JP3497273B2 - 多層積層体 - Google Patents

多層積層体

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JP3497273B2 JP10267695A JP10267695A JP3497273B2 JP 3497273 B2 JP3497273 B2 JP 3497273B2 JP 10267695 A JP10267695 A JP 10267695A JP 10267695 A JP10267695 A JP 10267695A JP 3497273 B2 JP3497273 B2 JP 3497273B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、車両、船舶等
の内装用材料として好適に用いられる、耐熱性及び軟性
に優れ、比較的容易に発泡成形する事が可能で、かつ積
層も容易な多層積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車、車両、船舶等の床、壁、
天井等の内装材やドア、椅子、ソファー等の表皮材料と
しては、一般にポリ塩化ビニルが最上層に用いられてお
り、これにポリウレタン或いはポリプロピレン系架橋発
泡層及び必要に応じて基板材で順次裏打ちされた多層積
層体が従来から用いられている。近年、環境問題への関
心が高まり、燃焼処理時に有毒ガスを生じない材料や再
利用の容易な材料への代替が進んでいる。このような流
れの中で従来使用されてきた塩化ビニル系材料を非塩素
系材料であるポリオレフィン系材料に代替する提案が多
数出されている(例えば、特開昭55−71738号公
報、特開昭55−71739号公報、特開昭58−12
9006号公報、特開昭62−81443号公報、特開
平1−292065号公報など)。
【0003】一方、上記の表皮材料にクッション性を持
たせるためのバッキング材料として発泡材料が使用され
るが、該発泡材料としては、性能的にみて発泡ウレタン
もしくは架橋発泡ポリプロピレンのほぼ2種類に限られ
ているのが実状である。その上、地球資源保護の観点か
らリサイクル利用の要求が高まってきている現在におい
ては、後者の架橋発泡ポリプロピレンがこれらの要求を
満たす唯一の発泡材料となっており、積極的な開発、改
良が進められている(例えば、特開昭56−34732
号公報、特開昭62−34930号公報など)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記架
橋発泡ポリプロピレンは、樹脂組成及び発泡剤の選択は
勿論樹脂の架橋方法、発泡条件等極めて高度な技術が要
求される上に、電子線照射装置、連続加熱発泡炉等特殊
な設備が必要であるという問題があった。また、他材料
との接着性に劣るため接着剤を使用する必要があり、熱
プレス法あるいは遠赤外線加熱法等の熱溶着ができない
という問題があった。本発明は、かかる状況に鑑みてな
されたものであり、耐熱性および柔軟性に優れ、比較的
容易に発泡成形する事が可能で、かつ、積層も容易な多
層積層体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決のため種々検討し、下記構成による多層積層体を
発明するに至った。即ち、本発明はショアA硬度が55
〜96である熱可塑性エラストマーからなる表皮層
(I)と、(A)エチレンに由来する単位の含有量が3
0〜99.8重量%であり、かつヒドロキシル基,アミ
ノ基,カルボキシル基,酸無水物基及びそのハーフエス
テルからなる群から選ばれた少なくとも1種の基を有す
るエチレン系共重合体 100重量部に、(B)保護さ
れたイソシアネート基を1分子中に少なくとも2個有す
るブロックイソシアネート 0.05〜20重量部およ
び(C)100〜250℃において分解し得る発泡剤
0.1〜40重量部を配合した樹脂組成物を発泡させる
ことによって得られた発泡層(II)との少なくとも2層
からなる多層積層体を提供するものである。以下、本発
明を詳細に説明する。
【0006】本発明の多層積層体を構成する表皮層
(I)は、ショアA硬度が55〜96である熱可塑性エ
ラストマーである。ショアA硬度は60〜95が好まし
く、特に65〜90が好適である。ショアA硬度が55
未満では樹脂が柔軟になりすぎ、ベタツキ感が出たり、
耐傷つき性が低下する。一方、96を超えると樹脂が硬
くなりすぎて触感を損ねるために好ましくない。なお、
ショアA硬度はASTM D2240に準拠して測定さ
れる値である。本発明に用いる熱可塑性エラストマーと
しては、スリットダイ法を用いて170℃で測定した際
の剪断速度101 sec-1における溶融粘度η1 と剪断
速度102 sec-1における溶融粘度η2 との比(η1
/η2 )が3.5〜8、とりわけ4.5〜7であるもの
が好ましい。
【0007】また、スリットダイ法とは、温度170℃
において幅20mm、高さ1.5mm、長さ60mmの
スリットダイを用いて溶融粘度を測定する方法である。
この方法については、C. D. Han, Rheology in Polymer
Processing, Academic, NewYork, (1976) 或いは J.
