26の内周面においてその軸方向に直角な
面に、曲面状テーパー面40(非真円部)およびランド
面41(真円部)を交互に配置してなるテーパーランド
42を等角度間隔で形成してある。
【0038】曲面状テーパー面40は、内軸23の外周
面の曲率より小さな曲率の円弧によってリセス状に(凹
部として)これを形成してある。ランド面41は、内軸
23の外周面と同心円状にこれを形成してある。
【0039】前記放射状給油孔34は、前記軸方向給油
溝33から内側軸受26の内周面に向かって曲面状テー
パー面40の中央部に臨むようにこれを配置してある。
【0040】図4は、曲面状テーパー面40およびラン
ド面41をより具体的に示す断面図であって、内側軸受
26の中心から任意の半径R1の円周上において等中心
角に分割する点(図では八箇所)を中心としてさらに半
径R2で円を描くことにより内側軸受26の内周面にラ
ンド面41を残しつつ曲面状テーパー面40を形成す
る。
【0041】半径R1、R2を任意に選択かつ組み合わ
せることにより、所定の形状および深さを有する曲面状
テーパー面40および所定長さのランド面41を得るこ
とができる。
【0042】内軸23の半径をR、内軸23の外周面と
内側軸受26の内周面との間の間隙をCとすれば、曲面
状テーパー面40の最大深さHは、R1+R2−(R+
C)となる。
【0043】曲面状テーパー面40の最大深さHは、軸
受パッド数すなわちテーパーランド42の数や運転条件
などで若干変更することがあるが、1.0〜3.0×内
側軸受26の径/10000程度である。
【0044】図5は、内側軸受26の内周面の展開図で
あり、放射状給油孔34が臨むテーパーランド42の曲
面状テーパー面40、およびランド面41を交互に形成
している。
【0045】また、図5中左右端部にもランド面41
L、41Rを形成することにより曲面状テーパー面40
をランド面41、41L、41Rによって囲むようにし
て、後述のリセス効果を得やすくしているが、とくにこ
の左右端部のランド面41L、41Rはこれを形成しな
くてもよい。
【0046】なお、内軸23の内側から給油する内軸給
油の場合(たとえば従来の図14の構成)のように内軸
23に放射状給油孔34を設けて、これをテーパーラン
ド42に対向させるような場合には、放射状給油孔34
とテーパーランド42との相対的位置が軸方向において
互いに同様なので、静圧による負荷容量が軸方向におい
て同様に変化し、全体として内軸23の軸心位置が不安
定になるという問題がある。
【0047】これに対して、本発明においては、非真円
形状である曲面状テーパー面40と真円形状であるラン
ド面41を交互に配置して、曲面状テーパー面40に放
射状給油孔34を臨ませるとともに、内軸23の内側か
ら(内軸給油)ではなく外軸22側から内側軸受26部
分に潤滑油を供給するようにしたので、放射状給油孔3
4は常に曲面状テーパー面40に臨むため静圧による負
荷容量が変動することなく、軸心位置が安定する。
【0048】さらに、放射状給油孔34が曲面状テーパ
ー面40に臨んでいることにより、この曲面状テーパー
面40がリセス(凹部)あるいはポケットとしてその内
部の圧力降下を抑制するリセス効果を生じて、同じ長さ
の軸受でより大きな負荷容量を得ることができるため、
静圧による負荷容量を増加させることができる。
【0049】また、放射状給油孔34からの高圧の潤滑
油は、硬質材料による表面を有する内軸23の外周面に
衝突するので、軟質材料による内側軸受26の内周面お
よび内軸23の外周面にエロージョンを発生することが
ない。
【0050】図6は、内側軸受26の内周面における非
真円形状の他の例を示す図4と同様の断面図であって、
テーパーランド42と同様の非真円形状を形成する構成
が図4の場合と若干異なる。内側軸受26の内周面を等
分(たとえば八等分)するとともに、これら隣合う等分
点の間において当該内周面に凹部を形成する。
【0051】すなわち、内軸23の中心から任意の半径
R1の円周上において等中心角に分割する点(図では八
箇所)のうち互いに隣り合う二点を中心としてさらに半
径R3でふたつの円を描きこれらの円弧が上記内周面と
交差するとともに互いに隣合う等分点の間において、テ
ーパーランド42に相当する多円弧軸受面43(凹部)
を所定の深さおよび形状に形成する。半径R1、R3を
任意に選択かつ組み合わせることにより、所定の形状お
よび深さを有する多円弧軸受面43を得ることができ
る。
【0052】図7に示すように当該他の例では、図5の
テーパーランド42の場合と同様に、三列の放射状給油
孔34を多円弧軸受面43の中央部(半径R3の円弧が
重なる部分)に臨ませている。
【0053】図8は、テーパーランド42あるいは多円
弧軸受面43および放射状給油孔34を形成した場合の
内軸23の回転数に対する最小油膜厚さ(負荷容量)の
関係を示すグラフであって、内軸23および内側軸受2
