JP3497222B2 - トーチろう付用アルミニウムろうペースト - Google Patents

トーチろう付用アルミニウムろうペースト

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JP3497222B2
JP3497222B2 JP00511094A JP511094A JP3497222B2 JP 3497222 B2 JP3497222 B2 JP 3497222B2 JP 00511094 A JP00511094 A JP 00511094A JP 511094 A JP511094 A JP 511094A JP 3497222 B2 JP3497222 B2 JP 3497222B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アルミニウム製部材
間の接合を大気中でトーチを用いて簡便に行う事ができ
るアルミニウムろうペーストに関する。この明細書にお
いて用いる「アルミニウム」という用語は、特に言及しな
い限り、各種のアルミニウム合金類を包含する。
【0002】
【従来の技術】ろう付方法には大別してトーチろう付と
炉中ろう付がある。アルミニウム部材間のろう付はろう
材とアルミニウム部材間の融点に差が少ないため、温度
調節が簡単な炉中ろう付が一般に採用されている。炉中
ろう付は一般に窒素ガス雰囲気下で実施されるが、トー
チろう付はトーチバーナーや高周波ろう付で大気中の酸
化雰囲気で行なわれるため、従来の炉中ろう付用ろうペ
ーストを使用するとペースト中にバインダーとして配合
された有機物に起因する炎、煤、悪臭、炭化物残渣等の
発生や白煙の発生により、作業環境の悪化、仕上り外観
の不良、ろう付不良等を生じ実用に供し得るアルミニウ
ムろうペーストは開発されていない。
【0003】しかしながら大規模な装置を必要とする炉
中ろう付は実用上デメリットが大きく、トーチろう付に
よるアルミニウム部材間のろう付技術およびこれに使用
し得るアルミニウムろうペーストの開発が要望されてい
た。
【0004】近年、フラックス材料として従来の塩素系
フラックスに代わり、非腐食性、非水溶性のフッ化アル
ミニウム系のフラックスが開発された(例えば特開昭5
1−123749号公報、特開昭56−6797号公
報、特公昭58−27037号公報、特公昭62−46
280号公報、特開平5−2434号公報等)。このフ
ッ化アルミニウム系フラックスは従来の塩素系フラック
スに比べ、腐食性および吸湿性がほとんど無いため、こ
れを使用直前にアルミニウム合金粉末と水と共に混練し
てトーチろう付に用いる方法も試みられているが、水を
用いるためアルミニウム合金粉末と反応し易く保存性が
ないため、非常に不便である。
【0005】前述のごとく従来のアルミニウムろうペー
ストは殆ど炉中ろう付用に開発されており、この処方を
トーチろう付に応用すると多量の煤を発生し、残炭、ボ
イド、炎上悪臭、白煙の発生等様々な問題を発生する。
また炉中ろう付用であるからフラックス量も少なくトー
チろう付には不適当である。
【0006】ろう付ペースト用のバインダーとしては古
くから様々なポリマー類が開示されている。例えば、特
開昭56−6797号公報にはヒドロキシプロピルセル
ロースが、特開昭57−50598号公報には分子量2
000〜40,000のポリアルキレングリコールまた
はポリアルキレングリコール誘導体が、特公昭63−4
3200号公報にはエチレンオキシド重合体、ポリアク
リレート重合体、ポリメタクリレート重合体、ポリアク
リロニトリル重合体、ポリエチレングリコールおよびそ
のメチルエーテル類および脂肪族炭化水素重合体の1種
以上からなるビヒクルが、特開平2−268995号公
報にはポリイソブチレン、ポリブテン等が開示されてい
る。これらのうち、ヒドロキシプロピルセルロース等の
セルロース系高分子は炭化したり、炎をあげて燃焼し、
黒い油煙が発生し、アクリル系樹脂は熱解重合により刺
激臭の高いモノマー類を発生するので作業衛生上問題が
あり、ポリブテン系は大気中でトーチろう付すると炎を
上げて燃焼し、黒い油煙が発生する等の欠点がある。
