JP3493227B2 - セメント組成物の製造方法 - Google Patents

セメント組成物の製造方法

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JP3493227B2 JP24720194A JP24720194A JP3493227B2 JP 3493227 B2 JP3493227 B2 JP 3493227B2 JP 24720194 A JP24720194 A JP 24720194A JP 24720194 A JP24720194 A JP 24720194A JP 3493227 B2 JP3493227 B2 JP 3493227B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セメントクリンカーの
原料として、高炉スラグ、製鋼スラグ、転炉スラグ、下
水汚泥乾粉、副産石膏などのように石灰分(CaO) を含む
廃棄物のうち炭酸ガス発生成分を含まないか又は該成分
が極めて少ないもの(以下、非炭酸質石灰含有廃棄物と
言う)を、従来の原料石灰石に代えて用いることによ
り、原料焼成時の炭酸ガス発生を大幅に抑制し、かつ、
従来よりもアルミ分と石膏分の多いクリンカー鉱物成分
を有するセメント組成物を製造する方法に関する。本発
明のセメント組成物は、原料の廃棄物に由来する重金属
などの有害成分がセメントに固定されるので環境汚染の
問題がなく、また比較的アルカリ性が低いなどの利点を
有する。
【0002】
【従来の技術】現在、産業の発展に伴い様々な環境汚染
が地球規模で進行している。特に炭酸ガスの増加は地球
温暖化の大きな要因とされ、その炭酸ガス低減が切実に
求められている。しかし、大気中の炭酸ガスを固定化す
る手段としては、植物に固定化させる以外に有効な手段
が無いのが実情である。
【0003】一方、現状のセメント製造では、石灰成分
の原料として石灰石(CaCO3 )を用い、これを大量の燃
料で熱分解して焼成させるため、大量の炭酸ガスがその
製造時に排出される。この原料焼成時に、石灰石の脱炭
酸と燃料の酸化とによって発生する炭酸ガスの量は、大
まかに見積もって普通ポルトランドセメントクリンカー
1トンあたり、石灰石の脱炭酸から約500kg、燃料の
酸化から約300kg、合わせて約800kgである。
【0004】原料石灰石の一部を非炭酸質石灰含有廃棄
物に代替すれば、炭酸ガスの発生量を抑制できるが、従
来のものは、ポルトランドセメント鉱物組成を維持する
ものであるために、その使用量が限られ、また製造方法
の点で上記問題を解決するものとは言い難いのが現状で
ある。すなわち、近年、産業・生活廃棄物をセメント原
料として利用することが試みられており、非炭酸質石灰
含有廃棄物を原料の一部に利用する試みが知られている
が、従来のものは、セメント鉱物として、3CaO・SiO 2
(C3 S)、2CaO・SiO 2 (C2 S)、3CaO・Al2 O 3 (C3 A)、
4CaO・Al2 O 3・Fe2 O 3 (C4 AF) を主成分とするポル
トランドセメントの製造に関するものであり、ポルトラ
ンドセメントの原料として利用される産業廃棄物は粘土
および珪石の代替原料としてスラッジ、重油ナフサ燃料
残査、フライアッシュ、鋳物工場からの廃砂、鉄原料代
替として鉄研削研摩くずなどが使用されているが、ポル
トランドセメントの品質に悪影響を及ぼさないこと、産
業廃棄物の使用により新たな環境汚染を引き起こさない
こを等を考慮して、その使用量は極限定されたものとな
っており、本質的な炭酸ガスの低減にはなっていない。
【0005】なお、セメント原料として高炉スラグやフ
ライアッシュを用いる例として混合セメントが従来知ら
れているが、混合セメントは、石灰石を主体とする通常
のセメント原料を焼成してクリンカーを製造した後に、
高炉スラグやフライアッシュを混合したものであって、
セメントクリンカーを得るために原料の石灰石を焼成す
ることに変わりはない。従って、スラグ混合量は例えば
C種の規格では60〜70%と多いもののクリンカー焼
成時の炭酸ガス発生量は変わらない。このように、現在
のセメント製造技術では、セメント製造時に多量の炭酸
ガスが発生するのを避けることができない。
【0006】
【発明の解決課題】本発明は、大量の炭酸ガスを排出し
ている従来のセメントクリンカー焼成において、排出さ
