JP3992780B2 - 振動式圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫,エアーコンディショナー等に使用される振動式圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の振動式圧縮機としては、特開平04−298689号公報や、特開平4−347460号公報に記載されているものがある。以下図面を参照しながら上記従来の振動式圧縮機に説明する。
【0003】
図7は従来の振動式圧縮機であり、図8は図7のA−A線要部断面図である。図7,図8において、1は密閉ケーシング、2は本体である。モーター3は、固定子3aと可動子3bとから構成されており、可動子3bはピストン5に固定されている。本体2はモーター3の可動子3b,ピストン5などから構成される可動要素12と、シリンダ4,モーター3の固定子3a,ブロック6などから構成される固定要素13とから構成されており、サスペンションスプリング(図示せず)により、密閉ケーシング1内に弾性支持されている。11は潤滑油であり、密閉ケーシング1の下部に溜められている。
【0004】
弾性要素8は、複数の弾性体8aを積み重ねて構成されており、弾性要素8の内周部8bがピストン5に固定され、弾性要素8の外周部8cがブロック6に固定されている。また、各弾性体8aの内周部8bと外周部8cには、それぞれスペーサー8d,8eが挟み込まれており、各弾性体8aの間に一定の隙間を保持している。
【0005】
また、弾性体8aは複数のらせん状のスリット8sを有しており、そのため弾性要素、例えばバネとして機能する。
【0006】
また、シリンダ4と弾性要素8は、ピストン5が軸方向に可動可能なようにピストン5を支持している。9はシリンダ4とピストン5から構成される圧縮室である。
【0007】
次に振動式圧縮機の機構について説明する。交流電源を半波整流し、固定子3aに通電することにより、ピストン5に固定された可動子3bの固定子3aの磁極の方向に磁気可変抵抗原理により吸引される。そして吸引時に、可動子3bとブロック6間に配設された弾性要素8に蓄えられた弾性力により逆方向に押され、この繰り返しによりピストン5は軸方向の往復運動を行う。
【0008】
冷却システム(図示せず)からの冷媒ガスは、シリンダヘッド7内に配設された吸入弁(図示せず)を介してシリンダヘッド7の低圧室7aに導かれ、シリンダ4内の圧縮室9に至る。圧縮室9に至った冷媒ガスは、上述したピストン5の往復運動により圧縮される。
【0009】
圧縮された冷媒ガスは、シリンダヘッド7内に配設された吐出弁(図示せず)を介して一旦シリンダヘッド7内の高圧室7bに吐出された後、システムに吐出される。
【0010】
また、弾性体8aの内周部8bが図8の紙面に対して垂直方向上方及び下方に変位したときに、弾性体8aの内周部8bは図8中に示した矢印の方向に回転する。従って、弾性体8aの内周部8bと固定されたピストン5も弾性体8aの変位と共に回転することとなり、ピストン5は回転しながら往復運動する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、シリンダ4,ピストン5,弾性要素8の軸心がずれて加工・組立された時には、ピストン5とシリンダ4の摺動部において、局所的な摺動やこじりが発生し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部の摩耗といった信頼性低下の可能性があった。
【0012】
また、ピストン5が固定された弾性体8aの内周部8bにおいて、弾性体8aの半径方向の過大な変形が引き起こされ、弾性体8aに過大な応力が発生し、弾性体8aの疲労や破壊といった信頼性低下の可能性があった。
【0013】
さらに、ピストン5とシリンダ4の摺動部において、弾性要素8が変位する際に生じるピストン5の周方向の回転により、回転に伴う摺動損失が増大し、摺動部の摩耗といった信頼性低下の可能性があった。
【0014】
また、上記の可能性を回避するために、部品の加工精度や組立精度を向上させると、部品や圧縮機のコストが高くなる可能性があった。
【0015】
本発明は、従来の課題を解決するもので、シリンダ,ピストン,弾性要素の軸心がずれて加工・組立されても、ピストンとシリンダの摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部の摩耗といった信頼性の低下を防止する。
【0016】
また、ピストンが固定された弾性体の半径方向の過大な変形を防止し、弾性体に座屈やねじれによる過大な応力が発生することを防止することにより、弾性体の疲労や破壊といった信頼性の低下を防止する。
【0017】
また、ピストンとシリンダ間の回転方向の相対速度を低減することにより摺動損失を低減し、圧縮機の効率向上を図る。
【0018】
また、上記従来の構成では、シリンダ4,ピストン5,弾性要素8が傾いて加工・組み立てられたときや、可動要素12の一部が潤滑油11に浸り往復運動する際に潤滑油11から効力を受ける際には、ピストン5とシリンダ4の摺動部において、局所的な摺動やこじりが発生し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部の摩耗といった信頼性の低下の可能性があった。