【0007】また、特開昭57−50598号公報には
ポリアルキレングリコールまたはその誘導体を銅粉のろ
う付に用いる旨の記載があるが、このろう付は、銅粉で
あるのでフラックスは使用せず水を用いている。ポリア
ルキレングリコールの分子量は2000〜400,00
0であり、それ以上の分子量のものを用いると焼成後の
残炭が避けられないと述べられている。前述の特公昭6
3−43200号公報にはエチレンオキシド重合体の使
用を開示しているがこれは、高粘度の無水ビヒクルと無
水のフラックスを用いると長い貯蔵寿命を持つと言うだ
けで、使用するフラックスは塩化物を含み、ろう付後の
残渣がアルミニウムを腐食させるので洗浄が必須であ
る。特公昭60−43200号は有機溶剤の使用やトー
チろう付けについては何も書いていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はアルミニウム
ろう付をトーチで行なうことができるアルミニウムろう
ペーストを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は平均粒径10〜
500μmのアルミニウム合金粉末100重量部、フラ
ックス80〜200重量部、ポリアルキレンオキシドを
主要構成成分とする平均分子量10万〜500万の有機
高分子バインダー0.5〜10重量部及び有機溶剤30
〜200重量部を含有するアルミニウム部材のトーチろ
う付用アルミニウムろうペーストに関する。
【0010】本発明に使用するアルミニウム合金ろう粉
末の組成は被接合アルミニウム部材類の融点よりも低い
融点を有するアルミニウム合金であれば良い。例えば、
アルミニウム−シリコン(5〜15%)系、アルミニウム
−シリコン(5−15%)−X系(Xは銅、マグネシウム
及び亜鉛のうち少なくとも一種を含む)、更に第3添加
元素としてビスマス、錫、バリウムを含有する事ができ
る。またアルミニウム−銅系合金粉末が使用出来る。ア
ルミニウム合金ろう粉末に亜鉛粉末、錫粉末、バリウム
粉末など混合してもよい。
【0011】上記ろう粉末の平均粒径は10〜500
μ、好ましくは40〜150μであり、10μ未満にな
ると粉末の比表面積が過度に大きくなり、酸化被膜の量
が多くなるために、粉末同士が十分に融着一体化し難し
くなり、また、500μを越えると、該粉末がペースト
中に分散、懸濁し難くなるだけでなく、粉末同士の間隙
が大きくなりすぎて、緻密なろう付が困難となる。
【0012】アルミニウム合金粉末の酸素含有量は好ま
しくは0.2重量%以下、より好ましくは0.1重量%
以下である。これは0.2重量%より多い場合、酸化皮
膜が厚くなり、アルミニウムの場合は酸化皮膜が特に強
固なため、酸化皮膜を破壊するのに必要なフラックスは
200重量部以上添加しなければならない。しかし、フ
ラックスを200重量部を越えて添加するとアルミニウ
ムろうペースト中の金属ろうの割合が低下するため、金
属ろう量が不足する事や、ろう付外観がフラックス残渣
等により汚くなり、外観部をそのままにする場合には不
都合であり、また作業環境に悪影響を与える。アルミニ
ウム合金粉末の形状については特に限定するものではな
く、このような金属粉末としては、針状、板状、偏平
状、粒状、隣片状、フレーク状等、様々な形状のものが
使用できる。
【0013】例えば非酸化性雰囲気中でアトマイズして
製造される球状もしくは不規則形状のアトマイズAl合
金粉末等が例示される。金属粉末の粒度、形状、表面酸
化被膜の性状にもよるが酸素含有量が0.2%を越える
と、たとえろう付温度に適していても表面酸化被膜が破
れないまま溶融一体化していない場合あり、このような
場合、フラックス使用量を200重量部超にすればろう
付自体は可能であるが、アルミニウムろうペースト中の
金属ろうの割合が低下するため金属ろう量が不足する事
や、ろう付部に多量の白色残渣や黒斑点が発生し、ま
た、付近の汚染、腐食問題を引き起こす。
【0014】本発明においてはフラックスとして、フッ
化物系フラックスを用いる。ここで言うフッ化物系とは
フッ素とアルミニウムを含むフラックスの事で成分はA
lF3−KF、KAlF4−K3AlF6、K3AlF6、KAl