L. White, Principles of Polymer Engineering Rheolo
gy, John Wiley, New York, (1990)に詳しい記載があ
る。具体的には、市販のスリットダイを有する粘度計
(東洋精機製作所製ラボプラストミルD20−20型)
を用いて測定することができる。
【0008】本発明の表皮層(I)に好ましく用いられ
る熱可塑性エラストマーの具体例としては、ポリプロピ
レンブロックと、プロピレンとエチレン及び/叉は炭素
数4〜12のα−オレフィンとの共重合体ブロックから
なるプロピレン−α−オレフィン共重合体(以下「PP
共重合体」と略す)を挙げることができる。ここで用い
られるα−オレフィンとしては、1−ブテン、3−メチ
ル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチ
ル−1−ペンテン、4−ジメチル−1−ペンテン、ビニ
ルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン等が挙げられ
る。これらのα−オレフィンは1種でもよく、2種以上
を混合して用いてもよい。このようなPP共重合体は、
後に述べる発泡層と直接接着させる場合においてより強
い接着強度を得ることが可能になる。
【0009】さらに、上記PP共重合体において、プロ
ピレンとエチレン及び/叉は炭素数4〜12のα−オレ
フィンとの共重合体からなる共重合体ブロックがPP共
重合体全体に占める割合は、一般に35〜75重量%が
好ましく、さらに38〜70重量%が好ましく、とりわ
け40〜65重量%が好適である。
【0010】本発明に用いるPP共重合体としては、特
に下記(a)および(b)の特性を有するものが好まし
い。すなわち、(a)温度25℃におけるパラキシレン
不溶分が25〜65重量%の範囲にあること、および
(b)温度25℃におけるパラキシレンに可溶分は、
(i)2サイトモデルによる平均のプロピレンに由来す
る単位の含量(FP)が35〜80重量%、(ii)2サ
イトモデルにおいてプロピレンを優先的に重合する活性
点で生成する共重合体(PH )のプロピレンに由来する
単位の含量(PP)が65〜95重量%および(iii)PH
がパラキシレン可溶分1.00中に占める割合
(Pf1)が、0.60〜0.90の範囲である。
【0011】(a)パラキシレン不溶分とは、PP共重
合体を温度130℃でパラキシレンに約1重量%溶解し
た後、25℃まで冷却したときの不溶分であり、本発明
のPP共重合体中のパラキシレン不溶分は25〜65重
量%が好ましく、特に30〜60重量%が好適である。
また、(b)パラキシレン可溶分は上記操作により溶解
した成分であり、2サイトモデルにより求められる性状
が前記範囲にあることが好ましい。PP 及びPH を求め
る方法としては、まずPP共重合体の温度25℃でのパ
ラキシレンに可溶した成分を、1,2,4−トリクロロ
ベンゼン/重水素化ベンゼンの混合溶媒にポリマー濃度
が10重量%となるように温度120℃で加温して溶解
する。この溶液を10mmφガラス製試料管に入れ、13
C−NMRスペクトルを測定することにより求められ
る。
【0012】2サイトモデルは、重合反応機構を仮定す
るモデルであり、H. N. CHENG, Jounal of Applied Pol
ymer Sience, Vol.35, 1639-1650(1988)に記載がある。
すなわち、触媒を用いてプロピレンとエチレンを共重合
するモデルにおいて、プロピレンを優先的に重合する活
性点で生成する共重合体(PH )のプロピレン含量(P
P )とエチレンを優先的に重合する活性点で生成する共
重合体のプロピレン含量(P’P )の2つを仮定し、さ
らにPH の共重合体全体に占める割合(Pf1)をパラメ
ータとすると表1に示す確率方程式が得られる。
【0013】
【表1】
【0014】得られた13C−NMRスペクトルの各ピー
クの相対強度比と、表1に示す確率方程式から求められ
る強度比が一致するようにPP 、P’P およびPf1の3
個のパラメータを最適化することにより求められる。
尚、13C−NMRスペクトルの各ピークの帰属は C. J.
Carman, et al, Macromolecules, Vol.10, 536-544(19
77) に記載がある。
【0015】本発明のPP共重合体における、パラキシ
レン可溶分の(i)平均プロピレン含量(FP)は、上
記3個のパラメーターを用いて次式(1)で求められ
る。 FP=PP ×Pf1+PP ’×(1−Pf1) (1) 上記式(1)で求められるFPは35〜80重量%が好
ましく、特に40〜70重量%が好適である。また、
(ii)PP は65〜95重量%が好ましく、とりわけ7
0〜90重量%が好適である。さらに、(iii)Pf1
0.50〜0.90が好ましく、とりわけ0.55〜
0.85が好適である。
【0016】本発明に関わるPP共重合体の重合は、ヘ
キサン、ヘプタン、灯油などの不活性炭化水素またはプ
ロピレンなどの液化α−オレフィン溶媒の存在下で行う
スラリー法、無溶媒下の気相重合法などにより、温度条
件としては室温〜130℃、好ましくは50〜90℃、
圧力2〜50Kg/cm2 の条件で行われる。重合工程
における反応器は、当該技術分野で通常用いられる物が
適宜使用でき、例えば撹拌槽型反応器、流動床型反応
器、循環式反応器を用いて連続式、反回分式、回分式の
いずれかの方法でも良い。具体的には、公知の多段重合
法を用いて得られる。すなわち、第1段の反応器でプロ
ピレン及び/またはプロピレン−α−オレフィン共重合
体を重合した後、第2段の反応でプロピレンとα−オレ
フィンとの共重合を行う方法であり、例えば、特開平3
−97747号公報、特開平3ー205439号公報、
特開平4−153203号公報、特開平5−93024
号公報、特開平4−261423号公報などに記載され
ている。本発明に用いるPP共重合体は、メルトフロー
