JP3497785B2 - プレーナ形フィルタ - Google Patents

プレーナ形フィルタ

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JP3497785B2 JP27662699A JP27662699A JP3497785B2 JP 3497785 B2 JP3497785 B2 JP 3497785B2 JP 27662699 A JP27662699 A JP 27662699A JP 27662699 A JP27662699 A JP 27662699A JP 3497785 B2 JP3497785 B2 JP 3497785B2
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    • Y10S505/825Apparatus per se, device per se, or process of making or operating same
    • Y10S505/866Wave transmission line, network, waveguide, or microwave storage device

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フィルタ部材と
チューニング部材とを対向配置させたプレーナ形フィル
タに関し、特に、通信機器等に用いられるフィルタの材
料として超電導体を用いる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】無線や有線で情報通信を行う通信機器に
おいて、所望の周波数帯のみを抽出するフィルタは重要
な構成部品である。周波数の有効利用、および省エネル
ギ化を図るには、減衰特性に優れ、かつ、挿入損失の小
さいフィルタが要求される。
【0003】このような要求を満足するには、フィルタ
の構成要素として、Q値の高い共振素子が必要となる。
Q値の高い共振素子を実現する一手法として、共振素子
を構成する導体に超電導体を用いるとともに、基板にサ
ファイアやMgOなどの非常に低損失な材料を用いる手法
が提案されている。この手法では、10000以上のQ値を
得ることができ、共振特性は非常に鋭くなる。しかしそ
の反面、設計時や作製時に共振特性を高精度に調整しな
ければならないという問題がある。
【0004】すなわち、基板の誘電率のわずかなバラツ
キや導体の加工時のわずかな誤差により、共振特性は大
きく変化してしまい、所望のフィルタ特性が得られなく
なってしまう。また、所望のフィルタ特性が得られたと
しても、経時変化や周囲の温度変化により、フィルタ特
性にずれが生じるという問題もある。
【0005】一方、上述した高いQ値を利用してGHz帯
の高周波信号を直接フィルタリングし、周波数変換器を
省略して低コスト化を図る手法が提案されている。この
場合も、共振素子の共振特性を高精度に調整しなければ
ならないことはいうまでもないが、積極的に共振周波数
を変化させて一個のフィルタで任意の周波数を選択可能
にすれば、フィルタの構成を簡略化できて、コスト低減
も図れる。
【0006】この他、上述したフィルタ特性のずれをな
くすための手法として、例えば、共振素子上に誘電率が
電圧に依存して変化する誘電体を配置し、かつ、この誘
電体に近接して電圧印加用の電極を配置する技術があ
る。
【0007】この手法の場合、電極の配置場所と印加電
圧を可変制御することにより、局所的に独立に誘電率を
変化させることができる。この結果、一般にフィルタの
通過周波数帯域のチューニングに必要とされる、(1)共
振素子の共振周波数、(2)共振素子間の結合、(3)共振素
子と入出力部間の結合、の個別独立な調整が可能とな
る。すなわち、通過周波数帯域を可変制御でき、かつ、
スカート特性やリップルが所望の特性になるように調整
することができる。ここで、スカート特性とは、通過周
波数帯域の両側の立ち上がりと立ち下がりの特性を指
し、リップルとは、通過周波数帯域での特性のへこみ具
合を指す。一般には、スカート特性が急峻でリップルが
小さいほど望ましい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
手法では、誘電率を変化させるための誘電体と、電圧印
加のための電極とが必須の構成要素であり、これら誘電
体や電極による損失のため、共振素子のQ値は数百以下
に低下してしまい、減衰特性に優れて挿入損失が小さい
共振素子およびフィルタを得ることは困難であった。
【0009】別の手法として、マイクロストリップ構造
の共振器上に、透磁率が印加磁界に従って変化する磁性
体(YIG)の板を配置し、これに外部から一様に磁界を印
加することにより共振周波数を変化させる技術がある。
【0010】この手法の場合、上記の誘電体制御方式に
比べると、電極が不要で、誘電体よりもYIGの損失が小