れる炭酸ガスの60%以上を占める原料石灰石の脱炭酸
により発生する炭酸ガスを大幅に低減すると同時に、様
々な産業および都市生活の中から大量に発生する石灰含
有廃棄物を有効利用できるようにし、しかも、これらの
廃棄物に含まれる重金属などの有害物質がセメント中に
取り込まれても、セメントから外部に溶出しないセメン
ト組成物を製造する方法を提供するものである。
【0007】
【課題の解決手段】本発明は、炭酸成分を殆ど含まない
か、又はその含有量の少ない非炭酸質石灰含有廃棄物を
セメントクリンカー原料として用い、これを他の原料と
共に焼成することにより従来の上記課題を解決した。す
なわち、本発明によれば、以下の構成からなるセメント
組成物の製造方法が提供される。 (1) セメントクリンカーの原料として、非炭酸質石
灰含有廃棄物を用い、該廃棄物と他の原料成分とを混合
して焼成することにより、セメントクリンカー鉱物とし
て2CaO・SiO 2 −3CaO・3Al 2 O 3 ・CaSO4 −4CaO・Al
2 O 3 ・Fe2 O 3−CaSO4 系組成からなるセメント組成
物を製造することを特徴とするセメント組成物の製造方
法。
【0008】上記製造方法は、セメントクリンカーの原
料として、各種製鋼スラグ、下水汚泥乾粉(下水処理場
で排出されるスラリーを生石灰を用いて脱水させ乾燥粉
末にしたものであり、CaO を主成分とする化合物)、副
産石膏(例えば燃焼ガス中に含まれる硫黄分を大気中に
放出しないように固定した排脱石膏)などの非炭酸質石
灰含有廃棄物をセメントクリンカー原料として用いるこ
とにより、原料から発生する炭酸ガスの量が著しく低減
したものであり、製造されるセメント組成物は普通ポル
トランドセメントに比べてCaO 成分が低く、Al2 O 3
Fe2 O 3 およびSO3 成分が多い、アーウイン(3CaO・3A
l 2 O 3 ・CaSO4 、以下必要に応じ C4A3 S*と略記す
る) フェライト(C4 AF) および石膏(CaSO4 、以下必要
に応じ CS*と略記する)を含む2CaO・SiO 2 −3CaO・3Al
2 O 3 ・CaSO4 −4CaO・Al2 O 3・Fe2 O 3 −CaSO
4 (以下必要に応じ、 C2 S − C4 A3 S*− C4 AF−CS
*と略記する)系組成からなるものであり、セメント原
料に由来する重金属などが外部に溶出せず環境保全に適
うセメント組成物である。
【0009】さらに本発明によれば、より具体的には以
下のセメント組成物の製造方法が提供される。 (2) 他の原料成分として非炭酸質廃棄物を用い、こ
れと上記非炭酸質石灰含有廃棄物の合計量が原料総量の
50重量%以上である上記(1) に記載のセメント組成物
の製造方法。 (3) セメント組成物の組成範囲が、A:2CaO・SiO
2 :10〜40重量%、B:3CaO・3Al 2 O 3 ・CaS
O4 :15〜40重量%、C:4CaO・Al2 O 3 ・Fe2 O
3 :10〜40重量%、D:CaSO4 :15〜25重量
%、である上記(1) または(2) に記載のセメント組成物
の製造方法。 (4) セメント組成物の鉱物の重量比率がA/B=
0.5〜1.5、C/B=0.7〜1.5、D/B=
0.5〜1.2、の範囲である上記(3) に記載の製造方
法。 (5) 非炭酸質石灰含有廃棄物が高炉スラグ、製鋼ス
ラグ、転炉スラグ、下水汚泥乾粉、排脱石膏を主体とし
たものである上記(1) 〜(4) の何れかに記載するセメン
ト組成物の製造方法。 (6) 他の原料成分として用いる非炭酸質廃棄物が、
高炉二次ダスト、銅カラミ、鋳物廃砂、含油圧延スラッ
ジ、フライアッシュやボトムアッシュを含む石炭灰、赤
泥を主体としたものである上記(1) 〜(5) の何れかに記
載するセメント組成物の製造方法。
【0010】
【具体的な説明】以下、本発明を詳細に説明する。なお
配合、組成などは明示する場合を除いていずれも重量%
を示す。
【0011】本発明の製造方法はセメントクリンカーの
原料として従来の石灰石(CaCO3 )をできるだけ用い
ず、炭酸成分を殆ど含まないか、またはその含有量の少
ない非炭酸質石灰含有廃棄物をセメントクリンカー原料
として用い、これを他の原料と共に焼成する。非炭酸質
石灰含有廃棄物としては、例えば、下水汚泥乾粉、高炉
スラグ、製鋼スラグ、転炉スラグ、赤泥、副産石膏など
の石灰含有廃棄物を用いることができる。炭酸ガスを発
