JP3496924B2 - 識別表示体の製造法 - Google Patents

識別表示体の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、識別表示が付され
たフッ素樹脂成形体を透明な樹脂のシートでラミネート
した識別表示体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】バーコードなどの識別表示体は、現在で
は様々な産業・物流分野で利用されており、工場などの
製造ラインでは、物品の識別や仕分けなどの工程管理に
利用されている。また、半導体製造ラインにおいては、
強酸性や強アルカリ性の薬品を使用したり、高温雰囲気
の環境にあるため、バーコードなどの識別表示体には耐
薬品性や耐熱性が要求されている。これを満足するた
め、耐熱性、耐薬品性、機械的強度などに優れるポリテ
トラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という)な
どのフッ素樹脂を用いた製品や容器に識別表示を付した
識別表示体が用いられている。
【0003】これらの識別表示体としては、PTFEな
どのフッ素樹脂表面にバーコードなどの識別表示が印刷
されたもの、当該フッ素樹脂表面の周りをPTFEとパ
ーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体(以
下、「PFA」という)、PTFEとヘキサフルオロプ
ロピレンとの共重合体(以下、「FEP」という)又は
PTFEとヘキサフルオロプロピレンとパーフルオロア
ルキルビニルエーテルとの共重合体(以下、「EPE」
という)などの溶融性のフッ素樹脂で包み込んだもの
(ラミネート化)等が用いられている。そして、例え
ば、PFAでラミネートされた識別表示体は、バーコー
ドが印刷されたPTFEのフィルムを二枚のPFAシー
トで挟んで金型に入れ、この2枚のPFAシートを相互
に融着させることにより製造されている。
【0004】しかし、上記PTFEなどのフッ素樹脂
は、非粘着性で、撥水・撥油性を示し、インクが付着し
にくい。そこで、プラズマ処理やスパッタリング処理な
どの物理的又は機械的処理を行い表面に微小の凹凸を形
成することにより、あるいは、液体アンモニアに金属ナ
トリウムを溶かした溶液で処理するなどのケミカルエッ
チングを行い表面を活性化することにより、それぞれイ
ンクが付着し易いようにしている。
【0005】また、特開平5-50028 号公報には、PTF
EやPEEK樹脂などの合成樹脂成形体の表面に着色材
料を塗布し、その後、該合成樹脂成形体の融点以下の温
度に加熱する工程を含む識別表示が付された合成樹脂製
品の製造方法が開示され、また、未焼成のPTFE成形
体を用いる場合、該加熱工程前に未焼成のPTFEフィ
ルムを予め180℃以上かつPTFEの融点以下の温度
で加熱処理することにより、インクの付着性を向上させ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、表面に
微小の凹凸があると、微細な印刷を施すことは困難であ
り、今後予想されるバーコードの小サイズ化や二次元バ
ーコードなどに対応出来ない。また、液体アンモニウム
に金属ナトリウムを溶かした溶液で処理したフッ素系の
合成樹脂の処理面は茶褐色となり、識別表示が読み取り
難く外観が悪くなると共に、処理表面が長い間太陽光線
にさらされると、接着性が低下するという問題があっ
た。また、特開平5-50028 号公報記載の加熱工程前の予
備処理を行ったとしても、未焼成のPTFEフィルムは
依然として、インクの付着性が不良であり、精密で微細
な印刷を施すことは困難であった。また、同号証には未
処理の合成樹脂成形体の表面に着色材料を塗布し、その
後、合成樹脂の融点以下の温度で加熱処理する工程が開
示されているが、未処理の(加熱処理工程前の)合成樹
脂は結晶化度が低く、且つ表面自由エネルギーが低いた
めインクの付着性が不良であり、精密で微細な印刷を施
すことは困難であった。
【0007】従って、本発明の目的は、鮮明な識別表示
が付され、各種読み取り機によって容易に読み取ること
のできる識別表示体の製造法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者はケミカルエッチング処理に伴う上記の問題点を
鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、ケミカルエッチング処理されたフッ
素樹脂成形体の表面に、着色材料を混合したインクで所
定の識別表示を印刷する工程と、該識別表示が印刷され
