JP3495059B2 - スライド装置 - Google Patents

スライド装置

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JP3495059B2
JP3495059B2 JP13725293A JP13725293A JP3495059B2 JP 3495059 B2 JP3495059 B2 JP 3495059B2 JP 13725293 A JP13725293 A JP 13725293A JP 13725293 A JP13725293 A JP 13725293A JP 3495059 B2 JP3495059 B2 JP 3495059B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家具製品における摺動
自在の引出し用のスライド機構に関する。本発明は特に
オフセットした外チャンネル部材とスライドの閉鎖およ
び係止を補助する順送りローラ(progressio
n roller)を有する3部構成の重荷重小型ボー
ルベアリング引出しスライド機構に関する。
【0002】
【従来の技術】摩擦を少なくして重荷重に耐えるように
するために、ファイルキャビネット内の調度および家具
等の引出しスライドには磨耗を減少させるベアリングが
採用される。医療、工業、およびその他の技術用途に使
用する専門的調度はしばしば薄い引出しおよび薄い引出
しスライドを必要とする。かかる用途は頑丈なスライド
を必要とする。完全伸張が必要とされるときの典型的荷
重を受けるために、通常、4セット・ボールベアリング
が必要とされる。しかし、4つの分離セットのボールベ
アリングはかかるスライドの小型化の障害になる。家具
調度設計者はスライドの断面形状を水平方向へ薄くした
いと望み、それにより引出しが摺動する開放部と比較し
てできるだけ広くする。更に、設計者はスライドを邪魔
しない垂直方向に浅い引出しの使用を可能にするスライ
ドを望む。
【0003】従来の殆どの引出しスライドにおいて、4
個の分離ボールベアリング組立体は隔置された垂直2軸
上に対で整列される。引出しスライドを水平方向へ薄く
するために、設計者は他対よりも狭い1対のベアリング
を相対的に垂直に分離することに焦点を当てる。これは
かかるベアリングの対の垂直軸を略同一線にして薄いス
ライドにする。
【0004】例えば、US特許第5,022,768号
(Baxter)は図1にボールベアリング対を略同一
線の垂直軸上にする従来スライド機構を開示している。
US特許第4,46,384号(Fler他)の図3,
4および7は類似の同一線軸スライドを開示している。
しかし、得られたスライドの断面形状は対称でなく、固
定キャビネット部材および可動引出し部材の各々が異な
る断面を有する分離構成を必要とする。これは製造費用
を増大させかつ該スライドの高さを高くする。
【0005】従って、引出しスライドの設計者は水平方
向へ薄くかつ垂直方向へ短く、種々の家具調度の取り付
け配置において障害のない設置を可能にするスライドの
提供を望んでいる。引出し設計者は、また、中央スライ
ド部材が構造的に安定しているスライドの提供を希望し
ている。スライド設計の他の目標はスライドの伸張のス
ムーズな制御である。US特許第4,662,761号
はローラ18を有する多部材構成スライドを開示してい
る。このスライドは4個の外側チャンネル部材とこれら
のチャンネルを結合するための分離プレート57,58
を必要とする。ベアリングは垂直同一線軸上に配設され
る。ローラ18は回転水平軸を有しかつスムーズな連続
運動(progressive movement)で
なく逐次段階的運動(sequential moti
on)をする。
【0006】US特許第3,966,23号は摩擦を与
える材料によるバンドを使用してボール保持器の連続運
動を制御するスライドを示す。US特許第3,901,
564号は回転水平軸を有する順送りローラ38を有す
るスライドを示す。該ローラは該スライドの外チャンネ
ル部材上に摩擦を与える。US特許第3,857,61
8号は図11に最良に示されたラック・ピニオン装置を
使用するボール保持器の制御を示す。このピニオンギア
は回転水平軸を有するがスライドチャンネル部材の底に
間隙を必要とし、それによりスライドの全長を長くす
る。穿孔がスライドに必要とされる。
【0007】US特許第3,679,275号は4個の
外チャンネル部材と垂直軸68上に設置されたローラ6
6を有する引出しスライドを示す。このローラは刻みを
付けた外面を有し、これが4個のチャンネル部材を一緒
に保持する外プレート16,36の内側面上に摩擦を付
与する。これはスライド部材面の特定準備を必要とする
