JP3492702B2 - 核酸の精製方法 - Google Patents

核酸の精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は高純度核酸を生成するための方法に関する。
具体的には、本発明は医薬品としての品質を備えた核酸
の生成に関する。本発明は、特には、医薬品としての品
質を有するプラスミドDNAを調製するための方法に関す
る。
発明の背景 組換えDNAの出現以来、さらなる分子生物学の研究に
向けてDNA及びRNAを精製するための方法が開発され、改
良されている。これらの方法は研究の場における多くの
核酸研究を可能にしているが、多くの現行の遺伝子治療
プロトコルにおいて必要とされるもののような、精製核
酸のヒト臨床使用に関連する問題に取り組んではいな
い。
遺伝子治療は患者の細胞への核酸導入を含み、この核
酸は発現したときに治療上の効果をその患者に与えるも
のである。それらの例には、外来性の機能的遺伝子を導
入して、欠陥遺伝子を有する患者の遺伝的欠陥を矯正
し、又は十分な水準で発現することのない遺伝子を補償
することが含まれる。他の例には、例えばウイルス感染
又は癌の治療における、遺伝的機能を遮断するための変
異体遺伝子、アンチセンス配列又はリボザイムの導入が
含まれる。
遺伝子治療においては、患者の細胞への外来性核酸の
導入にウイルスベクター、特にレトロウイルスベクター
を用いることに多くの焦点が当てられている。現在のと
ころ、これらのプロトコルの大部分は、まず患者の細胞
を患者から取り出し、生体外で遺伝的に改変した後に患
者に戻す生体外遺伝子治療のためのものである。生体外
遺伝子治療に代わるものは、生体内(イン・ビボ)遺伝
子治療である。イン・ビボ遺伝子治療は、外来性遺伝的
能力を患者に直接導入し、それが標的細胞によって取り
込まれ、次いでその標的細胞が導入された遺伝子を発現
させて治療用生成物を産生することを指す。ウイルスベ
クターが、それらの使用には多くの欠点、例えば、その
ウイルスベクターの免疫原性及び挿入突然変異誘発もし
くはウイルス混入のような安全性の懸念を伴うにも関わ
らず、イン・ビボ遺伝子治療に用いられている。
イン・ビボ遺伝子デリバリーの他の手段としては、問
題となっている標的組織への裸のDNAの導入、又は脂質
介在DNAデリバリーの使用がある。典型的には、裸のDNA
の導入は、外来性遺伝的能力を標的組織に直接導入しよ
うとする場合に用いられる。リポソーム又は脂質と複合
体を形成させることによりDNAが小型化され、これによ
り関心のある様々な組織への脂質/DNA複合体の全身性の
デリバリーが可能となる。PCT特許出願WO93/25673号を
参照のこと。脂質/DNA複合体は、脂質の組成、脂質/DNA
比、デリバリー様式等を変更することにより、特定の組
織を標的とすることができる。
核酸が患者に導入されるあらゆる用途に対応できるよ
う、高度に精製された医薬品級の核酸を生成する必要性
がある。このような精製核酸は、安全性、薬効及び有効
性の点で、薬物品質基準を満たさなければならない。加
えて、例えば数百ミリグラムないし数百グラムの範囲
の、大量のDNAを生成するのに用いることができる。増
減可能なプロセスを有することが望ましい。したがっ
て、毒性化学物質、既知変異誘発物質、有機溶媒、又は
生成される核酸の安全性もしくは有効性を損なう他の試
薬を用いることがなく、又はスケールアップを困難もし
くは非実用的にすることのない、高度に純粋な核酸を生
成するための方法を有することが望ましい。また、患者
に投与した場合に毒性応答を誘起し得る内毒素が混入し
ていない核酸を調製することも望ましい。高水準の内毒
素を有するグラム陰性バクテリア源、例えばプラスミド
もしくはバクテリオファージDNAから核酸が精製される
場合には、混入内毒素の除去は特に重要である。
以下に記載される本発明はこれらの要求を満たし、そ
の上、他の関連する利点をも提供する。
関連文献 Lisら,(1975)Nucleic Acids Res.2:383−389に
は、ポリエチレングリコールベースのDNA精製方法が記
述されている。Zasloffら,(1978)Nucleic Acids R
es.5:1139−1153には、プラスミドDNAの酸フェノール精
製が記述されている。Sambrookら,(1989)分子クロー
ニング:実験マニュアル(Molecullar Cloning:A Lab
oratory Manual),第2版,Cold Spring Harbor La
boratory Pressには、プラスミドDNAを精製するための
比較的小規模なリサーチグレードの方法に関し、幾つか
の異なる方法が記述されている。Ausubelら編(1989)
分子生物学における現在のプロトコル(Current Proto
cols in Molecular Biology),John Wiley & So
ns,New Yorkにも、研究用のプラスミドDNAを精製する
ための比較的小規模の方法についての異なる方法が開示
されている。
Chandraら(1992)Anal.Biochem.203:169−172には、
プラスミドDNAの調製へのハイロードQセファロース(H
i−Load Q Sepharose)カラムクロマトグラフィーの
使用が記述されている。Marquetら,(1995)BioPharm
September 1995:26−37及びHornら,(1995)Hum.Ge
ne Therapy 6:565−573には、プラスミドDNAを調製す
るためにポリエチレングリコール及びゲル濾過/サイズ
排除クロマトグラフィーの使用を含む技術ならびにプロ
セス開発の問題が論じられている。Davisら,(1996)B
ioTechniques 21:92−99では、塩化セシウム及び陰イ
オン交換精製プラスミドDNAが、遺伝子転移効率につい
て比較されている。プラスミドDNAの精製に陰イオン交
換クロマトグラフィー樹脂を用いる高速液体クロマトグ
ラフィーが、Thompson(1986)BioChromatography 1
(2):68−80及びCoppellaら,(1987)J.Chromatogra
phy 402:189−199に記述されている。
正接流動濾過(tangential flow filtration)に用
いられる原理、理論及び装置は、分離技術、医薬及びバ
イオテクノロジーの用途(Separations Technology,Ph
armaceutical and Biotechnology Application),W.