さいことから、共振素子のQ値はlO倍にまで改善されて
いる。しかしながら、この方式をフィルタに適用してフ
ィルタ特性をチューニングしようとしても、各共振素子
および共振素子間や入出力部には一様な磁界しか印加で
きないため、フィルタの通過周波数帯域のチューニング
に必要とされる、上述した(1)〜(3)の個別独立な調整が
不可能で、通過周波数帯域を変化させるとスカート特性
やリップルが悪化するという問題があった。
【0011】本発明は、上述した問題点に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、通過周波数帯域を高精度に
可変制御でき、かつ、スカート特性に優れてリップルの
少ないプレーナ形フィルタを提供することにある。
【0012】また、本発明の他の目的は、フィルタの構
成部品である共振素子の共振周波数と、共振素子間の結
合と、共振素子および入出力部間の結合とを、それぞれ
個別独立に調整可能なプレーナ形フィルタを提供するこ
とにある。
【0013】さらに、本発明の他の目的は、超電導体の
低損失特性を犠牲にすることなく、簡易な構成で通過周
波数帯域を高速かつ広範囲にチューニングできるプレー
ナ形フィルタを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明は、超電導体薄膜からなる複数
の共振素子とその両側に配置される入出力部とを、それ
ぞれ間隔を隔てて誘電体基板上に形成したフィルタ部材
と、前記フィルタ部材に所定の間隔を隔てて対向配置さ
れる磁性体材料からなるチューニング部材と、を備え、
前記チューニング部材に直流磁界を印加して前記共振素
子周辺の実効透磁率を調整可能としたプレーナ形フィル
タであって、前記チューニング部材は、前記共振素子間
のギャップ周辺と、前記入出力部および前記共振素子間
のギャップ周辺との少なくとも一方の実効誘電率を調整
可能な誘電率調整部を有する。
【0015】請求項1の発明では、フィルタの通過周波
数帯域を変化させると、そのままでは、スカート特性が
悪化したり、リップルが増えたりするが、チューニング
部材中の誘電率調整部により、共振素子間のギャップ周
辺の実効誘電率や、共振素子と入出力部の間の実効誘電
率を調整することにより、スカート特性やリップル等の
フィルタ特性を改善することができる。
【0016】請求項2の発明では、無負荷Q値を下げる
作用を行う誘電体部を、ギャップ部分のみ設けるため、
無負荷Q値を下げることなく、スカート特性やリップル
等のフィルタ特性を改善することができる。
【0017】なお、フィルタ部材とチューニング部材と
を対向配置する際には、両者が平行でないとフィルタの
挿入損失が増えて急峻なスカート特性が得られなくなる
ため、両者は平行に配置するのが望ましい。
【0018】また、損失を少なくするには、フィルタ部
材上に形成された共振素子や入出力部のすべてをチュー
ニング部材で覆うのが望ましい。
【0019】さらに、磁性体の飽和磁化を4πMs(ガウ
ス)、通過周波数をf(MHz)とすると、4πMs<f/6.3
の条件を満たすように、磁性体の飽和磁化を設定するの
が望ましい。この条件を満たさない場合には、共振素子
の無負荷Q値やスカート特性が悪化するためである。
【0020】請求項3の発明は、超電導体薄膜からなる
複数の共振素子とその両側に配置される入出力部とを、
それぞれ間隔を隔てて誘電体基板上に形成したフィルタ
部材と、前記フィルタ部材に所定の間隔を隔てて対向配
置されるチューニング部材と、を備え、前記チューニン
グ部材は、前記入出力部および前記共振素子間のギャッ
プに対向配置される第1の磁性体と、前記共振素子のそ
れぞれに対向配置される第2の磁性体と、前記共振素子
間のギャップに対向配置される第3の磁性体と、前記第
1〜第3の磁性体の透磁率を調整する磁界発生手段と、
を有する。
【0021】請求項3および4の発明では、チューニン
グ部材中の第1〜第3の磁性体の透磁率を個別に調整す
ることにより、フィルタの通過周波数帯域を変更して
も、スカート特性やリップル等のフィルタ特性を良好な
状態に維持できる。
【0022】請求項5の発明では、第1〜第3のコイル
で発生された磁界を、第4〜第6の磁性体を介すること
で、漏れなく第1〜第3の磁性体に伝達でき、また、第
1〜第3の磁性体を通過した磁界を第7〜第9のコイル
に導くことにより、漏れ磁束による悪影響を防止でき
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るプレーナ形フ
ィルタについて、図面を参照しながら具体的に説明す
る。
【0024】(第1の実施形態)図1は本発明に係るプ
レーナ形フィルタの第1の実施形態の構造を示す図、図
2は図1のA-A方向断面図である。
【0025】本実施形態のプレーナ形フィルタは、図2
に示すように、平板状のフィルタ部材1と、同じく平板
