JP3496619B2 - ハイブリッド車両の点火時期制御装置 - Google Patents
ハイブリッド車両の点火時期制御装置Info
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Description
を駆動源とするハイブリッド車両に関し、特に、前記電
動機のみ運転していた状態から、前記内燃機関を始動す
るときの、内燃機関の点火時期の制御に関する。
リッド車両が知られている。また、内燃機関の効率が比
較的悪い、低速走行時などには、これを停止し、電動機
のみの駆動力により走行することが行われる場合があ
る。この電動機のみによる駆動状態から内燃機関を始動
する場合に、内燃機関の出力が急に立ち上がるために、
車両駆動力が急増し、車体振動が発生することがある。
この振動を軽減するために、内燃機関の始動時に、吸入
空気量、冷却水温、機関回転速度などから定まる点火時
期より遅角した点火時期に制御することが、従来行われ
ている。点火時期を送らせることにより、内燃機関の出
力を抑え、徐々に出力を増加させることにより、急激な
駆動力の増加を抑えている。
のみ運転している状態から、内燃機関を始動する際に、
その点火時期を常に一定の値に制御すると、始動要求の
原因に応じた内燃機関の出力の立ち上がりが得られない
という問題があった。つまり、内燃機関の始動の要求に
は、車両駆動力がより欲しいという要求、補機などの状
態による要求などがある。前者は、運転者のより速く加
速したいなどという要求に対し、電動機の出力に内燃機
関の出力を加えることで前記の要求を満足しようとする
場合である。また、後者は、電動機の電源となるバッテ
リの蓄電量が少なくなったときに、これに充電を行うた
めの要求や、空気調和装置のコンプレッサを駆動するた
めの要求などである。
なされたものであり、電動機のみ運転している状態か
ら、内燃機関の始動を行うとき、始動の要求の内容に応
じて内燃機関の出力調整を行うことを目的とする。
めに本発明のハイブリッド車両の点火制御装置は、電動
機のみ運転している状態で内燃機関の始動要求がなされ
たときに、前記始動要求が車両の駆動力を得るための要
求であるかを判断する手段と、前記駆動力を得るための
要求であると判断されたときに、前記内燃機関の始動時
の点火時期を前記駆動力を得るための要求とそれ以外の
要求とで異なる値に設定する手段と、を有している。
る手段は、前記駆動力を得るための要求である場合に
は、それ以外の場合よりも進角側に制御するようにでき
る。
実施形態という)を、図面に従って説明する。図1に
は、2種の原動機、すなわち内燃機関10と電動機12
を備えたハイブリッド車両の概略構成の一例が示されて
いる。内燃機関10と電動機12の一方または双方の出
力は、減速機または変速機(以下単に変速機と記す)1
4を介して駆動輪16に伝達され、車両を駆動する。電
動機12には、バッテリ18からインバータ20を介し
て三相交流電力が供給される。また、内燃機関10また
は車両の慣性により電動機12を駆動し、これを発電機
として作用させ、発電された電力を直流電力に変換して
バッテリ18に充電する。
制御部22により行われる。制御部22は、運転者から
の要求、内燃機関10の運転状態およびバッテリ18の
蓄電状態などから総合的に判断を行い、内燃機関10お
よび電動機12の運転を制御する。運転者からの要求
は、例えば、アクセルペダル、ブレーキペダルの各々の
操作量などの車両の駆動に関する要求、また空気調和装
置の運転を制御する要求などがある。空気調和装置の運
転に関する要求は、運転者が自動を選択することによっ
て、実際の運転は装置そのものが制御する場合もある。
内燃機関10の運転状態は、これを示す物理量、例えば
機関回転速度、冷却水温度、吸入空気量などに基づき判
断される。また、バッテリ18の蓄電量が常に監視され
ており、この蓄電量が所定値以下に低下した場合、内燃
機関10により電動機12を駆動して発電を行い、バッ
テリ18の充電を行う。制御部22は、運転者の駆動に
関する要求やバッテリ充電の要求などの要求と、前記運
転状態を示す物理量に基づき、燃料噴射量、点火時期、
スロットルバルブ開度などを制御することによって内燃
機関10の出力を制御する。電動機12の制御は、イン
バータ20を制御することにより行われる。具体的に
は、インバータ20内の制御素子のON−OFFを制御
することにより、バッテリ18からの直流電力を三相交
流に変換して、電動機12に供給する。電動機12が発
電機として作用している場合には、三相交流電力を直流
に変換して、バッテリ18に充電する。
制御、特に点火時期の制御にかかるフローチャートが示
されている。低速低負荷の走行においては、電動機12
のみにより駆動力を得た方が効率がよい。この状態で走
行中に、内燃機関の始動要求があると(S100)、点
火時期のなまし処理が実行され(S200)、内燃機関
10の出力が状況に応じた速さで立ち上がる。始動要求
は、運転者がより速く加速したいとアクセルペダルを踏
んだことにより発せられる出力要求(より出力を得たい
場合に相当)と、その他の理由による要求である自立要
求とがある。自立要求は、例えば、空気調和装置のコン
プレッサを駆動するため、バッテリ18に充電を行うた
め、車両速度が2種の原動機を使用する領域に入ったた
めなどにより内燃機関10を始動する必要が生じたとい