P.Olsonら編,Interpharm Press,Inc.,Buffalo Grove,
IL(1995)のMichaels,S.L.ら,“正接流動濾過(Tange
ntial Flow Filtration)”に記述されている。生物
学的試料から内毒素を除去するためのプロセスは、Shar
ma,(1986)Biotech.and Applied Biochem.8:5−22;V
anhaeckeら,(1989)J.Clin.Microbiol.27(12);2710
−2712;Weissら,Sartorius Corporation,Developing
Methods#7,“内毒素除去(Endotoxin Removal)"Edge
wood,NY;Talmadgeら,(1989)J.Chromatography 476;
175−185;及びHouら,(1990)Biotech.and Applied
Biochem.12:315−324に記述されている。Montbriand
ら,(1996)J.Biotechnology 44:43−46には、ポリミ
キシンB樹脂を用いた、DNAからの内毒素の除去が記述
されている。
ここで引用される全ての参考文献は、参照することに
よりそれらの全体がここで説明されるものとして、ここ
に組み込まれる。
発明の要約 本発明は、溶液から核酸を精製するための方法であっ
て、ゲル層を有する限外濾過ユニットを通してその溶液
を濾過して透過溶液及び保持溶液を得、それにより核酸
をその保持溶液中に保持し、かつその保持溶液を回収し
て精製核酸溶液を得ることを含む方法である。
好ましくは、核酸はDNAであり、特にはウイルス又は
プラスミドDNAである。限外濾過ユニットは、好ましく
は、開放チャンネル平坦プレート装置又は中空ファイバ
ー装置である。限外濾過膜は、大部分の核酸に対して1K
ないし1,000K、プラスミドDNAに対しては好ましくは約5
0Kないし500K、最も好ましくは約300Kないし500Kの分子
量カットオフを有している。ゲル層が形成される条件下
で限外濾過が行われると、より高い純度が得られる。こ
のゲル層は、約5psi(34.5キロパスカル)ないし約30ps
i(206.8キロパスカル)、好ましくは約10psi(68.9キ
ロパスカル)ないし20psi(137.9キロパスカル)の圧力
を用いて、約90分まで形成させることができる。この限
外濾過工程の間に、約2倍ないし約50倍に核酸溶液を濃
縮することができる。
さらに好ましい態様においては、正接流動限外濾過の
後、保持溶液を0.2μmフィルターを通して濾過し、濾
過したプラスミドDNA溶液を正に荷電したイオン交換ク
ロマトグラフィー樹脂にかけ、生理食塩水勾配でプラス
ミドDNAをイオン交換クロマトグラフィー樹脂から溶離
することにより、プラスミドDNAをさらに精製する。こ
の精製プラスミドDNAを、さらなるダイアフィルトレー
ション工程によりさらに精製し、かつ、任意に、精製プ
ラスミドDNAの用途に適するバッファ中で、さらに濃縮
及び/又は交換することができる。
本発明は、さらに、本発明の方法により調製された核
酸を含む製剤組成物を提供する。この製剤組成物は、好
ましくはプラスミドDNAであり、核酸のミリグラム当た
り約100未満の内毒素単位、約2%未満のRNA、約1%未
満の一本鎖DNA、約0.1%未満のタンパク質、約1%未満
のゲノムDNA及び90%を上回る閉じた環状プラスミドDNA
を含む。
本発明の有利な点は、フェノール、クロロホルム、エ
ーテル、エタノール、イソプロパノール、イソアミルア
ルコール、n−ブタノール又は他の有機溶媒等の有機溶
媒を用いることなく核酸を調製できることである。この
ような溶媒の使用は、最終生成物中に痕跡量が存在する
可能性から、安全性及び調節・制御の懸念を引き起こ
す。加えて、このような溶媒は有毒であって引火性を有
するので、大規模精製に必要とされる量で用いた場合に
は、重大な危険性及び廃棄の問題を引き起こす。本発明
の精製核酸はまた、実質的に内毒素が混入していない。
また、本発明の方法により調製される核酸が高度に精
製されていることも、本発明の利点である。高度に精製
された核酸は、そのような核酸を用いるプロセスの再現
性及び有効性を改善すると共に、安全性の点から有利で
ある。特に、本発明の高度に精製されたDNAは、脂質坦
体を用いる遺伝子デリバリーに有利に用いられ、それに
より再現性のある高い形質移入効率が得られる。
本発明の特に好ましい態様は、以下の好ましい態様に
ついてのより詳細な説明及び請求の範囲から明らかとな
るであろう。
図面の簡単な説明 図1は、正接流動限外濾過プロセスの模式図である。
図2は、実施例1に記載された大規模プラスミドDNA
精製の模式図を示す。
図3は、プラスミドp4119の模式図である。
図4は、実施例1に記載されたTFU前のp4119調製品
(パネルA)及びTFU後に得られた保持画分(パネル
B)のHPLC分析のグラフである。
図5は、実施例1に記載されたp4199最終精製生成物
のアガロースゲル電気泳動の結果を示す。レーンは、左
から右に、(a)分子量マーカー、(b)4回切断した
p4199、(c)2回切断したp4199、(d)1回切断した
p4119、及び(e)非切断p4199である。
図6は、実施例1に記載されたp4199精製の最終生成
物のHPLC分析のグラフである。
好ましい態様の詳細な説明 定義: “ダイアフィルトレーション(diafiltration)”
は、保持物を連続的に再循環し、かつ新鮮な洗浄液で希
釈して、透過物として除去されたものを置き換える限外
濾過システムの稼働様式である。ダイアフィルトレーシ
ョンは、一般に、より小さい分子を濾液中に通過させな
がら保持試料中に保持されるマクロ分子をより高純度で
分離させる。また、同じ工程における溶媒の除去又はバ
ッファの交換に用いることもできる。“連続ダイアフィ
ルトレーション”は、濾過を行いながら新鮮な洗浄バッ
ファを連続的に添加することを指す。“不連続ダイアフ
ィルトレーション”は、限外濾過による試料の濃縮及び
バッファでの再希釈を反復させる工程を指す。
“ゲル層”は、限外濾過膜上又はその内部に形成され
得る生体分子のゼラチン状薄層を指す。このゲル層は、
一般には、通常濃度分極とも呼ばれる一定の溶質濃度を
有する、粘着性接着層である。これは、通常、その層を
形成する溶質の性質に応じてある程度の水圧透過性(hy
draulic permeability)を有する。“ゲル層制御”限
外濾過は、ゲル層が濾液の流速に対する制限因子にな
り、さらなる圧力の増加にほとんど、もしくは全く効果
がない濾過条件を指す。対照的に、“膜制御”条件は、
膜の透過性及び加えられる圧力によって濾液の流速が制
御されるものである。
“開放チャンネル”フィルターは、供給チャンネル内
にスクリーン(篩)を持たないものである。対照的に、
“スクリーンチャンネル”もしくは“閉鎖チャンネル”
は、供給チャンネル内に篩を備えるフィルターである。
“透過物”は、試料の限外濾過膜を通過する部分を指
し、“濾液”とも呼ばれる。
“保持物”は、試料の限外濾過膜を通過しない部分を
指す。
“正接流動”もしくは“交差流動”濾過は、試料溶液
が膜の頂部を横切って循環し、その間に印加した圧力に
より溶質及び小分子が膜を通過する濾過プロセスを指
す。
“限外濾過”は、約0.001μmないし約0.05μmの範
囲の細孔サイズを有する膜を通す濾過により粒子を分離
する技術を指す。限外濾過膜は、典型的には、1,000な
いし1,000,000ダルトンの範囲の分子量カットオフ(MWC
O)を有する。このMWCOは、典型的には、その膜によっ
て90%が保持される球状溶質の分子量として定義され
