JP3494493B2 - 電気溶融炉の電極構造 - Google Patents
電気溶融炉の電極構造Info
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- JP3494493B2 JP3494493B2 JP00048795A JP48795A JP3494493B2 JP 3494493 B2 JP3494493 B2 JP 3494493B2 JP 00048795 A JP00048795 A JP 00048795A JP 48795 A JP48795 A JP 48795A JP 3494493 B2 JP3494493 B2 JP 3494493B2
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- Gasification And Melting Of Waste (AREA)
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般廃棄物や産業廃棄
物の焼却に伴って発生した燃え殻(焼却灰)や煤塵(飛
灰)、廃棄物等を溶融する際に用いる上部電極と炉底電
極を備えた電気溶融炉(直流アーク炉)の電極構造の改
良に関する。
物の焼却に伴って発生した燃え殻(焼却灰)や煤塵(飛
灰)、廃棄物等を溶融する際に用いる上部電極と炉底電
極を備えた電気溶融炉(直流アーク炉)の電極構造の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、上部電極と炉底電極を備えた直
流アーク炉に於いては、電流の大部分が電気抵抗の小さ
い電極間の最短部を流れる傾向にある。そのため、結果
として炉の上部電極下部の温度が他の部分の温度より上
昇し、対流等による伝熱により炉内各部の被溶融物(焼
却灰等)が順次溶融されて行くことになる。
流アーク炉に於いては、電流の大部分が電気抵抗の小さ
い電極間の最短部を流れる傾向にある。そのため、結果
として炉の上部電極下部の温度が他の部分の温度より上
昇し、対流等による伝熱により炉内各部の被溶融物(焼
却灰等)が順次溶融されて行くことになる。
【0003】ところで、上述の如き溶融炉では必然的に
炉内に温度差が起生し、必要以上の高温となっている部
分では低沸点物質が大量に揮散し、熱損失等が増大する
ことになる。また、逆に所要温度に達していない部分で
は、溶融速度の低下や溶融物の流動性の低下を招くこと
になり、最悪の場合にはスラグ排出口部分のスラグ温度
の低下により、溶融物が円滑に排出口から出湯しないと
云う現象が起生する。
炉内に温度差が起生し、必要以上の高温となっている部
分では低沸点物質が大量に揮散し、熱損失等が増大する
ことになる。また、逆に所要温度に達していない部分で
は、溶融速度の低下や溶融物の流動性の低下を招くこと
になり、最悪の場合にはスラグ排出口部分のスラグ温度
の低下により、溶融物が円滑に排出口から出湯しないと
云う現象が起生する。
【0004】一方、上述の如き問題を解決する方策とし
て、炉底を導電性の耐火材で形成し、炉底全域を一方の
電極とすることにより、溶融物内を電流が均等に流れる
ようにした技術が開発されている(特公昭61−289
14号等)。しかし、上記特公昭61−28914号等
の技術にあっても、溶融物の電気抵抗がその温度によっ
て変化する等の理由により、実際には溶融物内を流れる
電流がなかなか均等とならず、その結果炉内温度も均一
にならないのが現実の状態である。
て、炉底を導電性の耐火材で形成し、炉底全域を一方の
電極とすることにより、溶融物内を電流が均等に流れる
ようにした技術が開発されている(特公昭61−289
14号等)。しかし、上記特公昭61−28914号等
の技術にあっても、溶融物の電気抵抗がその温度によっ
て変化する等の理由により、実際には溶融物内を流れる
