JP3495448B2 - 等分岐光束分割素子 - Google Patents

等分岐光束分割素子

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JP3495448B2
JP3495448B2 JP04202395A JP4202395A JP3495448B2 JP 3495448 B2 JP3495448 B2 JP 3495448B2 JP 04202395 A JP04202395 A JP 04202395A JP 4202395 A JP4202395 A JP 4202395A JP 3495448 B2 JP3495448 B2 JP 3495448B2
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隆之 飯塚
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、光束を複数にかつ等光量に分岐
させる光束分割素子に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】この種の光束分割素子11
として、図1に示すように、複数の平行平面板(光学部
品)121 、122 ・・・12n のそれぞれの片面に、
所要の光束分割膜131 、132 ・・・13n をコーテ
ィングし、これらを接着剤14により接合し、この接合
された複数の平行平面板121 、122 ・・・12n
接合面と交差する方向に所要の角度で切断することによ
り、この切断面を入射面15及び出射面16として構成
したものが提案されている。最終の光束分割膜13n
反射率がほぼ100%(透過率0%)の反射膜である。
【0003】この光束分割素子11では、平行平面板1
2 の入射面15から入射される光束Lは、その一部が
光束分割膜131 を透過して平行平面板121 の出射面
16から出射光束L1 として出射され、残りは光束分割
膜131 で反射され、光束L1'として次の光束分割膜1
2 に向けて平行平面板122 内を進む。この光束L1'
は、その一部が光束分割膜132 で反射されて出射光束
2 として出射され、残りが透過して次の光束分割膜1
3 に向けて平行平面板123 内を進む。以下同様にし
て、光束分割膜134 〜13(n-1) における反射光束が
出射光束L4 〜L(n-1)3として取り出され、最終光束分
割膜(反射膜13n )で反射した光束が出射光束Ln
して出射される。
【0004】このような光束分割素子11において、各
分割光束L1 ないしLn の光量を等しくするには従来、
入射光量を1としたとき、各分割光束の光量が1/nと
なるように、各光束分割膜131 ないし13n の反射率
と透過率を定めていた。表1は、分割光束数が8の場合
の具体的な計算上の理想的な光反射率Rniと透過率Tni
の計算例である。光束分割数が8のとき、各分割光束の
理想光量は、1/8=0.125である。
【0005】
【表1】 光束分割膜No. 反射率Rni 透過率Tni 分割光束光量 131 0.875 0.125 0.125 132 0.143 0.857 0.125 133 0.167 0.833 0.125 134 0.200 0.800 0.125 135 0.250 0.750 0.125 136 0.333 0.667 0.125 137 0.500 0.500 0.125 138 1.000 0.000 0.125
【0006】ところが、このように各光束分割膜13n
について反射率と透過率を設定して作成した等分岐光束
分割光学素子は、実際に各分割光束の光量を測定する
と、設計通りの光量ではなく、後に分割される光束程、
光量が減少することが分かった。
【0007】
【発明の目的】本発明は、分割光束の光量を可及的に等
しくすることができる等分岐光束分割素子を得ることを
目的とする。
【0008】
【発明の概要】 本発明は、後に分割される光束程、光
量が減少する原因は、接着剤又は(及び)光学部品(ガ
ラス、透光性部材)における光の吸収が原因であること
を見出して本発明を完成したものである。すなわち本発
明は、3以上の光学部品を、接合面に光束分割膜を介在
させて接着剤を介して接合し、被分割光束をこれらの光
束分割膜で順次分割する光束分割素子であって、光束分
割数をn、各光束分割膜による分割光束の理想光量を1
