JP3497424B2 - 断熱形材 - Google Patents

断熱形材

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JP3497424B2 JP27534699A JP27534699A JP3497424B2 JP 3497424 B2 JP3497424 B2 JP 3497424B2 JP 27534699 A JP27534699 A JP 27534699A JP 27534699 A JP27534699 A JP 27534699A JP 3497424 B2 JP3497424 B2 JP 3497424B2
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博光 石川
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばサッシの枠
や框、或いはドア枠や柱等に使用され、金属製の室内片
と室外片を樹脂片を介して接続する断熱構造を有する断
熱形材に関する。
【0002】
【従来の技術】図6(A)に示すように、例えばサッシの
上框となる断熱形材70は、アルミニウム合金を押出成
形することにより、左右対称の断面を有する室内片72
と室外片78とを、両側に薄肉部75を有する上下一対
の連結片76を介して連結すると共に、これらの間に中
空部71内を内蔵している。また、室内・室外片72,
78は、上下一対のリブ74,77により中空部71内
に底広凹溝73,79を形成している。係る中空部71
内に一端の開口部から硬質ウレタン樹脂等を注入して固
化させると、図6(B)に示すように、中空部71に倣っ
た断面形状の樹脂片80が充填され、且つ底広凹溝7
3,79内にその側部82,82が係止する。
【0003】図6(C)に示すように、両側の薄肉部75
を剪断し、上下の各連結片76を切除すると、樹脂片8
0の上下にその表面84が露出する。係る表面84を有
する樹脂片80を介在させることにより、室内片72と
室外片78との間の熱伝達を低下させる断熱形材70を
得ることができる。しかし、上記断熱形材70を構成す
るアルミニウム合金の室内・室外片72,78と樹脂片
80とは、両者間の物質特性の相違に起因し、経時的に
樹脂片80がその長手方向に沿って熱収縮することがあ
る。これにより、室内・室外片72,78と樹脂片80と
が剥離して、両者間における接合強度の低下を招くとい
う問題がある。
【0004】また、図6(D)に示すように、断熱形材7
0からなる上框と同様の構造を有する断熱形材86の縦
框とを端部で直角に接合すると、上述した熱収縮により
両者内の樹脂片80,88の間には、隙間89が形成さ
れる。この結果、室内・室外間の断熱性能を局部的に低
下させてしまう、という問題もあった。尚、断熱形材に
は、予め所要の断面形状に成形した長尺な樹脂片の両側
縁を、アルミニウム合金の形材からなる室外・室内片に
てカシメめることにより、断熱構造を形成する形態もあ
る。係る形態の断熱形材においても、その樹脂片が長手
方向に沿って熱収縮することにより、前記と同様に接合
強度を低下させたり、他の断熱形材との連結部付近に隙
間を形成してしまう、という問題があった。
【0005】
【発明が解決すべき課題】本発明は、以上にて説明した
従来の技術における問題点を解決し、断熱構造を形成す
る樹脂片を熱収縮しにくくし、この樹脂片と金属部分と
の剥離や他の断熱形材との隙間の発生を予防可能にした
断熱形材を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するため、室内・室外側の金属部分間に配置する樹
脂片に対し、その長手方向の略全長に沿って熱収縮によ
る移動を阻止することに着想して成されたものである。
即ち、本発明の断熱形材( 請求項1 )は、金属製の室内片
と室外片との間に樹脂片を配置して断熱構造を形成する
断熱形材において、上記樹脂片の長手方向の略全長に渉
り、係る樹脂片と噛み合い且つ当該樹脂片の長手方向に
沿って略連続する波形形状、又は、略連続する凹凸形状