レート(JIS K7210に準拠し、表1、条件14
にて測定、以下「MFR」という)が一般に0.05〜
50g/10分、好ましくは0.1〜10g/10分、
さらに好ましくは0.5〜5g/10分である。
【0017】さらに、本発明の表皮層(I)に用いられ
る他の熱可塑性エラストマーとしては、例えばポリオレ
フィンとエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムの部
分架橋物との混合物を挙げることができる。具体的には
次のようなものが例示できる。 1)エチレンまたはプロピレンの単独重合体または少量
の他のコモノマーとの共重合体で代表される各種ポリオ
レフィン樹脂、及びエチレンと炭素数3〜14のα−オ
レフィンとの2元共重合体ゴム、またはこれに各種ポリ
エン化合物を更に共重合させた3元共重合体ゴムである
エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムの部分架橋物
の混合物からなる、熱可塑性樹脂組成物。 2)ポリオレフィン樹脂とエチレン・α−オレフィン系
共重合体ゴムとの組成物を、動的に熱処理して得られた
熱可塑性樹脂組成物。 3)ポリオレフィン樹脂とエチレン・α−オレフィン系
共重合体ゴムとの組成物を、動的に熱処理して得られた
物に、さらにポリオレフィンをブレンドして得られた熱
可塑性樹脂組成物。 4)エチレンまたはプロピレンの単独重合体、またはこ
れらと少量のコモノマーとの共重合体で代表される各種
ペルオキシド非架橋型ポリオレフィン樹脂とエチレン・
α−オレフィン系共重合体ゴムとの組成物を、動的に熱
処理して得られる熱可塑性組成物、等を挙げる事ができ
る。
【0018】ポリオレフィン系樹脂とエチレン・α−オ
レフィン系共重合体ゴムの部分架橋物とは、80/20
〜20/80の重量比、好ましくは70/30〜30/
70の重量比となるように混合して用いられる。ポリオ
レフィン系樹脂としては、シートの成形し易さ、シート
の耐傷付き性等の点からポリエチレンが用いられる。特
に低密度ポリエチレンとポリプロピレンとを10/90
〜70/30の重量比で混合して用いることが好まし
い。
【0019】また、部分架橋されるエチレン・α−オレ
フィン系共重合体ゴムとしては、主として強度面から、
エチレンとα−オレフィンとが50/50〜90/10
のモル比、好ましくは70/30〜85/15のモル比
で、またムーニー粘度ML1+ 4 (121℃)が約20以
上、更には約40〜80のものが好ましい。エチレン・
α−オレフィン系共重合体ゴムの部分架橋は、一般に原
料樹脂100重量部に対し0.1〜2重量部のペルオキ
シドを用いて、動的に熱処理して行われる。
【0020】以上に例示した表皮層(I)に用いられる
熱可塑性エラストマーには、必要に応じてゴム状重合体
を混合することもできる。ゴム状重合体としては、例え
ば、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロ
ロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソブテン
−イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プ
ロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム、プロピレン−ブ
テンゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、クロロシリコン
ゴム、ニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、スチレ
ン/イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン
−エチレン/イソプレン−スチレンブロック共重合体、
スチレン/ブタジエン−スチレンブロック共重合体等が
挙げられる。
【0021】或いは、ゴム用軟化剤を混合したものも用
いることができる。ゴム用軟化剤は、通常ゴムをロール
加工する際に、ゴムの分子間力を弱め、加工を容易にす
ると共に、カーボンブラック、ホワイトカーボン等の分
散を促し、または加硫ゴムの硬さを低下せしめて、柔軟
性、ゴム弾性を増す目的で使用されている石油留分で、
パラフィン系、ナフテン系、芳香族系等に区別されてい
る。好適には、パラフィン系のプロセスオイルが用いら
れる。
【0022】また、本発明に関わる熱可塑性エラストマ
ーには、フタル酸エステル系可塑剤やシリコーンオイル
を加えて用いることもできる。ここで用いられるフタル
酸エステル系可塑剤とは、塩化ビニル樹脂の可塑剤とし
て一般に使用されているものが挙げられる。フタル酸エ
ステル系可塑剤の具体例としては、フタル酸ジメチル、
フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ
ブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ2−エチルヘ
キシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジn−オク
チル、フタル酸ジノリル、フタル酸ジイソデシル、フタ
ル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル
酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸
メチルオレイル等を例示することができる。これらの中
でも、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸
ジイソブチルを用いることが推奨される。また、ここで
用いられるシリコーンオイルとは、Si基を含有するオ
イルであり、作動油、離型剤、消泡剤、塗料添加剤、化
粧品添加剤として利用されているものが挙げられる。シ
リコーンオイルの具体例としては、ジメチルポリシロキ