る。フィルトロン(Filtron)カタログ、1995/96、第5
頁を参照のこと。膜を通過し、もしくはそれにより保持
される粒子の実際の分子量は、サイズはもちろんのこ
と、所定の分子の形状(conformation)及び電荷、性質
もしくは膜の細孔あるいはマトリックス、及び溶液の導
電率とpHにも依存する。
今では、タンパク質、細胞残滓、内毒素、小分解ヌク
レオチド、およびその他を含む物質の混合物から、正接
流動限外濾過(TFU)により核酸を高度に精製すること
ができることが見出されている。この技術は簡潔で効率
的であり、かつ非常に高い純度の核酸を一工程で、しば
しばHPLC分析で95%ないし100%のオーダーで生成す
る。また、一工程でダイアフィルトレーションと適切に
組み合わせ、それにより核酸溶液を濃縮及び/又は異な
るバッファ溶液中に交換して溶媒、塩等を除去すること
もできる。
ここに記述される方法により精製及び/又は濃縮する
ことができる核酸には、DNA、RNA及びキメラDNA/RNA分
子が含まれ、真核細胞及び原核細胞を含むあらゆる生物
学的な源に由来するものであっても、合成物であっても
よい。精製することができる核酸には、染色体DNA断
片、リボソームRNA、mRNA、snRNA、tRNA、プラスミドDN
A、ウイルスRNAもしくはDNA、合成オリゴヌクレオチ
ド、リボザイム等が含まれる。好ましいものは、ウイル
スの核酸及び染色体外DNAである。特に関心があるもの
は、治療用遺伝子をコードするプラスミドDNAである。
“治療用遺伝子”により、適切な宿主細胞において発現
してその宿主細胞中の欠陥もしくは発現不十分の遺伝子
を補完することが可能な機能的遺伝子もしくは遺伝子断
片はもちろん、例えば、アンチセンス配列、リボザイ
ム、トランス優性阻害物質等の、発現したときに宿主細
胞中の遺伝子の機能を阻害もしくは抑制する遺伝子又は
遺伝子断片をも含めることが意図されている。
したがって、例えば、ウイルスDNA又はRNAを原核又は
真核ウイルスから精製することが可能であり、ここで
は、まず最初に、ウイルス粒子をウイルス感染を許容す
る培養物又は細胞から、例えば、細菌、昆虫、酵母、植
物又は哺乳動物細胞培養物から、通常の技術に従って精
製する。染色体外DNAには、例えば、哺乳動物細胞(例
えばYatesら,Nature(1985)313:812−815;Heinzelら,M
ol.Cell.Biol.(1991)11(4):2263−2272)、植物細
胞、酵母細胞(例えば、2μmプラスミド)、及び原核
細胞を含む様々な源に由来する、自立的に複製するDNA
が含まれる。原核細胞から単離されるプラスミドDNAに
は、天然プラスミドはもちろん、例えば、マーカー遺伝
子又は治療用遺伝子等の、問題となる遺伝子をコードす
る組換えプラスミドが含まれる。
正接流動限外濾過の前の核酸試料の初期予備精製は、
核酸の源及び所望の精製水準に依存して行われる。理想
的には、混入物の多くを正接流動限外濾過以前に1以上
の粗精製工程により除去し、限外濾過膜を汚染して効率
の妨げとなりうる混入粒子の数を減少させ、かつ核酸と
共に保持されるより大きな汚染物質の量を低下させる。
生物学的な源、例えば、細胞系、哺乳動物、酵母、植物
又は細菌細胞を含む組織及び細胞から得られる核酸に対
しては、細胞を溶解し、かつ細胞成分、例えば、タンパ
ク質、細胞壁もしくは膜を除去するための初期予備工程
は、当該技術分野における通常の技術を有する者に知ら
れた通常の方法を用いて行うことができる。例えば、Sa
mbrookら、1989;Ausubelら、1989を参照のこと。プラス
ミドDNAのような染色体外DNAを精製するためには、染色
体DNAを剪断しない方法を用いることが望ましく、それ
により、その除去をより容易にし、かつ最終プラスミド
DNA生成物との混入を回避することができる。したがっ
て、例えば、アルカリ及び/又は洗浄剤、例えば、SD
S、NP40、ツィーン20等で溶解した後にタンパク質、染
色体DNA及び細胞残滓を沈殿させることを含む通常の手
順を用いて、細胞源からプラスミドDNAを単離すること
ができる。哺乳動物細胞から細胞外DNAを精製するに
は、例えば、従来のハート(Hirt)抽出を用いることが
できる;Hirt,B.,(1967)J.Mol.Biol.26:365−369。合
成核酸については、TFUに先立つ予備処理は、ほとん
ど、もしくは全く必要ない。
医薬品グレードの核酸が望まれる場合には、安全性及
び制御の懸念を引き起こし得る有機溶媒又は毒性化学物
質の使用を予備工程に含めないことが非常に好ましい。
下記実施例1には、有機化学物質もしくは毒性化学物質
を用いることなく、本発明の方法を用いて、高純度の医
薬品グレードのプラスミドDNAを生成する方法が例示さ
れている。
図1は、正接流動限外濾過プロセスの模式図である。
簡単に述べると、供給タンク10は濾過しようとする試料
溶液を収容する。この溶液は、供給チャンネル、すなわ
ち供給ライン20を介して濾過ユニット50に入る。供給ラ
イン20に位置する循環ポンプ30は、溶液流を制御する。
濾過ユニット50は、限外濾過膜を備えている。この限外
濾過膜を通す濾過により、試料溶液が透過溶液及び保持
溶液に分離する。透過溶液は、透過チャンネル、すなわ
ち透過ライン60を介してユニットから排出される。この
透過チャンネルを介する流動は、透過チャンネル60に位
置する透過弁により制御することができる。保持溶液
は、循環して供給タンク10に戻る保持チャンネル、すな
わち保持ライン90に入る。限外濾過膜を貫通する圧力
(膜貫通圧、すなわちTMP)は、供給チャンネル40及び
保持チャンネル80の圧力検出器によって測定される。TM
Pは、保持弁100を調整することにより制御される。TFU
がダイアフィルトレーションモードで行われる場合に
は、供給タンク10で、試料溶液にダイアフィルトレーシ
ョンバッファ110を添加する。しかしながら、TFUが試料
溶液の濃縮に用いられる場合には、供給タンク10にタイ
アフィルトレーションバッファ110を添加しない。シス
テムの制御は、圧力変換器、流量計、インライン導電率
計、及び他のフィードバックループを用いて手動で、又
は自動で行うことができる。
限外濾過膜は、精製しようとする核酸のサイズ及び形
状に基づいて選択し、典型的には、1Kないし1,000Kダル
トンの範囲の分子量カットオフ(MWCO)を有する。多く
の高次コイルプラスミドDNAに対しては、約300Kないし5
00KダルトンのMWCOを有する限外濾過膜を用いることが
できる。しかしながら、幾つかのより大きいプラスミド
に対しては、より大きいMWCO膜を用いると、得られるDN
Aの速度、純度及び品質が改善される。したがって、好
ましくは、約2Kbないし15Kbの範囲のサイズを有するプ
ラスミドDNAは、300KダルトンのMWCOを有する限外濾過
膜を用いて精製し;約15Kbないし約50Kbの範囲のプラス
ミドは500KダルトンのMWCOを有する膜を用いて精製する
ことができ;約40Kb以上のプラスミドは1,000Kダルトン
のMWCOを有する膜を用いて精製することができる。幾つ
かの中空ファイバー限外濾過装置、例えば、対称性細孔
を有するものを用いて、より大きな呼称細孔サイズを用
いることができる。例えば、約5KbまでのプラスミドDNA
は、中空ファイバー装置において、500Kダルトンまでの
MWCOを有する膜を用いて精製することができる。
これらの条件下で、プラスミドDNAは保持物中に保持
され、これに対して多くのタンパク質、細胞膜残滓、炭
水化物、小分解ヌクレオチド等を含む混入物質は、膜を
通過して濾液中に入る。より小さい核酸、例えば、小合
成オリゴヌクレオチドは、約1Kないし5KダルトンのMWCO
