JP3488449B2 - 振動音響変換装置 - Google Patents

振動音響変換装置

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JP3488449B2 JP2001194730A JP2001194730A JP3488449B2 JP 3488449 B2 JP3488449 B2 JP 3488449B2 JP 2001194730 A JP2001194730 A JP 2001194730A JP 2001194730 A JP2001194730 A JP 2001194730A JP 3488449 B2 JP3488449 B2 JP 3488449B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響及び振動発生
の機能を同時に果たす携帯電話、ポケットベル（登録商
標）などの移動通信端末機に使用される振動音響変換装
置に関する。より詳しくは、振動発生中の振動質量体の
接触音をなくし、最小の振動力を発生させることができ
る入力周波数帯域を拡大することで、この装置が装着さ
れたセットに安定した振動力を伝達するためのものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】一般に、携帯電話、ポケットベルなど、
移動通信端末機に使用される振動音響変換装置におい
て、振動を発生させる原理は、装置内振動界の共振周波
数を用いるものである。
【０００３】ここで、装置内の振動質量体が上下運動を
し、入力される信号の強度又は周波数によって振動質量
体が上下側の相手部にぶつかる接触現象が発生する。し
たがって、この装置を振動発生器として使用するために
は、上下接触現象が発生しないように振動入力信号の強
度及び周波数を使用する場合に一定の制限が伴う。
【０００４】図１は、従来技術による振動音響変換装置
を示す断面図であり、内部に空間部を有するケース８
と、このケースに内蔵されるマグネット４と、ボイスコ
イル２と、最終に音を発生させる振動板１とから構成さ
れる。
【０００５】このような振動音響変換装置は、通常、外
部からリード線（図示せず）を通して、アッパープレー
ト３、上下方向に着磁されるマグネット４及びヨーク５
からなる磁界内のボイスコイル２に、図２に示すような
高周波の交流電流が印加されると、電磁気力を発生し、
この電磁気力によりボイスコイル２が上下に運動し、こ
の際に、ボイスコイル２の一端が付着された振動板１が
微細に振動して音響を発生させるものである。
【０００６】また、図２の左側領域に示すような低周波
信号（好ましくは、１００〜２００Ｈｚ）を前記ボイス
コイル２に印加すると、上側サスペンションスプリング
７及び下側サスペンションスプリング９にぶら下げられ
ている、前記磁界を構成する部品及びウェイト６を含む
振動質量体の上下運動を引き起こして振動を発生させる
ことになる。
【０００７】このように入力される振動発生用低周波入
力信号の強度及び周波数によって振動質量体の運動の大
きさが変化し、この際に、上側の振動板１とボイスコイ
ル２又は下側のそのほかの付着物に前記振動質量体がぶ
つかる接触現象が発生する。
【０００８】前記のように発生する接触現象によりぶつ
かる相手物を保護するために、振動質量体の上下運動を
制限できるように、図１に示すように、振動質量体内に
は上下運動変位を制限し得るストッパー構造６ａを含
み、対向するケースの内壁面にも上側及び下側にそれぞ
れ係止手段８ａ，８ｂを設ける。しかし、前記ストッパ
ー６ａと係止手段８ａ，８ｂを設けて主要部品を保護す
ることができるといっても、ストッパーによる接触現象
自体を防ぐことができず、この時に発生する接触騒音は
依然として発生する。
【０００９】したがって、振動質量体の接触現象及びこ
れによる騒音が発生しないように、ボイスコイル２など
に入力される信号の強さ及び周波数幅を制限して使用し
なければいけない。
【００１０】すなわち、前記のような振動質量体の振幅
に影響を与える振動発生用入力信号の強さ及び周波数幅
は最小限の着信機能を満足させるとともに、前記のよう
な接触現象及びそれによる異常騒音を防止すべきである
ので、結局、振動発生用入力信号の強さ及び周波数は制
限を受ける。
【００１１】結局、質量とスプリングとによる振動界を
構成する製品自体の振動特性によって振幅及び入力周波
数の幅が決定されることを意味するものであり、入力周
波数が界の固有振動数によって決定され（ωｎ＝２πｆ
ｎ）、これにより振動質量体の振幅が影響を受ける。
【００１２】従来技術のような振動音響変換装置を単純