【0019】
また、ピストン5が固定された弾性要素8が軸方向に対して傾いて変形するために、弾性体8aに過大な応力が発生し、弾性体8aの疲労や破壊といった信頼性低下の可能性があった。
【0020】
本発明は、従来の課題を解決するもので、シリンダ,ピストン,弾性要素が傾いて加工・組み立てられたときや、可動要素の一部が潤滑油に浸り往復運動する際に潤滑油から抵抗を受けた時において、ピストンとシリンダの摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部の摩耗といった信頼性低下を防止する。
【0021】
また、ピストンが固定された弾性体が軸方向に対して傾いて変形することを防止し、弾性体に過大な応力が発生することを防止することにより、弾性体の疲労や破壊といった信頼性低下を防止する。
【0022】
また、上記従来の構成では、弾性要素8が軸方向に変位する際に、それに伴って弾性体8aの内周部8b及びピストン5を含む可動要素12の回転方向が変わる。そのため、回転方向が変わる際に可動要素12の回転による慣性力により弾性体8aに回転に伴う過大な変形が生じるため、弾性体8aに過大な応力が発生し、弾性体8aの疲労や破壊といった信頼性低下の可能性があった。
【0023】
本発明は、従来の課題を解決するもので、往復運動に伴って可動要素の回転方向が変わる際に、可動要素による回転の慣性力が働いても、弾性体が回転に伴なって過大に変形することを防止し、弾性体に課題な応力が発生することを防止することにより、弾性要素の疲労や破壊といった信頼性低下を防止する。
【0024】
また、上記従来の構成では、弾性要素8が軸方向に変位し、それに伴って弾性体8aの内周部8b及びピストン5を含む可動要素12が方向を変えながら回転する。その回転力は、弾性体8aを介してブロック6等の固定要素13に伝達されるため、固定要素13,本体2及び圧縮機の回転振動が増大する可能性があった。
【0025】
本発明は、従来の課題を解決するもので、弾性要素が軸方向に変位しつつ内周部が回転しても、ピストンやモーターの可動子などの可動要素及びブロックなどの固定要素への回転力の伝達を低減することにより、固定要素,本体及び圧縮機の回転振動を低減する。
【0026】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明の振動式圧縮機は、冷媒ガス空間を有する密閉ケーシングと、密閉ケーシング内に収納されたシリンダと、固定子及び可動子とから構成されたモーターと、モーターの可動子などにより構成された可動要素と、シリンダやモーターの固定子などにより構成された固定要素と、一部が可動要素に固定され、一部が固定要素に固定された弾性要素と、可動要素と軸方向に連結され弾性要素に対して半径方向に可動可能で且つ回転可能なピストンとから構成されている。
【0027】
これにより、シリンダ,ピストン,弾性要素の軸心がずれて加工・組立されても、ピストンとシリンダの摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部の摩耗といった信頼性の低下を防止する。
【0028】
また、ピストンが固定された弾性体の半径方向の過大な変形を防止し、弾性体に座屈やねじれによる過大な応力が発生することを防止することにより、弾性体の疲労や破壊といった信頼性の低下を防止する。
【0029】
また、ピストンとシリンダ間の回転方向の相対速度を低減することにより摺動損失を低減し、圧縮機の効率向上を図る。
【0030】
また、冷媒ガス空間を有する密閉ケーシングと、密閉ケーシング内に収納され内周部に曲率を有したブロックと、固定子及び可動子とから構成されたモーターと、モーターの可動子が連結されたピストンと、モーターの可動子やピストンなどにより構成された可動要素と、モーターの固定子やブロックなどにより構成された固定要素と、一部が可動要素に固定され、一部が固定要素に固定された弾性要素と、外周部にブロックと同じ又は僅かに大きい曲率を有し、ブロックに嵌められ内周部がピストンと摺動可能な揺動シリンダとから構成されている。
【0031】
これにより、シリンダ,ピストン,弾性要素が傾いて加工・組み立てられたときや、可動要素の一部が潤滑油に浸り往復運動する際に潤滑油から抵抗を受けた時において、ピストンとシリンダの摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部の摩耗といった信頼性低下を防止する。
【0032】
また、ピストンが固定された弾性体の軸方向に対して傾いて変形することを防止し、弾性体に過大な応力が発生することを防止することにより、弾性体の疲労や破壊といった信頼性低下を防止する。
【0033】
また、冷媒ガス空間を有する密閉ケーシングと、密閉ケーシング内に収納されたシリンダと、固定子及び可動子とから構成されたモーターと、シリンダ内に嵌められモーターの可動子が連結されたピストンと、モーターの可動子やピストンなどにより構成された可動要素と、モーターの固定子やシリンダなどにより構成された固定要素と、一部が可動要素に固定され、一部が半径方向に隙間を有して固定要素と軸方向に連結された弾性要素とからなり、隙間により固定要素に対して弾性要素が回転したり半径方向に可動可能に構成されている。
