JP3486373B2 - 揚力発生構造を有する船 - Google Patents
揚力発生構造を有する船Info
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- JP3486373B2 JP3486373B2 JP19188599A JP19188599A JP3486373B2 JP 3486373 B2 JP3486373 B2 JP 3486373B2 JP 19188599 A JP19188599 A JP 19188599A JP 19188599 A JP19188599 A JP 19188599A JP 3486373 B2 JP3486373 B2 JP 3486373B2
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- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T70/00—Maritime or waterways transport
- Y02T70/10—Measures concerning design or construction of watercraft hulls
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- Other Liquid Machine Or Engine Such As Wave Power Use (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水面との接触を利
用した揚力発生構造により積極的に揚力を発生させて船
体を浮揚させ、水との抵抗を小さくすることによって高
速航行を可能とするとともに燃費向上による消費燃料の
削減を可能とした揚力発生構造を有する船に関するもの
である。
用した揚力発生構造により積極的に揚力を発生させて船
体を浮揚させ、水との抵抗を小さくすることによって高
速航行を可能とするとともに燃費向上による消費燃料の
削減を可能とした揚力発生構造を有する船に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、船舶において、水上を高速航行す
る手段として、大きな推進力を生起するか、あるいは、
推進力を減殺する抵抗を小さくするかのどちらかの手法
がとられている。
る手段として、大きな推進力を生起するか、あるいは、
推進力を減殺する抵抗を小さくするかのどちらかの手法
がとられている。
【0003】大きな推進力を生起する場合には、出力機
関自体を高出力のものにしたり、プロペラ数を増やした
り、あるいは、推進力を発生させるプロペラをキャビテ
ーションプロペラやサーフェスプロペラとすることによ
って高回転化させたりして、高速航行を可能とするもの
が開発されている。
関自体を高出力のものにしたり、プロペラ数を増やした
り、あるいは、推進力を発生させるプロペラをキャビテ
ーションプロペラやサーフェスプロペラとすることによ
って高回転化させたりして、高速航行を可能とするもの
が開発されている。
【0004】ただし、出力機関自体を高出力のものにす
る、プロペラ数を増やす、あるいは、推進機構を特殊な
形態とすることはコスト増の原因となるので、特殊な使
用目的の船に対して利用されることが多く、汎用的な船
に対して使用されることは少ない。
る、プロペラ数を増やす、あるいは、推進機構を特殊な
形態とすることはコスト増の原因となるので、特殊な使
用目的の船に対して利用されることが多く、汎用的な船
に対して使用されることは少ない。
【0005】一方、汎用的な船に対しては船体抵抗を小
さくすることによって、限られた推進力を有効に利用す
べく構成していることが多い。
さくすることによって、限られた推進力を有効に利用す
べく構成していることが多い。
【0006】船体抵抗には、波を生起することによって
生じる造波抵抗と、水との摩擦によって生じる摩擦抵抗
と、それら以外の圧力抵抗とがある。航行速度が遅い領
域では造波抵抗が、逆に、航行速度が速い領域では摩擦
抵抗が最も大きな抵抗となっている。
生じる造波抵抗と、水との摩擦によって生じる摩擦抵抗
と、それら以外の圧力抵抗とがある。航行速度が遅い領
域では造波抵抗が、逆に、航行速度が速い領域では摩擦
抵抗が最も大きな抵抗となっている。
【0007】従って、比較的遅い速度で航行する船で
は、造波抵抗を軽減する船形の開発、例えば、長い船体
や、バルバスバウ、あるいは、数値的または理論的に造
波抵抗を最小とすることができる船形の開発が行われ、
推進力の減殺を防止している。
は、造波抵抗を軽減する船形の開発、例えば、長い船体
や、バルバスバウ、あるいは、数値的または理論的に造
波抵抗を最小とすることができる船形の開発が行われ、
推進力の減殺を防止している。
【0008】一方、比較的速い速度で航行する船では、
船体のトリム角を上げて船首部分をできる限り水面上に
上げたり、ステップ船形として接水面積を低減させるこ
とにより摩擦抵抗を減少させていることが多い。
船体のトリム角を上げて船首部分をできる限り水面上に
上げたり、ステップ船形として接水面積を低減させるこ
とにより摩擦抵抗を減少させていることが多い。
【0009】また、船形を変えることによって船体抵抗
を減少させるのではなく、船体を軽量化することによっ
て水面下の船体の体積、接水面積、投影面積を削減し、
船体抵抗を減少させることもなされている。
を減少させるのではなく、船体を軽量化することによっ
て水面下の船体の体積、接水面積、投影面積を削減し、
船体抵抗を減少させることもなされている。
【0010】特に、船体の軽量化には限界があるので、
水中翼船やホバークラフト、あるいは、空気中に翼を設
けて浮揚すべく構成したWIGなどのように、付加的な
機構により揚力を生起して船体を浮揚させて軽量化と同
等の効果を有すべく構成し、船体抵抗を減少させて高速
航行可能とした高速艇も存在している。
水中翼船やホバークラフト、あるいは、空気中に翼を設
けて浮揚すべく構成したWIGなどのように、付加的な
機構により揚力を生起して船体を浮揚させて軽量化と同
等の効果を有すべく構成し、船体抵抗を減少させて高速
航行可能とした高速艇も存在している。
