JP3493411B2 - カリウムイオン測定用試薬組成物および試験片 - Google Patents

カリウムイオン測定用試薬組成物および試験片

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カリウムイオン測定用
組成物およびその組成物を含有するカリウムイオン測定
用試験片に関し、更に詳しくは、例えば臨床検査におい
て、体液中、特に血清、血漿または尿に含まれるカリウ
ムイオンを測定する為の試薬組成物およびそれを含有す
る乾式試験片に関する。
【0002】
【従来の技術】カリウムイオン等の電解質に含まれるイ
オンを測定することは、生体の恒常性を判断する上で重
要なことであり、特に臨床検査において測定される体液
中のカリウムイオンは、体内臓器の働き、例えば腎機能
を知る上で非常に有用な手掛かりを与える。
【0003】これまでに知られているイオン測定法に
は、炎光光度法、原子吸光光度法、イオン選択電極法な
どがある。また近年、測定対象であるイオンの存在下で
イオン濃度依存的に活性化される酵素の酵素反応を利用
する、いわゆる「酵素法」が注目されている。酵素法の
例としては、測定目的イオンがカリウムの場合、クリニ
カル・ケミストリー(Clin.Chem.)、35/5、8
17−820(1989)にはピルベートキナーゼを利
用する方法が、また欧州特許EP−B−0 286 03
9にはピルベートキナーゼ、グリセロールデヒドロゲナ
ーゼまたはアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼを利用す
る方法が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】炎光光度法や原子吸光
光度法は、精度の点では優れているものの、大型の専用
測定機を必要とし、試薬や検体試料の前処理に非常に手
間がかかり、その上分析にも時間がかかるので、多数の
検体を処理するのには不向きである。また、イオン選択
電極法は、電極自体の取扱いは簡便であるが、電解質測
定専用の電極測定装置が必要であり、その測定装置では
電解質しか測れない。例えばグルコースや蛋白質といっ
た発色度をみる多項目検査の試験片に、イオン選択性電
極法を組み合わせることはできない。
【0005】液系での酵素法によるカリウムイオン測定
法には、ピルベートキナーゼ法、グリセロールデヒドロ
ゲナーゼ法、アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ法など
が知られているが、いずれも、共存イオン、例えばナト
リウムイオンの影響を受ける、すなわち干渉される。そ
のため、種々の結合剤、例えばクリプタント、コロラン
ド、ポダント、クラウンエーテル、スフェランド、ヘミ
スフェランド、カリキサレン、およびこれらの組み合わ
せ、天然産イオノフォア、環状ペプチド、コンプレクソ
ン、キレート剤およびそれらの誘導体を添加して、干渉
を起こす共存イオンの影響を回避しなければならず、方
法は非常に面倒になる。
【0006】酵素法を用いた測定法では、測定対象物は
液体で、多くの場合、希釈されていない尿、血液などの
体液であり、例えば健常人の血清中には、カリウムイオ
ンが約4mmol/l含まれている。ところが、上記の酵素
では、このようなカリウムイオン濃度では濃すぎるの
で、酵素の活性が飽和されてしまい、定量性がなくなっ
てしまう。それを回避するために、また目的とするカリ
ウムイオンの測定範囲を広げるためにも、液系の反応で
は、結合剤が添加される。
【0007】酵素を含む種々の成分を乾式組成物として
調製しようとする場合、酵素に結合剤を共存させて活性
化イオンを取り除くと、一般に、酵素の安定性は著しく
低下するので、種々の乾燥工程を必要とする乾式組成物
の調製は非常に困難である。さらに検出感度も、酵素の
濃度および結合剤の濃度の変化の故に、安定に保つこと
は難しくなる。この様に、上記酵素を結合剤と共に、安
定性を保ちつつ乾式組成物へ応用することはほとんど不
可能といってよい。
【0008】カリウムイオンを測定する際の干渉イオン
は主にナトリウムイオンであるが、ピルベートキナーゼ
はアンモニウムイオンによっても活性化されるので、ア
ンモニウムイオンの影響の排除も必要である。クリニカ
ル・ケミストリー、35/5、817−820(198
9)では、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ[EC1.