【0034】
これにより、往復運動に伴って可動要素の回転方向が変わる際に、可動要素による回転の慣性力が働いても、弾性体が回転に伴なって過大に変形することを防止し、弾性体に過大な応力が発生することを防止することにより、弾性要素の疲労や破壊といった信頼性低下を防止する。
【0035】
また、冷媒ガス空間を有する密閉ケーシングと、密閉ケーシング内に収納されたシリンダと、固定子及び可動子とから構成されたモーターと、シリンダ内に嵌められたピストンと、モーターの可動子やピストンなどにより構成された可動要素と、モーターの固定子やシリンダなどにより構成された固定要素と、一部に曲率を有する弾性要素とからなり、弾性要素は弾性要素と同じ又は僅かに大きい曲率を有する可動要素に嵌められ、一部が半径方向に隙間を有して固定要素と軸方向に連結された構成となっている。
【0036】
これにより、弾性要素が軸方向に変位しつつ内周部が回転しても、ピストンやモーターの可動子などの可動要素及びブロックなどの固定要素への回転力の伝達を低減することにより、固定要素,本体及び圧縮機の回転振動を低減する。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、冷媒ガス空間を有する密閉ケーシングと、密閉ケーシング内に収納されたシリンダと、固定子及び可動子とから構成されたモーターと、モーターの可動子などにより構成された可動要素と、シリンダやモーターの固定子などにより構成された固定要素と、一部が可動要素に固定され、一部が固定要素に固定された弾性要素と、可動要素と軸方向に連結され可動要素に対して半径方向に可動可能で且つ回転可能なピストンを備えたものであり、シリンダ,ピストン,弾性要素の軸心がずれて加工・組立されても、ピストンとシリンダの摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部の摩耗といった信頼性の低下を防止するという作用を有する。
【0038】
また、ピストンが固定された弾性体の半径方向の過大な変形を防止し、弾性体に座屈やねじれによる過大な応力が発生することを防止することにより、弾性体の疲労や破壊といった信頼性の低下を防止するという作用を有する。
【0039】
また、ピストンとシリンダ間の回転方向の相対速度を低減することにより摺動損失を低減し、圧縮機の効率向上を図るという作用を有する。
【0040】
請求項2記載の発明は、密閉ケーシングと、密閉ケーシング内に収納され内周部に曲率を有したブロックと、固定子及び可動子とから構成されたモーターと、モーターの可動子が連結されたピストンと、モーターの可動子やピストンなどにより構成された可動要素と、モーターの固定子やブロックなどにより構成された固定要素と、一部が可動要素に固定され、一部が固定要素に固定された弾性要素と、外周部にブロックと同じ又は僅かに大きい曲率を有し、ブロックに嵌められ内周部がピストンと摺動可能な摺動シリンダを備えたものであり、シリンダ,ピストン,弾性要素が傾いて加工・組み立てられたときや、可動要素の一部が潤滑油に浸り往復運動する際に潤滑油から抵抗を受けた時において、ピストンとシリンダの摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部の摩耗といった信頼性低下を防止するという作用を有する。
【0041】
また、ピストンが固定された弾性体の軸方向に対して傾いて変形することを防止し、弾性体に過大な応力が発生することを防止することにより、弾性体の疲労や破壊といった信頼性低下を防止するという作用を有する。
【0042】
請求項3記載の発明は、密閉ケーシングと、密閉ケーシング内に収納されたシリンダと、固定子及び可動子とから構成されたモーターと、シリンダ内に嵌められモーターの可動子が連結されたピストンと、モーターの可動子やピストンなどにより構成された可動要素と、モーターの固定子やシリンダなどにより構成された固定要素と、一部が可動要素に固定され、一部が半径方向に隙間を有して固定要素と軸方向に連結された弾性要素を備え、隙間により固定要素に対して弾性要素が回転したり半径方向に可動可能なものであり、往復運動に伴って可動要素の回転方向が変わる際に、可動要素による回転の慣性力が働いても、弾性体が回転に伴なって過大に変形することを防止し、弾性体に過大な応力が発生することを防止することにより、弾性要素の疲労や破壊といった信頼性低下を防止するという作用を有する。
【0043】
請求項4記載の発明は、冷媒ガス空間を有する密閉ケーシングと、密閉ケーシング内に収納されたシリンダと、固定子及び可動子とから構成されたモーターと、シリンダ内に嵌められたピストンと、モーターの可動子やピストンなどにより構成された可動要素と、モーターの固定子やシリンダなどにより構成された固定要素と、内周部に曲率を有する弾性要素とからなり、弾性要素は弾性要素と同じ又は僅かに大きい曲率を有する可動要素に嵌められ、外周部が固定要素に固定されたものを備えたものであり、弾性要素が軸方向に変位しつつ内周部が回転しても、ピストンやモーターの可動子などの可動要素及びブロックなどの固定要素への回転力の伝達を低減することにより、固定要素,本体及び圧縮機の回転振動を低減する。