4、KF−AlF3−Al23、CsxAlyFz等のフッ化
物系フラックスが例示される。フッ化物系フラックスと
しては市販品「ノコロック」(カナダ国のアルキャン社製)
が水不溶性、非腐食性、微粉末なので増粘作用を持つ等
の長所があり、特に好適である。
【0015】トーチ用アルミニウムろう付ペーストには
炉中ろう付用に比べて多量のフラックスを使用する必要
がある。従って、従来炉中ろう付用に用いられていた塩
化物系フラックスをトーチ用に用いると塩化物系フラッ
クスの吸湿性により、ろう付ペーストの保存性が低下す
る。また、塩化物系フラックスを用いた場合、ろう付後
ろう付部を洗浄しないと腐食する。従って、トーチ用ア
ルミニウムろう付ペーストにはフッ化物系フラックスが
特に好ましい。
【0016】また、フッ化物系フラックスは微粉にする
ことができる。微粉化したフッ化物系フラツクスは多量
に用いることによりビヒクルの(本明細書では、有機高
分子バインダーと有機溶剤の混合物を言う)粘度を上昇
させ、有機高分子バインダーを多量に使用しなくても、
所望の粘度を有するろう付ペーストを得ることができ
る。
【0017】ビヒクルの粘度は好ましくは30,000c
ps(20℃)以下であり、これにより、ろう付ペーストの
生産性が向上するのみでなく、ろう付ペーストの使用
性、特に塗布性が著しく向上するのは予測外であった。
【0018】被ろう付材の成分として銅、シリコン、マ
グネシウムを含む場合は被ろう付材の融点が低くなるの
で、フラックスの作用温度を低下させる必要がある。フ
ラックスの作用温度を下げるにはCs、Sr、Ba、Zn、
Cuを含む事が有効で、方法としてはフッ化物、酸化物
等の単独、混合、反応物が例示でき、これらの添加技術
の制限はなく本発明の技術範囲に含まれる。
【0019】上記フラックスの配合量は、80〜200
重量部、好ましくは100〜150重量部、80重量部
よりも少ない場合には、大気中トーチろう付では、十分
なフラックス作用が得難く、200重量部よりも多くす
ることは、無駄なだけでなく、アルミニウムろうペース
ト中の金属ろうの割合が低下するために金属ろう量が不
足したり、フィレット表面に多量の白色残渣や黒斑点が
発生するなど製品の外観が不良となり、また、付近の汚
染や腐食等の問題を引き起こすことになる。
【0020】本発明において使用する有機高分子バイン
ダーは、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシ
ド、ポリブチレンオキシド等のポリアルキレンオキシド
を分子中の主要構成成分としており、平均分子量10万
〜500万、好ましくは10万〜150万の高分子量化
合物である。本発明において、高分子量の有機高分子バ
インダーを使用することは重要である。
【0021】分子量が10万より小さな場合は、ポリマ
ーを配合上大量に使用しなければ充分な粘度が出ないだ
けでなく、水酸基に起因するペーストの粘度上昇等劣化
がおきる。また、分子量が大きすぎると曳糸性が強くな
りすぎ、粘弾性特性が悪くなる。
【0022】上記の有機高分子バインダーは、高分子量
化合物でありさえすれば同種アルキレンオキシドの単独
重合体または異種アルキレンオキシドのブロックないし
はランダム共重合体であってもよい。より好ましい有機
高分子は、活性水素基を2個以上有する有機化合物にエ
チレンオキシドなどの低級アルキレンオキシドを付加重
合して得られるポリアルキレンオキシド化合物と、多価
カルボン酸、その無水物ないしはその低級アルキルエス
テルあるいはジイソシアネートとを反応させて得られる
高分子量化合物である。分子末端には水酸基のほかアル
コキシ基、カルボキシル基あるいはエステル基を有し、
分子内にはエーテル結合以外にエステル結合やウレタン
結合を持っている。
【0023】活性水素を2個以上有する有機化合物とし
ては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコール、水
素化ビスフェノール、ビスフェノールジヒドロキシプロ
ピルエーテルなどの多価フェノールが例示できる。ま
た、多価カルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、