/n、各光束分割膜における光束分割率をD i (i=分
割順位)としたとき、次の条件式 (1)を満足することを特徴としている。 (1)D i <1/(n+1−i)(n=iの場合を除
く) 但し、D i =R i (分割光束を光束分割膜での反射光とし
て取り出すとき、R i ;反射率) i =T i (分割光束を光束分割膜での透過光として取り
出すとき、T i ;透過率)、である。各光束分割膜にお
ける光の吸収率をAとするとき、さらに次の条件式
(2)を満足することが好ましい。 (2)D i =[(1−A)D i+1 ]/[1+(1−A)D
i+1
【0009】本発明は別の態様によると、同一の光学部
品に一つの光束入射面と、光束分割膜を有する複数の光
束射出面を設け、この光束入射面と複数の光束射出面と
は、該光束入射面から入射した光束が順次該複数の光束
射出面に反射される位置関係で設けられており、かつ、
各光束射出面の各光束分割膜の光透過率と光反射率を、
光学部品を光束が通過する間の光束の吸収を考慮して、
すべての光束出射面から出射される光束の光量が同一と
なるように、定め、光束分割数をn、各光束分割膜によ
る分割光束の理想光量を1/n、各光束分割膜における
光束分割率をDi(i=分割順位)としたとき、次の条
件式(1)を満足することを特徴としている。 (1)Di<1/(n+1−i)(n=iの場合を除
く) 但し、Di=Ri(分割光束を光束分割膜での反射光とし
て取り出すとき、Ri;反射率)Di=Ti(分割光束を
光束分割膜での透過光として取り出すとき、Ti;透過
率)、である。各光束分割膜における光の吸収率をAと
するとき、さらに次の条件式(2)を満足することが好
ましい。 (2)Di=[(1−A)Di+1]/[1+(1−A)D
i+1
【0010】
【0011】
【0012】
【発明の実施例】以下図示実施例について本発明を説明
する。本発明は、図1のタイプの等分岐光束分割素子、
つまり、最初の光束分割膜131 においては透過光束を
取出光束L1 とし、以降の光束分割膜132 〜13n
おいては反射光束を取出光束L1〜Ln とする等分岐光
束分割素子において、各光束分割膜の反射率Rn と透過
率Tn を、計算上の理想的な光透過率Tniと透過率Tni
に対して次のように設定する。
【0013】 最初の光束分割膜131 における反射率R1 >R1i 中間の光束分割膜132 〜13(n-1) における反射率R
n <Rni 最終の光束分割膜13n における反射率Rn ≦Rni 最初の光束分割膜131 における透過率T1 <T1i 中間の光束分割膜132 〜13(n-1) における透過率T
n >Tni 最終の光束分割膜13n における透過率Tn ≧Tni
【0014】以上の関係は、分割率Di の概念により、
次の条件式(1)のようにまとめることができる。 (1) Di <1/(n+1−i)(n=iの場合を除
く) 分割率Di は、分割光束を光束分割膜での反射光として
取り出すとき、Ri に等しく(Di =Ri )、分割光束
を光束分割膜での透過光として取り出すとき、Ti に等
しい(Di =Ti )。また、各光束分割膜における光の
吸収率をAとすると、さらに次の条件式(2)のように
まとめることができる。 (2) Di =[(1−A)Di+1 ]/[1+(1−
A)Di+1
【0015】表2は、図1のタイプの光束分割素子にお
いて、光束分割数を8とし、接着剤14における光の吸
収率が2%であるとしたときの具体的な各光束分割膜の
反射率と透過率の設定例と、各分割光束の光量を示して
いる。
【0016】
【表2】 光束分割膜No. 反射率Rn 透過率Tn 分割光束光量 131 0.884 0.116(D1) 0.114 132 0.134(D2) 0.866 0.114 133 0.158(D3) 0.842 0.114 134 0.192(D4) 0.808 0.114 135 0.243(D5) 0.757 0.114 136 0.327(D6) 0.673 0.114 137 0.495(D7) 0.505 0.114 138 1.000 0.000 0.114
【0017】表2の反射率Rn と透過率Tn (分割率D
n )値は、いずれも上記条件を満足している。
【0018】表3は、図1のタイプの光束分割素子にお
いて、光束分割数を8とし、接着剤14における光の吸