【0011】しかし、水中翼船、ホバークラフト、WI
Gなどの高速艇は、その機構及び構成が複雑で高価とな
りやすく、また、風の影響を受けやすいことによって欠
航率が高いという問題を有していた。
Gなどの高速艇は、その機構及び構成が複雑で高価とな
りやすく、また、風の影響を受けやすいことによって欠
航率が高いという問題を有していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の船舶においてなされる高速航行のための機構はいずれ
もコスト増をまねくものであり、また、機構及び構造が
複雑となることによってメンテナンス性をも低下させる
ものであった。
の船舶においてなされる高速航行のための機構はいずれ
もコスト増をまねくものであり、また、機構及び構造が
複雑となることによってメンテナンス性をも低下させる
ものであった。
【0013】そこで、本発明者は、低コストで高速航行
が可能であって、かつ、メンテナンスの容易な船を提供
すべく研究を重ねた結果、船体抵抗の増加を抑制しなが
ら水面より揚力を得ることによって、軽量化と同等の抵
抗削減が可能な船の揚力発生構造、及び、同揚力発生構
造を有する船を発明するに至ったものである。
が可能であって、かつ、メンテナンスの容易な船を提供
すべく研究を重ねた結果、船体抵抗の増加を抑制しなが
ら水面より揚力を得ることによって、軽量化と同等の抵
抗削減が可能な船の揚力発生構造、及び、同揚力発生構
造を有する船を発明するに至ったものである。
【0014】さらに、船体抵抗が減少したことによっ
て、消費燃料を少なくすることができ、燃費を向上させ
るもできるものである。
て、消費燃料を少なくすることができ、燃費を向上させ
るもできるものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明では、船体の接水
部分に構成する揚力発生構造であって、航行中、揚力を
生起すべく凹状に湾曲させるとともに下り勾配とした前
方接水面を下方に形成し、同前方接水面の後端に角部を
介して、航行中、非接水状態となる後方離水面を隣接さ
せて形成した揚力発生構造からなる揚力発生部を、船体
の重心位置より前方の船底と、船体の重心位置より後方
の船底とにそれぞれ設けるとともに、船体の重心位置よ
り後方に設ける揚力発生部は、船体の重心位置より前方
に設けた揚力発生部の後方に引き込まれた空気を円滑に
船体後方に送るべく凹形状とした後部船底を挟んで左右
対称に設けた揚力発生構造を有する船を提供せんとする
ものである。
部分に構成する揚力発生構造であって、航行中、揚力を
生起すべく凹状に湾曲させるとともに下り勾配とした前
方接水面を下方に形成し、同前方接水面の後端に角部を
介して、航行中、非接水状態となる後方離水面を隣接さ
せて形成した揚力発生構造からなる揚力発生部を、船体
の重心位置より前方の船底と、船体の重心位置より後方
の船底とにそれぞれ設けるとともに、船体の重心位置よ
り後方に設ける揚力発生部は、船体の重心位置より前方
に設けた揚力発生部の後方に引き込まれた空気を円滑に
船体後方に送るべく凹形状とした後部船底を挟んで左右
対称に設けた揚力発生構造を有する船を提供せんとする
ものである。
【0016】特に、揚力発生構造の後方離水面の後方に
空気を送気すべく構成したことにも特徴を有するもので
ある。
空気を送気すべく構成したことにも特徴を有するもので
ある。
【0017】さらには、揚力発生構造の前方接水面の後
端に、揚力調整のための可動フラップを配設したことに
も特徴を有するものである。
端に、揚力調整のための可動フラップを配設したことに
も特徴を有するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の船の揚力発生構造は、船
体の接水部分に構成しており、下方に前方接水面を形成
し、同前方接水面の後端に角部を介して後方離水面を隣
接させて形成しているものである。
体の接水部分に構成しており、下方に前方接水面を形成
し、同前方接水面の後端に角部を介して後方離水面を隣
接させて形成しているものである。
【0019】前方接水面は凹状に湾曲させるとともに下
り勾配とし、航行中に揚力を生起すべく構成しており、
得られた揚力によって揚力発生構造を配設した船を浮揚
させて水との接触面積を低減させ、かつ、前方投影面積
を小さくすることにより船体抵抗を減少させている。船
体抵抗を減少させることによって、推進力の減殺を防止
して高速航行を可能とし、また、燃費を向上させること
ができる。
り勾配とし、航行中に揚力を生起すべく構成しており、
得られた揚力によって揚力発生構造を配設した船を浮揚
させて水との接触面積を低減させ、かつ、前方投影面積
を小さくすることにより船体抵抗を減少させている。船
体抵抗を減少させることによって、推進力の減殺を防止
して高速航行を可能とし、また、燃費を向上させること
ができる。
【0020】後方離水面は前方接水面に対して屈曲させ
た状態に隣接させ、航行中に非接水状態となるべく構成
している。後方離水面を非接水状態とすることによっ
て、前方接水面での揚力の生起にともなって生起された
負圧を、後方離水面後方に存在する空気で減殺すること
ができ、負圧が揚力を減殺することによって高速航行を
阻害することを防止している。
た状態に隣接させ、航行中に非接水状態となるべく構成
している。後方離水面を非接水状態とすることによっ
て、前方接水面での揚力の生起にともなって生起された
負圧を、後方離水面後方に存在する空気で減殺すること
ができ、負圧が揚力を減殺することによって高速航行を
阻害することを防止している。
【0021】前方接水面に形成した凹状の湾曲は、前後
方向の断面視において、略円弧形状または複数の異なる
曲率の略円弧を滑らかに接続した形状としており、航行
速度の上昇にともなう抵抗の増加をまねくことなく、前
方接水面において大きな揚力を効率よく生起すべく構成
している。
方向の断面視において、略円弧形状または複数の異なる
曲率の略円弧を滑らかに接続した形状としており、航行
速度の上昇にともなう抵抗の増加をまねくことなく、前
方接水面において大きな揚力を効率よく生起すべく構成
している。
【0022】前方接水面に形成した凹状の湾曲をより厳
密に定義すると次のようになる。