たフッ素樹脂成形体を酸化剤で酸化処理して、識別表示
が付されていないケミカルエッチング処理された表面部
分を脱色する工程と、フッ素樹脂成形体の表面に実質的
に透明な樹脂のシートを積層して積層体を形成し、該積
層体を金型で加熱圧縮成形し融着する工程と、から成る
識別表示体の製造法を提供するものである。
【0009】本発明においては、上記ケミカルエッチン
グ処理により、フッ素樹脂成形体の表面は活性化され、
インクが接着し易くなる一方、その表面は茶褐色に変色
する。そして、識別表示が付されたフッ素樹脂成形体
は、酸化剤により酸化処理されるため、識別表示が付さ
れていないケミカルエッチング層が酸化され、該ケミカ
ルエッチング層中の活性な炭素分は炭酸ガスとなって除
去される。一方、識別表示が付されているケミカルエッ
チング層は識別表示に含まれる顔料、バインダ等のイン
ク成分により保護されるため、当該酸化処理によっては
酸化されない。このため、該表面は脱色されて識別表示
は鮮明化される。また、当該酸化処理は、前記脱色作用
の他、識別表示のインクに含まれる有機成分を除去する
作用もある。このため、識別表示のインクに含まれる顔
料はケミカルエッチング層の表面に付着又は固着して識
別表示を安定化させる。このように、脱色作用と有機成
分除去又は炭化固着作用の双方の作用により、耐熱安定
性に優れ、鮮明な識別表示体を得ることができる。
【0010】また、本発明は、ケミカルエッチング処理
されたフッ素樹脂成形体の表面に、着色材料を混合した
インクで所定の識別表示を印刷する工程と、当該識別表
示が印刷されたフッ素樹脂成形体を酸化剤で酸化処理し
て、識別表示が付されていないケミカルエッチング処理
された表面部分を脱色する工程と、当該識別表示が印刷
されたフッ素樹脂成形体を加熱して、着色材料に含まれ
る有機成分を除去する工程と、フッ素樹脂成形体の表面
に実質的に透明な樹脂のシートを積層して積層体を形成
し、該積層体を金型で加熱圧縮成形し融着する工程と、
から成る識別表示体の製造法を提供するものである。す
なわち、本発明は前記方法と同様の効果を奏する他、脱
色工程と加熱処理工程を行うため、フッ素樹脂成形体の
識別表示が付されていないケミカルエッチング処理され
た表面部分の脱色と識別表示に含まれる有機成分の除去
又は炭化固着が安定して行われ、更に鮮明な識別表示体
を得ることができる。すなわち、加熱処理により、識別
表示のインクに含まれる有機成分は融解して、当該識別
表示部分のケミカルエッチング層に染み込み、そして分
解気化又は気化により除去されるか、炭化してケミカル
エッチング層と強固に固着する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の識別表示体の製造例を図
面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態にお
ける識別表示体の製造過程を示す要部断面図を示し、図
2は識別表示が印刷されたフッ素樹脂成形体の平面図を
示し、図3は透明の樹脂シートの平面図を示し、図4は
本発明の実施の形態における識別表示体の平面図を示
し、図5は積層体を金型にセットした状態を示す図であ
る。
【0012】図1(A)中、フッ素樹脂成形体1aは、
フッ素樹脂の融点以上の温度で焼成された成形体であ
る。そのフッ素樹脂成形体1aの形状としては、特に制
限されず、図1(A)に示すようなシート状又はフィル
ム状のものが好ましく用いられる。フッ素樹脂成形体1
aがシート状又はフィルム状の場合、フッ素樹脂成形体
1aの厚さとしては、特に制限されないが、25〜10
00μm が好ましく、特に50〜200μm が好まし
い。また、フッ素樹脂シート又はフィルムは、公知の方
法により製造すればよく、例えば、焼成された円筒形の
フッ素樹脂成形体から切削加工することにより、シート
状又はフィルム状のフッ素樹脂フィルム1aを得ること
ができる。また、フッ素樹脂としては、PTFEが好ま
しい。
【0013】次に、図1(B)に示すように、フッ素樹
脂成形体1aの識別表示が印刷される面にケミカルエッ
チング処理を施し、表面に厚さ10μm 前後のケミカル
エッチング層7を形成するフッ素樹脂成形体1bを得
る。ケミカルエッチング処理方法としては、特に制限さ
れないが、例えば、液体アンモニアに金属ナトリウムを
溶かした溶液で処理する方法が挙げられる。この処理に
よりフッ素樹脂成形体1bの表面は炭素化されたケミカ
ルエッチング層7が形成され、後にインクを付した場合
の付着性が向上する一方、該ケミカルエッチング層7は
茶褐色に変色し、識別表示の読み取り性を不良にする。
【0014】次に、図1(C)に示すように、ケミカル
エッチング処理されたフッ素樹脂成形体1bの表面は、
