JP3491028B2 - 多段圧縮装置 - Google Patents

多段圧縮装置

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JP3491028B2 JP30453993A JP30453993A JP3491028B2 JP 3491028 B2 JP3491028 B2 JP 3491028B2 JP 30453993 A JP30453993 A JP 30453993A JP 30453993 A JP30453993 A JP 30453993A JP 3491028 B2 JP3491028 B2 JP 3491028B2
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明文 小林
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  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、所要の流体を多段階
で圧縮する多段圧縮装置に関するものであり、特に、最
終段または最終段に近い高圧段階での往復圧縮部の改良
に係るものである。 【0002】 【従来の技術】この種の装置としては、圧縮段数の増加
に従って往復圧縮部、つまり、シリンダとピストンとに
よる圧縮部を高圧側になるほどシリンダとピストンの直
径を細くするとともに、L型・V型・W型・半星型・星
型・対向釣り合い型などに配置して、各圧縮部を所要の
位相にずらせた行程で動作するように、クランク軸に連
結して連動することにより多段階の圧縮動作を行う機構
を電動機などの駆動源により運転する構成が日本機械学
会昭和45年9月15日「機械工学便覧」第10編第3
0図〜第32図などにより開示されている。 【0003】また、図3のように、4つの往復圧縮部1
01・102・103・104を直交する軸105・1
06上で往復運動するように配置し、往復圧縮部101
から順次に高圧化して往復圧縮部104を最終段の高圧
圧縮部とした多段圧縮装置100において、往復圧縮部
104をピストンリングを用いずに密封するようにした
細長円柱状のピストン(この発明において,プランジャ
ーピストンという)110を用いて圧縮室116内の流
体を圧縮するとともに、往復運動を与えるクランク軸1
20との連結部分を、図4のように、球状体122を介
して、プランジャーピストン110の一端に設けた球面
状頭部111と対接させるとともに、袋状部分をもつ結
合部123で連結するようにした構成のものが周知であ
る。上記のプランジャーピストン110の外径とシリン
ダ115の内径との間の隙間をごく小さくして、プラン
ジャーピストン100の周囲にピストンリング溝のよう
な溝を複数設けるようにした構成のものを、ラビリンス
シール方式と呼ぶ場合もある。 【0004】また、図4の構成において、シリンダ11
5の表面の熱膨張係数とプランジャーピストン110の
熱膨張係数との差異による損傷を避けるため、プランジ
ャーピストン110の表面を硬質金属材とし、シリンダ
115の内側にセラミック材によるライナー、つまり、
セラミック材の嵌め込み筒状体を施して構成するように
したものが周知である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術のもの
では、プランジャーピストン110と往復駆動棒124
との結合部123の具体的構成が、球状体122と球面
状頭部111とを突き合わせた構造になっているので、
実質的には、球表面と球表面とが突き当てられた構成の
ため、この突き当て部分が変形または摩耗し易く、この
変形または摩耗により結合部123にガタが生ずると往
復動作の始点で衝撃を起こすため、この衝撃によって、
突き当て部分の変形と摩耗がますます増大され、圧縮装
置全体に衝撃振動を起こさせるに至るという不都合が生
ずる。 【0006】また、上記の従来技術のものでは、プラン
ジャーピストン110の表面を硬質金属材とし、シリン
ダー115の内面をセラミック材としているため、プラ
ンジャーピストン110の表面側の方が摩耗し易く、こ
の摩耗によってプランジャーピストン110とシリンダ
ー115の間に隙間が生じ、プランジャーピストン11
0の押し込み側の始点でシリンダー115の面に横当て
衝撃を与える振動が生じ、この衝撃によって、プランジ
ャーピストン110の断面が楕円状に変形してしまい、
密封度を低下させて圧縮効率を悪くするという不都合が
生ずる。 【0007】 【課題を解決するための手段】この発明は、上記のよう
な複数の往復圧縮部を連動して所要の流体を多段階で圧
縮するとともに、往復圧縮部の所要のものにプランジャ