【0044】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図6を用いて説明する。尚、従来と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0045】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について説明する。図1は本発明の第1の実施例による振動式圧縮機の縦断面図であり、図2は図1の要部拡大図である。
【0046】
図1,図2において、14はシャフトであり、ピストン15の凸部15aにより軸方向に連結されており、また弾性要素8の内周部8bと固定されている。また、ピストン15の凸部15a及び凹部15bは、シャフト14に対して半径方向に隙間を備えている。
【0047】
以上のように構成された振動式圧縮機について、以下その動作を説明する。
圧縮機運転中において、可動子3bに発生した推力は、シャフト14,ピストン15に伝えられる。
【0048】
この時、ピストン15はシリンダ4内に嵌められ、またピストン15の凸部15a及び凹部15bは、シャフト14に対して半径方向に隙間を備えているため、ピストン15はシリンダ4との軸芯が一致するように半径方向に可動する。そして、その状態のままピストン15はシリンダ4内を往復運動を繰り返しながら冷媒ガスを吸入・圧縮する。
【0049】
従って、シリンダ4,ピストン15,弾性要素8の軸心がずれて加工・組立されても、ピストン15とシリンダ4の摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部の摩耗といった信頼性の低下を防止することができる。
【0050】
さらに、弾性要素8は常にシャフト14の軸方向に変位するため、半径方向に過大に変形することもない。そのため、弾性要素8が半径方向に過大に変形することを防止し、弾性要素8に過大な応力が発生することを防止することにより、弾性要素8の疲労や破壊といった信頼性低下を防止することができる。
【0051】
また、弾性体8aの内周部8bは、軸方向変位に伴って回転を行うため、弾性要素8を介してシャフト14も回転する。
【0052】
この時、ピストン15もシャフト14と同方向に回転しようとするが、ピストン15はシャフト14に対して回転可能であるため、ピストン15とシリンダ4間の回転方向の相対速度は、シャフト14とシリンダ間の回転方向の相対速度よりも小さくなる。
【0053】
従って、ピストン15がシリンダ4内を往復摺動する際に、弾性要素8が回転しシャフト14が回転しても、ピストン15とシリンダ4間の回転方向の相対速度を低減できるため、ピストン5の回転に伴う摺動損失を低減できると共に、摺動部の摩耗といった信頼性の低下を防止することができる。
【0054】
以上のように、冷媒ガス空間を有する密閉ケーシングと、密閉ケーシング内に収納されたシリンダと、固定子及び可動子とから構成されたモーターと、モーターの可動子などにより構成された可動要素と、シリンダやモーターの固定子などにより構成された固定要素と、一部が可動要素に固定され、一部が固定要素に固定された弾性要素と、可動要素と軸方向に連結され可動要素に対して半径方向に可動可能で且つ回転可能なピストンを備えたものであり、シリンダ,ピストン,弾性要素の軸心がずれて加工・組立されても、ピストンとシリンダの摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部の摩耗といった信頼性の低下を防止することができる。
【0055】
また、ピストンが固定された弾性体の半径方向の過大な変形を防止し、弾性体に座屈やねじれによる過大な応力が発生することを防止することにより、弾性体の疲労や破壊といった信頼性の低下を防止することができる。
【0056】
また、ピストンとシリンダ間の回転方向の相対速度を低減することにより摺動損失を低減し、圧縮機の効率を向上させることができる。
【0057】
尚、本実施例においては、弾性要素8をシャフト14とブロック6に固定しているが、他の可動要素12,固定要素13に固定しても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0058】
(実施の形態2)
図3は本発明の第2の実施例による振動式圧縮機の縦断面図であり、図4は図3の要部拡大図である。
【0059】
図3,図4において、16は揺動シリンダであり、外周部に曲率部16aを備えており、内周部16bにおいてピストン5が軸方向に摺動可能である。6はブロックであり、内周部に揺動シリンダ16の曲率部16aと同じまたは僅かに大きい曲率部6aを備えている。そして、揺動シリンダ16の曲率部16aは、ブロック6の曲率部6aに嵌められている。
【0060】
以上のように構成された振動式圧縮機において、以下その動作を説明する。
揺動シリンダ16は、その外周部の曲率部16aがブロック6の内周の曲率部6aに嵌められているため、曲率部16a,6aの中心を原点として、ブロック6に対して傾くことができる。また、ピストン5は揺動シリンダ16の内周部16bに嵌められているため、揺動シリンダ16と同様にピストン5も傾くことができる。
