JP3495777B2 - 黒膜作製装置 - Google Patents
黒膜作製装置Info
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- JP3495777B2 JP3495777B2 JP05478994A JP5478994A JP3495777B2 JP 3495777 B2 JP3495777 B2 JP 3495777B2 JP 05478994 A JP05478994 A JP 05478994A JP 5478994 A JP5478994 A JP 5478994A JP 3495777 B2 JP3495777 B2 JP 3495777B2
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- black film
- small holes
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- Surface Treatment Of Glass (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は黒膜(人工リン脂質二重
膜)作製装置に関する。
膜)作製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の黒膜法では、テフロン板または筒
を切削して作製した小孔、あるいは疎水性有機物のフィ
ルムに穿孔して作製した小孔を用いていた。ここに、リ
ン脂質をnーデカン等の有機溶媒に溶いて細筆で塗布す
ると、溶媒が疎水表面に沿って広がり、また、比重差に
より小孔より下の方へと移動するため、小孔部分の溶媒
層の厚みが次第に減少し、遂には、ここにリン脂質2重
層膜、すなわち黒膜が形成される。しかしながら、上記
のような製作法により作られた装置では、小孔の幾何学
的形状をきちんと制御することはできず、また、小孔の
平面性を保つことも困難である。特に、上記のような手
法で小孔を作製すると、小孔部分の基板の厚みをある程
度以下まで薄くすることや、小孔部分の平面性を保つこ
とには多大の困難が伴い、この結果、再現性のある安定
な黒膜の作製には、ほとんど職人芸と言われるほどの熟
練を必要とされていた。
を切削して作製した小孔、あるいは疎水性有機物のフィ
ルムに穿孔して作製した小孔を用いていた。ここに、リ
ン脂質をnーデカン等の有機溶媒に溶いて細筆で塗布す
ると、溶媒が疎水表面に沿って広がり、また、比重差に
より小孔より下の方へと移動するため、小孔部分の溶媒
層の厚みが次第に減少し、遂には、ここにリン脂質2重
層膜、すなわち黒膜が形成される。しかしながら、上記
のような製作法により作られた装置では、小孔の幾何学
的形状をきちんと制御することはできず、また、小孔の
平面性を保つことも困難である。特に、上記のような手
法で小孔を作製すると、小孔部分の基板の厚みをある程
度以下まで薄くすることや、小孔部分の平面性を保つこ
とには多大の困難が伴い、この結果、再現性のある安定
な黒膜の作製には、ほとんど職人芸と言われるほどの熟
練を必要とされていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明においては、小孔
の形状を制御する、特に、黒膜を展開する方の小孔の断
面を鋭角とすることにより、リン脂質を溶解したnーデ
カンなどの溶液の「ぬけ」を良くし、かつ平面性を保つ
ことにより展開後の黒膜を安定にする。これにより、再
現性の良い安定な黒膜の製作が可能になる。
の形状を制御する、特に、黒膜を展開する方の小孔の断
面を鋭角とすることにより、リン脂質を溶解したnーデ
カンなどの溶液の「ぬけ」を良くし、かつ平面性を保つ
ことにより展開後の黒膜を安定にする。これにより、再
現性の良い安定な黒膜の製作が可能になる。
【0004】
【実施例】図1は、本発明による小孔の製作の実施例を
示したものである。まず、ガラス基板にフォトレジスト
を塗布し(a)、フォトリソグラフィーによりレジストに
小さい穴をあける(b)。これをフッ酸でエッチングする
と、エッチングは穴の部分から半球形に等方的に進むた
め、ガラス板を貫通した時に、レジストを塗布していな
い方の面にシャープなエッジ状の小孔が形成される
(c)。ただし、ガラスは親水性であるので、このままで
は黒膜の形成に使用できない。そこで、次に基板の表面
をシランカプラーで処理して疎水化する。この実施例で
は、小孔の周辺のみをアミノシラン、それ以外の部分を
フルオロシランでコーティングしている。フルオロシラ
ンは疎水性であり、アミノシランはフルオロシランに比
べ弱い疎水性である。図2は、本発明による装置で実施
した黒膜の展開を模式的に表したものである。本発明に
より製作された小孔は、エッジがシャープであるのでリ
ン脂質を展開するのに用いたnーデカン溶液の「ぬけ」
が良く容易に黒膜を形成でき、かつ膜が形成された時に
このシャープなエッジのところで固定されるので黒膜の
安定性が良い。これに加え、小孔の端面の平面性が良い
ことも膜の安定性に寄与するところが大きい。小孔付近
のアミノシランによるコーティングは、リン脂質膜を固
定するのに役立ち、それ以外の場所のフルオロシランコ
ーティングは余計な吸着を防止する。
示したものである。まず、ガラス基板にフォトレジスト
を塗布し(a)、フォトリソグラフィーによりレジストに
小さい穴をあける(b)。これをフッ酸でエッチングする
と、エッチングは穴の部分から半球形に等方的に進むた
め、ガラス板を貫通した時に、レジストを塗布していな
い方の面にシャープなエッジ状の小孔が形成される
(c)。ただし、ガラスは親水性であるので、このままで
は黒膜の形成に使用できない。そこで、次に基板の表面
をシランカプラーで処理して疎水化する。この実施例で
は、小孔の周辺のみをアミノシラン、それ以外の部分を
フルオロシランでコーティングしている。フルオロシラ
ンは疎水性であり、アミノシランはフルオロシランに比
べ弱い疎水性である。図2は、本発明による装置で実施
した黒膜の展開を模式的に表したものである。本発明に
より製作された小孔は、エッジがシャープであるのでリ
ン脂質を展開するのに用いたnーデカン溶液の「ぬけ」
が良く容易に黒膜を形成でき、かつ膜が形成された時に
このシャープなエッジのところで固定されるので黒膜の
安定性が良い。これに加え、小孔の端面の平面性が良い
ことも膜の安定性に寄与するところが大きい。小孔付近