状のチューニング部材2とを、所定間隔を隔てて対向配
置した構造になっている。
【0026】図1はフィルタ部材1とチューニング部材
2とを対向させる前の状態を示しており、図中の破線は
対向配置させたときに上下に重なる位置を示している。
【0027】図1のフィルタ部材1は、裏面側をグラン
ド面3にした基板4上に、超電導体からなる一対の入出
力部5と、同じく超電導体からなる複数の共振素子6と
を配置したマイクロストリップライン構造のバンドパス
フィルタである。
【0028】図1のチューニング部材2は、印加磁界に
より透磁率が変化する磁性体板7の表面(図1では下
面)に、複数の誘電体薄膜8と、これら誘電体薄膜8に
電界を印加するための複数の電極9とを配置した構造に
なっている。誘電体薄膜8のそれぞれは、フィルタ部材
1の共振素子6間のギャップ、あるいはフィルタ部材1
の共振素子6と入出力部5との間のギャップに対向する
位置に配置されている。図1において、誘電体薄膜8と
電極9が誘電率調整部に対応し、誘電体薄膜8が誘電体
部に対応し、電極9が電界発生部に対応する。
【0029】図2に示すように、フィルタ部材1の入出
力部5の入力端には、フィルタリングの対象となるマイ
クロ波が入力される。また、入出力部5間に略平行に、
図2の矢印Y1で示す直流磁界がかけられる。この磁界
により、フィルタの通過周波数帯域が可変制御される。
【0030】図1のプレーナ形フィルタは、図3に示す
ように、銅(Cu)製の容器11内に収納されている。この
容器11はさらに、デュワ12内に設置されている。容
器11は、冷凍機13のコールドヘッド14に熱接触を
保って保持されている。容器11の外壁には、図2の矢
印Y1の向きに磁界を発生させるコイル15が巻かれて
いる。
【0031】また、図3では省略しているが、デュワ1
2の外側には、図1の電極9に電圧を印加するための電
圧印加用電源とコイルに通電するためのコイル通電用電
源とが設けられている。これら電源に供給する電圧を可
変制御することにより、図1のフィルタのスカート特性
やリップルが制御される。
【0032】図3はフィルタの後段の増幅器(不図示)
をデュワ12内に収納しない例を示しているが、増幅器
をデュワ12内部に収納してもよい。また、図3では、
簡略化のため、デュワ12内部にプレーナ形フィルタを
一つだけ設ける例を説明したが、図3の点線で示すよう
に、複数のフィルタを収納することも可能である。
【0033】次に、図1に示すプレーナ形フィルタの第
1の実施形態の動作を説明する。図1のプレーナ形フィ
ルタの通過周波数帯域を決める要素は、共振素子6の長
さと、共振素子6を取り囲む媒体の実効誘電率εおよび
実効透磁率である。また、スカート特性とリップルを規
定するものは、共振素子6の無負荷Q値と、共振素子6
相互間の結合と、共振素子6および入出力部5間の結合
である。
【0034】共振素子6相互間の結合と、共振素子6と
入出力部5間の結合は、相互間のギャップの長さと、そ
れを取り囲む媒体の実効誘電率εと実効透磁率μにより
決まる。図1のチューニング部材2に、図3に示す外部
コイル15により直流磁界を印加すると、実効透磁率μ
が全体的に変化し、すべての共振素子6の固有周波数を
一様にシフトさせることができる。
【0035】ここで、共振素子6の固有周波数fは、実
効誘電率ε、実効透磁率μ、共振素子6の長さL、およ
び共振素子6の容量Cを用いると、(1)式で表され
る。
【0036】
【数1】 (1)式より、実効透磁率μが変化すると、それに応じ
て共振周波数fが変化することがわかる。共振周波数f
が変化すると、フィルタの通過周波数帯域も変化する。
【0037】このように、図1のフィルタに矢印Y1の
向きに直流磁界を印加すると、フィルタの通過特性は周
波数軸上をシフトするが、共振素子6相互間の結合と、
共振素子6と入出力部5との電磁結合も同時に変化する
ため、フィルタのスカート特性やリップル等のフィルタ
特性が設計通りにならなくなる。
【0038】そこで、本実施形態では、図1の誘電体薄
膜8の近傍に配置した電極9間に電圧を印加することに
より、共振素子6間のギャップ、あるいは共振素子6と
入出力部5間のギャップとの実効誘電率εを可変制御し
て、スカート特性やリップルを調整するようにしてい
る。
【0039】また、本実施形態は、誘電損失が大きい電
界依存誘電率をもつ誘電体を、共振素子6間のギャップ
や共振素子6と入出力部5間のギャップに対向配置され
る部分にのみ使用するため、共振素子6の無負荷Q値、
フィルタの挿入損失、およびスカート特性を犠牲にする
ことが少ない。
【0040】(第2の実施形態)第2の実施形態は、共
振素子6の共振周波数と、共振素子6間の結合と、共振
素子6および入出力部5間の結合とを、個別独立に調整
できるようにしたことを特徴とする。
【0041】図4は本発明に係るプレーナ形フィルタの
第2の実施形態を示す図であり、図4(a)はフィルタ
