JP3485300B2 - 画像処理によるtbm掘削ずり状態計測方法及び装置 - Google Patents

画像処理によるtbm掘削ずり状態計測方法及び装置

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JP3485300B2 JP30689898A JP30689898A JP3485300B2 JP 3485300 B2 JP3485300 B2 JP 3485300B2 JP 30689898 A JP30689898 A JP 30689898A JP 30689898 A JP30689898 A JP 30689898A JP 3485300 B2 JP3485300 B2 JP 3485300B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネルボーリン
グマシン(以下、TBMと記す。)を用いてトンネル掘
削を行う際に、掘削ずりの状態を計測し画像処理によっ
て地山の状態を推定する技術に関し特に、画像処理によ
るTBM掘削ずり状態計測方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】TBMによるトンネル掘削においては、
地山の評価、切羽の状態の把握が非常に重要である。特
に、日本のような破砕帯、膨張性地山等が多く点在する
地域においてTBM工法の適用性を拡大するためには、
切羽の状態、掘削ずりの状態等からリアルタイムに高精
度で地山の状態を推定し、掘削の予測や不安定な地質に
突入した際の補助工法の選定等に活かす必要がある。
【0003】しかし、従来、TBM工法においては、切
羽がTBM機体で塞がれているために切羽の直接的な観
察に基づく地山状態の判断をリアルタイムで実施するこ
とは難しく、オペレータの操作勘に頼っていることが多
かった。
【0004】TBM工法の掘削能率を予測するための指
標として、海外では、TBMドリリング指標DRIおよ
びTBMビット摩耗指標BWIが提案され検討が行われ
ている。しかし、これらは、地山の評価を行うものであ
っても、処理はオフラインとなっており、リアルタイム
に地山の評価ができない欠点があり、これらの指標をそ
のまま実施工には利用できない。
【0005】例えば、本出願人は、TBM工法における
前方探査、切羽や壁面の画像撮影に関する技術として、
特願平9ー192368号、特願平9ー239380号
で提案しているがリアルタイムで地山の評価をするもの
ではない。また、本出願人の提案した特願平10ー20
1549号では、カッタトルク等からの機械データ情
報、削孔機による削孔データからの破壊エネルギー、ず
りの撮像カメラ画像等によるずり形状・性状と湧水量お
よび地山データベースとからのずり評価、を総合評価し
ている。しかしこの技術は、各種情報を総合して評価す
る方法で、ずりの形状のみを撮像して解析し地山の評価
をリアルタイムに行うものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記に鑑みて
なされたもので、ずりの形状を計測して粒径分布の解析
をすると共に同時に計測したずりの水分量を加味してリ
アルタイムに地山の状態を定量的に評価する画像処理に
よるTBM掘削ずり状態計測方法及び装置の提供を目的
としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、トンネ
ルボーリングマシンを用いてトンネルを掘削する際に、
掘削ずりを解析して地山状況を把握するTBM掘削ずり
状態計測方法において、掘削ずりをリアルタイムで解析
して掘削ずりの粒径別分布を求める掘削ずり粒径分布収
集工程と、該掘削ずりの水分量をリアルタイムで判定す
る掘削ずり水分量判定工程と、前記2つの工程で得たデ
ータに基づき掘削ずりの性状をリアルタイムで判定する
掘削ずり性状判定工程とを含み、前記粒径分布収集工程
はトンネルボーリングマシンからベルトコンベヤに排出
落下するずりを複数のCCDカメラで撮像し、撮像した
濃淡画像を輪郭処理してずりの輪郭を求め、レーザース
キャンセンサでレーザー光を複数回スキャンさせてずり
の3次元形状を求め、前記ずりの輪郭とずりの3次元形
状から個々のずりの粒径を求めると共に粒径分布を求め
るようになっている。
【0008】
【0009】本発明の画像処理によるTBM掘削ずり状
