JP3489467B2 - モータ制御装置及びその利得調整方法 - Google Patents

モータ制御装置及びその利得調整方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンコーダ、タコ
メータ(回転数センサ)等を用いずにモータの角速度を
所望の目標値に制御するモータ制御装置に関し、特に、
このモータ制御装置の所定の入力信号の大小をモータ制
御装置の出荷前に調整する利得調整方法に関する。本発
明は、例えば、パワー・ステアリング・システムを搭載
した車両のモータ制御装置等に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】タコメータ等を用いずにモータの角速度
Ω〔rad/sec〕又はその関連値を測定又は推定
し、この値に基づいて、モータの角速度Ωを所望の値に
制御するモータ制御装置が考えられる。例えば、分巻式
直流モータの場合、このような角速度制御を行うモータ
制御装置としては、図1に例示する直流モータ駆動シス
テム1のECU(電子制御装置)100などが考えられ
る。このような電子制御装置においては、モータMによ
って駆動される電動式ポンプPの油の吐出流量速度Q
〔cc/sec〕をある指令値に基づいて定められる所
望の目標値Qn (=f(u):uは指令値、fは関数)
に近づけるために、次式(1)〜(4)を用いて、現在
の吐出流量速度Qを測定(推定)することができる。
【数1】 Ω=(VE −RIE )/K (1)
【数2】 Q=qΩ/2π =q(VE −RIE )/2πK (2)
【数3】 VE =E1 (Va ) (3)
【数4】 IE =E2 (i′) (4) ただし、ここで、Ω〔rad/sec〕はモータMの角
速度、VE 〔V〕はモータMに加わる電圧の実効値、I
E 〔A〕はモータMに流れる直流電流の実効値、R
〔Ω〕はモータMの電機子抵抗値、K〔V・sec/r
ad〕はモータMの電機子定数、q〔cc/回転〕は電
動式ポンプPの1回転当たりの吐出流量、V a 〔V〕は
電圧検出器107によるモータMの検出電圧、i′
〔A〕は電流検出器109によるモータMの検出電流で
ある。また、E1 、E2 は、各検出値の一時的な時間平
均(実効値)を算出する所定の関数である。
【0003】このような直流モータ駆動システムにおい
ては、モータMの電流路に直列にシャント抵抗値r
〔Ω〕を有する抵抗器110を接続し、その両端(C,
D)の電位差δ〔V〕を電流検出器109の入力端子に
入力することにより、モータMに流れる負荷電流iを検
出することができる。即ち、ECU100においては、
次式(5)により、モータMに流れる負荷電流iを検出
することができる。
【数5】 i′=δ/r′ (5) ただし、ここで、r′〔Ω〕は、電流検出器109の利
得(変換係数)の逆数であり、この値を電流検出器10
9の内部に備えられた図略のトリミング抵抗器を使っ
て、実際に物理的に上記のシャント抵抗値r〔Ω〕に一
致させることにより、モータMに流れる負荷電流iを測
定する。即ち、「r′→r」なる時「i′→i」となる
ため、電流検出器109により検出される検出電流i′
の値は、モータMに流れる負荷電流iの値に一致する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなモータ制
御装置を用いた場合、正確に角速度、又は、その関連値
(例えば、上記の電動式ポンプPの油の吐出流量速度Q
〔cc/sec〕)を測定するためには、上記のr,
q,K,Rの値を正確に知る必要があるが、これらを個
々の製品について、1つづつ測定するためには、時間が
加わるため、実際には、モータやポンプ等の各製品が持
つ標準値を用いて上記の計算を行う方法が一般的だと考
えられる。しかしながら、このような方法には、以下の
問題がある。 (問題点1)rのバラツキを調整するためには、電流検
出器109の内部に上記のようにr′の調整を行うため
の図略のトリミング抵抗器が必要となり、生産コスト面
で不利である。 (問題点2)rのバラツキは、上記のように調整できて