電流がなかなか均等とならず、その結果炉内温度も均一
にならないのが現実の状態である。
【0005】また、出湯時のスラグ排出口に於ける溶融
物の冷却固化を防止するため、スラグ排出口に補助電
極や補助バーナを設置したり、或いは、上部電極を傾
動自在に支持し、必要に応じて排出口をアーク照射領域
内に含めて加熱するようにした技術が開発されている
(特開平6−257725号等)。しかし、前者のの
方法では、補助電極や補助バーナ等の付帯設備によって
溶融炉全体の構造が複雑になる。また、後者のの方法
でも、上部電極の構造が複雑になって溶融炉の設備費が
高くつくと云う難点がある。
物の冷却固化を防止するため、スラグ排出口に補助電
極や補助バーナを設置したり、或いは、上部電極を傾
動自在に支持し、必要に応じて排出口をアーク照射領域
内に含めて加熱するようにした技術が開発されている
(特開平6−257725号等)。しかし、前者のの
方法では、補助電極や補助バーナ等の付帯設備によって
溶融炉全体の構造が複雑になる。また、後者のの方法
でも、上部電極の構造が複雑になって溶融炉の設備費が
高くつくと云う難点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従前の焼却
灰等を溶融する直流アーク炉に於ける上述の如き問題、
即ち、炉底を導電性耐火材で形成することにより炉内
温度の均一化を図る方法では、炉が大型化した場合には
温度の均一化が容易に達成できないこと、補助電極や
補助バーナを設置したり、上部電極を傾動自在とする方
法では、溶融炉の構造が複雑になると共に製造コストの
引下げが図れないこと等の問題を解決せんとするもので
あり、上部電極と炉底電極間のアークの方向と電流の経
路を炉底電極側の電気的操作によって移動させることに
より、炉内温度を所望のほぼ均一な温度に保持できるよ
うに或いは出湯を円滑に行う為に出湯口付近の温度を高
くできるようにした電気溶融炉の電極構造を提供するも
のである。
灰等を溶融する直流アーク炉に於ける上述の如き問題、
即ち、炉底を導電性耐火材で形成することにより炉内
温度の均一化を図る方法では、炉が大型化した場合には
温度の均一化が容易に達成できないこと、補助電極や
補助バーナを設置したり、上部電極を傾動自在とする方
法では、溶融炉の構造が複雑になると共に製造コストの
引下げが図れないこと等の問題を解決せんとするもので
あり、上部電極と炉底電極間のアークの方向と電流の経
路を炉底電極側の電気的操作によって移動させることに
より、炉内温度を所望のほぼ均一な温度に保持できるよ
うに或いは出湯を円滑に行う為に出湯口付近の温度を高
くできるようにした電気溶融炉の電極構造を提供するも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は炉底電極を複数
配置し、これと電源側の接続を電気的に切り替えるか、
又はそれぞれの炉底電極に流れる電流値を制御すること
により、上部電極との間のアークの方向と電流の経路を
移動させ、溶融物を均一に加熱したり、スラグ排出口近
傍を局所的に加熱してスラグ排出口での冷却固化を防止
せんとするものである。即ち、請求項1に記載の発明
は、上部電極と炉底電極を備えた廃棄物の焼却灰や飛灰
及び廃棄物等を溶融処理する直流アーク電気溶融炉であ
って、溶融炉の炉底に複数の炉底電極を配設すると共
に、各炉底電極と電源の間に炉底電極の数と同数の電極
切換器を備えた電極切換装置を介設し、各炉底電極と直
列に接続した電極切換器によって電源側と各炉底電極と
の接続を切替えることにより、上部電極との間に流れる
アークの方向と電流の経路を移動自在とした直流アーク
電気溶融炉に於いて、炉底電極の数を3とすると共に、
各炉底電極を底壁の中央部と、底壁のスラグ排出口側
と、周壁のスラグ排出口の下方部とに夫々設けるように
したことを発明の基本構成とするものである。
配置し、これと電源側の接続を電気的に切り替えるか、