ーピストンとシリンダとの組み合わせによる往復圧縮部
を用い、プランジャーピストンを往復させるため往復駆
動棒とプランジャーピストンとを結合する結合部を設け
た多段圧縮装置において、上記の結合部におけるプラン
ジャーピストン側の部材の先端部分を上記の圧縮のため
の往復方向と直交する方向における一方向においてのみ
湾曲する凸曲面を設けて形成する曲面先端手段と、上記
の結合部における往復駆動棒側の部材と上記の凸曲面と
が対接する部分に、上記の一方向と直交する方向に転が
る回転体を介在させてる回転体介在対接手段と、プラン
ジャーピストン側の部材と往復駆動棒側の部材との間
に、少なくとも上記の一方向と直交する方向の隙間を設
ける隙間手段と、プランジャーピストンをセラミック材
で形成するとともに、シリンダの内面側をセラミック材
で形成する材質手段とを設けた装置を提供することによ
り、上記の課題を解決し得るようにしたものである。 【0008】 【作用】プランジャーピストンと往復駆動棒とを結合す
る結合部分において、プランジャーピストン側の部材の
先端に形成した往復動作方向と直交する方向に湾曲する
凸曲面が、この凸曲面と直交する方向に回転する回転体
を介して、往復駆動棒側の部材と対接するとともに、回
転体が回転する方向に隙間を設けてあるため、対接面が
直交する凸曲面になるため球面と球面との対接よりも抗
力が大きくなり、また、回転体が回転することによって
対接する凸曲面の位置が移動するため、対接する先端部
分の変形と摩耗とが低減されるので、結合部にガタを生
じて、往復動作に衝撃を招くことを防止し得るように作
用する。 【0009】また、プランジャーピストンの表面とシリ
ンダの表面とが、セラミック材で形成してあるので、シ
リンダのみが先に摩耗して、シリンダにプランジャーピ
ストンが横当たりする衝撃によって生ずる振動や摩耗部
分の隙間によって生ずる圧縮効率の低下などを防止し得
るように作用する。 【0010】 【実施例】以下、図1・図2によって実施例を説明す
る。図1・図2は、図4におけるプランジャーピストン
110・シリンダ115・結合部123を主体とする部
分に相当する構成部分を示す部分であって、図3・図4
における符号と同一符号で示す部分は、図3・図4で説
明した同一符号の部分と同一の機能をもつ部分である。 【0011】図1において、基体1は、図1のクランク
室130側の部材を形成する部分であって、金属材、例
えば、アルミニウム材で形成してあり、往復駆動棒12
4を案内して往復させるための案内穴11と部材を貫通
する通気穴12とを設けるとともに隙間13を設けて、
基体2を図示しないネジなどにより固定してある。 【0012】基体2は、シリンダ115の外壁部と圧縮
室116の延長部分とを形成するとともに、圧縮室11
6に出入りする流体に対する入口側の接続金具141と
出口側の接続金具142とを固定して保持する部分を形
成する部材であって、金属材、例えば、アルミニウム材
で形成してあり、隙間13と通気穴12とを連続させる
ための環状で袋状の連結穴22を設けるとともに、シリ
ンダ115の内壁部を形成するための筒状体23を、焼
き嵌め、または、圧入などにより固定保持してある。 【0013】隙間13と通気穴12と連結穴22とで形
成された通路は、プランジャーピストン110の往復動
作における背面側圧力を逃がすための通気穴であり、図
示しない経路を経て外気に通じている。 【0014】筒状体23は、シリンダ115の内面側を
形成するもので、いわゆるシリンダライナであり、セラ
ミック材、例えば、炭化硅素で形成するとともに、内面
を鏡面仕上げ加工してある。 【0015】プランジャーピストン110は、セラミッ
ク材、例えば、炭化硅素で形成するとともに、細長棒状
体にして複数の圧力緩衝用の環状溝24と、後記の保持
ピン14を貫通させるための保持ピン用穴15を後記の
保持ピン用穴20と直交する方向に貫通させて設け、外
面を鏡面仕上げ加工してある。そして、プランジャーピ
ストン110の外径とシリンダ115の内径との間の半
径方向の隙間をごく小さく、例えば、3ミクロン程度と
し、環状溝24の幅を、例えば、0.6mm程度、ま
た、環状溝24の深さを、例えば、0.3mm程度とす
ることにより、プランジャーピストン110とシリンダ
115との間の隙間を通り抜けた被圧縮流体が、各環状
溝24で膨張して圧力を下げることを繰り返すようにし
て、被圧縮流体の漏れを防御するように仕組んである。 【0016】ピストン保持具16は、プランジャーピス
トン110と往復駆動棒124との連結を仲介するため
の仲介部分を形成するもので、金属材、例えば、ブルー
イング処理したステンレス鋼材で形成するとともに、一