のアミノシランによるコーティングは、リン脂質膜を固
定するのに役立ち、それ以外の場所のフルオロシランコ
ーティングは余計な吸着を防止する。
【0005】
【発明の効果】本法によれば、平面性の良い形状がきち
んと定まった小孔を製作することができるので、安定で
再現性の良い黒膜を製作することができる。
んと定まった小孔を製作することができるので、安定で
再現性の良い黒膜を製作することができる。
【図1】黒膜製作装置の作製例。
【図2】本発明の装置を用いた黒膜の製作(模式図)
1 ガラス基板
2 レジスト
3 小孔
4 フルオロシランコーティング
5 アミノシランコーティング
7 ガラス基板
8 リン脂質分子
9 フルオロシランコーティング
10 アミノシランコーティング
11 小孔部分にできた黒膜
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平5−253467(JP,A)
特開 平2−35941(JP,A)
特開 昭58−143536(JP,A)
特開 昭63−161626(JP,A)
特開 昭63−161628(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B05C 1/00 - 21/00
C03C 17/28
Claims (5)
- 【請求項1】表面が平坦な絶縁性の基板の一方からエッ
チングで貫通孔を加工することにより、他方の面に平坦
でかつ鋭角のエッジを持つ小孔を形成し、このエッジに
黒膜を張ることを特徴とする黒膜作製装置。 - 【請求項2】請求項1記載の黒膜作製装置において、絶
縁性の基板としてガラス基板を用いることを特長とする
黒膜作製装置。 - 【請求項3】請求項1記載の黒膜作製装置において、小
孔の加工にエッチングを用いることを特長とする黒膜作
製装置。 - 【請求項4】請求項1記載の黒膜作製装置において、小
孔を設けた基板の表面に疎水性の表面処理をすることを
特長とする黒膜作製装置。 - 【請求項5】請求項1記載の黒膜作製装置において、小
孔を設けた基板の表面に疎水性の度合いの異なる複数の
表面処理剤からなるパターン化された表面処理をするこ
とを特長とする黒膜作製装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05478994A JP3495777B2 (ja) | 1994-03-02 | 1994-03-02 | 黒膜作製装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05478994A JP3495777B2 (ja) | 1994-03-02 | 1994-03-02 | 黒膜作製装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07241512A JPH07241512A (ja) | 1995-09-19 |
JP3495777B2 true JP3495777B2 (ja) | 2004-02-09 |
Family
ID=12980531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05478994A Expired - Fee Related JP3495777B2 (ja) | 1994-03-02 | 1994-03-02 | 黒膜作製装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3495777B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101971013A (zh) * | 2008-08-26 | 2011-02-09 | 松下电器产业株式会社 | 人工脂质膜形成方法和人工脂质膜形成装置 |
CN109499818A (zh) * | 2018-12-11 | 2019-03-22 | 韩东良 | 一种齿轮防锈油刷涂机 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2233447B1 (en) * | 2007-12-18 | 2020-08-05 | Hoya Corporation | Cover glass for portable terminal, method for manufacturing cover glass for portable terminal, and portable terminal apparatus |
US8062489B2 (en) | 2009-10-07 | 2011-11-22 | Panasonic Corporation | Method for forming artificial lipid membrane |
CN102216773B (zh) * | 2009-10-07 | 2014-03-19 | 松下电器产业株式会社 | 人工脂质膜形成方法 |
JP6128554B2 (ja) * | 2013-07-26 | 2017-05-17 | 国立大学法人福井大学 | 脂質平面膜を形成するための貫通孔を有するガラス基板、およびその製造方法と用途 |
-
1994
- 1994-03-02 JP JP05478994A patent/JP3495777B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101971013A (zh) * | 2008-08-26 | 2011-02-09 | 松下电器产业株式会社 | 人工脂质膜形成方法和人工脂质膜形成装置 |
CN101971013B (zh) * | 2008-08-26 | 2013-06-19 | 松下电器产业株式会社 | 人工脂质膜形成方法和人工脂质膜形成装置 |
CN109499818A (zh) * | 2018-12-11 | 2019-03-22 | 韩东良 | 一种齿轮防锈油刷涂机 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07241512A (ja) | 1995-09-19 |
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Legal Events
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