コハク酸、グルタコン酸、アジピン酸、セバシン酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸などが例示
できる。
【0024】芳香族カルボン酸は、ろう付の過程でろう
材の表面に残炭の発生が見られた。カルボン酸の種類と
残炭の多さはコハク酸<アジピン酸<フタール酸の順で
あった。
【0025】本発明に用いる製法ポリアルキレンオキシ
ドは一般的な付加重合だけでなく、適当な有機溶剤中に
おけるチーグラーナッタ触媒を用いた重合反応で得られ
るものも適用できる。
【0026】また、チーグラーナッタ触媒を用いた重合
反応で生成するポリアルキレンオキサイドは、Ti・Al
・Zn・Siなど金属不純物が少ない物が好ましく0.5
%以下好ましくは、1000ppm以下が好ましい。この
種のポリマーは、無臭無毒な物質であり、酸素、オゾ
ン、酸、アルカリ及び紫外線等に対して安定で、また、
溶剤に溶かすと粘度が23℃で200〜30,000cps
の液体が得られるため、塗布作業が容易になる。さらに
空気中では約200〜350℃で、また、窒素雰囲気中
では約300〜400℃で完全に分解して揮散するの
で、ろう付後に炭化残渣が生ずることはない。上記ペー
スト中の有機高分子は0.5〜10%が好ましく、より
好ましくは1〜8%である。有機高分子が0.5%より
低い場合はバインダーとしての効果が乏しく、10%を
超えると硬くなりすぎて、ペーストにならないだけでな
く、燃焼するポリマー量が増えトーチろう付作業の使用
感が悪くなる。
【0027】ペースト中のビヒクルの配合量は有機溶剤
やバインダーの種類および分子量にもよるがアルミニウ
ム合金粉末100重量部に対し、30.5〜210重量
部、より好ましくは60〜180重量部、特に好ましく
は80〜120重量部である。30.5重量部より少な
いとペーストにならない。210重量部を超えるとろう
金属が不足するだけでなく、トーチろう付時の残炭や煤
煙の問題を生ずる。
【0028】また、本発明で使用する有機溶剤はそれ自
身が安全で取扱やすいだけでなく、トーチの加熱で燃焼
する時にススや有害なガスの発生が無く、使用感が良好
な物が好ましい。本発明のトーチろう付用ペーストは高
周波ろう付にも使用できる。このろう付方法に用いる場
合は、加熱時の発煙を防止するために沸点170℃以
下、好ましくは150℃以下特に好ましくは130℃以
下が良く、蒸発潜熱や表面張力、極性の小さい溶剤は発
煙しにくい。また毒性の面より低級アルコールのプロピ
レンオキシド付加物は特に好ましい。
【0029】また、溶剤はアルミニウムが活性な金属で
ある等様々なアルミニウムの特殊性を考慮した物である
必要がある。分子量10万以上のポリアルキレンオキサ
イド系有機高分子は吸湿性が低く、低分子のグリコール
類に比べペーストの劣化が少ない。
【0030】有機溶剤は吸湿や反応が無い事が最も重要
である。さらに、ペーストはその使用上の条件が異なる
ので、早く蒸発してほしい場合や蒸発が遅い方が好まし
い場合等様々あり、それに適した品物の提供ができる様
な技術が望まれる。
【0031】ポリアルキレンオキサイドは水、クロロホ
ルム、四塩化炭素、トリクレン等のハロゲン化アルキル
やベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香
族炭化水素系には溶解する。しかし、水やハロゲン化ア
ルキルは燃焼しない利点はあるが、アルミニウムと反応
する可能性がある。
【0032】また、ベンゼン、トルエン、アニソール等
の芳香族性のある物は、燃焼時にススが発生する。その
他、溶剤としてはアルコール類、例えばメタノールやエ
タノール、プロパノール、ブタノールも加熱時ポリマー
を溶解するので溶剤として示すことができるが、低位の
アルコールは吸湿する、揮発性が高い、臭いが強い等の
他、アルミニウムと反応する等の欠点を持つ。また、C
6以上直鎖の炭化水素鎖を持つ溶剤は加熱時にすすが発
生する。
【0033】エステル類を用いたペーストは低位のもの
はその反応性が欠点となり、高位のものは残炭、ススの
発生が見られる。酢酸エチルやメチルエチルケトン、ア