サン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフ
ェニルポリシロキサンやアルキル変性シリコーン、アミ
ノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキ
シル変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、クロ
ロアルキル変性シリコーン、アルキル高級アルコール変
性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ポリエーテ
ル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等を例示する
ことができる。これらの中でも、ジメチルポリシロキサ
ン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェ
ニルポリシロキサンを用いることが推奨される。以上に
述べた、ゴム状重合体、ゴム用軟化剤、フタル酸エステ
ル系可塑剤或いはシリコーンオイルは、PP共重合体に
対し、60重量%以下、好ましくは30重量%以下、さ
らに好ましくは20重量%以下の割合で加えることがで
きる。
【0023】本発明の表皮層(I)に用いられる熱可塑
性エラストマーには、該材料の特徴を損なわない範囲で
他の添加剤、配合剤、充填剤を使用する事が可能であ
る。これらを具体的に示せば、ガラス、カーボンブラッ
ク、酸化亜鉛、クレー、タルク、重質炭酸カルシウム、
カオリン、けいそう土、シリカ、アルミナ、アスベス
ト、グラファイト等の無機充填剤の他、有機充填剤、酸
化防止剤(耐熱安定剤)、紫外線吸収剤(光安定剤)、
帯電防止剤、、難燃剤、滑剤(スリップ剤、アンチブロ
ッキング剤)、補強剤、着色剤(染料、顔料)、発泡
剤、香料等が挙げられる。
【0024】本発明の発泡層(II)に用いられる(A)
エチレン系共重合体は、エチレンと、ヒドロキシル基,
アミノ基,カルボキシル基,酸無水物基及びそのハーフ
エステルからなる群から選ばれた少なくとも1種の基を
有する重合性化合物(以上総称して「第二成分」とい
う)を共重合して得られ、且つエチレンに由来する単位
の含有量が30〜99.8重量%である共重合体であ
る。該共重合体としては、高圧下でエチレンと上記重合
性化合物とをラジカル重合して得られる重合体でもよ
く、また、ポリエチレンに上記重合性化合物をグラフト
重合したものでもよい。
【0025】ヒドロキシル基含有重合性化合物として
は、例えばヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシアルキルアルコキシ(メタ)アクリレート、
ヒドロキシアルキルジアルコキシ(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシアルキルポリアルコキシ(メタ)アクリ
レート、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキ
シアルキルアルコキシビニルエーテル、ヒドロキシアル
キルポリアルコキシビニルエーテル等が挙げられる。こ
れらの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシエチルエトキシ(メタ)アクリレート、
ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノビニルエーテル、アリルアルコール等が挙げら
れる。
【0026】アミノ基含有重合性化合物としては、ビニ
ルベンジルアミン、(アミノカルボニル)メチル(メ
タ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオク
チル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、
N−(2−モルホリルエチル)(メタ)アクリルアミ
ド、N−(3−プロピルアミノ)(メタ)アクリルアミ
ド、クロトンアミン、アリルアミン、メタアクリルアミ
ン、N−メチルアクリルアミン、ラウリルアミン、オレ
イルアミン等のほか、共重合後、加水分解してビニルア
ミンとなり得るN−ビニルアセトアミド等が挙げられ
る。
【0027】カルボキシル基含有重合性化合物として
は、(メタ)アクリル酸、α−エチルアクリル酸等の炭
素数が多くとも25個の不飽和モノカルボン酸、マレイ
ン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、シトラコン
酸等の炭素数が4〜50個の不飽和ジカルボン酸等が挙
げられる。酸無水物基含有重合性化合物としては、無水
マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水
エンディック酸、ドデセニル無水コハク酸,1−ブテン
−3,4−ジカルボン酸無水物,炭素数が多くとも18
である末端に二重結合を有するアルカジエニル無水コハ
ク酸等の炭素数が4〜50個の不飽和ジカルボン酸無水
物が挙げられる。酸無水物基のハーフエステル含有重合
性化合物としては、マレイン酸モノメチル、マレイン酸
モノブチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノブ
チル等が挙げられる。以上の重合性化合物は、単独で、
あるいは2種類以上を組み合わせて用いても差し支えな
い。
【0028】さらに、本発明に用いる(A)エチレン系
共重合体としては、エチレンと第二成分の他に、エチレ
ンと共重合可能なその他のモノマーを加えて共重合した
多元共重合体を用いることができる。その他のモノマー
としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸
ラウリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、フマル酸ジメ
チル、マレイン酸ジメチル等の不飽和カルボン酸アルキ