着色材料を混合したインクで所定の識別表示6が印刷さ
れる。当該識別表示6としては、識別目的に合わせて表
示されるものであり、文字、記号、数値、バーコード又
はこれらを組み合わせたものなどが挙げられる。また、
この識別表示6を印刷する方法としては、例えば、バー
コード印刷などの熱転写法、スクリーン印刷法、グラビ
ア印刷法、スピンコート法、はけ塗り法が挙げられ、特
に、バーコード印刷などの熱転写法が好ましい。着色材
料としては、フッ素樹脂成形体の表面に着色が発現され
るものであればよく、具体的には、フッ素樹脂成形体表
面の色と着色材料の色との明度、色相あるいは反射率な
どが異なるものであればよく、例えば、顔料及びワック
ス、樹脂成分、有機溶剤などの有機成分を含んだイン
ク、塗料などが挙げられる。通常、フッ素樹脂シートに
明色系充填剤を含有させ、表面に印刷される識別表示に
は、暗色系着色材料を用いることが好ましい。明色系充
填剤としては、例えば、酸化チタン、アルミナ、酸化亜
鉛、窒化ボロンなどが例示される。また、有機成分であ
るワックス又は樹脂の融点は40〜110℃、分解又は
気化温度は130〜320℃である。
【0015】次に、当該識別表示6が印刷されたフッ素
樹脂成形体1bを酸化剤で酸化処理して、識別表示が付
されていないケミカルエッチング処理された表面部分を
脱色する。酸化処理方法としては、フッ素樹脂成形体1
bを酸化剤に浸漬又は接触する方法が挙げられる。酸化
剤としては、塩素水、塩素ガス、過酸化水素、オゾン、
過マンガン酸カリウム、重クロム酸カリウム等が挙げら
れ、この中、過酸化水素が安全性と取扱性の点で好まし
い。過酸化水素は水と混合した溶液として用いてもよ
い。また、酸化剤が過酸化水素の場合、酸化処理温度は
過酸化水素の融点0.89℃より高く、沸点152.1
℃未満であればよいが、20〜60℃とすることが取扱
性の点で好ましい。酸化時間としては、30分〜24時
間である。この酸化処理により、識別表示が付されてい
ないケミカルエッチング層が酸化され、該ケミカルエッ
チング層中の活性な炭素分は炭酸ガスとなって除去され
る。このため、該表面は脱色されて識別表示は鮮明化さ
れる。一方、識別表示が付されているケミカルエッチン
グ層は識別表示に含まれる顔料の炭素により保護される
ため、該酸化処理によっては酸化されない。更に、当該
酸化処理により、識別表示のインクに含まれる有機成分
は除去され、識別表示のインクに含まれる顔料はケミカ
ルエッチング層の表面に付着又は固着して識別表示を安
定化させる。
【0016】また、本発明の方法において、当該識別表
示が印刷されたフッ素樹脂成形体を酸化剤で酸化処理し
て、識別表示が付されていないケミカルエッチング処理
された表面部分を脱色する工程(以下、「酸化工程」と
も言う)の次に、当該識別表示が印刷されたフッ素樹脂
成形体を加熱して、着色材料に含まれる有機成分を除去
する工程(以下、「加熱工程」とも言う)を設けてもよ
い。加熱工程の加熱温度はフッ素樹脂成形体のガラス転
移点以上、融点未満の範囲内であって、且つインクの有
機成分が分解する温度近傍が好ましく、フッ素樹脂とし
てPTFEを使用する場合、127℃以上、327℃未
満である。加熱時間としては、1〜20時間である。こ
の酸化工程と加熱工程により、フッ素樹脂成形体の脱色
と識別表示に含まれる有機成分の除去が安定して行わ
れ、更に鮮明で容易に消えることのない識別表示体を得
ることができる。
【0017】本発明の製造方法においては、少なくと
も、当該識別表示が印刷された面に、実質的に透明な樹
脂シートを積層する。積層方法としては、図5に示すよ
うに、当該積層体を金型に挟み込んで樹脂のシートの融
点以上、識別表示が印刷されたフッ素樹脂の融点未満の
温度で加熱圧縮成形し融着する方法が好ましい。実質的
に透明とは、着色材料による識別表示が外部から識別で
きる程度に透明であればよい。また、この実質的に透明
な樹脂シートとしては、特に制限されないが、例えば、
PFA、FEP又はEPEなどのフッ素樹脂シート、ポ
リエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(P
S)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエ
チレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェ
ニレンオキシド(PPO)などの各樹脂のシートが挙げ
られ、このうち、PFA、FEP又はEPEなどのフッ
素樹脂シートが好ましい。また、この実質的に透明な樹
脂シートの厚さとしては、特に制限されないが、耐薬品