セトン、THF、ジエチルケトンは、燃焼時にススが出
ないが、蒸発が早すぎて良好な特性を示さない。また、
ジイソブチルアジペート、メチルイソブチルケトンやフ
タル酸エステル、シクロヘキサノールは、燃焼時にスス
の発生が見られる。
【0034】本発明の溶剤は有機高分子バインダーの溶
解性、吸湿性、安全性、煤煙等の観点から炭素数3〜4
のアルキレン基を持つものあるいはそのポリグリコール
やそれらと低級アルコール(C1〜C4)のモノエーテル
が好ましい。特にアルキレングリコール類はプロピレン
残基を持つC1〜4までのアルコールのエーテル例えば
ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール
モノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソ
プロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレン
グリコールノエチルエーテルを示すことができる。ペー
ストは上記から選ばれた物および/または1,4−ジオ
キサンから選ばれた溶剤を1種以上を含む。プロピレン
系、エチレン系の溶剤はペーストの粘度安定性や毒性、
安全衛生面で劣る。その他としてはジブチレングリコー
ル等が好ましい。
【0035】好適な低沸点溶媒としては1,4−ジオキ
サン、ジプロピルエーテル等が例示される。これらは常
温で揮発性であり引火性が高いため使用上の注意が必要
である。
【0036】溶媒の使用量はアルミニウム粉末100重
量部に対して30〜200重量部、特に60〜150重
量部が好ましく、有機高分子バインダーを溶媒に溶解し
たビヒクルの粘度が23℃で30,000cps以下、特に
25,000cps以下にするのが好ましい。ビヒクル粘度
を30,000cps以下にすることにより、これをペース
トにした際、ダレや沈降のないペーストを得ることがで
きる。
【0037】グリコール類、特にジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコールおよびそれらのモノエチ
ルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテ
ル、ジオキサン等を溶媒とし、分子量10万以上のポリ
アルキレンオキシドをバインダーとして用いてろうペー
ストを作ると、塗布性および塗布後の固定性において特
に優れたものが得られる。その場合のペースト中の有機
高分子バインダー量はアルミニウム100重量部に対し
て0.5〜5重量部である。バインダーおよび溶媒はそ
れぞれ2種以上混合して用いてもよい。
【0038】本発明によるアルミニウムろうペーストの
塗布作業性等を調整するために、有機系の粘度調整剤や
希釈溶剤を、使用の直前に配合し、使いきると云うので
あれば上記配合成分の作用効果を損なわない限度内にお
いて、該ペーストに適宜配合してもよい。本発明ろう材
は塗布方法に応じて粘度を調整する。例えば刷毛塗りの
場合には少し粘度の高いソース状の懸濁溶液で行うのが
適しており、これらは撹拌をしなければ、又は、沈降防
止剤を加えなければ、アルミニウム合金ろう粉末が沈澱
し、均一な塗布が出来ない。前述のように懸濁溶液での
塗布方法は色々あり、塗布機器の違いにより最適粘度も
違うので、懸濁溶液にするための溶剤としては本文記載
の各溶剤が使用出来る。
【0039】粘度調整剤を用いて粘度を調整してもよい
がその量はアルミニウム粉末100重量部に対し、20
重量%以下、好ましくは5重量%以下である。好ましい
粘度調整剤としては、12−ヒドロキシステアリン酸、
ワックス、合成ワックス、パラフィンワックス、マイク
ロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、硬化
油、硬化ひまし油、脂肪酸アミド及びポリアミド等が例
示されるが、特に、ポリエチレンワックス、硬化ヒマシ
油が好適である。本発明によるアルミニウムろうペース
トの粘度は、該ペーストの適用方法に応じて適宜選定す
ればよく、特に限定的ではないが、通常は5000〜5
00000cps/23℃、好ましくは15000〜30
