JP3491703B2 - 圧延材の接合装置 - Google Patents
圧延材の接合装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、熱間圧延設備において
先行圧延材の後端部と後続圧延材の先端部とを接合する
圧延材の接合装置に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来の熱間圧延設備（ホットストリップ
ミル）では、粗圧延機で圧延されたバー材を、それぞれ
別々に仕上圧延機に供給し、所望の板厚のストリップ材
を得ていた。しかし、かかる手段では、圧延材全体を均
一に圧延できず、圧延材の端部（前端部と後端部）に欠
陥が生じやすく圧延材の歩留りを低下させ、かつ噛込み
／尻抜け等のため圧延速度を高速化しにくい問題点があ
った。 【０００３】かかる問題点を解決するため、圧延材を連
続的に仕上圧延機に供給するために先行する圧延材の後
端と次の圧延材の前端とを接合する接合装置が従来から
提案されていた（例えば、特開昭６２−２５２６０３号
公報、特開昭６３−９３４０８号公報、特公平５−１３
９号公報）。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭６２−
２５２６０３号の「板接合方法」は、接合すべき板の端
部相互間に、継手を打込んで接合するものであるが、圧
延材の幅全体にわたり十分な接合強度を確保するには多
数の継手を短時間で打込む必要があり、自動化（機械
化）が困難であり、かつ継手部を均一に圧延できない問
題点があった。 【０００５】また、特開昭６３−９３４０８号の「バー
接合設備」は、圧延材にループを形成して、後端と先端
を圧接するものであるが、比較的厚いバー材をループに
形成するため、バー材に曲げ癖が付きやすくかつ十分な
接合時間を確保できず、また後端と先端を単に圧接して
も圧延材の幅全体にわたり十分な接合強度を確保できな
い問題点があった。 【０００６】更に、特公平５−１３９号の「帯板の走間
溶接装置」は、圧延材とともに走行しながら後端と先端
を溶接接合する装置であるが、幅広の圧延材を溶接する
には時間がかかるため設備全体が長くなりやすく、かつ
接合部に凸凹が生じやすく、接合部を均一に圧延するこ
とが困難である問題点があった。 【０００７】 本発明は上述した種々の問題点を解決す
るために創案されたものである。すなわち、本発明の目
的は、先行圧延材の後端部と後続圧延材の先端部とを短
時間に圧延材の幅全体にわたり十分な接合強度で接合す
ることができ、接合部の凸凹が少なく接合部をほぼ均一
に圧延できる圧延材接合装置を提供することにある。 【０００８】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、先行圧
延材の後端部下面と後続圧延材の先端部上面を切削加工
する面加工装置と、該加工面を還元状態又は非酸化状態
に保持する複数の還元保持装置と、先行圧延材の後端部
を水平に挟持したまま上下動及び水平移動可能な先行材
移動装置と、先行圧延材と後続圧延材の加工面を重ね合
わせたまま後続圧延材を先行圧延材と同期して水平移動
可能な後続材移動装置と、面加工装置の下流側に設けら
れ前記重ね合わせ部を圧延材とほぼ同一厚さまで圧縮し
て接合する圧接装置と、を備え、前記面加工装置は、先
行圧延材の下側に設けられ、幅方向の軸心を中心に回転
する円筒形下カッタと、後続圧延材の上側に設けられ、
幅方向の軸心を中心に回転し、かつ上下動可能な円筒形
上カッタとからなり、前記還元保持装置は、燃料を不完
全燃焼させて還元状態を形成する還元炎バーナであり、
かつ先行圧延材と後続圧延材が前記面加工装置により切
削加工される間、後続圧延材が前記後続材移動装置によ
り水平移動される間、及び前記重ね合わせ部が前記圧接
装置により接合される間に、前記加工面を還元状態又は
非酸化状態に保持する、ことを特徴とする圧延材接合装