透過性及び透明度の観点から、0.5〜2.0mmとする
のが好ましく、特に、0.7〜1.5mmが好ましい。
【0018】実質的に透明な樹脂シートの積層の形態と
しては、少なくとも、当該識別表示が印刷されたフッ素
樹脂の面に樹脂シートが積層されたものであればよく、
例えば、フッ素樹脂成形体の表裏面を覆うように2枚の
樹脂シートを用いて、その周縁を熱融着して包み込むよ
うに積層する形態などが挙げられる。また、樹脂シート
は、樹脂フィルムを含む概念である。
【0019】次に、透明な樹脂のシート2a、2bがP
FAシートの場合を例に挙げて説明する。図1(D)に
示すように、識別表示が印刷されたフッ素樹脂フィルム
1を表裏の両面からPFAシート2a、2bを積層さ
せ、積層体10を形成する。PFAシートの厚さとして
は、特に制限されないが、耐薬品透過性及び透明度の観
点から、0.5〜2.0mmとするのが好ましく、特に、
0.7〜1.5mmが好ましい。次に、積層体10は、図
5に示すように金型4、4間に配置される。
【0020】次いで、金型4内にて、PFAの融点以上
かつ識別表示が印刷されたフッ素樹脂の融点未満の温度
で加熱圧縮成形を行う。また、成形圧力は15kgf/cm2
以上が好ましい。成形圧力が低いとPFAの融着が不完
全となる虞がある。また、成形時間は5分間以上が好ま
しい。
【0021】次いで、上記加熱圧縮成形体は冷却され
る。冷却方法としては、特に制限されないが、水冷式の
冷却装置などを用いて、例えば、冷却速度は100℃/
分以上のように急速に冷却する方法が好ましい。このよ
うに急速な冷却を行うと、PFAの結晶化度が上がら
ず、透明度が上がる。このため、識別表示体の読み取り
を行う場合、PFAの厚さがある程度厚くても読み取り
が可能となる。
【0022】図1(E)に示すように、上記のような方
法で得られる識別表示体11は、印刷されたフッ素樹脂
フィルム1の周りをPFAシート2a、2bで包み込ま
れた構造になっており、PFAシート2a、2b同士は
その周縁部5で完全に融着している。
【0023】本発明の識別表示体は、様々な産業・物流
分野における商品などの識別用途及び工場などの製造ラ
インでは、物品の識別や仕分けなどの工程管理に利用さ
れ、特に、半導体製造ラインにおける工程管理の利用に
好適である。従って、識別表示体の形状としては、特に
制限されず、シート状及びフィルム状などの形状を採る
ことができる。
【0024】
【実施例】次に、実施例を挙げて、本発明を更に具体的
に説明する。 実施例1 微量の明色系充填材である酸化チタンを含有する焼成さ
れた厚さ200μmのPTFEシートを、液体アンモニ
ウムに金属ナトリウムを溶かした溶液でケミカルエッチ
ング処理した。該処理により、PTFEシートは茶褐色
に変色した。次に、バーコードプリンター及び熱転写リ
ボンB110C (東北リコー社製)を使用して、前記PTF
Eのケミカルエッチング処理面に小型化バーコードを印
刷した。この印刷はインク乗り良好で識別表示に欠陥は
認められなかった。次に、この識別表示を印刷したPT
FEフィルムを過酸化水素中に約25℃で12時間浸漬
させ酸化処理を行い、識別表示が付されていないケミカ
ルエッチング層を除去して脱色し、識別表示の有機成分
の一部を除去した(酸化工程)。次に、300℃で1時
間熱処理を行い、インクの残りの有機成分の一部を除去
した(加熱工程)。次に、図5に示すように、バーコー
ドを印刷したPTFEシートと厚さ約1,000μm のPF
Aシートを積層させ、金型に挿入し、面圧約20kgf/cm
2 、温度320℃で約7分間、加熱圧縮成形した。次
に、水冷式の冷却装置を用いて、冷却速度100〜15
0℃/分で25℃まで冷却を行った。この後、成形品を
金型から取り出し、PTFE識別表示体を得た。
【0025】実施例2 実施例1と同様に識別表示を印刷したPTFEフィルム
を過酸化水素中に約25℃で12時間浸漬させ酸化処理
を行い、識別表示が付されていないケミカルエッチング
層の脱色と識別表示の有機成分の除去を行った。そし
て、加熱工程を省略した以外は、実施例1と同様の方法
で行い、PTFE識別表示体を得た。
【0026】比較例1 識別表示を印刷したPTFEフィルムの過酸化水素によ
る酸化処理を行わなかった以外、実施例1と同様の方法
で行った。
【0027】各実施例及び比較例のPTFE識別体につ
いて、バーコード読み取り性の評価を行った。バーコー
ド読み取り性は、バーコード読み取り機により、識別表
示体100個の読み取りを行い、一回で読み取れた個数
で評価した。この結果、実施例1及び実施例2のPTF
E識別体は、100個中100個の読み取りができた。
また、比較例では100個中100個の読み取りができ