0000cps/23℃である。この場合の粘度は、ブル
ックフィールド粘度計を用いて測定した値である。
【0040】本発明によるアルミニウムろうペーストに
は、上記の配合成分のほかに、さらに常套の添加物を所
望により、適宜配合してもよい。このような添加剤とし
ては、酸化防止剤(例えばBHT等)、腐食抑制剤(例え
ば、ベンゾトリアゾール)、着色剤(例えば、フルオレッ
セン、メチルオレンジ等)、消泡剤(例えば、シリコーン
オイル等)が例示される。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。実施例1〜13 表1に示す配合処方に従って、本発明によるアルミニウ
ムろうペースト1〜13を調製した。
【0042】
【表1】
【0043】表1における脚注は次の通りである。 (1)Al−12%Si合金粉末(平均粒径;40μm、酸素
含有量:0.05%) (2)Al−12%Si合金粉末(平均粒径;70μm、酸素
含有量:0.02%) (3)「ノコロック」(アルキャン社製、フッ化アルミニウ
ム系フラックス) (4)第一工業製薬製 分子量10万のポリエチレンオキ
シド系エステル (5)第一工業製薬製 分子量10万のポリエチレンオキ
シド系エステル (6)住友精化製 分子量10万のポリエチレンオキシド (7)明成化学製 分子量40万のポリエチレンオキシド (8)明成化学製 分子量360〜400万のポリエチレ
ンオキシド (9)住友精化製 分子量40万のプロピレン20%残エ
チレンオキシドランダム重合品 上記配合処方によって調製したアルミニウムろうペース
ト1〜13の性状を表1に示す。
【0044】比較例1〜9 表2に示す配合処方に従って、アルミニウムろうペース
ト1'〜9'を調製した。
【表2】
【0045】表2における脚注は次の通りである。 (1)Al−12%Si合金粉末(平均粒径:70μm、酸素
含有量:0.02%) (2)「ノコロック」(アルキャン社製:フッ化アルミニウム
系フラックス) (3)21%LiCl、40%KCl、22.5%NaCl、
9%LiF、8.5%ZnCl2 (4)液状ポリイソブチレン 平均分子量500 (5)ポリエチレングリコール分子量10000 (6)ポリエチレングリコール分子量400
【0046】表3に表1の実施例1および2および表2
の比較例1'および2'のビヒクル粘度、ペースト粘度お
よび使用感を示す。
【表3】
【0047】表1〜表3に示すアルミニウムろうペース
トの性状は、各々の試料ペースト3を、アルミニウム試
験板1(2mm×15mm×30mm)および2(2mm×10mm
×24mm)を用いて図1(上面図)および図2(正面図)に
示すようにして作成したTジョイントの片側中央部に2
60mg添付した後、プロパンバーナーで加熱を行った。
評価は以下の通りである。
【0048】金属残渣(未溶融のろう金属粉末残渣) A:優 金属粉は見られない。 B:良 表面の10%程度に残渣がある。 C:可 表面の20%程度に残渣がある。 D:不可 Cより多い。 E:評価対象外(合金粉末が金属ろうに戻らずセメントに
固まる)
【0049】フラックス残渣による外観 A:優 B:良 C:可 D:不可 E:評価対象外
【0050】ろう流動性(フィレット形成率) A:フィレット形成率100% B:フィレット形成率80%以上100%未満 C:フィレット形成率50%以上80%未満 D:フィレット形成率50%未満 E:評価対象外(溶けない)
【0051】フィレット形状(フィレットの厚さ) A:ろう金属のほとんどがフィレットに集まり最適張力
で弧を描く。 B:Aの7割程度のフィレットが形成されている。 C:Aの3割程度のフィレットが形成されている。 D:フィレットを形成しない。 E:評価対象外(溶けない)
【0052】ペーストの保存性 (25℃1カ月後のペーストの分離) A:分離しない B:ペースト上面にビヒクルがにじむ C:ビヒクルの分離は10%未満 D:ビヒクルの分離は20%未満 E:ビヒクルの20%以上が分離する
【0053】粘度変化 A:なめらかなペースト状態で、粘度変化は10%未満 B:なめらかさはないがつぶ発生なく、粘度変化は50
%未満 C:ぼそつく小さなつぶが発生し、粘度変化は100%