4.1.4]を利用して内因性のアンモニウムイオンを
消去する方法を採用している。
【0009】酵素法によるカリウムイオン定量方法を乾
式組成物に応用する場合、乾式組成物で常用される天然
ポリマーが多量のカリウムを含んでいるので、酵素がそ
のカリウムの影響を受け、測定結果の悪化させる。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記のような従来技術の
欠点に鑑み、より簡便な方法を開発すべく鋭意研究した
結果、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NA
D)合成酵素は、カリウムイオン定量用乾式組成物に適
用する際、欧州特許EP−B−0 286 039に開示
されているピルベートキナーゼ、グリセロールデヒドロ
ゲナーゼまたはアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼより
も、はるかに適していることを見い出し、本発明を完成
した。
【0011】本発明は、第1の要旨によれば、試料液中
のカリウムイオンを測定するための組成物であって、酸
化型NAD合成酵素[EC6.3.5.1.]、アデノシ
ン三リン酸(ATP)、2価の金属イオン、デアミドN
AD、アミノ基供与体、デヒドロゲナーゼとそれに対応
する基質、テトラゾリウム塩およびジアホラーゼを含有
してなる、カリウムイオン測定用試薬組成物を提供し、
第2の要旨によれば、支持体、その上に形成された試薬
層及び該試薬層の上に形成された展開層を有して成り、
該試薬層および該展開層のいずれかに、酸化型NAD合
成酵素[EC6.3.5.1.]、ATP、2価の金属イ
オン、デアミドNAD、アミノ基供与体、デヒドロゲナ
ーゼとそれに対応する基質、テトラゾリウム塩、ジアホ
ラーゼ、高分子ポリマーおよび緩衝剤を含有するカリウ
ムイオン測定用試験片を提供する。
【0012】本発明におけるカリウムイオンの定量は、
下記の一連の反応系によって行われる。 以上の反応系から理解される様に、NAD合成酵素は
(1)の反応を触媒する。
【0013】NAD合成酵素[EC6.3.5.1]と
しては、バクテリアや酵母由来のもの、更には高等動物
由来のものが知られている。本発明にはいずれの由来の
酵素でも使用できるが、耐熱性にすぐれたバチルス・ス
テアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilu
s)由来のNAD合成酵素が好ましい。
【0014】アミノ基供与体は、アミノ酸や種々のアン
モニウム塩など、NAD合成酵素が基質として利用でき
るものであればいずれでもよい。好ましくは、グリシ
ン、塩化アンモニウムまたは硫酸アンモニウムである。
反応系の酵素反応に至適な環境pH値は、8.0〜1
0.0、好ましくは9.0付近であるが、乾式試験片の
場合、アンモニウム塩はアルカリ性下では蒸散してしま
うので、アンモニウム塩を含有する層ではpHを中性付
近に保つ必要がある。アミノ基供与体の量は、十分な
量、例えばNAD合成酵素のアミノ基供与体に対するK
m値の20倍以上の濃度であればよい。この様にアンモ
ニウムイオンは必須成分であるので当初から反応系に含
まれ、既に十分量が添加されており、試料液中の共存ア
ンモニウムイオン濃度の変動によっては、本発明の組成
物を用いたカリウムイオンの検出は全く影響を受けな
い。
【0015】2価の金属イオンは、NAD合成酵素の活
性化成分として作用する。NAD合成酵素は、2価の金
属イオンがなければ作動しない。2価の金属イオンの例
としては、マグネシウムイオン、カルシウムイオンが挙
げられる。
【0016】ATP、2価の金属イオン、アミノ基供与
体およびデアミドNADは、上記酵素反応(1)に必要
の成分である。NAD合成酵素はこれらが存在しないと
不活性化するが、NAD合成酵素とこれらの全部を試験
片の同一層に存在させると、混入する微量のカリウムイ
オンにより、試薬調製中および保存中に反応が起こり、
測定値に悪影響を及ぼす。この問題は、NAD合成酵素
とATP、2価の金属イオン、アミノ基供与体およびデ
アミドNADの少なくとも1つを試験片の層間で分離す
ることにより、保存中には実質的に不活性な形で酵素を
存在させることで解決できる。具体的には、ATP、2
価の金属イオン、アミノ基供与体、デアミドNADのう
ちの少なくとも1つを展開層に存在させることにより、
NAD合成酵素を保存中には実質的に不活性な状態で試
薬層に存在させることが可能である。これにより試験片
の保存中の着色が全くない安定性にすぐれた試験片を作
製することができる。
【0017】反応(2)は、反応(1)で生成されたNAD
(酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)をN
ADH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチ
ド)に変換する反応である。この反応を触媒する酵素と
しては種々のデヒドロゲナーゼが知られており、そのい
ずれを使用してもよく、酵素とともにその基質を十分
量、例えばNAD合成酵素のアミノ基供与体に対するK
m値の20倍以上の濃度です。添加しておけばよい。好
ましい酵素と基質の組み合わせは、3α−ヒドロキシス
テロイドデヒドロゲナーゼとその基質であるコール酸ナ
トリウム、イソクエン酸デヒドロゲナーゼとイソクエン
酸の組み合わせである。
【0018】反応(3)は、反応(2)で生じたNADHと
テトラゾリウム塩からホルマザン色素を生成する反応で
ある。テトラゾリウム塩としては、ニトロテトラゾリウ
ムブルー、テトラゾリウムブルー、テトラゾリウムヴァ
イオレットなど、多種多様なものが市販されており、そ
のいずれを使用してもよい。好ましくは、溶解性にすぐ
れ、試料中に含まれる還元剤や、外部からの光などに対
して安定性の高いテトラゾリウムヴァイオレットを使用
する。
【0019】ジアホラーゼは水素伝達物質として作用す
る。ジアホラーゼもまた多くの種類が市販されている
が、NADHに作用するものであればよい。ジアホラー
ゼは、トリトン(Triton)X−100、トゥイーン
(Tween)20、ブリジ(Brij)−58など種々の非
イオン性界面活性剤により活性化されるので、これら界
面活性剤を0.1〜0.5%程度を添加しておくことが
好ましいが、入れなくてもよい。
【0020】これらの反応系を簡単にまとめると、以下
の様になる。 (A) ATPと2価の金属イオンの存在下、デアミドN
ADとアミノ基供与体から、NAD合成酵素によりNA
Dが生成される際に、共存するカリウムイオンにより特
異的かつ濃度依存的に酵素反応が活性化される反応系。 (B) (A)で生成したNADをNADHに変換させる種
々のデヒドロゲナーゼと、生じたNADHとテトラゾリ
ウム塩からホルマザン色素を生成させるジアホラーゼを
含む酵素サイクリング反応系。
【0021】本発明の組成物を含む乾式試験片は、支持
体上にNAD合成酵素と場合により他の成分の一部を含
有させた試薬層を有し、更に該試薬層の上に、試薬の上
記の残りを含有させた展開層を有している。
【0022】この試薬層は、ポリマーバインダーとして
の親水性ポリマー中に、酵素および試薬類が実質的に均
一に溶解または分散された液を、支持体表面に一定の厚
さに塗工した後、乾燥して形成される。試薬層の厚さ
は、測定に差し支えない適当な厚さ、例えば50〜30
0mmに設定すればよい。塗工および乾燥の方法は既知
の手法で行われる。
【0023】試薬層に用いるポリマーは、カリウム含量
の少ないものでなければならないが、具体的にはポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどの合成ポリ
マーがこの条件を満たす。これらを単独もしくは2種以
上を混合して使用する。
【0024】酵素反応に至適な環境pH値は、8.0〜
10.0、好ましくは9.0付近であるので、このpH
を保持する緩衝剤を、既知の緩衝剤から適宜選択して、
層中に含有させるとよい。
【0025】展開層としては、繊維生地を水洗して使用
する。繊維生地に試薬の一部を含有する水溶液を含浸し
て乾燥し、乾いた状態又は再度湿らした状態で試薬層上
に圧着させることによりラミネートする。
【0026】支持体としては、この種の乾式試験片を製
作する際に通常用いられる樹脂、例えばポリエチレンテ
レフタレート等をストリップの形状に加工したものを用
いればよい。
【0027】試料液を試験片の展開層に適用した後のカ
リウムイオンの定量分析は、ホルマザンの極大吸収波長
における反射率の変化速度を測定し、既知濃度のカリウ
ム溶液の測定結果より作成した検量線を用いて算出す
る。
【0028】
【発明の効果】NAD合成酵素がカリウムイオンにより
活性化されることは、文献等で既に知られている[ジャ
ーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.B
iol.Chem.)247、4794−4802(197
2)など)。本発明者らが更に詳細に研究、検討したと
ころ、NAD合成酵素には「カリウムイオン濃度に比例
して定量的に活性化される性質」はもちろんのこと、意
外にも「(1)カリウムイオンに対して非常に高い特異性
を有する性質、(2)カリウムイオン濃度が非常に高くて
も比例的に活性化される性質、(3)PKでは干渉イオン
