JP3486932B2 - コンバイン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】この発明は、全稈投入形態の汎用
コンバインに関する。 【０００２】 【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】通常
の汎用コンバインでは刈取装置の第１刈刃によって高刈
りした穀稈を脱穀装置に搬送して脱穀を行うと共に、こ
の高刈り後の立毛穀稈を更に土壌面近くから低刈りする
第２刈刃装置を第１刈刃の後方に支架している。この第
２刈刃装置は、低刈りを行う関係で刈取装置の下面から
多少下側へ突出しているため、圃場端における旋回時と
かその他作業時以外においても邪魔になることが多く、
ある程度上下動可能な構成となっているが、湿田又は大
豆圃場等においては、この程度の上動では土中に突っ込
んで障害となり易いので、この第２刈刃装置の取外しを
簡単に行う必要がある。 【０００３】しかし、従来から第２刈刃装置は、重量軽
減のため構造が簡素化され充分な強度が確保され難いう
えに、更に駆動機構を保持して上下動させなければなら
ないことから、刈取装置に対してネジ締めで装着させる
ことにより補強するようにしているため、簡単容易な脱
着は望むべくもないのである。そこでこの発明は、左右
の油圧シリンダにより支架構成された第２刈刃装置をヒ
ッチロック状態として装着し、取外しの必要があるとき
は、このヒッチロック状態を解除することにより、簡単
容易に脱着できるようにしようとするものである。ま
た、従来の汎用型コンバインにおいては、オーガケース
の後端縁下部側に、このオーガケースの駆動軸から動力
伝達して駆動する播種機を設けたものはなかった。さら
に、オーガケースの後端底部の作溝を行う作溝具を設け
たものはなかった。 【０００４】 【課題を解決するための手段】この発明は、刈り取り穀
稈を掻込リール１と共に掻き込む掻込オーガ２を回動自
在に支承するオーガケース３の前端部に高刈り用の第１
刈刃４と、その後端部に低刈り用の第２刈刃装置５とを
各々装着した刈取装置６を有する全稈投入形態のコンバ
インにおいて、この第２刈刃装置５の両端部を支架して
上下動させる左右の刈刃上下シリンダ７を設け、該左右
の刈刃上下シリンダ７の外周面に外方左右側へ係合軸７
ｂを突設させて設け、該係合軸７ｂを係合させる受金３
２を前記オーガケース３の左右側板３ａ，３ｂに固着し
て構成し、該受金３２に係合した前記係合軸７ｂを押え
る押え金３２ａを開閉自在に設け、該押え金３２ａを止
め金３２ｂの回動によりヒッチロック又はフリー状態と
することで、前記第２刈刃装置５を、オーガケース３に
対して脱着可能に構成し、該オーガケース３の後端縁下
部側であってオーガケース３の左右側板３ａ，３ｂか
ら、回動作用によって播種を行う円筒状の播種機４１を
軸着した播種軸４２を回動自在に支持する構成にすると
共に、該播種機４１は前記掻込オーガ２を回転駆動する
オーガ軸４４からベルト４５により動力を伝達する構成
とし、さらに、オーガケース３の後端底部に、土壌面に
対して播種のための作溝を行う作溝具４６を複数個設け
たことを特徴とするコンバインの構成とする。 【０００５】 【作用、及び発明の効果】全稈投入形態の汎用コンバイ
ンにおいて、左右の刈刃上下シリンダ７のピストン先端
部と刈刃の両端部とを固定フランジ等によって固定する
と共に、この刈刃を駆動する油圧モータ等を備えた第２
刈刃装置５を、左右の刈刃上下シリンダ７のシリンダ部
から、外方左右側へ突出させた係合軸をオーガケース３
の後端部に設けた受金に係合させると共に、押え金を止
め金の回動により係止し、ヒッチロック状態として刈取
装置６に装着する。 【０００６】この第２刈刃装置５を装着して刈り取り作
業を行っているときに、湿田圃場や大豆圃場等において
第２刈刃装置５を左右の刈刃上下シリンダ７によって上
動調節しても、なお且つ土中に突っ込むような恐れがあ
るときは、前記装着時とは逆の手順によって、止め金の
回動により押え金の係止状態を解除して、押え金をフリ
ー状態として係合軸を受金から離脱させることにより第
２刈刃装置５を刈取装置６から取外すことができる。な