未満 D:つぶあん状で、粘度変化は100%以上 E:固形になる
【0054】腐食性ろう付後の腐食(96h) A:40℃90%の温度処理しても腐食は見られない。 B:40℃90%の温度処理で変色する。 C:室内環境で変色する。 D:ろう材母材ともに室内環境で腐食する。 E:評価対象外(溶けずにセメント状に固まり判定できな
い)
【0055】臭い A:気にならない B:特異臭がある C:不快臭がある D:耐えれない悪臭 E:評価対象外
【0056】ろう付時のスス A:出ない B:少し出る C:Bより多く出る D:ススが多くて使えない E:評価対象外
【0057】飛散 A:飛散しない B:飛散は5%未満 C:飛散は10%未満 D:飛散は10%以上 E:評価対象外
【0058】
【発明の効果】本発明によるアルミニウムろうペースト
は、良好な保存性(例えば室温下、空気中において、約
6〜20カ月間にわたって、金属粉末とフラックスは分
離しない)と塗布作業性を有すると共に、優れたろう付
特性を発揮する。該ろうペーストを用いてアルミニウム
製部材類をトーチろう付する場合には、刺激性の強い毒
性ガスやススは発生せず、接合部には外観不良や接合不
良および経時的腐食は見られず、付加的な加熱工程を必
要とすることなく、該部材類の優れたろう付をおこなう
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アルミニウムろうペーストの性状評価に使用
したTジョイントの上面図である。
【図2】 該Tジョイントの正面図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム試験板 2 アルミニウム試験板 3 試料ペースト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−147193(JP,A) 特開 平4−333390(JP,A) 特開 平3−35870(JP,A) 特開 平6−39586(JP,A) 特公 昭57−50598(JP,B1) 特公 昭63−43200(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/22 - 35/363

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径10〜500μmのアルミニウ
    ム合金粉末100重量部、フラックス80〜200重量
    部、ポリアルキレンオキシドを主要構成成分とする平均
    分子量10万〜500万の有機高分子バインダー0.5
    〜10重量部及び有機溶剤30〜200重量部を含有す
    るアルミニウム部材のトーチろう付用アルミニウムろう
    ペースト。
  2. 【請求項2】 有機高分子がポリアルキレンオキシドの
    エステルおよび/またはウレタンである請求項1記載の
    ペースト。
  3. 【請求項3】 アルミニウムろう付ペースト用金属粉末
    が酸素含有量0.2%以下のアルミニウム合金粉末であ
    る請求項1記載のペースト。
  4. 【請求項4】 フラックスがフッ化アルミニウム系フラ
    ックスである請求項1記載のアルミニウムろうペース
    ト。
  5. 【請求項5】 有機溶剤が、ジプロピレングリコール、
    トリプロピレングリコール、プロピレングリコールモノ
    エチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエ
    ーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジ
    プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレ
    ングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリ
    コールモノブチルエーテル、1,4−ジオキサンから選
    ばれた1種以上である請求項1記載のペースト。
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