置が提供される。 【０００９】 【００１０】 【００１１】 【作用】上記本発明の装置によれば、先行圧延材の後端
部下面と後続圧延材の先端部上面を切削加工する加工工
程と、先行圧延材と後続圧延材の加工面を重ね合せる位
置決め工程と、加工面を重ね合せたまま先行圧延材と後
続圧延材を同期して水平移動させる移動工程と、重ね合
わせ部を圧延材とほぼ同一厚さまで圧縮して接合する接
合工程の４工程で圧延材の幅全体を接合できるため、接
合時間を短縮することができ、圧延設備全長を短くする
ことができる。また、先行材移動装置と後続材移動装置
により面加工装置と圧接装置を間隔を隔てることができ
る。 【００１２】 更に、還元保持装置である還元炎バーナ
により加工面を還元状態又は非酸化状態に保持したま
ま、面加工装置により後端部下面と先端部上面を切削加
工しかつ圧接装置により加工面を圧延材とほぼ同一厚さ
まで圧縮するので、加工面の酸化がほとんどなく圧接す
ることができ、圧延材の幅全体にわたり十分な接合強度
で接合することができる。また、圧接装置により加工面
を重ね合わせて圧延材とほぼ同一厚さまで圧縮して接合
するので、接合部の凸凹がほとんどなく接合部をほぼ均
一に圧延することができる。 【００１３】 【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して説明する。なお、各図において共通する部分には同
一の符号を付して重複した説明を省略する。図１は、本
発明による圧延材接合装置の全体構成図である。図１に
おいて、本発明の圧延材接合装置１０は、先行圧延材１
の後端部下面と後続圧延材２の先端部上面を切削加工す
る面加工装置１８と、加工面１ａ、２ａを還元状態又は
非酸化状態に保持する複数の還元保持装置２０と、先行
圧延材１の後端部を水平に挟持したまま上下動及び水平
移動可能な先行材移動装置１４と、先行圧延材１と後続
圧延材２の加工面１ａ、２ａを重ね合わせたまま後続圧
延材２を先行圧延材１と同期して水平移動可能な後続材
移動装置１６と、面加工装置１８の下流側に設けられ重
ね合わせ部３を圧延材１、２とほぼ同一厚さまで圧縮し
て接合する圧接装置２２と、を備えている。 【００１４】面加工装置１８は、先行圧延材１の下側に
設けられ、幅方向の軸心Ｚを中心に図示しない駆動装置
により回転する円筒形下カッタ１９ａと、後続圧延材２
の上側に設けられ、幅方向の軸心Ｚを中心に図示しない
駆動装置により回転し、かつ上下動可能な円筒形上カッ
タ１９ｂと、からなる。カッタ１９ａ、１９ｂは、圧延
材１、２の全幅より長く、その外周部には複数の刃が同
径に設けられ、圧延材１、２の全幅にわたりそれぞれ単
一のカッタ１９ａ、１９ｂにより切削加工するようにな
っている。また、上カッタ１９ｂは、後続圧延材２の先
端部上面を加工する加工位置Ｌと、その下を還元保持装
置２０等が通過できるように図で斜め上方に移動した待
機位置Ｈとの間を、図示しない駆動装置（例えば液圧シ
リンダ）により上下動できるようになっている。かかる
構成により、カッタ１９ａ、１９ｂにより圧延材１の後
端部下面と後続圧延材２の先端部上面の両方を切削加工
し、次いで上カッタ１９ｂ及び下カッタ１９ａを待機位
置Ｈに移動させることができる。 【００１５】先行材移動装置１４は、複数の支持ローラ
４の間に位置し先行圧延材１の後端部を水平に支持する
複数の支持部材１５ａと、支持部材１５ａとの間に先行
圧延材１の後端部を挟持するクランプローラ１５ｂと、
先行圧延材１の後端部を水平に挟持したまま上下動させ
る昇降装置１５ｃと、該昇降装置１５ｃを水平に移動さ
せる移動装置１５ｄとからなる。昇降装置１５ｃと移動
装置１５ｄはそれぞれ、昇降台又は移動台と液圧シリン
ダとの組み合わせであるのがよい。かかる構成により、
支持部材１５ａとクランプローラ１５ｂにより先行圧延
材１の後端部を水平に支持したまま、下カッタ１９ａに
より圧延材１の後端部下面を切削加工し、次いで昇降装
置１５ｃにより支持ローラ４（送りローラ）との干渉を
避けかつ少なくとも後続圧延材２の板厚以上に上昇さ