を有する限外濾過膜を用いて精製することができる。精
製しようとするあらゆる核酸に対し、様々な製造業者か
ら入手可能な小規模装置、例えば、遠心装置、攪拌細胞
装置、又は小規模中空ファイバーシステムを用いて、最
適膜細孔サイズを経験的に決定することができる。プロ
セス規模の開発におけるパラメータの最適化には、マニ
ホールド系を用いることができる。限外濾過装置の市販
品としては、ポール−フィルトロン(Pall−Filtron)
(ノースバラ、MA)、ミリポア(Millipore)(ベッド
フォード、MA)、及びアミコン(Amicon)(ダンバー
ス、MA)が含まれる。
例えば、平坦プレート装置、螺旋巻きカートリッジ、
中空ファイバー、管状又は単シート装置など、本発明に
おいて有用な多くの型の限外濾過装置が購入可能であ
る。Michaelsら、(1995)を参照のこと。限外濾過ユニ
ットは、平坦プレート装置又は中空ファイバー装置であ
ることが好ましい。
TFUに用いられる濾過装置が開放チャンネル装置であ
る場合、核酸の剪断が最小化されることが見出されてい
る。篩を備えたチャンネルは、ゲル層の形成を妨げ、保
持される核酸を剪断してその収量を減少させることが見
出されている。しかしながら、剪断及び核酸の損失を最
小限にすることができるように、篩の圧縮が最小である
ようなスクリーンチャンネルを設計することは可能であ
る。
用いられる限外濾過膜の表面積は、精製しようとする
核酸の量に依存する。一般には、核酸のグラム当たり約
10平方フィートの膜が用いられる。したがって、核酸20
0ないし800mg当たり約5平方フィートの膜が用いられ;
より一般的には、核酸400ないし約600mgに対して約5平
方フィートの膜が用いられる。
この膜は、吸着損失を最少化するために低結合性の材
料のものにでき、用いようとするバッファに対して耐久
性があり、それで清浄化することができて、かつそれに
化学的に適合するものであるべきである。例えば、酢酸
セルロース、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及び
ポリビニリデン二フッ化物などの多くの適切な膜が、商
業的に入手可能である。好ましくは、この膜の材料はポ
リエーテルスルホンである。
TFUの開始前に膜表面にゲル層を形成させると、より
高い収量及び純度が得られることが見出されている。し
たがって、最初に、透過弁70を開放し、かつ透過溶液を
供給タンク10に再循環させながら、ゲル層を形成させる
のに十分な時間、限外濾過装置50を通して試料溶液を循
環させる。ゲル層形成に必要な時間は、例えばHPLC分析
により、生成物の損失に対する透過溶液を、監視するこ
とによって、経験的に決定することができる。ひとたび
透過物に入る生成物の損失が十分に低くなれば、そのゲ
ル層は適切である。好ましい条件下において、このゲル
層は、通常はその膜を通過する核酸分子を保持すること
ができる第2膜障壁として作用する。しかしながら、例
えば圧力及び供給等、完全にゲル層を制御する条件下で
限外濾過を行う必要はない。したがって、ここで用いら
れる場合、ゲル層存在下での濾過とは、限外濾過膜単独
から生じるものを越えて、さらなる溶質を保持するのに
十分なゲル層が存在することを意味する。
一般的には、ゲル層は、装置及び核酸のサイズに応じ
て、約5ないし90分間、好ましくは約20ないし60分間形
成させる。例えば、小プラスミドDNA(例えば、2Kb)を
精製するのに、平坦プレート装置を用いて、ゲル層を約
60ないし90分間形成させる;より大きいプラスミドDNA
(例えば、2〜7Kb)に対しては、ゲル層を約30分形成
させる。中空ファイバー装置を用いると、ほとんどのプ
ラスミドDNAに対して約5ないし30分、約2Kb未満のプラ
スミドDNAに対しては45分まで、それぞれゲル層を形成
させることができる。ゲル層が形成された後、透過ライ
ン60の内容物を廃棄物容器に流して空にし、濾過を進行
させる。
初期循環期間中にゲル層が形成されない場合、通常
は、透過溶液への漏出により生成物が失われる。生成物
損失の量は、用いられる装置の型、膜のMWCO及び試料中
の核酸の全量に依存する。したがって、生成物の収量が
重要ではない状況においては、その間にゲル層が形成さ
れる初期循環期間を設けずに濾過を行うことができる。
このような場合、濾過の初期期間にゲル層を形成させる
ことが可能であり、その後には透過溶液への生成物の漏
出が減少し、生成物が保持溶液中に保持される。例え
ば、中空ファイバー装置においては、短期間(例えば、
約5KbのプラスミドDNA及び約150mgDNA/平方フィートに
対しては約5分)でゲル層を形成することができるた
め、ゲル層形成の初期期間の生成物の損失は大きいもの
ではなく、したがって、その間にゲル層が形成される供
給タンクへの透過溶液の再循環は必要ない。
濾過は正接流動を用いて行い、試料バッファを膜表面
と交差するように循環させる。正接流動濾過の間、膜を
横切って圧力を加え、これにより保持物が再循環しなが
らより小さい分子がその膜を通過する。一般的には、一
定の膜貫通圧が維持されるように流速を調整する。通
常、流速及び圧力は、ゲル層の形成のために初めは変動
する。一般には、圧力及び流速が高いほど濾過が早く進
行するが、高流速は核酸の剪断又は膜の通過による損失
をもたらすように思われる。加えて、様々なTFU装置
に、それらを起動させる上での特定の圧力限界が存在し
うる。したがって、製造者の仕様に従って圧力を調整す
ることができる。平坦プレート装置では、圧力は、好ま
しくは約5psi(34.5キロパスカル)ないし約30psi(20
6.8キロパスカル)、最も好ましくは10psi(68.9キロパ
スカル)ないし20psi(137.9キロパスカル)の範囲にあ
る。大部分のプラスミドDNAに対しては、15psi(103.4
キロパスカル)ないし20psi(137.9キロパスカル)が好
ましい。循環ポンプ30は、核酸剪断を確実に最小限なも
のとするように選択される。典型的には、循環ポンプ30
は供給チャンネル20内の蠕動ポンプ又はダイアフラムポ
ンプであり、その圧力は保持弁100を調整することによ
り制御される。
濾過は、一般には、ダイアフィルトレーション様式で
行われる。任意に、所望の容積に濃縮されるまでバッフ
ァを添加することなく、最初に試料溶液を濾過すること
ができる。ひとたび濃縮されたら、ダイアフィルトレー
ションバッファ110を添加し、濾過を続けて小分子が混
入する保持溶液を洗浄し、望ましくない溶媒及び塩を除
去する。ダイアフィルトレーションは、連続的であって
も不連続であってもよい。好ましくは、ダイアフィルト
レーションは連続的であり、約5ないし約500容積に相
当するもの、好ましくは約10ないし100容積に相当する
ものが交換されるまで行う。一般には、必要とされる純
度に応じて、核酸に結合する混入物が増加するに従っ
て、より多くのダイアフィルトレーションを行う。
TFUの後の精製核酸の収量をさらに改善するため、透
過弁70を閉鎖し、濾過ユニット50を介して保持溶液を数
分間再循環させて残留核酸を除去する。保持溶液を回収
し、ダイアフィルトレーションバッファ110をさらに添
加して、膜フィルターを洗浄する。典型的には、1ない
し2容積に相当するダイアフィルトレーションバッファ
110を用いて膜フィルターを洗浄する。保持物を再度集
め、精製核酸を含む元の保持溶液と合わせる。
正接流動限外濾過によって精製した核酸は、直接用い
ることができ、又は出発試料における混入の水準及びタ
イプ、並びに所望の用途に応じて、さらに精製すること
ができる。一般的には、正接流動濾過により精製される
