JP3489014B2 - シンクロナイザーリング用摩擦材及びその摩擦用材料 - Google Patents

シンクロナイザーリング用摩擦材及びその摩擦用材料

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JP3489014B2
JP3489014B2 JP01682495A JP1682495A JP3489014B2 JP 3489014 B2 JP3489014 B2 JP 3489014B2 JP 01682495 A JP01682495 A JP 01682495A JP 1682495 A JP1682495 A JP 1682495A JP 3489014 B2 JP3489014 B2 JP 3489014B2
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真 中村
正男 伊東
良雄 不破
賢治 植野
荘司 神谷
貴志 冨川
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Taiho Kogyo Co Ltd
Fine Sinter Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Taiho Kogyo Co Ltd
Fine Sinter Co Ltd
Toyota Motor Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D23/00Details of mechanically-actuated clutches not specific for one distinct type
    • F16D23/02Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches
    • F16D23/025Synchro rings

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、シンクロナイザーリン
グ用摩擦材及びその摩擦材用材料に関する。 【0002】 【従来技術とその課題】シンクロナイザーリングは、例
えば自動車の変速機において、二つのギアを等速にする
ための接合部に用いられるものであり、回転する相手部
材と同期摺動をしたり、或いはその同期摺動している相
手部材と離れたりする環状部材である。このため、シン
クロナイザーリングにおける接触摺動部分は、機械的強
度及び精度のみならず、耐焼付性、耐摩耗性等の摩擦特
性にも優れていることが要求される。 【0003】従来におけるシンクロナイザーリングとし
ては、Cu系焼結合金製のもの(特開平1−25274
2号)、或いは本体部分がCu系又はFe系合金からな
るシンクロナイザーリングにおいてその接触摺動面に銅
合金溶射膜を形成させたもの(特開平4−371560
号)などが知られている。 【0004】しかしながら、前者の技術では、焼結体で
あるので溶製のものに比して摺動特性、耐摩耗性等は改
善されるものの、これら摩擦特性についてはなお改善の
余地がある。また、リング全体が銅系焼結体であるので
機械的強度に限界があり、通常の合金を本体とする溶製
のシンクロナイザーリングに比べるとその強度に劣ると
いう問題もある。一方、後者の技術においても、摩擦特
性は未だ十分なものとは言えず、しかも溶射膜を形成さ
せるに際しての歩留りが低く、製造のコスト高を避ける
ことができない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、特
に耐摩耗性、耐焼付性等の摩擦特性に優れたシンクロナ
イザーリング用摩擦材を提供することを主な目的とす
る。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来技
術の問題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の組成と
気孔率をもつ焼結体は、優れた摩擦特性を有するがゆえ
に、シンクロナイザーリングの摩擦材として最適である
ことを見出し、本発明を完成するに至った。 【0007】即ち、本発明は、下記のシンクロナイザー
リング用摩擦材及びその摩擦材用材料に係るものであ
る。 1. a)Zn:15〜35重量% b)FeMo、FeCr、FeW、FeTi、窒化Fe
Ti、FeV、ZrO2、安定化ジルコニア、TiO2
ムライト及びSi34の少なくとも1種:5〜22重量
%ならびに黒鉛:2〜4重量% c)残部が実質的にCuからなり、平均粒径が20〜2
50μmの粉末であるシンクロナイザーリング用摩擦材
用材料を成形・焼結することによって得られるシンクロ
ナイザーリング用摩擦材であって、かつ気孔率が10〜
35容量%であることを特徴とするシンクロナイザーリ
ング用摩擦材。 【0010】以下、本発明について詳細に説明する。 【0011】本発明のシンクロナイザーリング用摩擦材
は、上記のようにZnのほか、FeMo、FeCr、F
eW、FeTi、窒化FeTi、FeV、ZrO2、安
定化ジルコニア、TiO2、ムライト及びSi34 の少
なくとも1種ならびに黒鉛(これらを「第2成分」とい
う)ならびにCuから主として構成される。 【0012】特に、上記第2成分の中でも、FeMoと
黒鉛、窒化FeTiと黒鉛、安定化ジルコニアと黒鉛の