の異形形状部を、上記室内片及び室外片、これらと別体
で且つ係る室内片及び室外片に配置される長尺片、又は
上記樹脂片に埋設される長尺片の何れかに設けた、こと
を特徴とする。これによれば、上記樹脂片は、その長手
方向に沿って各部分毎に異形形状部と噛み合うので、長
手方向に沿う断面が全て同じの従来の樹脂片に比べ、長
手方向に沿う熱収縮を著しく抑制することができる。し
かも、上記異形形状部は、前記樹脂片の長手方向に沿っ
て略連続する波形形状、又は、略連続する凹凸形状であ
るため、樹脂片の長手方向の略全長に渉る各部分毎にお
いて、確実にその熱収縮を抑制し室外・室内片との接合
も強固に保つことが可能となる。従って、金属製の室外
・室内片との剥離による接合強度の低下や、隣接して接
続する別の断熱形材との間において隙間の発生を予防で
き、安定した断熱性能を有するサッシ等の建具を形成す
ることが可能となる。
【0007】尚、室外・室内片は、主にアルミニウム合
金の押出形材を用いるが、これ以外の金属素材であって
も、本発明の趣旨に沿う材質であれば他の金属やこれを
ベースとする合金を適用することも可能である。また、
上記樹脂片は、室内片と室外片との間に設けた中空部又
は半中空部内に、液体状態で注入して固化する形態や、
予め所要の断面形状に成形され、その両側縁を室外片及
び室内片にカシメ等で固着する形態のものも含まれる。
更に、係る樹脂片の素材は、例えば硬質ウレタンのよう
に熱収縮する特性を有するものであれば特に限定される
ものではない。
【0008】 また、前記異形形状部が、前記樹脂片の
長手方向に沿って略連続する波形形状、又は、略連続す
る凹凸形状である、断熱形材も含まれる。これによれ
ば、樹脂片の長手方向の略全長に渉る各部分毎におい
て、確実にその熱収縮を抑制し室外・室内片との接合も
強固に保つことが可能となる。更に、前記異形形状部
が、前記樹脂片の長手方向に沿って、前記室内片及び/
又は室外片から一体に突設したフランジ又はリブに形成
されている、断熱形材( 請求項2 )も含まれる。
【0009】これによれば、室内・室外片の少なくとも
一方から突設されたフランジ等に異形形状部が形成さ
れ、且つこれと樹脂片が略全長に渉り噛み合うので、少
ない構成部材により、樹脂片の長手方向に沿う熱収縮を
一層確実に抑制することが可能となる。尚、この形態で
は、樹脂片は、室内片と室外片との間に設けた中空部又
は半中空部内に、注入・固化されると同時に、室内・室
外片の異形形状部の各部分と噛み合い状態とされた後、
中空部等を形成する連結片を切除して、当該樹脂片にお
ける表面の一部が外部に露出される。また、室外・室内
片に設ける異形形状部は、室内・室外片を連結片と共に
一体に押出成形する際に、例えば室内・室外片の中空部
側に突出するフランジ等を通過するメタルの流れが不均
一になるようにして、前記連続する波形形状の異形形状
部とすることができる。
【0010】 また、本発明には、前記異形形状部が、
前記室内片及び室外片と別体で且つ係る室内片及び室外
片の底広凹溝に垂直部が挿入される長尺片に形成され、
係る長尺片を前記樹脂片の長手方向に沿って、上記室内
片及び/又は室外片に保持した、断熱形材( 請求項3 )
含まれる。これによれば、樹脂片の素材よりも剛性の高
い長尺片に対し、予めその長手方向に沿って連続する波
形/凹凸形状を容易に形成でき、係る長尺片を室内・室
外片の中空部側又は半中空部側の底広凹溝に保持した状
態で、樹脂素材を注入・固化することにより、樹脂片の
長手全長に渉り長尺片と噛み合う異形形状部を確実に形
成できる。
【0011】 更に、本発明には、前記異形形状部が、
前記室内片及び室外片と別体で棒状の長尺片に形成さ
れ、係る長尺片を前記樹脂片中においてその長手方向の
略全長に渉って埋設した、断熱形材( 請求項4 )も含まれ
る。これによれば、予め所要の断面形状の樹脂片に成形
する前に、その成形型内に長手方向に沿って連続する波
形/凹凸形状を設けた棒状の長尺片を挿入しておき、樹
脂素材を注入・固化することにより、室内・室外片に特
別な加工を施すことなく、樹脂片の長手全長に渉り長尺