核酸は、HPLCによる分析で、90%を上回る純度であり、
しばしば95%ないし100%の純度である。このようにし
て精製された核酸は、多くの用途、例えば、クローン化
もしくは遺伝子発現のような分子生物学的用途、又は、
例えばPCR、RT−PCR、デンドリマー形成等を用いる診断
用途に用いることができる。
治療上の使用、例えば、遺伝子治療における使用につ
いては、正接流動濾過工程から得られた核酸をさらに精
製することが望ましい。本発明の好ましい態様において
は、正接流動濾過から得られた核酸試料を、続けて0.2
μmフィルターを通して濾過し、イオン交換クロマトグ
ラフィーを用いてさらに精製して、任意に、再度0.2μ
mフィルターを通して濾過する。望ましくは、この核酸
を限外濾過を用いてさらに濃縮してダイアフィルトレー
ションし、最終滅菌工程として再度0.2μmフィルター
を通して濾過する。
0.2μmフィルターを通す濾過は、核酸の損失を最少
に止めながら内毒素及び微生物を除去するのに用いるこ
とができる。0.2μmフィルターは、様々な市販品から
入手することができ、これらにはポール−フィルトロン
(イースト・ヒルズ、NY)、サルトリウス(Sartoriu
s)(エッジウッド、NY)、及びゲルマン(Gelman)
(アナーバー、MI)が含まれる。理想的には、用いられ
るフィルターは、核酸を通過させる一方で内毒素に結合
するものである。ポール・ウルティポア(登録商標)
(Pall Ultipor)N66(登録商標)フィルターは、高収
率の核酸を生じさせながら相当量の内毒素を除去するこ
とが見出されている。好ましくは、0.2μmフィルター
を通す濾過に先立ち、0.45μmフィルターを通して核酸
溶液を予備濾過する。内毒素の除去のために作製された
フィルター、例えばイオン交換フィルターは、多くの場
合において、核酸がそのフィルターに結合してしまうた
め、核酸精製での使用には適していない。
イオン交換クロマトグラフィーを、特に混入内毒素、
痕跡タンパク質、及び残留細胞性混入物から核酸をさら
に精製するのに用いることができる。クロマトグラフィ
ーカラムに陰イオン交換クロマトグラフィー樹脂を充填
する。カラムの最適容積は、用いられる樹脂及び精製し
ようとする核酸のサイズに基づいて経験的に決定する。
イオン交換クロマトグラフィー樹脂は、商業的に入手
することができ、これらにはEMセパレーションズ(EM
Separations)(ギブスタウン、NJ)、バイオセプラ(B
ioSepra)(モールバラ、MA)、ポリマー・ラボラトリ
ーズ(Polymer Laboratories)(アマースト、MA)、
パーセプティブ・バイオシステムズ(Perseptive Bios
ystems)(ケンブリッジ、MA)、タソ・ハース(Taso
Hass)(モントゴメリビル、PA)及びファルマシア(Ph
armacia)(ウプサラ、スウェーデン)が含まれる。大
部分のプラスミドDNAに対して好ましい樹脂は、細孔が
ないもの、又は、例えば1000Åを上回り、好ましくは約
3000Åないし4000Åの大細孔サイズを有し、例えば、約
20ないし500μm径の中程度ビーズサイズを有するもの
で、マトリックス成分を浸出させないものである。この
樹脂は、例えば水酸化ナトリウムで洗浄して反復使用が
可能でもあることが理想的である。
クロマトグラフィーカラムに、陰イオン交換クロマト
グラフィー樹脂を充填する。カラムの最適容積は、用い
られる樹脂及び精製しようとする核酸のサイズに基づい
て経験的に決定する。カラムは、低圧下、一般的には約
7バール未満で充填する。この圧力は、用いられる樹脂
に依存し、通常は製造者の仕様に従う。樹脂の細孔サイ
ズが小さくて樹脂細孔内での核酸の捕捉が制限される場
合には、カラム圧はより低くてもよい。したがって、細
孔を持たない樹脂に対しては、カラム圧を増加させるこ
とができる。カラムは、通常の技術に従い、予想される
流速の約2倍で充填する。
核酸試料を、その核酸がカラムから溶離する濃度を下
回る塩濃度を有する添加バッファーに含めてカラムに添
加する。典型的には、塩濃度は、用いられる樹脂に応じ
て約10ないし50mSである。より弱い陰イオン交換樹脂に
対してはより低い導電率の溶液が用いられ、それに対
し、より強い陰イオン交換樹脂に対してはより高い導電
率の溶液が用いられる。その後、カラムを数カラム容積
のバッファで洗浄して、樹脂に弱く結合する物質を除去
する。次に、通常の方法による浅い連続生理食塩水勾配
を用いて、例えば、トリス−HClバッファ中1.5MまでのN
aClを用いて、カラムから画分を溶離する。試料画分を
カラムから回収する。中規模調製(例えば、約100mgな
いし約3グラムの核酸)に対しては、核酸ピークが期待
される画分は、典型的には少なくとも50mlないし2リッ
トルであり、その後期待されるピークを越えてからは容
積を増加させる。核酸の収量及び純度の分析測定を、各
々の画分に対して行う。加えて、カブトガニ血球抽出物
(LAL)分析を各画分に対して行い、各画分中の残留内
毒素の水準を決定することができる。高水準の核酸及び
低内毒素を含む画分をプールする。得られた核酸試料
を、内毒素の水準及び所望の純度に応じて、再度0.2μ
mフィルターを通して濾過することができる。
多くの用途に対し、引き続く使用のため、さらに核酸
を精製し、生じる核酸試料の塩濃度を低下させ、試料を
濃縮し、及び/又はバッファをより適切なバッファに交
換することが望ましい。この結果を得るため、最終ダイ
アフィルトレーション工程をこの段階で行うことができ
る。所望であれば、それ以前の精製に用いられたものよ
りも小さいMWCOの限外濾過膜を、この引き続くダイアフ
ィルトレーション工程に用いることができるが、これ
は、核酸がこの段階で高度に精製され、かつ小さいもの
が優勢な溶質分子が膜を通過して濾液中に入るためであ
る。多くのプラスミドDNAに対して、10Kないし100KのMP
CO膜を用いることができる。より小さい停滞容積、流動
の増加、高収量及びより短い処理時間のため、約100Kの
MPCO膜を備える中空ファイバー装置が、この段階で、特
には濃縮された核酸溶液を取り扱う場合に好ましい。
上記プロトコルに従って精製されたDNAを、遺伝子治
療において用いるために脂質坦体と複合体を形成させる
場合には、好ましくはダイアフィルトレーションによ
り、そのDNAを低導電性バッファ中に交換することが望
ましい。低導電性バッファとは、約10mS未満、好ましく
は約1mS未満のあらゆるバッファを含むことを意味す
る。
上記プロトコルの様々な箇所で、核酸の収量及び純度
の分析測定が有益に行われる。典型的には、このような
分析は、例えば予備イオン交換クロマトグラフィーから
の核酸含有画分の各々に対して行う他に、各精製工程の
前後に行う。これらの分析測定を行うのに好ましい手段
には、純度のHPLC分析、収量の分光光学的評価、タンパ
ク質分析用の銀染色及びSDS−PAGE、並びにDNA分析用の
アガロースゲル電気泳動及びサザンブロッティングが含
まれる。
以下の実施例は、上述の方法及び有利な結果について
の特定のアスペクトを説明する。以下の例は説明として
示されるものであって、限定するものとして示されるも
のではない。
実施例1 p4119DNAの調製 製薬品質のDNAを、全ての細胞培養手順に無菌培養条
件を用いて、以下のように調製した。図2は手続工程の
模式図である。
カルベニシリン(100μg/ml)を補い追加した100mlTB
ブロス(Sambrookら、1989)を収容する500mlの泡栓(f
oam−plugged)フラスコに凍結(−80℃)細菌培養物1m
lを添加することにより、凍結貯蔵物から、プラスミドp
4119(図3)を含む大腸菌の接種物を調製した。培養物