せ、更に移動装置１５ｄにより圧接装置２２の方向に水
平に移動させることができる。 【００１６】後続材移動装置１６は、後続圧延材１の先
端部を水平に支持する複数の支持ローラ１７ａと、支持
ローラ１７ａとの間に後続圧延材１の先端部を挟持する
クランプローラ１７ｂと、後続圧延材２を先行圧延材１
と同期して水平移動させる移動装置１７ｃとからなる。
かかる構成により、支持ローラ１７ａとクランプローラ
１７ｂにより後続圧延材２の先端部を水平に支持したま
ま、上カッタ１９ｂにより後続圧延材２の先端部上面を
切削加工し、次いで移動装置１７ｃにより後続圧延材２
を先行圧延材１と同期して圧接装置２２の方向に水平移
動することができる。 【００１７】還元保持装置２０は、ＣＯＧ（コークス炉
ガス）、ＬＰＧ、ＬＮＧ等の可燃性ガスを完全燃焼させ
る量よりも少ない酸素で燃焼させて、水素ラジカル、Ｃ
Ｈ2０ラジカル等還元性ラジカルを含有する還元炎にて
還元状態を形成する還元炎バーナであり、そのうち少な
くとも１つが後続材移動装置１６に取付けられている。
かかる構成により、面加工装置１８による切削加工工
程、後続材移動装置１６による移動工程、及び圧接装置
２２による圧接工程の間、加工面１ａ、２ａを還元状態
又は非酸化状態に保持し、その酸化を防止し、高い接合
強度を確保することができる。 【００１８】圧接装置２２は、先行圧延材１の後端部上
面に接する上型２３ａと、後続圧延材２の先端部下面に
接する下型２３ｂと、上型２３ａ及び下型２３ｂを挟持
して圧縮するプレス装置２３ｃと、からなる。また、上
型２３ａはプレス装置２３ｃのラム２３ｅの下面に取付
られ、ラム２３ｅとともに昇降するようになっている。
かかる構成により、先行圧延材１と後続圧延材２の加工
面１ａ、２ａを移動工程後すぐさま圧縮することができ
る。また、この圧縮により重ね合わせ部分を圧延材１、
２とほぼ同一の厚さまで圧縮することにより、接合部の
凸凹がほとんどなく接合部をほぼ均一に圧延することが
できる。 【００１９】 図２は、本発明の接合装置を用いた圧延
材接合方法の作動説明図である。この方法は、加工面を
還元状態又は非酸化状態に保持したまま、先行圧延材の
後端部下面と後続圧延材の先端部上面を切削加工する加
工工程（Ａ）と、先行圧延材と後続圧延材の加工面を重
ね合せる位置決め工程（Ｂ）と、加工面を重ね合せたま
ま先行圧延材と後続圧延材を同期して水平移動させる移
動工程（Ｃ）と、重ね合わせ部を圧延材とほぼ同一厚さ
まで圧縮して接合する接合工程（Ｄ）とからなる。 【００２０】図２（Ａ）において、先行材移動装置１４
の支持部材１５ａとクランプローラ１５ｂにより先行圧
延材１の後端部を水平に支持したまま、下カッタ１９ａ
により圧延材１の後端部下面を切削加工する。また、支
持ローラ１７ａとクランプローラ１７ｂにより後続圧延
材２の先端部を水平に支持したまま、上カッタ１９ｂに
より後続圧延材２の先端部上面を切削加工する。またこ
の加工工程中、還元保持装置２０により加工面１ａ、２
ａを還元状態又は非酸化状態に保持する。 【００２１】次いで、図２（Ｂ）に示すように、先行材
移動装置１４の昇降装置１５ｃにより支持ローラ４との
干渉を避けかつ少なくとも後続圧延材２の板厚以上に先
行圧延材１を上昇させ、後続材移動装置１６により後続
圧延材２を水平に移動して先行圧延材１と加工面１ａ、
２ａを重ね合せる。またこの位置決め工程中、還元保持
装置２０により加工面１ａ、２ａを還元状態又は非酸化
状態に保持する。 【００２２】次いで、図２（Ｃ）に示すように、先行材
移動装置１４の移動装置１５ｄにより圧接装置２２の方
向に水平に移動させ、かつ後続材移動装置１６の移動装
置１７ｃにより後続圧延材２を先行圧延材１と同期して
圧接装置２２の方向に水平移動させる。この移動工程中
も、後続材移動装置１６に取付けられた還元保持装置２
０により加工面１ａ、２ａを還元状態又は非酸化状態に
保持する。 【００２３】次いで、図２（Ｄ）に示すように、還元保