密に定義すると次のようになる。
【0023】まず、前方接水面の前後方向の長さをLと
し、図1に示すように、y=0 を水面として同前方接水面
の断面形状を複素平面(z平面) 上に描いて得られる線を
y=y(x)とする。
し、図1に示すように、y=0 を水面として同前方接水面
の断面形状を複素平面(z平面) 上に描いて得られる線を
y=y(x)とする。
【0024】次いで、z=x+iyとして、重力の影響を無視
し、
し、
【0025】
【数式1】
【0026】なる変換を行い、さらに、z'=x'+iy' とす
ることによって、y=y(x)はz'平面上のy'=y'(x') の薄翼
に変換することができる。この薄翼の渦分布γを、
ることによって、y=y(x)はz'平面上のy'=y'(x') の薄翼
に変換することができる。この薄翼の渦分布γを、
【0027】
【数式2】
【0028】としたときに、表面で剥離の生じない条件
【0029】
【数式3】
【0030】で、-A2/A1が最大となる曲線形状、また
は、γの級数を適当な有限個で打ち切った場合に得られ
る-A2/A1が最大となる曲線形状の後方部分の形状であ
る。同形状を理論形状と呼ぶことにする。
は、γの級数を適当な有限個で打ち切った場合に得られ
る-A2/A1が最大となる曲線形状の後方部分の形状であ
る。同形状を理論形状と呼ぶことにする。
【0031】上述の理論形状が、最も理想的な前方接水
面の断面形状であるが、同理論形状を略円弧あるいは複
数の異なる曲率の略円弧を滑らかに接続したもので近似
しても、それにともなう揚力の減殺は現実的には無視で
きるほどに小さい。従って、前方接水面の前後方向の断
面形状を、略円弧形状または複数の異なる曲率の略円弧
を滑らかに接続した形状としてもよい。
面の断面形状であるが、同理論形状を略円弧あるいは複
数の異なる曲率の略円弧を滑らかに接続したもので近似
しても、それにともなう揚力の減殺は現実的には無視で
きるほどに小さい。従って、前方接水面の前後方向の断
面形状を、略円弧形状または複数の異なる曲率の略円弧
を滑らかに接続した形状としてもよい。
【0032】本発明の揚力発生構造を有する船は、上述
した揚力発生構造を船底に配設したものである。特に、
船体の重心位置より前方の船底に少なくとも1つ配設し
たもの、及び、船体の重心位置より前方の船底と、船体
の重心位置より後方の船底とにそれぞれ少なくとも1つ
配設したものである。1つに限定するものではなく、必
要に応じて複数の揚力発生構造を配設してもよい。
した揚力発生構造を船底に配設したものである。特に、
船体の重心位置より前方の船底に少なくとも1つ配設し
たもの、及び、船体の重心位置より前方の船底と、船体
の重心位置より後方の船底とにそれぞれ少なくとも1つ
配設したものである。1つに限定するものではなく、必
要に応じて複数の揚力発生構造を配設してもよい。
【0033】特に、船体重心の前後にそれぞれ揚力発生
構造を配設することによって、より大きな揚力を得るこ
とができ、高速航行時に水と接する部分の前後長を短く
して接水面積を減少させ、船体抵抗を削減することがで
きる。
構造を配設することによって、より大きな揚力を得るこ
とができ、高速航行時に水と接する部分の前後長を短く
して接水面積を減少させ、船体抵抗を削減することがで
きる。
【0034】また、同揚力発生構造の後方離水面の後方
に空気を送気すべく構成し、後方離水面の後方に積極的
に空気を送気することによって、前方接水面で揚力を生
起したことにより生起される負圧を確実に打ち消して負
圧の生起自体を防止し、揚力が減少することを防止して
いる。また、低航行速度においても後方離水面の離水を
強制的に行うことができるので、船底と水面との接触面
積を減少させて速やかに高速航行に移行することがで
き、加速性能を向上させることができる。
に空気を送気すべく構成し、後方離水面の後方に積極的
に空気を送気することによって、前方接水面で揚力を生
起したことにより生起される負圧を確実に打ち消して負
圧の生起自体を防止し、揚力が減少することを防止して
いる。また、低航行速度においても後方離水面の離水を
強制的に行うことができるので、船底と水面との接触面
積を減少させて速やかに高速航行に移行することがで
き、加速性能を向上させることができる。
【0035】さらに、揚力発生構造の前方接水面の後端
に揚力調整のための可動フラップを配設することによっ
て、航行速度に合わせて最も大きな揚力を得ることがで
きるようしている。また、船に重量物を搭載した際に生
じる船体のトリムや、旋回時のロールなどの船体姿勢
を、同可動フラップによって調整可能とし、常に最良の
揚力を得ることができるようにしている。
に揚力調整のための可動フラップを配設することによっ
て、航行速度に合わせて最も大きな揚力を得ることがで
きるようしている。また、船に重量物を搭載した際に生
じる船体のトリムや、旋回時のロールなどの船体姿勢
を、同可動フラップによって調整可能とし、常に最良の
揚力を得ることができるようにしている。
【0036】以下において、図面を用いながら本発明の
揚力発生構造を有する船の実施例を詳説する。まずは揚
力発生構造について詳説する。
揚力発生構造を有する船の実施例を詳説する。まずは揚
力発生構造について詳説する。
【0037】
【実施例】<揚力発生構造について>図2は、通常の船
1の左右両側に揚力発生構造からなる浮揚体2,2をそ
れぞれ配設した状態を示すものである。
1の左右両側に揚力発生構造からなる浮揚体2,2をそ
れぞれ配設した状態を示すものである。
【0038】図3は、同浮揚体2,2の前後方向の断面
を示すものである。浮揚体2,2には前方接水面3と後
方離水面4とからなる揚力発生部5を下方向に向けて突
出状態に配設しており、かつ、前方接水面3と後方離水
面4とを突部5cを介して屈曲状態に連結している。
を示すものである。浮揚体2,2には前方接水面3と後
方離水面4とからなる揚力発生部5を下方向に向けて突
出状態に配設しており、かつ、前方接水面3と後方離水
面4とを突部5cを介して屈曲状態に連結している。
【0039】図2中の符号Wは、停船状態での水面を示
しており、航行を開始すると前方接水面3が水面Wを下
方向に押下する方向に作用するとともに、その反作用と
して浮揚体2に揚力が生起される。