又はそれぞれの炉底電極に流れる電流値を制御すること
により、上部電極との間のアークの方向と電流の経路を
移動させ、溶融物を均一に加熱したり、スラグ排出口近
傍を局所的に加熱してスラグ排出口での冷却固化を防止
せんとするものである。即ち、請求項1に記載の発明
は、上部電極と炉底電極を備えた廃棄物の焼却灰や飛灰
及び廃棄物等を溶融処理する直流アーク電気溶融炉であ
って、溶融炉の炉底に複数の炉底電極を配設すると共
に、各炉底電極と電源の間に炉底電極の数と同数の電極
切換器を備えた電極切換装置を介設し、各炉底電極と直
列に接続した電極切換器によって電源側と各炉底電極と
の接続を切替えることにより、上部電極との間に流れる
アークの方向と電流の経路を移動自在とした直流アーク
電気溶融炉に於いて、炉底電極の数を3とすると共に、
各炉底電極を底壁の中央部と、底壁のスラグ排出口側
と、周壁のスラグ排出口の下方部とに夫々設けるように
したことを発明の基本構成とするものである。
【0008】 また、請求項2の発明は、上部電極と炉
底電極を備えた廃棄物の焼却灰や飛灰、廃棄物等を溶融
処理する直流アーク電気溶融炉であって、溶融炉の炉底
に複数の炉底電極を配設すると共に、各炉底電極と電源
の間に炉底電極の数と同数の電流調整器を備えた電流調
整装置を介設し、各炉底電極と直列に接続した電極切換
器によって各炉底電極に流れる電流値を制御することに
より、上部電極との間に流れるアークの方向と電流の経
路を移動自在とした直流アーク電気溶融炉に於いて、炉
底電極の数を3とすると共に、各炉底電極を底壁の中央
部と、底壁のスラグ排出口側と、周壁のスラグ排出口の
下方部とに夫々設けるようにしたことを発明の基本構成
とするものである。
底電極を備えた廃棄物の焼却灰や飛灰、廃棄物等を溶融
処理する直流アーク電気溶融炉であって、溶融炉の炉底
に複数の炉底電極を配設すると共に、各炉底電極と電源
の間に炉底電極の数と同数の電流調整器を備えた電流調
整装置を介設し、各炉底電極と直列に接続した電極切換
器によって各炉底電極に流れる電流値を制御することに
より、上部電極との間に流れるアークの方向と電流の経
路を移動自在とした直流アーク電気溶融炉に於いて、炉
底電極の数を3とすると共に、各炉底電極を底壁の中央
部と、底壁のスラグ排出口側と、周壁のスラグ排出口の
下方部とに夫々設けるようにしたことを発明の基本構成
とするものである。
【0009】
【作用】上部電極と炉底電極とに直流電圧を印加する
と、これらの間にアークが発生して炉体に収容した被溶
融物が溶融されて溶湯になる。炉底電極と電源側の接続
を切換えることにより、上部電極と新たに接続された炉
底電極との間にアークが生ずることになり、結果として
前記炉底電極と電源側との接続切換により、アークの方
向と電流り経路は所望の箇所へ移動される。また、各炉
底電極と電源側の間に介設した電流調整装置によって各
炉底電極に流れる電流値を制御することにより、上部電
極と炉底電極間のアークは電流値の大きな炉底電極側へ
移動することになり、炉内各部の温度調整が行なえる。
炉内の溶湯のレベルが上昇すると、溶湯はスラグ排出口
から順次炉外へ排出されて行く。
と、これらの間にアークが発生して炉体に収容した被溶
融物が溶融されて溶湯になる。炉底電極と電源側の接続
を切換えることにより、上部電極と新たに接続された炉
底電極との間にアークが生ずることになり、結果として
前記炉底電極と電源側との接続切換により、アークの方
向と電流り経路は所望の箇所へ移動される。また、各炉
底電極と電源側の間に介設した電流調整装置によって各
炉底電極に流れる電流値を制御することにより、上部電
極と炉底電極間のアークは電流値の大きな炉底電極側へ
移動することになり、炉内各部の温度調整が行なえる。
炉内の溶湯のレベルが上昇すると、溶湯はスラグ排出口