も、個々のシステム構成要素(モータやポンプ)が持つ
q,K,Rのバラツキが調整できない。 (問題点3)例えば、パワー・ステアリング・システム
を有する車両を出荷する場合、q,K,Rのバラツキに
よりQが大きなバラツキを持てば、同じ車種(仕様)の
車両においても、個々の製品により、ステアリングの操
舵力に大きなバラツキが生じる。
【0005】本発明は、上記の課題を解決するために成
されたものであり、その目的は、モータの角速度Ω、又
は、その関連値(例えば、上記の電動式ポンプPの油の
吐出流量速度Q等)を正確に測定することにより、高精
度の角速度制御を実現することであり、即ち、モータ及
びポンプ等の負荷連動装置の持つ負荷性能関連係数
(r,q,K,Rなど)のバラツキを総じて調整するこ
とが可能なモータ制御装置及びその利得調整方法を提案
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めには、以下の手段が有効である。即ち、第1の手段
は、直流モータに加わる電圧を検出する電圧検出手段
と、モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、こ
れらの電圧及び電流の値よりモータの角速度を算出する
角速度演算手段と、この角速度演算手段から角速度の値
を入力し、角速度が目標速度に達する様にモータに印加
すべき電圧の値を出力する指令電圧演算手段とを有する
モータ制御装置において、モータの角速度の関連値と、
電流の関連値と、電圧の関連値とを測定することによ
り、角速度の関連値を、電流の関連値の1次関数、又
は、電圧の関連値の1次関数として求め、この1次関数
の独立変数の係数と定数項の値から、電圧検出手段が検
出した電圧値に対する利得と、電流検出手段が検出した
電流値に対する利得とを決定してこれらの各関連値の間
の関係を求め、この関係より、角速度演算手段において
使用する所定の係数の値を決定することである。
【0007】また、第2の手段は、上記の第1の手段に
おいて、上記の直流モータを自動車の油圧式のパワー・
ステアリング・ギヤに油を供給する電動式ポンプを駆動
するモータとし、上記の角速度の関連値をポンプが吐出
する油の流量速度とし、上記の電流の関連値をモータに
直列に接続されたシャント抵抗器の両端の電位差の時間
平均値とし、上記の電圧の関連値をモータに加わる電圧
の時間平均値とすることである。
【0008】
【0009】また、第4の手段は、直流モータに加わる
電圧を検出する電圧検出手段を有するモータ制御装置に
おいて、モータに流れる電流を検出する電流検出手段
と、本モータ制御装置に関する測定により求められた、
モータの角速度の関連値と、モータに流れる電流の関連
値と、モータに加わる電圧の関連値との間の関係より決
定された所定の係数、利得又はその関連値を記憶する利
得関連値記憶手段と、この利得関連値記憶手段より所定
の係数、利得又はその関連値を入力し、この入力情報と
電圧検出手段及び電流検出手段より検出した電圧及び電
流の値より、モータの角速度を算出する角速度演算手段
と、この角速度演算手段からモータの角速度の値を入力
し、この角速度が目標速度に達する様にモータに印加す
べき電圧の値を出力する指令電圧演算手段とを備え、直
流モータを自動車の油圧式のパワー・ステアリング・ギ
ヤに油を供給する電動式ポンプを駆動するモータとし、
角速度の関連値をポンプが吐出する油の流量速度とし、
電流の関連値をモータに直列に接続されたシャント抵抗
器の両端の電位差の時間平均値とし、電圧の関連値をモ
ータに加わる電圧の時間平均値とすることである。 以上
の手段を用いれば、前記の課題を解決することができ
る。
【0010】
【0011】
【作用及び発明の効果】上記の手段により、モータ制御
装置において、モータの角速度の関連値と、電流の関連
値と、電圧の関連値とを測定することにより、これらの
各関連値の間の関係を求め、この関係より、角速度演算
手段において使用する所定の係数の値を決定すれば、上
記の負荷性能関連係数(r,q,K,Rなど)を個々に