化した振動界で表すと、図１０のようになる。前記マグ
ネット４、ヨーク５、アッパープレート３及びウェイト
６による振動質量体ｍのように単純化して表し、前記サ
スペンションスプリング７，９を界の単純化したスプリ
ングで表すと、そのバネ定数をｋとする場合、前記のよ
うに構成される界の固有振動数はｍとｋの値によって決
定されるもので、つぎのように表すことができる。
【００１３】
【数１】
【００１４】したがって、前記のように界の特性となる
固有振動数が初期条件又は振幅に影響されるので、接触
現象による前記問題点を解決するためには、製品の生産
に際して、振動特性に関連した部品の規格に厳格な管理
を要し、組立時にも管理項目に対する負担が加重され
る。これは、結局原価上昇の要因となり、これを見落と
す場合、不良率が増大する問題があった。
【００１５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な従来の問題点を解決するためになされたものである。
本発明の目的は、振動の発生中に振動質量体の接触騒音
をなくし、最小振動力の発生ができる入力周波数帯域を
拡大して、この装置が装着されたセットに安定した振動
力を伝達する携帯電話、ポケットベルなど移動通信端末
機に使用される振動音響変換装置を提供することにあ
る。
【００１６】
【課題を解決するための手段】本発明による振動音響変
換装置は、内壁面に空間部を有するケースと、前記ケー
スの上端部に外側端部が固定される音響発生用振動板
と、円筒形に巻取られて前記振動板の下端に固定される
ボイスコイルと、前記ケースの下端部が外側端部に固定
されるプレートと、上下方向に着磁されたマグネット
と、前記マグネットに付着されて磁界を形成するアッパ
ープレート、ヨークとともに振動質量体を構成するもの
で、ボイスコイルの低部に設けられるウェイトと、前記
振動質量体を支持するサスペンションスプリングと、内
部に粘性を有する磁性流体とを含むもので、従来の振動
発生中に生ずる接触現象及びそれによる騒音をなくし、
最小の振動力を発生させることができる入力周波数帯域
を拡大することで、この装置が装着されたセットに安定
した振動力を伝達するためのものである。
【００１７】
【発明の実施の形態】本発明は、図３に示すように、ヨ
ーク１５とプレート２０との間に磁性流体（Magneto-Rh
eological Fluid）を位置させるもので、磁性流体と
は、図７に示すように、磁性を有する微細なマグネット
粒子２２、及び、これを取り囲む界面活性剤２３がオイ
ルとともに含まれた液体２４などで構成された流体を意
味するものである。前記磁性流体２１は、一定の強さ以
上の磁界内に置かれると、流体が均一な形態を維持し
て、周辺に流れるか広がることがない特性を有する。磁
界を構成するアッパープレート１３、マグネット１４、
ヨーク１５などに、図７に示すように、磁界が形成され
ると、振動質量体が上下に運動して、下側の付着物であ
るプレート２０との隙間が小さくなり、この際に、粘性
を有する磁性流体２１が、図３及び図４に示すように、
中間で作用することにより、振動質量体と前記下側付着
物が常にその間に磁性流体を介在することになる。
【００１８】このように、振動質量体と前記下側付着物
との間に置かれた磁性流体はそれ自体の粘性により一種
のダンパーの役割を果たすもので、これはつぎのように
説明できる。
【００１９】図１１は、本発明の振動音響変換装置を単
純化させた振動モデルを示す。従来の構造と比較する
と、添加磁性流体２１の粘性によるダンパーが付け加わ
ったことが分かる。ダンパーがある振動界はスプリング
による弾性力、質量による重力のほかにも、速度に比例
するダンピング力の影響を受けるため、図９に示すよう
に、振動特性が変化することが分かる。すなわち、界の
運動はダンピング量によって異なり、全般的にダンピン
グがない場合より振動が減殺される。すなわち、振幅が
次第に減少することになる。
【００２０】したがって、接触現象により発生する騒音
がなくなり、そのほかの騒音も画期的に減ることにな
る。また、振動質量体の上下運動により発生する振動力
の周波数特性も磁性流体の粘性によるダンピングの増加
により入力信号の強さを従来の場合より増加させること
ができるので、入力周波数の幅が広くなる。
【００２１】すなわち、図９の点線で示した部分は、最
大周波数幅の増大した本発明による特性を示す。したが
って、ダンパーがある振動界のダンピング量を適切に調
節して従来のような接触現象が発生しないようにし、所
望の振動特性を得ることが本発明の特徴である。
【００２２】本発明の好ましい実施例を図３に示してい