お、これらの脱着時には油圧ホース等のジョイントの脱
着が必要なことは勿論である。 【０００７】このように、第２刈刃装置５はその両端部
を左右の刈刃上下シリンダ７によって固定させたシンプ
ルで且つ強固な構造であるから、例えばオーガケース３
の後端部に設けた受金に対して第２刈刃装置５に設けた
係合軸を、押え金によりヒッチロック又はフリーの状態
とする簡単な操作のみで係合又は離脱させうるので、第
２刈刃装置５を刈取装置６に容易に脱着させることがで
きる。そして、播種作業を行う際には、掻込オーガ２を
回転駆動するオーガ軸４４からベルト４５により播種機
４１の播種軸４２を駆動して播種を行う。さらに、この
ような播種作業時においては、オーガケース３の後端底
部に設けた作溝具４６によって作溝を行ない、この作溝
部分の播種を行う。このように、コンバイン作業と同時
に種子を播種可能な構成としているので、脱穀排塵物に
よる覆土作用や堆肥作用等を付加して複合作業が可能と
なる。そして、複合作業によって作業の省力化を図るこ
とができるようになる。 【０００８】 【実施例】以下に、この発明の実施例を図面に基づいて
説明する。コンバインの車台８の下部側に土壌面を走行
する左右一対のクローラ９を有する走行装置１０を設
け、該車台８上には、穀稈全稈の供給を受けて脱穀し、
この脱穀された穀粒を選別回収する全稈投入形態の脱穀
装置１１を設ける。 【０００９】この脱穀装置１１の前方に、その前端側か
ら立毛穀稈を分草する分草体１２とこの分草された穀稈
を穂先側から掻き込み回動する掻込リール１と、この穂
先側から掻き込まれた穀稈を、穂先側寄りの位置から高
刈りする第１刈刃４を前端部に、また第１刈刃４による
刈り取り残稈を低刈りする第２刈刃装置５を後端側に各
々位置させたオーガケース３を配置すると共に、このオ
ーガケース３内に第１刈刃４によって刈り取られた穀稈
全稈を掻き込む掻込オーガ２を回動自在に支承して設け
る。 【００１０】この掻込オーガ２によって取り込まれた穀
稈全稈を脱穀装置１１へ揚上搬送する搬送コンベア１３
ａを内装した穀稈フィーダ１３を、該オーガケース３の
左側部分から後方を上側に向けて斜設すると共に、これ
らの装置によって刈取装置６を構成する。該穀稈フィー
ダ１３の後端部を、脱穀装置１１の穀稈供給口１４へ穀
稈全稈を供給すると共に上下回動可能なるよう上部搬送
軸１５によって軸承装架し、この上下回動により刈取装
置６を土壌面に対して昇降させる油圧駆動による刈取昇
降シリンダ１６を、該穀稈フィーダ１３の前端側下面部
と前記車台８の前端部との間に連結して設ける。 【００１１】刈取装置６の右方側にオペレータ用の操縦
キャビン１７を設け、この操縦キャビン１７の後方側で
脱穀装置１１の右方側に沿う該車台８上に、脱穀により
選別回収された穀粒を充填貯留するグレンタンク１８
と、この貯留された穀粒を機外へ排出する排穀オーガ筒
１９とを設ける。第１刈刃４は、オーガケース３の先端
部にネジ等により固定されており、刈取装置６の昇降に
伴って刈高さの調節を行うことができる。第２刈刃装置
５は、油圧により作用させる左右の刈刃上下シリンダ７
のピストン７ａ先端部をカッタベース２０の両端部へ固
定フランジ２１によって固定し、該刈刃上下シリンダ７
のシリンダ外周面の上下位置に各々外方左右側へ係合軸
７ｂを突設させ、該左の刈刃上下シリンダ７の適宜位置
に油圧駆動による刈刃駆動モータ２２を固定して設け
る。 【００１２】該カッタベース２０に受刃となるフィンガ
２３を連続して取付け、このフィンガ２３に対して、一
体的に連接した刈刃２４を往復摺動可能なるよう刃押え
２５により適宜間隔をおいて緊密に押圧装着して設け
る。該刈刃２４の一端部に上部を開放したＵ字状の刈刃
駆動ガイド２６を固着し、この刈刃駆動ガイド２６に遊
嵌摺動するローラ２７をその一端部に軸承した刈刃駆動
偏心軸２８を、該カッタベース２０に該ピストン７ａを
固定する固定フランジ２１を張出して支承すると共に、
該刈刃駆動偏心軸２８の他端部に下部自在継手２９を連
結して設ける。 【００１３】該刈刃駆動モータ２２から下方に向けて突
出させた軸に上部自在継手３０を連結し、この上部自在
継手３０と該下部自在継手２９との間に、第２刈刃装置
５の刈高さの調節時に伸縮可能な刈刃駆動軸３１を連結