しており、航行を開始すると前方接水面3が水面Wを下
方向に押下する方向に作用するとともに、その反作用と
して浮揚体2に揚力が生起される。
【0040】同揚力によって浮揚体2は浮揚し、かつ、
後方離水面4を前方接水面3と突部5cを介して連結し
ていることによって、同後方離水面4の後方に容易に空
気を導いて、前方接水面3の揚力生起にともなう負圧の
生起を防止している。
後方離水面4を前方接水面3と突部5cを介して連結し
ていることによって、同後方離水面4の後方に容易に空
気を導いて、前方接水面3の揚力生起にともなう負圧の
生起を防止している。
【0041】また、浮揚体2の浮揚によって船1自体も
浮揚し、船1の船底と水面との接触面積を減少させるこ
とができるので、さらに抵抗を減少させることができ、
高速航行を可能とすることができる。
浮揚し、船1の船底と水面との接触面積を減少させるこ
とができるので、さらに抵抗を減少させることができ、
高速航行を可能とすることができる。
【0042】特に、図3の前後方向の断面図に示すよう
に、前方接水面3は凹状に湾曲させるとともに下り勾配
としているので、航行中、抵抗を増大させることなく大
きな揚力を生起することができ、安定した高速航行を可
能とすることができる。さらに、上述したように、前方
接水面3を数式から求められる理論形状としてもよい
が、現実的には同理論形状を略円弧形状、あるいは、複
数の異なる曲率の略円弧を滑らかに接続した形状で近似
した形状であっても、ほぼ同等の揚力を得ることができ
る。ただし、抵抗が若干大きくなる。
に、前方接水面3は凹状に湾曲させるとともに下り勾配
としているので、航行中、抵抗を増大させることなく大
きな揚力を生起することができ、安定した高速航行を可
能とすることができる。さらに、上述したように、前方
接水面3を数式から求められる理論形状としてもよい
が、現実的には同理論形状を略円弧形状、あるいは、複
数の異なる曲率の略円弧を滑らかに接続した形状で近似
した形状であっても、ほぼ同等の揚力を得ることができ
る。ただし、抵抗が若干大きくなる。
【0043】本実施例では、浮揚体2,2を通常の船1
の左右両側にそれぞれ配設した形態を示しているが、こ
の形態に限定するものではなく、例えば、船底部分に配
設したり、さらに多くの浮揚体2を配設するなど、所要
の位置にそれぞれ必要なだけ配設して揚力を生じさせる
べく構成してもよい。さらに、本実施例の浮揚体2は、
左右方向の断面形状をほぼ水平としているが、凹形状に
形成してもよい。
の左右両側にそれぞれ配設した形態を示しているが、こ
の形態に限定するものではなく、例えば、船底部分に配
設したり、さらに多くの浮揚体2を配設するなど、所要
の位置にそれぞれ必要なだけ配設して揚力を生じさせる
べく構成してもよい。さらに、本実施例の浮揚体2は、
左右方向の断面形状をほぼ水平としているが、凹形状に
形成してもよい。
【0044】また、本実施例では、前方接水面3と後方
離水面4とを突部5cを介して屈曲状態に連結している
が、後方離水面4と前方接水面3とをなだらかに連結
し、連結部分に突起を設けることによって突部5cを形
成してもよい。
離水面4とを突部5cを介して屈曲状態に連結している
が、後方離水面4と前方接水面3とをなだらかに連結
し、連結部分に突起を設けることによって突部5cを形
成してもよい。
【0045】<揚力発生構造を配設した船Aについて>
図4は、船底aに揚力発生構造を形成して高速航行可能
とした船Aの右側面図であり、図5は船Aの底面図、図
6は下方から見た船Aの船底aの斜視図、図7は船Aの
正面図、図8は船Aの背面図、図9は図7のI−I断面
図、図10は図7のII−II断面図である。図4から図1
0の図面では、プロペラ及び舵などの構成部品を省略
し、本発明の要部である船底形状が明確に分かるように
描いている。図中の符号Cはキャビンであり、符号Dは
通信アンテナやライト類の配設台である。図4及び図7
〜図10の符号wは高速航行中の水面を示している。
図4は、船底aに揚力発生構造を形成して高速航行可能
とした船Aの右側面図であり、図5は船Aの底面図、図
6は下方から見た船Aの船底aの斜視図、図7は船Aの
正面図、図8は船Aの背面図、図9は図7のI−I断面
図、図10は図7のII−II断面図である。図4から図1
0の図面では、プロペラ及び舵などの構成部品を省略
し、本発明の要部である船底形状が明確に分かるように
描いている。図中の符号Cはキャビンであり、符号Dは
通信アンテナやライト類の配設台である。図4及び図7
〜図10の符号wは高速航行中の水面を示している。
【0046】船Aの船底aには、船Aの重心位置より前
方位置に前部揚力発生部6を配設しており、また、船A
の重心位置より後方位置に左右対称に後部揚力発生部
7,7を配設している。特に、後部揚力発生部7,7は
船尾部分に左右対称に配設して、高速航行時の船Aの安
定性を高めるべく構成している。ただし、後部揚力発生
部7,7は船尾への配設に限定するものではなく、船A
の重心位置より後方位置であればよい。
方位置に前部揚力発生部6を配設しており、また、船A
の重心位置より後方位置に左右対称に後部揚力発生部
7,7を配設している。特に、後部揚力発生部7,7は
船尾部分に左右対称に配設して、高速航行時の船Aの安
定性を高めるべく構成している。ただし、後部揚力発生
部7,7は船尾への配設に限定するものではなく、船A
の重心位置より後方位置であればよい。
【0047】高速航行時には、同前部揚力発生部6と後
部揚力発生部7,7のみが水面wと接しているので、接
水面積を減少させて抵抗を削減することができる。
部揚力発生部7,7のみが水面wと接しているので、接
水面積を減少させて抵抗を削減することができる。
【0048】図5及び図6において、符号8は、船底a
に後部揚力発生部7,7を突設したことによって相対的
に凹形状となった後部船底である。凹形状となった後部
船底8を形成するように後部揚力発生部7,7を左右対
称に形成したことによって、高速航行中、後部船底8は
前部揚力発生部6後方に引き込まれた空気を円滑に船体
後方に送ることができる。また、後部揚力発生部7,7
によって、船体の左右のバランスをとることができるの
で、船体のロール角が不安定となることを防止すること
ができる。