態計測装置によれば、トンネルボーリングマシンを用い
てトンネルを掘削する際に、掘削ずりを解析して地山状
況を把握するTBM掘削ずり状態計測装置において、ト
ンネルボーリングマシンから排出落下するずりを撮像す
る複数のCCDカメラと、CCDカメラとレーザースキ
ャンセンサのデータに基づいて掘削ずり状態を判定する
掘削ずり性状判定手段と、落下するずりの形状を計測す
るレーザースキャンセンサと、浮遊粉塵による撮像の劣
化を防ぐための送風管および排風管を設けている。
【0010】そして、CCDカメラの撮像からずりの水
分量を判定するために、前記CCDカメラの1台には偏
光レンズの[α°]を装着し、同一方向に設ける別の1
台には偏光レンズの[(α+90°)]を装着する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を説明する。図1に、本発明のTBM掘削ずり状
態計測装置の側面図を、図2にその上面図を示す。図
1、2の紙面左方が装置の前方、右方が後方で、明示し
ないTBM前部のカッターで掘削されたずりを後方に搬
送するずり搬出コンベヤ1が後方に上傾されてTBM内
に設けられている。その搬出コンベヤ1の後端から排出
落下するずりを受け止めてTBM外に搬出するベルトコ
ンベヤである第2のコンベヤ2が設けられている。搬出
コンベヤ1、第2のコンベヤ2には、ずりの側方への落
下、飛散防止用の第1のカバー4および第2のカバー5
が装着されている。
【0012】その搬出コンベヤ1の後端から第2のコン
ベヤ2の前部に落下するずりを撮像するための照明、カ
メラ等の各種撮像用機器が、ずり落下位置の周辺に設け
られている。ずり落下位置の後部、即ち、搬出コンベヤ
1の後方には、撮像用機器を周辺装置その他から擁護す
る擁護カバー7内に、ずりの落下位置に向けて照明装置
8、CCD(Charge Coupled Devi
ce)カメラ11、12およびレーザスキャンセンサ1
4、が設置されている。
【0013】ずり落下位置の前後、左右には、ずり飛散
防止カバー3が設けられ、カバー3の前端内部に照明装
置8の投光を反射してずりの撮像を補光するリフレクタ
9が設けられている。また、ずりの落下状態を側方から
撮像するCCDカメラ13がコンベヤ1、2の中間に横
向き、水平方向に設けられている(図3参照)。
【0014】また図1および図2には明示されないが、
CCDカメラ11、12、13およびレーザースキャン
センサ14のデータを入力して掘削ずりの状態を判定す
るコンピュータを含んだ掘削ずり性状判定手段B30が
設けられている。
【0015】また、図2で示したように、図示しない送
風源に接続された送風管10aがカバー7に接続され、
カバー7を通過した風がCCDカメラ13の近傍を経由
してカメラ11、12、13等の撮像装置の撮像を妨げ
る粉塵を排して画像劣化を予防し排風管10bを介して
後方外部に排風されるように構成されている。
【0016】レーザースキャンセンサ14は、図3に示
すように、落下するずり6を後方からずりの前後の形状
を計測するよう水平方向にスキャンする。そして、左右
水平方向をY軸とし、前後方向をX軸とする形状線6t
を描く曲線グラフ15を求めるよう構成されている。図
4および図5は、一定時間ごとのスキャンによってずり
の立体形状をもとめる方法を示している。ずりの形状を
示す曲線は時刻をパラメータにしてあり、曲線6t0は
計測開始時の前後方向形状を示し、曲線6t1は所定時
間後の形状曲線を示している。このようにして計測した
形状曲線6t0〜6t4を、なめらかに結んで3次元形
状6tAを得るよう構成されている。
【0017】CCDカメラ11および13は、落下する
ずり6の形状を撮像するもので、CCDカメラ11はず
り6を後方から、CCDカメラ13はずり6を側方から
撮像して、ずり6の個々の輪郭形状をもとめ、レーザー
スキャンセンサ14が得た数値形状とあわせてずり6の
それぞれの大きさを求めるようになっている。
【0018】CCDカメラ11および13によって、ず
り6の個々の輪郭を求める要領を図6および図7に示し
てある。図6で、ずり6の現実の濃淡画像を得て、つい
で輪郭をもとめる任意公知の2値化法で図7のずり6の
輪郭図を得るようになっている。
【0019】また、CCDカメラ11および12は、偏
光角を変えたレンズを使用してずりの水分量を推定する
よう構成されている。この水分量推定の技術は、本出願