して設ける。前記係合軸７ｂを係合させる受金３２を、
前記オーガケース３の左右の側板３ａ、３ｂの後端縁の
適応位置に固着し、この受金３２に係合した該係合軸７
ｂを押える押え金３２ａを開閉自在にピン連結し、この
押え金３２ａを回動によりヒッチロック又はフリー状態
とする止め金３２ｂを設けて構成する。 【００１４】該カッタベース２０の一端部から前方へ向
け穀稈センサ３３を突出させ、この穀稈センサ３３の接
触子を該刈刃２４の前側に、立毛穀稈の通過によって穀
稈の有無を検出して刈取装置６を昇降させるよう配置す
ると共に、該カッタベース２０の下面から後側に向け
て、左右側に各１個宛その接触子の上下揺動により刈高
さを検出する刈高センサ３４を配置して構成し、該刈刃
上下シリンダ７と刈刃駆動モータ２２には各々油圧ホー
スを接続して設ける。 【００１５】また、前記掻込リール１は、前記オーガケ
ース３の左右全幅に亘って外周に立毛穀稈の穂先部を掻
き込むタイン１ａを六角形の各頂点から下方側に向け突
出させて設け、該掻込リール１を軸着するリール軸３５
を左右のリールスライドメタル３６にて支承し、この左
右のリールスライドメタル３６を、該オーガケース３の
左右側板３ａ、３ｂの後端上部に固着された左右のリー
ル支持片３７から前方側に延長して上下回動可能に支架
する左右のリール支持アーム３８に前後摺動可能に支持
して設ける。 【００１６】該左右のリール支持アーム３８の各基部と
該オーガケース３の左右側板３ａ、３ｂとの間に該左右
のリール支持アーム３８を上下動させる左右のリール上
下シリンダ３９を連結して設けると共に、該左右のリー
ル支持アーム３８と該左右のリールスライドメタル３６
との間に該掻込リール１を前後動させる左右のリール前
後シリンダ４０を設けて構成する。 【００１７】また、該オーガケース３の後端縁下部側に
第２刈刃装置５とは別に、図６に示す如く、該オーガケ
ース３の左右側板３ａ、３ｂに、回動作用によって播種
を行う円筒状の播種機４１を軸着した播種軸４２を回動
自在に支承する左右の支持メタル４３を固定して設け、
この播種軸４２に前記掻込オーガ２のオーガ軸４４から
ベルト（又はチエン）４５により動力を伝達して該播種
機４１を回動させるべく構成すると共に、該オーガケー
ス３の後端底部に、土壌面に対して播種のための作溝を
行う作溝具４６を適当個数、適宜個所に配置固着して設
ける。 【００１８】次に、以上の構成による作用について説明
する。分草体１２で分草された立毛穀稈は、リール上下
シリンダ３９及びリール前後シリンダ４０の作用によっ
て、上下及び前後位置を適切に調節された掻込リール１
のタイン１ａによって穂先側から掻き込まれ、この掻き
込まれた立毛穀稈を第１刈刃４によって高い位置から刈
り取り、この刈り取った穀稈全稈を、オーガケース３内
において掻込オーガ２の集稈螺旋によって穀稈フィーダ
１３の開口位置まで取り込み集稈し、この開口部から搬
送コンベア１３ａによって集稈された穀稈全稈を後方上
側の脱穀装置１１の穀稈供給口１４へ送り込み、脱穀装
置１１によって脱穀処理を行い、選別された穀粒をグレ
ンタンク１８に充填貯留する。 【００１９】このような刈り取り作業時に、第１刈刃４
によって高刈りした立毛穀稈の残稈を第２刈刃装置５に
よって低刈りする必要が生じたときは、第２刈刃装置５
の左右の刈刃上下シリンダ７に設けた各係合軸７ｂをオ
ーガケース３に設けた各受金３２に各々係合させ、この
係合軸７ｂを押え金３２ａで押え、この押え金３２ａを
止め金３２ｂの回動によりヒッチロック状態に固定する
と共に、該左右の刈刃上下シリンダ７と刈刃駆動モータ
２２とに油圧ホースを接続して第２刈刃装置５を刈取装
置６に簡単容易に装着することができる。 【００２０】なお、該刈刃駆動モータ２２によって、上
下部の自在継手３０、２９で支持された伸縮自在の刈刃
駆動軸３１を駆動させることにより、図５に示す如く、
該下部自在継手２９に連結された刈刃駆動偏心軸２８の
ローラ２７の、上部を開放した刈刃駆動ガイド２６に対
する上方側からの遊嵌によつて、該ローラ２７の偏心運
動により刈刃２４を駆動する。 【００２１】もし、湿田圃場や大豆圃場等において、第
２刈刃装置５を上動調節しても、なおかつ土中に突っ込