であるアンモニウムイオンがNAD合成酵素では必須成
分であり、多量に存在しても影響を受けない性質」を持
つことが分かった。
【0029】これら性質の故に、NAD合成酵素を使用
すれば、欧州特許EP−B−0 286 039の発明で
使用されている様なクリプタントやキレート剤などの結
合剤を使用する必要はなくなる。カリウムへの高度な特
異性の故に、共存する他のイオン(主にナトリウムイオ
ン)の影響を容易に回避できる。また、アンモニウムイ
オンが本発明の反応系では必須成分なので、ナトリウム
イオンの他にアンモニウムイオンの存在も考慮する必要
がない。
【0030】また、結合剤を添加せずとも、少なくとも
0〜50mmol/lの範囲の非常に高濃度のカリウムイオ
ンを定量できるので、高濃度でカリウムイオンを含む血
清、血漿、尿はおろか、それ以外の液体においても、希
釈することなしに、或いは結合剤を添加することなし
に、カリウムイオン濃度を測定することが可能である。
試料を希釈する必要がないので、乾式組成物への応用も
非常に簡単である。また、ATP、2価の金属イオン、
アミノ基供与体、デアミドNADの少なくとも1つをN
AD合成酵素と分離させることにより、著しく保存安定
性にすぐれた乾式試験片を提供することができる。
【0031】乾式試験片を製造する際には、バインダー
として種々のポリマーが使用されるが、天然ポリマー中
には多量のカリウムイオンが混在しており、測定結果へ
悪影響を及ぼしてしまう。この問題点は、カリウムイオ
ンを含まない合成ポリマーを使用することにより解決さ
れ、バックグラウンド着色のない試験片の作製が可能で
ある。結果的に、例えばグルコースや蛋白質といった発
色度をみる多項目検査の試験片と同一の試験片に組み込
むことができる。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。実施例1 本実施例では、以下の成分を用いた。
【0033】カリウム測定試験片処方試薬層塗工液成分 トリス塩酸緩衝液(pH9.0) 50mmol/l イソクエン酸3ナトリウム塩(ナカライテスク) 30mmol/l ATP 5mmol/l MgCl2 1mmol/l トリトンX−100 0.2%(W/V) NAD合成酵素(旭化成) 15KU/l イソクエン酸脱水素酵素(オリエンタル酵母) 100KU/l ジアホラーゼ(旭化成) 20KU/l コリドン(Kollidone)90F(BASF) 8%(W/V) (水酸化ナトリウム溶液でpH9.0に調整)
【0034】 展開層含浸液成分 トリス塩酸緩衝液(pH7.5) 10mmol/l テトラゾリウムヴァイオレット(シグマ) 60mmol/l デアミドNAD(旭化成) 30mmol/l (NH4)2SO4 60mmol/l トリトンX−100 0.2%(W/V) コリドン90F 8%(W/V) (水酸化ナトリウム溶液でpH7.5に調製)
【0035】上記試薬層塗工液成分を混合した後、支持
体(ポリエチレンテレフタレート白色フィルム。厚さ1
25μm。)上に150μmの厚さ(湿潤厚さ)に塗工
し、50℃で15分間乾燥させた。展開層成分の混合液
は、別の支持体上に50μmの厚さに塗工し、その塗膜
の上に塗膜が濡れた状態で繊維生地をのせ、成分を繊維
生地に吸収させた後、50℃で15分間乾燥させた。乾
燥させた試料保持層を支持体よりはがし、精製水を1m2
あたり20ml含浸させ、試薬層上に圧着した後、50℃
で10分間乾燥させた。
【0036】試薬層と展開層をラミネートした支持体
を、裁断機で試験片部分が5×7mmになるよう裁断して
5×70mm、厚さ0.25mmのスティック状の白色ポリ
エチレンテレフタレートプレートに貼り付け測定用試験
片を作成した。スポットケムSP−4410(株式会社
京都第一科学製)を用いて、 試料:KCl水溶液(濃度は図1参照) 試料量:7μl 反応温度:37℃ 測定波長:550nm の条件で、展開層側から反射率を測定した。反射率はク
ベルカ−ムンク(Kubelka−Munk)の式に従ってK/
S値に換算し、その5〜10分間の増加量(△K/S)を
求めた。結果を図1に示す。この曲線を検量線とした。
【0037】実施例2 ヒトプール血清を試料とし、試料量7μl、反応温度3
7℃、測定波長550nm、測定時間5〜10分の条件で
実施例1と同様に測定を行い、得られたΔK/Sを、図
1の検量線によりカリウムイオン濃度に換算したとこ
ろ、4.2mmol/lの値が得られた。これは、イオン選
択性電極法で測定した結果と良好に一致した(使用機
器:スポットケムSE−1510。株式会社京都第一科
学製)。
【0038】実施例3 ヒトプール尿を試料とし、試料量7μl、反応温度37