片と噛み合う異形形状部を確実に形成できる。係る樹脂
片を室内・室外片にその両側縁をカシメ等にて固定する
ことにより、熱収縮が抑制された樹脂片を有する断熱形
材を得ることができる。或いは、室内・室外片の間の中
空部や半中空部内に上記長尺片を長手方向に沿って配置
し、係る中空部等内に樹脂素材を注入し固化することで
も、熱収縮が抑制された樹脂片を有する断熱形材を得る
ことができる。尚、上記長尺片の素材には、樹脂片より
も剛性が高く、且つ金属製の室内・室外片と熱膨張係数
が同等かこれよりも小さい金属やセラミック等を適用す
ることが可能である。これにより、樹脂片全体の熱膨張
率を室内・室外片と同程度に制御できるので、両者間の
接着面において剪断力が生じないか生じにくくすること
ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下において本発明の実施に好適
な形態を図面と共に説明する。図1(A)は、サッシの框
を構成するアルミ合金からなる断熱形材1の端面を示
す。図示のように、形材1は、室内片2、室外片12、
及び両者を連結する上下一対の連結片6とを一体に有
し、且つこれらの間に中空部10を形成している。各連
結片6は、内外両側の薄肉部7,7を介して室内・室外
片2,12に接続される。また、各薄肉部7に隣接する
室内・室外片2,12の水平部3a,15には、中空部1
0内に延びるリブ5,16が突設され、室内片2及び室
外片12の中空部10を形成する縦壁3,13の中間に
は、左右から水平に延びるフランジ4,14が対向して
突設されている。係るフランジ4,14には、図1(B)
に例示するように、本発明における異形形状部である波
形形状8,18がフランジ4,14の長手方向の全長に沿
って連続して形成されている。
【0013】係る波形形状8,18をフランジ4,14に
付与するには、例えば図1(b)に示すように、形材1を
押出成形する際に用いるダイスのベアリング部20にお
いて、外殻部22と隙間を置いてその内部に位置するポ
ート部24のうち、フランジ成形用溝26の先端部27
の長さを基端部28の長さよりも短くする。即ち、図1
(b)において、前後(奥行き)方向に沿うメタルフローの
距離(上記長さ)を上記溝26の先端部27で短く基端部
28で長く設定する。これにより、所要温度に加熱され
て軟質化したアルミ合金のメタルは、フランジ成形用溝
26の先端部27寄りに多くの量が流れ、基端部28寄
りには少ししか流れない。係るメタルフローの不均一化
によって、上記溝26を通過したメタルが形成するフラ
ンジ4,14において、先端部27寄りに沿って過剰な
メタルが波打ちしつつ冷却することにより、フランジ
4,14には先端寄り程大きく波打つ波形形状8,18
を形成することが可能となる。
【0014】次いで、図1(C)に示すように、形材1の
中空部10内に、その一端から例えば硬質ウレタン液を
注入し且つ固化させることにより、中空部10の断面に
倣った断面形状を有する樹脂片30を充填する。この
際、樹脂片30はフランジ4,14の長手方向に沿って
波形形状8,18の周囲をも包囲し且つこれらと噛み合
う状態となる。即ち、樹脂片30はその長手方向の全長
に渉って、波形形状8,18を有するフランジ4,14
と個別の部分毎にて噛み合い状態となっている。そし
て、図1(D)に示すように、各薄肉部7を剪断すること
により、上下の連結片6を切除すると、樹脂片30の表
面32,32が露出すると共に、室内・室外片2,12
は樹脂片30のみを介して互いに接続された断熱構造を
有する断熱形材1を得ることができる。尚、図1(A)に
おいて連結片6が下方のみに有り、上方に連結片6がな
く開口部を有する半中空部(10)である場合にも、樹脂
片30の素材を係る開口部から当該半中空部(10)の長
手方向に沿って注入・固化した後、下方の連結片6を切
除しても同様の断熱形材1を得ることができる。
【0015】従って、アルミ合金製の室内・室外片2,
12は、樹脂片30により熱伝達を阻止されるので、室
内外方向の断熱ができ、外気に影響されずに室内の温度