ので製造コストを高くしかつ設計を複雑にする。同様
に、’275号は分離した2セットのスライド部材を必
要とする。
【0008】このように、従来技術は水平方向に薄く、
垂直方向に浅いまたは短い引出しスライド、および順送
りローラシステムの導入に成功していない。従来技術
は、更に、止め金として作用するスライドの閉鎖を可能
にしかつスライドが閉鎖されるときにローラ上の圧力を
解放する順送りローラを有するスライドを提供していな
い。特に、順送りローラを有する従来技術のスライドの
欠点は閉鎖時にローラがスライド内で恒常的に圧縮を受
けることである。この結果として、時間の経過によって
ローラは永久的平板化または変形する。これはスライド
の望ましくない揺れ運動の原因になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は上記
従来技術のこれらの問題点の解決を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は家具内の重い引出しを摺動自在に支持するた
めの薄型引出しスライド装置を提供する。本発明による
スライド装置は、相互に対して完全に伸張する完全伸張
位置まで伸張しかつ相互に対して完全に閉鎖する完全閉
鎖位置まで収縮する構成の、引出しまたは家具へ取り付
けられる、内スライド部材および外スライド部材、少な
くとも一つのベアリング保持器により回転自在に保持さ
れた複数のベアリング、および前記内スライド部材と前
記外スライド部材との間に摺動自在に設置され、かつ概
ね垂直の軸を中心に回転するように弾性順送りローラを
内設したローラ間隙窓を有する中心壁を含む中間スライ
ド部材を含み、前記順送りローラの周面が前記内スライ
ド部材および前記外スライド部材の内面と接触回転する
ように構成され、それにより前記内スライド部材および
前記外スライド部材の内面が前記順送りローラに所定レ
ベルの圧縮を加えて前記順送りローラを変形させ、かつ
前記内スライド部材および前記外スライド部材の各々が
少なくとも一つのローラ間隙窓を含み、前記内スライド
部材および前記外スライド部材が完全閉鎖位置へ相互に
対して収縮したときに前記順送りローラが前記ローラ間
隙窓から突出するように構成されていることを特徴と
し、それにより前記順送りローラの圧縮および変形を小
さくする。好適形態において、前記内スライド部材およ
び前記外スライド部材の前記ローラ間隙窓の各々はその
全幅が前記順送りローラの直径よりも小さい離隔した先
縁部および後縁部を含み、それにより前記内スライド部
材および前記外スライド部材が完全閉鎖位置にのときに
前記先縁部および後縁部は前記順送りローラの運動を阻
止する。
【0011】本発明は更にスライド機構を提供し、前記
スライド機構は、内スライド部材、外スライド部材、お
よび中間スライド部材によってその中間スライド部材上
に回転自在に保持された4セットのベアリングを含み、
前記中間スライド部材は中心壁、前記中心壁の両端部に
結合された垂直外方に対面する一対の第一ベアリング走
路、および前記一対の第一ベアリング走路の一端から傾
斜して外方へ延びた壁に各々が結合された垂直外方に対
面する一対の第二ベアリング走路を一体的に形成した結
合体を含むことを特徴とする。好適形態において、前記
スライド機構の前記中心壁は概ね垂直であり、かつ概ね
垂直の軸を中心に回転する順送りローラを備えたローラ
間隙窓を更に含み、前記順送りローラの周面は前記内ス
ライド部材および前記スライド部材の内部と接触回転す
るように構成されている。
【0012】前記スライド機構の好適形態において、前
記内スライド部材および前記外スライド部材は相互に対
して完全に伸張する完全伸張位置まで伸張しかつ相互に
対して完全に閉鎖する完全閉鎖位置まで収縮する構成で
あり、前記内スライド部材および前記外スライド部材の
内面は前記順送りローラに所定レベルの圧縮を加えて前
記順送りローラを変形させるように構成され、前記内ス
ライド部材および前記外スライド部材の各々は少なくと
も一つのローラ間隙窓を含み、前記内スライド部材およ
び前記外スライド部材が完全閉鎖位置へ相互に対して収
縮したときに前記順送りローラが前記ローラ間隙窓から
突出する構成であり、それにより前記順送りローラに加
わる圧縮レベルおよび前記順送りローラの変形を小さく
する。
【0013】前記スライド機構の好適形態において、2
つの平行に対向するベアリング保持器を含み、前記ベア
リング保持器の各々は上下保持アームと一体的に形成さ
れた概ね垂直の壁から成り、前記各保持アームは前記ベ
アリングを受けるための複数のポケットを有する。
【0014】本発明は更に家具の可動引出し用スライド