組み合わせを少なくとも用いることが望ましい。 【0013】なお、上記第2成分の一つである安定化ジ
ルコニアは、通常ZrO2・CaO(3〜7%Ca
O)、ZrO2・MgO(3〜7%MgO)、ZrO2
23(3〜15%Y23)等の組成を有するものであ
る。これらは、例えばバッデライト又はジルコンサンド
をCaO、MgO、Y23等の安定化剤を用いて電融・
安定化処理することにより調製される。このようにして
得られる安定化ジルコニアは、1200℃程度までその
結晶構造に変態が生じず、立方晶のままであり、耐熱性
に優れている。また、その熱膨張係数は、温度に対して
直線的という性質を有する。上記安定化ジルコニアのう
ち、特にZrO2・CaO(3〜7%CaO)がこれら
の特性に優れている。 【0014】上記の3つの主成分の組成割合を以下に示
す。なお、組成割合を限定した理由については、3成分
の相互作用によって異なるが、一応の目安として示す。 【0015】Znの含有量は、通常15〜35重量%程
度、好ましくは18〜30重量%である。35重量%を
超える場合には、焼結時における脱亜鉛現象が顕著に現
れ、諸特性の安定性の低下を引き起こしたり、強度不足
にもなる。15重量%未満の場合には、変速機内で使用
されるギヤオイル中に含まれている硫黄により各部材の
硫化腐食が起こり、そのスケールが脱落して変速機内の
構成部品を損傷させるおそれがあるので好ましくない。 【0016】黒鉛を除く第2成分の含有量は、好ましく
は5〜22重量%である。22重量%を超える場合には
強度不足となり、重量%未満の場合には耐摩耗性及び
耐焼付性の低下を招き、しかも所望の摩擦係数も得られ
なくなるので好ましくない。黒鉛の含有量は、2〜4重
量%である。 【0017】Cuは、実質的に残部を構成するが、摩擦
特性等に悪影響を与えない範囲において不純物(例えば
Sn、Pb、Pなど)が含まれていても差支えない。 【0018】本発明の摩擦材は、好ましくは10〜35
容量%の気孔率をもつ。この気孔は、主として潤滑油等
を保持する役割をもち、これによりシンクロナイザーリ
ングと相手部材との間における動摩擦係数の増大及び静
摩擦係数の低減に寄与する。気孔率が35容量%を超え
る場合には機械的強度の低下を招き、また10容量%未
満の場合には動摩擦係数の増大及び静摩擦係数の低減を
図ることができなくなるので好ましくない。 【0019】なお、本発明のシンクロナイザーリング用
摩擦材において適用できるシンクロナイザーリング本体
は、形状及び材質とともに公知のものがそのまま適用で
き、材質としては例えばCr鋼、Cr−Ni鋼、Cr−
Mo鋼、Cr−Mn鋼、Cr−Ni−Mo鋼等の鉄系合
金、Cu−Zn系、Cu−Sn系、Cu−Si系、Cu
−Al系等の銅系合金、その他Cu−Ni−Mo鋼系等
の引張強さが588N/mm2以上ある鉄系焼結材料等
の合金が挙げられる。 【0020】上記本体と本発明摩擦材との接合方法は、
例えばろう付け等の公知の方法により行うことができる
が、用いる第2成分の種類、摩擦材の気孔率等に応じて
接合方法を適宜選択すれば良い。 【0021】本発明のシンクロナイザーリング用摩擦材
は、本発明に係る摩擦材用材料を成形・焼結することに
よって得ることができる。例えば、上記組成を有する混
合粉末材料を対象とするシンクロナイザーリング本体の
形状に適合するように、かつ、上記所定の気孔率となる
ようにプレス成形等の公知の成形法に従って成形し、必
要に応じて仮焼した後、常法に従って焼結すれば良い。 【0022】この場合、上記材料は、平均粒径が通常2
0〜250μm程度、特に40〜200μmの粉末とし
て用いることが望ましい。平均粒径が20μm未満の場
合には粉末の流動性が悪くなり、成形時に金型への充填
が不可能となる。また、平均粒径が250μmを超える
場合には粒子の粒径が大きくなる結果、薄肉部への粉末
の充填が安定しなくなるので好ましくない。焼結温度及
び雰囲気は、用いる原料粉末等によって異なるが、通常
還元又は中性雰囲気下で700〜900℃程度で行えば
良い。 【0023】 【発明の効果】本発明のシンクロナイザーリング用摩擦
材は、上記特定組成を有し、かつ一定の気孔率を有する
焼結体であるので、耐摩耗性及び耐焼付性に優れ、しか
も安定した摩擦係数を発揮することができる。また、従
来の溶射材よりも安価に製造することができる。 【0024】このような特長を有する本発明摩擦材は、
特にシンクロナイザーリングにおける接触摺動部分に好
適に用いることができる。 【0025】 【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明の特
徴とするところを明確にする。 【0026】実施例1 表1に示す配合組成となるように各成分を秤量し、混合
して混合粉末を得た。 【0027】 【表1】 【0028】なお、各成分は、具体的には下記のものを
用いた。次いで、各混合粉末を、焼結後において所望の気孔率と
なるようにその密度をそれぞれ調整した後、通常の成形
法により30mm×30mm×5mmの成形体とし、こ
れを窒素ガス雰囲気下800℃で1時間焼結を行い、試
料片を作製した。得られた試料片について下記に示す方
法で試験を行った。その結果を表2に示す。 【0030】[試験方法] 試験機:リングオンディスク式摩耗試験機 相手材:SMC20熱処理材 耐焼付性評価試験 速度:7m/sec 荷重:1分毎に25kg加圧(積算) 潤滑:SAE75W−90 摩耗係数及び耐摩耗性 速度:7m/sec 荷重:25kg 潤滑:SAE75W−90 時間:90分 比較例1及び2 表1に示す組成とした以外は、実施例1と同様にして試