を保ち易くなる。しかも、断熱形材1の樹脂片30は、
前述したように、室内・室外片2,12のフランジ4,1
4の波形形状8,18により、その長手方向の全長に渉り
熱収縮し難くされている。これにより、長期間に渉って
樹脂片30と室内・室外片2,12との剥離を阻止でき
ると共に、サッシの障子を組立てた際、係る形材1から
なる框と隣接する同様の断熱構造を有する框との間で、
樹脂片30同士の間に隙間が生じる事態を確実に阻止で
き、優れた断熱性能を有するサッシ枠や障子等を提供す
ることも可能となる。尚、フランジ4,14の何れか一
方のみに波形形状8,18を付与しても、上述したのと
略同様の作用と効果が得られる。
【0016】図2(A)は、変形形態の断熱形材1′を示
す。図2(A)に示すように、室内片2、室外片12、及
び一対の連結片6に囲まれた中空部10には、各連結片
6の薄肉部7に隣接して室内・室外片2,12にリブ5,
16が一対ずつ垂直に突設されている。図2(B)に示す
ように、リブ5,16には型材1′を押出成形する際、
前記同様にしてリブ5,16の長手方向に沿って連続す
る異形形状部たる波形形状8,18がリブ5,16の長手
全長に渉り予め付与されている。そして、前記同様に中
空部10内に樹脂片30を充填し、且つ連結片6,6を
切除する。
【0017】これにより、図2(C)に示すように、表面
32が上下に露出した樹脂片30を介して室内・室外片
2,12を接続した断熱構造を有する断熱形材1′を得
ることができる。係る断熱形材1′においても、樹脂片
30はリブ5,16の波形形状8,18によりリブ5,1
6と噛み合い状態となり、その長手方向の全長に渉り熱
収縮し難くされているので、樹脂片30と室内・室外片
2,12との剥離を阻止でき、且つ優れた断熱性能を有
するサッシ枠や障子を提供することができる。尚、リブ
5,16の何れか一方のみに波形形状8,18を付与し
ても、上記と略同様の作用と効果を得ることが可能であ
る。
【0018】 図2(D)は別の変形形態の断熱形材1″
を示す。図2()に示すように、室内片2、室外片1
2、及び一対の連結片6に囲まれた中空部10内には、
室内・室外片2,12の縦壁3,13の中間に一対の鈎形
片9a,19aを対向させ、開口部が狭い底広凹溝9,
19を一体に形成している。一方、図2(E)に示すよう
に、例えばアルミ合金の押出形材からなり、垂直部35
とこれに直角の水平なフランジ36とを一体に有する断
面略T字形の長尺片34を別途に用意する。係る長尺片
34にプレス加工又はエンボス加工、或いはペンチ、ポ
ンチ、ハンマ等により、そのフランジ36の長手方向の
全長に沿って異形形状部である波形形状38を略連続的
に形成する。次いで、一対の上記長尺片34の垂直部3
5を形材1″の底広凹溝9,19内に個別に挿入して、
各長尺片34を中空部10の略全長に沿って配置すると
共に、前記同様に中空部10内に樹脂片30を充填し、
且つ連結片6,6を切除する。尚、長尺材34の波形形
状38は、長尺材34自体を押出成形加工する際に、前
述したように押出ダイスのベアリング部の長さを調整す
ることにより、押出と同時に形成することもできる。
【0019】この結果、図2(F)に示すように、表面3
2が上下に露出した樹脂片30を介して室内・室外片
2,12を接続した断熱構造を有する断熱形材1″を得
ることができる。係る断熱形材1″にても、樹脂片30
は長尺片34のフランジ36の波形形状38により各長
尺片34と噛み合い状態となり、その長手方向の全長に
渉り熱収縮し難くされている。従って、樹脂片30と室
内・室外片2,12との剥離を阻止でき、且つ優れた断
熱性能を有するサッシ枠や障子等を提供することができ
る。しかも、室内・室外片2,12と別体の長尺片34
に対し、波形形状38を容易且つ安価に設けることがで
きる。尚、一対の長尺片34の何れか一方のみを用いて
も、上記と略同様の作用と効果を得ることが可能であ
る。また、長尺片34の垂直部35は底広凹溝9,19
内に挿入した際に、カシメ等を施して位置固定しても良
いが、十分な剛性を有する長尺片34の場合には、係る