機構を提供し、前記スライド機構は、2つの対向する概
ねC形の内スライド部材および外スライド部材、前記内
スライド部材および前記外スライド部材上に前記内スラ
イド部材および前記外スライド部材により回転自在に保
持された複数のベアリング、ならびに中間スライド部材
を含み、前記中間スライド部材は中心壁、前記中心壁の
両端に結合された垂直方向外方に対面する一対の第一ベ
アリング走路、および前記一対の第一ベアリング走路の
一端から傾斜して外方へ延びた壁に各々が結合された一
対の第二ベアリング走路を一体的に形成した結合体を含
むことを特徴とする。前記家具の可動引出し用スライド
機構の好適形態において、前記中心壁は概ね垂直であ
り、かつ概ね垂直の軸を中心に回転する順送りローラを
内設したローラ間隙窓を更に含む。
【0015】前記家具の可動引出し用スライド機構の好
適形態において、前記中心壁は概ね垂直であり、かつ概
ね垂直の軸を中心に回転すべく圧縮下で前記中心壁内へ
取り付けられた順送りローラを更に含み、前記順送りロ
ーラの周面は前記内スライド部材および前記外スライド
部材の内面と接触回転するように構成されている。前記
家具の可動引出し用スライド機構の好適形態において、
前記内スライド部材および前記外スライド部材は相互に
対して完全に伸張する完全伸張位置まで伸張しかつ相互
に対して完全に閉鎖する完全閉鎖位置まで収縮し、前記
内スライド部材および前記外スライド部材の内面は所定
レベルの圧縮を前記順送りローラに加えて前記順送りロ
ーラを変形させる構成であり、前記内スライド部材およ
び前記外スライド部材の各々は少なくとも一つのローラ
間隙窓を含み、前記内スライド部材および前記外スライ
ド部材が完全閉鎖位置へ相互に対して収縮するときに前
記順送りローラが前記ローラ間隙窓から突出するように
構成されていて、それにより前記順送りローラに加わる
圧縮レベルおよび前記順送りローラの変形を小さくす
る。
【0016】前記「完全伸張位置」とは内スライド部材
および外スライド部材の一方が他方に対して反対方向へ
摺動し、相対的にそれ以上摺動、伸張しなくなる点であ
り、前記「完全収縮位置」とは、完全伸張位置と反対
に、内スライド部材および外スライド部材の一方が他方
へ相互に対して接近する方向へ摺動して相対的にそれ以
上接近できなくなる位置である。
【0017】
【作用】このように、本発明は4セットの略同一線で僅
かにオフセットさせて配設したボールベアリングを有
し、それにより3部構成スライドを水平方向へ薄く、垂
直方向へ短くしている。更に、4つの分離セットのベア
リングのための走路を有する単一中央部材を使用し、そ
れにより重い荷重を担持できる薄型、強力引出しスライ
ドの構成を可能にしている。
【0018】
【実施例】以下の好ましい態様に関する詳細な説明にお
いて、特定用語が説明の便宜から使用されている。しか
し、本発明は選択された特定用語に限定されず、実質的
に同様結果を達成する実質的同様方法により機能する同
様の全ての技術を含む。3部構成の引出しスライドにつ
いての概ねの構成は当業界に既知である。代表的従来ス
ライド、ボールベアリング保持器、チャンネル部材およ
びストッパ機構を示す関連開示物として、US特許第
4,537,450号(Baxter)、同第4,99
1,981号(Baxter)、および上述の特許があ
る。従って、3部構成の引出しスライドに関する一般的
構成および形状については上述特許を参照されたい。
【0019】図1は本発明による引出しスライド10の
断面図を示す。図6から11は図1のスライドの立面お
よび平面を示す。本発明の引出しスライドは外スライド
部材または外チャンネル部材20から成り、これは2態
様配置の第1配置において据え付け家具の内壁へ固定さ
れる。中間スライド部材30は外部材20内で摺動自在
である。更に、内スライド部材または内チャンネル部材
40は可動引出しの側壁の外面へ固定できる。第2態様
配置は図5に示されかつ後述される。ボールベアリング
70の第1セットは内スライド部材40の中間スライド
部材30に対する伸縮を可能にする。同様に、第2セッ
トのボールベアリング72は中間部材30と外部材20
との間に取り付けられて該中間部材の該外部材に沿った
摺動を可能にする。該チャンネル部材内へ保持するため
に、これらのベアリングはベアリング保持器またはボー
ルスペーサ74内に回転自在に取り付けられる。保持器
はベアリングを軸方向へ保持して各セットを一緒に維持
し、他方、該内外チャンネル部材と該中間スライド部材
30は該ベアリングを保持する。引出しが家具から完全
に引き出されないようにストッパ(図示せず)が設けら
れている。
【0020】チャンネル部材20,40は軸対称である
のが好ましい。スライド10は該チャンネル部材を介し