部材1の斜視図、図4(b)はチューニング部材2の斜
視図である。また、図5はチューニング部材2の平面図
である。
【0042】図4のプレーナ形フィルタは、チューニン
グ部材2の構造が第1の実施形態(図1)と異なる点に
特徴があり、フィルタ部材1の構造は図1と同様であ
る。
【0043】図4(a)のフィルタ部材1は、図1と同
様に、基板4の両面に超電導体を形成して一方の面をグ
ランド導体とし、他方の面の超電導体を加工して、一対
の入出力部5と複数の共振素子6とを互いに分離して形
成したものである。
【0044】図4(b)のチューニング部材2は、入出
力部5および共振素子6間のギャップに対向配置される
磁性体(第1の磁性体)21と、共振素子6に対向配置
される磁性体(第2の磁性体)22と、共振素子6間に
対向配置される磁性体(第3の磁性体)23と、磁性体
21の両側に配置される磁性体(第4および第7の磁性
体)31,41と、磁性体22の両側に配置される磁性
体(第5および第8の磁性体)32,42と、磁性体2
3の両側に配置される磁性体(第6および第9の磁性
体)33,43と、磁性体31,32,33の各一端に
接続されるコイル(磁界発生手段)51,52,53と
を有する。
【0045】図4のプレーナ形フィルタは、図3と同様
に、銅(Cu)製の容器11内に収納されてデュワ12内に
設置される。
【0046】フィルタ部材1とチューニング部材2は、
片方の部材を裏返して対向配置される。図6は、フィル
タ部材1を裏返してチューニング部材2と対向配置させ
た様子を示している。図示のように、共振素子6と磁性
体22が対向配置され、共振素子6間のギャップに磁性
体23が対向配置され、かつ、共振素子6および入出力
部5間のギャップに磁性体21が対向配置される。
【0047】なお、図4(b)では、磁性体21〜23
と磁性体31〜33,41〜43とをそれぞれ別個のハ
ッチングで図示しているが、両者は異なる部材で形成し
ても、同一の部材で形成してもよい。
【0048】磁性体41〜43は、磁性体21〜23に
印加した磁界がフィルタ部材1上の超電導体5,6から
離れた場所で空間中に拡散させるためのものであり、磁
性体31〜33と磁性体41〜43は、磁性体21〜2
3を挟んで対称に配置されている必要はない。
【0049】また、図7に示すように、チューニング部
材2の裏面側にも磁性体を配置して磁気閉回路を形成
し、コイルで発生された磁界が外部に漏れ出さないよう
な構造にしてもよい。このような構造にすれば、漏れ磁
束が少なくなり、磁場による超電導特性の劣化を防ぐこ
とができ、また、コイル51〜53に供給する電力を低
減できる。
【0050】上述した(1)式に示すように、フィルタ
の通過周波数の主要な決定要素は、共振素子6の長さ
と、共振素子6近傍の実効誘電率εと、実効透磁率μと
である。また、スカート特性とリップルの主要な決定要
素は、共振素子6のQ値と、共振素子6間の結合量と、
共振素子6および入出力部5間の結合量とである。
【0051】図8は本実施形態のフィルタの周波数通過
特性を示す図である。図4(b)のコイル51,52,
53で磁界を発生させない場合、実線aに示すように、
中心周波数はf1で、リップルがなく、スカート特性が
良好な状態になる。
【0052】この状態で、図4(b)のコイル52で磁
界を発生させると、共振素子6の近傍の透磁率が変化
し、フィルタの通過周波数帯域をf2にシフトすることが
できる。しかしながら、共振素子6間の結合や共振素子
6と入出力部5との結合は、図4(b)のコイル52で
磁界を発生させる前の通過周波数帯域に合わせて設定さ
れた値であるため、単にコイル52で磁界を発生させた
だけだと、図8の点線bに示すように、リップルが発生
したり、スカート特性が悪くなる。
【0053】そこで、第2の実施形態では、図4(b)
のコイル51,53に磁界を発生させ、磁性体21,2
3の透磁率を所望の値に変化させる。この結果、共振素
子6間の結合や共振素子6と入出力部5間の結合が所望
の値になり、図8の実線cに示すように、良好な周波数
特性を得ることができる。
【0054】また、磁性体21〜23による損失は十分
小さいため、超電導体の特長を生かした低損失、シャー
プカットなフィルタ特性は一貫して維持されている。
【0055】(その他の実施形態)上述した第1および
第2の実施形態では、2段のバンドパスフィルタを例に
説明したが、本発明は他の段数のフィルタについても適
用可能である。また、フィルタ形式も、バンドパスフィ
ルタに限らず、帯域阻止フィルタ、ローパスフィルタ、
ハイパスフィルタなど他の形式にも適用可能である。さ
らに、結合の仕方を特徴づけるフィルタ形状も、エンド
カップルタイプに限る必要はなく、サイドカップルなど
他のタイプにも適用可能である。構造もマイクロストリ
ッブライン構造に限る必要はなく、共振素子6長とギャ
ップで特性を決定する構造ならどのような構造でもよ