るが、これは音響及び振動を発生させるためのコイルが
一つになった場合であり、前記磁性流体を添加した場
合、振動発生用低周波信号の入力の際に、前記のような
磁性流体２１の動作により接触現象のない安定した振動
界を作る。
【００２３】本発明による一実施例を図３及び図４に基
づいて詳細に説明する。内壁面に空間部を有するケース
１８と、前記ケース１８の上端部に外側端部が固定され
る音響発生用振動板１１と、円筒形に巻取られて前記振
動板の下端に固定されるボイスコイル１２と、前記ケー
スの下端部が外側端部に固定されるプレート２０と、上
下方向に着磁されたマグネット１４、前記マグネットに
付着されて磁界を形成するアッパープレート１３及びヨ
ーク１５から構成され、ボイスコイルの低部に設けられ
る磁器回路と、前記ヨークの外周面に固定される円筒形
ウェイト１６と、前記ケースの内周面に固定され、前記
磁気回路及びウェイト１６を支持するサスペンションス
プリング１７、１９と、前記サスペンションスプリング
の上下変位のとき、ダンピング部材として機能し、前記
磁気回路とプレートとの間に配置された所定粘性の磁性
流体２１とを含むことを特徴とする振動音響変換装置に
関するものである。外部からリード線（図示せず）を通
して、アッパープレート１３、上下方向に着磁されるマ
グネット１４及びヨーク１５からなる磁界内のボイスコ
イル１２に高周波の交流電流が印加されると、電磁気力
を発生し、この電磁気力によりボイスコイル１２が上下
に運動し、この際に、ボイスコイル１２の一端が付着さ
れた振動板１１が微細に振動して音響を発生させるもの
である。
【００２４】また、図２の左側領域に示すような低周波
信号（好ましくは、１００〜２００Ｈｚ）を印加する
と、上側サスペンションスプリング１７、１９にぶら下
げられている、前記磁界を構成する部品及びウェイト１
６を含む振動質量体の上下運動を引き起こして振動を発
生させることになる。
【００２５】このように振動するとき、付け加わった磁
性流体２１はダンピング効果を表して接触現象を防止
し、これは、前記磁性流体２１が振動質量体の下部、厳
密に言えば、ヨーク１５の下面とケース下端の相手物と
の間で作用するためである。
【００２６】図３は、ヨーク１５に磁性流体を最初に施
したものを形状化したものである。図４は低周波信号
（好ましくは、１００〜２００Ｈｚ）が印加された場
合、サスペンションスプリング１７、１９にぶら下げら
れている振動質量体が下方に移動するときの形状を示
す。
【００２７】本発明のほかの実施例として、音響及び振
動発生用コイルが別々に分離された構造を有する振動音
響変換装置にも適用でき、これを図５及び図６に基づい
て詳細に説明する。
【００２８】内部に空間部を有するケース３８と、この
ケースに内蔵されるマグネット３４及びボイスコイル３
２と、最終的に音を発生させる振動板３１のほかに、別
途の振動発生用コイルとを含む振動音響変換装置は、通
常、外部からリード線（図示せず）を通して、アッパー
プレート３３、上下方向に着磁されるマグネット３４及
びヨーク３５からなる磁界内のボイスコイル３２に高周
波の交流電流が印加されると、電磁気力を発生し、この
電磁気力によりボイスコイル３２が上下に移動し、この
際に、ボイスコイル３２の一端が付着された振動板３１
が微細に振動して音響を発生させるものである。
【００２９】また、低周波信号（好ましくは、１００〜
２００Ｈｚ）を振動用コイル４５に印加すると、サスペ
ンションスプリング３７、３９にぶら下げられている振
動質量体の上下運動を引き起こして振動を発生させる。
【００３０】前記のような振動音響変換装置に本発明の
磁性流体２１を付け加えると、粘性によるダンピング効
果により接触現象が防止され、これは図５及び図６に示
すようである。
【００３１】図５はヨーク３５に磁性流体を最初に施し
たものを形状化したものであり、図６は低周波信号（好
ましくは、１００〜２００Ｈｚ）が前記振動用コイル４
５に印加される場合、サスペンションスプリング３７、
３９にぶら下げられている、磁界を構成する部品を含む
振動質量体が下方に移動するときの磁性流体の形状を示
すもので、前記磁性流体はヨークの下面と振動発生用コ
イルの上端との間で作用する。
【００３２】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明は、入力
される振動信号の強さを増大させることができ、よっ
て、図９に示すように、最小振動力を確保し得る周波数
帯域、つまり入力周波数の幅を拡大させることで、携帯
電話又はポケットベルなどの装置に装着されるセットに
均一な振動力を発生させることができるもので、振動発