生しない原料としては、生石灰(CaO)や消石灰(Ca(OH)
2 )なども考えられるが、これらは天然には殆ど存在せ
ず、工業的に石灰石から脱炭酸反応などを経て製造され
るものであり、セメント焼成時には炭酸ガスを発生しな
いが、その前段階で炭酸ガスを発生するため、CO2 低減
には意味がない。その点、高炉スラグ、製鋼スラグ、転
炉スラグ、下水汚泥乾粉、副産石膏などの石灰含有廃棄
物は炭酸ガスの発生成分を含有せず、しかも製鉄、化学
工業その他の産業廃棄物として得られるものであり、こ
れをセメント原料として活用することは炭酸ガス発生量
の低減に限らず産業廃棄物の有効利用という二重の効果
を有する。因みに、通常使用されている普通ポルトラン
ドセメントの石灰石原単位はセメント1t を製造する上
で約1150kgであり使用原料の大部分を占めている。従っ
て、これを上記石灰含有廃棄物に代替えることによる効
果は大きい。
【0012】ところで、上記石灰含有廃棄物の多くは、
CaO の他に、Al2 O 3 、Fe2 O 3 、SO3 などを多量に含
有することが多く、普通ポルトランドセメントのような
鉱物組成ではこれをクリンカー原料として用いることに
は限界がある。これに対し、本発明のセメント組成物
は、 C2 S − C4 A3 S*− C4 AF−CS*系鉱物組成を有
するものであり、これは、Al2 O 3 、Fe2 O 3 およびSO
3 の含有量が高く、クリンカー原料として上記石灰含有
廃棄物を高い割合で使用することができる。さらに、こ
の組成物は1200〜1400℃の温度範囲でクリンカーの焼成
が可能であり、これは、普通ポルトランドセメントの通
常の焼成温度1500〜1600℃よりもかなり低く、この面で
も燃料原単位の低下によるCO2 低減に寄与できる。
【0013】さらに、石灰石代替原料として上記非炭酸
質石灰含有廃棄物の使用量が大きければそれだけ炭酸ガ
ス低減効果は大きくなるだけでなく、石灰石の脱炭酸に
よる吸熱反応が低減し、セメントクリンカーの易焼成性
が向上して容易に焼成できるようになる。特に、上記廃
棄物の使用量が原料全体の50%を越えると易焼成性が
顕著に向上する。また、各種の非炭酸質石灰含有廃棄物
を適宜組み合わせることにより、従来使用していた石灰
石、粘土、珪石などの天然原料を全く使用せずに上記非
炭酸質石灰含有廃棄物だけでセメントクリンカーを製造
することも可能である。
【0014】上記石灰含有廃棄物はセメントの品質を低
下させるP2 5 やZnなどの有害物質や環境汚染の元凶
となるCr、Pb、Cdなどの重金属を有する場合がある。し
かし本発明の C2 S − C4 A3 S*− C4 AF−CS*系セメ
ント組成物は、原料に由来するこれらの有害物質の固定
能が大きく、特にその鉱物組成を適当な範囲に選択する
ことにより有害物質の固定能力はより一層大きくなる。
従って、原料中に多量の有害重金属を含有していても、
この有害物質がセメント組成物から溶出せず、またセン
メントやモルタル、コンクリートなどに打設した後でも
外部に溶出することがない。鉱物組成は原料の非炭酸質
石灰含有廃棄物の種類あるいは粘土や珪石を添加する場
合にはその混合割合を調整することにより組成比を制御
することができる。好ましい鉱物組成範囲は以下のとお
りである。 A:2CaO・ SiO2 :10〜40重量% B:3CaO・ 3Al2 O3 ・CaSO4 :15〜40重量% C:4CaO・Al2 O3 ・Fe 2 O 3 :10〜40重量% D:CaSO4 :15〜25重量% 有害物質の固定には、特に硫酸カルシウム(CaSO 4)が
有効であり、この成分を比較的多くすることにより有害
物質の固定能が向上する。
【0015】また、モルタル強度などの本来のセメント
の持つべき特性はセメントクリンカーを構成する鉱物の
比率に大きく依存し、適切な比率に調整することにより
優れた物性を発現する。本発明のセメント組成物におい
ては、強度の向上を図るうえで、以下の鉱物重量比率が
適当である。 A/B=0.5〜1.5 C/B=0.7〜1.5 D/B=0.5〜1.2 なお、A〜Dは上記と同じ、A:2CaO・ SiO2 、B:3C
aO・3AlO3 ・CaSO4 、C:4CaO・Al2 O 3 ・Fe2 O 3
D:CaSO4 である。
【0016】本発明において、石灰石の代替原料として
使用する石灰含有廃棄物は、セメントの主要構成成分で