【0061】
弾性要素8が固定されたピストン5がブロック6に対して傾いて加工・組立てられて運転されたときや、圧縮機の運転時においてピストン5がブロック6に対して傾いて摺動する力が作用したときにおいて、ピストン5に対して傾かないように、揺動シリンダ16の曲率部16aがブロック6の曲率部6aの曲率に沿って回転する。
【0062】
圧縮機の運転中に、ピストン5が揺動シリンダ16に対して傾いて摺動する力が作用する可能性がある場合として、例えば可動要素12や弾性要素8などの一部が潤滑油11中に浸り、往復動する際に潤滑油から抵抗を受ける場合などが考えられる。
【0063】
その為、ピストン5,ブロック16が相対的に傾斜するように加工・組み立てられたり、何らかの要因により圧縮機の運転中において、ブロック6に対してピストン5が傾斜しても、揺動シリンダ16に対してピストン5は常に傾斜することなく摺動する。
【0064】
従って、ピストン5と揺動シリンダ16の摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止できると共に、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部の摩耗といった信頼性低下を防止することができる。
【0065】
また逆に、ピストン5がブロック6に対して傾かずに摺動しようとすると、ピストン5に固定された弾性要素8が軸方向に対して傾いた変形をしようとする。
【0066】
しかしその時も上述した通り、揺動シリンダ16がブロック6に対して傾くことができるためピストン5もブロック6に対して傾くことができ、ブロック6に一部が固定された弾性要素8が軸方向に対して傾いた変形をすることはない。その為、弾性要素8の疲労や破損といった信頼性の低下を防止することができる。
【0067】
以上のように、密閉ケーシングと、密閉ケーシング内に収納され内周部に曲率を有したブロックと、固定子及び可動子とから構成されたモーターと、モーターの可動子が連結されたピストンと、モーターの可動子やピストンなどにより構成された可動要素と、モーターの固定子やブロックなどにより構成された固定要素と、一部が可動要素に固定され、一部が固定要素に固定された弾性要素と、外周部にブロックと同じ又は僅かに大きい曲率を有し、ブロックに嵌められ内周部がピストンと摺動可能な揺動シリンダを備えたものであり、シリンダ,ピストン,弾性要素が傾いて加工・組み立てられたときや、可動要素の一部が潤滑油に浸り往復運動する際に潤滑油から抵抗を受けた時において、ピストンとシリンダの摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部の摩耗といった信頼性低下を防止することができる。
【0068】
また、ピストンが固定された弾性体の軸方向に対して傾いて変形することを防止し、弾性体に過大な応力が発生することを防止することにより、弾性体の疲労や破壊といった信頼性低下を防止することができる。
【0069】
(実施の形態3)
図5は本発明の第3の実施例による振動式圧縮機の縦断面図である。
【0070】
図5において、8は弾性要素であり、弾性体8a,スペーサ8d,8e,固定部材8gとから構成されており、内周部8bがピストン5に固定されている。弾性要素8は、固定部材8gにて、ブロック6に対して軸方向に連結され、半径方向には隙間(B)を備えている。
【0071】
以上のように構成された振動式圧縮機について、以下その動作を説明する。
圧縮機運転中において、弾性要素8aの内周部8bは、軸方向変位に伴って回転し、その回転方向が変化する。その回転方向が変わる際に、ピストン5やモーター3の可動子3bなどの可動要素12には、その質量,回転速度により常に同じ方向に回転し続けようとする慣性力が作用し、弾性要素8が固定要素13に固定されていると、弾性要素8の弾性体8aが必要以上に回転し、回転に伴う変形が生じる。
【0072】
しかしながら、弾性要素8は固定要素13であるブロック6に対して軸方向には連結されているものの回転可能であるため、弾性体8aが必要以上に回転することを防止でき、過大な回転を伴う過大な変形を防止できる。従って、弾性体8aに過大な応力が発生することを防止でき、弾性要素8の疲労や破壊といった信頼性の低下を防止することができる。
【0073】
また、圧縮機運転中において、弾性要素8の固定部材8gは、ブロック6に対して半径方向に隙間を備えているため、ピストン5及び弾性要素8はシリンダ4との軸芯が一致するように半径方向に可動する。そして、その状態のままピストン5はシリンダ4内を往復運動を繰り返しながら冷媒ガスを吸入・圧縮する。
【0074】
従って、シリンダ4,ピストン5,弾性要素8の軸心がずれて加工・組立されても、ピストン5とシリンダ4の摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部の摩耗といった信頼性の低下を防止することができる。
【0075】
さらに、弾性要素8は軸心がずれることなく常に軸方向に変位するため、半径方向に過大に変形することもない。そのため、弾性要素8が半径方向に過大に変形することを防止し、弾性要素8に過大な応力が発生することを防止することにより、弾性要素8の疲労や破壊といった信頼性低下を防止することができる。