6が高速度で回転している場合には、動圧による負荷容
量が十分に発生するため、必要な油膜の厚さを得ること
ができ、潤滑油の温度上昇が許容される限界まで給油圧
力を下げることができる。
【0054】なお図において、「最大回転数」とは、連
続最大出力回転数、いわば定格出力時の回転数であり、
「最小回転数」とは、これ以下の回転数では運転不可能
となってエンジンが停止してしまう最低回転数のことを
言う。
【0055】また、動圧による負荷容量が不足する低回
転域で運転されるときには、静圧による負荷容量を増加
するように制御することができる。
【0056】ただし、潤滑油供給機構12の給油ポンプ
(図示せず)が「ON/OFF」される回転数付近で長
い時間運転すると、海象(海上の気象条件)により回転
数がわずかに変動するたびに絶えず給油ポンプを「ON
/OFF」することになるので、図8に示すように、軸
回転数が上昇時はA−B−C−D−Eの経路を通って軸
回転数下降時はE−D−F−B−Aのようなヒステリシ
スを描く運転制御を行うことにより、一度給油ポンプを
「ON」としたら多少回転数が上昇しても「OFF」と
しないように設計する。
【0057】図9は、回転数比、(内側軸受26回転数
/内軸23回転数)×100に対する最小油膜厚さ(負
荷容量)の関係を示すグラフである。従来例として図1
4に示したような内軸23および内側軸受26がともに
真円の場合、互いに反転する内軸23および内側軸受2
6がそれぞれ潤滑油を運び込む作用が相殺されるため、
互いに全くの等速度で反転した場合には、負荷容量はゼ
ロとなる。
【0058】しかしながら本発明のように、内軸23お
よび内側軸受26にテーパーランド42あるいは多円弧
軸受面43のような凹凸部ないし非真円形状部を複数個
形成することにより、内軸23および内側軸受26の回
転方向が反対であっても内軸23と内側軸受26との間
における新たな隙間によって、軸回転にともなう動圧に
よる負荷容量を新たに発生させることができる。
【0059】したがって図9に図示のように、回転数比
が低い領域では真円軸受の方が動圧による負荷容量が高
いが、二重反転プロペラ20においてプロペラ推進効率
の高くなる高回転数比の領域では、テーパーランド42
あるいは多円弧軸受面43を形成した内側軸受26の方
が動圧による負荷容量が高くなることがわかる。
【0060】つぎに図10および図11にもとづき、静
圧による負荷容量および潤滑油の給油圧について説明す
る。図10は、図4あるいは図6と同様の、ただし内軸
23が内側軸受26に対して若干偏心した場合の断面
図、図11は、回転数比に対する油膜厚さの関係を示す
グラフであって動圧と静圧との負荷容量を示す。
【0061】図10に示すように、潤滑油の供給圧PS
に対して内側軸受26の圧力は放射状給油孔34による
絞りの抵抗で内軸23の図中、下面でP1、内軸23の
上面でP2に低下する。
【0062】内軸23の外周面と内側軸受26のランド
面41部分の内周面との間の間隔を下面でH1、上面で
H2とすると、内軸23と内側軸受26の中心がそれぞ
れ一致するときにはH1=H2となり、放射状給油孔3
4による絞りと軸受隙間の抵抗とが同等となってP1=
P2となるため負荷容量はゼロとなる。
【0063】また内軸23が偏心して偏心距離eだけ図
中下方に沈むと、H1<H2、かつP2<P1となり、
この差圧(P1−P2)によって負荷容量が発生する。
【0064】図11に示すように、本発明におけるテー
パーランド42あるいは多円弧軸受面43のような非真
円形状を有する内軸23の方が動圧による負荷容量が高
いために、より低い給油圧で同等の負荷容量を得ること
ができ、図14に示した真円軸受に比較して給油圧力を
下げることができる。
【0065】なお、テーパーランド42の曲面状テーパ
ー面40に静圧を供給すると、この曲面状テーパー面4
0がリセス効果によって差圧(P1−P2)を図14の
真円軸受に比較して大きくすることができ、給油圧力を
下げることができる。
【0066】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、内側軸受
の内周面に非真円形状のテーパーランドあるいは多円弧
軸受面などの凹凸形状部を形成するとともに放射状給油
孔をこの凹凸形状部の凹部に臨ませたので、静圧による
負荷容量を増すことが可能となり、給油圧力もこれを低
く抑えることができる。
【0067】したがって、潤滑油供給機構からの静圧給
油が不要あるいは低圧ですむため、船内電力を節約する
ことができる。
【0068】また、ブラックアウト時などにおいて静圧
給油が行われず、また前方プロペラおよび後方プロペラ
が低速度の遊転状態となった場合にも、回転数比によら
ず動圧による負荷容量を発生することができるので、真
円軸受構造の場合よりも耐焼付け性を向上させて安全性
を向上させることができる。
【0069】さらに、内側軸受側から内軸側に高圧の潤
滑油を供給するので、高圧の噴流は硬い内軸に衝突し、