験片を作製した。これらの試料について実施例1と同様
の試験を行った。その結果を表2に示す。 【0031】比較例3及び4 気孔率を表1に示すようにした以外は、実施例3と同様
の組成としてそれぞれ試料を作製した。これらの試料に
ついて実施例1と同様の試験を行った結果を表2に示
す。 【0032】比較例5 表1に示す配合組成をもつ高力黄銅溶製材丸棒より加工
にて削りだし試料を作製した。この試料について実施例
1と同様の試験を行った結果を表2に示す。 【0033】比較例6 いずれも75μm以下の粒度をもつCu粉末、Zn粉
末、Al粉末、Ni粉末及びTi粉末を用意し、これら
を表1に示す配合組成となるように秤量し、混合粉を得
た。これを成形圧力4ton/cm2で成形した後、窒素ガ
ス雰囲気中600℃で1時間焼結した。さらに、700
℃で熱間鍛造を行うことにより試料を得た。この試料に
ついて実施例1と同様の試験を行った結果を表2に示
す。 【0034】比較例7 149μm以下の粒径をもつCu−30.1重量%Zn
−4.2重量%Al−2.2重量%Ni−1.1重量%
Si−0.96重量%Fe−0.98重量%Mnの合金
粉末に、50μm以下の粒径をもつSiO2粉末10重
量%添加した。次いで、これを、比較例5に使用した高
力黄銅溶製材の試料表面に膜厚100μmとなるように
溶射して試料を作製した。この試料について実施例1と
同様の試験を行った結果を表2に示す。 【0035】 【表2】【0036】表2の結果より、本発明の摩擦材が、優れ
た摺動特性を有することがわかる。 試験例1 本発明摩擦材の気孔率と諸物性との関係について調べ
た。 【0037】実施例3の組成で焼結後における気孔率
(容量%)が3(比較例4)、5、10、20(実施例
3)、30、35及び38(比較例4)となるようにし
て試料を作製した。これらの試料について、静摩擦係数
(初期値)、動摩擦係数(最終値)及び剪断強さを測定
した。その結果をそれぞれ図1〜3に示す。 【0038】試験例2 粒度と流動性との関係について調べた。 【0039】実施例3の組成において、Cu−30重量
%Zn粉末の平均粒径(μm)が10、20、40及び
100となるように上記粉末を篩別により調製し、他の
成分は実施例に使用した粒度をもつ原料粉末を用いて混
合粉を得た。 【0040】また、FeTi、FeW、ムライト及び黒
鉛の平均粒径(μm)が150、200、250及び3
00となるように篩別又は造粒により調製し、実施例に
使用した粒度をもつCu−30重量%Zn粉末を用いて
混合粉を得た。 【0041】得られた混合粉をJIS Z 2502(1
979)に規定された方法により流動度を測定した。そ
の結果を図4に示す。 【0042】以上、図1〜4の結果から総合して、本発
明摩擦材の気孔率及び粒度に優位性があることが明らか
である。
【図面の簡単な説明】 【図1】試験例1における静摩擦係数と気孔率との関係
を示す図である。 【図2】試験例1における動摩擦係数と気孔率との関係
を示す図である。 【図3】試験例1における剪断強さと気孔率との関係を
示す図である。 【図4】試験例2における粉末平均粒径と流動度との関
係を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 中村 真 京都府京都市山科区栗栖野狐塚5番地の 1 日本粉末合金株式会社 山科事業所 内 (72)発明者 伊東 正男 京都府京都市山科区栗栖野狐塚5番地の 1 日本粉末合金株式会社 山科事業所 内 (72)発明者 不破 良雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 植野 賢治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 神谷 荘司 愛知県豊田市緑ヶ丘3丁目65番地 大豊 工業株式会社内 (72)発明者 冨川 貴志 愛知県豊田市緑ヶ丘3丁目65番地 大豊 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−232938(JP,A) 特開 平4−371560(JP,A) 特開 平8−170655(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】a)Zn:15〜35重量% b)FeMo、FeCr、FeW、FeTi、窒化Fe
    Ti、FeV、ZrO2、安定化ジルコニア、TiO2
    ムライト及びSi34の少なくとも1種:5〜22重量
    %ならびに黒鉛:2 〜4重量% c)残部が実質的にCuからなり、平均粒径が20〜2
    50μmの粉末であるシンクロナイザーリング用摩擦材
    用材料を成形・焼結することによって得られるシンクロ
    ナイザーリング用摩擦材であって、かつ気孔率が10〜
    35容量%であることを特徴とするシンクロナイザーリ
    ング用摩擦材。
JP01682495A 1995-02-03 1995-02-03 シンクロナイザーリング用摩擦材及びその摩擦用材料 Expired - Lifetime JP3489014B2 (ja)

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