収率が4%であるとしたときの具体的な各光束分割膜の
反射率と透過率の設定例と、各分割光束の光量を示して
いる。
【0019】
【表3】 光束分割膜No. 反射率Rn 透過率Tn 分割光束光量 131 0.892 0.108(D1) 0.103 132 0.126(D2) 0.874 0.104 133 0.150(D3) 0.850 0.104 134 0.184(D4) 0.816 0.104 135 0.235(D5) 0.765 0.104 136 0.320(D6) 0.680 0.103 137 0.490(D7) 0.510 0.104 138 1.000 0.000 0.104
【0020】表3の反射率Rn と透過率Tn の値は、
(分割率Dn )値は、いずれも上記条件を満足してい
る。
【0021】図2は、すべての光束分割膜131 〜13
n において反射光束を取出光束L1〜Ln とする等分岐
光束分割素子の例である。この光束分割素子において、
光束分割数を8とし、接着剤14における光の吸収率が
2%であるとしたときの具体的な各光束分割膜の反射率
と透過率(分割率)の設定例を表4に示す。
【0022】
【表4】 光束分割膜No. 反射率Rn 透過率Tn 分割光束光量 131 0.116(D1) 0.884 0.114 132 0.134(D2) 0.866 0.114 133 0.158(D3) 0.842 0.114 134 0.192(D4) 0.808 0.114 135 0.243(D5) 0.757 0.114 136 0.327(D6) 0.673 0.114 137 0.495(D7) 0.505 0.114 138 1.000 0.000 0.114
【0023】図3、図4は、同一の光学部品に一つの光
束入射面と、光束分割膜を有する複数の光束出射面を設
けるタイプの光束分割光学素子21の実施例である。平
行平面板(光学部品)22は、その表裏の一面23に反
射膜23aが付され、他面24に、反射防止膜を付した
一つの光束入射面24aと、反射率と透過率の異なる光
束分割膜(光束出射面)241 ないし24n が形成され
ている。
【0024】光束入射面24aから入射した光束は、反
射膜23aで反射した後光束出射面241 に至り、光束
出射面241 で透過した光束が分割光束L11として取り
出される。光束出射面241 で反射した光束L11’は反
射膜23aに至って反射して次に光束出射面242 に至
り、光束出射面242 における透過光束が分割光束L12
として取り出される。以下以光束出射面242 ないし2
6 での反射光束L12’〜L16’は反射膜23aで反射
して、順次、図の下方の光束出射面243ないし24n
に至り、それぞれ透過光束が分割光束L13〜L1nとして
取り出される。
【0025】このタイプの光束分割光学素子21におい
ては、光束分割数をn、各光束出射面(光束分割膜)2
1 〜24n から出射する分割光束の理想光量を1/n
としたとき、各光束分割膜241 〜24n の反射率Rn
と透過率Tn を、平行平面板21による光の吸収がない
と仮定したときの理想光量を得るための計算上の反射率
niと透過率niに対し、次のように設定する。
【0026】最後の光束分割膜24n を除く光束分割膜
242 〜24n-1 における反射率Rn >Rni 最終の光束分割膜24n における反射率Rn ≧Rni 最後の光束分割膜24n を除く光束分割膜242 〜24
n-1 における透過率Tn <Tni 最終の光束分割膜24n における透過率Tn ≦Tni
【0027】以上の関係は、分割率Di の概念により、
次の条件式(1)のようにまとめることができる。 (1) Di <1/(n+1−i)(n=iの場合を除
く) 分割率Di は、分割光束を光束分割膜での反射光として
取り出すとき、Ri に等しく(Di =Ri )、分割光束
を光束分割膜での透過光として取り出すとき、Ti に等
しい(Di =Ti )。また、各光束分割膜における光の
吸収率をAとすると、さらに次の条件式(2)のように
まとめることができる。 (2) Di =[(1−A)Di+1 ]/[1+(1−
A)Di+1
【0028】図3、図4のタイプの光束分割素子におい
て、光束分割数を8とし、平行平面板21における光の
吸収率が2%であるとしたときの具体的な各光束分割膜
の反射率と透過率(分割率)の設定例を表5に示す。