【0076】
以上のように、密閉ケーシングと、密閉ケーシング内に収納されたシリンダと、固定子及び可動子とから構成されたモーターと、シリンダ内に嵌められモーターの可動子が連結されたピストンと、モーターの可動子やピストンなどにより構成された可動要素と、モーターの固定子やシリンダなどにより構成された固定要素と、一部が可動要素に固定され、一部が半径方向に隙間を有して固定要素と軸方向に連結された弾性要素を備え、隙間により固定要素に対して弾性要素が回転したり半径方向に可動可能なものであり、往復運動に伴って可動要素の回転方向が変わる際に、可動要素による回転の慣性力が働いても、弾性要素が必要以上に回転することを防止でき、過大な回転に伴う弾性要素の過大な変形,過大な応力の発生を防止できるため、弾性要素の信頼性が向上する。
【0077】
また、シリンダ,ピストン,弾性要素の軸心がずれて加工・組立されても、ピストンとシリンダの摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部の摩耗といった信頼性の低下を防止することができる。
【0078】
尚、本実施例では、弾性体8をピストン5とブロック6にそれぞれ固定,連結されているが、他の可動要素12,固定要素13にそれぞれ固定,連結しても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0079】
(実施の形態4)
図6は本発明の第3の実施例による振動式圧縮機の縦断面図である。
【0080】
図6において、8は弾性要素であり、弾性体8a,スペーサ8d,8eとから構成されている。8fは、弾性要素8の内周部8bに設けられた曲率部である。5はピストンであり、弾性要素8の曲率部8fと同じまたは僅かに大きい曲率部5aを備えている。
【0081】
そして、弾性要素8の曲率部8fは、ピストン5の曲率部5aに嵌められ連結されており、また弾性要素8は、外周部8dがブロック6に対して軸方向に連結され、半径方向に隙間(B)を備えている。
【0082】
以上のように構成された振動式圧縮機について、以下その動作を説明する。
圧縮機運転中において、弾性要素8aの内周部8bは、軸方向変位に伴って方向が反転しながら常に回転を行う。その際に、弾性要素8を介してピストン5やブロック6も回転しようとするが、弾性要素8の曲率部8fとピストン5の曲率部5a、そして弾性要素8の外周部8dとブロック6とは軸方向に連結されているものの相対的に回転可能であるため、ピストン5やブロック6へは、弾性要素8の回転に伴う回転力があまり伝達されず、ピストン5の回転も小さくなる。
【0083】
そのため、弾性要素8が軸方向に変位しつつ内周部8bが回転しても、ピストン5やモーター3の可動子3bなどの可動要素12,ブロック6などの固定要素13への回転力の伝達を低減でき、固定要素13,本体2及び圧縮機の回転振動を低減することができる。さらに、ピストン5とシリンダ4間の回転方向の相対速度を低減できるため、回転に伴う摺動損失を低減できると共に、摺動部の摩耗といった信頼性の低下を防止することができる。
【0084】
また、モーター3の可動子3b,ピストン5等から構成される可動要素12の往復運動に伴う回転が低減でき、可動要素による慣性力が低減できるため、弾性体8aが回転に伴なって過大に変形することを防止し、弾性体8aに過大な応力が発生することを防止することができるため、弾性要素8の疲労や破壊といった信頼性低下を防止することができる。
【0085】
さらに、圧縮機運転中において弾性要素8の外周部8dは、ブロック6に対して半径方向に隙間を備えているため、ピストン5はシリンダ4との軸芯が一致するように半径方向に可動する。そして、その状態のままピストン5はシリンダ4内を往復運動を繰り返しながら冷媒ガスを吸入・圧縮する。
【0086】
従って、シリンダ4,ピストン5,弾性要素8の軸心がずれて加工・組立されても、ピストン5とシリンダ4の摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部の摩耗といった信頼性の低下を防止することができる。また、弾性要素8が半径方向に過大に変形することがないため、弾性要素8に過大な応力が作用することを防止でき、弾性要素8の疲労や破壊といった信頼性の低下を防止することができる。
【0087】
また、弾性要素8は、その内周部の曲率部8fがピストン5の曲率部5aに嵌められているため、曲率部8f,5aの中心を原点として傾くことができる。
【0088】
従って、弾性要素8が固定されたピストン5がシリンダ4に対して傾いて加工・組立されて運転されたときや、圧縮機の運転時においてピストン5がシリンダ4に対して傾いて摺動するように力が作用したときにおいて、シリンダ4に対してピストン5が傾かないようにピストン5の曲率部5aが弾性要素8の曲率部8aに沿って回転する。そのためピストン5とシリンダ4の摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止できると共に、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部の摩耗といった信頼性低下を防止することができる。