持装置２０により加工面１ａ、２ａを還元状態又は非酸
化状態に保持したまま、圧接装置２２により先行圧延材
１と後続圧延材２の加工面１ａ、２ａを圧縮し、重ね合
わせ部分を圧延材１、２とほぼ同一の厚さまで圧縮して
接合する。 【００２４】かかる接合方法により、加工工程、位置決
め工程、移動工程、及び接合工程の４工程で圧延材の幅
全体を接合でき、これにより接合時間を短縮することが
でき、かつ圧延設備全長を短くすることができる。ま
た、先行材移動装置と後続材移動装置により面加工装置
１８と圧接装置２２を間隔を隔てて配置することができ
る。 【００２５】なお、本発明は上述した実施例に限定され
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できるこ
とは勿論である。 【００２６】 【発明の効果】上述したように、本発明の装置によれ
ば、加工工程、位置決め工程、移動工程、及び接合工程
の４工程で圧延材の幅全体を接合できるため、接合時間
を短縮することができ、圧延設備全長を短くすることが
できる。また、先行材移動装置と後続材移動装置により
面加工装置と圧接装置を間隔を隔てることができる。 【００２７】 更に、還元保持装置である還元炎バーナ
により加工面を還元状態又は非酸化状態に保持したま
ま、面加工装置により後端部下面と先端部上面を切削加
工しかつ圧接装置により加工面を圧延材とほぼ同一厚さ
まで圧縮するので、加工面の酸化がほとんどなく圧接す
ることができ、圧延材の幅全体にわたり十分な接合強度
で接合することができる。また、圧接装置により加工面
を重ね合わせて圧延材とほぼ同一厚さまで圧縮して接合
するので、接合部の凸凹がほとんどなく接合部をほぼ均
一に圧延することができる。 【００２８】 従って、本発明の圧延材の接合装置は、
先行する圧延材の後端と後続する圧延材の先端と短時間
に圧延材の幅全体にわたり十分な接合強度で接合するこ
とができ、接合部の凸凹が少なく接合部をほぼ均一に圧
延できる、等の優れた効果を有する。
先行圧延材の後端部と後続圧延材の先端部とを接合する
圧延材の接合装置に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来の熱間圧延設備（ホットストリップ
ミル）では、粗圧延機で圧延されたバー材を、それぞれ
別々に仕上圧延機に供給し、所望の板厚のストリップ材
を得ていた。しかし、かかる手段では、圧延材全体を均
一に圧延できず、圧延材の端部（前端部と後端部）に欠
陥が生じやすく圧延材の歩留りを低下させ、かつ噛込み
／尻抜け等のため圧延速度を高速化しにくい問題点があ
った。 【０００３】かかる問題点を解決するため、圧延材を連
続的に仕上圧延機に供給するために先行する圧延材の後
端と次の圧延材の前端とを接合する接合装置が従来から
提案されていた（例えば、特開昭６２−２５２６０３号
公報、特開昭６３−９３４０８号公報、特公平５−１３
９号公報）。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭６２−
２５２６０３号の「板接合方法」は、接合すべき板の端
部相互間に、継手を打込んで接合するものであるが、圧
延材の幅全体にわたり十分な接合強度を確保するには多
数の継手を短時間で打込む必要があり、自動化（機械
化）が困難であり、かつ継手部を均一に圧延できない問
題点があった。 【０００５】また、特開昭６３−９３４０８号の「バー
接合設備」は、圧延材にループを形成して、後端と先端
を圧接するものであるが、比較的厚いバー材をループに
形成するため、バー材に曲げ癖が付きやすくかつ十分な
接合時間を確保できず、また後端と先端を単に圧接して
も圧延材の幅全体にわたり十分な接合強度を確保できな
い問題点があった。 【０００６】更に、特公平５−１３９号の「帯板の走間
溶接装置」は、圧延材とともに走行しながら後端と先端
を溶接接合する装置であるが、幅広の圧延材を溶接する
には時間がかかるため設備全体が長くなりやすく、かつ