測定した場合と同じ結果が得られるため、上記の負荷性
能関連係数(r,q,K,Rなど)のバラツキを総じて
調整することが可能となる。より具体的には、以下の実
施例において説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。 (第1実施例)上記のように、図1は、本発明による利
得調整方法が適用可能な直流モータ駆動システム1のシ
ステム構成図を示している。本システム1は、自動車の
パワー・ステアリング・システムにモータ制御装置とし
て搭載されるものである。パワー・ステアリング・シス
テムの油圧式のギヤに対して油を供給する電動式ポンプ
Pは、分巻特性を有した永久磁石を用いたブラシ付きの
直流モータMによって駆動される。直流モータMは、直
流の駆動電源(電源電圧VCC)より、電力の供給を受け
て駆動される。この直流の供給電力は、PMOSにより
構成される電子制御スイッチSWと、PMOS駆動回路
108と、PWM変換器105とを用いたチョッパ制御
により、制御される。
【0013】CPU101は、ROM102及びRAM
103上に記憶されている数値を用いて、PWM変換器
105に出力する指令電圧(モータMに印加すべき電
圧)の値Vn を計算する。また、CPU101は、この
計算に必要な車両速度u〔m/sec〕を図略の車速計
より、また、モータMの測定電圧Va 〔V〕(一時的最
大値)と、負荷電流i〔A〕とを、A/D変換器104
及び、A/D変換器106より、それぞれ入力する。C
PU101は、この計算結果Vn の値をPWM変換器1
05に出力する。 電圧検出器107は、モータMの電
圧Va (一時的最大値)を検出し、A/D変換器104
に出力する。
【0014】電子制御スイッチSWの下位電圧側(0ア
ース側)には、シャント抵抗r〔Ω〕を有する抵抗器1
10が、モータ電流路に対して直列に(モータ電流路上
に)接続されている。この抵抗器110の下位電圧側に
は、電流検出器109の負端子が、上位電圧側には、電
流検出器109の正端子が、それぞれ接続されている。
電流検出器109は、抵抗器110の両端の電位差δ
〔V〕を入力することにより、負荷電流i〔A〕(=δ
〔V〕/r〔Ω〕)の値を検出し、A/D変換器106
に出力する。
【0015】ただし、本発明においては、r′=r(即
ち、i′=i)を保証するようなトリミング抵抗器によ
る従来の調整は行わないので、一般には、r′≠rであ
り、従って、実際に、厳密には、電流検出器109は、
抵抗器110の両端の電位差δ〔V〕を入力することに
より、検出電流i′〔A〕(=δ〔V〕/r′〔Ω〕)
の値をA/D変換器106に出力する。従って、(4)
は、本発明においては、次式(6)のように書くことが
できる。
【数6】 IE =E2 (i′)/μ (6) ただし、ここで、
【数7】 μ≡r/r′ (7) である。また、(6)、(7)を用いれば、(2)は、
【数8】 Q=q(VE −RE2 (i))/2πK =a(VE −bE2 (i′)) (8) と書くことができる。ただし、ここで、
【数9】 a≡q/2πK (9) は、Qを求める際の、電圧(VE −bE2 (i′))に
対する利得(増幅率)であり、
【数10】 b≡R/μ (10) は、Qを求める際の、電流E2 (i′)に対する利得
(増幅率)である。
【0016】電源電圧VCC及びチョッパ制御におけるデ
ューティー比λ(又は、指令電圧V n )の値を一定値に
固定すれば、その時(8)は、VE が一定値をとるた
め、E 2 (i′)に対する1次式となる。即ち、
【数11】 Q=−αE2 (i′)+Q0 (11) ただし、ここで、
【数12】 α≡ab (12) は、本1次式(11)の傾きの絶対値であり、
【数13】 Q0 ≡aVE (13) は、本1次式(11)の縦軸の切片である。
【0017】図2に、直流モータ駆動システム1におけ
るポンプPから吐出される油の流量速度Qと直流モータ
Mの負荷電流の測定値E2 (i′)の実効値i′Eとの
相関関係を表すグラフを示す。本グラフは、上記の方法
によりVE の値を10〔V〕に固定して、E2 (i′)