℃、測定波長550nm、測定時間5〜10分の条件で実
施例1と同様に測定を行い、得られたΔK/Sを、図1
の検量線によりカリウムイオン濃度に換算したところ、
28.2mmol/lの値が得られた。これは、イオン選択
性電極法で測定した結果と良好に一致した(使用機器:
スポットケムSE−1510。株式会社京都第一科学
製)。
【0039】実施例4 本発明に基づくカリウムイオン濃度測定用乾式試験片に
対するナトリウムイオンの影響を調べた。血清中へ、塩
化ナトリウムを0、10、20、30、40または50
mmol/lの濃度になる様に添加して、実施例1と同様に
カリウムイオン濃度を得た。結果を図2に示す。
【0040】血清中には、健常人で約140mmol/lの
濃度でナトリウムイオンが含まれる。もしNAD合成酵
素がナトリウムイオンでも活性化されるならば、発色は
4.0mmol/lの一定を示さず、ナトリウムの添加量が
増加するに従って直線は右上がりになる。ナトリウムで
飽和してもΔK/S値はほぼ水平は直線に乗るが、その
場合には約4.0mmol/l(健常人の血清カリウム濃
度)に対応する発色は示さずに、それ以上に濃い発色を
呈し、測定不能になる筈である。本実施例では、ナトリ
ウムの添加量が増加しても、発色度は変化せず、カリウ
ム濃度は約4.0mmol/lでほぼ一定の値を示した。こ
のことから、NAD合成酵素はナトリウムイオンの影響
を全く受けず、カリウムのみの影響を受けることが分か
る。
【0041】この様に、NAD合成酵素を用いれば、少
なくとも0〜50mmol/lの範囲のカリウムイオンを、
希釈操作や結合剤なしで定量できる。よって、グルコー
スや蛋白質といった発色度をみる多項目検査の試験片と
同一の試験片に組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1における塩化カリウム濃度0〜10
mmol/l検量線。
【図2】 実施例4におけるヒトプール血清中のカリウ
ムイオン測定時のナトリウム添加の影響を表すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−198955(JP,A) 特開 平5−137598(JP,A) 特開 平6−86693(JP,A) 特開 昭53−77695(JP,A) 特開 昭62−157554(JP,A) 特開 平6−107644(JP,A) 特表 平1−503596(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/84 C12Q 1/25 G01N 33/52

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料液中のカリウムイオンを測定するた
    めの組成物であって、酸化型ニコチンアミドアデニンジ
    ヌクレオチド合成酵素[EC6.3.5.1.]、アデノ
    シン三リン酸、2価の金属イオン、デアミドニコチンア
    ミドアデニンジヌクレオチド、アミノ基供与体、デヒド
    ロゲナーゼとそれに対応する基質、テトラゾリウム塩お
    よびジアホラーゼを含有してなる、カリウムイオン測定
    用試薬組成物。
  2. 【請求項2】 支持体、その上に形成された試薬層及び
    該試薬層の上に形成された展開層を有して成り、該試薬
    層および該展開層のいずれかに、酸化型ニコチンアミド
    アデニンジヌクレオチド合成酵素[EC6.3.5.
    1.]、アデノシン三リン酸、2価の金属イオン、デア
    ミドニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、アミノ基
    供与体、デヒドロゲナーゼとそれに対応する基質、テト
    ラゾリウム塩、ジアホラーゼ、高分子ポリマーおよび緩
    衝剤を含有するカリウムイオン測定用試験片。
  3. 【請求項3】 試薬層および/または展開層中に含有さ
    れる高分子ポリマーが合成高分子ポリマーである請求項
    2に記載のカリウムイオン測定用試験片。
  4. 【請求項4】 酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレ
    オチド合成酵素が試薬層に含まれ、アデノシン三リン
    酸、2価の金属イオン、デアミドニコチンアミドアデニ
    ンジヌクレオチドおよびアミノ基供与体の少なくとも1
    つが展開層に含まれるが試薬層には含まれない、請求項
    2に記載のカリウムイオン測定用試験片。
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