接合部に凸凹が生じやすく、接合部を均一に圧延するこ
とが困難である問題点があった。 【０００７】 本発明は上述した種々の問題点を解決す
るために創案されたものである。すなわち、本発明の目
的は、先行圧延材の後端部と後続圧延材の先端部とを短
時間に圧延材の幅全体にわたり十分な接合強度で接合す
ることができ、接合部の凸凹が少なく接合部をほぼ均一
に圧延できる圧延材接合装置を提供することにある。 【０００８】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、先行圧
延材の後端部下面と後続圧延材の先端部上面を切削加工
する面加工装置と、該加工面を還元状態又は非酸化状態
に保持する複数の還元保持装置と、先行圧延材の後端部
を水平に挟持したまま上下動及び水平移動可能な先行材
移動装置と、先行圧延材と後続圧延材の加工面を重ね合
わせたまま後続圧延材を先行圧延材と同期して水平移動
可能な後続材移動装置と、面加工装置の下流側に設けら
れ前記重ね合わせ部を圧延材とほぼ同一厚さまで圧縮し
て接合する圧接装置と、を備え、前記面加工装置は、先
行圧延材の下側に設けられ、幅方向の軸心を中心に回転
する円筒形下カッタと、後続圧延材の上側に設けられ、
幅方向の軸心を中心に回転し、かつ上下動可能な円筒形
上カッタとからなり、前記還元保持装置は、燃料を不完
全燃焼させて還元状態を形成する還元炎バーナであり、
かつ先行圧延材と後続圧延材が前記面加工装置により切
削加工される間、後続圧延材が前記後続材移動装置によ
り水平移動される間、及び前記重ね合わせ部が前記圧接
装置により接合される間に、前記加工面を還元状態又は
非酸化状態に保持する、ことを特徴とする圧延材接合装
置が提供される。 【０００９】 【００１０】 【００１１】 【作用】上記本発明の装置によれば、先行圧延材の後端
部下面と後続圧延材の先端部上面を切削加工する加工工
程と、先行圧延材と後続圧延材の加工面を重ね合せる位
置決め工程と、加工面を重ね合せたまま先行圧延材と後
続圧延材を同期して水平移動させる移動工程と、重ね合
わせ部を圧延材とほぼ同一厚さまで圧縮して接合する接
合工程の４工程で圧延材の幅全体を接合できるため、接
合時間を短縮することができ、圧延設備全長を短くする
ことができる。また、先行材移動装置と後続材移動装置
により面加工装置と圧接装置を間隔を隔てることができ
る。 【００１２】 更に、還元保持装置である還元炎バーナ
により加工面を還元状態又は非酸化状態に保持したま
ま、面加工装置により後端部下面と先端部上面を切削加
工しかつ圧接装置により加工面を圧延材とほぼ同一厚さ
まで圧縮するので、加工面の酸化がほとんどなく圧接す
ることができ、圧延材の幅全体にわたり十分な接合強度
で接合することができる。また、圧接装置により加工面
を重ね合わせて圧延材とほぼ同一厚さまで圧縮して接合
するので、接合部の凸凹がほとんどなく接合部をほぼ均
一に圧延することができる。 【００１３】 【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して説明する。なお、各図において共通する部分には同
一の符号を付して重複した説明を省略する。図１は、本
発明による圧延材接合装置の全体構成図である。図１に
おいて、本発明の圧延材接合装置１０は、先行圧延材１
の後端部下面と後続圧延材２の先端部上面を切削加工す
る面加工装置１８と、加工面１ａ、２ａを還元状態又は
非酸化状態に保持する複数の還元保持装置２０と、先行
圧延材１の後端部を水平に挟持したまま上下動及び水平
移動可能な先行材移動装置１４と、先行圧延材１と後続
圧延材２の加工面１ａ、２ａを重ね合わせたまま後続圧
延材２を先行圧延材１と同期して水平移動可能な後続材
移動装置１６と、面加工装置１８の下流側に設けられ重
ね合わせ部３を圧延材１、２とほぼ同一厚さまで圧縮し
て接合する圧接装置２２と、を備えている。 【００１４】面加工装置１８は、先行圧延材１の下側に
設けられ、幅方向の軸心Ｚを中心に図示しない駆動装置