に後部揚力発生部7,7を突設したことによって相対的
に凹形状となった後部船底である。凹形状となった後部
船底8を形成するように後部揚力発生部7,7を左右対
称に形成したことによって、高速航行中、後部船底8は
前部揚力発生部6後方に引き込まれた空気を円滑に船体
後方に送ることができる。また、後部揚力発生部7,7
によって、船体の左右のバランスをとることができるの
で、船体のロール角が不安定となることを防止すること
ができる。
【0049】前部揚力発生部6は、前部前方接水面6a
と前部後方離水面6bとによって構成しており、前部突
部6cを介して前部前方接水面6aと前部後方離水面6
bとを連結している。同前部突部6cは、図5に示すよ
うに、船底の中央から側縁に向かうにしたがって後方に
後退させている。前部突部6cを側縁に向かって漸次後
退させて形成することによって、生起した揚力にともな
う船体の浮揚により、揚力中心が移動して航行速度にと
もなって船体バランスが変化することを防止すべく構成
している。
と前部後方離水面6bとによって構成しており、前部突
部6cを介して前部前方接水面6aと前部後方離水面6
bとを連結している。同前部突部6cは、図5に示すよ
うに、船底の中央から側縁に向かうにしたがって後方に
後退させている。前部突部6cを側縁に向かって漸次後
退させて形成することによって、生起した揚力にともな
う船体の浮揚により、揚力中心が移動して航行速度にと
もなって船体バランスが変化することを防止すべく構成
している。
【0050】本実施例では、航行中に前部後方離水面6
bの後方に空気を導いて、容易に前部後方離水面6bを
離水させるべく、図9及び図10に示すように、鉛直方
向とほぼ並行に前部後方離水面6bを配設している。し
かし、これに限定するものではなく、前部突部6cを介
し前部前方接水面6aと前部後方離水面6bとを屈曲状
態に連結していればよい。すなわち、前部前方接水面6
aと前部後方離水面6bとのなす角が0°〜170°と
なっていればよい。ただし、170°〜180°であっ
ても、連結部分に突起を配設することによって擬似的に
前部突部6cを形成していればよい。
bの後方に空気を導いて、容易に前部後方離水面6bを
離水させるべく、図9及び図10に示すように、鉛直方
向とほぼ並行に前部後方離水面6bを配設している。し
かし、これに限定するものではなく、前部突部6cを介
し前部前方接水面6aと前部後方離水面6bとを屈曲状
態に連結していればよい。すなわち、前部前方接水面6
aと前部後方離水面6bとのなす角が0°〜170°と
なっていればよい。ただし、170°〜180°であっ
ても、連結部分に突起を配設することによって擬似的に
前部突部6cを形成していればよい。
【0051】前部前方接水面6aは、図9及び図10に
示すように、前後方向の断面視において凹状に湾曲させ
るとともに下り勾配の形状とし、航行中に効率よく揚力
を生起すべく構成している。特に凹状の湾曲を上述した
理論形状とすることによって、抵抗を増加させることな
く水面wより揚力を得ることができる。また、同理論形
状ではなく理論形状を略円弧形状、あるいは、複数の異
なる曲率の略円弧を滑らかに接続した形状で近似した形
状としても、ほぼ同等の揚力を得ることができる。ただ
し、抵抗が若干増加する。
示すように、前後方向の断面視において凹状に湾曲させ
るとともに下り勾配の形状とし、航行中に効率よく揚力
を生起すべく構成している。特に凹状の湾曲を上述した
理論形状とすることによって、抵抗を増加させることな
く水面wより揚力を得ることができる。また、同理論形
状ではなく理論形状を略円弧形状、あるいは、複数の異
なる曲率の略円弧を滑らかに接続した形状で近似した形
状としても、ほぼ同等の揚力を得ることができる。ただ
し、抵抗が若干増加する。
【0052】後部揚力発生部7も、後部前方接水面7a
と後部後方離水面7bとによって構成しており、後部突
部7cを介して後部前方接水面7aと後部後方離水面7
bとを連結している。
と後部後方離水面7bとによって構成しており、後部突
部7cを介して後部前方接水面7aと後部後方離水面7
bとを連結している。
【0053】後部後方離水面7bも、図10に示すよう
に、できるだけ鉛直方向とほぼ並行に配設して、高速航
行中の後部後方離水面7bの後方に空気を導いて、容易
に後部後方離水面7bを離水させるべく構成している。
ただし、後部揚力発生部7でも前部揚力発生部6と同様
に、後部突部7cを介して後部前方接水面7aと後部後
方離水面7bとを屈曲状態に連結していればよい。すな
わち、後部前方接水面7aと後部後方離水面7bとのな
す角が0°〜170°となっていればよい。ただし、1
70°〜180°であっても、連結部分に突起を配設す
ることによって擬似的に後部突部7cとしていればよ
い。
に、できるだけ鉛直方向とほぼ並行に配設して、高速航
行中の後部後方離水面7bの後方に空気を導いて、容易
に後部後方離水面7bを離水させるべく構成している。
ただし、後部揚力発生部7でも前部揚力発生部6と同様
に、後部突部7cを介して後部前方接水面7aと後部後
方離水面7bとを屈曲状態に連結していればよい。すな
わち、後部前方接水面7aと後部後方離水面7bとのな
す角が0°〜170°となっていればよい。ただし、1
70°〜180°であっても、連結部分に突起を配設す
ることによって擬似的に後部突部7cとしていればよ
い。
【0054】後部前方接水面7aも、図9及び図10に
示すように、前後方向の断面視において凹状に湾曲させ
るとともに下り勾配の形状とし、航行中に効率よく揚力
を生起すべく構成している。特に凹状の湾曲を上述した
理論形状とすることによって、抵抗を増加させることな
く水面wより揚力を得ることができる。また、同理論形
状ではなく理論形状を略円弧形状、あるいは、複数の異
なる曲率の略円弧を滑らかに接続した形状で近似した形
状であっても、ほぼ同等の揚力を得ることができる。た
だし、抵抗が若干増加する。
示すように、前後方向の断面視において凹状に湾曲させ
るとともに下り勾配の形状とし、航行中に効率よく揚力
を生起すべく構成している。特に凹状の湾曲を上述した
理論形状とすることによって、抵抗を増加させることな
く水面wより揚力を得ることができる。また、同理論形