ルエステル、酢酸ビニルエステル,プロピオン酸ビニル
エステル等のビニルエステル、メチルビニルエーテル、
エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチ
ルビニルエーテル等のエチレン系不飽和エーテル化合
物、スチレン、α−メチルスチレン、ノルボルネン、ブ
タジエン等のエチレン系不飽和炭化水素化合物、(メ
タ)アクリロニトリル、アクロレイン、クロトンアルデ
ヒド、トリメトキシビニルシラン、(メタ)アクリル酸
トリメトキシシリルプロピルエステル、塩化ビニル、塩
化ビニリデン等を挙げることができる。これらは単独
で、あるいは2種類以上を組み合わせて用いても差し支
えない。
【0029】(A)エチレン系共重合体のエチレンに由
来する単位の含有量は30〜99.8重量%であり、3
0〜99.5重量%が好ましく、特に35〜99.0重
量%が好適である。エチレンに由来する単位の含有量が
30重量%未満では製造が困難になる上、経済的でもな
い。一方、99.8重量%を超えると耐熱性が低下する
ので好ましくない。また、該共重合体に用いる第二成分
の共重合割合は、それらの合計量として一般に30重量
%以下である。これらのエチレン系共重合体のうち、共
重合法によって製造する場合では、通常500〜250
0kg/cm2 の高圧下で120〜260℃の温度でラ
ジカル重合開始剤(たとえば、有機過酸化物)の存在下
でエチレンと第二成分またはこれらとその他のモノマー
とを共重合させることによって製造することができ、そ
の方法については良く知られているものである。
【0030】また、前記(A)エチレン系共重合体のう
ち加水分解および/アルコールによる変性によって製造
する方法についても良く知られている方法である。本発
明の(A)エチレン系共重合体のMFR(JIS K7
210の表1、条件4で測定)は、一般に0.01〜1
000g/10分であり、0.05〜500g/10分
が好ましく、特に0.1〜500g/10分が好適であ
る。
【0031】一方、本発明の発泡層(II)に用いられる
(C)ブロックイソシアネートは、保護されたイソシア
ネート基を1分子中に少なくとも2個有する化合物であ
って、一般式が次式で示されるものである。
【化1】 (式中、BIはイソシアネートの保護剤の残基;R1
二価イソシアネートの残基であり、炭素数2〜20の炭
化水素基;R2 は水素原子またはメチル基;mは1〜5
の整数;nは1〜30の整数を表す)
【0032】かかる保護されたイソシアネート基は、保
護基に応じた特定の温度で加熱によって熱解離し、保護
剤を脱離してイソシアネート基を再生するものである。
かかるブロックイソシアネートは、ポリイソシアネート
と保護剤の反応によって得られる。ポリイソシアネート
の代表例としては、エチレンジイソシアネート、テトラ
メチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート等のアルキレンジイソシアネート;トリレンジイ
ソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ジフ
ェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネ
ート;4,4−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシ
アネート)、ω,ω−ジイソシアネート−1,4−ジメ
チルシクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート等の
脂環族ジイソシアネートが挙げられる。また、トリイソ
シアネートの代表例としては、ジイソシアネート3量
体、ヘキサメチレンジイソシアネート3量体が挙げられ
鎖拡張剤を用いたポリイソシアネートとしては、上記の
ジイソシアネートの過剰量の分子量60〜2,000の
ポリオールとの反応生成物が代表例として挙げられる。
これらの中でも、トリレンジイソシアネート、ジフェニ
レンジイソシアネート、4,4,−メチレン−ビス(シ
クロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシア
ネートが好ましく、イソホロンジイソシアネートがより
好ましい。
【0033】さらに、本発明においては、ジイソシアネ
ート成分として上記ジイソシアネート2モルとポリオー
ル1モルとを反応して得られる反応生成物を、更に保護
剤と反応せしめたブロックイソシアネートを使用するこ
とが好ましい。上記ポリオールとしては、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリプロピレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリストール等が挙げられる。これらの中で
も、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、テトラメチレングリコールが好まし
い。
【0034】上式においてBIは、保護剤の残基であ
り、保護剤から水素原子を除去した基である。保護剤と
しては、フェノール系、ラクタム系、活性メチレン系、
酸アミド系、イミド系、アミン系、イミダゾール系、尿
素系、イミン系、オキシム系のいずれも使用することが
出来る。中でも、フェノール系、ラクタム系、酸アミド
系、活性メチレン系、オキシム系の保護剤が好ましく、
ラクタム系がより好ましい。フェノール系保護剤として
は、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフ
ェノール、ノニルフェノール等の一価フェノールが挙げ
られる。ラクタム系保護剤としては、β−プロピオラク
タム、γ−ブチルラクタム、δ−バレロラクタム、ε−
カプロラクタム等が好ましい。また、酸アミド系保護剤
としては、アセトアニリド、酢酸アミド、ステアリン酸
アミドなどのモノカルボンアミドが挙げられる。活性メ