に対するQの値を実際に測定したものである。ただし、
2 (i′)の測定は、電流検出器109と同じ利得
(1/r′)を持ち、時間平均化機能を持つ電流計によ
り、CD間の電流の実効値(一時的な平均値)E 2 (δ
/r′)を測定する。また、VE の値(=10〔V〕)
も同様に時間平均化機能を持つ電圧計により、AB間の
電圧の実効値(一時的な平均値)を測定する。このよう
な測定を個々の直流モータ駆動システム1について行え
ば、個々の直流モータ駆動システム1について、次式
(14),(15)により、上記の利得a,bを具体的
に決定することができる。
【数14】 a=Q0 /VE (14)
【数15】 b=α/a=αVE /Q0 (15)
【0018】このような方法によれば、r,q,K,R
の値を直接求めることなく、これらの値の個々の製品に
渡るバラツキを各直流モータ駆動システム単位に調整す
ることが可能となる。また、上記の利得a,bの値は、
ROM102(前記利得関連値記憶手段)に記憶させれ
ば、前記の指令電圧演算手段により、以下に示すよう
に、有効に利用することができる。
【0019】図3は、ROM102に記憶された利得
a,bの値を用いて、CPU101が実行する指令電圧
演算ルーチン(指令電圧演算手段)のフローチャートで
ある。本ルーチンでは、まず最初に、ステップ310に
より、指令電圧Vn の算出に必要な利得a,bなどの数
値をROM102より、RAM103上に読み出す。次
に、ステップ320により、前記のチョッパ制御におけ
るデューティー比λの値を暫定的に決定する。この初期
値としては、「0≦λ≦1」を満たす適当な値を経験的
に選択すれば良い。ステップ330では、車両速度u
〔m/sec〕と、モータMの測定電圧Va〔V〕と、
検出電流i′〔A〕とを図略の車速計と、A/D変換器
104と、A/D変換器106より、それぞれ入力す
る。
【0020】ステップ340では、次式(16)によ
り、ポンプPの単位時間当たりの吐出流量の指令値Qn
〔cc/sec〕を算出する。
【数16】 Qn =f(u) (16) ただし、ここで、fは、ステアリングのアシスト・トル
クが、車両速度uが小さい時程必要になるという事情か
ら経験的に求められた関数である。
【0021】ステップ350では、(3),(8)よ
り、現在のポンプPの単位時間当たりの吐出流量Qを算
出する。ただし、本ルーチンにおいては、関数E1 ,E
2 は、次のように定義されたものを用いる。
【数17】 VE =E1 (Va )≡λVa (17)
【数18】 IE =E2 (i′)≡(ΣJ k=1 i′k )/J (18) ここで、Jは、時間平均(実効値)を算出する上で適当
なサンプリング数、i′k は、微視的なサンプリング時
間間隔毎に検知された上記の検出電流i′〔A〕であ
る。
【0022】ステップ360では、(Qn −Q)の値よ
り、次式(19)に従って、指令電圧Vn を計算する。
【数19】 Vn =g(Qn −Q) (19) ただし、ここで、gは所定の係数である。ステップ37
0では、この演算結果Vn の値をPWM変換器105に
出力する。
【0023】ステップ380では、次式(20)によ
り、デューティー比λの値を再度計算し直す。
【数20】 λ=Vn /VCC (20) このλの値は、次回にモータ電圧の平均値VE を(1
7)により求める際に使用するためのものである。ただ
し、本直流モータ駆動システム1においては、R≫rで
ある。
【0024】以上の処理を継続的に繰り返し実行するこ
とにより、所望の角速度制御を実現することができる。
即ち、本実施例によれば、自動車のパワー・ステアリン
グ・システムにおいて、車両速度uに応じて、安定した
一定流量の油を油圧式ギヤに対して供給することが可能
となり、よって、操舵力(ステアリング感覚)が安定し
たパワー・ステアリング・システムを提供することが可
能となる。
【0025】また、利得a,bは、個々の車両毎に最適
に調整された値であるため、上記の操舵力が、個々の車
両により大きなバラツキを持つという前記の問題も発生
せず、また、従来行っていた物理的なトリミング抵抗器