カシメ等を省略しても殆ど支障はない。
【0020】図3(A)は、図2(A)に示した断熱形材
1′であり、室内片2、室外片12、及び一対の連結片
6に囲まれた中空部10には、各連結片6の薄肉部7に
隣接して室内・室外片2,12にリブ5,16が一対ずつ
垂直に突設されると共に、各リブ5,16の先端同士間
の距離は略同じとなっている。図3(B)は係る一対ずつ
のリブ5,16間の中空部10内に進入させるドリル4
0を示し、長尺で且つ円筒形の胴体42の周面に沿って
螺旋形の雄ネジ刃44が突設されている。雄ネジ刃44
の外周縁は、図3(A)中の一点鎖線で示すように、一対
のずつのリブ5,16の各先端よりもその基端寄りにや
や削り込むサイズに設定されている。
【0021】係るドリル40を形材1′の中空部10内
の長手方向に沿って進入させると、図3(C)に示すよう
に、各リブ5(16)の先端寄りには上記雄ネジ刃44の
進入軌跡に倣った多数の切削凹部48が等間隔に形成さ
れ、且つこれらを含む凹凸形状(異形形状部)46が各リ
ブ5(16)に形成される。次いで、前記と同様に中空部
10内に樹脂片30を充填し、且つ連結片6,6を切除
すると、図3(D)に示すように、室内・室外片2,12
間に表面32が上下に露出した樹脂片30を配設した断
熱構造を有する断熱形材1aを得ることができる。係る
断熱型材1aにおいても、樹脂片30は各リブ5,16
の凹凸形状46と噛み合い状態となり、その長手方向の
全長に渉り熱収縮し難くなるので、室内・室外片2,1
2と樹脂片30との剥離を阻止でき、優れた断熱性能を
有するサッシ枠や障子等を形成することが可能となる。
【0022】図4(A)も前記と同じ断熱形材1′であ
り、室内片2、室外片12、及び一対の連結片6に囲ま
れた中空部10には、各連結片6の薄肉部7に隣接して
室内・室外片2,12にリブ5,16が一対ずつ垂設され
ている。係る中空部10の長手方向の中心付近に沿っ
て、長尺片50が略全長に渉り挿入され保持される。図
4(B)に示すように、長尺片50は、棒状の細径部52
と太径部53とを交互に多数連続して有し、係る細径・
太径部52,53によりその長手方向に沿って連続する
凹凸形状(異形形状部)54を形成している。係る長尺片
50は、例えばアルミ棒や棒鋼等を鍛造し、又はアルミ
ニウム合金や鋼材料等を鋳造し、或いは樹脂片30より
も剛性の高い樹脂材料を射出成形する等、剛性が高く熱
膨張係数が形材1′と同等かこれより小さい素材を選択
することにより製造される。
【0023】そして、前記と同様に中空部10内に樹脂
片30を充填し、且つ連結片6,6を切除すると、図4
(C)に示すように、室内・室外片2,12間に表面32
が上下に露出した樹脂片30を配設した断熱構造を有す
る断熱形材1bが得られる。上記樹脂片30は中空部1
0内に注入された際、長尺片50周面の凹凸形状54に
噛み合い状態となって固化し、且つ長尺片50を長手方
向に沿って埋設する。しかも、樹脂片30は、その内部
に埋設した長尺片50の凹凸形状54により、当該樹脂
片30自体の長手方向に沿う熱収縮を各部分毎に阻止さ
れる。従って、係る長尺片50を埋設した樹脂片30を
有する断熱形材1bにおいても、樹脂片30と室内・室
外片2,12との剥離を防ぎ、優れた断熱性能を有する
サッシ枠や障子等を形成することが可能となる。
【0024】図4(D)は、異なる形態の押出形材1cを
示し、互いに分離した室内片2と室外片12とを有す
る。室内片2は、その縦壁3上下の水平部3aに先端が
断面三角形状で斜めに延びる一対の爪片5aを有し、室
外片12は、その縦壁13上下の水平部15に上記と同
様の断面を有する爪片16aを有している。一方、図4
(E)は、予め所定の型内にて成形した樹脂片30′の端
面を示し、長方形断面の上下面に断面V字形のV溝33
を一対ずつ有し、且つ略中心に沿って前記長尺片50を
予め埋設している。係る樹脂片30′の左右両側縁に室
内片2と室外片12を配置し、且つ図示しないカシメ治
具により各爪片5a,16aを折り曲げ、それらの尖っ
た先端稜を各V溝33内にそれぞれ進入させる。