て引出しまたは家具へ取り付けられる。以下の説明は図
1の外チャンネル部材20の詳細に関するが、同一部が
内チャンネル部材40上で対称的対峙位置に設置され
る。該内外チャンネル部材は同一形態に製造できかつ反
対配置で組立てられてよく、所望スライド長に伸長でき
る。該両チャンネル部材は冷却圧延鋼または他の適宜材
料を使用して垂直方向へ細長い "C" 形断面に形成され
るのが好ましく、概ね垂直または平坦な外壁22、上下
で内方へ傾斜した壁26、および弧状の上下壁28を有
する。この明細書において、『内方』は中間スライド部
材30の中心軸へ向かう方向を意味する。上下壁28の
内面29はボールベアリング70,72の走路または軌
道を形成する。
【0021】中間スライド部材30は単一片の鋼または
他の適宜材料により形成されるのが好ましい。該中間部
材は圧延成形金属または中実押出し加工金属であってよ
い。単一構成は構造安定性を付加しかつ装置全体の製造
コストを低減する。更に、該中心部材は対称的であって
該機構の操作に悪影響を与えることなく倒立または裏返
しにされてよい。説明のために、図1の中間部材30の
詳細は図3の同一参照番号に対応する。当業者は図1の
中間部材が付加的に後述の順送りローラを含むことを除
いて図1と図3の中間部材が同一であることを理解する
であろう。
【0022】図3の中間スライド部材30は上および下
の短い水平壁34A,34Bと共にユニット形成された
中心垂直壁32から成る。好ましくは、該水平壁は該中
心壁に対して略直角に結合されている。鋭いまたはヘア
ピン曲げを使用して、上下の平行壁34A,34Bは弧
状走路部材36A,36Bへ結合されている。好ましく
は、該走路部材の各々は弧状走路面38A,38Bを含
む。該走路面はボールベアリング70,72のための第
2軌道またはベアリング面を有する。
【0023】その作用として、上記内外チャンネル部材
が軸方向へ移動するときに、ボールベアリング70,7
2は該内外チャンネル部材の内面29により形成された
軌道上および該中間スライド部材上の外方へ対面する走
路面38A,38B上で同時回転する。好ましくは、中
心壁32の中心垂直軸はこのスライドの重力の中心を形
成し、それによりチャンネル部材20の先端上に加わる
下方へのベアリング荷重は該中心壁の下方へ向かう。
【0024】中間部材30は更に走路部材36A,36
Bへ1端部で接続された傾斜アーム80A,80Bを含
む。傾斜アーム80A,80Bの反対端部は短い垂直壁
82A,82Bへ結合されている。これらの垂直壁は上
端部で弧状上下走路84A,84Bへ結合されている。
これらの上下走路は走路29に直接対峙するボールベア
リングの軌道または走路を形成する。この要素の組み合
わせは4セットのボールベアリングの略同一軸上への配
設を可能にしかつスライドの水平厚そして垂直長を最小
限にする中間部材を提供する。
【0025】上記中間部材の構造は、また、ボールベア
リング70,72の周りのより大きな『ラップ』(wr
ap)を可能にする。当分野に既知のごとく、『ラッ
プ』は走路により被覆または誘導されるベアリングの周
囲面積を言う。より大きなラップはこのスライドの横分
離(引っ張って離す)を防止する上で望ましい。図1お
よび3から明らかなように、ボールベアリング70,7
2は走路29,84A、および弧状壁28、および走路
面38A,38Bにより略完全に包囲されている。
【0026】図1のスライド10は、また、中心軸82
の垂直軸上で回転する順送りローラ80を含む。好まし
くは、該ローラは鋼コアを有する柔軟なゴム等の弾性材
料から成る。該中心軸は中間部材30の中心壁32の窓
または切り欠き86内に形成される。該スライドは後述
のごとく開閉し、該ローラの周面89はチャンネル部材
20,40の内面24,44に対して回転する。該ゴム
ローラと該金属チャンネル部材との接触により生じる摩
擦は該スライドの連続開閉をスムーズに制御する。従来
技術と異なり、該ローラの中心位置への取り付けは水平
方向に薄くそして垂直方向へ短いスライドにおける順送
りローラの使用を可能にする。
【0027】2部構成引出しスライドと異なり、3部構
成引出しスライドはキャビネットからの引出しの外方向
への完全な伸張を可能にする。該順送りローラはノイズ
を発生させることなく該スライドの伸張をスムーズに制
御する。順送りローラを有しない3部構成スライドはス
ライドが伸張するときにぶつかる引出しスライド部材に
よる若干の『クリック』を生じる。代表例として、従来
技術のスライドを具備する引出しが引っ張り出されると
きに、可動内部材は、先ず最初にその全長へ延びる。該
内部材上で内方へ突出する端タブはその中間部材の端部