く、例えばコプレーナ構造などにも適用可能である。
【0056】
【実施例】(第1の実施例)以下に説明する第1の実施
例は、第1の実施形態で説明した図1のフィルタの具体
例であり、4.8GHz帯のマイクロストリップライン構造の
帯域通過フィルタについて説明する。
【0057】本実施例では、フィルタ部材1の基板4と
して、厚さ0.5mmのLaAl03を用いた。この基板4の両面
に、Y系超伝導薄膜をスパッタリング法で500nm成膜
し、一方の面の超伝導薄膜をグランド面3とし、他方の
面の超伝導薄膜をイオンミリング法を用いて加工し、入
出力部5と所望の共振周波数の複数の共振素子6を形成
して、マイクロストリッブライン構造のフィルタ部材1
を作製した。
【0058】各共振素子6は、幅を170μm、長さを8m
m、共振周波数を4.8GHzとした。また、共振素子6間に1
00μmのギャップを設け、共振素子6と入出力部5間に7
0μmのギャップを設けた。
【0059】一方、チューニング部材2として、まず、
厚さが0.5mmで飽和磁化が750ガウスのY3Fe5012(YIG)磁
性体板7上に、7nm厚さの酸化物導伝膜SrRu03(以下、SR
O膜)をスパッタリング法で成膜した。
【0060】次に、SRO膜をイオンミリング法を用いて
加工し、フィルタ部材1の共振素子6間のギャップ部
と、共振素子6および入出力部5間のギャップ部とに対
向する部分に、線幅10μmで、間隔40μmの電極対9を形
成した。
【0061】次に、メタルマスタを用い、上記ギャップ
部に対向する部分に、誘電率が印加電界に依存するSrTi
03誘電体薄膜8(以下、STO膜)をスパッタリング法で500
nm積層した。電極9の形状は図1のような2本の線状の
もの以外でもよく、図9に示すようなインターデジタル
形状(櫛形形状)であってもよい。
【0062】フィルタ特性の評価は以下のようにして行
った。上記の工程で作製したフィルタ部材1とチューニ
ング部材2を、容器11内で0.3mmの間隔で対向させて
組み立てた後、図3に示すように、容器11の外壁にコ
イル15を巻き付けた。
【0063】次に、この容器11をデュワ12に設置し
て、40Kまで冷却可能な冷凍機13に接続し、60Kまで冷
却して、マイクロ波電力の通過特性と反射特性をベクト
ルネットワークアナライザにより測定した。
【0064】電圧印加用電極9に80Vを印加して磁界印
加用コイル15に電流を流していない状態、すなわち、
ゼロ磁界の状態でのフィルタ通過特性は図10の曲線d
に示すように、通過帯域内ではフラットで、挿入損失は
1dB以下であり、その両端の立ち上がり、立ち下がり(ス
カート特性)は急峻で、良好なフィルタ特性を示した。
【0065】次に、図3の磁界印加用コイル15に電流
を流し、300エルステッド(Oe)の磁界を印加すると、曲
線eに示すように、通過帯域の中心周波数は△f=38MH
zだけ高周波数側にシフトしたが、通過帯域内での凹凸
(リップル)が増加し、スカート特性も劣化した。
【0066】この状態で、図1の電圧印加用電極9に印
加する電圧を40Vにすると、曲線fに示すように、リッ
プルは減少し、スカート特性も改善されて、良好なフィ
ルタ特性を示した。
【0067】本実施例では、説明の簡略化のため、曲線
dに示す初期状態として、印加電圧が80Vでゼロ磁界と
したが、印加電圧がOVでゼロ磁界とすると、通過帯域
中心周波数fは曲線dと同様であったが、曲線eに示す
ようなリップルの大きい特性が得られた。
【0068】フィルタ部材1とチューニング部材2を密
着して配置すると、300エルステッド(Oe)の磁界を印加
した場合の周波数シフトは上記の約4倍である149MHzに
なり、挿入損失は増加したものの、2dBであった。ま
た、周波数チューニングに伴うフィルタ特性の変化は、
上記と同様に、電圧印加用電極9による誘電体に対する
電圧調整により可能であった。
【0069】このように、本実施例のフィルタは、電圧
印加用電極9によりスカート特性やリップルを任意に調
整できるため、スカート特性やリップル等のフィルタ特
性を劣化させることなく、通過周波数帯域を広範囲にわ
たって可変制御することができる。
【0070】また、本実施例は、無負荷Q値を低下させ
る要因となる誘電体薄膜を、共振素子6間のギャップ等
の限られた部分にしか使用していないため、超電導体の
特徴である損失の低減を犠牲にすることがない。
【0071】なお、上述した第1の実施例は、図1に示
すように、それぞれ平板状のフィルタ部材1とチューニ
ング部材2とを、互いに平行になるように配置する例を
説明したが、フィルタ部材1とチューニング部材2とを
平行に配置しない場合についても実験を行った。その結
果、平行に配置した場合に比べて、フィルタの挿入損失
が増えて、急峻なスカート特性は得られなかった。
【0072】また、上述した第1の実施例の構造の場
合、フィルタ部材1の上方(あるいは、下方)に配置さ
れるチューニング部材2中の磁性体が、フィルタ部材1