【0025】その結果、図4(F)に示すように、室内・
室外片2,12の爪片5a,16aが各V溝33内に食い
込み、樹脂片30を挟み且つ断熱的に室内・室外片2,
12を一体に接続した断熱構造を有する断熱形材1cを
得ることができる。以上のような断熱形材1cにても、
樹脂片30′中において長尺片50周面の凹凸形状54
に噛み合い状態となって予め埋設され、且つ室内・室外
片2,12と一体に接続して室内外方向において断熱さ
れているので、樹脂片30′の熱収縮を抑制して、安定
した断熱性能を得ることができる。従って、断熱型材1
cによっても樹脂片30′と室内・室外片2,12との
剥離を防ぎ、優れた断熱性能を有するサッシ枠や障子等
を形成することが可能となる。
【0026】尚、断熱形材1b,1cの樹脂片30,3
0′に埋設するのは、上記長尺片50に限るものではな
い。例えば、図5(A),(a)に示すように、剛性が高く
且つ熱膨張係数が小さい棒鋼等からなる金属やセラミッ
クの棒56に、その長手方向に沿って略等間隔に扁平部
58とその両側に一対の突出部59とを形成し、棒56
と、複数の扁平部58及び突出部59からなる凹凸形状
(異形形状部)57を周面に設けた長尺片55を用いても
良い。尚、係る長尺片55において隣接する扁平部58
及び突出部59を、例えば互いに90度ずつ異なる向き
にして形成することも可能である。また、図5(B),
(b)に示すように、上記と同様の材質からなる棒63の
長手方向に沿って螺旋状に巻き付いて突設する凸条64
を有し、長手方向に沿う棒63と複数の凸条64とから
なる凹凸形状62を有する長尺片60を用いることも可
能である。更に、図5(C),(c)に示すように、上記と
同様の材質からなり、細径部68と太径部69とを斜め
で且つ円錐形状に交互に連続させ、長手方向に沿って凹
凸形状67を形成した長尺片66を用いることも可能で
ある。勿論、上記細径部68と太径部69とを単純な円
錐形の両端辺とし、且つそれらが長手方向と直交する向
きになっている形態としても支障はない。
【0027】本発明は、以上において説明した各形態に
限定されるものではない。即ち、室外・室内片は、アル
ミニウム合金の押出形材に限らず、例えばチャンネル等
からなる一対の形鋼等を用い、これらの間に樹脂片を介
在させても良い。更に、上記長尺片34のフランジ36
や棒56等の周面に対し、転造又はローレット加工を施
して、表面に連続して形成される微細な凹凸模様も、本
発明における凹凸形状又は波形形状(異形形状部)に含ま
れる。尚、本発明の断熱形材は、前述したサッシの框材
に限らず、サッシの枠材として形成してもよく、これに
より建物の躯体に固定される断熱性を有するサッシを構
成することができる。或いは、ドアの四周を形成する枠
材や、建物の柱や間柱等に適用して、これらに断熱構造
を与えることも可能である。
【0028】
【発明の効果】以上のような本発明の断熱形材(請求項
1)によれば、室内・室外片間配置した樹脂片が、その
長手方向に沿って各部分毎に異形形状部と噛み合うの
で、該樹脂片の長手方向に沿う熱収縮を著しく抑制する
ことができる。しかも、上記異形形状部は、前記樹脂片
の長手方向に沿って略連続する波形形状、又は、略連続
する凹凸形状であるため、樹脂片の長手方向の略全長に
渉る各部分毎において、確実にその熱収縮を抑制し室外
・室内片との接合も強固に保つことが可能となる。従っ
て、室内・室外片と樹脂片との剥離による接合強度の低
下や、隣接して接続する断熱形材との間で隙間の発生を
防止でき、安定した断熱性能を有するサッシ等を提供す
ることが可能となる。また、請求項の断熱形材によれ
ば、少ない構成部材により、樹脂片の長手方向に沿う熱
収縮を確実に抑制することができる。更に、請求項
断熱形材によれば、室内・室外片に特別な加工を施すこ
となく、樹脂片の長手方向に沿う熱収縮を確実に抑制す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の断熱形材に用いる押出形材の端
面図、(B)は(A)中の矢印Bで示す異形形状部の概略
図、(b)は(B)の異形形状部を得るための形材成形用ダ