による調整を実際に行う必要もなくなる。更に、本実施
例によれば、電流検出器109に前記の図略のトリミン
グ抵抗器を備えなくともr,q,K,Rの各値の調整が
可能なため、電流検出器109としてトリミング抵抗器
を内蔵していないものを用いることが可能となり、生産
コスト面で有利になるという効果もある。
【0026】(第2実施例)図4に、本実施例の利得調
整方法を適用する直流モータ駆動システム2のシステム
構成図を示す。本直流モータ駆動システム2は、自動車
のパワー・ステアリング・システムにモータ制御装置と
して搭載されるものである。また、本システム2は、モ
ータを油圧機構を通さずにパワー・ステアリング・シャ
フトやパワー・ステアリング・ギヤに直接アシスト・ト
ルクを与える様にダイレクトに接続して駆動させるパワ
ー・ステアリング・システムに搭載されるものである。
従って、本実施例2においては、モータMにポンプP
は、接続されていない。
【0027】本システム2のECU400は、第1実施
例のECU100と酷似のものであるが、以下の点が、
ECU100とは、異なっている。 (相違点1)前記の電流検出器109の代わりに、電圧
検出器111が抵抗器110の両端(C,D)に接続さ
れており、電圧検出器111は、CD間の電位差δ
〔V〕をA/D変換器106に出力する。 (相違点2)モータ電圧の実効値VE などのCPU10
1が扱う物理量をリアルタイムでインタフェース120
を介して、入出力装置130より監視することが可能で
ある。なお、入出力装置130は、この監視を行う時に
だけ、インタフェース120に接続できる、脱着容易な
装置であっても良い。
【0028】本システム2においては、(1),(3)
及び、次式(21)により、モータMの角速度Ω〔ra
d/sec〕を測定している。
【数21】 IE =E2 (i)=E2 (δ/r)=δE /r (21) ただし、ここで、i〔A〕は、前記と同様にモータMを
流れる負荷電流、r〔Ω〕は、抵抗器110のシャント
抵抗値であり、δE は、前記(4)での計算と同様にC
PU101によって演算される、次式(22)により定
義される平均値である。
【数22】 δE ≡E2 (δ) (22)
【0029】また、(1)は、(21),(22)を用
いれば、次式(23)のように書き直すことができる。
【数23】 Ω=(VE −RδE /r)/K =c(VE −dδE ) (23) ただし、ここで、
【数24】 c≡1/K (24) は、Ωを求める際の、電圧(VE −dδE )に対する利
得(増幅率)であり、
【数25】 d≡R/r (25) は、Ωを求める際の、電位差δE に対する利得(増幅
率)である。
【0030】従って、第1実施例と同様に、VE を一定
値に固定すれば、その時(23)は、1次式となる。即
ち、
【数26】 Ω=−βδE +Ω0 (26) ただし、ここで、
【数27】 β≡cd (27) は、本1次式(26)の傾きの絶対値であり、
【数28】 Ω0 ≡cVE (28) は、本1次式(26)の縦軸の切片である。
【0031】図5に、直流モータ駆動システム2におけ
るモータMの角速度ΩとCD間の電位差の一時的平均値
(実効値)δE 〔V〕との相関関係を表すグラフを示
す。本グラフは、上記の方法によりVE の値を10
〔V〕に固定して、δE に対するΩの値を実際に測定し
たものである。
【0032】ただし、VE 、δE の測定は、リアルタイ
ムにCPU101の演算結果を入出力装置130より監
視することにより行い、Ωの測定は、本測定専用(利得
調整用)の図略のタコメータを用いて行う。このような
測定を個々の直流モータ駆動システム2について行え
ば、個々の直流モータ駆動システム2について、次式
(29),(30)により、上記の利得c,dを具体的
に決定することができる。
【数29】 c=Ω0 /VE (29)
【数30】 d=β/c=βVE /Ω0 (30)
【0033】このような方法によれば、第1実施例と同
様の作用・効果を得ることができる。また、VE 、δE
の測定は、入出力装置130よりリアルタイムにCPU