材と衝突して『ピックアップ・ノイズ』(一種の『クリ
ック』)を発生して該中間部材を引っ張り出す。該スラ
イドが完全に伸張すると、該中間部材上の端タブが固定
外部材上でストッパタブと衝突する。この現象は当分野
で周知である。この現象は、第1に中間部材、続いて可
動内部材の伸張を可能にするが、2重のクリック効果は
同じである。
【0028】これに対して、本発明のスライドにおい
て、引出しが家具から引っ張り出されるときには、内部
材と中間スライド部材が順送りローラにより前方へ運ば
れる。結果として、両可動内部材と中間部材は同一速度
で固定外部材から延びて、ノイズまたは『クリック』の
発生を防止する。図1のスライドにおける順送りローラ
の作動は図6から11に示されている。図6および7
は、それぞれ、閉鎖位置の図1のスライドの立面および
断面を示す。少なくとも1つの間隙窓120が外チャン
ネル部材20内に設けられている。窓120は外チャン
ネル部材内の概ね矩形の切り欠きから成る。この窓は先
縁部122と後縁部124を有する。該スライドが閉鎖
されるときに、ローラ80は、図7のごとく、この窓か
ら突出し、かつ該ローラの周面は前縁部および後縁部1
22,124,142,144へ当接する。内チャンネ
ル部材40は前縁部142および後縁部144を有する
対応する切り欠きまたは窓140を有する。該スライド
が閉鎖されるときに、窓120,140は相互に対向す
る。この閉鎖位置において、該窓の該縁部は該ローラ上
の止め金として作用する。該スライド上へ僅かに側−側
圧力を加えることにより、突出した該ローラが縁部12
2,124,142,144と当接してスライドを停止
させる。
【0029】しかし、該スライドの摺動自在部材上へ強
い圧力を加えると、該ローラは該スライドの内側へ圧縮
し、縁部124,142下へ移動し、図8および9にお
いて誇張形態で示された変形形状を採る。図8に示され
たように、スライドが開放するときに、該ローラは窓1
20を通過して外部材20と内部材40の内面24,4
4間で圧縮される。ローラ80の圧縮により該チャンネ
ル部材上に摩擦が生じ、スライド部を確実にスムーズか
つ均衡比率で伸張させる。これは従来スライドに見られ
たぶつかり現象を解消する。本発明の順送りローラは、
また、スライド上の負荷の均衡を図り、それによりスラ
イドの寿命を延ばすことを特徴とする。
【0030】窓120は、また、ローラの圧縮制御機構
として作用する。スライドの内外スライド部材間にロー
ラを具備する従来スライドにおいて、該スライドが完全
に閉鎖するときでさえ該ローラは圧縮される。結果とし
て、経過時間によるローラの一定した圧縮がローラを変
形させる、または圧縮に対する引張応力を全体的に喪失
させる。これは当分野において『硬化現象』(taki
ng a set)として知られており、結果的にロー
ラを機能不全にする。本発明において、スライドと引出
しが完全に閉鎖するときに、窓120,140はローラ
の圧縮による引張応力を解放する。該窓は連続圧縮時に
フラットスポットがローラ上に形成されるのを防止す
る。これはローラの寿命を延ばしかつその性能を改善す
る。
【0031】本発明のローラは、また、図10および1
1に示されたように、自己閉鎖効果を有する。図10は
図7および9の断面図を示し、ここではスライドのチャ
ンネル部材は殆ど閉鎖されている。この位置において、
窓120,140は僅かにオフセットされ、ローラ80
は楕円形になる。ローラ80の周面の一部は窓120,
140へ延び、かつ該ローラの一部はスライド内で圧縮
されている。この位置で、図11の矢印200,210
により示されたように回転により引張が該ローラに生じ
る。この引張は該ローラを付勢して回転させ、それによ
りスライドを完全に閉鎖させる。従って、使用者が引出
しを完全に閉鎖するつもりで不十分な圧力で引出しを押
す場合のように、スライドが中途半端に閉鎖されると、
ローラはスライド(そして引出し)を付勢して閉鎖させ
る。これはスライドおよび引出しが僅かに開いた位置で
停止するのを防ぐ。
【0032】他の態様において、上記窓の前縁部と後縁
部は一定角度で形成されるか、または斜角にされて該窓
の止め金作用を促進または妨害する。上記ローラは更に
スライドの『クリープ』を防止する。内外チャンネル部
材上へローラにより圧縮下で加えられる摩擦はスライド
を移動させるために必要な力を付与する。これは、十分
な力がスライド上に加えられてローラにより加わる摩擦
を克服するまで、スライドを所望位置に維持する。
【0033】他の態様において、内外スライド部材は多
数の窓を有し、それにより窓の止め金またはスライドの
多数停止位置として機能させる。上記ローラはいずれの
弾性材料または合成材料により形成されてもよい。図2