により回転する円筒形下カッタ１９ａと、後続圧延材２
の上側に設けられ、幅方向の軸心Ｚを中心に図示しない
駆動装置により回転し、かつ上下動可能な円筒形上カッ
タ１９ｂと、からなる。カッタ１９ａ、１９ｂは、圧延
材１、２の全幅より長く、その外周部には複数の刃が同
径に設けられ、圧延材１、２の全幅にわたりそれぞれ単
一のカッタ１９ａ、１９ｂにより切削加工するようにな
っている。また、上カッタ１９ｂは、後続圧延材２の先
端部上面を加工する加工位置Ｌと、その下を還元保持装
置２０等が通過できるように図で斜め上方に移動した待
機位置Ｈとの間を、図示しない駆動装置（例えば液圧シ
リンダ）により上下動できるようになっている。かかる
構成により、カッタ１９ａ、１９ｂにより圧延材１の後
端部下面と後続圧延材２の先端部上面の両方を切削加工
し、次いで上カッタ１９ｂ及び下カッタ１９ａを待機位
置Ｈに移動させることができる。 【００１５】先行材移動装置１４は、複数の支持ローラ
４の間に位置し先行圧延材１の後端部を水平に支持する
複数の支持部材１５ａと、支持部材１５ａとの間に先行
圧延材１の後端部を挟持するクランプローラ１５ｂと、
先行圧延材１の後端部を水平に挟持したまま上下動させ
る昇降装置１５ｃと、該昇降装置１５ｃを水平に移動さ
せる移動装置１５ｄとからなる。昇降装置１５ｃと移動
装置１５ｄはそれぞれ、昇降台又は移動台と液圧シリン
ダとの組み合わせであるのがよい。かかる構成により、
支持部材１５ａとクランプローラ１５ｂにより先行圧延
材１の後端部を水平に支持したまま、下カッタ１９ａに
より圧延材１の後端部下面を切削加工し、次いで昇降装
置１５ｃにより支持ローラ４（送りローラ）との干渉を
避けかつ少なくとも後続圧延材２の板厚以上に上昇さ
せ、更に移動装置１５ｄにより圧接装置２２の方向に水
平に移動させることができる。 【００１６】後続材移動装置１６は、後続圧延材１の先
端部を水平に支持する複数の支持ローラ１７ａと、支持
ローラ１７ａとの間に後続圧延材１の先端部を挟持する
クランプローラ１７ｂと、後続圧延材２を先行圧延材１
と同期して水平移動させる移動装置１７ｃとからなる。
かかる構成により、支持ローラ１７ａとクランプローラ
１７ｂにより後続圧延材２の先端部を水平に支持したま
ま、上カッタ１９ｂにより後続圧延材２の先端部上面を
切削加工し、次いで移動装置１７ｃにより後続圧延材２
を先行圧延材１と同期して圧接装置２２の方向に水平移
動することができる。 【００１７】還元保持装置２０は、ＣＯＧ（コークス炉
ガス）、ＬＰＧ、ＬＮＧ等の可燃性ガスを完全燃焼させ
る量よりも少ない酸素で燃焼させて、水素ラジカル、Ｃ
Ｈ2０ラジカル等還元性ラジカルを含有する還元炎にて
還元状態を形成する還元炎バーナであり、そのうち少な
くとも１つが後続材移動装置１６に取付けられている。
かかる構成により、面加工装置１８による切削加工工
程、後続材移動装置１６による移動工程、及び圧接装置
２２による圧接工程の間、加工面１ａ、２ａを還元状態
又は非酸化状態に保持し、その酸化を防止し、高い接合
強度を確保することができる。 【００１８】圧接装置２２は、先行圧延材１の後端部上
面に接する上型２３ａと、後続圧延材２の先端部下面に
接する下型２３ｂと、上型２３ａ及び下型２３ｂを挟持
して圧縮するプレス装置２３ｃと、からなる。また、上
型２３ａはプレス装置２３ｃのラム２３ｅの下面に取付
られ、ラム２３ｅとともに昇降するようになっている。
かかる構成により、先行圧延材１と後続圧延材２の加工
面１ａ、２ａを移動工程後すぐさま圧縮することができ
る。また、この圧縮により重ね合わせ部分を圧延材１、
２とほぼ同一の厚さまで圧縮することにより、接合部の
凸凹がほとんどなく接合部をほぼ均一に圧延することが
できる。 【００１９】 図２は、本発明の接合装置を用いた圧延
材接合方法の作動説明図である。この方法は、加工面を
還元状態又は非酸化状態に保持したまま、先行圧延材の
後端部下面と後続圧延材の先端部上面を切削加工する加