生用入力信号の強さを増加させるので、周波数の幅が大
幅に拡大され、その結果、製品の生産の際に、振動特性
に関連した部品の規格、組立時の管理規格が緩和され
て、材料費の減少及び高い生産性を達成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図１】 従来技術の振動音響変換装置の断面図であ
る。
【図２】 一般的な入力周波数による振動音圧特性図で
ある。
【図３】 本発明の一実施例による振動音響変換装置の
断面図である。
【図４】 本発明の一実施例の振動質量体が上下に運動
するにつれての磁性流体の変化を示す断面図である。
【図５】 本発明のほかの実施例による振動音響変換装
置の断面図である。
【図６】 本発明のほかの実施例の振動質量体が上下に
運動するにつれての磁性流体の変化を示す断面図であ
る。
【図７】 本発明の磁性流体を説明する概念図である。
【図８】 本発明による磁界形成を示す概略断面図であ
る。
【図９】 入力信号の強さ増加によって変化する振動特
性図である。
【図１０】 従来技術による振動音響変換装置を示す概
念図である。
【図１１】 本発明による振動音響変換装置を示す概念
図である。
【符号の説明】
１，１１，３１ 振動板 ２，１２，３２ ボイスコイル ３，１３，３３ アッパープレート ４，１４，３４ マグネット ５，１５，３５ ヨーク ６，１６，３６ ウェイト ６ａ ストッパー ７，１７，３７ 上側サスペンションスプリング ８，１８，３８ ケース ８ａ 上部係止手段 ８ｂ 下部係止手段 ９，１９，３９ 下側サスペンションスプリング １０，２０，４０ プレート ２１ 磁性流体 ４５ 振動発生用コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B06B 1/00 - 3/04 H04R 9/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 内壁面に空間部を有するケースと、 前記ケースの上端部に外側端部が固定される音響発生用
    振動板と、 円筒形に巻取られて前記振動板の下端に固定されるボイ
    スコイルと、 前記ケースの下端部が外側端部に固定されるプレート
    と、 上下方向に着磁されたマグネット、前記マグネットに付
    着されて磁界を形成するアッパープレート及びヨークか
    ら構成され、ボイスコイルの低部に設けられる磁気回路
    と、 前記ヨークの外周面に固定される円筒形ウェイトと、 前記ケースの内周面に固定され、前記磁気回路及びウェ
    イトを支持するサスペンションスプリングと、 前記サスペンションスプリングの上下変位の際に、ダン
    ピング部材として機能し、前記磁気回路とプレートとの
    間に配置された所定粘性の磁性流体とを含むことを特徴
    とする振動音響変換装置。
  2. 【請求項２】 前記磁性流体は、ウェイトと一体化され
    て上下変位を引き起こすヨークの底面に塗布され、前記
    ケースの下部に位置するプレートとの間で作用すること
    を特徴とする、請求項１記載の振動音響変換装置。
  3. 【請求項３】 前記ボイスコイルは、高周波の交流電流
    が印加されると、電磁気力を発生し、この電磁気力によ
    りボイスコイルが上下運動し、この際に、ボイスコイル
    の一端が付着された振動板が微細に振動して音響を発生
    させ、低周波の交流信号が印加されると、前記サスペン
    ションスプリングにぶら下げられている前記磁界を構成
    する部品を含む振動質量体の上下運動を引き起こして振
    動を発生させることを特徴とする、請求項１記載の振動
    音響変換装置。
  4. 【請求項４】 前記装置は、前記プレート上に低周波を
    受けて振動を発生させる振動発生用コイルを別に備える
    ことを特徴とする、請求項１記載の振動音響変換装置。
  5. 【請求項５】 前記磁性流体は、ウェイトと一体化され
    て上下変位を引き起こすヨークの底面に塗布され、前記
    ケースの下部に位置するプレート上に位置する前記振動
    発生用コイルとの間で作用することを特徴とする、請求
    項４記載の振動音響変換装置。
  6. 【請求項６】 前記磁性流体は、磁性を有する微細なマ
    グネット粒子と、これを取り囲む界面活性剤がオイルと
    ともに含まれた液体とから構成される流体であることを
    特徴とする、請求項１記載の振動音響変換装置。
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