を参照すると、他の態様のスライドが示されている。左
右対称的な内外チャンネル部材またはチャンネル手段4
0,20がスライドを家具および引出しへ滑走自在に取
り付けるために設けられる。1以上の孔48が垂直壁内
に設けられていて、ねじ切りした固定具50によりスラ
イド装置の引出しまたは家具への固定が確実にされる。
好ましくは、6番なべ頭ネジがスライドを家具へ固定す
るために使用される。当然ながら、適宜タイプの固定具
が使用できる。上記ローラが該固定具の頭部上でまたは
それに対して回転しないようにするために該固定具は該
チャンネル部材または部材面へ一致させる。該固定具は
溝を逆に切った平頭ねじ切りネジまたは差し込みピンを
含んでよい。
【0034】同様に、図2の態様において、走路部材8
4A,84Bは付加的ヘアピン曲げを経て2次的走路部
材86A,86Bへ結合されている。これらの部材は上
記中間部材のために2重厚の走路を有し、それによりス
ライドに加わる負荷を大きくする。図3の態様におい
て、ボールベアリング70は左右のブリッジ型ベアリン
グ保持器60L,60Rに保持される。該ボールベアリ
ング保持器は対称的に同一であり、それにより単一型の
保持器を装置の両側で使用できるので製造コストを低減
する。当分野で知られるように、各ブリッジ型ベアリン
グ保持器は2セットのボールベアリングを保持して両セ
ットの同期的移動を可能にする。左右両保持器60L,
60Rは同様配置において対応部を有する。左ボールベ
アリング保持器60Lは中心垂直壁62を有する。垂直
壁62は上下傾斜壁64A,64Bに結合されている。
各傾斜壁は複数の置隔された孔またはポケット(図示せ
ず)を有し、そこでボールベアリングは回転する。ボー
ルベアリング保持器の大体の構成は当分野に周知であ
る。例えば、US特許第4,991,981号(Bax
ter)に開示のボールベアリング保持器はここで説明
した機構に組み入れるのに好適である。
【0035】他の態様が図4に示されている。この態様
において、中央部材30は垂直中心壁32を含まない。
その代わりに、水平中心壁33が鋭い曲げを介して2つ
の短い垂直壁35A,35Bの1端部へ結合されてい
る。該壁の反対端部は走路部材36A,36Bへ接続し
ている。垂直中心壁32に代わる水平中心壁の使用は図
4の態様を図1,2および3の態様よりも垂直方向へ短
くさせることができる。好ましくは、図4の側の全長は
略32mmであり、その全幅は約13mmである。図4の態
様は高い強度、頑丈な小型引出しスライドを提供し、4
セットのベアリングは垂直および水平方向へコンパクト
配置されている。
【0036】図5に示されたように、上記チャンネル部
材のオフセット位置は上記第2配置におけるスライドの
引出しおよび家具への取付けを容易にする。従来技術に
おいて、図5の配置で、引出しスライドを設置するには
スライド取り付けブラケット(図示せず)が必要とされ
る。本発明のオフセットチャンネル部材配置では可動チ
ャンネル部材20の上面は引出しの負荷受け部材として
の作用をする。
【0037】この配置において、U形ブラケット90は
溶接または適宜固定具の使用、またはチャンネル部材4
0の外面上に設けられた差し込みピンを使用してチャン
ネル部材40へ固定される。該ブラケットは概ね垂直の
壁92、該垂直壁へ直角に結合された水平底壁94、お
よびスライドへ結合されてよい内垂直壁96から成るも
のであってよい。好ましくは、チャンネル部材40は垂
直壁96へ溶接されるか、または固定具105を使用し
てそこへ固定される。該ブラケットはネジ91等の適宜
固定具を使用して家具へ固定できる。
【0038】引出し100は上下壁110,108を有
し、該上下壁は内垂直壁104により間隔を置く。保存
スペース106が引出し内に設けられている。内垂直壁
102は垂直壁104から間隔を置いて設けられてい
る。好ましくは、チャンネル部材または引出しブラケッ
ト20はブラケットまたは他の固定手段(図示せず)を
使用して壁102へ固定される。
【0039】上記引出しは、また、負荷受け壁114を
有し、この壁114はスライドの弧状壁28上へ直接的
に設置されてよい。これはチャンネル部材20の引出し
から中央ブラケットへの負荷伝達を可能にし、それによ
り固定手段が使用される位置上の剪断負荷を減少させ
る。引出しが開放するときに引出しスライドが見えるの
を防ぐために帯状パネル120が設けられてよい。
【0040】上記ボールベアリングは鋼、プラスチッ
ク、セラミック、その他の適宜材料により構成されてよ
く、上記スライド部材は鋼、ステンレス鋼、プラスチッ
ク、アルミニウム、その他の適宜材料で形成されてよ
い。上述のごとく、本発明は家具へ引出しを容易に取り