を約6時間、37℃でインキュベートし、220rpmで振盪し
た。培養物の成長を目視検査により、又はOD600を測定
することにより決定し、それにより0.5ないし5のOD値
が許容可能であると判断された。
この培養物5mlを用いて、カルベニシリン(100μg/m
l)及び1ml/10Lメイズ(Mazu)DF204消泡剤を補った10L
TB培地を収容する4つのバイオリアクターの各々に接
種した。この培養物を37℃でインキュベートし、最初に
300rpmで攪拌した。これらの培養物を曝気し、カスケー
ド制御ループ、攪拌、反対流、及び平均で約40%飽和へ
の酸素濃縮により、溶解した酸素を制御した。培養物
を、約10ないし16時間インキュベートした。インキュベ
ーションの後、各培養物の細胞含有量をOD600により決
定した:OD600値は、16ないし18の範囲であった。細胞
を、冷却カール連続流動遠心で、遠心により回収した。
細胞ペレットを薄いシートに広げ、さらなるプラスミ
ドの精製に用いるまで−80℃で凍結した。32Kgの細胞ペ
レットを、16Lの溶液I(25mMトリス−HCl、pH8、10mM
EDTA、50mMデキストロース)に、室温で、150rpmで攪
拌しながら1時間再懸濁させた。RNA分解酵素(305mgRN
A分解酵素/Kg細胞ペレット)を添加することによりRNA
分解酵素消化を行い、その溶液を氷上で2時間インキュ
ベートした。それらの細胞を、氷浴中溶液II(0.2 NaO
H/1%SDS)32Lに添加することにより溶解した。この溶
液を、バウ−タイ(Bow−Tie)攪拌機(コール・パーマ
ー(Cole Parmer)、バーノン・ヒルズ、IL)を用いて
25分間攪拌した。次に、この溶液を中和し、16Lの氷冷
溶液III(3Mカリウム、5M酢酸塩、pH5.5)を添加するこ
とにより、細胞残滓及び染色体DNAを沈殿させた。この
溶液を、バウ−タイ攪拌機を用いて氷上で25分間混合し
た。
沈殿した物質を、遠心により中和細胞溶解溶液から除
去した。この溶液を、1L遠心ボルトに等分し、5300rpm
で20分間2℃で遠心した。その後、上清を、互いに90゜
に配置された2層ミラクロス(Miracloth)(カルバイ
オケム(CalBiochem)、ラ・ホーヤ、CA)を通して室温
で容器にデカントした。次に、このデカントした上清
を、連続的に配置された1.2及び0.2μmフィルターを通
して濾過した。この段階での遠心の代わりとして、セラ
イトメ HYFLO SUPER CELL(セライト社(Celite Co
rp.)、ロンポック、カリフォルニア)のような珪藻土
物質に通す濾過により、沈殿物質を除去することができ
る。米国特許第5,576,196号を参照のこと。
次に、濾過した物質を限外濾過ユニットに汲み入れ、
MWCOが300Kの25ft2(2.3×104cm2)のポリエーテルスル
ホン(PES)膜を用いたポール−フィルトロンオメガ開
放チャンネルセントラセット(Centrasette)ユニット
を通す正接流動濾過により、DNA溶液を濾過した。その
溶液を、10psi(68.9キロパスカル)の圧力下で透過チ
ャンネルを開放してユニットに導入し、ゲル層が形成さ
れるまで、約50分間ユニットを通して循環させた。その
後、透過チャンネルを廃棄物容器に向け、DNA溶液を、
約3.6Lの容積に濃縮されるまで10psi(68.9キロパスカ
ル)の圧力で濾過した。次に、ダイアフィルトレーショ
ンバッファ(トリス−HCl、pH8.5)を添加し、約50容積
の交換が行われるまで、10psiの圧力、約1L/分の流速
で、連続的にダイアフィルトレーションを行った。
ダイアフィルトレーションの後、透過弁を閉鎖し、限
外濾過膜を通して保持物を10分間再循環させた。保持物
を除去し、透過弁を閉鎖して、洗浄当たりさらに1Lのダ
イアフィルトレーションバッファを添加して、各10分
間、計2回、膜を洗浄した。その洗浄溶液を保持物に添
加し、HLPC及びOD260/280分析により分析した。
HPLC分析は、TSK−GEL DEAE−NPR樹脂を充填した4.6
mm×3.5cmHPLCカラムを用いて1ml/分の流速で行い、254
nmでモニターした。バッファA(20mMトリス−HCl、pH
8)で試料を1:20に希釈し、25μlの容積でカラムに注
入した。0%バッファB(20mMトリス−HCl、pH8/2M K
Cl):100%バッファAから60%バッファB:40%バッファ
Aの勾配で、9分間にわたって試料を溶離した。透過物
(パネルA)及びプラスミドDNA生成物を含む保持物
(パネルB)のHPLC分析を、図4に示す。プラスミドDN
Aは、この段階でのHPLCによる測定で、一般的には95%
の純度であり、しばしば100%の純度である。
分光学的分析は、250、260及び280nmの波長で行っ
た。精製DNAの一般的な比はmOD260/OD250>1.1及びDO
260/OD280>1.9である。上記手順で、合計2.307gのプラ
スミドDNAが単離及び精製され、1.1047のOD260/OD250
1.9290のDO260/OD280を有していた。
回収されたプラスミドDNAを、ゲルマン・グランド・
ウォーター・カプセル(Gelman Ground Water Capsu
le)0.45μmフィルターを通して2回濾過した後、ポー
ル−フィルトロン・カプセルN660.22μmフィルターを
通して2回濾過した。
プラスミドDNAを、イオン交換クロマトグラフィーに
よりさらに精製した。DNAを、総容積4740mlで、総容積
2.5LのTMAE−650(M)(トリメチルアミノエチル)フ
ラクトゲル(Fractogel)(EMセパレーションズ、ギブ
スタウン、NJ)を充填したアミコン・バンテージA(Am
icon Vantage A)カラムに添加した。このカラム
を、平衡化バッファ(50mMトリス、pH8.5)を用いて、L
FV(直線流速)80−150cm/時、カラム圧0.7バールで平
衡化した。DNAを流速225ml/分、カラム圧0.7バールで添
加した。このカラムを、3ないし5カラム容積の平衡化
バッファを用いて、32−35mSで洗浄した。DNAを、32mS
ないし59mS、又は50mMトリス、pH8.5中の0.5M NaClな
いし1.5M NaClの溶出勾配を用いて、流速225ml/分及び
カラム圧0.55バールでカラムから溶離した。A260が0.2
を上回った時点から130ないし1650mlの容積で画分を回
収し始め、A260が0.2未満となった時点で終了した。
全ての画分を、HPLC及びLAL内毒素検定により分析し
た。それらの結果を表1に示す。合計で2044mgのDNAを
カラムに添加して、1946mgを6079mlの総容積で回収し、
収率は95.22%であった。カラム画分2−10をプールし
た(5941ml中1905mgのDNA及び3.73×105EU LPS)。プ
ールする画分は、調製品中の混入リポ多糖(LPS)の量
を最小にしながら、最大収量の回収DNAが得られるよう
に選択した。
回収されたDNA溶液を、ポール・ウルティポアN660.2
μmフィルターを通して濾過した。塩含量を減少させる
ため、このDNA溶液を、ポール−フィルトロン・セント
ラーネート(Centrarnate)開放チャンネル100K MWCO
膜(2.0平方フィート)を用いた最終ダイアフィルトレ
ーション工程にかけた。濾過ユニット及び膜を、まず10
mMトリス−HCl、pH8.0の溶液1Lで平衡化した。このバッ
ファを、ポンプ及び無菌の貯留ボトルを用いて、膜を横
切らせて循環させた。透過チャンネルを完全に解放して
DNA溶液を添加し、この溶液を10psiで約30分間循環させ