から順次炉外へ排出されて行く。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明の実施例に係る電気溶融炉の基本構
造を示す概要図であり、図に於いて1は直流アーク溶融
炉、2はスラグ排出口、3は上部電極、4a、4b、4
cは炉底電極、5は溶融物(溶湯)、6はアークであ
る。当該直流アーク溶融炉1は耐食性の耐火材からなる
天井壁1a、周壁1b及び底壁1c等から形成されてお
り、周壁1bには溶融物5がオーバーフローするスラグ
排出口2が穿設されている。
する。図1は本発明の実施例に係る電気溶融炉の基本構
造を示す概要図であり、図に於いて1は直流アーク溶融
炉、2はスラグ排出口、3は上部電極、4a、4b、4
cは炉底電極、5は溶融物(溶湯)、6はアークであ
る。当該直流アーク溶融炉1は耐食性の耐火材からなる
天井壁1a、周壁1b及び底壁1c等から形成されてお
り、周壁1bには溶融物5がオーバーフローするスラグ
排出口2が穿設されている。
【0011】前記上部電極3は天井壁1aを挿通して昇
降自在に配設されており、公知の黒鉛電極が使用されて
いる。また、前記炉底電極4a、4bは導電性耐火材或
いは金属製丸棒等で形成されており、非導電性の耐食性
耐火材より成る底壁(炉底)1cを貫通して、その先端
面を炉内方へ露出せしめた状態で炉底1cに固着されて
いる。更に、前記炉底電極4cはスラグ排出口2の下方
に位置して周壁1b内に配設されており、その先端面を
炉内方へ露出せしめた状態で周壁1bに固着されてい
る。
降自在に配設されており、公知の黒鉛電極が使用されて
いる。また、前記炉底電極4a、4bは導電性耐火材或
いは金属製丸棒等で形成されており、非導電性の耐食性
耐火材より成る底壁(炉底)1cを貫通して、その先端
面を炉内方へ露出せしめた状態で炉底1cに固着されて
いる。更に、前記炉底電極4cはスラグ排出口2の下方
に位置して周壁1b内に配設されており、その先端面を
炉内方へ露出せしめた状態で周壁1bに固着されてい
る。
【0012】尚、焼却灰等を溶融して得られる溶融物5
は、SiO2 ,Al2O3 ,CaO等のスラグ成分を含
む他、Na,K,Ca,Cl,SO4 ,CO3 等の塩成
分やPb,Zn,Cd,Cu等の重金属等を含んでお
り、極めて強い侵食性を有している。従って、炉底電極
4a、4b、4cと底壁1cや周壁1bとの隙間から溶
融物5(特に溶融物5に含まれるPb、Cu等の低粘性
の低融点金属)が滲入し、電極4a、4b、4cや底壁
1c、周壁1bを形成する耐火材層を侵食、損傷する危
険があるので、炉底電極4a、4b、4cの貫通箇所は
耐食・耐熱性シール材により強固にシールされている。
は、SiO2 ,Al2O3 ,CaO等のスラグ成分を含
む他、Na,K,Ca,Cl,SO4 ,CO3 等の塩成
分やPb,Zn,Cd,Cu等の重金属等を含んでお
り、極めて強い侵食性を有している。従って、炉底電極
4a、4b、4cと底壁1cや周壁1bとの隙間から溶
融物5(特に溶融物5に含まれるPb、Cu等の低粘性
の低融点金属)が滲入し、電極4a、4b、4cや底壁
1c、周壁1bを形成する耐火材層を侵食、損傷する危
険があるので、炉底電極4a、4b、4cの貫通箇所は
耐食・耐熱性シール材により強固にシールされている。
【0013】図2は、請求項1の発明に係る直流アーク
溶融炉の溶融電力の供給系統を示す基本ブロック図であ
り、図に於いて7は直流電源装置、8は電極切換装置で
ある。溶融炉の運転に際しては、炉底電極4a(又は炉
底電極4a及び4b)と直流電源装置の陽極側とを電極
切換器8aを介して接続し、上部電極3と炉底電極4a
(又は炉底電極4a、4b)間にアーク6a(又はアー
ク6a、6b)を発生せしめて、炉内の被溶融物を溶融
させると共に、スラグ排出口2から溶融物5をオーバー
フロー流出させる。
溶融炉の溶融電力の供給系統を示す基本ブロック図であ
り、図に於いて7は直流電源装置、8は電極切換装置で