チレン系保護剤としては、マロン酸ジアルキル、アセト
酢酸アルキル(アルキルとしては、メチル基又はエチル
基が好ましい)、アセチルアセトンなどが挙げられる。
さらに、オキシム系保護剤としては、ホルムアルキドキ
シム、アセトアルドキシム、メチルエチルケトンオキシ
ム、シクロヘキサノンオキシム等が挙げられる。上記保
護剤は、解離温度以上の温度で組成物内で遊離するが、
成形品の外観を損なうことのないものが好ましい。本発
明において、ブロックイソシアネートは、単独で用いて
も良く、二種以上併用しても良い。この場合、全ブロッ
クイソシアネート中に占める上記一般式で示されるブロ
ックイソシアネートの比率は、通常10モル%以上であ
り、好ましくは20モル%以上、より好ましくは50モ
ル%以上である。
【0035】本発明に用いるブロックイソシアネートの
解離温度は、後記の発泡剤の分解温度及び成形温度によ
るが、通常100℃以上、好ましくは110℃、とりわ
け120℃以上が好ましい。エチレン系共重合体100
重量部に対するブロックイソシアネートの配合割合は、
0.05〜20重量部であり、0.1〜18重量部が好
ましく、とりわけ0.15〜15重量部が好ましい。ブ
ロックイソシアネートの配合割合が0.05重量部未満
では発泡性および耐熱性に劣る。一方、20重量部を超
えると発泡倍率および耐熱性が低下するので好ましくな
い。
【0036】さらに、本発明の発泡層(II)に用いられ
る発泡剤(B)は、前記エチレン系共重合体の溶解温度
より高い分解温度を有するものであって、100〜25
0℃の温度範囲で分解するものであれば特別な制限はな
いが、分解温度が120℃以上のものが望ましく、特に
130℃以上のものが好適である。発泡剤の好適な例と
しては、例えば、ジニトロソペンタメチレンテトラミ
ン、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミ
ド、パラトルエンスルホニルヒドラジド、4,4’−オ
キシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、ヒドラジン等
の化合物或いはこれらの混合物が挙げられる。
【0037】これらの発泡剤は、さらに発泡助剤を併用
することによって、一層発泡効果を上げることができ
る。発泡助剤は、使用する発泡剤の種類により異なるた
めに、一概に規定することはできないが、例えば、発泡
剤としてアゾジカルボンアミドを用いる場合には、発泡
助剤としては、酸化亜鉛(亜鉛華)、硫酸鉛、尿素、ス
テアリン酸亜鉛等が用いられる。また、発泡剤がジニト
ロソペンタメチレンテトラミンの場合には、発泡助剤と
しては、サリチル酸、フタル酸、ホウ酸、尿素樹脂等が
用いられる。また、発泡剤の配合量は、エチレン系共重
合体100重量部に対して0.1〜40重量部であり、
1.0〜35重量部が好ましく、とりわけ2.0〜30
重量部が好適である。発泡剤の組成割合が0.1重量部
未満ではの発泡倍率が不十分となる。一方、40重量部
を超えるとクッション性が低下するので好ましくない。
そして、エチレン系共重合体、ブロックイソシアネート
および発泡剤からなる発泡性組成物は、電子線照射装置
等の特別な装置を用いることなく比較的容易に架橋構造
を導入することが可能でありまた、発泡方法についても
特段の加熱発泡炉等の装置を必要としない。
【0038】また、本発明に関わる発泡性樹脂組成物は
他の材料と良好な接着性を示すという特長を有する。最
も特徴的なのは、発泡性樹脂組成物を加熱して発泡させ
る際に同時に他の材料、例えば前記の熱可塑性エラスト
マ−はもちろん、後に述べる種々の基板材等と熱成形プ
レスなどの熱接着法を用いて積層することが可能にな
り、その接着強度も良好なことである。本発明の多層積
層体においては、表皮層(I)の厚さは0.1〜2mm
が好ましく、さらに好ましくは0.2〜1.5mm、特
に0.3〜1mmが好適である。また、発泡層(II)の
厚さは1〜10mmが好ましく、更には1〜8mm、特
2〜8mmが好適である。また、発泡倍率は1.5〜5
0倍が好ましく、より好ましくは2〜40倍、特に好ま
しくは2〜30倍である。
【0039】本発明の多層積層体は、さらに基板材を積
層し、順次表皮層、発泡層及び基板材層からなる多層積
層体として用いることができる。ここで用いられる基板
材の具体例としては、ポリプロピレン系樹脂、ABS樹
脂、レジンフェルト、ガラス繊維入りフェノール樹脂
板、段ボール、ポリプロピレンハニカム、ポリスチレン
フォーム、ガラス繊維強化ポリプロピレン、合板あるい
はこれらに不織布を貼合した材料等が挙げられる。中で
もポリプロピレン系樹脂からなる基板材は、多層積層体
をリサイクル使用を考える場合に好適である。
【0040】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、むろん本発明はこれらによって限定されるもの
ではない。各物性の測定方法及び多層積層体の評価方法
を以下に記す。 (1)スリットダイ法溶融粘度 幅20mm、高さ1.5mm、長さ60mmのスリット
ダイを有する(株)東洋精機製作所製ラボプラストミル
D20−20型を用い、温度170℃で剪断速度10-1
sec-1および102 secの条件で測定した。 (2)パラキシレン不溶分 温度130でポリマーを濃度約1重量%になるようにパ
ラキシレンにいったん溶解し、その後温度25℃まで冷
却し、析出した割合(重量%)を求めた。 (3)13C−NMRスペクトル 下記の測定器および条件で測定した。 測定器 :日本電子(株)製 JNM−GSX4
00 測定モード :プロトンデカップリング法 パルス幅 :8.0μsec パルス繰返時間:5.0sec 積算回数 :20000回 溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン/重
水素化ベンゼンの混合溶媒(75/25容量%) 内部標準 :ヘキサメチルジシロキサン 試料濃度 :300mg/3.0m1溶媒 測定温度 :120℃