付けかつスムーズに摺動させるための新規かつ独創的装
置を提供する。ユニット形成された中心または中間スラ
イド部材は4セットのボールベアリングのための複数の
走路を有し、製造コストを低減し、かつ従来技術よりも
簡単な構成にしている。本発明による引出しスライドは
当分野に既知の机の伸縮自在筆記面等の種々の引出し式
でない用途等にも使用できる。
【0041】本発明はここに説明した以上の多くの他の
方法に実用化できる。例えば、図面は壁の形状および寸
法を特定するものでなく、これらは変更できる。1例と
して、細長いプラスチック紐が上記チャンネル部材の内
面へ固定されてよく、それにより順送りローラによる摩
擦を増大させることができる。かかるプラスチック紐は
スムーズであっても滑り止め刻みを有していてもよい。
積極的連続性(progression)は該紐をラッ
クとして形成しかつスムーズなローラの代わりにピニオ
ンギアを使用することにより得られる。金属家具上へス
ライドを容易に取り付けるために差し込みピン取り付け
タブが上記チャンネル部材内に形成されてよい。上記チ
ャンネル部材へ突出する固定具の使用はその態様に非実
用的であるので、差し込みピンは図1および4の態様が
好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による順送りローラを有する3部構成引
出しスライドの第1態様の断面図である。
【図2】2重厚の中間部材走路を有し、ベアリング保持
器を具備せずかつスライド固定具を示す本発明による引
出しスライドの第2態様の断面図である。
【図3】順送りローラを有しない引出しスライドの第3
態様の断面図である。
【図4】本発明による引出しスライドの第4態様の断面
図である。
【図5】引出しおよび家具に固定された図1のスライド
を示す引出し組立体の部分立面図である。
【図6】完全に閉鎖した位置にあるスライドを示す図1
の引出しスライドの立面図である。
【図7】図6の7−7線に沿った図1および6のスライ
ドの断面図である。
【図8】開放位置にあるスライドを示す図1の引出しス
ライドの立面図である。
【図9】ローラを誇張表示した図8の9−9線に沿った
図1および8のスライドの断面図である。
【図10】略閉鎖位置にある図1のスライドの部分断面
図である。
【図11】ローラ上の回転応力を示す図10のスライド
の部分概略図である。
【符号の説明】
10…引出しスライド 20…外チャンネル部材または外スライド部材 30…中間スライド部材 40…内スライド部材または内チャンネル部材 70…第1セットのボールベアリング 72…第2セットのボールベアリング 74…ベアリング保持器またはボールスペーサ 80…ローラ 86,120,140…窓または切り欠き 60L,60R…ベアリング保持器 100…引出し
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェームズ オングレイ アメリカ合衆国,カリフォルニア 91207,グレンダール,オーケンゲート ドライブ 1613 (56)参考文献 特開 平4−54906(JP,A) 米国特許5022768(US,A) 米国特許3679275(US,A) 米国特許3912341(US,A) 英国特許783826(GB,B) 英国特許659534(GB,B) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47B 88/00- 88/22

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に対して完全に伸張する完全伸張位
    置まで伸張しかつ相互に対して完全に閉鎖する完全閉鎖
    位置まで収縮する構成の、引出しまたは家具へ取り付け
    られる、内スライド部材および外スライド部材、 少なくとも一つのベアリング保持器により回転自在に保
    持された複数のベアリング、および 前記内スライド部材と前記外スライド部材との間に摺動
    自在に設置され、概ね垂直の軸を中心に回転するように
    弾性順送りローラを内設したローラ間隙窓を有する中心
    壁を含む中間スライド部材を含み、 前記順送りローラの周面が前記内スライド部材および前
    記外スライド部材の内面と接触回転するように構成さ
    れ、それにより前記内スライド部材および前記外スライ
    ド部材の内面が前記順送りローラに所定レベルの圧縮を
    加えて前記順送りローラを変形させ、かつ 前記内スライド部材および前記外スライド部材の各々が
    少なくとも一つのローラ間隙窓を含み、前記内スライド
    部材および前記外スライド部材が完全閉鎖位置へ相互に