人が特願平9ー199971号ですでに出願している。
【0020】以上の装置構成による画像によるTBM掘
削ずり状態計測方法、の手順を説明する。図8は、CC
Dカメラ11、13の撮像およびレーザスキャンセンサ
14の計測結果を基にした掘削ずり粒径分布収集工程の
ブロック図を示している。
【0021】CCDカメラ11は、搬出コンベヤ1から
コンベヤ4に排出落下するずりの濃淡画像を後方から撮
像する(手順C1。以下単に記号のみ記載する。)次
に、この濃淡画像からずりの輪郭即ち、エッジを公知の
2値化法によって濃淡区分を明確化して求め(C2)、
後方視輪郭形状を確定する(C3)。
【0022】CCDカメラ13は、前記後方から撮像す
るCCDカメラ11と同タイミングで、ずり6を側方か
ら濃淡画像を撮像し(C4)、2値化法で濃淡区分を明
確にし(C5)、側方輪郭形状を確定する(C6)。
【0023】レーザースキャンセンサ14は、所定時間
ごとの水平スキャンを行いずりの前後方向寸法を計測し
(C7)、水平スキャンデータを重ねて3次元形状、寸
法を算出する(C8)。
【0024】次いで、CCDカメラ11および13から
のずりの輪郭データと、レーザスキャンセンサ14から
の3次元形状、寸法データとを突き合わせる相関計算処
理を行う(C9)。
【0025】次いで、上記撮像内での個々のずりの大き
さを推定し(C10)、図10に示すずりの粒径分布を
求める(C11)。図10の横軸は粒径を、縦軸はそれ
ぞれの粒径の占める割合を示している。分布曲線P1は
特定時間の粒径分布を示し、P2は別の時間に計測した
粒径分布を示している。図10に見るように、地山の状
態で粒径の平均値(P1ではM)も分布状態も異なって
くる。
【0026】次に、ずりの水分量を推定する掘削ずり水
分量判定工程を説明する。ずり6の後方同方向から例え
ば、CCDカメラ11では偏光レンズα°を装着させ、
CCDカメラ12では偏光度の大きい(α+90)°の
レンズを装着させて撮像し、水分量を推定する。
【0027】次に、ずりの性状を判定する掘削ずり性状
判定工程を説明する。前記の掘削ずり粒径分布収集工程
で得た粒径分布と、掘削ずり水分量判定工程から得たず
り6の水分量から図11にA3で示す掘削ずり性状判定
手段によって4分類に性状を分類する。性状4分類は、
粘土状、砂状、チップ状、大塊混り、であり、例えばチ
ップ状が標準状態に対して他の状態ではTMBのカッタ
回転速度、推進速度等が不適当となる。
【0028】図9は、上記の作用全体をまとめた掘削ず
り状態計測〜判定処理のながれの手順を、ブロック図で
示している。図8の手順と重複する部分も含めて説明す
る。手順B1ではCCDカメラ11のずり後面実態画像
である濃淡画像の撮像、手順B2(以下単にB2と記
す。他も同様に記す。)では画像の濃淡を2値化してず
りの輪郭を採取、B4ではCCDカメラ13のずり側面
実態画像である濃淡画像の撮像、B5では画像の濃淡を
2値化してずりの輪郭を採取、B7ではレーザスキャン
センサ14によるずりの前後方向形状寸法の計測とこの
繰り返しによるB8の3次元形状データの蓄積、B9で
はB2およびB5で得たデータとB8のデータによるず
りの3次元形状の生成、B11ではその3次元形状デー
タからずりの粒度分布推定をする。これらB1〜B11
の一連の手順が掘削ずり粒径分布収集工程を示してい
る。
【0029】次に、手順B1では前記粒径収集工程のデ
ータを使用、B21ではCCDカメラ11より偏光度が
90°大きい偏光レンズを装着したCCDカメラ12の
ずり後面実態画像である濃淡画像の撮像、B22では画
像の濃淡を2値化してずりの輪郭を採取、B23ではC
CDカメラ11および12の偏光度の違いの相関関係の
計算、◎ B24では水分量の算出による推定で、これらB1、B
2、B21〜B24の手順はずりの掘削ずり水分量判定
工程を示している。
【0030】次に、B11とB24から求めたずりの水
分量と粒径分布から、掘削ずり性状判定手段B30によ
って、図11のA3に示す、ずりの性状を判定する掘削
ずり性状判定処理工程を示している。図11は、掘削ず
り状態計測方法の各工程とずりの性状別判定区分を示
し、手順A1(以下単にA1と記す。他も同様に記
す。)は掘削ずり粒径分布収集工程、A2は掘削ずり水
分量判定工程、A3は前記のように、掘削ずり性状判定
手段B30による掘削ずり性状判定工程を示している。