むような恐れがあるときは、前記第２刈刃装置５の装着
時とは逆の手順によって、該止め金３２ｂの回動により
該押え金３２ａをフリー状態として、該係合軸７ｂを該
受金３２から離脱させることにより第２刈刃装置５を刈
取装置６から簡単容易に取外すことができる。なお、第
２刈刃装置５をヒッチロック又はフリー状態とする脱着
方法については、本実施例に限らず簡単容易に脱着でき
れば如何なる方法を用いるもよい。 【００２２】また、コンバイン作業と同時に牧草等の種
子を播種可能なるよう、図６に示す如く、前記オーガケ
ース３の後端縁下部側に支承した播種機４１によって、
この播種機４１の直前に設けた作溝具４６により作溝さ
れた土壌面に合わせて播種が行えるよう作用させると共
に、脱穀排塵物により覆土作用や堆肥作用等を付加し
て、これにより複合作業による省力化を図ることができ
る。 【００２３】また、図７に示す如く、該播種機４１を掻
込リール１の回動軌跡より前側つまり第１刈刃４より前
側位置となるよう、左右のリール支持アーム３８の前端
部に固着する支持メタル４３に支承した播種軸４２を、
リール軸３５からベルト４５等による動力伝達により回
動させて、該掻込リール１のタイン１ａで立毛穀稈を梳
き分けた部分へ、牧草等の種子を播種すると共に、脱穀
排塵物により覆土作用や堆肥作用等を付加することによ
り、コンバイン作業時の複合作業として省力化を図るよ
う構成してもよい。 【００２４】また、図８に示す如く、牧草等の種子を播
種する播種ノズル４７（又は播種機４１）を、第２刈刃
装置５の適宜位置に設けた横枠４８に固定し、この固定
位置においてオーガ軸４４からベルト４５等による動力
伝達により駆動させて播種を行った後、第２刈刃装置５
で刈り取った藁稈と脱穀排塵物とによって覆土作用や堆
肥作用等を付加することにより、コンバイン作業時の複
合作業として省力化を図るよう構成してもよい。

【図面の簡単な説明】 【図１】コンバインの全体を示す側面図。 【図２】刈取装置の一部を示す側面図。 【図３】第２刈刃装置の装着関係を示す正面図。 【図４】第２刈刃装置の刈刃部分を示す平面図。 【図５】刈刃部分の作用状態を示す斜面図。 【図６】播種機の装着状態を示す側面図。 【図７】播種機の装着状態を示す側面図。 【図８】播種ノズルの装着状態を示す側面図。 【符号の説明】 １…掻込リール、２…掻込オーガ、３…オーガケース、
３ａ，３ｂ…左右側板、４…第１刈刃、５…第２刈刃装
置、６…刈取装置、７…刈刃上下シリンダ、７ｂ…係合
軸、３２…受金、３２ａ…押え金、３２ｂ…止め金、４
１…播種機、４２…播種軸、４４…オーガ軸、４５…ベ
ルト、４６…作溝具。

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 刈り取り穀稈を掻込リール１と共に掻き
   込む掻込オーガ２を回動自在に支承するオーガケース３
   の前端部に高刈り用の第１刈刃４と、その後端部に低刈
   り用の第２刈刃装置５とを各々装着した刈取装置６を有
   する全稈投入形態のコンバインにおいて、この第２刈刃
   装置５の両端部を支架して上下動させる左右の刈刃上下
   シリンダ７を設け、該左右の刈刃上下シリンダ７の外周
   面に外方左右側へ係合軸７ｂを突設させて設け、該係合
   軸７ｂを係合させる受金３２を前記オーガケース３の左
   右側板３ａ，３ｂに固着して構成し、該受金３２に係合
   した前記係合軸７ｂを押える押え金３２ａを開閉自在に
   設け、該押え金３２ａを止め金３２ｂの回動によりヒッ
   チロック又はフリー状態とすることで、前記第２刈刃装
   置５を、オーガケース３に対して脱着可能に構成し、該
   オーガケース３の後端縁下部側であってオーガケース３
   の左右側板３ａ，３ｂから、回動作用によって播種を行
   う円筒状の播種機４１を軸着した播種軸４２を回動自在
   に支持する構成にすると共に、該播種機４１は前記掻込
   オーガ２を回転駆動するオーガ軸４４からベルト４５に
   より動力を伝達する構成とし、さらに、オーガケース３
   の後端底部に、土壌面に対して播種のための作溝を行う
   作溝具４６を複数個設けたことを特徴とするコンバイ
   ン。