101の演算結果を監視することにより実施できるの
で、電圧計や電流計を用意する必要がなく、更に、この
方法によれば、電圧計や電流計を用いて測定する際の測
定誤差も一切介入する余地がないという効果もある。
【0034】(第3実施例)図1の直流モータ駆動シス
テム1において、モータMに加わる機械的な負荷の大き
さと、モータMに加わる電圧を調整すれば、モータMに
流れる負荷電流の値を巨視的には一定に保つことが可能
である。従って、この時、電流検出器109による検出
電流i′の平均値E2 (i′)も一定に保たれる。図6
は、直流モータ駆動システム1において、この手法によ
り、検出電流i′の平均値E2 (i′)を2〔A〕に固
定した時の、ポンプPから吐出される油の流量速度Qと
直流モータMの電圧の実効値VE との相関関係を表した
グラフである。
【0035】本グラフの方程式は、(8),(9),
(10)より、
【数31】 Q=a(VE −bE2 (i′))=a(VE −V0 ) (31)
【数32】 V0 ≡bE2 (i′) (32) と書くことができる。
【0036】従って、前記の利得aは、本グラフの傾き
の値と一致する。また、前記の利得bは、本グラフの横
軸の切片V0 より、次式(33)に示す通りに求めるこ
とができる。
【数33】 b=V0 /E2 (i′) (33) このような方法によっても、前記の利得a,bを決定す
ることができる。従って、この方法によっても、前記の
第1実施例と同等の作用・効果を得ることができる。
【0037】また、以上の実施例においては、人手の計
算によって上記の利得a,b又はc,dを求めたが、例
えば、第2実施例の利得調整用のタコメータを利得調整
のための角速度測定時に、ECUに直接接続すれば、C
PU101により、利得決定のための測定、利得の値の
算出、及び、本利得の記憶を全て自動的に実施すること
も可能となる。即ち、これらの一連の手続きは、プログ
ラムにより、一貫して自動化することも可能である。
【0038】また、上記の実施例においては、自動車の
パワー・ステアリング・システムにおいて、前記の本発
明の手段を用いたが、本発明は、永久磁石を用いたブラ
シ付きの直流モータの回転速度をモータに加わる負荷の
大きさに無関係に一定に保つために行う一般の直流モー
タ角速度制御に用いることができる。
【0039】また、永久磁石の代わりに分巻励磁巻線を
有した分巻モータを上記の直流モータとして使用した場
合にも、本発明の適用により、本発明の作用・効果を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による利得調整方法が適用可能な直流モ
ータ駆動システム1のシステム構成図。
【図2】直流モータ駆動システム1におけるポンプPか
ら吐出される油の流量速度Qと直流モータMの負荷電流
の測定値E2 (i′)の実効値i′Eとの相関関係を表
すグラフ。
【図3】直流モータ駆動システム1におけるCPU10
1が実行する指令電圧演算ルーチンのフローチャート。
【図4】本発明による利得調整方法が適用可能な直流モ
ータ駆動システム2のシステム構成図。
【図5】直流モータ駆動システム2における直流モータ
Mの角速度Ωとシャント抵抗器の電位差(実効値)δE
との相関関係を表すグラフ。
【図6】直流モータ駆動システム1におけるポンプPか
ら吐出される油の流量速度Qと直流モータMの電圧の実
効値VE との相関関係を表すグラフ。
【符号の説明】
Q … 電動式ポンプPの油の吐出流量速度〔cc/
sec〕 a … Qを求める際の、電圧に対する利得(増幅
率) b … Qを求める際の、電流に対する利得(増幅
率) q … 電動式ポンプPの1回転当たりの吐出流量
〔cc/回転〕 Ω … モータMの角速度〔rad/sec〕 VE … モータMに加わる電圧の実効値〔V〕 IE … モータMに流れる直流電流の実効値〔A〕 R … モータMの電機子抵抗値〔Ω〕 K … モータMの電機子定数〔V・sec/ra
d〕 Va … 電圧検出器107によるモータMの検出電圧