工工程（Ａ）と、先行圧延材と後続圧延材の加工面を重
ね合せる位置決め工程（Ｂ）と、加工面を重ね合せたま
ま先行圧延材と後続圧延材を同期して水平移動させる移
動工程（Ｃ）と、重ね合わせ部を圧延材とほぼ同一厚さ
まで圧縮して接合する接合工程（Ｄ）とからなる。 【００２０】図２（Ａ）において、先行材移動装置１４
の支持部材１５ａとクランプローラ１５ｂにより先行圧
延材１の後端部を水平に支持したまま、下カッタ１９ａ
により圧延材１の後端部下面を切削加工する。また、支
持ローラ１７ａとクランプローラ１７ｂにより後続圧延
材２の先端部を水平に支持したまま、上カッタ１９ｂに
より後続圧延材２の先端部上面を切削加工する。またこ
の加工工程中、還元保持装置２０により加工面１ａ、２
ａを還元状態又は非酸化状態に保持する。 【００２１】次いで、図２（Ｂ）に示すように、先行材
移動装置１４の昇降装置１５ｃにより支持ローラ４との
干渉を避けかつ少なくとも後続圧延材２の板厚以上に先
行圧延材１を上昇させ、後続材移動装置１６により後続
圧延材２を水平に移動して先行圧延材１と加工面１ａ、
２ａを重ね合せる。またこの位置決め工程中、還元保持
装置２０により加工面１ａ、２ａを還元状態又は非酸化
状態に保持する。 【００２２】次いで、図２（Ｃ）に示すように、先行材
移動装置１４の移動装置１５ｄにより圧接装置２２の方
向に水平に移動させ、かつ後続材移動装置１６の移動装
置１７ｃにより後続圧延材２を先行圧延材１と同期して
圧接装置２２の方向に水平移動させる。この移動工程中
も、後続材移動装置１６に取付けられた還元保持装置２
０により加工面１ａ、２ａを還元状態又は非酸化状態に
保持する。 【００２３】次いで、図２（Ｄ）に示すように、還元保
持装置２０により加工面１ａ、２ａを還元状態又は非酸
化状態に保持したまま、圧接装置２２により先行圧延材
１と後続圧延材２の加工面１ａ、２ａを圧縮し、重ね合
わせ部分を圧延材１、２とほぼ同一の厚さまで圧縮して
接合する。 【００２４】かかる接合方法により、加工工程、位置決
め工程、移動工程、及び接合工程の４工程で圧延材の幅
全体を接合でき、これにより接合時間を短縮することが
でき、かつ圧延設備全長を短くすることができる。ま
た、先行材移動装置と後続材移動装置により面加工装置
１８と圧接装置２２を間隔を隔てて配置することができ
る。 【００２５】なお、本発明は上述した実施例に限定され
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できるこ
とは勿論である。 【００２６】 【発明の効果】上述したように、本発明の装置によれ
ば、加工工程、位置決め工程、移動工程、及び接合工程
の４工程で圧延材の幅全体を接合できるため、接合時間
を短縮することができ、圧延設備全長を短くすることが
できる。また、先行材移動装置と後続材移動装置により
面加工装置と圧接装置を間隔を隔てることができる。 【００２７】 更に、還元保持装置である還元炎バーナ
により加工面を還元状態又は非酸化状態に保持したま
ま、面加工装置により後端部下面と先端部上面を切削加
工しかつ圧接装置により加工面を圧延材とほぼ同一厚さ
まで圧縮するので、加工面の酸化がほとんどなく圧接す
ることができ、圧延材の幅全体にわたり十分な接合強度
で接合することができる。また、圧接装置により加工面
を重ね合わせて圧延材とほぼ同一厚さまで圧縮して接合
するので、接合部の凸凹がほとんどなく接合部をほぼ均
一に圧延することができる。 【００２８】 従って、本発明の圧延材の接合装置は、
先行する圧延材の後端と後続する圧延材の先端と短時間
に圧延材の幅全体にわたり十分な接合強度で接合するこ
とができ、接合部の凸凹が少なく接合部をほぼ均一に圧
延できる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による圧延材接合装置の全体構成図であ
る。 【図２】本発明の圧延材接合装置を用いた圧延材接合方
法の作動説明図である。
