JP3487931B2 - 油圧緩衝器のフリーピストン - Google Patents

油圧緩衝器のフリーピストン

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧緩衝器のフリーピ
ストンに関し、特に、摺動動作の安定化によって緩衝器
の作動特性と耐久性の改善を可能とする油圧緩衝器のフ
リーピストンに関する。
【0002】
【従来の技術】図6は従来のフリーピストンを備えた油
圧緩衝器の動作を示す断面図である。油圧緩衝器のシリ
ンダ51内の油室52と気体室53を摺動可能に画成す
るためのフリーピストン54の外周にはOリング55を
保持するための保持溝56を周回形成してOリング55
を収容する。
【0003】フリーピストン54の摺動方向が変化する
時は、フリーピストン54とOリング55が別々に動作
し、共に移動を始めるまでの範囲において不安定な作動
特性を呈し、また、その時の部分的な摩擦力によってO
リング55は捩り作用を受けることからその耐久性にも
影響が及ぶ。
【0004】詳細には、保持溝56はOリング55の安
定摺動のために摺動方向の長さが大きく形成され、ま
た、Oリング55は内周側をフリーピストン54に、外
周側をシリンダ51に当接することによってその内外周
の当接長さに差があるので、フリーピストン54の摺動
方向が変化する時は、まず、内周側をなすフリーピスト
ン54がOリング55に対して移動する。
【0005】上記Oリング55が保持溝56内を相対的
に移動する時は、保持溝56内の作動油がフリーピスト
ン54の外周とシリンダ51の内周との間の隙間から押
出され、この時、その隙間の大きさに応じてその排出速
度が異なるので、同図(a)の軸線方向が傾斜したフリ
ーピストン54が摺動を始める時は、フリーピストン5
4の傾斜が修正されるようにその一方側がOリング55
の内周に対して摺動し、同図(b)の他方側はその隙間
が確保されるまで停止状態を保って上記一方側に対して
遅れて摺動動作する。
【0006】このように、フリーピストン54の摺動方
向が変化する時は、フリーピストン54とOリング55
の動作が段階的に変化し、両者が共に移動するまでの範
囲において不安定な動作を呈し、その移動のタイミング
の差に伴ってOリング55に部分的な捩り力が作用す
る。
【0007】一方、フリーピストン54は、一般に、ピ
ストンロッド57の径に較べて大きな径をなすのでその
摺動ストロークは緩衝器の伸縮ストロークに較べて小さ
く、また、車両が良路を走行する場合に、その車両の緩
衝器においては僅かなストロークの伸縮が繰り返され、
フリーピストンは殆どその位置を変えることなく微小範
囲でストロークされることから、フリーピストン54の
動作は殆ど上記不安定領域をなし、したがって、この不
安定動作によってOリングの耐久性が左右されることと
なる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フリー
ピストンとシリンダとの間の隙間を小さくしてフリーピ
ストンの傾斜を少なくした場合にも、フリーピストンの
位置はOリングによって規定されることからその周縁の
隙間は一様ではなく、Oリングが不等移動されることか
ら、上記現象を避けることができず、また、フリーピス
トンの径を小さくして周縁の隙間を大きくした場合には
その傾斜によるシリンダ側との接触部を強化するために
耐摩耗性コーティング等の表面処理の負担が強いられ、
コスト面の不利を避けることができない。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく本
発明は、フリーピストンの外周にOリングを保持するた
めの保持溝を周回形成し、この保持溝に嵌めたOリング
によってシリンダ内の油室と気体室とを摺動可能に画成
するようにした油圧緩衝器のフリーピストンにおいて、
前記保持溝にはOリングに対してフリーピストンが平行
移動する時に保持溝内の作動油をその全周で一様に給排
することが可能な給排路をシリンダ内の油室に連通して
形成した。前記給排路は保持溝の油室側端壁に開口する
ことが好ましく、また、前記油室側端壁の開口は保持溝
の深さ方向の中央位置の両側に及ぶことが好ましい。
【0010】
【作用】Oリングに対してフリーピストンが平行移動す
る時に保持溝内の作動油をその全周で一様に給排するこ
とが可能な給排路を保持溝に形成したことから、フリー
ピストンの傾斜や位置の偏りがあってもフリーピストン
がOリング対して平行に移動し、フリーピストンの摺動
方向が変化する場合に、Oリングに捩り力が作用するこ
とがなく、また、フリーピストンの安定動作が確保され
る。
【0011】前記給排路を保持溝の油室側端壁に開口し
た場合には、Oリングが保持溝の油室側端壁に当接する
までフリーピストンがOリングに対して平行に移動し、
また、前記油室側端壁の開口が保持溝の深さ方向の中央
位置の両側に及ぶ場合には、Oリングが保持溝の油室側
端壁に当接して同端壁とともに移動するまでフリーピス
トンがOリング対して平行に移動する。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。図1は本発明の実施例に係る油圧緩衝器の断
面図、図2は本発明の要部を示す断面図とフリーピスト
ンの上面図、図3は作用説明図である。
【0013】油圧緩衝器1は、減衰機構を備えたピスト
ン2をシリンダ3内に摺動可能に設け、このシリンダ3
のロッドガイド4を介して進退可能に設けたピストンロ
ッド5によって上記ピストン2を支持するとともに、シ
リンダ3内の油室6と気体室7とを摺動可能に画成する
フリーピストン8を備える。
【0014】このフリーピストン8の外周には保持溝9
を周回形成してOリング10を収容する。保持溝9には
その油室側端壁11に開口してシリンダ3内の油室6に
連通する給排路をなす連通溝12を形成し、この連通溝