イスの概略断面図、(C)は(A)の押出形材の中空部内に
樹脂片を充填した状態を示す断面図、(D)は得られた断
熱形材を示す端面図。
【図2】(A)は異なる形態の断熱形材に用いる押出形材
の端面図、(B)は(A)中の矢印B−B視で示す部分の異
形形状部を示す概略図、(C)は得られた断熱形材を示す
部分断面図、(D)は更に異なる形態の断熱形材に用いる
押出形材の端面図、(E)はこれに用いる長尺片の斜視
図、(F)は得られた断熱形材を示す部分断面図。
【図3】(A)は別の形態の断熱形材に用いる押出形材の
端面図、(B)は(A)の形材に適用するドリルの側面図、
(C)は(A)中のC−C線に沿う部分断面図、(D)はこれ
らにより得られた断熱形材を示す部分断面図。
【図4】(A)は別異なる形態の断熱形材に用いる押出形
材とこの中空部内に長尺片を挿入した状態を示す端面
図、(B)は(A)にて用いた長尺片の斜視図、(C)はこれ
らにより得られた断熱形材を示す部分断面図、(D)は更
に別個の形態の断熱形材に用いる押出形材の端面図、
(E)は(D)の形材に用いる長尺片を埋設した樹脂片の端
面図、(F)はこれらにより得られた断熱形材を示す部分
断面図。
【図5】(A)乃至(C)は図5の形材に用いる異なる形態
の長尺片を示す側面図、(a)乃至(c)はこれらの端面
図。
【図6】(A)乃至(C)は従来の断熱形材の製造工程を示
す概略図、(D)は係る形材を用いた障子のコーナー部付
近を示す部分概略図。
【符号の説明】
1,1′,1″,1a,1b,1c…断熱形材 2……………………………………室内片 4,14……………………………フランジ 5,16……………………………リブ 8,18,38………………………波形形状(異形形状部)9,19……………………………底広凹溝 12…………………………………室外片 30,30′………………………樹脂片 34,50,55,60,66………長尺片35…………………………………垂直部 46,54,57,62,67………凹凸形状(異形形状部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−219486(JP,A) 特開 昭55−89583(JP,A) 実開 昭58−101972(JP,U) 実開 昭61−110775(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E06B 1/32 E06B 1/18 E06B 3/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属製の室内片と室外片との間に樹脂片を
    配置して断熱構造を形成する断熱形材において、 上記樹脂片の長手方向の略全長に渉り、係る樹脂片と噛
    み合い且つ当該樹脂片の長手方向に沿って略連続する波
    形形状、又は、略連続する凹凸形状の異形形状部を、上
    記室内片及び室外片、これらと別体で且つ係る室内片及
    び室外片に配置される長尺片、又は上記樹脂片に埋設さ
    れる長尺片の何れかに設けた、 ことを特徴とする断熱形材。
  2. 【請求項2】前記異形形状部が、前記樹脂片の長手方向
    に沿って、前記室内片及び/又は室外片から一体に突設
    したフランジ又はリブに形成されている、 ことを特徴とする請求項1に記載の断熱形材。
  3. 【請求項3】前記異形形状部が、前記室内片及び室外片
    と別体で且つ係る室内片及び室外片の底広凹溝に垂直部
    が挿入される長尺片に形成され、係る長尺片を前記樹脂
    片の長手方向に沿って、上記室内片及び/又は室外片に
    保持した、 ことを特徴とする請求項1に記載の断熱形材。
  4. 【請求項4】前記異形形状部が、前記室内片及び室外片
    と別体で棒状の長尺片に形成され、係る長尺片を前記樹
    脂片中においてその長手方向の略全長に渉って埋設し
    た、ことを特徴とする請求項1に記載の断熱形材。
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