端側には、プランジャーピストン110を嵌め込んで固
定するための凹穴17を設け、他端側は、プランジャー
ピストン110の往復動作の方向と直交する方向におけ
る一方向、例えば、クランク軸120の軸方向と直交す
る方向に湾曲する凸曲面18を設け、後記の保持ピン1
9を貫通させるための保持ピン用穴20を上記の一方向
と同一方向、つまり、凸曲面の曲心方向に貫通させて設
けてある。 【0017】往復駆動棒124は、金属材、例えば、ブ
ルーイング処理したステンレス鋼材で形成するととも
に、一端側に、ピストン保持具16を隙間31を設けて
嵌め込むための凹穴21を設け、他端側をクランク軸1
20により往復動作させられる部材として形成してあ
る。 【0018】回転体30は、ピストン接続具16の凸曲
面18と、往復駆動棒124の凹穴21の底部に設けた
平坦面32との両面に接して、これら両面の間に介在さ
せた円柱状体または筒状体であり、図1の側面側から見
た外形、つまり、断面形状が円形または円環状になって
いるものであって、金属材、例えば、ブルーイング処理
したステンレス鋼材で形成してある。 【0019】保持ピン14は、断面を円形に形成したピ
ンであり、金属材、例えば、ステンレス鋼材で形成して
あって、ピストン保持具16に圧入固定してあり、ピス
トン保持具16の保持ピン用穴15を遊び嵌め状態にし
てある。 【0020】保持ピン19は、断面を円形に形成したピ
ンであり、金属材、例えば、ステンレス鋼材で形成して
あって、往復駆動棒124に圧入固定してあり、ピスト
ン保持具16の保持ピン用穴20を遊び嵌め状態にして
ある。また、この保持ピン用穴20は、保持ピン19が
図1の左右方向に移動し得るように、図1の横方向に長
い長穴状に形成してある。 【0021】隙間リング33は、樹脂材、例えば、PT
FE樹脂で形成した環状体であり、往復駆動棒124に
設けた環状溝内に嵌め込み固定してあって、往復駆動棒
124が案内穴11に沿って安定に往復動作するように
滑動させるための役目をするものである。 【0022】図1の結合部123の部分を平面的にみる
と、図2のように、凹穴21の口径は、図1における前
後方向では長径、図1の左右方向では短径になってい
て、ピストン保持具16は、隙間31によって、図1の
前後方向に移動できる。この前後移動により、凸曲面1
8が前後移動するときに、回転体30が転がり接触しな
がら支えているので、移動を円滑に行わせることができ
る。 【0023】また、ピストン保持具16は、隙間31
と、保持ピン用穴20の横長穴と保持ピン19との間の
隙間とによって、図1の左右方向にも移動できるが、こ
の場合には、凸曲面18と回転体30とは滑り接触しな
がら移動することになる。 【0024】以上の構成を要約すると、複数の往復圧縮
部101〜104を連動して所要の流体を多段階で圧縮
するとともに、往復圧縮部の所要のものにプランジャー
ピストン110とシリンダ115との組み合わせによる
往復圧縮部104を用い、プランジャーピストン110
を往復させるため往復駆動棒124とプランジャーピス
トン110とを結合する結合部123を設けた多段圧縮
装置100において、 【0025】上記の結合部123におけるプランジャー
ピストン110側の部材の先端部分を上記の圧縮のため
の往復方向と直交する方向における一方向においてのみ
湾曲する凸曲面18を設けて形成する曲面先端手段と、 【0026】上記の結合部123における往復駆動棒1
24側の部材と上記の凸曲面18とが対接する部分に、
上記の一方向と直交する方向に転がる回転体30を介在
させる回転体介在対接手段と、 【0027】プランジャーピストン110側の部材と往
復駆動棒124側の部材との間に、少なくとも上記の一
方向と直交する方向の隙間21を設ける隙間手段と、 【0028】プランジャーピストン110をセラミック
材で形成するとともに、シリンダ115の内面側を形成
する筒状体23、つまり、シリンダライナをセラミック
材で形成する材質手段とを設けた構成になっているもの
である。 【0029】〔変形実施〕この発明は次のように変形し
て実施することを含むものである。 (1)複数の往復圧縮部を、上記のL型・V型・W型・
半星型・対向釣り合い型などに配置した構成、または、
3つまたは5つ以上の往復圧縮部を星型に配置した構成
の多段圧縮装置に適用して構成する。 【0030】(2)プランジャーピストン110による
往復圧縮部を最終段階の圧縮動作以外の部分に用いる構
成の多段圧縮装置に適用して構成する。 【0031】(3)往復駆動棒124の凹穴21におけ
る底部の平坦面31に、回転体30の図1における幅よ
りも僅かに広く、ごく浅い溝を図1の前後方向に設ける
ことにより、回転体30が図2の平面内における回転方