【0089】
また逆に、ピストン5が弾性要素8に対して傾かずに摺動しようとすると、ピストン5に固定された弾性要素8が軸方向に対して傾いた変形をしようとする。
【0090】
しかしその時も上述した通り、ピストン5が弾性要素8に対して傾くことができるため、弾性要素8が軸方向に対して傾いた変形をすることはない。その為、弾性要素8の疲労や破損といった信頼性の低下を防止することができる。
【0091】
以上のように、冷媒ガス空間を有する密閉ケーシングと、密閉ケーシング内に収納されたシリンダと、固定子及び可動子とから構成されたモーターと、シリンダ内に嵌められたピストンと、モーターの可動子やピストンなどにより構成された可動要素と、モーターの固定子やシリンダなどにより構成された固定要素と、内周部に曲率を有する弾性要素とからなり、弾性要素は弾性要素と同じ又は僅かに大きい曲率を有する可動要素に嵌められ、一部が半径方向に隙間を有して固定要素と軸方向に連結されているため、弾性要素が軸方向に変位しつつ内周が回転しても、可動要素や固定要素への回転力の伝達を低減でき、固定要素,本体及び圧縮機の回転振動を低減することができる。さらに、ピストンの回転を低減することによりシリンダとの摺動損失を低減できると共に、摺動部の摩耗といった信頼性の低下を防止することができる。
【0092】
また、シリンダ,ピストン,弾性要素の軸心がずれて加工・組立されたり、傾いて加工・組立されたり、運転中においてその軸心がずれたり傾いたりする何らかの力が作用しても、ピストンとシリンダの摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率の低下や、摺動部の摩耗といった信頼性の低下を防止することができる。
【0093】
また、シリンダ,ピストン,弾性要素の軸心ずれや傾きを防止でき、弾性要素は常に軸心に沿って傾くことなく変形するため、軸心ずれや傾きに起因する弾性要素の過大な変形,過大な応力の発生を低減でき、弾性要素の信頼性が向上する。
【0094】
尚、本実施例では、ピストン5に曲率部5aを設けると共に、弾性要素8をブロック6に軸方向に連結しているが、他の可動要素12に曲率を設けても、また他の固定要素に連結しても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0095】
【発明の効果】
以上のように、冷媒ガス空間を有する密閉ケーシングと、密閉ケーシング内に収納されたシリンダと、固定子及び可動子とから構成されたモーターと、モーターの可動子などにより構成された可動要素と、シリンダやモーターの固定子などにより構成された固定要素と、一部が可動要素に固定され、一部が固定要素に固定された弾性要素と、可動要素と軸方向に連結され可動要素に対して半径方向に可動可能で且つ回転可能なピストンを備えたものであり、シリンダ,ピストン,弾性要素の軸心がずれて加工・組立されても、ピストンとシリンダの摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部の摩耗といった信頼性の低下を防止することができる。
【0096】
また、ピストンが固定された弾性体の半径方向の過大な変形を防止し、弾性体に座屈やねじれによる過大な応力が発生することを防止することにより、弾性体の疲労や破壊といった信頼性の低下を防止することができる。
【0097】
また、ピストンとシリンダ間の回転方向の相対速度を低減することにより摺動損失を低減し、圧縮機の効率向上させることができる。
【0098】
また、冷媒ガス空間を有する密閉ケーシングと、密閉ケーシング内に収納され内周部に曲率を有したブロックと、固定子及び可動子とから構成されたモーターと、モーターの可動子が連結されたピストンと、モーターの可動子やピストンなどにより構成された可動要素と、モーターの固定子やブロックなどにより構成された固定要素と、一部が可動要素に固定され、一部が固定要素に固定された弾性要素と、外周部にブロックと同じ又は僅かに大きい曲率を有し、ブロックに嵌められ内周部がピストンと摺動可能な揺動シリンダを備えたものであり、シリンダ,ピストン,弾性要素が傾いて加工・組み立てられたときや、可動要素の一部が潤滑油に浸り往復運動する際に潤滑油から抵抗を受けた時において、ピストンとシリンダの摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部の摩耗といった信頼性低下を防止することができる。
【0099】
また、ピストンが固定された弾性体の軸方向に対して傾いて変形することを防止し、弾性体に過大な応力が発生することを防止することにより、弾性体の疲労や破壊といった信頼性低下を防止することができる。
【0100】
また、冷媒ガス空間を有する密閉ケーシングと、密閉ケーシング内に収納されたシリンダと、固定子及び可動子とから構成されたモーターと、シリンダ内に嵌められモーターの可動子が連結されたピストンと、モーターの可動子やピストンなどにより構成された可動要素と、モーターの固定子やシリンダなどにより構成された固定要素と、一部が可動要素に固定され、一部が半径方向に隙間を有して固定要素と軸方向に連結された弾性要素を備え、隙間により固定要素に対して弾性要素が半径方向に可動可能なものであり、弾性要素が必要以上に回転することを防止でき、弾性要素における過大な回転に伴う過大な変形,過大な応力の発生を防止できるため、弾性要素の信頼性が向上する。