の超伝導部分の全面を覆うことが必要であり、一部だけ
を覆う構造ではフィルタの挿入損失が増えて急峻なスカ
ート特性が得られなかった。
【0073】(第2の実施例)以下に説明する第2の実
施例は、第1の実施例と同様に、第1の実施形態の具体
例であり、通過周波数帯域が約2GHzの例を示してい
る。
【0074】図11はプレーナ形フィルタの第2の実施
例の構造を示す図である。図11(a)はフィルタ部材
1の平面図、図11(b)はチューニング部材2の平面
図、図11(c)は図11のプレーナ形フィルタの断面
図である。
【0075】図11のプレーナ形フィルタは、フィルタ
部材1上の共振素子6の形状が異なる他は、図1のプレ
ーナ形フィルタと同様の構造を有し、製造方法も同様で
ある。
【0076】(1)式に示すように、共振周波数が低い
ほど、共振素子6の長さLは長くなる。このため、図1
1のフィルタ部材1は、共振素子6を折り曲げて配置す
ることにより、共振素子6の長さをかせいでいる。
【0077】本実施例では、フィルタ部材1上の共振素
子6の幅を170μm、長さを20.2mm、共振素子6間の間隔
を1.2mm、共振素子6と入出力部5との間隔を340μmと
した。
【0078】また、チューニング部材2の電極9を、図
12に示すようにインターディジタル形状とし、電極9
の線幅を10μm、線間隔を40μm、共振素子6間の電極9
の本数を24本、共振素子6と入出力部5間の電極9の本
数を6本とした。また、フィルタ部材1とチューニング
部材2の間隔を0.3mmとした。
【0079】2GHz帯のバンドパスフィルタの場合、磁
性体の飽和磁化を4.8GHzのフィルタの場合と同様に750
ガウスとすると、挿入損失が20dB以上あり、フィルタと
しての使用に耐えうるものはできなかった。2GHz帯の
バンドパスフィルタの場合、磁性体の飽和磁化を300ガ
ウス以下にすることにより、挿入損失が実用レベルの1
dB以下となった。
【0080】電極9に印加する電圧と、印加磁界を変化
させた場合のフィルタ特性の変化は、第1の実施例と同
様であるが、印加磁界300(Oe)の時の中心周波数の変化
は38MHzであった。
【0081】フィルタの通過周波数f(MHz)および磁性体
の飽和磁化4πMs(ガウス)と、挿入損失およびフィルタ
特性の関係を調べたところ、通過周波数fのフィルタに
用いる磁性体の飽和磁化4πMsが、4πMs<f/6.3の条件か
らはずれると本発明のプレーナ形バンドパスフィルタの
挿入損失は急速に増加し、スカート特性も緩やかになっ
た。
【0082】(第3の実施例)以下に説明する第3の実
施例は、第2の実施形態で説明した図4のフィルタの具
体例である。
【0083】第3の実施例では、図4に示すプレーナ形
フィルタを以下の方法で作製した。縦40mm、横20mm、厚
さ0.5mmのLaAlO3の単結晶基板4の両面に、厚さ500nmの
YBC0超電導膜を、スパッタリング法、レーザ蒸着法、CV
D法などにより成膜し、片面をリソグラフィー法により
加工して入出力部5と共振素子6を形成し、裏面13をグ
ランド面3としてマイクロストリップ構造の2段のバン
ドパスフィルタを作製した。
【0084】共振素子6の幅は170μm、長さは8mmと
し、共振素子6同士の間隔は100μm、共振素子6と入出
力部5の間隔は50μmとした。
【0085】また、図4(b)に示すチューニング部材
2を以下の方法で作製した。縦35mm、横30mm、厚さ1mm
の非磁性のセラミックス基板4の上面全面に、Y3Fe5012
(YIG)からなる組成の磁性体を塗布法により厚さが1OOμ
mになるように形成した。
【0086】次に、レーザビーム加工機を用いてYIG厚
膜を図4(b)の形状にするために、図5に示される寸
法で加工した。本実施例では、磁性体21〜23,31
〜33,41〜43をいずれも同じ材料で連続して形成
したが、それぞれ異なる材料で形成してもよい。
【0087】次に、図4(b)に示すような磁界発生用
のコイル51〜53を、図示していない固定治具を用い
て磁性体31〜33の近傍に設置した。コイル51,5
3は、内径を2mm、外径を4mm、長さを5mmとし、コイ
ル52は、内径を3mm、外径を10mm、長さを10mmとし
た。
【0088】これらのコイル51〜53にはそれぞれ、
直径0.1mmの導線を1cmあたり800回巻いており、100mAの
電流通電により、約100[0e]の磁界が発生するようにし
た。
【0089】一般に、YIG磁性体に磁界を印加すると、Y
IGの透磁率は図13のように変化する。すなわち、ゼロ
磁場の場合の透磁率が、磁界印加とともに単調に減少す
る。
【0090】次に、図4(a)に示すフィルタ部材1と
図4(b)に示すチューニング部材2とを、共振素子6
の形成された面と磁性体21〜23等が形成された面と
が対向するように重ね合わせる。
【0091】より詳細には、共振素子6と入出力部5間