う要求である。
求の内容に応じた点火時期の制御が行われる。図3に示
す、なまし処理のルーチンに入ると、まずなまし処理が
実行中かの判断がなされる(S202)。具体的には、
なまし処理実行中を示すフラグ(以下、なまし処理フラ
グ)FがONとなっているかが判断される。このフラグ
Fは、後述するステップS216でONに設定される
が、なまし処理ルーチンが最初に実行されたときにはO
FFとなっている。このため、最初は、ステップS20
2にて、NOの判定がなされ、演算途中の暫定的ななま
し加算量(以下、算出用なまし加算量と記す)Taを、
クランク角で1°に設定する。一方、なまし処理がすで
に開始されている場合、すなわちステップS202で、
F=ONと判断された場合、後述するステップS224
にて設定されている、実際に制御に用いられるなまし加
算量Eaを算出用なまし加算量Taとする(S20
6)。さらに、実際に点火時期制御に用いられるなまし
点火時期Ebと、ステップS204またはS206で設
定された算出用なまし加算量Taを加えて、演算途中の
暫定的な算出用なまし点火時期Tbを算出する(S20
8)。この算出用なまし点火時期Tbと、吸入空気量や
冷却水温度、機関回転速度から求められた要求点火時期
との比較がなされる(S210)。算出用なまし点火時
期Tbの方が大きい、つまりより進角している場合は、
すでにこれ以上遅角させる必要がない、すなわち、なま
し処理をする必要がない場合であり、この場合は、算出
用なまし点火時期Tbを要求点火時期に設定する(S2
12)。また、なまし処理フラグFもOFFとして、な
まし処理が終了していることを示す(S212)。一
方、ステップS210で、算出用なまし処理点火時期T
bの方が遅角している場合、まだなまし処理が必要であ
ると判断され、ステップS212を飛び越してステップ
S214に移行する。
止制御しているルーチンから、停止を解除し、始動する
ために、変数を初期化する要求がなされているかが判断
される。初期化の要求は、後述するステップS224に
てクリアされるので、最初になまし処理のルーチンが実
行されたときのみYesの判断がなされる。初期化要求
があった場合、なまし処理フラグFをONとする(S2
16)。また、算出用なまし点火時期Tbを、出力要求
があったときの所定の初期値Aとする(S218)。同
時に、算出用なまし加算量Taを、出力要求があったと
きの所定の初期値aとする。
断される(S220)。自立要求であれば、算出用なま
し点火時期Ta、算出用なまし加算量Tbを、自立要求
時の初期値B、加算量bに設定し直す(S222)。そ
の後、初期化要求をクリアし、実際に制御に用いられる
なまし加算量Eaを算出用なまし加算量Taとする(S
224)。一方、ステップS220で、始動要求が自立
要求であると判断された場合には、ステップS222を
飛び越してステップS224に移行する。ステップS2
18〜S222によって、算出用なまし点火時期の初期
値Taおよび加算量Tbが、始動要求が出力要求であれ
ば、それぞれ初期値A、所定値aと設定され、それ以
外、つまり自立要求であれば初期値B、所定値bと設定
される。
なまし点火時期Ebを算出用なまし点火時期Taに設定
する(S226)。一方、ステップS214で、初期化
要求がないとされた場合にも、ステップS214に移行
する。したがって、なまし処理のルーチンが一旦実行さ
れた後は、ステップS216〜S224は、実行されな
いことになる。言い換えれば、ステップS216〜S2
24がなまし処理開始時の点火時期およびその後の点火
時期の加算量を決定している。
8,S222などにより、最初の点火時期が、始動要求
の内容に応じて初期値AかBかに制御される。その後、
ステップS208などにより、点火時期は、なまし処理
ルーチンを通るたびに、始動要求の内容に応じてaまた
はbだけ進角される。そして、吸入空気量や冷却水温な
どの物理量に基づく内燃機関の運転状態から算出された
点火時期まで進角した段階で、なまし処理の終了が判断
される。
期値Bより進角側に定めておけば、運転者がアクセルペ
ダルを踏み込んだときに、駆動力の立ち上がりの遅れが
少なくなる。また、自立始動のときには、内燃機関の出
力が立ち上がるために生じる振動、ショックが低減さ
れ、より快適な乗り心地となる。
ば、吸入空気量と機関回転速度の2次元マップとして与
えられる。このとき、吸入空気量が大きくなればより進
角側に、また機関回転速度が高くなればより進角側に制
御される。
定の値ではなく、運転状態によって、変更することが可
能である。例えば、出力要求時の初期値Aは、制御部2
2が運転者のペダル操作などに基づき算出した出力要求
値と、車両速度の2次元マップとして与えられる。ま
た、スロットルバルブ開度と車両速度の2次元マップと
して与えることもできる。この場合、出力要求値または
スロットルバルブ開度が大きいほど、初期値Aを進角側
に設定するようにし、より早く内燃機関の出力が立ち上
がるようにする。また、車両速度についても、速度が高
いほど進角側に設定するようにする。
は、例えば、以下のような場合が考えられる。車両速度
が高くなるに従って、進角側となる1次元マップとする
ことができる。これは、車両速度が高くなると、振動が
若干大きくなっても、搭乗者には感じられないと考えら
れるからである。
角側となる1次元マップとすることができる。燃料噴射
量が多い場合、より内燃機関の出力が大きくなることが
