JP3494108B2 - 粘度測定装置 - Google Patents
粘度測定装置Info
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- G01N11/10—Investigating flow properties of materials, e.g. viscosity, plasticity; Analysing materials by determining flow properties by moving a body within the material
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Description
高分子材料等の粘度を測定する粘度測定装置に関し、更
に詳しくは、試料の粘性抵抗を測定してその粘度を求め
る粘度測定装置に関する。 【0002】 【従来の技術】ゴム等の粘度を測定する方法として、例
えばムーニー粘度のように、試料室内に試料を充填して
所定の温度に保った状態で、試料室内でローターを回転
させたときに生じる粘性抵抗を測定する方法が知られて
いる。 【0003】この種の粘度測定装置においては、一般
に、互いに接近離隔自在の上下のダイスの間に試料室が
形成されるとともに、その試料室内には、いずれか一方
のダイスを貫通する軸の先端に装着されたロータが回転
可能に配置される。このロータの回転時に作用する反ト
ルクが、試料室外に配置された検出器により軸を通じて
検出される。また、試料室内の温度が温度センサで検出
され、その検出出力を用いて各ダイスに設けられたヒー
タがフィードバック制御され、試料室の温度が設定温度
に制御される。 【0004】試料室の温度制御はPID制御などの手法
が用いられ、一定の制御のもとに温度センサによる温度
検出結果が常に設定温度に一致するようにヒータが駆動
制御される。 【0005】このような粘度測定装置により試料の粘度
を測定するに当たっては、試料室の温度を設定温度に制
御した状態で、その内部に標準状態の試料を投入する。
この試料の投入により試料室の温度が低下するので、そ
の温度を設定温度に回復さながら予熱時間が終了すれば
ロータを回転させてその反トルクを測定し、設定温度下
の試料の粘性抵抗を求める。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、試料の種類
によっては、標準状態から設定温度にまで加熱する際の
昇温速度により、同じ設定温度下での測定であってもそ
の粘性抵抗に差異が生じるものもある。そして、このよ
うな試料について、例えば、同種ではあるが他の測定装
置を用いて過去に測定した結果と、新たに測定しようと
する測定結果とを比較したい場合、測定装置間で試料の
昇温速度が相違すれば、求められた粘度も相違するが故
に単純には比較できないという問題が生じる。 【0007】また、以上のような試料については、例え
ば実際の成形条件に即した昇温速度のもとに設定温度に
まで加熱したときの粘度を求めたい場合もあるが、従来
の測定装置では試料は一定の制御のもとに設定温度にま
で加熱されるため、目的に沿った測定ができないという
問題もあった。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は上記した問題点
を解決するためになされたもので、上下のダイスにより
形成される試料室と、いずれか一方のダイスを貫通する
軸の先端に装着されて上記試料室内で回転が与えられる
ロータと、上記試料室の温度を検出する温度センサおよ
びその温度センサの出力を入力して当該試料室の温度を
設定温度に制御する温度制御手段と、上記ロータに作用
する反トルクを検出するトルク検出手段を備え、上記試
料室内に試料を充填して所定温度に制御した状態で上記
ロータを回転したときに当該ロータに作用する反トルク
から試料の粘性抵抗を求める粘度測定装置において、上
記温度制御手段は、試料室の温度を設定温度に制御した
状態でその内部に標準状態の試料を投入したときに生じ
る試料室の温度低下を、再度設定温度にまで回復させる
時間を選択可能に構成されていることによって特徴づけ
られる。 【0009】本発明は、上下のダイス間に形成される試
料室の温度制御を、従来のように装置に固有の一定の制
御のもとに行うのではなく、任意に選択された時間を掛
けて標準状態から設定温度にまで昇温できるようにする
ことで、ゴム等の試料の粘度を実際の成形条件に即した
昇温速度のもとに設定温度にまで加熱したときの粘度の
測定を可能とし、また、過去に測定した結果と同一の加
熱条件のもとに粘度を測定して比較することが可能とな
る。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
好適な実施の形態について説明する。図1は本発明の実
施の形態の構成図で、機械的構成を表す模式的断面図
と、電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図で
ある。 【0011】上部ダイス1と下部ダイス2との間に円筒
状の空間からなる試料室3が形成され、その試料室3内
の中央部にロータ4が設けられている。ロータ4は、下
部ダイス2を液密に貫通するロータ軸4aの上端に固着
されており、このロータ軸4aは、その下端近傍におい
て軸受6を介して支持板7に回転自在に支持されてい
る。また、ロータ軸4aには従動歯車8が固着されてお
り、この従動歯車8は、駆動モータ9の出力軸に固着さ
れた駆動歯車10に噛合し、従って駆動モータ9を回転
駆動することによってロータ4に回転を与えることがで
きる。この駆動モータ9は、マイクロコンピュータを主
体とする制御部20からの指令信号に基づいて動作する
ドライバ21から供給される制御信号によって駆動制御
される。 【0012】支持板7は、上述のように軸受6を介して
ロータ軸4aを支持すると同時に、それ自体が軸受6の
回りを回動自在に支持されている。また、この支持板7
の外縁部はロードセル11の力感応部に係合している。
この構成において、ロータ4に回転を与えることによっ