る。 【図２】本発明の圧延材接合装置を用いた圧延材接合方
法の作動説明図である。
フロントページの続き
(72)発明者 岩波 紀夫
神奈川県横浜市磯子区新中原町１番地
石川島播磨重工業株式会社 横浜第二工
場内
(72)発明者 沖 正海
東京都千代田区大手町１丁目１番３号
住友金属工業株式会社内
(72)発明者 坂本 浩一
茨城県鹿島郡鹿島町大字光３番地 住友
金属工業株式会社 鹿島製鉄所内
(56)参考文献 特開 昭60−244406（ＪＰ，Ａ)
特開 平６−335785（ＪＰ，Ａ)
実開 昭61−122005（ＪＰ，Ｕ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
B23P 11/00
B21B 15/00
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 先行圧延材の後端部下面と後続圧延材の
先端部上面を切削加工する面加工装置と、該加工面を還
元状態又は非酸化状態に保持する複数の還元保持装置
と、先行圧延材の後端部を水平に挟持したまま上下動及
び水平移動可能な先行材移動装置と、先行圧延材と後続
圧延材の加工面を重ね合わせたまま後続圧延材を先行圧
延材と同期して水平移動可能な後続材移動装置と、面加
工装置の下流側に設けられ前記重ね合わせ部を圧延材と
ほぼ同一厚さまで圧縮して接合する圧接装置と、を備
え、前記面加工装置は、先行圧延材の下側に設けられ、幅方
向の軸心を中心に回転する円筒形下カッタと、後続圧延
材の上側に設けられ、幅方向の軸心を中心に回転し、か
つ上下動可能な円筒形上カッタとからなり、 前記還元保持装置は、燃料を不完全燃焼させて還元状態
を形成する還元炎バーナであり、かつ先行圧延材と後続
圧延材が前記面加工装置により切削加工される間、後続
圧延材が前記後続材移動装置により水平移動される間、
及び前記重ね合わせ部が前記圧接装置により接合される
間に、前記加工面を還元状態又は非酸化状態に保持す
る、 ことを特徴とする圧延材接合装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20641794A JP3491703B2 (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | 圧延材の接合装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20641794A JP3491703B2 (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | 圧延材の接合装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0871855A JPH0871855A (ja) | 1996-03-19 |
| JP3491703B2 true JP3491703B2 (ja) | 2004-01-26 |
Family
ID=16523032
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20641794A Expired - Fee Related JP3491703B2 (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | 圧延材の接合装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3491703B2 (ja) |
-
1994
- 1994-08-31 JP JP20641794A patent/JP3491703B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0871855A (ja) | 1996-03-19 |
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