【0041】(4)耐熱シボ変化率 表皮にシボ加工した多層積層体を100℃で24時間ギ
アオーブン中で加熱し、この加熱試験前後における平均
シボ深度を表面粗さ計で測定しその変化率(%)で評価
した。 (5)耐熱体積変化 シート(大きさ10cm×10cm)を120℃で1時
間ギヤオーブン中で加熱した後、シートの厚み及び面積
を測定しその体積変化率(%)を測定した。 (6)触感及びクッション性 多層積層体の触感は、現在使用されている自動車内装用
塩化ビニル表皮との比較で評価し、ベタツキがなくほぼ
同等の温感、スベリ性、柔軟感があるものを良好とし
た。クッション性は現在使用されている自動車内装用積
層体(表皮:厚さ0.5mm塩化ビニル,発泡層:厚さ
2mmの架橋ポリプロピレン発泡体)との比較で評価
し、ほぼ同等のクッション感があるものを良好とした。 (7)接着強度 多層積層体を25mm幅の試験片に切断し、引張り試験
機で表皮層−発泡層間のT型剥離強度(引張り速度20
0mm/分)を測定した。本試験で発泡層が材料破壊し
たものは「材料破壊」とした。
【0042】熱可塑性エラストマーとして、参考例1〜
4及び表2に示すエチレン−α−オレフィン系共重合ゴ
ムの部分架橋物とポリオレフィンとの混合物、および表
2に示すプロピレン−α−オレフィン共重合体(PP共
重合体)を用いた。また、ブロックイソシアネートとし
て、イソホロジイソシアネートとエチレングリコールと
の2:1のアダクトをε−カプロラクタムで保護したブ
ロックイソシアネート(以下、「BIS−A」と略称す
る。解離温度160℃)、トリレンジイソシアネートと
ジエチレングリコールとの2:1のアダクトをm−クレ
ゾールで保護したブロックイソシアネート(以下、「B
IS−B」と略称する。解離温度160℃)、トリレン
ジイソシアネートをメチルエチルケトンで保護したブロ
ックイソシアネート(以下、「BIS−C」と略称す
る。解離温度130℃)及びイソホロンジイソシアネー
トとプロピレングリコールとの2:1のアダクトをε−
カプロラクタムで保護したブロックイソシアネート(以
下、「BIS−D」と略称する。解離温度160℃)を
用いた。
【0043】参考例1 エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン3元共
重合体[エチレン/プロピレンモル比が70/30、沃
素価14、ムーニー粘度(ML1+4 ,121℃)59]
49重量%、ポリプロピレン[MFR(JIS K72
10,表1,条件14)15g/10分]20重量%、
ナフテン系プロセスオイル30重量%、及び1,3−ビ
ス(第3ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン/ト
リメチロールプロパントリアクリレート/パラフィン系
鉱物油が重量比2/3/5である混合物1重量%を、ヘ
ンシェルミキサーで混合し、その後この混合物を120
〜140℃に予熱されたバンバリーミキサーに投入し、
180〜190℃で10分間混練し架橋反応を行った。
これを熱可塑性エラストマー(1)とした。ショアA硬
度は71、溶融粘度比(η1 /η2 )は4.9であっ
た。
【0044】参考例2 エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン3元共
重合体[エチレン/プロピレンモル比が70/30、沃
素価14、ムーニー粘度(ML1+4 ,121℃)59]
69重量%、ポリプロピレン[MFR(JIS K72
10,表1,条件14)15g/10分]30重量%、
及び1,3−ビス(第3ブチルペルオキシイソプロピ
ル)ベンゼン/トリメチロールプロパントリアクリレー
ト/パラフィン系鉱物油が重量比2/3/5である混合
物1重量%を、ヘンシェルミキサーで混合し、その後こ
の混合物を120〜140℃に予熱されたバンバリーミ
キサーに投入し、180〜190℃で10分間混練し架
橋反応を行った。これを熱可塑性エラストマー(2)と
した。ショアA硬度は82、溶融粘度比は5.4であっ
た。
【0045】参考例3 エチレン・プロピレン2元共重合体[エチレン/プロピ
レンモル比が70/30、MFR(JIS K721
0,表1,条件14)0.02g/10分,MW/MN
=3.5,デカリン中135℃の極限粘度は5.4d1
/g]43重量%、ポリプロピレン[MFR(JIS
K7210,表1,条件14)0.5g/10分,結晶
融点160℃]19重量%、パラフィン系プロセスオイ
ル36重量%及び2,5−ジメチル−2,5ジ(t−ブ
チルペルオキシ)ヘキサン/トリアリルイソシアヌレ−
トが重量比5/5である混合物2重量%を、ヘンシェル
ミキサーで混合し、その後この混合物を120〜140
℃に余熱されたバンバリーミキサーに投入し、180〜
190℃で10分間混練し架橋反応を行った。これを熱
可塑性エラストマー(3)とした。ショアA硬度は6
7、溶融粘度比は4.6であった。
【0046】参考例4 エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン3元共
重合体[エチレン/プロピレンモル比が60/40、沃
素価18、ムーニー粘度(ML1+4 ,121℃)63]
を熱可塑性エラストマー(4)とした。ショアA硬度は
50、溶融粘度比は4.1であった。
【0047】
【表2】
【0048】エチレン系共重合体として表3に示す共重
合体(EC−1〜7)を用いた。また、上記EC、ブロ
ックイソシアネートおよび発泡剤を混合し、表4に示す
発泡性樹脂組成物(POE−1〜16)を調製した。
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】実施例1 熱可塑性エラストマー(1)を25mmφのスクリュ−
を有するTダイスつき押出機を用いて樹脂温度210℃
で厚さ0.5mmのシートを作製し、150mm×15
0mmの大きさにカットした。次いで、表4に示したP