ある。溶融炉の運転に際しては、炉底電極4a(又は炉
底電極4a及び4b)と直流電源装置の陽極側とを電極
切換器8aを介して接続し、上部電極3と炉底電極4a
(又は炉底電極4a、4b)間にアーク6a(又はアー
ク6a、6b)を発生せしめて、炉内の被溶融物を溶融
させると共に、スラグ排出口2から溶融物5をオーバー
フロー流出させる。
【0014】また、スラグ排出口2から溶融物をオーバ
ーフロー流出させたり、或いは溶融物がスラグ排出口2
の近傍で冷却固化したような場合には、電極切換装置8
を介して直流電源装置の陽極側を炉底電極4bのみ(又
は炉底電極4bと炉底電極4c)へ接続し、上部電極3
との間のアークをスラグ排出口2側へ移動させる。これ
により、スラグ排出口2近傍の溶融物5の温度を上昇さ
せて冷却固化した溶融物を再溶解したり、溶融物の粘性
を低下せしめてその出湯を容易なものとする。
ーフロー流出させたり、或いは溶融物がスラグ排出口2
の近傍で冷却固化したような場合には、電極切換装置8
を介して直流電源装置の陽極側を炉底電極4bのみ(又
は炉底電極4bと炉底電極4c)へ接続し、上部電極3
との間のアークをスラグ排出口2側へ移動させる。これ
により、スラグ排出口2近傍の溶融物5の温度を上昇さ
せて冷却固化した溶融物を再溶解したり、溶融物の粘性
を低下せしめてその出湯を容易なものとする。
【0015】即ち、直流電源装置7の陽極側は、電極切
換装置8を介して各炉底電極4a、4b、4cへ夫々単
独に、又は何れか二つ若しくは三つの電極へ同時に夫々
切換接続できるように構成されており、定常運転時には
通常炉底電極4aと上部電極3間にアーク6aが発生さ
れることになる。
換装置8を介して各炉底電極4a、4b、4cへ夫々単
独に、又は何れか二つ若しくは三つの電極へ同時に夫々
切換接続できるように構成されており、定常運転時には
通常炉底電極4aと上部電極3間にアーク6aが発生さ
れることになる。
【0016】尚、本実施例に於いては図1に示す如く、
底壁1cに設けた下部電極4a、4bの他に、スラグ排
出口2の下方の周壁1bに炉底電極4cを設けるように
しているが、当該炉底電極4cを省略して炉底電極4a
及び炉底4bのみを設けるようにしてもよく、或いは炉
底電極4bを省いて炉底電極4aと炉底電極4cを設け
るようにしてもよい。
底壁1cに設けた下部電極4a、4bの他に、スラグ排
出口2の下方の周壁1bに炉底電極4cを設けるように
しているが、当該炉底電極4cを省略して炉底電極4a
及び炉底4bのみを設けるようにしてもよく、或いは炉
底電極4bを省いて炉底電極4aと炉底電極4cを設け
るようにしてもよい。
【0017】図3は、請求項2の発明に係る直流アーク
溶融炉の溶融用電力の供給系統を示す基本ブロック図で
あり、図に於いて7は直流電源、9は電流調整装置であ
る。当該発明に於いては、各炉底電極4a、4b、4c
に流れる電流が電流調整器9a、9b、9cによって夫
々任意の大きさに調整可能であり、その結果各アーク6
a、6b、6cの発生頻度が調整されることになり、こ
れによって炉内各部の温度制御が行なわれる。
溶融炉の溶融用電力の供給系統を示す基本ブロック図で
あり、図に於いて7は直流電源、9は電流調整装置であ
る。当該発明に於いては、各炉底電極4a、4b、4c
に流れる電流が電流調整器9a、9b、9cによって夫
々任意の大きさに調整可能であり、その結果各アーク6
a、6b、6cの発生頻度が調整されることになり、こ
れによって炉内各部の温度制御が行なわれる。
【0018】尚、請求項2の発明に於いては、三つの炉
底電極4a、4b、4cを設ける構成としているが、炉
底電極4aと炉底電極4c(炉底電極4bは省略)、或
いは炉底電極4aと炉底電極4b(炉底電極4cは省
略)を設ける構造とすることも可能である。
底電極4a、4b、4cを設ける構成としているが、炉
底電極4aと炉底電極4c(炉底電極4bは省略)、或