あるCaO 、SiO 2 、Al2 O 3 、Fe2 O 3 、SO3 の1種あ
るいは2種以上を主成分として含有し、しかも炭酸イオ
ンや炭酸水素イオンなどのような分解して炭酸ガスを発
生させる成分を含まないか、またはその含有量が極く少
量であるものが使用される。かかる廃棄物を本発明では
前記のように非炭酸質石灰含有廃棄物と称する。なお、
実操業においては原料として安定に供給できるものが求
められることから、非炭酸質石灰含有廃棄物として具体
的には、高炉スラグ、製鋼スラグ、転炉スラグ、下水汚
泥乾粉、副産石膏などが用いられる。また、非炭酸質石
灰含有廃棄物と共に用いられる他のセメント原料として
は、同様に、炭酸ガスを発生させる成分を含まないか、
またはその含有量が極く少量である非炭酸質の廃棄物が
用いられる。該非炭酸質廃棄物としては、高炉二次ダス
ト、銅カラミ、鋳物廃砂、含油圧延スラッジ、フライア
ッシュやボトムアッシュを含む石炭灰、赤泥が挙げられ
る。なお石灰分の多い銅カラミおよび赤泥は非炭酸質石
灰含有廃棄物としても用いられる。
【0017】
【実施例】以下、本発明に係るセメント組成物の製造方
法を具体的に示す実施例を示す。なお、本実施例は例示
であり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0018】実施例1 セメント原料として表1に示す組成の非炭酸質石灰含有
廃棄物を使用した。鉱物組成でC2 S:30%、C4 3
S:20%、C4 AF:30%、CaSO4 :20%となるように
上記廃棄物の種類と使用量を調整し、この原料を1200℃
と1250℃の温度で焼成して上記鉱物組成のセメントクリ
ンカーを製造した。このセメント組成物について、易焼
成性の評価として未反応残留CaO 量を測定し、その結果
を図1に示した。図示するように、上記廃棄物の使用量
が50%を上回ると易焼成性が向上する。
【0019】実施例2 本発明の方法に従って製造したセメントの鉱物組成およ
び主要化学組成を表2に、使用した石灰含有廃棄物の種
類とその原料に占める重量割合、石灰石原単位および石
灰石の脱炭酸から発生するCO2 量を表3に示した。な
お、各セメントとも同じ重金属含有量(Cr:300ppm, Cu:
2500ppm, Zn:2000ppm, Pb:300ppm)となるように純薬を
原料の段階で添加した。いずれの原料調合物も上記石灰
含有廃棄物の種類と配合量を調整することにより調合が
可能であった。また、各調合原料はペレットに造粒した
後、回転キルンにより1200〜1300℃で焼成した。得られ
たクリンカーを容量100 kgのミルを用いて粉砕し、ブレ
ーン比表面積3200〜4000cm2/gとした。表3に示すよう
に、本実施例における石灰石原単位はセメントクリンカ
ー1トンあたり69〜419kg であり、普通ポルトランドセ
メントの石灰石原単位がセメントクリンカー1トンあた
り約1150kgであるのに対して大幅に低く、セメントクリ
ンカー焼成時に発生する炭酸ガス量は大幅に低減するこ
とがわかる。
【0020】また、表2に記載した組成のセメント組成
物について、JIS 規格に準じて物性試験を行った。また
環境基準法により実施した有害物質溶出試験を行った。
これらの結果を表4に示す。本発明に係る試料No.1〜4
は鉱物重量比が次の(1) および(2) を満たす範囲であ
り、また試料No5,6 は(1) の範囲を満たし、試料No.7〜
9 は廃棄物使用量が50%以上の範囲を満たす実施例であ
る。 (1) A (C2 S):10 〜40%、 B (C4 A 3 S*):15 〜40
%、C (C4 AF):10〜40%、 C (CaSO 4 ):15〜25% (2) A/B=0.5 〜1.5 、 C/B=0.7 〜1.5 、 D/B=0.5
〜1.2 試料No.1〜4 は強度発現が良好であり重金属の溶出も基
準値以下である。試料No.5〜6 は重金属の溶出は基準値
以下であるが上記(2) の範囲から外れるので強度発現が
やや低い。試料No.7〜9 は上記範囲(1)(2)から外れるの
で強度発現がやや低く、重金属の溶出量が一部基準値を
越えている。従って、上記セメント組成物は上記範囲
(1)(2)を同時に満足するものが最も好ましい。
【0021】これらの結果より、上記石灰含有廃棄物を
クリンカー原料として利用することにより、原料からの
炭酸ガスの発生量を大幅に低減したセメントの製造が可