なかった。
【0028】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、フッ素樹脂
成形体の面はケミカルエッチング処理により活性化さ
れ、インクによる微細な印刷が可能である。従って、例
えば、二次元バーコードのような複雑な識別表示を行う
ことができる。また、ケミカルエッチング処理に伴う変
色は、酸化処理により脱色され、識別表示体の読み取り
性が向上する。また、脱色と同時にインクの有機成分が
除去されるため、インクの顔料がエッチング層に強く付
着し、識別表示を安定化させる。また、積層、融着工程
の後の急速な冷却により、透明な樹脂シートの透明度が
上がるため、バーコード読み取り機による読み取り性を
損なうことなく樹脂シートを厚くすることができる。こ
のため、耐薬品性が向上し、例えば、半導体製造ライン
で好ましく使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における識別表示体の製造
過程を示す要部断面図である。
【図2】識別表示が印刷されたフッ素樹脂成形体の平面
図である。
【図3】透明な樹脂シートの平面図である。
【図4】本発明の実施の形態における識別表示体の平面
図である。
【図5】積層体を金型にセットした状態を示す図であ
る。
【符号の説明】
1a フッ素樹脂成形体 1b ケミカルエッチング処理されたフッ
素樹脂成形体 2a、2b、2c 透明な樹脂シート 4 金型 5 融着部 6 識別表示 7 ケミカルエッチング層 10 積層体 11 識別表示体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−143677(JP,A) 特開 平3−254941(JP,A) 特開 平6−220229(JP,A) 特開 平6−126889(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G09F 1/02 B05D 5/06 B32B 27/16 G09F 3/00 - 3/02 G09F 3/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケミカルエッチング処理されたフッ素樹
    脂成形体の表面に、着色材料を混合したインクで所定の
    識別表示を印刷する工程と、 該識別表示が印刷されたフッ素樹脂成形体を酸化剤で酸
    化処理して、識別表示が付されていないケミカルエッチ
    ング処理された表面部分を脱色する工程と、 フッ素樹脂成形体の表面に実質的に透明な樹脂のシート
    を積層して積層体を形成し、該積層体を金型で加熱圧縮
    成形し融着する工程と、から成ることを特徴とする識別
    表示体の製造法。
  2. 【請求項2】 ケミカルエッチング処理されたフッ素樹
    脂成形体の表面に、着色材料を混合したインクで所定の
    識別表示を印刷する工程と、 該識別表示が印刷されたフッ素樹脂成形体を酸化剤で酸
    化処理して、識別表示が付されていないケミカルエッチ
    ング処理された表面部分を脱色する工程と、 当該識別表示が印刷されたフッ素樹脂成形体を加熱し
    て、着色材料に含まれる有機成分を除去する工程と、 フッ素樹脂成形体の表面に実質的に透明な樹脂のシート
    を積層して積層体を形成し、該積層体を金型で加熱圧縮
    成形し融着する工程と、から成ることを特徴とする識別
    表示体の製造法。
  3. 【請求項3】 前記酸化処理が、前記識別表示が印刷さ
    れたフッ素樹脂成形体を過酸化水素中に浸漬又は接触し
    て行うものであることを特徴とする請求項1又は2記載
    の識別表示体の製造法。
  4. 【請求項4】 前記フッ素樹脂成形体はケミカルエッチ
    ング処理を行う前に、該フッ素樹脂成形体の融点以上の
    温度で焼成されていることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項記載の識別表示体の製造法。
  5. 【請求項5】 前記フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロ
    エチレンである請求項1〜4のいずれか1項記載の識別
    表示体の製造法。
  6. 【請求項6】 前記フッ素樹脂成形体は明色系充填材を
    含有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    1項記載の識別表示体の製造法。
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