いは炉底電極4aと炉底電極4b(炉底電極4cは省
略)を設ける構造とすることも可能である。
【0019】また、前記図1乃至図3に示した実施例に
於いては、所謂非導電性耐火材で形成した底壁1c又は
周壁1b内に金属棒等から成る炉底電極4a、4b、4
cを配設固着した構造の直流アーク炉を挙げて本発明を
説明しているが、本発明は、導電性の煉瓦等を使用して
炉底全域を電極構造とした構成の直流アーク炉にも適用
することが可能である。尚、その場合には、図4に示す
如く、炉底を非導電性耐火材10によって電気的に絶縁
分割した構造とし、各区画を前記図1及び図3に於ける
炉底電極4a、4b等に対応するものとして、アーク6
の移動制御が行なわれる。
於いては、所謂非導電性耐火材で形成した底壁1c又は
周壁1b内に金属棒等から成る炉底電極4a、4b、4
cを配設固着した構造の直流アーク炉を挙げて本発明を
説明しているが、本発明は、導電性の煉瓦等を使用して
炉底全域を電極構造とした構成の直流アーク炉にも適用
することが可能である。尚、その場合には、図4に示す
如く、炉底を非導電性耐火材10によって電気的に絶縁
分割した構造とし、各区画を前記図1及び図3に於ける
炉底電極4a、4b等に対応するものとして、アーク6
の移動制御が行なわれる。
【0020】
【発明の効果】本発明に於いては、炉底電極を複数と
し且つ電源側と各炉底電極との接続を切換自在とする
か、若しくは、炉底電極を複数とし且つ各炉底電極に
流れる電流を調整自在とする構成としている。その結
果、前記電源側と炉底電極との接続切換により、或いは
各炉底電極に流れる電流を変化させることにより、上部
電極と炉底電極間のアークの方向と電流の経路を任意の
位置へ移動させることができ、炉内温度の均一化が容易
に図れると共に、溶融物も極めて円滑にスラグ排出口か
ら出湯させることができる。本発明は上述の通り、優れ
た実用的効用を奏するものである。
し且つ電源側と各炉底電極との接続を切換自在とする
か、若しくは、炉底電極を複数とし且つ各炉底電極に
流れる電流を調整自在とする構成としている。その結
果、前記電源側と炉底電極との接続切換により、或いは
各炉底電極に流れる電流を変化させることにより、上部
電極と炉底電極間のアークの方向と電流の経路を任意の
位置へ移動させることができ、炉内温度の均一化が容易
に図れると共に、溶融物も極めて円滑にスラグ排出口か
ら出湯させることができる。本発明は上述の通り、優れ
た実用的効用を奏するものである。
【図1】本発明の実施例に係る電気溶融炉の基本構造を
示す概要図である。
示す概要図である。
【図2】直流アーク炉の溶融電力の供給系統図である。
【図3】直流アーク炉の別の溶融電力供給系統図であ
る。
る。
【図4】本発明の他の実施例に係る電気溶融炉の基本構
造を示す概要図である。
造を示す概要図である。
1は直流アーク溶融炉、1aは天井壁、1bは周壁、1
cは底壁、2はスラグ排出口、3は上部電極、4a、4
b、4cは炉底電極、5は溶融物(溶湯)、6はアー
ク、7は直流電源装置、8は電極切換装置、8a、8
b、8cは電極切換器、9は電流調整装置、9a、9
b、9cは電流調整器、10は非導電性耐火材。
cは底壁、2はスラグ排出口、3は上部電極、4a、4
b、4cは炉底電極、5は溶融物(溶湯)、6はアー
ク、7は直流電源装置、8は電極切換装置、8a、8
b、8cは電極切換器、9は電流調整装置、9a、9
b、9cは電流調整器、10は非導電性耐火材。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 川部 末信
大阪府大阪市北区堂島浜1丁目3番23号
株式会社田熊総合研究所内
(56)参考文献 特開 平5−223234(JP,A)
特開 平2−217785(JP,A)
特開 平3−267684(JP,A)
特開 平5−13166(JP,A)