〔V〕 r … 抵抗器110の持つシャント抵抗値〔Ω〕 δ … 抵抗器110の両端(CD間)の電位差
〔V〕 i′ … 電流検出器109によるモータMの検出電流
〔A〕 E1 … Va の時間平均を算出する関数 E2 … i′の時間平均を算出する関数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−8190(JP,A) 特開 平9−175422(JP,A) 特開 昭61−132091(JP,A) 特開 昭60−77690(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 5/00 - 5/26 H02P 7/00 - 7/34 G01P 3/44

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流モータに加わる電圧を検出する電圧
    検出手段と、 前記モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、 前記電圧及び前記電流の値より前記モータの角速度を算
    出する角速度演算手段と、 前記角速度演算手段から前記角速度の値を入力し、前記
    角速度が目標速度に達する様に前記モータに印加すべき
    電圧の値を出力する指令電圧演算手段とを有するモータ
    制御装置の利得の調整方法であって、 前記角速度の関連値と、前記電流の関連値と、前記電圧
    の関連値とを測定することにより、前記角速度の関連値
    を、 前記電流の関連値の1次関数、又は、前記電圧の関連値
    の1次関数として求め、前記1次関数の独立変数の係数
    と定数項の値から、 前記電圧検出手段が検出した電圧値に対する利得と、 前記電流検出手段が検出した電流値に対する利得とを決
    定して 前記の各関連値の間の関係を求め、 前記角速度演算手段において使用する所定の係数の値を
    前記関係より決定することを特徴とする利得調整方法。
  2. 【請求項2】 前記直流モータは、自動車の油圧式のパ
    ワー・ステアリング・ギヤに油を供給する電動式ポンプ
    を駆動するモータであり、 前記角速度の関連値は、前記ポンプが吐出する油の流量
    速度であり、 前記電流の関連値は、前記モータに直列に接続されたシ
    ャント抵抗器の両端の電位差の時間平均値であり、 前記電圧の関連値は、前記モータに加わる電圧の時間平
    均値であることを特徴とする請求項1に記載の利得調整
    方法。
  3. 【請求項3】 直流モータに加わる電圧を検出する電圧
    検出手段を有するモータ制御装置であって、 前記モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、 前記モータ制御装置に関する測定により求められた、前
    記モータの角速度の関連値と、前記電流の関連値と、前
    記電圧の関連値との間の関係より決定された所定の係
    数、利得又はその関連値を記憶する利得関連値記憶手段
    と、 前記利得関連値記憶手段より前記係数、前記利得又はそ
    の関連値を入力し、この入力情報と、前記電圧検出手段
    及び前記電流検出手段より検出した電圧及び電流の値よ
    り、前記モータの角速度を算出する角速度演算手段と、 前記角速度演算手段から前記角速度の値を入力し、前記
    角速度が目標速度に達する様に前記モータに印加すべき
    電圧の値を出力する指令電圧演算手段とを有し、 前記直流モータは、自動車の油圧式のパワー・ステアリ
    ング・ギヤに油を供給する電動式ポンプを駆動するモー
    タであり、 前記角速度の関連値は、前記ポンプが吐出する油の流量
    速度であり、 前記電流の関連値は、前記モータに直列に接続されたシ
    ャント抵抗器の両端の電位差の時間平均値であり、 前記電圧の関連値は、前記モータに加わる電圧の時間平
    均値である ことを特徴とするモータ制御装置。
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