【0029】
【表5】 光束分割膜No. 反射率Rn 透過率Tn 分割光束光量 241 0.884 0.116(D1) 0.114 242 0.866 0.134(D2) 0.114 243 0.842 0.158(D3) 0.114 244 0.808 0.192(D4) 0.114 245 0.757 0.243(D5) 0.114 246 0.673 0.327(D6) 0.114 247 0.505 0.495(D7) 0.114 248 0.000 1.000 0.114
【0030】図3、図4のタイプの光束分割素子におい
ては、面24に、平行平面板22と同一の材料からなる
別の光学部材を接着し、面24から入射及び出射する光
束が偏向しないようにすることもできる。
【0031】図1、図2の実施例においても、平行平面
板12の吸収を考慮して光束分割膜の反射率と透過率を
設定することができる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、分割光束の光量が可及
的に等しい光束分割素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による等分岐光束分割素子の実施例を示
す概念的断面図である。
【図2】同別の実施例を示す概念的断面図である。
【図3】同さらに別の実施例を示す概念的断面図であ
る。
【図4】図3のIV矢視図である。
【符号の説明】
11 21 光束分割素子 12 22 平行平面板 13n 光束分割膜 14 接着剤 23a 光束入射面 24n 光束出射面(光束分割膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/00 G02B 27/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3以上の光学部品を、接合面に光束分割
    膜を介在させて接着剤を介して接合し、被分割光束をこ
    れらの光束分割膜で順次分割する光束分割素子であっ
    て、光束分割数をn、各光束分割膜による分割光束の理
    想光量を1/n、各光束分割膜における光束分割率をD
    i(i=分割順位)としたとき、下記条件式(1)を満
    足することを特徴とする等分岐光束分割素子。 (1)Di<1/(n+1−i)(n=iの場合を除
    く) 但し、Di=Ri(分割光束を光束分割膜での反射光とし
    て取り出すとき、Ri;反射率) Di=Ti(分割光束を光束分割膜での透過光として取り
    出すとき、Ti;透過率)。
  2. 【請求項2】 請求項1において、各光束分割膜におけ
    る光の吸収率をAとするとき、さらに下記条件式(2)
    を満足する等分岐光束分割素子。 (2)Di=[(1−A)Di+1]/[1+(1−A)D
    i+1]。
  3. 【請求項3】 同一の光学部品に一つの光束入射面と、
    光束分割膜を有する複数の光束射出面を設け、この光束
    入射面と複数の光束射出面とは、該光束入射面から入射
    した光束が順次該複数の光束射出面に反射される位置関
    係で設けられており、かつ、各光束射出面の各光束分割
    膜の光透過率と光反射率を、上記光学部品を光束が通過
    する間の光束の吸収を考慮して、すべての光束射出面か
    ら出射される光束の光量が同一となるように、定め、光
    束分割数をn、各光束分割膜による分割光束の理想光量
    を1/n、各光束分割膜における光束分割率をDi(i
    =分割順位)としたとき、次の条件式(1)を満足する
    ことを特徴とする等分岐光束分割素子。 (1)Di<1/(n+1−i)(n=iの場合を除
    く) 但し、Di=Ri(分割光束を光束分割膜での反射光とし
    て取り出すとき、Ri;反射率)Di=Ti(分割光束を
    光束分割膜での透過光として取り出すとき、Ti;透過
    率)。
  4. 【請求項4】 請求項3において、各光束分割膜におけ
    る光の吸収率をAとするとき、さらに下記条件式(2)
    を満足する等分岐光束分割素子。 (2)Di=[(1−A)Di+1]/[1+(1−A)D
    i+1]。
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