能であり、しかもそのセメントは従来のセメントとほと
んど差異のない物性を有し、有害重金属などの溶出の起
こらないセメントが得られることが確認できた。
【0022】比較例 通常のセメント原料およびフライアッシュを原料として
用いた場合の、普通ポルトランドセメントの原料原単位
および石灰石の脱炭酸により発生するCO2 量を表5に示
す。表示するように、石灰石からのCO2 発生量はそれぞ
れセメントクリンカー1トンあたり506kg、495kgであ
り、普通ポルトランドセメントの組成ではフライアッシ
ュを原料として用いてもCO2 低減効果は低い。
【0023】
【発明の効果】本発明によるセメント組成物の製造方法
は、以上のようにセメントの焼成において原料から発生
する炭酸ガスを大幅に低減できると共に燃料からの炭酸
ガスも低減でき、かつ大量の産業廃棄物をクリンカー原
料として有効利用することができ、しかも有害物質が溶
出せず環境汚染の少ないセメントの製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の原料廃棄物と未反応 CaO(フリー
ライム)の関係を示すグラフ
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 久美子 千葉県佐倉市大作2丁目4番2号 小野 田セメント株式会社中央研究所内 (72)発明者 宇智田 俊一郎 千葉県佐倉市大作2丁目4番2号 小野 田セメント株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭50−10314(JP,A) 特開 平5−310453(JP,A) 特開 昭54−39434(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 7/00 - 7/60

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメントクリンカーの原料として、非炭
    酸質石灰含有廃棄物を用い、該廃棄物と他の原料成分と
    を混合して焼成することにより、セメントクリンカー鉱
    物として2CaO・SiO 2 −3CaO・3Al 2 O 3 ・CaSO4 −4C
    aO・Al2 O 3・Fe2 O 3 −CaSO4 系組成からなるセメン
    ト組成物を製造することを特徴とするセメント組成物の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 他の原料成分として非炭酸質廃棄物を用
    い、これと上記非炭酸質石灰含有廃棄物の合計量が原料
    総量の50重量%以上である請求項1に記載のセメント
    組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 セメント組成物の組成範囲が、A:2CaO
    ・SiO 2 :10〜40重量%、B:3CaO・3Al 2 O 3
    CaSO4 :15〜40重量%、C:4CaO・Al2 O 3 ・Fe2
    O 3 :10〜40重量%、D:CaSO4 :15〜25重量
    %、である請求項1または2に記載のセメント組成物の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 セメント組成物の鉱物の重量比率がA/
    B=0.5〜1.5、C/B=0.7〜1.5、D/B
    =0.5〜1.2、の範囲である請求項3に記載の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 非炭酸質石灰含有廃棄物が高炉スラグ、
    製鋼スラグ、転炉スラグ、下水汚泥乾粉、副産石膏を主
    体としたものである請求項1〜4の何れかに記載するセ
    メント組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 他の原料成分として用いる非炭酸質廃棄
    物が、高炉二次ダスト、銅カラミ、鋳物廃砂、含油圧延
    スラッジ、フライアッシュやボトムアッシュを含む石炭
    灰、赤泥を主体としたものである請求項1〜5の何れか
    に記載するセメント組成物の製造方法。
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