その判定の結果を、A4は粘土状、A5は砂状、A6は
チップ状、A7は大塊混りと区分する。図12は、掘削
ずりの性状と地山状況およびTBM運転状況との関係を
示し、例えば掘削ずりがチップ状であれば地山は健全で
ありTBMの運転状況も問題ないが、掘削ずりが砂状で
あれば地山は堆積岩等でありカッタ回転速度が過大いな
り好ましくない。このように掘削ずりの性状から地山状
況が推定され、TBMの最適運転が選択できる。
【0031】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成さ
れ、以下の効果を奏する。 (1) TBMの最適使用のために、掘削ずりの性状状
態に応じたカッタ回転速度、推進速度を選択する必要が
あり、本発明の掘削ずり状態計測方法によればリアルタ
イムでずりの性状が求められ対応が迅速にできる。 (2) TBM掘削で不安定な地質に突入した際に、ず
り性状のリアルタイム計測によって地山状況を推定でき
補助工法の選定等の対応を迅速にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すTBM掘削ずり状態計
測装置の側面図。
【図2】図1の側面図。
【図3】レーザースキャンセンサの機能説明図。
【図4】レーザースキャンセンサのスキャンによるずり
の複数の2次元形状を示す図。
【図5】同上の集積によるずりの3次元形状を示す図。
【図6】CCDカメラの撮像によるずりの濃淡画像を示
す図。
【図7】同上画像を2値化してずりの輪郭を求めた状態
を示す図。
【図8】ずりの粒径分布を求めるブロック図。
【図9】本発明の実施形態によるずりの性状を求めるブ
ロック図。
【図10】ずりの粒径分布を示す図。
【図11】ずりの粒径分布と水分量からずり性状を判定
するブロック図。
【図12】ずり性状と地山状況およびTBM運転状況の
関係を示す図。
【符号の説明】
B30・・掘削ずり性状判定手段 1・・・ずり搬出コンベヤ 2・・・第2のコンベヤ 3・・・飛散防止カバー 4・・・第1のカバー 5・・・第2のカバー 7・・・擁護カバー 8・・・照明装置 9・・・リフレクタ 10a・・送風管 10b・・排風管 11・・CCDカメラ 12・・CCDカメラ 13・・CCDカメラ 14・・レーザースキャンセンサ 15・・レーザー出力曲線グラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/10 G01N 33/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネルボーリングマシンを用いてトン
    ネルを掘削する際に、掘削ずりを解析して地山状況を把
    握するTBM掘削ずり状態計測方法において、掘削ずり
    をリアルタイムで解析して掘削ずりの粒径別分布を求め
    る掘削ずり粒径分布収集工程と、該掘削ずりの水分量を
    リアルタイムで判定する掘削ずり水分量判定工程と、前
    記2つの工程で得たデータに基づき掘削ずりの性状をリ
    アルタイムで判定する掘削ずり性状判定工程とを含み、
    前記粒径分布収集工程はトンネルボーリングマシンから
    ベルトコンベヤに排出落下するずりを複数のCCDカメ
    ラで撮像し、撮像した濃淡画像を輪郭処理してずりの輪
    郭を求め、レーザースキャンセンサでレーザー光を複数
    回スキャンさせてずりの3次元形状を求め、前記ずりの
    輪郭とずりの3次元形状から個々のずりの粒径を求める
    と共に粒径分布を求めることを特徴とする画像処理によ
    るTBM掘削ずり状態計測方法。
  2. 【請求項2】 トンネルボーリングマシンを用いてトン
    ネルを掘削する際に、掘削ずりを解析して地山状況を把
    握するTBM掘削ずり状態計測装置において、トンネル
    ボーリングマシンから排出落下するずりを撮像する複数
    のCCDカメラと、落下するずりの形状を計測するレー
    ザースキャンセンサと、CCDカメラとレーザースキャ
    ンセンサのデータに基づいて掘削ずり状態を判定する掘
    削ずり性状判定手段と、浮遊粉塵による撮像の劣化を防
    ぐための送風管および排風管を設けたことを特徴とする
    画像処理によるTBM掘削ずり状態計測装置。
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