状ではなく理論形状を略円弧形状、あるいは、複数の異
なる曲率の略円弧を滑らかに接続した形状で近似した形
状であっても、ほぼ同等の揚力を得ることができる。た
だし、抵抗が若干増加する。
【0055】上述したように、船底aに前部揚力発生部
6及び後部揚力発生部7からなる揚力発生構造を形成し
た本発明の船Aは、航行速度の増加とともに前部前方接
水面6a及び後部前方接水面7aで揚力を生起して船体
を浮揚させ、かつ、前部後方離水面6b及び後部後方離
水面7bとをそれぞれ離水させて水面wと非接触状態と
することによって、水面wと船底aとの接触面積を減少
させている。従って、船体抵抗を小さくすることがで
き、高速航行を可能とすることができる。また、抵抗が
小さくなることによって消費燃料も少なくすることがで
き、燃費を向上させることができる。
6及び後部揚力発生部7からなる揚力発生構造を形成し
た本発明の船Aは、航行速度の増加とともに前部前方接
水面6a及び後部前方接水面7aで揚力を生起して船体
を浮揚させ、かつ、前部後方離水面6b及び後部後方離
水面7bとをそれぞれ離水させて水面wと非接触状態と
することによって、水面wと船底aとの接触面積を減少
させている。従って、船体抵抗を小さくすることがで
き、高速航行を可能とすることができる。また、抵抗が
小さくなることによって消費燃料も少なくすることがで
き、燃費を向上させることができる。
【0056】特に、航行速度に応じて接水面積を変化さ
せ、低速航行時には大きな接水面積で大きな揚力を生起
し、高速航行時には接触面積を著しく減少させて抵抗を
小さくしているので、従来の船舶より高速での航行を可
能とすることができる。
せ、低速航行時には大きな接水面積で大きな揚力を生起
し、高速航行時には接触面積を著しく減少させて抵抗を
小さくしているので、従来の船舶より高速での航行を可
能とすることができる。
【0057】さらに、前部前方接水面6a及び後部前方
接水面7aを凹状に湾曲させるとともに下り勾配とす
る、特に凹状の湾曲を前後方向の断面視において略円弧
形状、あるいは、複数の異なる曲率の略円弧を滑らかに
接続した形状に形成することによって、航行速度が増加
しても抵抗を増加させることなく、少ない接触面積で揚
力を得ることができるので、船体を確実に浮揚させて、
低燃費で、安定した高速航行を可能にすることができ
る。
接水面7aを凹状に湾曲させるとともに下り勾配とす
る、特に凹状の湾曲を前後方向の断面視において略円弧
形状、あるいは、複数の異なる曲率の略円弧を滑らかに
接続した形状に形成することによって、航行速度が増加
しても抵抗を増加させることなく、少ない接触面積で揚
力を得ることができるので、船体を確実に浮揚させて、
低燃費で、安定した高速航行を可能にすることができ
る。
【0058】また、風の強い日などは、航行速度を落と
して接水面積を増加させることによって、従来の船舶と
同様に安定して航行することができるので、天候による
影響を受けにくくすることができる。逆に言えば、従来
の船舶の底面に前部揚力発生部6、及び、後部揚力発生
部7を形成しておくだけで、従来の船舶を簡単に高速航
行させることができるので、低コストで高速航行可能な
船Aを提供することができる。
して接水面積を増加させることによって、従来の船舶と
同様に安定して航行することができるので、天候による
影響を受けにくくすることができる。逆に言えば、従来
の船舶の底面に前部揚力発生部6、及び、後部揚力発生
部7を形成しておくだけで、従来の船舶を簡単に高速航
行させることができるので、低コストで高速航行可能な
船Aを提供することができる。
【0059】さらに、図11及び図12に断面図で示す
ように、船Aの上面に進行方向に向けて吸気口9を配設
し、動圧を利用して同吸気口9より空気を吸引し、導気
管10を介して前部揚力発生部6の前部後方離水面6b
の後方に空気を送気すべく構成してもよい。符号11は
送気口である。
ように、船Aの上面に進行方向に向けて吸気口9を配設
し、動圧を利用して同吸気口9より空気を吸引し、導気
管10を介して前部揚力発生部6の前部後方離水面6b
の後方に空気を送気すべく構成してもよい。符号11は
送気口である。
【0060】前部後方離水面6bの後方に空気を送気す
ることにより、低航行速度であっても前部後方離水面6
bを空気圧によって離水させることができるので、接水
面積を減少させて抵抗を小さくすることができる。従っ
て、短時間のうちに最高航行速度まで加速することがで
き、加速性能を向上させることができる。また、送気し
た空気の空気圧も船体の浮揚に寄与させることができ、
さらに、送気された空気によって、前部前方接水面6a
が揚力を生起することによって生起される負圧を完全に
打ち消すことができ、同負圧による抵抗の発生を防止す
ることができる。
ることにより、低航行速度であっても前部後方離水面6
bを空気圧によって離水させることができるので、接水
面積を減少させて抵抗を小さくすることができる。従っ
て、短時間のうちに最高航行速度まで加速することがで
き、加速性能を向上させることができる。また、送気し
た空気の空気圧も船体の浮揚に寄与させることができ、
さらに、送気された空気によって、前部前方接水面6a
が揚力を生起することによって生起される負圧を完全に
打ち消すことができ、同負圧による抵抗の発生を防止す
ることができる。
【0061】本実施例では船Aの動圧を利用して、空気
を送気口11より送気すべく構成しているだけである
が、必要に応じて送気ファンを設けて圧縮した空気を強
制送気すべく構成してもよいし、あるいは、機関部の高
圧排気を送気口11より送気すべく構成してもよい。
を送気口11より送気すべく構成しているだけである
が、必要に応じて送気ファンを設けて圧縮した空気を強
制送気すべく構成してもよいし、あるいは、機関部の高
圧排気を送気口11より送気すべく構成してもよい。
【0062】また、図示していないが、前部揚力発生部
6の前部後方離水面6bの後方だけでなく、後部揚力発
生部7の後部後方離水面7bの後方にも送気すべく、吸
気口9、導気管10、送気口11を配設してもよい。ま
たは、機関部の高圧排気を後部後方離水面7bの後方に
送気すべく送気口11を配設してもよい。
6の前部後方離水面6bの後方だけでなく、後部揚力発