エロージョンの発生のおそれはない。
【0070】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による二重反転プロペラ用軸受
装置21を装備した二重反転プロペラ20の断面図であ
る。
【図2】同、図1のII−II線断面図である。
【図3】同、図1のIII−III線断面図である。
【図4】同、曲面状テーパー面40およびランド面41
をより具体的に示す断面図である。
【図5】同、内側軸受26の内周面の展開図である。
【図6】同、内側軸受26の内周面における非真円形状
の他の例(多円弧軸受面43)を示す図4と同様の断面
図である。
【図7】同、内側軸受26の内周面の展開図である。
【図8】同、テーパーランド42あるいは多円弧軸受面
43および放射状給油孔34を形成した場合の内軸23
の回転数に対する最小油膜厚さ(負荷容量)の関係を示
すグラフである。
【図9】同、回転数比に対する最小油膜厚さの関係を示
すグラフである。
【図10】同、図4あるいは図6と同様の、ただし内軸
23が内側軸受26に対して若干偏心した場合の断面図
である。
【図11】同、回転数比に対する油膜厚さの関係を示す
グラフである。
【図12】従来の二重反転プロペラ1の一部切欠き側面
図である。
【図13】同、図12のXIII−XIII線断面図で
ある。
【図14】従来の静圧真円軸受を基本とした二重反転プ
ロペラ用船尾管軸受の要部断面図である。
【符号の説明】
1 二重反転プロペラ 2 前方プロペラ 3 外軸 4 後方プロペラ 5 内軸 6 主機関 7 船舶本体の船尾部分 8 外側軸受 9 外側シール 10 内側軸受 11 内側シール 12 潤滑油供給機構 13 ラダーホーン 14 舵板 15 油圧同芯穴 16 放射状給油孔 17 オリフィス形成用の小穴付きネジ 20 二重反転プロペラ 21 二重反転プロペラ用軸受装置 22 外軸 23 内軸 24 前方プロペラボス 25 外軸22の連結部材 26 内側軸受 27 後方プロペラボス 28 導入出用リング 29 導入ポート 30 外軸給油通路 31 隔離用円筒部材 32 外側円筒通路 33 軸方向給油溝 34 放射状給油孔 35 軸方向油溝 36 内側円筒通路 37 隔離用円筒部材31の直径方向連通孔 38 外軸22の排油孔 39 導出ポート 40 曲面状テーパー面(非真円部) 41 ランド面(真円部) 41L 左端部のランド面 41R 右端部のランド面 42 テーパーランド(曲面状テーパー面40およびラ
ンド面41) 43 多円弧軸受面 C 内軸23の外周面と内側軸受26の内周面との間の
間隙 H 曲面状テーパー面40の深さ R 内軸23の半径 R1 曲面状テーパー面40を形成するための内軸23
の中心からの任意の半径 R2 曲面状テーパー面40を形成するための半径R1
の円周上の点からの任意の半径 R3 多円弧軸受面43を形成するための半径R1の円
周上の点からの任意の半径 PS 潤滑油の供給圧 P1 内軸23の下面での圧力 P2 内軸23の上面での圧力 H1 内軸23の外周面と内側軸受26のランド面41
部分の内周面との間の下面での間隔 H2 内軸23の外周面と内側軸受26のランド面41
部分の内周面との間の上面での間隔 e 内軸23が内側軸受26に対して偏心した偏心距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−255584(JP,A) 特開 平6−239294(JP,A) 実開 昭60−168698(JP,U) 特公 平5−45479(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B63H 5/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前方プロペラを有する外軸と、 この外軸に内嵌して該外軸とは反対方向に回転駆動する
    とともに後方プロペラを有する内軸と、 この内軸と前記外軸との間に設けた軸受と、を有する二
    重反転プロペラ用軸受装置であって、 前記軸受に複数本の放射状給油孔を形成し、前記外軸側
    からこれら放射状給油孔を通して前記内軸の外周面に潤
    滑油を供給するとともに、 この軸受の内周面に複数の凹凸形状部を形成し、かつ
    記放射状給油孔をこの凹凸形状部の凹部に臨ませたこと
    を特徴とする二重反転プロペラ用軸受装置。
  2. 【請求項2】 前記凹凸形状部は、これをテーパーラ
    ンドあるいは多円弧軸受面としたことを特徴とする請求
    記載の二重反転プロペラ用軸受装置。
  3. 【請求項3】 前記放射状給油孔は、これを前記軸受
    の軸方向に沿って複数列に形成したことを特徴とする請
    求項記載の二重反転プロペラ用軸受装置。
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