向に回転して、凸曲面18に対する転がり接触を阻害す
ることがないように構成する。 【0032】 【発明の効果】この発明によれば、プランジャーピスト
ン側の部材と往復駆動棒側の部材との対接箇所が、凸曲
面を回転体によって転がり接触するように支持されるほ
か、直交する凸曲面によって対接するため、従来の球面
と球面との対接よりも抗力が大きく、また、対接部分の
転がり接触により対接部分の摩耗が低減されるので、結
合部にガタによる往復動作の衝撃を招くことを防止し得
るとともに、プランジャーピストンの表面とシリンダの
表面とを、セラミック材で形成してあるので、一方のみ
が先に摩耗して、横当たり衝撃による振動や摩耗部分の
隙間による圧縮効率の低下などを防止し得るようにした
多段圧縮装置を提供し得る特長がある。
【図面の簡単な説明】 図1・図2はこの発明の実施例の構成を、また、図3・
図4は従来技術の構成を示し、各図の内容は次のとおり
である。 【図1】要部構成の縦断面図 【図2】図1のA−A断面平面図 【図3】要部構成の縦断面図 【図4】全体構成の縦断面図 【符号の説明】 1 基体 2 基体 11 案内穴 12 通気穴 13 間隙 14 保持ピン 15 保持ピン用穴 16 ピストン保持具 17 凹穴 18 凸曲面 19 保持ピン 20 保持ピン用穴 21 凹穴 22 連結穴 23 筒状体 24 環状溝 30 回転体 31 間隙 32 平坦面 33 間隙リング 101 往復圧縮部 102 往復圧縮部 103 往復圧縮部 104 往復圧縮部 105 軸 106 軸 110 ピストン 111 球状頭部 115 シリンダ 116 圧縮室 120 クランク軸 122 球状体 123 結合部 124 往復駆動棒 130 クランク室 141 接続金具 142 接続金具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 000196680 西部瓦斯株式会社 福岡県福岡市博多区千代1丁目17番1号 (72)発明者 水野 善仁 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 田島 祥人 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 金井 一男 千葉県習志野市袖ケ浦6−9−6 (72)発明者 小林 明文 大阪府大阪市中央区平野町4丁目1番2 号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 由木 将 三重県四日市市桜花台1丁目63−6 (72)発明者 稲盛 日出美 福岡県福岡市博多区千代1丁目17番1号 西部瓦斯株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−2652(JP,A) 特開 昭57−79277(JP,A) 特開 昭60−233379(JP,A) 特開 平4−134192(JP,A) 特開 昭54−7047(JP,A) 実開 昭51−68006(JP,U) 特公 昭41−464(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 27/053 F04B 27/04 F16J 15/56

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 複数の往復圧縮部を連動して所要の流体
    を多段階で圧縮するとともに、前記往復圧縮部の所要の
    ものにプランジャーピストンとシリンダとの組み合わせ
    による往復圧縮部を用い、前記プランジャーピストンを
    往復させるため往復駆動棒とプランジャーピストンとを
    結合する結合部を設けた多段圧縮装置において、 前記結合部における前記プランジャーピストン側の部材
    の先端部分を前記圧縮のための往復方向と直交する方向
    における一方向においてのみ湾曲する凸曲面を設けて形
    成する曲面先端手段と、 前記結合部における前記往復駆動棒側の部材と前記凸曲
    面とが対接する部分に、前記一方向と直交する方向に転
    がる回転体を介在させる回転体介在対接手段と、 前記
    プランジャーピストン側の部材と前記往復駆動棒側の部
    材との間に、少なくとも前記一方向と直交する方向の隙
    間を設ける隙間手段と、 前記プランジャーピストンをセラミック材で形成すると
    ともに、前記シリンダの内面側をセラミック材で形成す
    る材質手段とを具備することを特徴とする多段圧縮装
    置。
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