生部7の後部後方離水面7bの後方にも送気すべく、吸
気口9、導気管10、送気口11を配設してもよい。ま
たは、機関部の高圧排気を後部後方離水面7bの後方に
送気すべく送気口11を配設してもよい。
【0063】さらに、図13及び図14に示すように、
前部揚力発生部6の前部前方接水面6aの後端部分、及
び、後部揚力発生部7の後部前方接水面7aの後端部分
にそれぞれ可動フラップf1,f2を配設してもよい。
図15は、可動フラップf2を配設した後部揚力発生部
7の側面状態を示したものであり、上下方向に回動可能
に可動フラップf2を配設している。図示していない
が、前部前方接水面6aの後端部分に配設した可動フラ
ップf1も同様に上下方向に回動可能に配設している。
前部揚力発生部6の前部前方接水面6aの後端部分、及
び、後部揚力発生部7の後部前方接水面7aの後端部分
にそれぞれ可動フラップf1,f2を配設してもよい。
図15は、可動フラップf2を配設した後部揚力発生部
7の側面状態を示したものであり、上下方向に回動可能
に可動フラップf2を配設している。図示していない
が、前部前方接水面6aの後端部分に配設した可動フラ
ップf1も同様に上下方向に回動可能に配設している。
【0064】航行速度に合わせて可動フラップf1,f
2を回動させることにより、水面wより受ける揚力の大
きさを調整可能とすることができるとともに、船体に重
量物を搭載した際に生じる船体のトリムを可動フラップ
によって調整可能とすることができ、常に最良の揚力を
得ることができる。
2を回動させることにより、水面wより受ける揚力の大
きさを調整可能とすることができるとともに、船体に重
量物を搭載した際に生じる船体のトリムを可動フラップ
によって調整可能とすることができ、常に最良の揚力を
得ることができる。
【0065】また、図13及び図14に示すように、前
部前方接水面6aの後端部分に設けた可動フラップf
1、及び、後部前方接水面7aの後端部分に設けた可動
フラップf2をそれぞれ左右対称に2枚1組で設けるこ
とによって、船体のロール角も調節することができ、船
体の航行安定性、特に旋回時の安定性を向上させること
ができる。
部前方接水面6aの後端部分に設けた可動フラップf
1、及び、後部前方接水面7aの後端部分に設けた可動
フラップf2をそれぞれ左右対称に2枚1組で設けるこ
とによって、船体のロール角も調節することができ、船
体の航行安定性、特に旋回時の安定性を向上させること
ができる。
【0066】本実施例では、図6に示すように、船尾部
分に凹形状となった後部船底8を設けて左右対称に後部
揚力発生部7,7を突設したものについて説明したが、
この形態に限定するものではなく、図16に示すよう
に、船尾部分に凹形状となった後部船底8を設けず、一
体的な大型後部揚力発生部12を下方向に突出させて、
揚力を得るべく構成してもよい。
分に凹形状となった後部船底8を設けて左右対称に後部
揚力発生部7,7を突設したものについて説明したが、
この形態に限定するものではなく、図16に示すよう
に、船尾部分に凹形状となった後部船底8を設けず、一
体的な大型後部揚力発生部12を下方向に突出させて、
揚力を得るべく構成してもよい。
【0067】あるいは、図17に示すように、それぞれ
に揚力発生構造を形成した複数の接水胴体13を船底
a' に配設して多胴船A' としてもよい。多胴船A' と
することによって、広い甲板と凌波性能、ローリングに
対する安定性を高めることができる。特に3胴以上の船
体の場合、重心位置を挟むように各接水胴体13を前後
に配置することによって、ピッチングに対する安定性を
高めることができる。
に揚力発生構造を形成した複数の接水胴体13を船底
a' に配設して多胴船A' としてもよい。多胴船A' と
することによって、広い甲板と凌波性能、ローリングに
対する安定性を高めることができる。特に3胴以上の船
体の場合、重心位置を挟むように各接水胴体13を前後
に配置することによって、ピッチングに対する安定性を
高めることができる。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば次のような効果を得るこ
とができる。
とができる。
【0069】船体の船底に揚力発生構造を設けることに
よって、船体を簡単に浮揚させて航行させることがで
き、水面との接水面積を減少させて船体抵抗を削減する
ことができる。従って、簡単に高速航行可能とすること
ができ、また、消費燃料を削減して低燃費とすることが
できる。特に船体の重心の前後にそれぞれ揚力発生構造
を配設することによって、高速航行時の水面との接触面
積を大きく減少させて抵抗を削減することができ、より
高速な航行、及び燃費の向上をはかることができる。
よって、船体を簡単に浮揚させて航行させることがで
き、水面との接水面積を減少させて船体抵抗を削減する
ことができる。従って、簡単に高速航行可能とすること
ができ、また、消費燃料を削減して低燃費とすることが
できる。特に船体の重心の前後にそれぞれ揚力発生構造
を配設することによって、高速航行時の水面との接触面
積を大きく減少させて抵抗を削減することができ、より
高速な航行、及び燃費の向上をはかることができる。
【0070】揚力発生構造の後方離水面の後方に空気を
送気すべく構成することによって、低航行速度において
も送気した空気によって後方離水面を強制的に離水させ
ることができ、水面との接触面積を減少させることがで
きる。特に、前方接水面が揚力を生起することによって
生起された負圧を打ち消すことができるので、安定した
高速航行を可能にすることができる。
送気すべく構成することによって、低航行速度において
も送気した空気によって後方離水面を強制的に離水させ
ることができ、水面との接触面積を減少させることがで
きる。特に、前方接水面が揚力を生起することによって
生起された負圧を打ち消すことができるので、安定した
高速航行を可能にすることができる。
【0071】さらに、揚力発生構造の前方接水面の後端
に、揚力調整のための可動フラップを配設することによ
って、同可動フラップにより航行速度に合わせて最も大
きな揚力を得ることができるようにを調整することがで
きる。また、船に重量物を搭載した際に生じる船体のト
リム及びロールを可動フラップによって調整し、最良の