考えられるので、その分遅角して、振動の要因を少なく
するようにする。
変更することができる。パーキングレンジにレバーがあ
るときは、機械的に原動機の出力軸が固定(パーキング
ロック)されるため、出力増大の反力として車体への入
力が大きくなる可能性がある。このときも、急激な出力
の増大を起こさないように、初期値Bを遅角側に制御す
る。例えば、パーキングレンジのときには、他のレンジ
に対して10°遅角するように設定する。
動する場合にも遅角制御する。空気調和装置のスイッチ
がONとなっていれば、OFFの場合に対して10°遅
角側に制御する。空気調和装置のスイッチがONとなっ
ていれば、これによって、内燃機関の出力が高めに設定
されていることが考えられる。したがって、出力の立ち
上がりも急となる可能性があり、このためあらかじめ初
期値を遅角側に制御する。
駆動される補機用オルタネータの駆動負荷を考慮し、電
気負荷がある場合も遅角側に制御する。
値A,Bは、基本的には、出力要求時の初期値Aの方が
進角側に設定される。これにより、運転者のより大きな
駆動力を得たいという要求に対して、より早く駆動力を
増加させることができる。
まし加算量a,bについても別個に設定することができ
る。例えば、出力要求による始動時のなまし加算量aを
クランク角で4°、自立要求による始動時のなまし加算
量bを1°などと設定することができる。このようにす
れば、出力要求の場合は、より早く通常の出力を得られ
るようになる。さらに、初期値A,Bの場合と同様に、
なまし加算量a,bを出力要求値、車両速度などに基づ
き変更することができる。
ラムに従って動作することによって実行される。したが
って、制御部22は、始動要求が車両の駆動力を得るた
めの要求であるかを判断する手段、駆動力を得るための
要求であると判断されたか否かによって前記内燃機関の
始動時の点火時期を異なる値に設定する手段として機能
する。また、設定された点火時期に対して、前記内燃機
関の状態に応じた補正を行う補正手段としても機能す
る。
る。
かかる処理フローを示す図である。
点火時期制御にかかるフローを示す図である。
インバータ、22制御部。
Claims (7)
- 【請求項1】 内燃機関と電動機を駆動源とするハイブ
リッド車両において、 前記電動機のみ運転している状態で前記内燃機関の始動
要求がなされたときに、前記始動要求が車両の駆動力を
得るための要求であるかを判断する手段と、 前記駆動力を得るための要求であると判断されたとき
に、前記内燃機関の始動時の点火時期を前記駆動力を得
るための要求以外の要求による場合と異なる値に設定す
る手段と、を有するハイブリッド車両用の内燃機関の点
火時期制御装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載のハイブリッド車両用の
内燃機関の点火時期制御装置において、前記点火時期を
異なる値に設定する手段は、前記駆動力を得るための要
求である場合には、それ以外の場合よりも進角側に制御
するものである、点火時期制御装置。 - 【請求項3】 請求項1に記載のハイブリッド車両用の
内燃機関の点火時期制御装置において、さらに前記点火
時期を異なる値に設定する手段により設定された点火時
期に対して、前記内燃機関の状態に応じた補正を行う補
正手段を有する、点火時期制御装置。 - 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
ハイブリッド車両用の内燃機関の点火時期制御装置であ
って、前記駆動力を得るための要求以外の始動要求は、
空気調和装置のコンプレッサを駆動するための要求であ
る、点火時期制御装置。 - 【請求項5】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
ハイブリッド車両用の内燃機関の点火時期制御装置であ
って、前記駆動力を得るための要求以外の始動要求は、
前記電動機の電源となるバッテリに充電を行うための要
求である、点火時期制御装置。 - 【請求項6】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
ハイブリッド車両用の内燃機関の点火時期制御装置であ
って、前記駆動力を得るための要求以外の始動要求は、
当該車両の走行速度が内燃機関と電動機の双方を使用す
る速度域に入ったための要求である、点火時期制御装
置。 - 【請求項7】 内燃機関と電動機を駆動源とするハイブ
リッド車両において、 前記電動機のみ運転している状態で前記内燃機関の始動
要求がなされたときに、前記始動要求がアクセル操作に
よる車両の駆動力を得るための要求であるかを判断する
手段と、 前記駆動力を得るための要求であると判断されたとき
に、前記内燃機関の始動時の点火時期を前記駆動力を得
るための要求以外の要求による場合と異なる値に設定す
る手段と、を有するハイブリッド車両用の内燃機関の点
火時期制御装置。
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- 2000-03-21 JP JP2000079150A patent/JP3496619B2/ja not_active Expired - Lifetime
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