のギャップに磁性体21を対向配置させ、共振素子6に
磁性体22を対向配置させ、共振素子6間のギャップに
磁性体23を対向配置させている。このようにして、本
実施例のプレーナ形フィルタを作成した。
【0092】図8は本実施例のフィルタを40Kに冷却し
た時の通過特性を示す図である。磁界を全く印加しない
場合には、通過周波数帯域の中心周波数f1は4.8GHzで、
帯域幅は15MHzであった。
【0093】この場合、通過周波数帯域はフラットでリ
ップルはほとんどなく、また挿入損失は1dB以下であっ
た。また、通過周波数帯域の両側の立ち上がり、立ち下
がり部分の特性(スカート特性)は急峻であり、きわめて
良好なバンドパスフィルタの特性を示した。
【0094】次に、コイル52にlOOmAの電流を通電
し、lOO[0e]の磁界を発生して、磁性体22に磁界を印
加した。その結果、図8の破線bに示すように、通過周
波数の中心周波数f2は高周波側に20MHzシフトしたが、
通過帯域内に2dBのリップル(へこみ部分)が発生し、ス
カート特性も悪化した。
【0095】さらに、この状態において、コイル51に
30mA、コイル53に40mAの電流を通電して磁性体21,
23に磁界を印加した。その結果が図8の実線cであ
る。通過周波数帯域の中心周波数f2はそのままで、リッ
プルが解消され、スカート特性も改善され、良好なバン
ドパスフィルタの特性が得られた。
【0096】なお、本実施例では、磁界がすべてゼロの
場合において、フィルタ特性が良好な初期状態として説
明したが、いくつかのコイルに磁界を発生させた状態で
フィルタ特性が良好な初期状態とするような設計にする
ことも可能である。
【0097】一般にYIGの透磁率は、図13に示すよう
に磁界に対して単調に減少する。従って、透磁率が大き
くなる方向へも小さくなる方向へも調整可能なように、
中間的な磁界を印加した状態(例えば図13中のH2のよ
うな磁界値)が初期状態になるように、予め設計してお
くことも有益である。
【0098】通過周波数特性の調整のために各コイル5
1〜53で発生させる磁界の大きさは、例えば通過特性
をネットワークアナライザでリアルタイムでモニタしな
がら試行錯誤で制御する方法が考えられる。
【0099】しかしながら、想定されるフィルタ特性に
ついて、あらかじめ各コイル51〜53の通電電流値を
いくらにすればよいかを試験しておき、較正表の類を準
備しておけば、次回からはその較正表を元に、素早くフ
ィルタ特性を調整することが可能になる。
【0100】また、コイル51〜53の材料として、常
伝導金属を用いると、通電時に電力消費が発生してしま
うので、超電導線でコイルを作製することで、電力消費
を抑制する方法も有効である。本実施例では、YIGの厚
さを1OOμmとしたが、実際は数10nmから数mmの厚さが考
えられる。
【0101】また、損失を少なくするために、透磁率の
変化量の必要量に合わせて、できるだけ磁性体21〜2
3,31〜33,41〜43を薄くした方がよい。膜の
作製法も塗布法に限られるわけではなく、厚さが数μm
以下と薄い場合は、スパッタ法、レーザ蒸着、CVD法で
成膜してもよい。
【0102】また、磁性体21〜23,31〜33,4
1〜43をlOOμm以上の厚さにする場合には、バルク材
を基板4に張り付けてもよい。また、磁性体自身が十分
な剛性を持っている場合は、あえて基板4に形成する必
要はなく単独で作製してもよい。
【0103】本実施例では、磁性体21〜23,31〜
33,41〜43は同一の材料を用いて連続して作製し
たために同じ厚さであるが、これらの厚さを変えてもよ
い。特に、磁性体31〜33のコイル51〜53近傍の
部分の幅を、コイル51〜53の内径に納まるようなサ
イズにして、その分厚さを厚くし、結果として断面積を
変化させないようにすることは、レイアウトのし易さや
コイルの小型化のために有効である。
【0104】また、上述した第1〜第3の実施例では、
磁性体としてYIGを例にとって説明したが、磁性体材料
はYIGに限定されない。また、磁性体はバルク板を用い
て説明したが、適当な基板4上に種々の成膜法で得られ
る薄膜であってもよく、フィルタ部材1上に形成される
薄膜であってもよい。
【0105】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、フィルタ部材とチューニング部材とを対向配置さ
せて、チューニング部材により、フィルタ部材中の共振
素子間のギャップ周辺と、入出力部および共振素子間の
ギャップ周辺との少なくとも一方の実効誘電率を調整可
能にしたため、フィルタの通過周波数帯域の変更時に、
スカート特性を改善させることができ、かつ、リップル
もなくすことができる。
【0106】また、第1〜第3の磁性体を有するチュー
ニング部材をフィルタ部材に対向配置させて、第1〜第
3の磁性体の透磁率を調整することにより、共振素子間