特開 平5−335078(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
F23G 5/00 115
F27B 3/08
F27B 3/20
F27D 11/08
Claims (4)
- 【請求項1】上部電極と炉底電極を備えた廃棄物の焼却
灰や飛灰及び廃棄物等を溶融処理する直流アーク電気溶
融炉であって、溶融炉の炉底に複数の炉底電極を配設す
ると共に、各炉底電極と電源の間に炉底電極の数と同数
の電極切換器を備えた電極切換装置を介設し、各炉底電
極と直列に接続した電極切換器によって電源側と各炉底
電極との接続を切替えることにより、上部電極との間に
流れるアークの方向と電流の経路を移動自在とした直流
アーク電気溶融炉に於いて、炉底電極の数を3とすると
共に、各炉底電極を底壁の中央部と、底壁のスラグ排出
口側と、周壁のスラグ排出口の下方部とに夫々設けるよ
うにしたことを特徴とする直流アーク電気溶融炉の電極
構造。 - 【請求項2】上部電極と炉底電極を備えた廃棄物の焼却
灰や飛灰、廃棄物等を溶融処理する直流アーク電気溶融
炉であって、溶融炉の炉底に複数の炉底電極を配設する
と共に、各炉底電極と電源の間に炉底電極の数と同数の
電流調整器を備えた電流調整装置を介設し、各炉底電極
と直列に接続した電極切換器によって各炉底電極に流れ
る電流値を制御することにより、上部電極との間に流れ
るアークの方向と電流の経路を移動自在とした直流アー
ク電気溶融炉に於いて、炉底電極の数を3とすると共
に、各炉底電極を底壁の中央部と、底壁のスラグ排出口
側と、周壁のスラグ排出口の下方部とに夫々設けるよう
にしたことを特徴とする直流アーク電気溶融炉の電極構
造。 - 【請求項3】炉底電極を、非導電性耐火材より形成した
底壁及び周壁に配設した導電性の金属棒から成る炉底電
極とした請求項1又は請求項2に記載の直流アーク電気
溶融炉の電極構造。 - 【請求項4】底壁に配設した炉底電極を、導電性耐火材
より形成した底壁を電気的に絶縁分割して成る炉底電極
とした請求項1又は請求項2に記載の直流アーク電気溶
融炉の電極構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00048795A JP3494493B2 (ja) | 1995-01-06 | 1995-01-06 | 電気溶融炉の電極構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00048795A JP3494493B2 (ja) | 1995-01-06 | 1995-01-06 | 電気溶融炉の電極構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08189620A JPH08189620A (ja) | 1996-07-23 |
JP3494493B2 true JP3494493B2 (ja) | 2004-02-09 |
Family
ID=11475133
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00048795A Expired - Fee Related JP3494493B2 (ja) | 1995-01-06 | 1995-01-06 | 電気溶融炉の電極構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3494493B2 (ja) |
-
1995
- 1995-01-06 JP JP00048795A patent/JP3494493B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08189620A (ja) | 1996-07-23 |
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