て生じる反トルクは、ロータ軸4aを介して支持板7を
軸受6の回りに回動させる。そして、この支持板7の回
動によってロードセル11の力感応部が押圧され、従っ
て、このロードセル11の出力から、ロータ4に作用す
る反トルクを検出することができる。このロードセル1
1の出力は、アロードンプ22で増幅された後、A−D
変換器23によってデジタル化されたうえで制御部20
に刻々とサンプリングされる。制御部20では、その刻
々の反トルクの測定結果をメモリに順次格納していくと
ともに、プリンタ24に出力して記録させる。 【0013】さて、上部ダイス1および下部ダイス2に
は、それぞれヒータ1a,2aおよび温度センサ1b,
2bが設けられており、各ヒータ1a,2aは制御部2
0の制御下にあるドライバ25から供給される制御信号
によって駆動制御されるとともに、各温度センサ1b,
2bの出力は温度検出回路26を経てA−D変換器27
によってデジタル化された後、刻々と制御部20に取り
込まれる。制御部20では、各温度センサ1b,2bの
出力を用いた規定のPID演算により、各温度センサ1
b,2bの出力値、従って上部ダイス1および下部ダイ
ス2で囲まれた試料室3の温度が、あらかじめキーボー
ド28によって設定されている目標温度(以下、設定温
度と称する)に一致するように、ヒータ1a,2aに供
給すべき刻々の制御信号を決定し、ドライバ25に指令
を与える。 【0014】キーボード28からは、また、試料室3内
に未だ試料を充填していない状態で当該試料室3の温度
が設定温度に達した後、試料室3内に規格等によって定
められている標準状態の試料を充填することにより、試
料室3の温度が低下したとき、その温度を再度設定温度
に回復させるために要する時間を設定することができる
ようになっている。 【0015】すなわち、制御部20では、試料室3の温
度が設定温度に達した状態で、標準状態の試料を試料室
3内に投入されることによって生じる試料室3の温度低
下を回復させるべく、ヒータ1a,2aのドライバ25
に制御指令を与えるに際して、その時点における試料室
3の温度と設定温度の差が、キーボード28により設定
された時間を掛けて解消されるような目標値を作り、そ
の目標値に試料室3の温度が追随するように、ドライバ
25を介してヒータ1a,2aに制御信号を供給する。 【0016】これにより、図2(A)に回復時間を比較
的短時間に設定した場合と、同図(B)に示すように回
復時間を比較的長時間に設定した場合とで、試料室3の
温度の昇温速度が相違したものとなり、実際の成形条件
に合致した昇温速度で加熱したときの試料粘度の測定
や、あるいは過去に蓄積しているデータと同じ速度で昇
温させたときの粘度を測定して比較に供する等の使用方
法を実現できる。 【0017】なお、試料室3内に試料を充填してその温
度が設定温度に達した後は、従来のこの種の測定装置と
同様に、試料室3内の温度を設定温度に維持した状態で
ロータ4を規定回転数のもとに回転させ、ロータ4に作
用する反トルクから試料の粘度を求める。 【0018】ここで、試料の投入後に試料室3の温度を
設定温度にまで回復させるのに要する時間の設定方法と
しては、キーボード28から任意の時間を設定する方法
のほか、あらかじめ段階的に決められている複数の時間
のなかから選択する方法も採用することができる。 【0019】また、設定された時間により試料室3の温
度を設定温度にまで回復させる際のヒータ1a,2aの
制御方法として、上記のように目標値を作ってそれに追
随させる方法のほか、PID制御の各定数、特にP(比
例)演算の定数を変更する等の簡易的な方法を採用する
こともできる。 【0020】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、設定温
度に維持されている試料室内に標準状態の試料を投入す
ることによる温度定価を、再び設定温度にまで回復させ
るための時間を任意に設定することができるため、試料
の実際の成形条件に合致した昇温速度のもとに試料を加
熱してその粘度を測定したり、あるいは過去に蓄積され
ているデータとの比較を行うべく、過去の測定条件に合
致した昇温速度のもとに試料を加熱してその粘度を測定
する等の使用方法が可能となり、従来のこの種の粘度測
定装置に比してその用途を大幅に広げることができる。
表す模式的断面図と、電気的構成を表すブロック図とを
併記して示す図である。 【図2】本発明の実施の形態による試料室3の温度回復
過程の例を示すグラフで、(A)は比較的短い回復時間
を設定した場合、(B)は比較的長い回復時間を設定し
た場合の例を表す図である。 【符号の説明】 1 上部ダイス 2 下部ダイス 1a,2a ヒータ 1b,2b 温度センサ 3 試料室 4 ロータ 4a ロータ軸 6 軸受 7 支持板 8,10 歯車 9 駆動モータ 11 ロードセル 20 制御部 21 ドライバ(モータ用) 22 ロードアンプ 23,27 A−D変換器 24 プリンタ 25 ドライバ(ヒータ用) 26 温度検出回路 28 キーボード
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 上下のダイスにより形成される試料室
と、いずれか一方のダイスを貫通する軸の先端に装着さ
れて上記試料室内で回転が与えられるロータと、上記試
料室の温度を検出する温度センサおよびその温度センサ
の出力を入力して当該試料室の温度を設定温度に制御す
る温度制御手段と、上記ロータに作用する反トルクを検
出するトルク検出手段を備え、上記試料室内に試料を充
填して所定温度に制御した状態で上記ロータを回転した
ときに当該ロータに作用する反トルクから試料の粘性抵
抗を求める粘度測定装置において、 上記温度制御手段は、試料室の温度を設定温度に制御し
た状態でその内部に標準状態の試料を投入したときに生
じる試料室の温度低下を、再度設定温度にまで回復させ
る時間を選択可能に構成されていることを特徴とする粘
度測定装置。
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