の結合や、共振素子と入出力部の結合を可変制御でき、
スカート特性やリップル等のフィルタ特性を改善させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプレーナ形フィルタの第1の実施
形態の構造を示す図。
【図2】図1のA-A方向断面図。
【図3】図1のフィルタの使用状態を示す図。
【図4】本発明に係るプレーナ形フィルタの第2の実施
形態を示す図であり、(a)はフィルタ部材1の斜視
図、(b)はチューニング部材2の斜視図。
【図5】チューニング部材の平面図。
【図6】フィルタ部材を裏返してチューニング部材と対
向配置させた様子を示す図。
【図7】チューニング部材の裏面側にも磁性体を配置し
て磁気閉回路を形成した例を示す図。
【図8】本実施形態のフィルタの周波数通過特性を示す
図。
【図9】電極の形状をインターデジタル形状にした例を
示す図。
【図10】フィルタの通過特性を示す図。
【図11】プレーナ形フィルタの第2の実施例の構造を
示す図であり、(a)はフィルタ部材1の平面図、
(b)はチューニング部材2の平面図、(c)は図のプ
レーナ形フィルタの断面図。
【図12】電極の形状をインターデジタル形状にした例
を示す図。
【図13】YIGの透磁率を示す図。
【符号の説明】
1 フィルタ部材 2 チューニング部材 3 グランド面 4 基板 5 入出力部 6 共振素子 7 磁性体板 8 誘電体薄膜 9 電極 11 容器 12 デュワ 13 冷凍機 21〜23,31〜33,41〜43 磁性体 51〜53 コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芳 野 久 士 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平1−189206(JP,A) 特開 平11−68405(JP,A) 特開 平10−51204(JP,A) 特開 平5−267732(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 1/203 H01P 7/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超電導体薄膜からなる複数の共振素子とそ
    の両側に配置される入出力部とを、それぞれ間隔を隔て
    て誘電体基板上に形成したフィルタ部材と、 前記フィルタ部材に所定の間隔を隔てて対向配置される
    磁性体材料からなるチューニング部材と、を備え、 前記チューニング部材に直流磁界を印加して前記共振素
    子周辺の実効透磁率を調整可能としたプレーナ形フィル
    タであって、 前記チューニング部材は、前記共振素子間のギャップ周
    辺と、前記入出力部および前記共振素子間のギャップ周
    辺との少なくとも一方の実効誘電率を調整可能な誘電率
    調整部を有することを特徴とするプレーナ形フィルタ。
  2. 【請求項2】前記誘電率調整部は、 前記共振素子間のギャップと、前記入出力部および前記
    共振素子間のギャップとの少なくとも一方に対向配置さ
    れる誘電体材料からなる誘電体部と、 前記誘電体部に電界を発生させる電界発生部と、を有す
    ることを特徴とする請求項1に記載のプレーナ形フィル
    タ。
  3. 【請求項3】超電導体薄膜からなる複数の共振素子とそ
    の両側に配置される入出力部とを、それぞれ間隔を隔て
    て誘電体基板上に形成したフィルタ部材と、 前記フィルタ部材に所定の間隔を隔てて対向配置される
    チューニング部材と、を備え、 前記チューニング部材は、 前記入出力部および前記共振素子間のギャップに対向配
    置される第1の磁性体と、 前記共振素子のそれぞれに対向配置される第2の磁性体
    と、 前記共振素子間のギャップに対向配置される第3の磁性
    体と、 前記第1〜第3の磁性体の透磁率を調整する磁界発生手
    段と、を有することを特徴とするプレーナ形フィルタ。
  4. 【請求項4】前記磁界発生手段は、前記第1〜第3の磁
    性体のそれぞれに磁界を印加する第1〜第3のコイルを
    有し、これらコイルにて発生される磁界を個別に制御可
    能としたことを特徴とする請求項3に記載のプレーナ形
    フィルタ。
  5. 【請求項5】前記チューニング部材は、 前記第1〜第3のコイルのそれぞれと、対応する前記第
    1〜第3の磁性体のいずれかとに接続される第4〜第6
    の磁性体と、 前記第1〜第3の磁性体を挟んで前記第4〜第6の磁性
    体とは反対側に設けられ、対応する前記第1〜第3の磁
    性体のいずれかに接続される第7〜第9の磁性体と、を
    有することを特徴とする請求項4に記載のプレーナ形フ
    ィルタ。
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