【0101】
また、シリンダ,ピストン,弾性要素の軸心がずれて加工・組立されても、ピストンとシリンダの摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部の摩耗といった信頼性の低下を防止することができる。
【0102】
また、冷媒ガス空間を有する密閉ケーシングと、密閉ケーシング内に収納されたシリンダと、固定子及び可動子とから構成されたモーターと、シリンダ内に嵌められたピストンと、モーターの可動子やピストンなどにより構成された可動要素と、モーターの固定子やシリンダなどにより構成された固定要素と、内周部に曲率を有する弾性要素とからなり、弾性要素は弾性要素と同じ又は僅かに大きい曲率を有する可動要素に嵌められ、一部が半径方向に隙間を有して固定要素と軸方向に連結されたものであり、弾性要素が軸方向に変位しつつ内周が回転しても、可動要素や固定要素への回転力の伝達を低減でき、固定要素,本体及び圧縮機の回転振動を低減することができる。さらに、ピストンの回転を低減することによりシリンダとの摺動損失を低減できると共に、摺動部の摩耗といった信頼性の低下を防止することができる。
【0103】
また、シリンダ,ピストン,弾性要素の軸心がずれて加工・組立されたり、傾いて加工・組立されたり、運転中においてその軸心がずれたり傾いたりする何らかの力が作用しても、ピストンとシリンダの摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率の低下や、摺動部の摩耗といった信頼性の低下を防止することができる。
【0104】
また、シリンダ,ピストン,弾性要素の軸心ずれや傾きを防止でき、弾性要素は常に軸心に沿って傾くことなく変形するため、軸心ずれや傾きに起因する弾性要素における過大な変形,過大な応力の発生を低減でき、弾性要素の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による振動式圧縮機の縦断面図
【図2】図1の要部拡大図
【図3】本発明の実施の形態2による振動式圧縮機の縦断面図
【図4】図3の要部拡大図
【図5】本発明の実施の形態3による振動式圧縮機の縦断面図
【図6】本発明の実施の形態4による振動式圧縮機の縦断面図
【図7】従来の振動式圧縮機の縦断面図
【図8】図8のA−A線要部断面図
【符号の説明】
1a 冷媒ガス空間
1 密閉ケーシング
3 モーター
3a 固定子
3b 可動子
4 シリンダ
5 ピストン
6 ブロック
8 弾性要素
12 可動要素
13 固定要素
15 ピストン
16 シリンダ
Claims (4)
- 冷媒ガス空間を有する密閉ケーシングと、前記密閉ケーシング内に収納されたシリンダと、固定子及び可動子とから構成されたモーターと、前記モーターの可動子などにより構成された可動要素と、前記シリンダや前記モーターの固定子などにより構成された固定要素と、一部が前記可動要素に固定され、一部が前記固定要素に固定された弾性要素と、前記可動要素と軸方向に連結され前記可動要素に対して半径方向に可動可能で且つ回転可能なピストンとからなる振動式圧縮機。
- 冷媒ガス空間を有する密閉ケーシングと、前記密閉ケーシング内に収納され内周部に曲率を有したブロックと、固定子及び可動子とから構成されたモーターと、前記モーターの可動子が連結されたピストンと、前記モーターの可動子や前記ピストンなどにより構成された可動要素と、前記モーターの固定子や前記ブロックなどにより構成された固定要素と、一部が前記可動要素に固定され、一部が前記固定要素に固定された弾性要素と、外周部に前記ブロックと同じ又は僅かに大きい曲率を有し、前記ブロックに嵌められ内周部が前記ピストンと摺動可能な摺動シリンダとからなる振動式圧縮機。
- 冷媒ガス空間を有する密閉ケーシングと、前記密閉ケーシング内に収納されたシリンダと、固定子及び可動子とから構成されたモーターと、前記シリンダ内に嵌められ前記モーターの可動子が連結されたピストンと、前記モーターの可動子や前記ピストンなどにより構成された可動要素と、前記モーターの固定子や前記シリンダなどにより構成された固定要素と、一部が前記可動要素に固定され、一部が半径方向に隙間を有して前記固定要素と軸方向に連結された弾性要素とからなり、前記隙間により前記固定要素に対して前記弾性要素が回転したり半径方向に可動可能である振動式圧縮機。
- 冷媒ガス空間を有する密閉ケーシングと、前記密閉ケーシング内に収納されたシリンダと、固定子及び可動子とから構成されたモーターと、前記シリンダ内に嵌められたピストンと、前記モーターの可動子や前記ピストンなどにより構成された可動要素と、前記モーターの固定子や前記シリンダなどにより構成された固定要素と、一部に曲率を有する弾性要素とからなり、前記弾性要素は前記弾性要素と同じ又は僅かに大きい曲率を有する可動要素に嵌められ、一部が半径方向に隙間を有して前記固定要素と軸方向に連結された振動式圧縮機。
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