た。次に、このDNA溶液を、約100mlの容積に濃縮される
まで限外濾過した。次いで、濃縮した溶液を、連続ダイ
アフィルトレーションを用い、10mMトリス−HCl、pH8に
対して、10psi及び透過流速120ml/分で、溶液の導電率
が初期値35mSから1mS(0.60)未満(バッファの導電率
=0.53mS)に減少するまでダイアフィルトレーションを
行った。その後、透過弁を閉鎖し、限外濾過膜を通して
保持物を10分間再循環した。次に、保持物を回収し、10
mMトリス−HCl、pH8.0の洗浄液100mlで3回、膜を洗浄
した。
ダイアフィルトレーション済みのDNA溶液及び各々の
洗浄液のDNA及び内毒素濃度を、上述のようにして決定
した。保持物及び第1洗浄液をプールし、1.366gのDNA
を5.564mg/ml及び90.35EU/ml、すなわち16.24EU/mgDNA
の濃度で得た。このDNA溶液を、ミリポア・ミリパク(M
illipore Milipak)40 0.22μmフィルターを通して
濾過した後、さらに25mlの最終ダイアフィルトレーショ
ンバッファーを濾過し、この2つの溶液をプールして最
終生成物を得た。
最終限外濾過からの最終プラスミドDNA生成物の収率
は、80%であった。次に、この最終生成物を等分し、使
用時まで−20℃で保存した。この最終生成物は以下の品
質管理規格を満たすことが測定された。
色 透明から僅かに曇り 内毒素 <100EU/ml 純度 HPLCで>95% DNA均一性 >90%ccc(共有結合的に閉じた環状) RNA 分析HPLCで<2% ssDNA 分析HPLCで<1% タンパク質 分析HPLC、銀染色及びSDS−PAGEで<0.1
% ゲノムDNA 分析HPLC及びサザンブロットで<1% 導電率 <1mS pH 7−8.5 無菌性は、第21日目のトリプトースブロス培養物によ
って検定し、これはコロニーを示さなかった。同一性
は、制限エンドヌクレアーゼ消化及びアガロースゲル電
気泳動による分析によって測定した。p4119の分析の結
果を、図5に示す。最終生成物のHPLC分析を、図6に示
す。
本発明の方法を用いて達成される純度が精製核酸の用
途に依ることは、当該技術分野における熟練者によって
理解されるであろう。したがって、本発明は、ここでの
例によって説明される純度を含む、あらゆる純度を達成
することができる態様を含むことを意図する。そこで、
本発明の範囲は、本発明の方法の最も最適な態様におけ
るそれらの使用、又は獲得可能な最大純度の核酸の生成
に限定されるものではない。
前述の開示が本発明の特定の態様を強調するものであ
り、それらと等価の変形及び代替物の全てが添付の請求
の範囲に説明される本発明の精神及び範囲内にあること
が理解されるであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アッチレイ、 アラン アメリカ合衆国 94110 カリフォルニ ア州 サンフランシスコ フォルサム ストリート 3643 (56)参考文献 特開 平4−360686(JP,A) 特開 平3−180182(JP,A) BIOTECHNIQUES,Vo l.3,No.3(1985),p.238− 240 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 A61K 31/70 C07H 1/06 C07H 21/00

Claims (53)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】核酸を含む溶液から前記核酸を精製するた
    めの方法であって、 a)限外濾過ユニットを通して前記溶液を濾過して透過
    溶液及び保持溶液を得、ここで初期の浸透液の再循環が
    ゲル層の形成を供与し、それにより前記核酸を前記保持
    溶液に保持する工程;および b)前記保持溶液が精製核酸を含有している、前記保持
    溶液を回収する工程; を含む方法。
  2. 【請求項2】前記核酸がDNAである請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】前記核酸がRNAである請求項1に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】前記DNAがプラスミドDNAである請求項2に
    記載の方法。
  5. 【請求項5】前記DNAがウイルスDNAである請求項2に記
    載の方法。
  6. 【請求項6】前記RNAがウイルスRNAである請求項3に記
    載の方法。
  7. 【請求項7】前記限外濾過ユニットが、分子量カットオ
    フが約1Kないし約1,000Kダルトン、好ましくは約50Kな
    いし約500Kダルトンの膜を備えたものである請求項1に
    記載の方法。
  8. 【請求項8】前記限外濾過ユニットが開放チャンネル装
    置である請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】前記限外濾過ユニットが平坦プレート装置
    である請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記限外濾過ユニットが中空ファイバー
    装置、螺旋巻きカートリッジ、あるいは管状または単シ
    ート装置である、請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】前記ゲル層が、限外濾過ユニット循環ポ
    ンプまたは保持弁を調節することにより制御される圧力
    下で形成される請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】前記溶液を濃縮して濃縮核酸溶液を得、
    前記濃縮核酸溶液をダイアフィルトレーションバッファ
    でダイアフィルトレーションする工程をさらに含む請求
    項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】前記保持溶液を回収した後、前記ダイア
    フィルトレーションバッファを前記限外濾過ユニットを
    通して循環させて洗浄溶液を得、前記洗浄溶液を前記保
    持溶液と合わせる工程をさらに含む請求項12に記載の方
    法。
  14. 【請求項14】前記精製核酸溶液を0.2μmフィルター
    を通して濾過する工程をさらに含む請求項1に記載の方
    法。
  15. 【請求項15】前記核酸溶液を正に荷電したイオン交換
    クロマトグラフィー樹脂に適用する工程であって、生理
    食塩水勾配を用いて前記核酸を前記イオン交換クロマト
    グラフィー樹脂から溶離する工程をさらに含む請求項1
    に記載の方法。
  16. 【請求項16】前記核酸溶液に対してダイアフィルトレ
    ーションを行う工程をさらに含む請求項15に記載の方
    法。
  17. 【請求項17】前記精製核酸溶液が少なくとも約90%の
    純度の核酸を含む請求項1に記載の方法。
  18. 【請求項18】前記精製核酸が少なくとも約90%の閉鎖
    した環状プラスミドDNAを含む請求項4に記載の方法。
  19. 【請求項19】プラスミドDNAを含む溶液から前記プラ
    スミドDNAを精製するための方法であって、 a)前記溶液を、分子量カットオフが約1Kないし約1,00
    0Kダルトンの範囲の膜を備えた開放チャンネル限外濾過
    装置へと汲み上げ、前記溶液をゲル層を形成するポンプ
    圧の下で再循環させる工程; b)前記溶液を、前記ゲル層の存在下で濾過して透過溶
    液及び保持溶液を得、それによりプラスミドDNAを前記