    対して収縮したときに前記順送りローラが前記ローラ間
    隙窓から突出する構成であり、それにより前記順送りロ
    ーラの圧縮および変形を小さくするスライド装置。
  2. 【請求項2】 前記内スライド部材および前記外スライ
    ド部材の前記ローラ間隙窓の各々はその全幅が前記順送
    りローラの直径よりも小さい離隔した先縁部および後縁
    部を含み、それにより前記内スライド部材および前記外
    スライド部材が完全閉鎖位置にのときに前記先縁部およ
    び後縁部は前記順送りローラの運動を阻止する、請求項
    1のスライド装置。
  3. 【請求項3】 内スライド部材、外スライド部材、およ
    び中間スライド部材によってその中間スライド部材上に
    回転自在に保持された4セットのベアリングを含み、 前記中間スライド部材は中心壁、前記中心壁の両端部に
    結合された垂直外方に対面する一対の第一ベアリング走
    路、および前記一対の第一ベアリング走路の一端から傾
    斜して外方へ延びた壁に各々が結合された垂直外方に対
    面する一対の第二ベアリング走路を一体的に形成した結
    合体を含み、 前記中心壁は概ね垂直でありかつ概ね垂直の軸を中心に
    回転する順送りローラを備えたローラ間隙窓を更に含
    み、前記順送りローラの周面は前記内スライド部材およ
    び前記外スライド部材の内部と接触回転するように構成
    されている、スライド機構。
  4. 【請求項4】 前記内スライド部材および前記外スライ
    ド部材は相互に対して完全に伸張する完全伸張位置まで
    伸張しかつ相互に対して完全に閉鎖する完全閉鎖位置ま
    で収縮する構成であり、前記内スライド部材および前記
    外スライド部材の内面は前記順送りローラに所定レベル
    の圧縮を加えて前記順送りローラを変形させるように構
    成され、前記内スライド部材および前記外スライド部材
    の各々は少なくとも一つのローラ間隙窓を含み、前記内
    スライド部材および前記外スライド部材が完全閉鎖位置
    へ相互に対して収縮したときに前記順送りローラが前記
    ローラ間隙窓から突出する構成であり、それにより前記
    順送りローラに加わる圧縮レベルおよび前記順送りロー
    ラの変形を小さくする、請求項3のスライド機構。
  5. 【請求項5】 2つの平行に対向するベアリング保持器
    を含み、前記ベアリング保持器の各々は上下保持アーム
    と一体的に形成された概ね垂直の壁から成り、前記各保
    持アームは前記ベアリングを受けるための複数のポケッ
    トを有する、請求項3のスライド機構。
  6. 【請求項6】 2つの対向する概ねC形の内スライド部
    材および外スライド部材、前記内スライド部材および前
    記外スライド部材上に前記内スライド部材および前記外
    スライド部材により回転自在に保持された複数のベアリ
    ング、ならびに中間スライド部材を含み、 前記中間スライド部材は中心壁、前記中心壁の両端に結
    合された垂直方向外方に対面する一対の第一ベアリング
    走路、および前記一対の第一ベアリング走路の一端から
    傾斜して外方へ延びた壁に各々が結合された一対の第二
    ベアリング走路を一体的に形成した結合体を含み、 前記中心壁は概ね垂直でありかつ概ね垂直の軸を中心に
    回転する順送りローラを内設したローラ間隙窓を含む、
    家具の可動引出し用スライド機構。
  7. 【請求項7】 前記順送りローラの周面は前記内スライ
    ド部材および前記外スライド部材の内面と接触回転する
    ように構成されている、請求項6のスライド機構。
  8. 【請求項8】 前記内スライド部材および前記外スライ
    ド部材は相互に対して完全に伸張する完全伸張位置まで
    伸張しかつ相互に対して完全に閉鎖する完全閉鎖位置ま
    で収縮し、前記内スライド部材および前記外スライド部
    材の内面は所定レベルの圧縮を前記順送りローラに加え
    て前記順送りローラを変形させる構成であり、前記内ス
    ライド部材および前記外スライド部材の各々は少なくと
    も一つのローラ間隙窓を含み、前記内スライド部材およ
    び前記外スライド部材が完全閉鎖位置へ相互に対して収
    縮するときに前記順送りローラが前記ローラ間隙窓から
    突出するように構成されていて、それにより前記順送り
    ローラに加わる圧縮レベルおよび前記順送りローラの変
    形を小さくする、請求項7のスライド機構。
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