12を少なくとも3箇所(図は8ヵ所)でフリーピスト
ン8を等角度に分周する図2の位置に形成し、かつ、連
通溝12は保持溝9に対するOリング10の移動に応じ
て同保持溝9内の作動油の給排を可能とする断面積と
し、保持溝9の油室側端壁11の開口は、保持溝9の深
さ方向の中央位置13の両側に及部大きさに形成する。
【0015】上記構成をなすフリーピストン8の保持溝
9にはシリンダ3内の油室6に連通する給排路12を油
室側端壁11に開口して形成したことから、緩衝器スト
ロークの伸縮行程の変化時において、フリーピストン8
がOリング10に対して移動する際に、給排路12を介
して保持溝9内の作動油がシリンダ3内の油室6に対し
て給排される。
【0016】この時、給排路12を少なくとも3箇所の
等角分周する位置に形成したことから、フリーピストン
8の傾斜や中心位置の偏りがあってもその全周で一様に
作動油が給排され、この時、給排路12が保持溝9内の
作動油の給排を可能とする断面積をなすことから、Oリ
ング10は支障なく移動が可能となり、フリーピストン
8はその全周で一様に摺動される。
【0017】また、給排路12の油室側端壁11の開口
を保持溝の深さ方向の中央位置の両側に及んで形成した
ことから、Oリング10が保持溝9の油室側端壁11に
当接した時でも給排路12の開口部からOリング10の
内外周の作動油が給排されてOリング10は支障なく移
動される。
【0018】したがって、緩衝器ストロークの伸縮行程
が変化してフリーピストンの摺動方向が変化する場合に
おいて、フリーピストンの保持溝内でOリングがその全
周で一様に摺動され、Oリングに捩り力が作用すること
なくフリーピストンは安定して摺動されるので、作動特
性における不安定動作領域が解消され、また、Oリング
の耐久性が向上される。
【0019】図4は幅広の連通溝を形成したフリーピス
トンの上面図である。フリーピストン14には、幅広の
連通溝15でなる給排路を最小限の3ヵ所にフリーピス
トン14を分周して形成する。また、図5はフリーピス
トンに連通孔を形成した例を示す緩衝器の要部断面図と
フリーピストンの上面図である。フリーピストン16に
は、丸孔状の連通孔17でなる給排路を8ヵ所に分周し
て形成する。これらの例において、その断面積、保持溝
の油室側端壁の開口位置については前記給排路と同様と
することによって同様の作用をなす。
【0020】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
Oリングに対してフリーピストンが平行移動する時に保
持溝内の作動油をその全周で一様に給排することが可能
な給排路を保持溝に形成したことから、緩衝器ストロー
クの伸縮の行程においてフリーピストンの摺動方向が変
化する時に、フリーピストンの傾斜や位置の偏りがあっ
てもフリーピストンの保持溝内でOリングがその全周で
一様に摺動され、Oリングに捩り力が作用することなく
フリーピストンは安定して摺動されるので、作動特性に
おける不安定動作領域が低減され、かつ、Oリングの耐
久性が向上される。
【0021】前記給排路を保持溝の油室側端壁に開口し
た場合には、Oリングが保持溝の油室側端壁に当接する
までフリーピストンがOリング対して平行に移動し、ま
た、前記油室側端壁の開口が保持溝の深さ方向の中央位
置の両側に及ぶ場合には、Oリングが保持溝の油室側端
壁に当接して同端壁とともに移動するまでフリーピスト
ンがOリング対して平行に移動するので、作動特性にお
ける不安定動作領域が解消され、かつ、Oリングの耐久
性がさらに向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る油圧緩衝器の縦断面図
【図2】本発明の要部を示す断面図とフリーピストンの
上面図
【図3】本発明の作用説明のための要部断面図
【図4】幅広の連通溝を形成したフリーピストンの上面
【図5】フリーピストンに連通孔を形成した例を示す緩
衝器の要部断面図とフリーピストンの上面図
【図6】従来の油圧緩衝器のフリーピストンとOリング
の動きを示す断面図
【符号の説明】
1…油圧緩衝器、2…ピストン、3…シリンダ、4…ロ
ッドガイド、5…ピストンロッド、6…油室、7…気体
室、8…フリーピストン、9…保持溝、10…Oリン
グ、11…油室側端壁、12…連通溝(給排路)、13
…深さ方向の中央位置、14…フリーピストン、15…
連通溝(給排路)、16…フリーピストン、17…連通
孔(給排路)。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フリーピストンの外周にOリングを保持
    するための保持溝を周回形成し、この保持溝に嵌めたO
    リングによってシリンダ内の油室と気体室とを摺動可能
    に画成するようにした油圧緩衝器のフリーピストンにお
    いて、前記保持溝にはOリングに対してフリーピストン
    が平行移動する時に保持溝内の作動油をその全周で一様
    に給排することが可能な給排路をシリンダ内の油室に連
    通して形成したことを特徴とする油圧緩衝器のフリーピ
    ストン。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の油圧緩衝器のフリーピ
    ストンにおいて、前記給排路は保持溝の油室側端壁に開
    口することを特徴とする油圧緩衝器のフリーピストン。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の油圧緩衝器のフリーピ
    ストンにおいて、前記油室側端壁の開口は保持溝の深さ
    方向の中央位置の両側に及ぶことを特徴とする油圧緩衝
    器のフリーピストン。
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