    保持溶液中に保持する工程;および c)前記保持溶液を回収して精製プラスミドDNA溶液を
    得る工程; を含む方法。
  20. 【請求項20】前記限外濾過膜が約50Kないし約500Kダ
    ルトンの分子量カットオフを有する請求項19に記載の方
    法。
  21. 【請求項21】前記プラスミドDNAを含む溶液が、洗浄
    剤含有バッファを用いて細菌細胞を溶解し、細胞残滓及
    びタンパク質を実質的に除去することにより得られる請
    求項19に記載の方法。
  22. 【請求項22】前記溶液に対してダイアフィルトレーシ
    ョンを行い、約10ないし約100容積に相当する保持溶液
    の容積交換を行う工程をさらに含む請求項19に記載の方
    法。
  23. 【請求項23】前記ゲル層が約5psi(34.5キロパスカ
    ル)ないし約30psi(206.8キロパスカル)の圧力を用い
    て形成される請求項19に記載の方法。
  24. 【請求項24】前記精製プラスミドDNA溶液を0.2μmフ
    ィルターを通して濾過する工程をさらに含む請求項19に
    記載の方法。
  25. 【請求項25】前記核酸溶液を正に荷電したイオン交換
    クロマトグラフィー樹脂に適用する工程であって、生理
    食塩水勾配を用いて前記核酸を前記イオン交換クロマト
    グラフィー樹脂から溶離する工程をさらに含む請求項19
    に記載の方法。
  26. 【請求項26】低導電率バッファに対して前記核酸溶液
    のダイアフィルトレーションを行う工程をさらに含む請
    求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】請求項1〜26に記載の方法に従って、精
    製核酸を含む、医用、研究用、およびその他の目的に有
    用な製剤組成物を調製する方法であって、前記核酸がミ
    リグラム当たり約100未満の内毒素単位を含む、前記組
    成物の調製方法。
  28. 【請求項28】前記核酸がプラスミドDNAであり、プラ
    スミドDNAのミリグラム当たり約100未満の内毒素単位を
    含む、請求項27の方法。
  29. 【請求項29】前記製剤組成物が少なくとも約90%の閉
    じた環状プラスミドDNAを含む請求項28の方法。
  30. 【請求項30】前記製剤組成物が約2%未満のRNAを含
    む請求項28の方法。
  31. 【請求項31】前記製剤組成物が約1%未満の一本鎖DN
    Aを含む請求項28の方法。
  32. 【請求項32】前記製剤組成物が約0.1%未満のタンパ
    ク質を含む請求項27の方法。
  33. 【請求項33】前記製剤組成物が約1%未満のゲノムDN
    Aを含む請求項27の方法。
  34. 【請求項34】細胞の混合物からプラスミドDNAを精製
    するための方法であって、 a)前記細胞の混合物を構成する細胞の完全性を洗浄剤
    含有バッファ溶液中で破壊して可溶化細胞溶液を得る工
    程; b)細胞性RNAを酵素的に消化する工程; c)前記可溶化細胞溶液中の細胞残滓及びタンパク質を
    核酸から区別して沈殿させ、前記核酸を含む上清溶液を
    得る工程; d)前記沈殿した細胞残滓及びタンパク質を前記上清溶
    液から除去して実質的に精製されたプラスミドDNA溶液
    を得る工程; e)前記実質的に精製されたプラスミドDNA溶液を、分
    子量カットオフが約1Kないし1,000Kの開放チャンネル平
    坦プレートまたは中空ファイバー装置を通す正接流動限
    外濾過で濾過して透過溶液及び保持溶液を得ることによ
    って、前記プラスミドDNAをさらに精製する工程であっ
    て、ここで当初はゲル層の形成のため浸透液が装置を通
    って再循環される工程; f)ゲル層の形成後に回収された前記浸透液を廃棄し、
    前記精製プラスミドDNAを含む前記保持溶液を回収する
    工程; を含む方法。
  35. 【請求項35】核酸を含む溶液を濾過するための方法で
    あって、 a)限外濾過ユニットを通して前記溶液を濾過して透過
    溶液及び保持溶液を得、それにより前記核酸を前記保持
    溶液中に保持し、前記濾過段階が当初のゲル層を形成さ
    せる条件の下での浸透液の再循環を含む工程;および b)前記保持溶液が精製核酸を含有している、前記保持
    溶液を回収する工程; を含む方法。
  36. 【請求項36】前記核酸がDNAである請求項35に記載の
    方法。
  37. 【請求項37】前記核酸がRNAである請求項35に記載の
    方法。
  38. 【請求項38】前記DNAがプラスミドDNAである請求項36
    に記載の方法。
  39. 【請求項39】前記DNAがウイルスDNAである請求項36に
    記載の方法。
  40. 【請求項40】前記RNAがウイルスRNAである請求項37に
    記載の方法。
  41. 【請求項41】前記限外濾過ユニットが、分子量カット
    オフが約1Kないし約1,000K、好ましくは50Kないし約500
    Kダルトンの膜を備えたものである請求項38に記載の方
    法。
  42. 【請求項42】前記限外濾過ユニットが開放チャンネル
    装置である請求項39に記載の方法。
  43. 【請求項43】前記限外濾過ユニットが平坦プレート装
    置である請求項42に記載の方法。
  44. 【請求項44】前記限外濾過ユニットが中空ファイバー
    装置である請求項42に記載の方法。
  45. 【請求項45】前記ゲル層が約5psiないし約30psiの圧
    力下で形成される請求項35に記載の方法。
  46. 【請求項46】前記濾過がダイアフィルトレーションバ
    ッファの存在下で行なわれる請求項35に記載の方法。
  47. 【請求項47】前記限外濾過ユニットが正接流動装置で
    ある請求項35に記載の方法。
  48. 【請求項48】プラスミドDNAを含む溶液を濾過するた
    めの方法であって、 a)分子量カットオフが約1Kないし約1,000Kダルトンの
    範囲の膜を備えた開放チャンネル平坦プレート正接流動
    限外濾過ユニットを通して前記溶液を濾過して透過溶液
    及び保持溶液を得、そして前記透過液をゲル層が形成さ
    れるまで再循環し、続いて前記透過溶液を廃棄して、そ
    れにより前記プラスミドDNAを前記保持溶液中に保持す
    る工程; b)前記保持溶液を回収して濾過DNA溶液を得る工程; を含む方法。
  49. 【請求項49】前記限外濾過膜が約50Kないし約500ダル
    トンの分子量カットオフを有する請求項48に記載の方
    法。
  50. 【請求項50】前記プラスミドDNAを含む溶液が、洗浄
    剤含有バッファを用いて細菌細胞を溶解し、細胞残滓及
    びタンパク質を実質的に除去することにより得られる請
    求項48に記載の方法。
  51. 【請求項51】前記溶液に対してダイアフィルトレーシ
    ョンを行い、約10ないし約100容積に相当する保持溶液
    の容積交換を行う工程をさらに含む請求項48に記載の方
    法。
  52. 【請求項52】前記ゲル層が約5psiないし約30psiの圧
    力を用いて形成される請求項48に記載の方法。
  53. 【請求項53】前記精製がダイアフィルトレーションバ
    ッファの存在下で行われる請求項48に記載の方法。
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