揚力を得ることができるようにすることができる。
に、揚力調整のための可動フラップを配設することによ
って、同可動フラップにより航行速度に合わせて最も大
きな揚力を得ることができるようにを調整することがで
きる。また、船に重量物を搭載した際に生じる船体のト
リム及びロールを可動フラップによって調整し、最良の
揚力を得ることができるようにすることができる。
【0072】
【0073】
【図1】前方接水面の理論力線を説明する説明図であ
る。
る。
【図2】揚力発生構造からなる浮揚体を配設した状態を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図3】揚力発生構造からなる浮揚体の縦断面図であ
る。
る。
【図4】揚力発生構造を有する船の右側面図である。
【図5】揚力発生構造を有する船の底面図である。
【図6】揚力発生構造を有する船の船底の斜視図であ
る。
る。
【図7】揚力発生構造を有する船の正面図である。
【図8】揚力発生構造を有する船の背面図である。
【図9】図7のI−I断面図である。
【図10】図7のII−II断面図である。
【図11】前部後方離水面側に空気を送気すべく設けた
導気管を示す断面図である。
導気管を示す断面図である。
【図12】前部後方離水面側に空気を送気すべく設けた
導気管を示す断面図である。
導気管を示す断面図である。
【図13】前部前方接水面及び後部前方接水面に可動フ
ラップを設けた状態を示す側面図である。
ラップを設けた状態を示す側面図である。
【図14】前部前方接水面及び後部前方接水面に可動フ
ラップを設けた状態を示す底面図である。
ラップを設けた状態を示す底面図である。
【図15】後部前方接水面に設けた可動フラップの説明
図である。
図である。
【図16】他の実施例の揚力発生構造を有する船の斜視
図である。
図である。
【図17】他の実施例の揚力発生構造を有する船の斜視
図である。
図である。
A 船
a 船底
w 高速航行中の水面
6 前部揚力発生部
6a 前部前方接水面
6b 前部後方離水面
6c 前部突部
7 後部揚力発生部
7a 後部前方接水面
7b 後部後方離水面
7c 後部突部
8 後部船底
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平1−282086(JP,A)
特開 昭52−121286(JP,A)
特開 昭54−126388(JP,A)
実開 昭61−169881(JP,U)
実開 昭58−129287(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B63B 1/16 - 1/20
Claims (3)
- 【請求項1】 船体の接水部分に構成する揚力発生構造
であって、航行中、揚力を生起すべく凹状に湾曲させる
とともに下り勾配とした前方接水面を下方に形成し、同
前方接水面の後端に角部を介して、航行中、非接水状態
となる後方離水面を隣接させて形成した揚力発生構造か
らなる揚力発生部を、船体の重心位置より前方の船底
と、船体の重心位置より後方の船底とにそれぞれ設ける
とともに、 船体の重心位置より後方に設ける揚力発生部は、船体の
重心位置より前方に設けた揚力発生部の後方に引き込ま
れた空気を円滑に船体後方に送るべく凹形状とした後部
船底を挟んで左右対称に設けた揚力発生構造を有する
船。 - 【請求項2】 前記揚力発生構造の後方離水面の後方に
空気を送気すべく構成したことを特徴とする請求項1記
載の揚力発生構造を有する船。 - 【請求項3】 前記揚力発生構造の前方接水面の後端
に、揚力調整のための可動フラップを配設したことを特
徴とする請求項1または請求項2記載の揚力発生構造を
有する船。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19188599A JP3486373B2 (ja) | 1999-07-06 | 1999-07-06 | 揚力発生構造を有する船 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19188599A JP3486373B2 (ja) | 1999-07-06 | 1999-07-06 | 揚力発生構造を有する船 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001018883A JP2001018883A (ja) | 2001-01-23 |
JP3486373B2 true JP3486373B2 (ja) | 2004-01-13 |
Family
ID=16282087
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19188599A Expired - Fee Related JP3486373B2 (ja) | 1999-07-06 | 1999-07-06 | 揚力発生構造を有する船 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3486373B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5265954B2 (ja) * | 2008-04-16 | 2013-08-14 | ハル子 網矢 | 高速艇 |
CN111422297B (zh) * | 2020-04-09 | 2022-09-09 | 李中应 | 一种舰船自动力多途径加速装置 |
CN116161162B (zh) * | 2023-03-24 | 2024-02-02 | 深海技术科学太湖实验室 | 超高速滑行艇刚柔双滑行面双断阶船体及滑行方式 |
-
1999
- 1999-07-06 JP JP19188599A patent/JP3486373B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001018883A (ja) | 2001-01-23 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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