OE−1を25mmφのスクリューを有するTダイスつ
き押出機を用いて樹脂温度130℃で厚さ1mmのシー
トを成形し、150mm×150mmの大きさにカット
した。上下の金型を210℃に調整したプレス機に、ア
ルミ製プレス平板、POE−1のシート、熱可塑性エラ
ストマー(1)のシートを順次のせ、更に、3mmのス
ペーサーをはさんで剥離剤を塗布したシボつきアルミ製
プレス板をのせて上金型の自重のみで加熱プレスした。
5分間加熱した後プレス機から取り出し、直ちに水で冷
却して多層積層体を得た。
【0052】得られた多層積層体の発泡層の厚さは3m
mでその発泡層を切取りアルキメデス法で密度を測定し
発泡倍率を計算したところ4.7倍であった。また、得
られた多層積層体の耐熱性を評価したところ、平均シボ
変化率は6%、体積変化は5%以下であった。また、感
触性も良好であった。さらに、多層積層体の層間接着強
度を測定したところ、発泡層が材料破壊し良好な接着強
度を有していることが確認された。以上の結果を表5に
示す。
【0053】実施例2〜15 参考例1〜3或いは表2に示した熱可塑性エラストマー
及び表4に示した発泡性樹脂組成物を用い、実施例1と
同様にシート状に成形した。但し、熱可塑性エラストマ
ー(9)を用いた場合はシートの厚みを1.0mmとし
た。また、表5に示した組み合わせで表皮層、発泡層を
選択し、実施例1と同様にして多層積層体を得た。但
し、実施例4及び13では、プレス時のスペーサーの厚
みを5mmとし、実施例7〜11ではプレス時のスペ−
サー厚みを2mmとした。得られた多層積層体の評価
は、実施例1と同様に行なった。それらの結果を表5に
示す。何れもの場合も良好な多層積層体が得られた。
【0054】比較例1〜4 可塑性エラストマーの種類を表6に示したものに変えた
他は、実施例1と同様の方法で多層積層体を作成し、評
価した。それらの結果を表6に示す。熱可塑性エラスト
マー(4)或いは(12)を用いた場合は、熱可塑性エ
ラストマーが柔軟すぎて耐熱性が不足し、また、感触も
ベタツキが感じられ不良であった。熱可塑性エラストマ
ー(10)或いは(11)を用いた場合には、熱可塑性
エラストマーが硬すぎて、感触が不良であった。
【0055】比較例5〜6 発泡性樹脂組成物として表4に示すPOF−13及びP
OF−14を用いた他は、実施例6と同様の方法で多層
積層体を作成し、評価した。その結果を表6に示す。発
泡層の耐熱性が不足し、発泡層が溶融した。
【0056】比較例7 発泡性樹脂組成物として表4に示すPOE−15を用い
た他は、実施例6と同様の方法で多層積層体を作成し、
評価した。その結果を表6に示す。発泡層の耐熱性が不
足し、発泡層が溶融した。
【0057】比較例8 発泡性樹脂組成物として表4に示すPOE−4を用いた
他は、実施例6と同様の方法で多層積層体を作成し、評
価した。その結果を表6に示す。発泡倍率が低く、しか
も耐熱性及びクッション性が若干悪い。
【0058】
【表5】
【0059】
【表6】
【0060】
【発明の効果】本発明の多層積層体は、耐熱性、柔軟性
を満足し且つ比較的容易に発泡成形し積層する事が可能
なポリオレフィン系材料を使用し、耐熱性に優れ、且つ
クッション性等の感触にも優れるので自動車、車両、船
舶等の内装材料等として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田越 宏孝 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電 工株式会社 大分研究所内 (56)参考文献 特開 平6−316016(JP,A) 特開 昭57−20344(JP,A) 実開 昭64−3423(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ショアA硬度が55〜96である熱可塑
    性エラストマーからなる表皮層(I)と、(A)エチレ
    ンに由来する単位の含有量が30〜99.8重量%であ
    り、かつヒドロキシル基,アミノ基,カルボキシル基,
    酸無水物基及びそのハーフエステルからなる群から選ば
    れた少なくとも1種の基を有するエチレン系共重合体
    100重量部に、(B)保護されたイソシアネート基を
    1分子中に少なくとも2個有するブロックイソシアネー
    ト 0.05〜20重量部および(C)100〜250
    ℃において分解し得る発泡剤 0.1〜40重量部を配
    合した樹脂組成物を発泡させることによって得られた発
    泡層(II)との少なくとも2層からなる多層積層体。
  2. 【請求項2】 表皮層(I)の熱可塑性エラストマー
    が、スリットダイ法により測定した剪断速度101 se
    -1における溶融粘度η1 と剪断速度102 sec-1
    おける溶融粘度η2 との比(η1 /η2 )が3.5〜8
    である請求項1記載の多層積層体。
  3. 【請求項3】 表皮層(I)の熱可塑性エラストマー
    が、プロピレン−α−オレフィン共重合体であって、且
    つ該プロピレン−α−オレフィン共重合体がポリプロピ
    レンブロック65〜25重量%とプロピレンとエチレン
    及び/叉は炭素数4〜12のα−オレフィンとの共重合
    体ブロック35〜75重量%からなる請求項1または請
    求項2記載の多層積層体。
  4. 【請求項4】 表皮層(I)の厚さが0.1〜2mmで
    あり、発泡層(II)の厚さが1〜10mmである請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の多層積層体。
  5. 【請求項5】 発泡層(II)の発泡倍率が1.5〜50
    倍である請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層積層
    体。
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